説明

電子機器

【課題】複数の方向に力覚を得ることが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】この携帯電話100(電子機器)は、一方方向側と他方方向側とで非対称になるような加速度を発生させることにより、一方方向側および他方方向側の少なくとも一方に力覚を発生させることが可能な加速度発生部5aおよび5bと、加速度発生部5aおよび5bが設けられる携帯電話本体部1とを備え、加速度発生部5aおよび5bは、それぞれ交差する軸に沿うように携帯電話本体部1に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、力覚を発生させることが可能な加速度発生部を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、力覚を発生させることが可能な加速度発生部を備える電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、コイルが巻回される円筒状のボビンと、円筒状のボビンの一方端部に固定的に取り付けられる第1永久磁石と、ボビンの他方側にボビンと別個に設けられる第2永久磁石と、コイル、ボビン、第1永久磁石および第2永久磁石を収納する円筒状のフレームと、第1永久磁石とフレームとの間に設けられるバネとを備える加速度発生装置(加速度発生部、電子機器)が開示されている。
【0004】
この加速度発生装置では、コイルに正弦波状の交流電流(交流電圧)が供給されることにより磁界が発生する。そして、第1永久磁石の一方側にはバネの弾性力が働くとともに、他方側にはコイルの磁界と第2永久磁石の磁界とが働く。これにより、第1永久磁石(ボビン)は、並進運動(振動)する。そして、第1永久磁石の一方側および他方側に働く力の大きさが、第1永久磁石とフレームとの相対的な位置によって変化するので、第1永久磁石の加速度は、加速度が0の基準線に対して非対称になる。その結果、使用者は、加速度発生装置を把持した場合に、所定の方向に引っ張られるような力覚を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2007/086426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された加速度発生装置では、使用者が加速度発生装置を把持した場合に得られる力覚の方向は、第1永久磁石が並進運動をする1つの軸に沿った方向のうちの一方の方向のみであり、複数の方向に力覚を得ることができないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の方向に力覚を得ることが可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における電子機器は、一方方向側および他方方向側の少なくとも一方に力覚を発生させることが可能な複数の加速度発生部と、複数の加速度発生部が設けられる電子機器本体部とを備え、複数の加速度発生部は、平面的に見て、互いに平行または交差する軸に沿うように電子機器本体部に設けられているとともに、複数の加速度発生部のうちの少なくとも1つは、電子機器本体部の重心となる位置からずれた位置に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成により、複数の方向に力覚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態による携帯電話の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による携帯電話の加速度発生部の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による携帯電話の加速度発生部の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態による携帯電話を使用者が把持した状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態による加速度発生部に印加する電圧の波形を示す図である。
【図6】図5に示す電圧を加速度発生部に印加した際の加速度の波形を示す図である。
【図7】図5に示す電圧を反転させた場合の電圧の波形を示す図である。
【図8】図7に示す電圧を加速度発生部に印加した際の加速度の波形を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態による携帯電話のナビゲーションの動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるゲームパッドの斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態による携帯電話の平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態による携帯電話の短軸に沿って開いた状態を示す図である。
【図13】本発明の第4実施形態による携帯電話の長軸に沿って開いた状態を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態による携帯型音楽プレーヤの平面図である。
【図15】本発明の第5実施形態による携帯型音楽プレーヤの平面図である。
【図16】本発明の第6実施形態によるゲーム機の構成を示す図である。
【図17】本発明の第6実施形態によるゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第6実施形態による波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)の波形図である。
【図19】本発明の第6実施形態によるゲーム機の音声信号の波形図である。
【図20】本発明の第6実施形態によるゲーム機の負の力覚信号と音声信号とを合成した信号の波形図である。
【図21】本発明の第6実施形態によるゲーム機の波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(正の力覚信号)の波形図である。
【図22】本発明の第6実施形態によるゲーム機の負の力覚信号と音声信号とを合成した信号のスペクトルを示す図である。
【図23】本発明の第6実施形態によるゲーム機の音声信号のスペクトルを示す図である。
【図24】本発明の第6実施形態によるゲーム機の負の力覚信号のスペクトルを示す図である。
【図25】本発明の第6実施形態によるゲーム機の操作部に矢印X2方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図26】本発明の第6実施形態によるゲーム機の操作部に矢印X1方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図27】本発明の第6実施形態によるゲーム機の操作部に反時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図28】本発明の第6実施形態によるゲーム機の操作部に時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図29】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に矢印Y1方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図30】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に矢印Y2方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図31】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に矢印X1方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図32】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に矢印X2方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図33】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に反時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図34】本発明の第7実施形態によるゲーム機の操作部に時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図35】本発明の第8実施形態によるゲーム機の全体構成を示す図である。
