説明

電子機器

【課題】第1ケースに取り付けられ且つ金属板が折り曲げられて形成される第2ケースを有し、第2ケースの露出する端部に外観上の差異が生じ難い電子機器を提供する。
【解決手段】第1底部110及び第1壁部150を有する第1ケース100と、金属板が折り曲げられて形成され、第1ケース100に取り付けられる第2ケース200とを備え、第2ケース200は、第1底部110と略面一となる第2底部210と、第1壁部150と略面一となる第2壁部250と、第2壁部250から第2底部210の平面視内方に折り曲げられて第2底部210に向かって延びる第3壁部270と、を有する。第3壁部270は、第1ケース100の側の端部271から第1ケース100の側に突出する突出部280を有し、突出部280は、第1ケース100と第2ケース200とが取り付けられた際に、第1壁部150における第1底部110の平面方向の内方の面151に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器としての携帯電話機において、外観のデザイン性を向上させるために、樹脂を主体とする第1ケースに、金属板が折り曲げられて形成された第2ケースを取り付けて、筐体を構成したものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、前述のような筐体において、図16に示すように、第1底部110及び第1底部110から立設する第1壁部150を有する第1ケース100と、金属板が折り曲げられて形成され、第1底部110の平面方向に沿った取り付け方向D12に移動することで第1ケース100に取り付けられる第2ケース200と、から構成されたものがある。また、第2ケース200は、第1ケース100に取り付けられた際に第1底部110と略面一となる第2底部210と、第1ケース100に取り付けられた際に第1壁部150と略面一となる第2壁部250と、第2底部210における取り付け方向D12の側の端部211から第1ケース100の側に向かって延びる舌片部240と、を有する。
【0004】
筐体の製造時において、第2ケース200を取り付け方向D12に移動させ、これにより第1ケース100と第2ケース200とが取り付けられた状態において、舌片部240は、第1ケース100の内面側に挿入されて係合する。その結果、第1ケース100の第1底部110及び第1壁部150それぞれと、第2ケース200の第2底部210及び第2壁部250それぞれとは、略面一となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−258818公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図16に示す筐体においては、第2ケース200の舌片部240は、第2底部210の外面から内側に向けて段差が形成されるように、金属板を折り曲げ加工して形成される。そのため、舌片部240が形成される部分「だれ」が発生する。その結果、第2ケース200の第2底部210における取り付け方向D12の側の端部211において、舌片部240が形成される部分と、舌片部240が形成されない部分との間に、外観上の差異が生じる。これにより、デザイン性が低下する。
【0007】
従って、本発明は、第1ケースに取り付けられ且つ金属板が折り曲げられて形成される第2ケースを有する電子機器において、第2ケースにおける露出する端部に外観上の差異が生じることを低減し、デザイン性を向上できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1底部及び当該第1底部から立設する第1壁部を有する第1ケースと、金属板が折り曲げられて形成され、前記第1底部の平面方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる第2ケースと、を備え、前記第2ケースは、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1底部と略面一となる第2底部と、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1壁部と略面一となる第2壁部と、当該第2壁部から前記第2底部の平面視内方に折り曲げられて前記第2底部に向かって延びる第3壁部と、を有し、前記第3壁部は、前記平面方向における前記第1ケース側の端部から前記第1ケースの側に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に、前記第1壁部における前記第1底部の平面方向内方の面に当接する電子機器に関する。
【0009】
また、前記第3壁部における前記突出部が設けられる領域が前記第2壁部に対して折り返される角度は、180度未満であることが好ましい。
【0010】
また、前記突出部は、基準電位部と電気的に接続された導通部と当接することが好ましい。
【0011】
また、前記第1ケース及び前記第2ケースに積層配置され、前記第2ケースと嵌合可能な第3ケースを更に備え、前記第2ケースと前記第3ケースとを嵌合させた状態において、前記第3ケースは、前記突出部に、前記第1壁部における前記第1底部の平面方向内方の面とは反対側から当接することが好ましい。
【0012】
