説明

電子機器

【課題】容易に操作可能な電子機器の提供。
【解決手段】本実施形態に係る電子機器は、接続部と、接続部に回動可能に接続された第1筐体と、第1筐体に設けられた第1表示部と、第1表示部を覆った、タッチ操作を検出する第1検出部を含む透光性の第1透光部と、接続部に回動可能に接続された第2筐体と、第2筐体に設けられた第2表示部と、第2表示部を覆った、タッチ操作を検出する第2検出部を含む透光性の第2透光部とを備え、第1透光部の表面と第2透光部の表面とは、第1筐体及び第2筐体が開いた位置にある場合に略同一平面において並ぶ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
夫々表示パネルを備えた2筐体をヒンジ等により接続した2画面のコンピュータがある。また、表示パネルにタッチ操作を検出するタッチパネルを設け、表示パネルに表示した画像に対するユーザからの操作を受ける技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−102901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のような2画面コンピュータをユーザが操作する場合、当該操作がユーザにとって容易であることが好ましい。
そこで本発明の実施形態は、容易に操作可能な電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本実施形態に係る電子機器は、接続部と、接続部に回動可能に接続された第1筐体と、第1筐体に設けられた第1表示部と、第1表示部を覆った、タッチ操作を検出する第1検出部を含む透光性の第1透光部と、接続部に回動可能に接続された第2筐体と、第2筐体に設けられた第2表示部と、第2表示部を覆った、タッチ操作を検出する第2検出部を含む透光性の第2透光部とを備え、第1透光部の表面と第2透光部の表面とは、第1筐体及び第2筐体が開いた位置にある場合に略同一平面において並ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係るコンピュータの外観例を示す図。
【図2】実施形態に係るコンピュータのシステム構成例を示す図。
【図3】実施形態に係るコンピュータの機能ブロック例を示す図。
【図4】実施形態に係るコンピュータによる操作入力処理例を示す図。
【図5】実施形態に係るコンピュータによる操作入力処理例を示す図。
【図6】実施形態に係るコンピュータによるによる操作入力処理に係る処理フロー例を示す図。
【図7】実施形態に係るコンピュータによるによる操作入力処理に係る処理フロー例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る電子機器の例を示す図である。本実施形態に係る電子機器は、例えば折畳み型のコンピュータ100として実現される。コンピュータ100は、第1筐体110、第2筐体120、接続部130、第1表示パネル150、第1タッチパネル170、第2表示パネル160、第2タッチパネル180等を備える。
【0008】
ここで第1筐体110と第2筐体120とは接続部130を介して接続されている。即ち、第1筐体110と接続部130とは軸301aを軸とする軸部330aを介して回動可能に接続され、第2筐体120と接続部130とは軸301bを軸とする軸部330bを介して回動可能に接続される。また、第1筐体110は接続部140に対して軸301aを軸とする軸部330cを介して回動可能に接続され、第2筐体120は接続部140に対して軸301bを軸とする軸部330dを介して回動可能に接続される。
【0009】
第1表示パネル150は第1筐体110に設けられる。ここで第1表示パネル150は、第1筐体110において、第1筐体110及び第2筐体120が閉じた場合、即ち図1(A)に示す場合に第2筐体120に対向する側の面に設けられる。第1タッチパネル170は第1表示パネル150上に重ねて設けられる。そして第1表示パネル150は画像を表示し、第1タッチパネル170は、第1表示パネル150に表示された画像に対するコンピュータ100外からのタッチ操作入力を検出して受け付ける。また第2表示パネル160は、第2筐体120の、第1筐体110及び第2筐体120が閉じた場合に第1筐体110に対向する側の面に設けられる。第2タッチパネル180は第2表示パネル160上に重ねて設けられる。そして第2表示パネル160は画像を表示し、第2タッチパネル180は、第2表示パネル160に表示された画像に対するコンピュータ100外からのタッチ操作入力を検出して受け付ける。
【0010】
また、第1筐体110には、コンピュータ100に対する電源ON/OFF操作を受ける電源ボタン210と操作ボタン211とが設けられる。第2筐体120には操作ボタン212が設けられる。そして接続部130の表面130a側には、軸部330a及び330bの間に対応する位置に、ユーザ操作を受け付ける操作ダイアル213が設けられる。なお操作ダイアル213は、例えば左右の何れかの方向に対する操作及び押し込み操作を検出する。