【図36】本発明の第8実施形態によるゲーム機に矢印X1方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図37】本発明の第8実施形態によるゲーム機に矢印X2方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図38】本発明の第8実施形態によるゲーム機にXZ平面内において反時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図39】本発明の第8実施形態によるゲーム機にXZ平面内において時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図40】本発明の第8実施形態によるゲーム機にXY平面内において時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図41】本発明の第8実施形態によるゲーム機にXY平面内において反時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図42】本発明の第9実施形態によるゲーム機に矢印Y1方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図43】本発明の第9実施形態によるゲーム機に矢印Y2方向に力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図44】本発明の第9実施形態によるゲーム機に反時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図45】本発明の第9実施形態によるゲーム機に時計回りに回転する力覚を発生させる際の動作を説明するための図である。
【図46】本発明の第5実施形態の変形例による携帯型音楽プレーヤの平面図である。
【図47】本発明の第9実施形態の変形例による携帯機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して、第1実施形態による携帯電話100の構成について説明する。なお、第1実施形態では、本発明の電子機器を携帯電話100に適用した例について説明する。
【0013】
本発明の第1実施形態による携帯電話100(携帯電話本体部1)は、図1に示すように、筐体2と、液晶ディスプレイなどからなる略矩形形状の表示部3と、押しボタンスイッチからなる複数の入力キー4とを備えている。また、筐体2の内部には、2つの加速度発生部5aおよび5bが設けられている。なお、加速度発生部5aおよび5bは、それぞれ、X方向およびY方向に沿って振動することが可能なように構成されている。
【0014】
また、第1実施形態では、加速度発生部5aおよび5bは、携帯電話100(携帯電話本体部1)の重心からずれた位置に配置されている。具体的には、加速度発生部5aは、表示部3の矢印Y1方向側の辺3aに沿うように配置されている。なお、加速度発生部5aは、表示部3の矢印Y1方向側の辺3aの中央部近傍に配置されている。また、加速度発生部5aは、携帯電話100の矢印Y1方向側の端部近傍に配置されている。また、加速度発生部5bは、表示部3の矢印X1方向側の辺3bに沿うように配置されている。なお、加速度発生部5bは、表示部3の矢印X1方向側の辺3bの中央部近傍に配置されている。また、加速度発生部5bは、携帯電話100の矢印X1方向側の端部近傍に配置されている。また、加速度発生部5aおよび5bは、同一平面上で交差する軸に沿うように配置されている。
【0015】
また、携帯電話100を使用者が把持した場合には、図4に示すように、使用者は、携帯電話100の矢印Y2方向側の部分を把持する。つまり、加速度発生部5aおよび5bは、使用者が携帯電話100を把持する側(矢印Y2方向側)とは反対側(矢印Y1方向側)の筐体2内に配置されている。
【0016】
また、図2に示すように、加速度発生部5aおよび5bは、円筒状の収納部11と、収納部11内に収納される円筒状の永久磁石からなる可動部12と、可動部12と収納部11の内側面との間に設けられるバネ部13aおよび13bと、収納部11に巻回されるコイル14とを含んでいる。永久磁石は、矢印X1方向側にN極の磁極面を有するとともに、矢印X2方向側にS極の磁極面を有するように配置されている。
【0017】
また、バネ部13aおよび13bは、コイルバネや板バネなどからなる。なお、バネ部13aおよび13bは、可動部12の振動(往復移動)の中心線C1に対して、略対称になるように配置されている。また、バネ部13aおよび13bは、同じ物である。つまり、バネ部13aおよび13bは、同じ材料からなり、同じバネ特性を有する。
【0018】
また、コイル14は、加速度発生部5aおよび5bを矢印X2方向側から見た場合に、収納部11に右巻きに巻回されているコイル14aと、収納部11に左巻きに巻回されているコイル14bとを含んでいる。つまり、収納部11に対する巻回の方向は、コイル14aとコイル14bとで反対である。また、コイル14aとコイル14bとは、電気的に接続されている。また、コイル14aは、収納部11の矢印X1方向側に配置されるとともに、コイル14bは、収納部11の矢印X2方向側に配置される。
【0019】
また、コイル14は、制御部15に接続されており、コイル14には、正側と負側とで非対称な波形を有する交流状の電圧(図5および図7参照)が印加されるように構成されている。ここで、正側と負側とで非対称な波形を有する交流状の電圧とは、電圧が0の点に対して、電圧の波形が点対称(たとえば正弦波)になっていないことを意味する。たとえば、電圧の正側と負側とで電圧が異なる極大値を有する場合などを意味する。
【0020】
次に、図2および図3を参照して、第1実施形態による加速度発生部5aの振動(往復移動)の動作を説明する。
【0021】
まず、制御部15からコイル14に電圧を印加する。そして、図2に示すように、コイル14にA1方向に電流が供給されるとする。これにより、図3に示すように、コイル14aのうち、矢印Y1方向側に配置されるコイル141aでは、コイル141aを紙面の手前から向こう側に向かって流れる電流と、矢印Y1方向の磁界との作用によって、矢印X2方向の電磁力が働く。同様に、コイル14aのうち、矢印Y2方向側に配置されるコイル142aにも、矢印X2方向の電磁力が働く。また、コイル14bのうち、矢印Y1方向側に配置されるコイル141bでは、コイル141bを紙面の向こうから手前に向かって流れる電流と、矢印Y2方向の磁界との作用によって、矢印X2方向の電磁力が働く。同様に、コイル14bのうち、矢印Y2方向側に配置されるコイル142bでも、矢印X2方向の電磁力が働く。なお、コイル14は、収納部11に固定されているので、永久磁石からなる可動部12が、コイル14が受ける電磁力の向きと反対向きの矢印X1方向に移動する。
【0022】
次に、制御部15からコイル14に印加する電圧の方向を反転させる。これにより、図2に示すように、コイル14には、A2方向に電流が供給される。その結果、コイル14には、A1方向に電流を流した場合に発生する電磁力の向きと反対向きの電磁力が働き、可動部12は、矢印X2方向に移動する。そして、コイル14に印加する電圧の方向を交互に反転させることにより、可動部12は、矢印X1方向と矢印X2方向とに交互に移動(振動)する。なお、可動部12が振動することにより、バネ部13aおよび13bを介して可動部12に接続されている収納部11(加速度発生部5a)も振動する。つまり、加速度発生部5aは、矢印X1方向と矢印X2方向とに交互に加速度を発生させる。なお、可動部12の振動と収納部11の振動とを共振させることにより、加速度発生部5aは、より大きな振動(加速度)を発生させることが可能となる。なお、加速度発生部5bの動作は、加速度発生部5aの動作と同様である。
【0023】
次に、図5〜図8を参照して、第1実施形態による加速度発生部5a(5b)のコイル14に印加する電圧について説明する。
【0024】
図5に示すように、加速度発生部5a(5b)のコイル14には、電圧V(t)の波形が、正(+)側と負(−)側とで非対称な形状を有する交流状の電圧を印加する。これにより、図6に示すように、加速度発生部5a(5b)は、1周期がT(sec)であり、加速度の最大値がGP1(G)であるとともに最小値がGN1(G)である加速度を発生する。なお、加速度GP1(G)の絶対値の大きさは、加速度GN1(G)の絶対値の大きさよりも大きい。これにより、たとえば図4に示すように、矢印X2方向側を正(+)側とした場合では、使用者が携帯電話100を把持している際に、加速度発生部5aが発生する矢印X2方向側(正(+)側)の加速度により、使用者は、矢印X2方向側に力覚(引っ張られる感覚)を得る。また、加速度発生部5aが筐体2の矢印Y1方向側の端部に配置されていることにより、使用者は、矢印X2方向から矢印Y2方向に向かって回転するような力覚を得る。また、矢印Y1方向側を正(+)側とした場合では、使用者が携帯電話100を把持している際に、加速度発生部5bが発生する矢印Y1方向側(正(+)側)の加速度により、使用者は、矢印Y1方向に力覚を得る。
【0025】
なお、図6に示すように、加速度の1周期において、正側の加速度の面積S1と、負側の加速度の面積S2とが略等しくなる。そして、図5に示す非対称な形状を有する交流状の電圧は、加速度発生部5a(5b)の収納部11の質量、可動部12の質量、バネ部13aおよび13bのバネ定数などのパラメータと、収納部11および可動部12の運動方程式とを用いて、図6に示す加速度が得られるように算出することにより求められる。
【0026】
