説明

電子機器

【課題】瞬断等による従来見られた不具合発生を防止する。
【解決手段】リセット端子を備えるメインICと、リセット端子に接続された追加回路とを備え、追加回路は、メインICへ供給される電源電圧を入力する第1入力端子と、メインICが稼働状態にあるときにメインICから出力される制御信号を入力する第2入力端子と、第2入力端子からの制御信号の入力があり且つ第1入力端子における電源電圧のレベルが上記所定レベルより高い所定のしきい値を下回ったときにオン状態となるスイッチ素子とを備え、スイッチ素子がオン状態となったときにリセット端子にリセット信号を与え、メインICは、リセット端子にリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リセット機能を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
外部の商用電源から電子機器への電源供給が突然絶たれたり一時的に絶たれたりする(瞬断あるいは瞬停)ことがある。このような場合、稼動中の電子機器が備える制御部(IC:Integrated Circuit)へそれまで供給されていた所定レベルの電源電圧が急に低下することで、当該ICがフリーズしたり誤動作を起したりし、以後、正常に動作しなくなることがある。一般に、電子機器が備える電源回路内において、このような瞬断等を検知する検知回路を設け、当該検知回路によって瞬断が検知された場合にICに対する保護機能を働かせる設計とすることが考えら得る。
【0003】
また、関連技術として、マイコンへの出力電圧がマイコンの動作保証電圧以下に降下する前に、マイコンを初期化させるリセット信号電圧をマイコンのリセット端子に供給するリセット回路が知られている(特許文献1参照。)。また、電源の瞬断・瞬停や電源電圧の低下を検出してマイコンをリセット状態に移行させることで制御エラーやCPUの暴走が発生しないようにした構成が知られている(特許文献2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000‐207065号公報
【特許文献2】特開2010‐186336号公報
【特許文献3】特開2001‐296587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、電子機器を組み立てて製造する際に、既にユニット化された電源回路を用いて製品を効率的に製造しようとする場合には、電源回路内に上記検知回路を設ける等の対策を採ることは困難である。また、瞬断等によるICのフリーズや誤動作をより確実に防止するための対策としては、さらなる改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、瞬断等による従来見られた制御部の不具合発生をより確実に防止することが可能な電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様の一つは、制御部へ供給される電源電圧が所定レベルよりも低下する前に当該制御部をリセットさせる電子機器であって、リセット端子を備える上記制御部としてのメインICと、リセット端子に接続された追加回路とを備え、追加回路は、メインICへ供給される電源電圧を入力する第1入力端子と、メインICが稼働状態にあるときにメインICから出力される制御信号を入力する第2入力端子と、第2入力端子からの制御信号の入力があり且つ第1入力端子における電源電圧のレベルが上記所定レベルより高い所定のしきい値を下回ったときにオン状態となるスイッチ素子とを備え、当該スイッチ素子がオン状態となったときにリセット端子にリセット信号を与え、メインICは、リセット端子にリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行する構成としてある。
【0008】
当該構成によれば、メインICへ供給される電源電圧のレベルが上記しきい値を下回った場合にメインICがリセットされる。そのため、瞬断等により、メインICへ供給される電源電圧のレベルが、メインICにフリーズや誤動作等の不具合を起させるようなレベル(上記所定レベルよりも低い電圧)へ急に下がる場合でも、かかる不具合が発生する前に確実にメインICをリセットして安全な状態とすることができる。また、追加回路を設けることでこのような構成を実現するため、ユニット化された電源回路を用いて電子機器を製造しようとする場合にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電子機器の構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】追加回路の構成を示す図である。
【図3】制御信号のシーケンスを示す図である。