【0011】
第1筐体110及び第2筐体120は、接続部130に対して様々な角度の状態をとることができる。例えば図1(A)に示すように、第1筐体110及び第2筐体120を閉じた状態(閉状態)や、図1(B)に示すように、第1筐体110と第2筐体120とが接続部130に対して開き、第1表示パネル150及び第2表示パネル160が外部に露出する方向に設けられたパネル部材が略同一平面に連なる状態(開状態)をとることができる。
【0012】
図1(C)は、図1(B)のM−M´断面におけるコンピュータ100の断面構造例を示す図である。第1表示パネル150及び第2表示パネル160の外部側(露出側)には、透光性の第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180が設けられており、また、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の外部側には、透光性のパネル190及び200が重なって設けられる。つまり表示パネル150及び160は、タッチパネルを含む透光性のパネルにより覆われている。なお、表示パネル150及び160は、必ずしも剛性のある一般的なディスプレイモジュールでなくともよく、例えばフレキシブルなシートディスプレイであってもよい。また同様に、表示パネル150及び160を覆う透光性部材についても例えば透光性シートのようなフレキシブル部材であってもよい。そして透光性パネル190の表面190aと透光性パネル200の表面200aとは、第1筐体110と第2筐体120とが開いた状態の場合に、空間を隔てて略同一平面で連なって並ぶ(隣り合う)、あるいは略同一平面で接することが好ましい。
【0013】
そして第1表示パネル150及び第2表示パネル160は、当該開状態の場合に、当該パネルの端部150aと端部160aとが互いに所定距離以内に近接することが好ましい。そして第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180についても、当該開状態の場合に、端部170aと端部180aとが所定距離以内に近接することが好ましい。なお、ここで所定距離とは、例えば、開状態の場合に少なくとも第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の両方に対してユーザの一本の指で共にタッチ操作可能な距離、つまり指が平面に触れた場合の接触面の幅(例えば1cm程度)以下の距離を指すが、好ましくは、更に近接していることがよい。
【0014】
また、1本の指で第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180に共にタッチ操作するためには、第1筐体110と第2筐体120とが開いた状態の場合において、透光性パネル190の表面190aと透光性パネル200の表面200aとの間に、ユーザによる両タッチパネルへのタッチ操作を阻害する突出部材がないことが好ましい。即ち表面190aと表面200aとが空間を隔てて近接することが好ましい。又は、突出部材が設けられている場合であっても、突出部材がユーザのタッチ操作に影響を及ぼさない程度に低いことが好ましい。更に、接続部130についても、コンピュータ100が開いた状態において、接続部130の表面130aが表面190a及び表面200aと略同一の平面に位置していれば、ユーザ操作の妨げとなることを抑制できる。しかし当該表面130aは、コンピュータ100が開いた状態において表面190a及び表面200aが位置する平面の上下3mm程度以下の位置にあれば良い。
【0015】
次に図2を参照してコンピュータ100のシステム構成例を説明する。コンピュータ100は、CPU201、ノースブリッジ202、主メモリ203、GPU204、サウスブリッジ205、BIOS−ROM206、HDD207、エンベデッドコントローラ(EC)208、タッチパネルコントローラ209、電源ボタン210、操作ダイアル213、第1表示パネル150、第1タッチパネル170、第2表示パネル160、第2タッチパネル180等を備える。
【0016】
CPU201は、コンピュータ100の動作を制御する機能を有する。ここでCPU201は、オペレーティングシステム(OS)220、表示制御プログラム400等の各種プログラムを主メモリ203に読み出して実行する。なお表示制御プログラム400については図3乃至図7を参照して後述する。
【0017】
ノースブリッジ202は、CPU201とサウスブリッジ205とを接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ202には、主メモリ203を制御するメモリコントローラが内蔵されている。さらにノースブリッジ202はGPU204との通信機能を有し、CPU201からの指示に応じた画像処理をGPU204に実行させる。
【0018】
