説明

電子測定方法

本発明よると、電子測定方法の感度は、少なくとも一つのパルス受信周波数を有するパルス電磁放射(ES)の送信、受信信号に変換される反射散乱放射(RS)の受信、受信信号のミキシング、少なくとも一つの出力信号から少なくとも一つの時間パラメータの決定の工程を有するヘテロダイン受信の原理により実行され、改善される。受信信号のミキシングにおいて、少なくとも二つのパルス混合信号が、少なくとも二つの出力信号を与えるために混合され、少なくとも二つの混合信号は互いについて位相シフトしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の文頭によるヘテロダイン受信の原理に基づく電子測定方法および、請求項10の文頭による測定装置および計算機プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子測定の方法の領域において、様々な原理、方法が知られており、より容易な評価のために、ヘテロダイン受信の原理によるミキサー信号を用いる非線形ミキシングによって、低周波数信号に下方変換される高周波信号が知られている。ミキサーはヘテロダインおよびホンダインの受信器の両方で、入力信号を別の周波数範囲に変換するために、作動する。受信器のタイプによって、異なるミキサー回路が使用され、それらの差異が、表され、質的に評価されるべきである。
【0003】
ホモダイン受信の特別な場合において、測定される区域オシレータの混合された信号および放射はそれらの変調周波数に対応する。非線形ミキシングから得られたビート信号は大きさが区域オシレータに関連する受信された放射の位相位置に依存するDC信号に対応する。
【0004】
一方、ヘテロダイン原理においては、区域オシレータは、その周波数において変調された測定信号と異なるミキサー信号を作り出す。ヘテロダイン原理は、電磁放射が可視あるいは赤外線範囲で放出される、位相差原理基づく距離計などに使用される。
【0005】
距離測定のためにヘテロダイン受信の原理に関連し使用される他の搬送波もまた当然知られている。この1つの例はレーダーの技術である。
【0006】
位相測定技術において、通常、正弦波あるいは矩形波の信号である振幅変調された光パルスは、数メガヘルツから数ギガヘルツの範囲の繰返し周期で放射される。数mWのピーク出力を有する従来の連続波レーザーダイオード、LEDに加えて、加えて、光源として使用される。平均放射エネルギーは十分に高く、従って、位相計測装置により測定される距離のため、目標の上のレーザースポットの可視性は、問題とはならない。
【0007】
距離測定のために、放射された信号の位相位置は戻ってくる信号のそれと比較される。位相シフトは、測定された距離に比例している。フォトダイオードにより受信されたRF信号は、増幅され、そして、位相ロックループ(PLL)調整された区域オシレータ信号の助けにより、位相は同じで、低い周波数帯域に下方に変換される。
【0008】
ギガヘルツ範囲のサンプリングレートの高周波信号のサンプリングの代りに、十分に、より簡単な手順が、低周波数受信器の信号を使用して、務めることができる。 ここで、低周波数(LF)範囲でのサンプリングおよびアナログ・デジタル変換は、多かれ少なかれ等級がより簡素で、より正確でより少ない電流消費である。従来の位相測定装置では、下方変換されたIF信号の基本ハーモニックだけ使用される。
【0009】
十分な距離測定精度または絶対的測定精度を達成するために、内部光経路(キャリブレーションまたは基準距離)および外部光経路(測定の距離)は通常連続して測定される。この方法において、伝達時間の変化が、電子機器でキャリブレーションできる。また、伝達時間の変化のキャリブレーションは、二つの個別の並列受信チャネルにより実現することができる。正確な距離測定は2つのチャネルを有するだけの位相測定装置の場合に可能である。このような位相測定装置の利点は、簡単な設計と、LFレベルでの測定と、および獲得可能な信頼性のあるビーム源である。他方で、位相測定装置の主要な不利は、送信、受信チャネル間の光学的あるいは電子的クロストークの不十分な抑制による誤りに対する感度であり、更なる不利は一般に低い検出感度である。
【0010】
他方、パルス原理に基づく伝達時間の距離計は、これらの不利な点はないが、しかし、測定の精度は、サブミリメートルの精度が要求される場合の測地学調査のためには、しばしば不正確過ぎである。
【0011】