【図4】追加回路を備えた場合のリセット端子がLレベルに切り換わるタイミングと、従来のリセットICの出力がLレベルに切り換わるタイミングとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態として、上記追加回路は、第2入力端子からの制御信号による電荷を保持することで当該制御信号が途絶えた後も第2入力端子から制御信号の入力がある状態と同等の状態を所定時間維持するCR回路を備える構成としてもよい。
また、本発明の実施形態として、上記追加回路へ電源供給するための供給系統を少なくとも2系統備え、当該2系統のうち、外部からの電源供給が絶たれたときに追加回路へ供給する電圧がより早く低下する方の供給系統と上記第1入力端子とを接続した構成としてもよい。
【0011】
また、より詳細な本発明の実施形態として、制御部へ供給される電源電圧が所定レベルよりも低下する前に当該制御部をリセットさせる電子機器であって、外部の商用電源と接続し、入力した商用電源をAC‐DC変換して所定の電源電圧を生成し出力可能な電源回路と、電子機器が稼働状態かスタンバイ状態かにかかわらず電源回路から出力される第1電源電圧を入力して稼働し、外部からの電源オンの指示を受け付けたときに、電子機器を稼働状態とするための第1制御信号を出力するサブICと、第1制御信号を入力し、かつ、電源回路から出力される第2電源電圧を入力することにより稼働する上記制御部としてのICであってリセット端子を備えるメインICと、リセット端子に接続された追加回路と、を備え、追加回路は、第2電源電圧を入力する第1入力端子と、メインICが稼働状態にあるときにメインICから出力される第2制御信号を入力する第2入力端子と、第1電源電圧を入力する第3入力端子と、ベースを第2入力端子に接続しエミッタをグラウンドに接続したNPN型の第1トランジスタと、カソードを第1入力端子に接続しアノードを第1トランジスタのコレクタ側に接続し上記所定レベルよりも高い所定のしきい値以上の電圧が第1入力端子に印加された場合にアノード側へ電流を流すツェナーダイオードと、ツェナーダイオードのアノードと第1トランジスタのコレクタとを結ぶ経路に対してベースを接続しエミッタを第3入力端子に接続しコレクタをグラウンドに接続したPNP型の第2トランジスタとを備え、第3入力端子と第2トランジスタのエミッタとを結ぶ経路に対してリセット端子を接続し、第2入力端子から第2制御信号の入力があることで第1トランジスタがオン状態となり且つ第1入力端子における第2電源電圧のレベルが上記しきい値を下回ったとき第2トランジスタがオン状態となることによりリセット端子にリセット信号を与え、メインICは、リセット端子にリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行し、追加回路は、第2入力端子からの第2制御信号による電荷をコンデンサに保持することで第2制御信号が途絶えた後も第2入力端子から第2制御信号の入力がある状態と同等の状態を所定時間維持するCR回路を備え、さらに、追加回路へ第1電源電圧を供給するための供給系統と第2電源電圧を供給するための供給系統とのうち、第2電源電圧を供給する供給系統の方が、商用電源からの供給が絶たれたときに追加回路へ供給する電圧がより早く低下する、という構成としてもよい。
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態をより詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる電子機器10の概略構成を例示している。電子機器10には、例えば、液晶テレビジョン等が該当する。ただし、本発明が想定する電子機器は、電源回路を備え、かつ、ユーザが操作する外部のリモートコントロール装置(リモコン装置)によって制御される製品であれば、レコーダやプレーヤやモニター等、あらゆる電子機器が該当する。電子機器10は、電源回路11、DC‐DCコンバータ12、メインIC13、サブIC14、追加回路15、チューナ回路16、信号処理回路17、パネル駆動回路18、液晶モジュール19等を備える。
【0013】
電源回路11は、例えば、外部の商用電源から電源コード(ACコード)を介して取得される交流電圧を1次側で入力して変圧し2次側に出力するトランスや、トランスの2次側に取り出された交流を直流に変換する整流回路、平滑回路などを含む。電源回路11から出力された直流電圧は、DC‐DCコンバータ12へ入力する。DC‐DCコンバータ12は、入力した直流電圧を所定レベルへ変換し、変換後の直流電圧を各駆動対象の電源電圧として各駆動対象へ供給する。一例として、DC‐DCコンバータ12からは、+3.3V程度の常時電圧Vall(第1電源電圧)がサブIC14および追加回路15へ供給される。また、DC‐DCコンバータ12からは、+12V程度の電源電圧Vcc(第2電源電圧)がメインIC13および追加回路15へ供給され得る。
【0014】