GPU204は、コンピュータ100の表示部である第1表示パネル150及び第2表示パネル160の表示コントローラとして動作する。GPU204は、CPU201から入力された映像データを、表示パネル150及び160等の表示デバイスで表示可能な形式の映像信号に変換して、当該映像信号を表示パネル150及び160に出力する。そして表示パネル150及び160は、GPU204からの出力された映像信号に従って映像を表示する。
【0019】
サウスブリッジ205は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスおよびLPC(Low Pin Count)バス上の各種デバイスの制御部として機能する。またサウスブリッジ205には、BIOS−ROM206、HDD207等が接続される。そしてサウスブリッジ205は、HDD207を制御するIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。
【0020】
BIOS−ROM206は、コンピュータ100のハードウェアを制御するためのプログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)を格納する。HDD207は、オペレーティングシステム(OS)220や、表示制御プログラム400等の各種プログラムを記憶する記憶媒体である。またHDD207は、写真等の画像データを格納する。
【0021】
EC208は、LPCバスを介してサウスブリッジ205に接続される。EC208は、第1タッチパネル170や第2タッチパネル180を制御するタッチパネルコントローラ209と、電源ボタン210及び操作ダイアル213等の操作入力受付モジュールを制御するコントローラ(不図示)とを備える。ここで、第1タッチパネル170、第2タッチパネル180、電源ボタン210、及び操作ダイアル213は、コンピュータ100外からの各種操作入力を受け付ける。なお第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の各々は、例えば抵抗膜方式または静電容量方式等を用いて、タッチパネル上のタッチ領域(タッチ位置)を検出するように構成されている。そしてEC208は、それらの操作入力信号をCPU201に出力する。
【0022】
次に図3を参照して、表示制御プログラム400の機能構成を説明する。表示制御プログラム400は、領域判別部401、制御部402、GUI生成部403等の機能ブロックを備える。
【0023】
領域判別部401には、タッチパネルコントローラ209からタッチ領域情報が入力される。ここでタッチ領域情報は、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の夫々が検出したタッチ領域(タッチ位置、タッチ範囲)を示す座標データを含む。領域判別部401は、当該タッチ領域情報に基づいて、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の何れの領域(位置)が操作入力(タッチ操作)を受けたかを判別する。また領域判別部401は、タッチ操作の座標が連続的に移動した場合、即ち第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180がなぞるように操作を受けた場合、当該タッチ操作をなぞり操作として検出する。
【0024】
また領域判別部401は、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180における所定の領域(範囲)内に対するなぞり操作を受けた場合に、当該なぞり操作によるタッチ領域の移動のベクトルをベクトル情報として制御部402に出力する。すなわち領域判別部401は、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180における所定の領域(範囲)内をタッチパッド領域として処理することが可能である。また領域判別部401は、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の何れが操作を受けたかを判別して、何れのパネルが操作を受けたかを示すパネル判別情報を制御部402に通知する。
【0025】
さらに領域判別部401は、第1タッチパネル170と第2タッチパネル180とが共にタッチ操作を受けている場合であって、当該2つのタッチパネル夫々におけるタッチ操作のタッチ領域が互いに近接している場合、当該近接の旨を制御部402に通知する。
【0026】
また領域判別部401は、例えばコンピュータ100が電子書籍コンテンツの表示等の電子書籍コンテンツに関する処理を実行している場合に、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180の一方から他方へ移動するなぞり操作を受けた場合に、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180夫々における当該なぞり操作のタッチ領域の面積を示す面積情報を制御部402に出力する。