また、図5に示す電圧の波形を反転させた図7に示す電圧を加速度発生部5a(5b)のコイル14に印加した場合、加速度発生部5a(5b)は、図8に示す加速度を発生させる。つまり、加速度発生部5a(5b)は、1周期がT(sec)であり、加速度の最大値がGP2(G)であるとともに最小値がGN2(G)である加速度を発生する。なお、加速度GN2(G)の絶対値の大きさは、加速度GP2(G)の絶対値の大きさよりも大きい。これにより、たとえば図4に示すように、矢印X1方向側を負(−)側とした場合では、使用者が携帯電話100を把持している際に、加速度発生部5aが発生する矢印X1方向側(負(−)側)の加速度により、使用者は、矢印X1方向側に力覚を得る。なお、加速度発生部5aが筐体2の矢印Y1方向側の端部に配置されていることにより、使用者は、矢印X1方向から矢印Y2方向に向かって回転するような力覚を得る。また、矢印Y2方向側を負(−)側とした場合では、使用者が携帯電話100を把持している際に、加速度発生部5bが発生する矢印Y2方向側(負(−)側)の加速度により、使用者は、矢印Y2方向に力覚を得る。
【0027】
次に、図9を参照して、第1実施形態による携帯電話100を用いたナビゲーションの動作について説明する。
【0028】
図9に示すように、目的地までの道のりが携帯電話100の表示部3に表示される。そして、目的地までの道のりのY方向に沿って延びる道路(位置A)において、使用者に矢印Y1方向に進むように指示を与える場合には、加速度発生部5aは振動せずに、加速度発生部5bが矢印Y2方向よりも矢印Y1方向の加速度が大きくなるように振動する。これにより、使用者は、矢印Y1方向に引っ張られるような力覚を得る。その結果、使用者は、矢印Y1方向に進むのが目的地までの正しい道のりであると認識する。また、Y方向に沿って延びる道路とX方向に沿って延びる道路との交差点(位置B)において、使用者に矢印Y1方向から矢印X2方向に曲がるように指示を与える場合には、加速度発生部5bの振動を停止させるとともに、加速度発生部5aが矢印X1方向よりも矢印X2方向の加速度が大きくなるように振動する。これにより、使用者は、矢印X2方向に引っ張られるような(矢印X2方向から矢印Y2方向に向かって回転するような)力覚を得る。その結果、使用者は、矢印X2方向に曲がるのが目的地までの正しい道のりであると認識する。なお、加速度発生部5aが発生する加速度の大きさと、加速度発生部5bが発生する加速度の大きさとを異ならせて、加速度発生部5aおよび5bの両方を振動させることにより、X方向(またはY方向)と交差する斜め方向にも使用者に力覚を感じさせることが可能である。
【0029】
第1実施形態による携帯電話100では、以下の効果を得ることができる。
【0030】
(1)携帯電話100の筐体2に、互いに交差するX方向およびY方向に沿うように、一方方向側および他方方向側の両方に力覚を発生させることが可能な加速度発生部5aおよび加速度発生部5bを設けた。これにより、加速度発生部5aと加速度発生部5bとによって、X方向とY方向とに力覚を発生させることができるので、使用者が携帯電話100を把持した場合に、互いに交差する複数の方向に力覚を得ることができる。
【0031】
(2)加速度発生部5a(5b)を、携帯電話100の重心となる位置からずれた位置に配置した。ここで、加速度発生部5a(5b)が携帯電話100の重心となる位置に配置された場合では、携帯電話100は、加速度発生部5a(5b)が発生する力覚の方向に沿って比較的小さく動く一方、加速度発生部5a(5b)を、携帯電話100の重心となる位置からずれた位置に配置することによって、携帯電話100が回転するように大きく動くようになる。つまり、加速度発生部5a(5b)を、携帯電話100の重心となる位置からずれた位置に配置することにより、加速度発生部5a(5b)を携帯電話100の重心となる位置に配置する場合と比べて、使用者が得られる力覚の大きさをより大きくすることができる。
【0032】
(3)一方方向側と他方方向側とで非対称になるような加速度を発生させることにより一方方向側または他方方向側に力覚を発生させるように加速度発生部5a(加速度発生部5b)を構成した。これにより、加速度発生部5a(加速度発生部5b)が発生する加速度が一方方向側と他方方向側とで対称となる場合と異なり、容易に、加速度発生部5aおよび加速度発生部5bに力覚を発生させることができる。
【0033】
(4)加速度発生部5a(5b)を、携帯電話100の筐体2の端部近傍に配置した。これにより、たとえば、使用者が携帯電話100の加速度発生部5a(5b)が配置される側とは反対側の端部を把持することにより、加速度発生部5a(5b)の回転モーメント(加速度発生部5a(5b)が発生する力の大きさと、把持する部分と加速度発生部5a(5b)との間の距離との積)が大きくなるので、使用者が得られる力覚の大きさをさらに大きくすることができる。
【0034】
(5)加速度発生部5aを、表示部3のX方向の一辺に沿って配置するとともに、加速度発生部5bを、表示部3のX方向と直交するY方向の一辺に沿って配置した。これにより、使用者が携帯電話100を把持した場合に、X方向に力覚を得ることができるとともに、Y方向にも力覚を得ることができる。また、加速度発生部5aと加速度発生部5bとの両方を振動させることにより、X方向の力覚とY方向の力覚とが合成されるので、X方向(Y方向)に交差する方向に力覚を得ることができる。
【0035】
(6)加速度発生部5a(5b)に、コイル14と、コイル14が発生する磁界により往復移動する永久磁石を含む可動部12と、コイル14および可動部12が収納される収納部11と、収納部11と可動部12との間にバネ部13aおよび13bと、コイル14に印加する電圧を制御する制御部15とを設けて、制御部15が、コイル14に波形が非対称な交流状の電圧を印加するように構成した。これにより、加速度発生部5a(5b)が一方方向側に発生する加速度の最大値と、他方方向側に発生する加速度の最大値とを異ならせることにより、大きい方の最大値の加速度を発生する側に容易に力覚を発生させることができる。
【0036】
(7)制御部15を、波形が非対称な交流状の電圧の波形を反転させてコイル14に印加するように構成した。これにより、電圧の波形の反転の前後において、加速度発生部5aおよび5bの加速度の波形を、加速度が0の基準線に対して略対称にすることができる。その結果、電圧の波形の反転の前後で、一方方向側と他方方向側とで略等しい大きさの力覚を得ることができる。すなわち、制御部15が、電圧の波形を反転させてコイル14に印加するという簡易な構成で、容易に一方方向側と他方方向側とで略等しい大きさの力覚を得ることができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、2つの加速度発生部5aおよび5bが設けられていた上記第1実施形態と異なり、3つの加速度発生部5c、5dおよび5eが設けられる例について説明する。
【0038】
図10に示すように、本発明の第2実施形態によるゲームパッド101の筐体21には、押しボタンスイッチやレバーからなる複数の入力キー22が設けられている。なお、ゲームパッド101は、本発明の「電子機器」の一例である。また、筐体21は、使用者が筐体21を把持するための把持部21aおよび21bを有する。ゲームパッド101の筐体21には、ゲームパッド101の矢印Y1方向側(使用者がゲームパッド101を把持する側とは反対側)に、加速度発生部5cが配置されている。なお、加速度発生部5cは、X方向に沿って配置されている。また、筐体21の把持部21aおよび21bには、それぞれ、加速度発生部5dおよび5eが配置されている。加速度発生部5dは、矢印Y1方向(Y2方向)と矢印X2方向(X1方向)との間の方向に沿って配置されている。また、加速度発生部5eは、矢印Y1方向(Y2方向)と矢印X1方向(X2方向)との間の方向に沿って配置されている。すなわち、加速度発生部5dと加速度発生部5eとは、平行には配置されずに、互いに交差する軸(方向)に沿って配置されている。なお、加速度発生部5c、5dおよび5eは、ゲームパッド101の重心からずれた位置に配置されている。また、ゲームパッド101は、図示しないゲーム本体に接続されている。そして、たとえば自動車レースのゲームにおいて、使用者が進めようとする自動車の方向に対応するように、加速度発生部5c、5dおよび5eの全部または一部を振動させることにより、使用者が自動車を進めたい方向に力覚を得るように構成されている。また、加速度発生部5c、5dおよび5eは、同一平面上で交差する軸に沿うように配置されている。なお、加速度発生部5c、5dおよび5eの構成は、上記第1実施形態の加速度発生部5a(5b)と同様である。
【0039】
また、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0040】
(第3実施形態)
次に、図11を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、携帯電話100に表示部3と入力キー4とが別個に設けられていた上記第1実施形態と異なり、表示部32にタッチパネルを用いた入力キーが設けられている携帯電話102について説明する。なお、携帯電話102は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0041】