常時電圧Vallは、電子機器10が、電源コードを介して商用電源と接続している場合は、電子機器10が稼働状態かスタンバイ状態かにかかわらずDC‐DCコンバータ12から出力される電圧である。従って、サブIC14は、電子機器10がスタンバイ状態であっても常時電圧Vallを受けて稼働している。なお、電源回路11とDC‐DCコンバータ12とをまとめて電源回路と呼んでもよい。サブIC14は、電子機器10がスタンバイ状態である場合に、リモコン装置や電子機器10に設けられた各種キー等を介してユーザから電源オン(P‐ON)の指示を受け付けたとき、電子機器10を稼働状態とするための第1制御信号(P‐ON1信号)を、メインIC13に対して出力する。P‐ON1信号とは、サブIC14が出力する所定のハイ(H)レベルかロー(L)レベルかの信号のうちHレベルの信号である。
【0015】
メインIC13は、電子機器10を構成する各部、各回路とバスを介して接続しており、CPU、RAM、ROMを備え、稼働状態においてはCPUがRAMをワークエリアとしつつROMに記憶された所定のプログラムに従った処理を実行し電子機器10全体を制御する。メインIC13は、P‐ON1信号を入力し、かつDC‐DCコンバータ12から+12V程度の電源電圧Vccを入力することにより稼働する。また、メインIC13は、稼働開始後しばらくして、第2制御信号(P‐ON2信号)を追加回路15に対して出力する(図3参照)。P‐ON2信号とは、メインIC13が出力する所定のHレベルかLレベルかの信号のうちHレベルの信号である。メインIC13は、リセット端子13aを備え、リセット端子13aにリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行し、自身の初期化を実行する。
【0016】
チューナ回路16は、メインIC13による制御により不図示のアンテナを介して放送信号を受信する。信号処理回路17は、受信された放送信号からの映像/音声信号の復調、映像信号に対する画質調整やスケーリング処理、等の各種信号処理を行なって液晶パネルの一画面分の映像信号(フレーム)を生成し、パネル駆動回路18に出力する。パネル駆動回路18は、供給されたフレームに基づいて液晶モジュール19内の液晶パネルを駆動させ、フレームに基づく映像を液晶パネルに表示させる。液晶モジュール19は、液晶パネルの他、液晶パネルを照射するためのバックライトやバックライトを駆動するためのインバータ回路等を含む。電子機器10は、上述した構成以外にも音声信号処理回路やスピーカや外部入力端子など、テレビジョンを構成する上で必要な公知の各構成を備えることができる。
【0017】
図2は、追加回路15の構成を示す図である。追加回路15は、第1入力端子15a、第2入力端子15b、第3入力端子15cを備える。第1入力端子15aは、上記電源電圧Vccを入力する。第2入力端子15bは、上記P‐ON2信号を入力する。第3入力端子15cは、上記常時電圧Vallを入力する。また、追加回路15は、ベースを抵抗R1を介して第2入力端子15bに接続しエミッタをグラウンドGNDに接続したNPN型のトランジスタQ1(第1トランジスタ)を備える。トランジスタQ1のベースと抵抗R1とを結ぶ経路とグラウンドGNDとの間には、コンデンサCが設けられている。抵抗R1およびコンデンサCは、所定の時定数を有するCR回路を構成する。また、追加回路15は、カソードを第1入力端子15aに接続しアノードをトランジスタQ1のコレクタ側に接続したツェナーダイオードZを備える。ツェナーダイオードZは、メインIC13の最低動作電圧(所定レベル。例えば、+4〜6V程度。)よりも高い所定のしきい値(ツェナー電圧)以上の電圧が第1入力端子15aに印加された場合にアノード側へ電流を流す特性を有しており、ツェナー電圧は、例えば+9.1V程度である。なお、メインIC13は、供給される電源電圧Vccが最低動作電圧以上であることが稼働の条件となっている。
【0018】
ツェナーダイオードZのアノードとトランジスタQ1のコレクタとの間には、ダイオードDおよび抵抗R2が設けられ、ダイオードDと抵抗R2とを結ぶ経路に対してベースを抵抗R3を介して接続するPNP型のトランジスタQ2(第2トランジスタ)が設けられている。トランジスタQ2は、エミッタを抵抗R4を介して第3入力端子15cに接続しコレクタをグラウンドGNDに接続している。さらに、抵抗R4とトランジスタQ2のエミッタとを結ぶ経路に対して、リセット端子13aが接続されている。
【0019】
このような追加回路15では、第2入力端子15bから制御信号(P‐ON2信号)の入力があり且つ第1入力端子15aにおける電源電圧Vccのレベルが上記ツェナー電圧を下回ったときにトランジスタQ2(スイッチ素子)がオン状態となり、トランジスタQ2のエミッタ‐コレクタ間が導通する。トランジスタQ2がオン状態となったときにリセット端子13aの電圧レベルが“L”となる。リセット端子13aは、トランジスタQ2がオフ状態にあるときは、常時電圧Vallにより所定のHレベルにプルアップされている。このように、リセット端子13aのレベルをLレベルへ切り換えることが、リセット端子13aにリセット信号を与えることに該当する。