伝達時間距離計の場合は、光パルス放射され、この光パルスは適当な光学手段により分割され、一部が内部光学経路(キャリブレーション距離)を介し直接に受信器に渡される。この光の残りの部分は、外部光学経路を介し、装置から外に送られる。この光学パルスは、 ピーク値を有する輝度カーブを持つパルス信号である。 そのピーク値か位置は、原理的に、適した解あるいは評価の場合に、決定可能である信号の伝達時間を得るための時間関係基準変数を定義する。光パルスの外部の部分は、距離を離れて立つ目標―測定される距離(=測定された距離)に当たり、そこにから反射し返され、そして適した光学システムを介し、同じ受信器に渡される。この受信器は、下流回路の増幅器を有するフォトダイオードであることが都合いい。
【0012】
内部光経路を介し通る光パルスは、開始パルスとして下記を参照する基準パルスを受信器内に生成する。外部の光パルス(測定された距離)を介し渡された光パルスは、停止パルスとして下記を参照するいわゆる測定されたパルスを受信器内に作り出す。
【0013】
内部および外部光経路の長さが異なっているので、2つの光パルスは異なった時間で受信器に到着する。 開始パルスと停止パルスの時間差は、伝達時間として定義され、内部および外部光経路の長さの間の差に比例している。測定されるべき時間差は非常に小さい、すなわちそれらは、使用可能な距離測定システムのために適しているサブミリメートルあるいはミリメートルの測地学的な精度で到着するために非常に正確に定められなければならない。パルス距離計の不利な点は、時間測定のための非常に複雑な器具にある。 伝達時間を定めるために、受信信号は一般にデジタル化され、その目的のため、ギガヘルツ範囲のサンプリングレートを有する非常に複雑な高周波電子回路が要求される。
【0014】
パルス距離計の場合に伝達時間の測定の複雑さは、ヘテロダイン原理を使用して相当に簡単にすることができる。そこで、少し異なる周波数でPLL調整された区域オシレータにより生成されたRFパルス信号は、乗法によって受信パルスの列と混合される。位相測定装置と対照的に、この方法では、すべてのハーモニックは同時に使用される。これは、LF範囲の高周波数の開始および停止パルスの時間拡大したイメージをもたらす。適切な時間拡大のための要因の選択は、それぞれの場合で、送信器のパルス周波数に依存している。例えば、1メガヘルツのパルス周波数で、1 MHz/1 (MHz/128) = 128の拡大は十分である。一方で、100メガヘルツのパルス周波数では、500 MHz/(1 MHz/12) = 64 000領域での拡大が要求される。
【0015】
膨張された時間の開始と停止パルス間の距離と低域濾過された出力信号は、低周波数サンプリング(≦1メガヘルツ)により容易に測定することができる。それは定められるべき測定された距離に比例している。
【0016】
しかし、この方法は、LF変形した受信信号のハーモニックの評価の場合でさえ、時間の大きい部分か元のRF信号にある距離情報が、受信信号(開始および停止パルス)の膨張のために失われるという不利な点がある。ナイキスト規準は、少なくとも2つのサンプリングのパスがRF受信パルスの最大のハーモニックの期間ごとに存在しなければ、それにより破られる。この損失は、副サンプリングシステムのように、ミキサーパルス(サンプリングパルス)によって、RF受信パルスが時々一致するヘテロダイン原理によって起こる。これらのRF受信パルスの伝達時間情報は、ヘテロダイン時間あるいは周波数変換により定められず、そして、従ってミキサーのギャップ内に落ちるので、LF信号に貢献しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、高められた精度で伝達時間を決定するための測定方法あるいは測定装置を提供することである。
【0018】
本発明の更なる目的は、高められた信号の感度で伝達時間の決定のための測定方法あるいは測定装置を提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、ホモダインあるいはヘテロダインの原理に従って信号の受信における信号情報の使用を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的は、請求項1と10の、あるいはそれぞれの従属の請求項の主要件によって達成され、あるいはその解法は更に開発される。
【0021】