図11に示すように、本発明の第3実施形態による携帯電話102の筐体31には、表示部32が設けられる一方、入力キーは、設けられていない。表示部32には、タッチパネルが設けられており、携帯電話102への入力は、タッチパネルによって行われる。そして、筐体31に入力キーが設けられないことにより、平面的に見て、筐体31の大部分は、表示部32によって占められている。また、携帯電話102の筐体31には、加速度発生部5aおよび5bが設けられている。なお、加速度発生部5aおよび5bは、携帯電話102の重心からずれた位置に配置されている。加速度発生部5aは、携帯電話102の矢印Y1方向側の端部に設けられるとともに、X方向に沿うように設けられている。また、加速度発生部5bは、携帯電話102の矢印X1方向側の端部に設けられるとともに、Y方向に沿うように設けられている。なお、加速度発生部5bは、上記加速度発生部5bが表示部3のY方向に沿った辺3bの中央部近傍に設けられていた第1実施形態(図1参照)と異なり、表示部32のY方向に沿った辺32aの矢印Y1方向側にずらして設けられている。これにより、加速度発生部5bが、携帯電話102の使用者が把持する部分(矢印Y2方向側)から離れた位置に配置されている分、加速度発生部5bによって発生される力覚(回転モーメント)を大きくすることが可能となる。
【0042】
なお、第3実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
(第4実施形態)
次に、図12および図13を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、携帯電話100の表示部3が縦向き(表示部3の長軸がY方向)である上記第1実施形態と異なり、表示部42が縦向きと横向きとに変化可能な携帯電話103について説明する。なお、携帯電話103は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0044】
図12に示すように、本発明の第4実施形態による携帯電話103は、折り畳み式になっており、携帯電話103の短軸を軸にして入力部が下になるように開いた場合には、筐体41に設けられる表示部42は、表示部42の長軸がY方向に沿うように縦向きになる。また、図13に示すように、携帯電話103の長軸を軸にして入力部が下になるように開いた場合には、表示部42は、表示部42の長軸がX方向に沿うように横向きになる。また、携帯電話103の筐体41には、加速度発生部5aおよび5bが設けられている。なお、加速度発生部5aおよび5bは、携帯電話103の重心からずれた位置に配置されている。加速度発生部5aは、図12に示す状態では、携帯電話103の矢印Y1方向側の端部に配置されるとともに、X方向に沿うように配置される。また、加速度発生部5bは、携帯電話103の矢印X1方向側の端部に配置されるとともに、Y方向に沿うように配置される。なお、図13に示すように、表示部42が横向きになった場合には、加速度発生部5aは、携帯電話103の矢印X2方向側の端部に配置されるとともに、Y方向に沿うように配置される。また、加速度発生部5bは、携帯電話103の矢印Y1方向側の端部に配置されるとともに、X方向に沿うように配置される。このように、携帯電話103の表示部42が縦向きになった場合でも、横向きになった場合でも、加速度発生部5aおよび5bは、X方向またはY方向に沿って配置される。これにより、携帯電話103の表示部42が縦向きになった場合でも、横向きになった場合でも、加速度発生部5aおよび5bを振動させることにより、所望の方向に力覚を得ることが可能となる。
【0045】
なお、第4実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0046】
(第5実施形態)
次に、図14を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、携帯電話100の表示部3の辺に沿うように加速度発生部5aおよび5bが設けられていた上記第1実施形態と異なり、加速度発生部5bが平面的に見て入力部53に隣接するように設けられている携帯型音楽プレーヤ104について説明する。なお、携帯型音楽プレーヤ104は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0047】
図14に示すように、本発明の第5実施形態による携帯型音楽プレーヤ104の筐体51には、表示部52と、入力部53と、加速度発生部5aおよび5bとが設けられている。なお、加速度発生部5aおよび5bは、携帯型音楽プレーヤ104の重心からずれた位置に配置されている。また、加速度発生部5aは、携帯型音楽プレーヤ104の筐体51の矢印Y1方向側の端部で、かつ、表示部52のX方向に沿った辺に沿うように設けられている。また、加速度発生部5bは、表示部52の辺に沿うようには設けられずに、平面的に見て、入力部53と隣接するように携帯型音楽プレーヤ104の矢印X1方向側の端部に設けられるとともに、Y方向に沿うように設けられている。
【0048】
なお、第5実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0049】
なお、図15に示す携帯型音楽プレーヤ105のように、ナビゲーションの動作時には、加速度発生部5aおよび5bは、それぞれ、矢印Y1方向側および矢印X1方向側の筐体51の外部に取り出し可能に構成されていてもよい。加速度発生部5aおよび5bが筐体51の外部に取り出された際には、加速度発生部5aおよび5bは、支持部54によって筐体51に支持されるように構成される。なお、携帯型音楽プレーヤ105は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0050】
(第6実施形態)
次に、図16および図17を参照して、第6実施形態について説明する。この第6実施形態では、加速度発生部5aおよび5bが、それぞれ、互いに直交するX方向およびY方向に沿って配置されていた上記第1および第3〜第5実施形態と異なり、加速度発生部116aおよび116bがX方向に沿って平行に配置されている。
【0051】
図16に示すように、第6実施形態によるゲーム機110は、ゲーム機本体部111と、操作部112とから構成されている。操作部112は、ハンドル形状に形成されており、使用者が操作部112を操作(左右に回転させる)ことにより、使用者の操作に従ってゲーム機110の画面上の車が動作するように構成されている。なお、操作部112は、本発明の「電子機器本体部」の一例である。また、ゲーム機110は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0052】
図17に示すように、ゲーム機本体部111には、表示部113と、制御部114と、送信部115とが設けられている。表示部113および送信部115は、制御部114に接続されている。制御部114は、ゲーム機110全体の動作を制御する機能を有する。また、送信部115は、音声信号と、後述する波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号とを合成した信号などを、たとえばBluetooth(登録商標)などの無線信号により、操作部112に送信する機能を有する。なお、制御部114は、本発明の「第2制御部」の一例である。
【0053】
ここで、第6実施形態では、図16に示すように、操作部112には、加速度発生部116aおよび116bがX方向に沿うように平行に配置されている。具体的には、加速度発生部116aは、操作部112の矢印Y1方向側にX方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部116bは、操作部112の矢印Y2方向側にX方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部116aおよび116bは、同一平面上で平行な軸に沿うように配置されている。なお、操作部112の重心は、操作部112の中央部であり、加速度発生部116aおよび116bは、操作部112の重心からずれた位置に配置されている。また、加速度発生部116aおよび116bの詳細な構成は、上記第1実施形態の加速度発生部5a(図2参照)と同様である。
【0054】
また、図17に示すように、操作部112には、スピーカ117と、ローパスフィルタ(LPF)118と、受信部119と、制御部120とが設けられている。受信部119は、スピーカ117と、LPF118とに接続されている。また、LPF118は、加速度発生部116aおよび116bに接続されている。スピーカ117は、ゲーム機本体部111から送信された信号を受信部119を介して受信して、音声を出力するように構成されている。また、LPF118は、ゲーム機本体部111から送信された信号を受信部119を介して受信するとともに、受信された信号のうち、比較的周波数の低い信号の部分(たとえば100Hz以下)を、加速度発生部116aおよび116bに供給する機能を有する。また、制御部120は、操作部112全体(加速度発生部116aおよび116b、スピーカ117、LPF118、受信部119)を制御するように構成されている。なお、制御部120は、本発明の「第1制御部」の一例である。
【0055】
次に、図18〜図20を参照して、第6実施形態によるゲーム機110のゲーム機本体部111と操作部112との間に送受信される信号の生成について説明する。なお、図18〜図20の横軸は、時間を表わしているとともに、縦軸は、波形の大きさ(電圧)を表わしている。
【0056】
図18に示すように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)がゲーム機本体部111の制御部114により生成される。この信号は、信号の大きさが0の基準線に対して非対称な形状を有している。具体的には、信号の負側の最大値は、正側の最大値よりも大きい。この信号は、たとえば、35Hzの周波数を有する正弦波と、70Hzの周波数を有する正弦波とを合成することにより生成される。なお、この信号が増幅されて加速度発生部116aおよび116bに印加されることにより、加速度発生部116aおよび116bの加速度は、加速度の波形が加速度が0の基準線に対して非対称な形状となる。その結果、加速度発生部116aおよび116bが力覚を発生する。