【0020】
追加回路15の機能をより具体的すると、電子機器10が通常の稼働状態にあるときは、第2入力端子15bからP‐ON2信号の入力があることで、トランジスタQ1のベース電圧が上昇し、トランジスタQ1がオン状態となる(トランジスタQ1のコレクタ‐エミッタ間が導通する)。また、第1入力端子15aには上記ツェナー電圧を上回る電源電圧Vccが印加されているため、ツェナーダイオードZのカソード側からアノード側へ電流が流れており、トランジスタQ2はオフ状態となっている(リセット端子13aはHレベル)。一方、電子機器10において瞬断等が発生し、電源電圧Vccのレベルが上記ツェナー電圧を下回ったとき、トランジスタQ2のベース電圧が降下することでトランジスタQ2がオン状態となる。これにより、リセット端子13aはLレベルとなり、メインIC13がリセットされる。
【0021】
なお、メインIC13が一旦リセットすると、その瞬間にメインIC13から第2入力端子15bへのP‐ON2信号の入力が途絶えるため、リセット端子13aのレベルが不安定化し(リセット端子13aをLレベルに維持できない場合があり)、上述したような追加回路15によるメインIC13をリセットさせる機能が喪失しかねない。そこで追加回路15は、上述したようなCR回路を備えるようにしている。CR回路によれば、第2入力端子15bからのP‐ON2信号による電荷をコンデンサCに保持することで、P‐ON2信号が途絶えた後も第2入力端子15bからP‐ON2信号の入力がある状態と同等の状態を所定時間維持するため、トランジスタQ1のオン状態およびトランジスタQ2のオン状態をある程度の時間維持することができ、それにより、メインIC13を確実にリセットさせることができる。
【0022】
図3は、メインIC13が出力するP‐ON2信号等のシーケンスを示している。図3に示すように、電子機器10では、ユーザから電源オン(P‐ON)の指示を受け付けたとき、サブIC14からメインIC14へ向かってP‐ON1信号が出力され、P‐ON1信号の出力と略同時にメインIC13への電源電圧Vccが立ち上がる。この結果、メインIC13が稼働開始し、その後のタイミング(例えば、P‐ONの指示から50msec後)でメインIC13からP‐ON2信号が出力される。また、ユーザから電源オフ(P‐OFF)の指示を受け付けたとき、メインIC13はP‐ON2信号をオフにし、その後のタイミング(例えば、P‐OFFの指示から50msec後)でサブIC14はP‐ON1信号をオフに、かつメインIC13への電源電圧Vccが低下していく。つまり、当該シーケンスによれば、ユーザによる電源オン/オフの指示を受けた時には、P‐ON2信号がメインIC13から出力され上記電源電圧Vccが低下している(上記ツェナー電圧を下回っている)、という状態が発生しないため、ユーザが電子機器10の電源オン/オフを指示したときにメインIC13にリセットがかかってしまうという誤動作を防止できる。
【0023】
なお、本実施形態にかかる電子機器10では、追加回路15へ電源電圧Vccを供給するための供給系統と常時電圧Vallを供給するための供給系統(図1参照)とのうち、電源電圧Vccを供給する供給系統の方が、商用電源からの供給が絶たれたときに(瞬断等が発生したときに)追加回路15へ供給する電圧が低下し始めるタイミングが早いという特徴を持っている。このような特徴は、各供給系統の途中に設けられた図示しないコンデンサの容量等によって決まっている。従来の電子機器の構成においては、常時電圧Vallを入力して監視し、常時電圧Vallのレベルが低下したことを検知してメインIC13をリセットさせるリセットICが採用されることがあった。
【0024】
図4は、本実施形態にかかる追加回路15を備えた場合のリセット端子13aがLレベルに切り換わるタイミングと、従来のリセットICの出力(リセットICからメインICのリセット端子への出力)がLレベルに切り換わるタイミングとを示す図である。ここでは、電子機器10が稼働中に電源コードが突然抜かれた場合(AC‐OFF)における信号の変化を示している。図4に示すように、AC‐OFFとなった場合、本実施形態にかかる追加回路15を備えた場合のリセット端子13aがLレベルに切り換わるタイミングの方が、従来のリセットICの出力がLレベルに切り換わるタイミングよりも1秒程度早いことがわかる。これは、追加回路15が、商用電源からの供給が絶たれたときにより早く低下を開始する電源電圧Vccの推移に基づいてリセット端子13aのレベルをLレベルにさせるものだからである。つまり本実施形態によれば、従来のリセットICを用いていた場合と比較して、瞬断等が発生したときにより早く反応してメインIC13をリセットさせることができる。
【0025】