本発明は、ヘテロダイン受信の原理に基づいて電子測定のための新しい方法および複数のミキサーを備える対応する測定装置の両方を提供する。本発明による測定方法および測定装置は、以下の一例として記述されている搬送波として光学放射を用いるヘテロダイン受信の変形に限定されない。例えば、本発明によれば、ラジオ、マイクロ波あるいはサブミリメートル波長範囲の搬送波を使用することも可能である。
【0022】
本発明による原理は、複数の位相シフト混合パルス信号と並列なRF受信パルスを、同時に、複数の別々のLF信号と、これらのLF信号を互いに同相和あるいは結合、そして単一受信信号を可能とする結合に変換することによりヘテロダイン受信の信号情報の損失を補償する。ノイズもパルスもこの並列ミキサーシステムでは関連しないので、信号/ノイズ比はミキサーチャネルの数で改善される。この内容において、同相結合は、結合のための位相シフトが調整されたミキサー信号の位相シフトに正確に対応することを意味する。この点で、他のミキサー信号のサンプリング値の間にサンプリング値を同相挿入することが有効である。 RFパルス信号は、例えばPLL調整された区域オシレータによって作り出されて、ミキサー信号として使用することができる。
【0023】
異なる位相のミキサー信号の最適数Mは、高い周波数の送信信号、特に、最も高い周波数Fi=1/Tiの送信信号のパルスの持続期間およびパルス期間Tiに左右される。 ミキサー信号の最大数Mは、パルスの期間対パルス幅(パルスの持続期間)の商の2倍に対応する。ミキサーチャネルの出力に現れる複数の低周波数信号は、一方との同位相和あるいはデジタル組合せに依っている。従って、この原理は、互いに関し位相シフトされ、情報の利得に導く2つ以上のアナログサンプラーでサブサンプリングすることに基づいている。
【実施例1】
【0024】
図1は、位相距離測定の公知の方法と比較して高い感度のヘテロダイン受信の原理に基づいた、本発明による測定装置の実施例のブロックダイヤグラムを示す。
【0025】
信号連鎖の開始に、0.5−5ppmの典型的な精度を有する水晶較正基準発振器がある。 いわゆる直流デジタル周波数シンセサイザ2aは、送信チャネル内にある。マイクロ制御部あるいはマイクロプロセサμPによるプログラミングによって、要素2aは数キロヘルツからメガヘルツの領域の所望の周波数を生成する。周波数コンバータ3は、送信チャネルと協働し、そして、測定周波数Fiになるように高い領域に周波数を増加させる。さらに、周波数コンバータ3は、フィルターとして機能し、分光信号の純度を確実にする。距離の粗い測定のために、位相測定装置と同様に、互いに近い複数の周波数Fiが送信される。駆動部4は、制御周波数を短い持続期間の電気パルスに変換し、レーザダイオードのような光源5を駆動する。このレーザダイオードは、電気パルスの曲線と関連し、時間依存の輝度の増加とピーク値に続く輝度低下とを有する放射を連続して生成する。 このピークのような光パルスの一部が、発信信号ESとして、測定される目標物に向けて方向付けられ、他の部分は、内部信号ISとして、ビームスプリッタを介し、光受信器に直接に伝わる。配列部6は、それぞれの開始パルスが生成されることにより、内部基準光経路に対応する。目標により反射され受信された光パルスは、反射信号RSとして、同時にあるいは平行に同じ光レシーバ7に通り、そして停止パルスを形成する。
【0026】
並列に配置された複数のミキサーモジュール9a、9b、9c、9dを用いて、信号のサブサンプリングの損失関連の影響を除去することができる。この拡張された装置では、周波数コンバータ部13は、送信チャネルに関連して再度わずかに周波数シフトされた、例えば、4つの高周波制御信号パルスを生成する。これらの制御信号の位相は、互いに関連し、(2π/制御信号の数の)整数ステップでシフトする。
【0027】
従って、ミキサーモジュール9a、9b、9c、9dは、低域フィルタ10a10b10c10dにより調整された出力で、これらの位相ステップによってシフトされた信号を生成する。時間変形された信号は、調整されたアナログ/デジタルコンバータの11a、11b、11cおよび11dで事実上同時にデジタル化され、マイクロプロセサμPによりメモリに保存される。
【0028】
サブサンプリングを通したヘテロダイン受信に生じる信号/ノイズ比の損失は、4つのデジタル信号パルス列を同相に、好もしくは一つの信号パルス列を与えるために(2π/制御信号の数の)整数ステップで、累計的に合計する処理後に除去される。
【0029】