【0027】
制御部402は、領域判別部401から入力された情報に応じた処理を実行する。制御部402は、例えば領域判別部401からベクトル情報が入力されると、当該ベクトル情報が示す移動の方向に対してカーソル画像を移動させた画面の生成をGUI生成部403に指示する。
【0028】
また制御部402は、パネル判別情報が示すパネルに応じて、所謂右クリック処理と左クリック処理とを実行する。つまり、タッチ操作が左パネル(ここでは例えば第1タッチパネル170)に対する操作であり、当該操作のタッチ領域が移動することなく所定時間内に検出されなくなった場合、制御部402は左クリック処理を実行する。なお左クリック処理において制御部402は、例えばカーソル画像が対応する位置に表示されているアイコン画像やプルダウンメニューの画像等を選択・決定する。そして制御部402は、当該選択・決定に応じた画像の生成をGUI生成部403に指示する。また制御部402は、左クリック処理を所定時間内に連続して実行することにより、アイコン等に対応するアプリケーションを実行する。
【0029】
また制御部402は、タッチ操作が右パネル(ここでは例えば第2タッチパネル180)に対する操作であり、当該操作のタッチ領域が移動することなく所定時間内に検出されなくなった場合、右クリック処理を実行する。なお右クリック処理において制御部402は、例えばカーソル画像が対応する位置に表示されているアイコン画像に対して実行可能な処理を示すメニュー画像をGUI生成部403に生成させる。
【0030】
また制御部402は、タッチ操作が第1タッチパネル170と第2タッチパネル180との両方に対する操作であって、当該夫々の操作が近接している場合、所定の処理を実行する。ここで制御部402は、当該両タッチパネルの操作が近接している場合であって、当該操作がなぞり操作である場合、GUI生成部403に例えば画面の上下方向へのスクロール表示又は画面の拡大/縮小表示を指示する。更に制御部402は、両タッチパネルをなぞり続ける操作を受けた場合一方制御部402は、両タッチパネルが受けた操作が移動することなく所定時間内に両タッチパネルから離れた場合、例えば決定処理を実行する。なお決定処理とは、例えばデスクトップ画面において、カーソル画像が対応する位置に表示されているアイコン画像に対応するアプリケーションを実行させる処理等である。
【0031】
また制御部402は、例えば電子書籍コンテンツに係る処理を実行している場合にパネル判別情報が入力されると、当該パネル判別情報が示すパネルに応じたページ画面の生成をGUI処理部403に指示する。更に制御部402は、面積情報が入力されると当該面積情報に応じてページめくり処理を実行し、当該処理に応じた画像の生成をGUI生成部403に指示する。
【0032】
そしてGUI生成部403は、制御部402からの指示に応じた画像(画面)を生成し、生成した画像のデータをGPU204に出力し、生成された画像は表示パネル150及び160に表示される。
【0033】
なお、上記に示した表示制御プログラム400の処理例はあくまで例であり、上記以外の処理を否定するものではない。即ち表示制御プログラム400は、第1タッチパネル170及び第2タッチパネル180のどちらのタッチパネルがどの領域にタッチを受けているか、当該タッチの領域が移動しているか、当該両タッチパネルの互いに近接する領域が操作を受けているか、等に応じて所定の処理を実行するものであれば良い。
【0034】
次に図4を参照して、コンピュータ100がタッチ操作を受けた場合の処理例を説明する。図4(A)は、表示パネル150及び160が表示する画面例を示す図である。ここで表示パネル150及び160は、デスクトップ画面P10及びP20を表示している。そして画面P10にはアイコン画像P11が、画面P20には操作対象を選択・決定するためのカーソル画像P21が配置されている。
【0035】
ここで、領域判別部401は、例えば所定領域(範囲)領域の領域B10及びB20を、タッチパッドとして機能させる領域として処理する。つまり、第2表示パネル160がカーソル画像P21をA1の位置に表示している場合に、第2タッチパネル180が領域(範囲)D1に対するタッチ操作を受け、当該タッチ操作がなぞり操作であると、表示パネル150及び160は当該なぞり操作に応じた位置にカーソル画像を移動させて表示する。
【0036】
なお領域B10及びB20は、ユーザが図4(A)に示したように片手でコンピュータ100を把持した場合に、当該ユーザの指が届く領域(範囲)にあることが好ましい。即ち、例えば領域B10は、第1タッチパネル170の端部170a及び当該端部170aに対して直角の端部170bまで広がる領域に位置していることが好ましい。また領域B20は、第2タッチパネル180の端部180a及び当該端部180aに対して直角の端部180bまで広がる領域に位置していることが好ましい。
【0037】