【0057】
また、図19に示すように、操作部112に設けられるスピーカ117から発せられる音声についての音声信号が制御部114により生成される。そして、図20に示すように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号とが制御部114により合成される。そして、図20に示される合成された信号は、ゲーム機本体部111の送信部115を介して操作部112の受信部119に送信される。なお、図21に示すように、図18に示す信号の正負を反転させた信号(正の力覚信号)も制御部114により生成されるとともに、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号と合成されて、ゲーム機本体部111の送信部115から送信される。
【0058】
次に、図22〜図24を参照して、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号とが合成された信号のスペクトルについて説明する。なお、図22〜図24の横軸は、信号の周波数を表わしているとともに、縦軸は、スペクトルのレベル(db)を表わしている。
【0059】
図22に示すように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号とを合成した信号のスペクトルは、波形が非対称な交流状の電圧を生成するスペクトルピーク(周波数が100Hzより小さい範囲のスペクトル)と、スピーカ117から発生される音声についての音声信号のスペクトル(周波数が100Hzより大きい範囲のスペクトル)とを併せ持つ。
【0060】
また、図23に示すように、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号のスペクトルは、周波数が100Hz以下ではピークを有さずに、周波数が200Hz〜2000Hzの範囲でピークを有する。
【0061】
また、図24に示すように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号のスペクトルは、周波数が100Hzより小さい範囲で35Hzと70Hzとにピークを有する。そして、周波数が70Hzを超えてから、スペクトルのレベルは急激に小さくなる。
【0062】
このように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(図18参照)では、100Hzよりも小さい周波数の範囲で、スペクトルのレベルが大きくなる。これにより、後述するように、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号とを合成した信号(図20参照)から、100Hzよりも小さい周波数の信号をLPF118を介することにより取り出して、加速度発生部116aおよび116bに伝達することによって、加速度発生部116aおよび116bに力覚を発生させることが可能となる。また、スピーカ117には、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号とを合成した信号が伝達されても、100Hzよりも小さい周波数の音は、人間には略聞き取れないので、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号による雑音は、使用者には略聞き取られない。
【0063】
次に、図25〜図28を参照して、加速度発生部116aおよび116bが力覚を発生する際の動作について説明する。
【0064】
まず、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(図18参照)と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号(図19参照)とが制御部114により合成された後、合成された信号(図20参照)は、ゲーム機本体部111の送信部115を介して操作部112の受信部119に送信される。そして、受信部119により受信された信号から、LPF118を介すことにより、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号が取り出される。その後、たとえば、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号を増幅することにより、波形が非対称な交流状の電圧が生成される。そして、生成された電圧が加速度発生部116aおよび116bに印加される。これにより、加速度発生部116aおよび116bが振動する一方方向側または他方方向側に力覚が発生する。
【0065】
ここで、図25に示すように、加速度発生部116aおよび116bのそれぞれに、図18に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aおよび116bは、矢印X2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112が矢印X2方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0066】
また、図26に示すように、加速度発生部116aおよび116bのそれぞれに、図21に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(正の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aおよび116bは、矢印X1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112が矢印X1方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0067】
また、図27に示すように、加速度発生部116aに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116bに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aは、矢印X1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116bは、矢印X2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112が反時計回りに回転する力覚を得る。
【0068】
また、図28に示すように、加速度発生部116aに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116bに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aは、矢印X2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116bは、矢印X1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112が時計回りに回転する力覚を得る。
【0069】
第6実施形態によるゲーム機110では、以下の効果を得ることができる。
【0070】
(8)操作部112に、X方向に沿って互いに平行な軸に沿うように、一方方向側および他方方向側の両方に力覚を発生させることが可能な加速度発生部116aおよび加速度発生部116bを設けた。これにより、加速度発生部116aと加速度発生部116bとが発生する力覚の方向を同じにした場合には、操作部112にX1方向またはX2方向に力覚を発生させることができる。また、加速度発生部116aと加速度発生部116bとが発生する力覚の方向を異ならせた場合には、操作部112を時計回りまたは反時計回りに回転させる力覚を発生させることができる。その結果、使用者が操作部112を把持した場合に、複数の方向に力覚を得ることができる。
【0071】
(9)制御部114が、音声信号と正の力覚信号(負の力覚信号)とを合成した信号を操作部112に送信するとともに、制御部120を、合成した信号から波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号を取り出して、取り出した信号に基づいてコイル14(図2参照)に印加するように構成した。これにより、音声信号と、波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号とを別個の経路を介して操作部112に送信する場合と異なり、単一の経路で音声信号と波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号とを送信することができるので、ゲーム機本体部111および操作部112の構成を簡易にすることができる。
【0072】
(10)加速度発生部116aおよび116bを、同時に動作するように構成した。これにより、加速度発生部116aおよび116bのうちの一方のみを動作させる場合と比べて、より大きな力覚を発生させることができる。
【0073】