また、前記第2ケースの厚み方向に沿う前記突出部の幅は、前記第2ケースの厚み方向に沿う前記第3壁部の幅よりも小さく、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に前記第1壁部と前記突出部との間に形成される隙間に、前記第3ケースの一部が配置されることが好ましい。
【0013】
本発明は、第1底部及び当該第1底部から立設する第1壁部を有する第1ケースと、金属板が折り曲げられて形成され、前記第1底部の平面方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる第2ケースと、を備え、前記第2ケースは、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1底部と略面一となる第2底部と、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1壁部と略面一となる第2壁部と、当該第2壁部から前記第2底部の平面視内方に折り曲げられて前記第2底部に向かって延びる第3壁部と、を有し、前記第3壁部は、前記平面方向における前記第1ケース側の端部から前記第1ケースの側に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に、前記第1壁部により、前記第1底部の平面視外方への移動が規制される電子機器に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電子機器によれば、第1ケースに取り付けられ且つ金属板が折り曲げられて形成される第2ケースを有する電子機器において、第2ケースにおける露出する端部に外観上の差異が生じることを低減し、デザイン性を向上できる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。
【図3】表示部側筐体3を背面側且つ連結部側から視た状態における表示部側筐体3の分解斜視図である。
【図4】表示部側筐体3を背面側から視た正面図である。
【図5】第1リアケース100と第2リアケース200との取り付け構造を示す分解斜視図である。
【図6】第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大斜視図である。
【図7】第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大底面図である。
【図8】第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大正面図である。
【図9】第1リアケース100と第2リアケース200との取り付け構造を表示部側筐体の内側から示す部分拡大斜視図である。
【図10】図9に示す図を別の角度から視た図である。
【図11】フロントケース300と第2リアケース200との取り付け構造を表示部側筐体の外側から示す部分拡大斜視図であって、第1リアケースを仮想的に省略した図である。
【図12】図4に示すA−A線断面図である。
【図13】図4に示すB−B線断面図である。
【図14】図4に示すC−C線断面図である。
【図15】本発明の一実施形態の携帯電話機1の効果を説明するための図(図8対応図)であって、比較形態の形状を示す図である。
【図16】従来技術に係る第1ケース100と第2ケース200との取り付け構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態である携帯電話機1の基本構造について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を開状態で示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態の携帯電話機1を閉状態で示す斜視図である。図3は、表示部側筐体3を背面側且つ連結部側から視た状態における表示部側筐体3の分解斜視図である。図4は、表示部側筐体3を背面側から視た正面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態の携帯電話機1は、折り畳み型の携帯電話機1であって、略直方体形状の操作部側筐体2と、略直方体形状の表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0018】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能(折り畳み可能)に連結される。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸を中心に開閉可能に連結する。携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に回転(回動)されることにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開状態、図1参照)や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態、図2参照)に変形される。
【0019】
まず、操作部側筐体2について説明する。図1に示すように、操作部側筐体2は、外郭を形成するフロントケース21及びリアケース22を備える。フロントケース21は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、操作部側筐体2における前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0020】