本発明の測定方法の感度は、従来のヘテロダインあるいはホモダイン受信と比較されたルート(M)によって高められる。
【0030】
外部光経路を介した信号の伝達時間を定めるための測定された変数として、時間変形パルス距離Tiに関連して、停止パルスと開始パルスの間の時間変形相対遅れxiが、それぞれのレーザーパルスの周波数Fiに対する測定された変数として計算される。ADコンバータ11a、11b、11c、11dのサンプリングポイント間の時間ベースの補間は、適した相互相関方法あるいは機能方法によって達成される。
【0031】
決定すべき距離は以下のように計算される:

D = Ni*Li + xi*Li (1)

ここで、Niは距離測定装置と目標物間の停止パルスの数であり、Liは2つの送信パルス間のパルス距離である。
【0032】
曖昧さNiは、例えば、測定周波数Fiと対応する測定値xi間の差を計算する方法によって求められる。これらの値は、明確に求めることができ曖昧でない範囲として当業者にとって用語上知られている最長距離の長さと比較できる長いパルス間隔と対応される。相対的遅れxiのセットから曖昧パラメータMiを決定するための、実際に関連したこれらの方法は、例えば、GPSのアルゴリズムで位相曖昧さの解法から、当業者に知られている。
【0033】
図2は、ミキサーモジュールの一つだけで高周波ヘテロダインミキシングの前後の信号を示す。パルス間隔Ti=1/Fiを有するRF受信信号17は、開始および停止パルスから成り、そして、パルス間隔1/Fiついてわずかにシフトした周波数を有する、単一パルスから成るミキサー信号18により電気的相似的に混合される。基に置かれた高い搬送周波数を有する振幅変調された出力信号がミキサーの出力で形成される。この出力信号のエンベロープ14は、2つの信号パルスを有し、そのうちの一つは時間変形された開始パルス15と対応し、他方は時間変形された停止パルス16と対応している。信号の時間拡大による利点が、低周波数領域の信号を経済的な電子部品を使用して更に処理され、デジタル化することが可能な従来の位相測定と同様に利用される。さらに、電子部品のシステム的な伝達時間誤差の影響は、装置の測定精度を可能なかぎり促進するミキサー部の時間拡大要因によって減少する。本発明によれば、少なくとも2つの混合された信号から生成された出力信号およびそれから決定される伝達時間が結合される、すなわち最も簡単な場合、期待値が計算される。
【0034】
図3は、時間拡大された表示での図2の信号の一部を示す。ここで、どのように、RF受信信号17内で、停止パルスが増幅されず、開始パルスだけが部分的に増幅されるかが示されている。従って、停止パルスがこの位相の中で失われる間、開始パルスだけがミキサーの出力に通る。より高い周波数を有し、しかし付加的な振幅変調の出力信号19が、ミキサーの出力で形成される。出力信号19のエンベロープ14が、示されている。同時に動作し、しかし、互いに関し位相シフトしている少なくとも2つのミキサー信号を使用する本発明による測定方法では、信号情報のこの損失は存在しない、あるいは、部分的に存在する。それは、ミキサー信号の数Mが、入力信号のパルス継続時間に対するパルス間隔の商の2倍から離れた程度に依存する。
【0035】
図4は、同様に図2の拡大した一部を示し、さらに、エンベロープ14あるいは低域濾過され時間拡大された開始パルス15が示されている。例として示された領域20において、ミキサー信号18により受信信号17内の開始パルスの獲得および出力の経路が明白である。一方、受信信号17内の時間シフトされた、より小さい停止パルスはこの部分でのミキサー信号18によって得られず、従って、このミキサーの出力に現われない。エンベロープ14が時間変形させた開始あるいは停止信号を表す高周波の、振幅変調された出力信号19が通る。信号情報のこの損失は、本発明による測定方法によって、減少するか、あるいは除去される。
【0036】
図5は、低周波数領域に変形された受信信号を示す。信号パルス列の間隔は、第1の開始パルス15aと、停止パルス16aと、この図で明らかなLiとしての時間拡大したパルス間隔22に続く第2の停止パルス15a’を有する。ここで、定められるべき測定変数は、時間、すなわち、第1の開始パルス15aと停止パルス16a間の遅れ21である。ADコンバーターによるサンプリングの後、遅れ21と従って周期xiは、遅れ21とTiとの比として計算できる。目標物への距離の計算は、関係(1)によって実行される。

D = Ni*Li + xl*Li