また、少なくとも、ユーザにより直接タッチされる部分、即ち領域B10を覆う表面190aと領域B20を覆う表面200aとは、空間を隔てて近接することが好ましい。又は、突出部材が設けられている場合であっても、当該表面の間の突出部材がユーザのタッチ操作に影響を及ぼさない程度に低いことが好ましい。
【0038】
ここで、D1に対するタッチ操作のタッチ領域が軌跡D12上を移動して領域D11まで到達した場合、表示パネル150及び160は、当該軌跡D12に対応した軌跡A3に沿って位置A2までカーソル画像を移動させる画面を表示する。
【0039】
そして、カーソル画像P21がアイコン画像P11に対応する位置A2に表示されている場合の処理について図4(B)を参照して説明する。カーソル画像P21が位置A2にある場合に第1タッチパネル170が領域D2に対するタッチ操作を受けると、制御部402は当該タッチ操作を左クリック処理として処理し、アイコン画像P11を選択する。
【0040】
また、カーソル画像P21が位置A2にある場合に領域D3に対するタッチ操作を受けた場合、制御部402は右クリック処理を行い、アイコン画像P11又は当該画像が対応するアプリケーションに対して実行可能な選択肢のメニューを表示する。
【0041】
また、領域D4に対する操作を受けた場合、即ち第1タッチパネル170と第2タッチパネル180とが、互いに近接する領域にタッチ操作を受けた場合、制御部402は例えば決定処理を実行して、アイコン画像P11に対応するアプリケーションを実行する。
【0042】
なおコンピュータ100は、例えば操作ボタン211に対する操作入力を受けた場合に当該操作を左クリック処理として処理しても良い。同様に操作ボタン212に対する操作入力に応じて右クリック処理を、操作ダイアル213に対する押し込み操作を受けた場合に決定処理を行っても良い。
【0043】
またコンピュータ100は、第1タッチパネル170の領域B30に対するタッチ操作を受けた場合に左クリック処理を、第2タッチパネル180の領域B40に対するタッチ操作を受けた場合に右クリック処理を実行しても良い。そしてこの場合に領域判別部401は、領域B10及びB20をタッチパッド領域として処理しなくともよい。
【0044】
図4(C)及び(D)を参照して、コンピュータ100による他の処理例を説明する。タッチパネル170及び180は、領域D5から領域D51までのなぞり操作を受けた場合、即ちタッチパネル170及び180が、互いに近接する領域をなぞる操作を受けた場合、制御部402は例えば画面スクロール処理を行う。つまり当該操作の際に表示パネル150及び160は、画像を上下方向に移動させて表示する。
【0045】
また制御部402は、タッチパネル170及び180が互いに近接する領域をなぞる操作を受けた場合であっても、当該なぞり操作のタッチ領域の面積やタッチパネルの所定方向(例えばY方向)に対する長さが所定の閾値以上である場合は、例えば画面の拡大/縮小処理を実行する。そして制御部402は、なぞり操作がなぞる方向によって拡大と縮小とを切り替える。つまり制御部402は、両タッチパネルに対するタッチ操作の領域(範囲)のサイズに関するパラメータに応じて、スクロール処理と拡大/表示処理をと切り替える。
【0046】
図4(E)を参照して、第1タッチパネル170と第2タッチパネル180とが共にタッチ操作を受けた場合に、領域判別部401が当該タッチ操作を互いに近接する操作として判別する処理の例を説明する。ここで、タッチパネル170及び180が領域D7に対するタッチ操作を受けているとする。第1タッチパネル170は領域D7aにタッチ操作受けている。領域判別部401は、領域D7aのうち、第1タッチパネル170の端部において最もY座標値が大きな位置R1の座標値Y1を検出する。ここで、当該第2タッチパネル180の第1タッチパネル170側の端部において、Y1の座標値を有する位置は位置R1である。そして領域判別部401は、位置R2からの距離内の領域R3内に対するタッチ操作を受けている場合、当該タッチ操作と第1タッチパネル170に対するタッチ操作とを、互いに近接するタッチ操作として判別する。
【0047】
なお、コンピュータ100は、領域B10及びB20や、領域B30及びB40の領域(範囲)を示す画像を表示しても良い。
次に図5を参照して、コンピュータ100による操作入力処理の他の例を説明する。図5(A)乃至(C)は、コンピュータ100が例えば電子書籍コンテンツを表示する場合の画面例である。
【0048】
図5(A)は、第1表示パネル150は画面P30を、第2表示パネル160は画面P40を表示している状態を示す。ここで第1タッチパネル170が所定の領域B50に対するタッチ操作を受けると、表示パネル150及び160は、図5(B)に示すような電子書籍コンテンツの次ページ画面を表示する。また、第2タッチパネル180が所定の領域B60に対するタッチ操作を受けると、表示パネル150及び160は、電子書籍コンテンツの次ページ画面(不図示)を表示する。なお、領域B50及びB60の夫々は、タッチパネル170及び180において、他のタッチパネル側の端部まで位置する領域であるとする。