フロントケース21は、操作部としての操作キー群11が前面2aに露出するように構成される。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、を有する。
【0021】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーがユーザにより押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0022】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声が入力される音声入力部12が配置される。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部(下端部)の近傍に配置される。
【0023】
操作部側筐体2の側面には、例えば、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェースや、ヘッドホン/マイク端子、着脱可能な外部メモリのインターフェースや、バッテリを充電するための充電端子等が設けられる(いずれも図示せず)。
【0024】
次に、表示部側筐体3について説明する。図1から図4に示すように、表示部側筐体3は、外郭を形成する第3ケースとしてのフロントケース300と、表示部カバー部材33と、第1ケースとしての第1リアケース100と、第2ケースとしての第2リアケース200と、を備える。表示部側筐体3の前面3aは、主として、フロントケース300及び表示部カバー部材33により構成される。また、図2に示すように、表示部側筐体3の背面3bは、主として、第1リアケース100及び第2リアケース200により構成される。
尚、表示部側筐体3の前面3aは、携帯電話機1が折り畳まれた状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。また、表示部側筐体3の背面3bは、表示部側筐体3の前面3aと反対側に位置する面である。
【0025】
本実施形態の各構成部材の説明においては、携帯電話機1を図2に示す折り畳まれた状態とした場合に、連結部4と筐体2,3の先端部とを結ぶ方向を「長手方向D1」といい、長手方向D1及び厚み方向D3と直交する方向を「幅方向D2」という。
また、長手方向D1のうち、連結部4からその反対側に向かう方向を「基端方向D11」といい、基端方向D11の反対方向を「先端方向D12」という。厚み方向D3のうち、操作部側筐体2から表示部側筐体3に向かう方向を「手前方向D31」といい、手前方向D31の反対方向を「奥方向D32」という。幅方向D2のうち、携帯電話機1を奥方向D32に視た場合における左方向及び右方向をそれぞれ「左方向D21」及び「右方向D22」という。
【0026】
図1に示すように、表示部側筐体3の前面3aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部311が配置される。音声出力部311は、表示部側筐体3の長手方向D1における連結部4とは反対の端部(先端部)側に配置される。
表示部側筐体3の前面3aからは、表示部カバー部材33を透過して、後述する表示モジュール34の表示部34aが視認可能となっている。
【0027】
図3に示すように、表示部側筐体3においては、第2リアケース200と、第1リアケース100と、電子部品が実装された回路基板50と、フロントケース300と、表示モジュール34と、表示部カバー部材33とが、この順で積層的に配置される。
【0028】
次に、表示部側筐体3における各ケースの取り付け構造に関して、更に詳細に説明する。図5は、第1リアケース100と第2リアケース200との取り付け構造を示す分解斜視図である。図6は、第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大斜視図である。図7は、第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大底面図である。図8は、第2リアケース200における突出部280の周辺を示す部分拡大正面図である。
【0029】
図9は、第1リアケース100と第2リアケース200との取り付け構造を表示部側筐体の内側から示す部分拡大斜視図である。図10は、図9に示す図を別の角度から視た図である。図11は、フロントケース300と第2リアケース200との取り付け構造を表示部側筐体の外側から示す部分拡大斜視図であって、第1リアケースを仮想的に省略した図である。図12は、図4に示すA−A線断面図である。図13は、図4に示すB−B線断面図である。図14は、図4に示すC−C線断面図である。
【0030】
まず、第1リアケース100と第2リアケース200との取り付け構造について説明する。
図4から図10に示すように、第2リアケース200は、表示部側筐体3の背面3bの大部分を形成する。第1リアケース100は、表示部側筐体3の背面3bのうち先端方向D12側の端部近傍の領域と、連結部4における手前方向D31側の領域とを形成する。第2リアケース200は、取り付け方向D12に移動することで、第1リアケース100に取り付けられる。取り付け方向D12は、第1リアケース100の第1底部110の平面方向(D1−D2平面方向)に沿う方向であり、先端方向D12である。第1リアケース100と第2リアケース200とが取り付けられると、表示部側筐体3の背面3bの全面が形成される。