(11)加速度発生部116aおよび116bを、力覚を発生させる方向を異ならせた状態で動作可能に構成した。これにより、操作部112を時計回りまたは反時計回りに回転させる力覚を発生させることができる。
【0074】
(第7実施形態)
次に、図29〜図34を参照して、第7実施形態について説明する。この第7実施形態では、2つの加速度発生部116aおよび116bが、操作部112に配置されていた上記第6実施形態と異なり、4つの加速度発生部116a〜116dが操作部112aに配置されている。
【0075】
図29に示すように、第7実施形態による操作部112aには、加速度発生部116aおよび116bがX方向に沿うように平行に配置されている。具体的には、加速度発生部116aは、操作部112aの矢印Y1方向側にX方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部116bは、操作部112aの矢印Y2方向側にX方向に沿うように配置されている。また、操作部112aには、加速度発生部116cおよび116dがY方向に沿うように平行に配置されている。具体的には、加速度発生部116cは、操作部112aの矢印X1方向側にY方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部116dは、操作部112aの矢印X2方向側にY方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部116aおよび116bは、同一平面上で平行な軸に沿うように配置されている。また、加速度発生部116cおよび116dは、加速度発生部116aおよび116bが配置される平面と同一の平面上で平行な軸に沿うように配置されている。なお、操作部112aの重心は、操作部112aの中央部であり、加速度発生部116a〜116dは、操作部112aの重心からずれた位置に配置されている。なお、加速度発生部116aおよび116bは、本発明の「第1加速度発生部」の一例である。また、加速度発生部116cおよび116dは、本発明の「第2加速度発生部」の一例である。なお、加速度発生部116a〜116dの詳細な構成は、上記第1実施形態の加速度発生部5a(図2参照)と同様である。なお、操作部112aは、本発明の「電子機器本体部」の一例である。
【0076】
次に、図29〜図34を参照して、加速度発生部116a〜116dが力覚を発生する際の動作について説明する。
【0077】
波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(図18参照)と、スピーカ117から発せられる音声についての音声信号(図19参照)とが制御部114により合成される動作と、合成された信号に基づいて加速度発生部116a〜116dに電圧が印加される動作とは、上記第6実施形態と同様である。そして、図29に示すように、加速度発生部116cおよび116dのそれぞれに、図21に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(正の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116cおよび116dは、矢印Y1方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部116aおよび116bには、電圧は、印加されない。その結果、使用者は、操作部112aが矢印Y1方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0078】
また、図30に示すように、加速度発生部116cおよび116dのそれぞれに、図18に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116cおよび116dは、矢印Y2方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部116aおよび116bには、電圧は、印加されない。その結果、使用者は、操作部112aが矢印Y2方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0079】
また、図31に示すように、加速度発生部116aおよび116bのそれぞれに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aおよび116bは、矢印X1方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部116cおよび116dには、電圧は、印加されない。その結果、使用者は、操作部112aが矢印X1方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0080】
また、図32に示すように、加速度発生部116aおよび116bのそれぞれに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aおよび116bは、矢印X2方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部116cおよび116dには、電圧は、印加されない。その結果、使用者は、操作部112aが矢印X2方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0081】
また、図33に示すように、加速度発生部116aに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116bに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aは、矢印X1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116bは、矢印X2方向に力覚を発生する。また、加速度発生部116cに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116dに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116cは、矢印Y2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116dは、矢印Y1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112aが反時計回りに回転する力覚を得る。
【0082】
また、図34に示すように、加速度発生部116aに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116bに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116aは、矢印X2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116bは、矢印X1方向に力覚を発生する。また、加速度発生部116cに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部116dに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部116cは、矢印Y1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部116dは、矢印Y2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、操作部112aが時計回りに回転する力覚を得る。
【0083】
第7実施形態によるゲーム機110の操作部112aでは、以下の効果を得ることができる。
【0084】
(12)X方向に沿って互いに平行な軸に沿うように加速度発生部116aおよび116bを操作部112aに配置するとともに、Y方向に沿って互いに平行な軸に沿うように加速度発生部116cおよび116dを操作部112aに配置した。これにより、加速度発生部116aおよび116bのみを操作部112aに配置する場合と異なり、加速度発生部116aおよび116bによるX方向の力覚に加えて、加速度発生部116cおよび116dによるY方向の力覚を発生させることができる。また、4つの加速度発生部116a〜116dを操作部112aに配置することにより、2つの加速度発生部116aおよび116bのみを操作部112aに配置して、操作部112aを時計回りまたは反時計回りに回転させる場合と比べて、加速度発生部の数が多くなる分、操作部112aが回転する力覚を大きくすることができる。
【0085】
(第8実施形態)
次に、図35を参照して、第8実施形態について説明する。この第8実施形態では、2つの加速度発生部116aおよび116bが、X方向に沿って配置されるとともに、2つの加速度発生部116cおよび116dが、Y方向に沿って配置されていた上記第7実施形態と異なり、4つの加速度発生部132a〜132dがX方向に沿うように配置されている。
【0086】
図35に示すように、第8実施形態によるゲーム機130のゲーム機本体部131には、4つの加速度発生部132a〜132dが配置されている。加速度発生部132a〜132dは、X方向に沿うように配置されている。また、加速度発生部132aと加速度発生部132bとは、Z方向に重なるように配置されている。また、加速度発生部132cと加速度発生部132dとは、Y方向に重なるように配置されている。そして、使用者がゲーム機本体部131を把持することにより、加速度発生部132a〜132dが発生する力覚を感じるように構成されている。なお、ゲーム機本体部131は、本発明の「電子機器本体部」の一例である。また、ゲーム機130は、本発明の「電子機器」の一例である。また、加速度発生部132a〜132dの詳細な構成は、上記第1実施形態の加速度発生部5a(図2参照)と同様である。