曖昧な変数Niすなわち装置と目標物との間の送信されたパルスの数を求めるためのいくつかの方法がある。様々な、適した方法は、レーダーあるいはGPS衛星調査技術から知られている。既に述べられたGPSのアルゴリズムは、差分計算および線形結合(LC)、特にナローレーンLCあるいはワイドレーンLCの方法が含まれている。
【0037】
複数目標は、図5に示されるように、周期xiが各変調伝達周波数Fiで別々に測定することが可能な付加的停止パルスを出現させる。互い違いの目標物への距離を測定できる可能性が、本発明の装置の特別の強みである。
【0038】
図6は、ヘテロダイン技術の場合におけるヘテロダインサブサンプリングの効果を明確に示している。もし装置が調整されたパルスのミキサー信号を有する単一のより高い周波数ミキサーだけを備えるならば、信号エネルギーの一部分は失われる。この損失関連効果は、ミキサーの制御パルスが開始と停止パルスとの間で下るところの位置24で明白である。これを避けるため、本発明においては、複数のミキサーモジュールが受信チャネル内で互いに並列に使用されている。制御信号の位相は、並列ミキサーの数の比率で互いにシフトしている。これは、少なくとも一つのミキサーが有効な信号サンプリング29を実行し、そして信号エネルギーが失われないことを保障する。このような受信装置の感度は、パルス伝達時間測定器の感度に到達し、従って、従来の位相測定器の感度と相当に異なる。
【0039】
代替のあるいは補足の方法で、部品あるいは原理の様々な配列を互いに結合することができることは、当業者にとって明白である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による測定装置のひとつの実施例のブロックダイヤグラムを示す。
【図2】高周波ヘテロダインミキシングの前後の信号を示す。
【図3】高周波ヘテロダインミキシングの前後の信号を大きな尺度で示す。
【図4】高周波ヘテロダインミキシングの前後の信号を大きな尺度で、変形された開始パルスの表示と共に示す。
【図5】低周波数領域に変形させた開始および停止パルスから成るLF信号パルス列を示す。
【図6】1つのミキサー信号だけの場合のヘテロダインサブサンプリングの効果を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘテロダイン受信の原理に基づく電子測定方法であって、
光を含む、少なくとも1つのパルス繰返し周波数を有するパルス状電磁放射(ES)を送信し、
受信信号(17)に変換される反射、分散された放射(RS)を受信し、
上記パルス繰返し周波数よりも低い周波数を有する少なくとも1つの出力信号を生成するために、少なくとも一つのパルス混合信号(18)と上記受信信号(17)をミキシングし、
上記少なくとも一つの出力信号(19)から少なくとも一つの時間関連の変数を決定し、そして
上記ミキシングにおいて、上記受信信号(17)が、少なくとも2つの上記出力信号(19)を与えるために、少なくとも2つの上記パルス混合信号(18)とミキシングすることにより変換され、上記少なくとも2つの混合信号(18)が互いに位相シフトしている
ことを特徴とする電子測定方法。
【請求項2】
共通の結合体が少なくとも2つの上記出力信号(19)から形成され、特に、全ての該出力信号(19)が共通の信号結合を与えるように同位相で結合されることを特徴とする請求項1記載の電子測定方法。
【請求項3】
上記混合信号(18)がヘテロダイン方法に従って生成され、使用されることを特徴とする請求項1または2記載の電子測定方法。
【請求項4】
上記混合信号(18)の最大数が上記放射のパルス幅に対するパルス間隔の商の2倍に対応することを特徴とする請求項1、2あるいは3記載の電子測定方法。
【請求項5】
送信および受信の間、上記放射は、一部は上記装置の外側の測定距離を介し測定される少なくとも1つの目標に、一部は上記装置の内部で基準距離を介し通り、上記放射(IS)が少なくとも1つの開始パルス(15、15a、15a´)を定義する基準距離(6)を介し通り、および上記放射(RS)が少なくとも一つの停止パルス(16、16a)測定距離を介し通り、少なくとも1つの時間関連の変数の決定において、目標との少なくとも1つの距離が少なくとも1つの上記出力信号(19)から決定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の電子測定方法。
【請求項6】