【0031】
図4から図10に示すように、第1リアケース100は、合成樹脂の成形を主体として形成され、第1底部110と、第4底部120と、第1底部110から立設する第1壁部150と、を備える。
第1底部110は、第1リアケース100と第2リアケース200とが取り付けられた状態(以下「第2取り付け状態」ともいう)において手前方向D31に露出する部位であり、表示部側筐体3の背面3bの一部を形成する。
【0032】
第4底部120は、第1底部110と一体的に形成されており、第1底部110の基端方向D11側に延びている。第4底部120は、第1底部110の外面(手前方向D31側の面)よりも奥方向D32に段差を有して凹んでいる。第2取り付け状態において、第4底部120は、第2リアケース200によって被覆される。
第1壁部150は、第1底部110から奥方向D32に立設する。第1壁部150は、第1底部110における先端方向D12側、左方向D21側、及び右方向D22側に形成される。
【0033】
図4から図10に示すように、第2リアケース200は、金属板が折り曲げられて形成されている。この第2リアケース200は、第2底部210と、第2壁部250,250と、第3壁部270,270と、を備える。
第2底部210は、略矩形形状を有している。第2取り付け状態において、第2底部210の外面(手前方向D31側の面)は、第1底部110の外面(手前方向D31側の面)と略面一となる、
【0034】
第2壁部250は、幅方向D2に一対設けられ、第2底部210における長手方向D1に沿う一対の側縁から、奥方向D32に延びて形成されている。第2取り付け状態において、第2壁部250の外面(左方向D21又は右方向D22側の面)は、第1壁部150の外面(左方向D21又は右方向D22側の面)と略面一となる。
【0035】
第3壁部270は、第2壁部250と一体的に形成される。第3壁部270は、第2壁部250から第2底部210の平面視内方に折り曲げられて(折り返されて)形成される。第3壁部270は、第2底部210に向かって(つまりほぼ手前方向D31に向かって)、延びている。第3壁部270を第2壁部250に対して折り返すことで、第2壁部250及び第3壁部270の全体として、強度(特に剛性)を向上できる。
【0036】
第3壁部270は、突出部280を有する。突出部280は、第3壁部270における取り付け方向D12の側の端部271から、第1リアケース100の側に突出する。
突出部280における幅方向D2の外方の面は、第2取り付け状態において、第1リアケース100の第1壁部150における第1底部110の平面方向(D1−D2平面方向)の内方の面151に、当接する。
【0037】
第3壁部270は、第2壁部250に対して折り返されている。詳細には、第3壁部270における大部分(突出部280から離れた領域)は、第2壁部250に対して略180度折り返されている。一方、第3壁部270における突出部280が設けられる領域(突出部280の近傍の領域)272は、第2壁部250に対して、180度未満の角度θ1(図7参照)を有して折り返されている。つまり、この領域272は、第2壁部250に対して、鋭角の角度を形成している。180度未満の角度θ1は、例えば、0から90度であり、好ましくは、20から30度である。
【0038】
図7に示すように、第2リアケース200の厚み方向D3に沿う突出部280の幅W2は、第2リアケース200の厚み方向D3に沿う第3壁部270の幅W1よりも小さい。幅W1と幅W2との差は、例えば0.4から0.5mmである。
この幅W1,W2の大小関係により、第1リアケース100と第2リアケース200とが取り付けられた際に、図14に示すように、第1壁部150と突出部280との間には、隙間180が形成される。この隙間180に、フロントケース300における導通部340(詳細は後述)が配置される。
【0039】
図3及び図12から図14に示すように、フロントケース300は、板金部材320と、この板金部材320の一部を覆う樹脂部330と、を備える。板金部材320は、金属板をプレス加工により成形して形成される。板金部材320は、例えば回路基板50のグランドパターンと電気的に接続されることで、基準電位部としても機能する。このフロントケース300は、板金部材320と樹脂部330とが、インサート成形により一体的に成形されて構成される。
フロントケース300における平面方向(D1−D2平面方向)の中央部分(周縁以外の大部分)は、主として、露出した板金部材320から形成される。フロントケース300における周縁部分は、主として、板金部材320が樹脂部330により覆われて形成される。
【0040】
フロントケース300は、第1リアケース100及び第2リアケース200に積層配置される。フロントケース300は、第2リアケース200と嵌合可能である。第2リアケース200とフロントケース300とを嵌合させることにより、第2リアケース200が取り付けられた第1リアケース100が、フロントケース300に取り付けられた状態(以下「第3取り付け状態」ともいう)となる。
【0041】
フロントケース300は、基準電位部としての板金部材320に電気的に接続された導通部340を有する。なお、導通部340は、基準電位部として機能する回路基板50やシールドケース(不図示)に、電気的に接続されていてもよい。