【0049】
図5(C)は、コンピュータ100による電子書籍コンテンツのページめくり処理における画面例を示す。なおコンピュータ100は、例えばタッチパネル170及び180が、一方のタッチパネルから他方のタッチパネルに向かって移動するなぞり操作を受けた場合にページめくり処理を実行する。当該ページめくり処理において、第1表示パネル150はめくり途中のページの画面P70を表示する。画面P70は、めくり処理前に表示されていた画面P30の一部P30aと、めくり処理後に表示する次ページの画面P50及びP60の一部P50aとP60aとを含む。
【0050】
図5(D)を参照して、ページめくり処理における表示制御プログラム400の処理例を説明する。まず第1タッチパネル170が領域D10に対するタッチ操作を受けたとする。そして当該操作が第1タッチパネル170上をなぞり、第2タッチパネル180に触れると、領域判別部401は、当該タッチ操作のタッチパネル170及び180夫々におけるタッチ領域の面積を判別する。そしてGUI生成部403は、タッチパネル170及び180の面積比に応じためくり量の画面を生成する。つまりGUI生成部403は、第2タッチパネル180のタッチ領域の面積比が高くなるほど、めくり処理により次に表示されるページの画像の面積を広くした画面を生成する。なお領域判別部401は、必ずしもタッチ領域の面積比を判別しなくともよく、例えばタッチ領域の幅(図4(E)におけるX座標の幅)の比を判別しても良い。つまり、少なくとも両タッチパネルに対するタッチ操作の領域(範囲)のサイズに関するパラメータの比を判別すればよい。
【0051】
次に図6を参照して、コンピュータ100による操作入力処理に係る処理フロー例を説明する。
まず、領域判別部401は、タッチパネル170及び180の少なくとも一方に対するタッチ操作を受けると(S601のYes)、当該タッチ操作が所定領域内に対する操作であるか否かを判別する(S602)。ここで当該タッチ操作が所定領域外である場合(S602のNo)、コンピュータ100は所定の処理を実行する(S603)。なお、ここでの所定の処理とは、タッチパネルを備えるコンピュータが一般的に実行する処理等である。つまりここでコンピュータ100は、例えばアイコン画像に対するタッチ操作を受けた場合は当該アイコン画像に対応するアプリケーションを起動する。
【0052】
一方S602において所定領域内へのタッチ操作であった場合(S602のYes)、領域判別部401は、当該タッチ操作がタッチパネル170及び180の互いに近接する領域に対する操作であるか否かを判別する(S604)。ここで、互いに近接するタッチ操作であった場合(S604のYes)、領域判別部401は当該操作がなぞり操作であるか否かを判別する(S605)。
【0053】
そして、なぞり操作であった場合(S605のYes)、領域判別部401は当該なぞり操作のタッチ領域の領域が所定の閾値以下であるか否かを判別する(S606)。タッチ領域の領域が閾値以下の場合(S606のYes)、コンピュータ100は画面をスクロール表示する(S607)。一方、S606においてタッチ領域の領域が閾値より大きい場合(S606のNo)、コンピュータ100は画面を拡大又は縮小表示する(S608)。
【0054】
また、S605において、タッチ操作が移動することなく所定時間内にタッチパネルから離れた場合(S605のNo)、コンピュータ100は決定処理を実行してアプリケーションの起動等を実行する(S609)。
【0055】
S604において、タッチ操作がタッチパネル170及び180の一方に対する操作であった場合(S604のNo)、領域判別部401は、当該操作がなぞり操作であるか否かを判別する(S610)。そしてなぞり操作であると、コンピュータ100はカーソル移動処理を実行して、カーソル画像が移動する動画像を表示パネル150及び160に表示する(S611)。
【0056】
S610においてなぞり操作でなかった場合(S610のNo)、領域判別部401は当該操作がタッチパネル170及び180のうち何れに対する操作であったかを判別し(S612)、何れのパネルへの操作であったかに応じて左クリック処理と右クリック処理とを切り替えて実行する(S613、S614)。
【0057】
次に図7を参照して、コンピュータ100による操作入力処理の別の処理フロー例を説明する。なお本フローは、コンピュータ100が例えば電子書籍コンテンツを表示するプログラムを実行している際における処理フロー例である。
【0058】
まず領域判別部401は、タッチパネル170及び180の少なくとも一方に対するタッチ操作を受けると(S701のYes)、当該タッチ操作が所定領域内に対する操作であるか否かを判別する(S702)。当該タッチ操作が所定領域外である場合(S702のNo)、コンピュータ100は、タッチパネルを備えるコンピュータが一般的に実行するような所定の処理を実行する(S703)。