このように本実施形態によれば、メインIC13へ供給される電源電圧VccのレベルがメインIC13の最低動作電圧よりも高い所定のしきい値を下回った場合にメインIC13がリセットされる。そのため、瞬断等により、メインIC13へ供給される電源電圧Vccのレベルが、メインIC13にフリーズや誤動作等の不具合を起させるようなレベルまで下がる場合でも、かかる不具合が発生する前に確実にメインIC13がリセットされる。また、追加回路15を設けることでこのような構成及び効果を実現するため、ユニット化された電源回路11を用いて電子機器10を製造しようとする場合にも好適である。
【符号の説明】
【0026】
10…電子機器、11…電源回路、12…DC‐DCコンバータ、13…メインIC、13a…リセット端子、14…サブIC、15…追加回路、15a…第1入力端子、15b…第2入力端子、15c…第3入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部へ供給される電源電圧が所定レベルよりも低下する前に当該制御部をリセットさせる電子機器であって、
リセット端子を備える上記制御部としてのメインICと、
リセット端子に接続された追加回路と、を備え、
追加回路は、メインICへ供給される電源電圧を入力する第1入力端子と、メインICが稼働状態にあるときにメインICから出力される制御信号を入力する第2入力端子と、第2入力端子からの制御信号の入力があり且つ第1入力端子における電源電圧のレベルが上記所定レベルより高い所定のしきい値を下回ったときにオン状態となるスイッチ素子とを備え、当該スイッチ素子がオン状態となったときにリセット端子にリセット信号を与え、
メインICは、リセット端子にリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記追加回路は、第2入力端子からの制御信号による電荷を保持することで当該制御信号が途絶えた後も第2入力端子から制御信号の入力がある状態と同等の状態を所定時間維持するCR回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記追加回路へ電源供給するための供給系統を少なくとも2系統備え、当該2系統のうち、外部からの電源供給が絶たれたときに追加回路へ供給する電圧がより早く低下する方の供給系統と上記第1入力端子とを接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
制御部へ供給される電源電圧が所定レベルよりも低下する前に当該制御部をリセットさせる電子機器であって、
外部の商用電源と接続し、入力した商用電源をAC‐DC変換して所定の電源電圧を生成し出力可能な電源回路と、
電子機器が稼働状態かスタンバイ状態かにかかわらず電源回路から出力される第1電源電圧を入力して稼働し、外部からの電源オンの指示を受け付けたときに、電子機器を稼働状態とするための第1制御信号を出力するサブICと、
第1制御信号を入力し、かつ、電源回路から出力される第2電源電圧を入力することにより稼働する上記制御部としてのICであってリセット端子を備えるメインICと、
リセット端子に接続された追加回路と、を備え、
追加回路は、第2電源電圧を入力する第1入力端子と、メインICが稼働状態にあるときにメインICから出力される第2制御信号を入力する第2入力端子と、第1電源電圧を入力する第3入力端子と、ベースを第2入力端子に接続しエミッタをグラウンドに接続したNPN型の第1トランジスタと、カソードを第1入力端子に接続しアノードを第1トランジスタのコレクタ側に接続し上記所定レベルよりも高い所定のしきい値以上の電圧が第1入力端子に印加された場合にアノード側へ電流を流すツェナーダイオードと、ツェナーダイオードのアノードと第1トランジスタのコレクタとを結ぶ経路に対してベースを接続しエミッタを第3入力端子に接続しコレクタをグラウンドに接続したPNP型の第2トランジスタとを備え、第3入力端子と第2トランジスタのエミッタとを結ぶ経路に対してリセット端子を接続し、第2入力端子から第2制御信号の入力があることで第1トランジスタがオン状態となり且つ第1入力端子における第2電源電圧のレベルが上記しきい値を下回ったとき第2トランジスタがオン状態となることによりリセット端子にリセット信号を与え、
メインICは、リセット端子にリセット信号が与えられたときにリセット状態へ移行し、
追加回路は、第2入力端子からの第2制御信号による電荷をコンデンサに保持することで第2制御信号が途絶えた後も第2入力端子から第2制御信号の入力がある状態と同等の状態を所定時間維持するCR回路を備え、
さらに、追加回路へ第1電源電圧を供給するための供給系統と第2電源電圧を供給するための供給系統とのうち、第2電源電圧を供給する供給系統の方が、商用電源からの供給が絶たれたときに追加回路へ供給する電圧がより早く低下することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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