第3取り付け状態において、第2リアケース200の突出部280は、図14に示すように、基準電位部と電気的に接続された導通部340と当接する。
【0042】
また、図14に示すように、第3取り付け状態において、フロントケース300は、第2リアケース200の突出部280に、第1壁部150の内方の面151とは反対側から当接する。詳述すると、第3取り付け状態において、フロントケース300における樹脂部330の幅方向D2の外方の面は、突出部280における幅方向D2の内方の面に当接する。
【0043】
表示モジュール34は、各種情報を表示する。この表示モジュール34は、厚さの薄い略長方体形状を有しており、一方の面に表示部34aを有する。表示モジュール34は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライトと、を有する(いずれも図示せず)。
【0044】
表示部カバー部材33は、フロントケース300における第1リアケース100が配置される側と反対側に配される。この表示部カバー部材33は、表示モジュール34を覆う。表示部カバー部材33は、アクリルやガラス等の透明の板状部材の表面における周縁領域に、印刷等を施して構成されている。表示部カバー部材33は、接着剤や両面テープ等により、フロントケース300に固定される。
【0045】
以上説明した本実施形態の携帯電話機1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の携帯電話機1においては、第2リアケース200は、第1リアケース100に取り付けられた際に第1底部110と略面一となる第2底部210と、第1リアケース100に取り付けられた際に第1壁部150と略面一となる第2壁部250と、第2壁部250から第2底部210の平面視内方に折り曲げられて第2底部210に向かって延びる第3壁部270と、を有する。第3壁部270は、平面方向D1−D2における第1リアケース100の側の端部271から第1リアケース100の側に突出する突出部280を有する。突出部280は、第2リアケース200が第1リアケース100に取り付けられた際に、第1壁部150における第1底部110の平面方向D1−D2の内方の面151に当接する。
【0046】
そのため、本実施形態の携帯電話機1によれば、第2リアケース200の平面方向D1−D2における第1リアケース100の側の端部であって、第3取り付け状態において露出する部分には、第2リアケース200における折り曲げた部分は、存在しない。そのため、外観上の差異が生じることを低減し、デザイン性を向上できる。
【0047】
本実施形態の携帯電話機1においては、第2リアケース200の第3壁部270における突出部280が設けられる領域272が第2壁部250に対して折り返される角度θ1は、180度未満である。
例えば、図15に示すように、第3壁部270が第2壁部250に対して略180度折り返されている形態の場合には、第1リアケース100における突出部280と当接する部分の肉厚W12は、薄くなってしまう。これに対して、本実施形態の携帯電話機1によれば、第1リアケース100における突出部280と当接する部分の肉厚W11を大きくすることができ、第1リアケース100における強度を向上できる。
【0048】
本実施形態の携帯電話機1においては、突出部280は、基準電位部と電気的に接続された導通部340と当接する。また、突出部280には、バネ弾性が発現しやすい。そのため、第2リアケース200における静電気などのノイズ対策を図ることができ、静電性能の向上を図ることができる。
【0049】
本実施形態の携帯電話機1は、第1リアケース100及び第2リアケース200に積層配置され、第2リアケース200と嵌合可能なフロントケース300を更に備える。第2リアケース200とフロントケース300とを嵌合させた状態において、フロントケース300は、第2リアケース200の突出部280に、第1リアケース100の第1壁部150の内方の面151とは反対側から当接する。そのため、第2リアケース200の突出部280を挟んで、フロントケース300が第1リアケース100を当て付ける構成を実現することができる。その結果、第1リアケース100と第2リアケース200とフロントケース300とは、好適に固定される。
【0050】
本実施形態の携帯電話機1においては、第2リアケース200の厚み方向D3に沿う突出部280の幅W2は、第2リアケース200の厚み方向D3に沿う第3壁部270の幅W1よりも小さい。そして、第1リアケース100と第2リアケース200とが取り付けられた際に、第1壁部150と突出部280との間に形成される隙間180に、フロントケース300の導通部340が配置される。そのため、第2リアケース200が取り付けられた第1リアケース100と、フロントケース300との取り付けを一層スムーズに行うことができる。その結果、第1リアケース100と第2リアケース200とフロントケース300とは、更に好適に固定される。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、第1リアケース100と第2リアケース200とが取り付けられた際に(第2取り付け状態において)、突出部280は、第1リアケース100の第1壁部150における第1底部110の平面方向(D1−D2平面方向)の内方の面151に当接しているが、これに制限されない。第2取り付け状態において、突出部280が、第1リアケース100の第1壁部150により、第1底部110の平面視外方への移動が規制される構成であっても、前記実施形態と同様の効果が奏される。「規制する」には、移動することが可能だが、移動範囲に制限があることも含む。