【0059】
一方S602において所定領域内へのタッチ操作であった場合(S702のYes)、領域判別部401は当該操作がなぞり操作であるか否かを判別する(S704)。そして、なぞり操作であった場合(S704のYes)、領域判別部401はタッチパネル170及び180における当該なぞり操作のタッチ領域の面積や幅を算出する(S705)。そしてコンピュータ100は、タッチパネル170及び180の夫々におけるタッチ領域の面積や幅に応じた面積で次ページ又は前ページのページ内容を表示する(S706)。
【0060】
一方S704においてなぞり操作でなかった場合(S704のNo)、領域判別部401はタッチ操作がタッチパネル170及び180の何れに対する操作であったかを判別し(S707)、何れのタッチパネルが操作を受けたかに応じて次ページ又は前ページの内容を示す画面を表示する(S709)。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば実施形態に係る電子機器は、例えば携帯電話端末等として実現されても良い。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
100…コンピュータ、110…第1筐体、120…第2筐体、130…接続部、140…接続部、150…第1表示パネル、160…第2表示パネル、170…第1タッチパネル、180…第2タッチパネル、201…CPU、202…ノースブリッジ、203…主メモリ、204…GPU、205…サウスブリッジ、206…BIOS−ROM、207…HDD、208…エンデベッドコントローラ、209…タッチパネルコントローラ、210…電源ボタン、213…操作ダイアル、330a…軸部、330b…軸部、400…表示制御プログラム、401…領域判別部、402…制御部、403…GUI生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部と、
前記接続部に回動可能に接続された第1筐体と、
前記第1筐体に設けられた第1表示部と、
前記第1表示部を覆った、タッチ操作を検出する第1検出部を含む透光性の第1透光部と、
前記接続部に回動可能に接続された第2筐体と、
前記第2筐体に設けられた第2表示部と、
前記第2表示部を覆った、タッチ操作を検出する第2検出部を含む透光性の第2透光部と
を備え、
前記第1透光部の表面と前記第2透光部の表面とは、前記第1筐体及び前記第2筐体が開いた位置にある場合に略同一平面において並ぶ、電子機器。
【請求項2】
前記第1検出部は、前記第1筐体及び前記第2筐体が開いた位置にある場合に、前記第2検出部から所定の距離内に位置する、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1筐体は、前記接続部に対して第1軸部周りに回動可能に接続され、
前記第2筐体は、前記接続部に対して前記第1軸部と平行な第2軸部周りに回動可能に接続された、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1検出部が第1範囲に対するタッチ操作を検出している場合に、前記第2検出部が前記第1範囲に近接する第2範囲に対するタッチ操作を検出すると、所定の処理を実行する実行手段を更に備える、請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記実行手段は、前記第1範囲及び前記第2範囲のサイズに応じた前記所定の処理を実行する、請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記実行手段は、前記第1範囲及び前記第2範囲のサイズが所定の閾値以上であるか否かに応じて異なる前記所定の処理を実行する、請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記実行手段は、前記第1範囲及び前記第2範囲のサイズの比に応じた前記所定の処理を実行する、請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
前記実行手段は、前記第1表示部及び前記第2表示部のうち少なくとも一方に所定の画像を表示させる前記所定の処理を実行する、請求項4記載の電子機器。
【請求項9】
前記接続部の表面は、前記第1筐体及び前記第2筐体が開いた位置にある場合に、前記第1透光部の表面と略同一平面に位置する、請求項3記載の電子機器。
【請求項10】
前記接続部は、前記表面側に操作入力を受け付ける入力部を含む、請求項9記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−212230(P2012−212230A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76418(P2011−76418)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】