上記目標によって反射分散する上記放射(RS)が第1の受信器により検出され、上記基準距離介し通る上記放射(IS)が第2の受信器により検出されることを特徴とする請求項5記載の電子測定方法。
【請求項7】
上記目標により反射分散する上記放射(RS)と上記基準距離を介し通る上記放射(IS)は共通の受信器で(7)により検出され、上記受信信号(17)は、上記目標により反射分散する上記放射(RS)および基準距離を介し通る上記放射(IS)の構成を備えることを特徴とする請求項5記載の電子測定方法。
【請求項8】
合成的に生成された基準信号あるいは以前の測定から保存された基準信号を有する上記混合信号(18)に対応する上記出力信号(19)の少なくとも1つのパルスの相互相関が得られることを特徴とする請求項1から7のいづれか記載の電子測定方法。
【請求項9】
プログラムがコンピュータで実行される請求項1から8のいずれか記載の電子測定方法を実行するための、機械で読み出し可能な媒体に保存される該プログラムのコードを備えることを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか記載の電子測定方法を実行するための測定装置であって、
光の放射(ES)の生成と送信のための少なくとも1つのパルス放射源と、
上記放射を受信し、少なくとも1つの受信信号(17)に変換するための第1の受信器(7)と、
少なくとも1つのパルス混合信号(18)を提供するための部材と、
パルス表示周波数よりも低い周波数を有する第1の出力信号を生成するための第1の混合信号と上記受信信号(17)を混合するための第1のミキサー(9a)と、
少なくとも1つの上記出力信号(19)を処理する信号処理装置(μP)と、
パルス受信周波数よりも低い周波数を有する少なくとも1つの第2の出力信号を生成するため少なくとも1つの第2のパルス混合信号と少なくとも1つの上記受信信号(17)を混合するための少なくとも1つの第2のミキサー(9b−d)と、を備える
ことを特徴とする測定装置。
【請求項11】
少なくとも1つの混合信号(18)を提供するための部材が、互いに位相シフトしている少なくとも2つのパルス混合信号(18)を提供するために形成されていることを特徴とする請求項10記載の測定装置。
【請求項12】
上記第1のミキサー(9a)および少なくとも1つの上記第2のミキサー(9b)が、異なった位相で作動し、並列に接続された多チャンネルのヘテロダイン配列内の少なくとも2つの電子信号ミキサー(9a、9b)に形成されてことを特徴とする請求項11記載の測定装置。
【請求項13】
上記装置内の基準距離(6)を有し、該装置は調査される少なくとも1つの上記目標に対し、上記装置の外側の上記測定距離を介し、および、上記装置の内部の上記基準距離(6)を介し、同時に上記放射の送信が可能であることを特徴とする請求項10、11あるいは12記載の測定装置。
【請求項14】
上記信号処理装置(μP)は、上記共通信号結合を与えるすべての上記出力信号(19)の同相結合のような、少なくとも2つの上記出力信号(19)の結合のために構成されていることを特徴とする請求項10から13のいずれか記載の測定装置。
【請求項15】
上記基準距離を介し通る上記放射(IS)を受信するための第2の受信器を備え、上記第1の受信器(7)が上記目標により反射分散された上記放射(RS)を受信するよう構成されることを特徴とする請求項10から14記載の測定装置。
【請求項16】
上記第1の受信器(7)は、上記目標により反射分散された上記放射(RS)と上記基準距離を介し通る上記放射(IS)とを共通に受信し、上記受信信号(17)は、上記目標により反射分散された上記放射(RS)と上記基準距離を介し通る上記放射(IS)の成分を有することを特徴とする請求項10から14のいずれか記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−524562(P2008−524562A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545907(P2007−545907)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013241
【国際公開番号】WO2006/063739
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(501116608)ライカ ジオシステムズ アクチェンゲゼルシャフト (70)
【Fターム(参考)】