【0052】
前記実施形態においては、第1壁部150と突出部280との間に形成される隙間180に、フロントケース300の導通部340が配置されているが、これに制限されない。隙間180に、第3ケースとしてのフロントケース300における他の部位(一部)が配置されてもよい。
【0053】
また、本発明の電子機器は、前記実施形態のような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式の電子機器であってもよい。また、本発明の電子機器は、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)の携帯無線装置であってもよい。
【0054】
本発明は、携帯電話機以外の電子機器に適用することができる。携帯電話機以外の電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコンが挙げられる。
【符号の説明】
【0055】
1 携帯電話機(電子機器)
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
100 第1リアケース(第1ケース)
110 第1底部
150 第1壁部
151 面
180 隙間
200 第2リアケース(第2ケース)
210 第2底部
250 第2壁部
270 第3壁部
271 端部
272 領域
280 突出部
300 フロントケース(第3ケース)
340 導通部
D1−D2 平面方向
D3 厚み方向
W1,W2 幅
θ1 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1底部及び当該第1底部から立設する第1壁部を有する第1ケースと、
金属板が折り曲げられて形成され、前記第1底部の平面方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる第2ケースと、を備え、
前記第2ケースは、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1底部と略面一となる第2底部と、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1壁部と略面一となる第2壁部と、当該第2壁部から前記第2底部の平面視内方に折り曲げられて前記第2底部に向かって延びる第3壁部と、を有し、
前記第3壁部は、前記平面方向における前記第1ケース側の端部から前記第1ケースの側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に、前記第1壁部における前記第1底部の平面方向内方の面に当接する
電子機器。
【請求項2】
前記第3壁部における前記突出部が設けられる領域が前記第2壁部に対して折り返される角度は、180度未満である
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記突出部は、基準電位部と電気的に接続された導通部と当接する
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1ケース及び前記第2ケースに積層配置され、前記第2ケースと嵌合可能な第3ケースを更に備え、
前記第2ケースと前記第3ケースとを嵌合させた状態において、前記第3ケースは、前記突出部に、前記第1壁部における前記第1底部の平面方向内方の面とは反対側から当接する
請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2ケースの厚み方向に沿う前記突出部の幅は、前記第2ケースの厚み方向に沿う前記第3壁部の幅よりも小さく、
前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に前記第1壁部と前記突出部との間に形成される隙間に、前記第3ケースの一部が配置される
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
第1底部及び当該第1底部から立設する第1壁部を有する第1ケースと、
金属板が折り曲げられて形成され、前記第1底部の平面方向に沿って前記第1ケースに取り付けられる第2ケースと、を備え、
前記第2ケースは、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1底部と略面一となる第2底部と、前記第1ケースに取り付けられた際に前記第1壁部と略面一となる第2壁部と、当該第2壁部から前記第2底部の平面視内方に折り曲げられて前記第2底部に向かって延びる第3壁部と、を有し、
前記第3壁部は、前記平面方向における前記第1ケース側の端部から前記第1ケースの側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられた際に、前記第1壁部により、前記第1底部の平面視外方への移動が規制される
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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