【0087】
次に、図36〜図40を参照して、加速度発生部132a〜132dが力覚を発生する際の動作について説明する。
【0088】
図36に示すように、加速度発生部132a〜132dのそれぞれに、図21に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(正の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132a〜132dは、矢印X1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131が矢印X1方向側に引っ張られる力覚を得る。たとえば、使用者が釣りゲームを行っている場合には、使用者は、ゲーム機本体部131(釣竿)が矢印X1方向側に引っ張られるような力覚を得ることが可能となる。
【0089】
また、図37に示すように、加速度発生部132a〜132dのそれぞれに、図18に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132a〜132dは、矢印X2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131が矢印X2方向側に引っ張られる力覚を得る。
【0090】
また、図38に示すように、加速度発生部132aに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部132bに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132aは、矢印X1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部132bは、矢印X2方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部132cおよび132dには、電圧は、印加しない。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131がXZ平面を反時計回りに回転する(矢印X1方向から矢印Z1方向に撓る)力覚を得る。
【0091】
また、図39に示すように、加速度発生部132aに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部132bに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132aは、矢印X2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部132bは、矢印X1方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部132cおよび132dには、電圧は、印加しない。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131がXZ平面を時計回りに回転する(矢印X1方向から矢印Z2方向に撓る)力覚を得る。
【0092】
また、図40に示すように、加速度発生部132cに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部132dに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132cは、矢印X2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部132dは、矢印X1方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部132aおよび132bには、電圧は、印加しない。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131がXY平面を時計回りに回転する(矢印X1方向から矢印Y1方向に撓る)力覚を得る。
【0093】
また、図41に示すように、加速度発生部132cに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部132dに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部132cは、矢印X1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部132dは、矢印X2方向に力覚を発生する。なお、加速度発生部132aおよび132bには、電圧は、印加しない。その結果、使用者は、ゲーム機本体部131がXY平面を反時計回りに回転する(矢印X1方向から矢印Y2方向に撓る)力覚を得る。
【0094】
(第9実施形態)
次に、図42を参照して、第9実施形態について説明する。この第9実施形態では、2つの加速度発生部116aおよび116bがX方向に沿うように配置されている上記第6実施形態と異なり、2つの加速度発生部143aおよび143bがY方向に沿うようにゲーム機140のゲーム機本体部141に配置されている。なお、ゲーム機本体部141は、本発明の「電子機器本体部」の一例である。また、ゲーム機140は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0095】
図42に示すように、ゲーム機140のゲーム機本体部141には、表示部142と、加速度発生部143aおよび143bとが設けられている。加速度発生部143aおよび143bは、互いに平行なY方向に沿った軸に沿うようにゲーム機本体部141に設けられている。また、加速度発生部143aは、表示部142の矢印X1方向側に設けられるとともに、加速度発生部143bは、表示部142の矢印X2方向側に設けられている。また、加速度発生部143aおよび143bは、同一平面上で平行な軸に沿うように配置されている。なお、加速度発生部143aおよび143bの詳細な構成は、上記第1実施形態の加速度発生部5a(図2参照)と同様である。
【0096】
次に、図42〜図45を参照して、加速度発生部143aおよび143bが力覚を発生する際の動作について説明する。
【0097】
図42に示すように、加速度発生部143aおよび143bのそれぞれに、図21に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(正の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部143aおよび143bは、矢印Y1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部141が矢印Y1方向側に引っ張られる力覚を得る。たとえば、使用者が自動車レースのゲームを行っている場合には、使用者は、ゲーム機本体部141(車)が矢印Y1方向側に加速されて引っ張られるような力覚を得ることが可能となる。
【0098】
また、図43に示すように、加速度発生部143aおよび143bのそれぞれに、図18に示す波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号(負の力覚信号)に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部143aおよび143bは、矢印Y2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部141が矢印Y2方向側に引っ張られる力覚を得る。たとえば、使用者が自動車レースのゲームを行っている場合には、使用者は、ゲーム機本体部141(車)がブレーキをかけて矢印Y2方向側に引っ張られるような力覚を得ることが可能となる。
【0099】
また、図44に示すように、加速度発生部143aに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部143bに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部143aは、矢印Y2方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部143bは、矢印Y1方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部141が反時計回りに回転する力覚を得る。たとえば、使用者が自動車レースのゲームを行っている場合には、使用者は、ゲーム機本体部141(車)が左に曲がるような力覚を得ることが可能となる。
【0100】
また、図45に示すように、加速度発生部143aに、図21に示す正の力覚信号に基づいて電圧を印加するとともに、加速度発生部143bに、図18に示す負の力覚信号に基づいて電圧を印加した場合には、加速度発生部143aは、矢印Y1方向に力覚を発生するとともに、加速度発生部143bは、矢印Y2方向に力覚を発生する。その結果、使用者は、ゲーム機本体部141が時計回りに回転する力覚を得る。たとえば、使用者が自動車レースのゲームを行っている場合には、使用者は、ゲーム機本体部141(車)が右に曲がるような力覚を得ることが可能となる。
【0101】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0102】
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、加速度発生部の発生する加速度が、X方向およびY方向を含む水平面に沿って2次元的に発生する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、加速度発生部をX方向およびY方向に直交するZ方向に沿うようにも配置して、加速度発生部の発生する加速度が、X方向、Y方向およびZ方向を含む3次元的に発生するようにしてもよい。
【0103】
また、上記第1〜第5実施形態では、加速度発生部が、同一平面上で交差する軸に沿うように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、加速度発生部を、立体的に交差する軸に沿うように配置してもよい。
【0104】
また、上記第6、第7および第9実施形態では、加速度発生部が、同一平面上で平行な軸に沿うように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ある平面に対して互いに異なる角度を有する軸でかつ、平面的に見て平行な軸に沿うように加速度発生部を配置してもよい。
【0105】
また、上記第1〜第9実施形態では、加速度発生部が円筒状の磁石からなる可動部と、可動部を巻回するように配置されるコイルからなる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、加速度発生部を円盤形状(板形状)の磁石からなる可動部と、円盤形状(板形状)の可動部の上面と対向するように配置される平面コイルから構成してもよい。
【0106】
また、上記第1〜第9実施形態では、本発明の電子機器として、携帯電話、ゲームパッド、携帯型音楽プレーヤ、ゲーム機、および、ゲーム機の操作部に本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明を携帯情報端末(Personal Data Assistance:PDA)、ポータブルナビ、ゲーム機の操作スティックなどにも適用可能である。また、本発明の加速度発生部をグローブに複数設けて、使用者がグローブを手にはめた際、加速度発生部の発生する加速度により、たとえばコンピュータの画面に現れる物体や3Dの画像を触ったような感触(質感、重みなど)を使用者が擬似的に得られるような装置に本発明を適用してもよい。
【0107】
また、上記第1〜第9実施形態では、加速度発生部が携帯電話、ゲームパッドおよび携帯型音楽プレーヤの重心となる位置からずれるように配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、加速度発生部を、携帯電話、ゲームパッドおよび携帯型音楽プレーヤの重心と重なる位置で、かつ、携帯電話、ゲームパッドおよび携帯型音楽プレーヤの端部近傍に配置してもよい。
【0108】
また、上記第5実施形態(図14参照)では、加速度発生部5bが、表示部52の辺に沿うようには設けられずに、平面的に見て、入力部53と隣接するように携帯型音楽プレーヤ104の矢印X1方向側の端部に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図46に示す第5実施形態の変形例による携帯型音楽プレーヤ106のように、加速度発生部5bを、平面的に見て、入力部53と重なるとともに、Y方向に沿うように設けてもよい。なお、携帯型音楽プレーヤ106は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0109】
また、上記第9実施形態では、自動車レースなどのゲームを行うゲーム機に加速度発生部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図47に示す第9実施形態の変形例によるナビゲーションを行う携帯機器150に第9実施形態の加速度発生部143aおよび143bを設けて、ナビゲーションを行う方向(X方向、Y方向、時計回り、反時計回り)に加速度発生部143aおよび143bにより力覚を発生させるようにしてもよい。なお、携帯機器150は、本発明の「電子機器」の一例である。
【符号の説明】
【0110】
1 携帯電話本体部
3、32、42、52、62 表示部
5a、5b、5c、5d、5e 加速度発生部
11 収納部
13a、13b バネ部
12 可動部
14 コイル
15 制御部
100、102、103 携帯電話(電子機器)
101 ゲームパッド(電子機器)
104、105、106 携帯型音楽プレーヤ(電子機器)
110、130、140 ゲーム機(電子機器)
112、112a 操作部(電子機器本体部)
114 制御部(第2制御部)
116a、116b 加速度発生部(第1加速度発生部)
116c、116d 加速度発生部(第2加速度発生部)
120 制御部(第1制御部)
131、141 ゲーム機本体部(電子機器本体部)
132a〜132d、143a、143b 加速度発生部
150 携帯機器(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方方向側および他方方向側の少なくとも一方に力覚を発生させることが可能な複数の加速度発生部と、
前記複数の加速度発生部が設けられる電子機器本体部とを備え、
前記複数の加速度発生部は、平面的に見て、互いに平行または交差する軸に沿うように前記電子機器本体部に設けられているとともに、前記複数の加速度発生部のうちの少なくとも1つは、前記電子機器本体部の重心となる位置からずれた位置に配置されている、電子機器。
【請求項2】
前記加速度発生部は、一方方向側と他方方向側とで非対称になるような加速度を発生させることにより、一方方向側および他方方向側の少なくとも一方に力覚を発生させるように構成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の加速度発生部のうちの少なくとも1つは、前記電子機器本体部の端部近傍に配置されている、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器本体部に設けられ、画像を表示することが可能な略矩形形状の表示部をさらに備え、
前記複数の加速度発生部のうちの1つは、前記略矩形形状の表示部の一辺に沿った方向に配置されるとともに、他の1つは、前記略矩形形状の表示部の一辺に直交する辺に沿った方向に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の加速度発生部は、平面的に見て、互いに略平行な第1の軸に沿うように前記電子機器本体部に配置されている複数の第1加速度発生部と、平面的に見て、前記互いに略平行な第1の軸と略直交する互いに略平行な第2の軸に沿うように前記電子機器本体部に配置されている複数の第2加速度発生部とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記加速度発生部は、コイルと、前記コイルが発生する磁界により往復移動する磁石を含む可動部と、前記コイルおよび前記可動部が収納される収納部と、前記収納部と前記可動部との間に設けられるバネ部と、前記コイルに印加する電圧を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、前記コイルに波形が非対称な交流状の電圧を印加するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記波形が非対称な交流状の電圧の波形を反転させて前記コイルに印加するように構成されている、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記電子機器本体部は、前記複数の加速度発生部が配置される操作部を含み、
前記制御部は、前記操作部に設けられる第1制御部と、前記第1制御部とは別個に設けられる第2制御部とを含み、
前記第2制御部は、音声信号と前記波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号とを合成した信号を前記操作部に送信するとともに、前記第1制御部は、前記合成した信号から前記波形が非対称な交流状の電圧を生成する信号を取り出して、前記取り出した信号に基づいて前記コイルに電圧を印加するように構成されている、請求項6または7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数の加速度発生部のうちの少なくとも2つの加速度発生部は、同時に動作されるように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記同時に動作される複数の加速度発生部のうちの少なくとも2つの加速度発生部は、力覚を発生させる方向を異ならせた状態で動作可能に構成されている、請求項9に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2011−183374(P2011−183374A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194274(P2010−194274)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】