説明

電子装置、液圧ユニットおよび放熱部材固定方法

【課題】回路基板への放熱部材の取付信頼性を向上させた電子装置を提供する。
【解決手段】電子装置は、電子部品10が搭載される回路基板4と、放熱部材6と、放熱部材6を回路基板4に取り付ける取付部材5と、を備え、回路基板4に形成されたスルーホール4e’と放熱部材6に形成された取付孔6aとが連通する状態に回路基板4と放熱部材6を重ねて、取付部材5を圧入する。取付部材5は、弾性部5dを有し、弾性部5dの弾性復元力によって回路基板4への放熱部材6の取り付け状態を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置、液圧ユニットおよび放熱部材固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品が搭載される回路基板に放熱板を取り付け、電子部品等から発生する熱を放熱板から放出する電子装置がある。
【0003】
特許文献1には、放熱板を半田によって回路基板に取り付けた電子装置が開示されている。
【特許文献1】特開平11−17371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような特許文献1の電子装置では、電子部品等から放熱板に伝わった熱が、熱によって溶解する性質を有する半田に伝わり、半田の取付強度が低下するので、放熱板の取付信頼性が低いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、回路基板への放熱部材の取付信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子装置は、電子部品が搭載される回路基板と、放熱部材と、前記放熱部材を前記回路基板に取り付ける取付部材と、を備え、前記取付部材は、弾性部を有し、前記弾性部の弾性復元力によって前記回路基板への前記放熱部材の取り付け状態を維持することを特徴とする。
【0007】
本発明の液圧ユニットは、上記電子装置を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の放熱部材固定方法は、回路基板に形成されたスルーホールと放熱部材に形成された取付孔とが連通する状態に前記回路基板と前記放熱部材とを重ねて、取付部材に形成されたプレスフィット端子を前記取付孔から前記スルーホールへ圧入し、前記プレスフィット端子の弾性変形の中心位置と前記スルーホールにおける前記回路基板厚さ方向での中心位置とを略一致させた状態とすることで、前記取付部材に形成された弾性部が前記放熱部材を前記回路基板に向けて押圧し、当該弾性部と前記回路基板とによって前記放熱部材を挟持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取付部材の弾性部によって回路基板への放熱部材の取り付け状態を維持するので、放熱部材からの熱の影響を抑制して回路基板への放熱部材の取付信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態にかかる電子装置を示す斜視図、図2は、本実施形態にかかる電子装置を示す分解斜視図、図3は、本実施形態にかかる回路基板に搭載された電子部品およびその周囲を示す平面図、図4は、図3中A-A線に沿った断面図、図5は、本発明の第1の実施形態にかかる取付部材を示す側面図。図6は、本実施形態にかかる放熱板とその周囲を示す斜視図、図7は、本実施形態にかかる放熱板が取付部材によって回路基板に取り付けられる工程を(a)〜(d)に順を追って示す工程図、図8は、本実施形態にかかる取付部材の剛性について説明するための説明図、図9は、本実施形態にかかる取付部材の剛性について説明するための説明図である。
【0011】
図1および図2に示すように、電子装置1は、ベース2と、このベース2に固定されるカバー3と、これらベース2とカバー3との間の内部空間に収納される回路基板4と、この回路基板4に取付部材5によって取り付けられる放熱部材としての放熱板6と、この放熱板6と回路基板4との間に介在する絶縁部材7と、を備えている。
【0012】
ベース2には、カバー3に対向して開口する収納凹部2aが形成されている。また、ベース2の底部2eの周縁部には、取付ブラケット部2bが2箇所形成されており、この取付ブラケット部2bには、取付ボルト用のねじ孔2cが形成されている。この取付ブラケット部2bは、取付ボルトによって車体に取り付けられる。また、収納凹部2aの底面2dには、各種センサーやECUと接続される複数の端子部材8および複数の取付部材5が立設されている。このベースには、複数の端子部材8を有するコネクタ9が形成されており、このコネクタ9がハーネスを介して外部装置に接続される。
【0013】
図2に示すように、端子部材8は、先端部にプレスフィット端子8aを有している。
【0014】
カバー3は、金属材料によって構成されている。この金属材料は、例えば、アルミニウムや、鉄、ステンレス鋼などである。本実施形態では、カバー3は、薄肉鋼板をプレス成形することで形成してある。このカバー3は、ベース2の収納凹部2aを覆って収納凹部2aの周縁部に嵌合して取り付けられる。
【0015】
回路基板4は、図2および図4に示すように、略矩形を成す例えば3層構造の平板状の基板4aを備えている。この基板4は、絶縁性の合成樹脂によって構成してある。そして、回路基板の一方の面(基板4aの一方の面)4bには、図2および図3に示すように、半導体ICやコンデンサ、コイル、トランジスタなどの電子部品10が搭載され、これらの電子部品10同士は、一部を図示省略した電気配線であるプリント配線4cを介して接続されている。回路基板の他方の面(基板4aの他方の面)4dには、絶縁部材7を介して放熱板6が取り付けられている。放熱板6は、複数の電子部品10のうち発熱量が比較的大きい電子部品10Aに対応させて取り付けられている。
【0016】
回路基板4には、板厚方向に貫通した複数のスルーホール4eが形成されている。スルーホール4eの周面には導電板4fが形成さており、この導電板4fは、プリント配線4cに一体に接続されている。これらのスルーホール4eに、端子部材8および取付部材5が挿入(圧入)され、これら端子部材8および取付部材5によって回路基板4がベース2に固定される。複数のスルーホール4eのうち取付部材5が挿入されるスルーホール4e´は、第1取付孔として機能する。これらのスルーホール4e´は、電子部品10Aの周囲に電子部品10Aに近接させて形成されている。
【0017】
放熱板6は、図2、図4、図6に示すように、金属によって略矩形平板状に形成され、伝熱性を有している。この放熱板には、スルーホール4e´に対応して複数の第2取付孔6aが形成されており、この第2取付孔6aは、スルーホール4e´に連通する。
【0018】
絶縁部材7は、絶縁材料によって略矩形平板状に形成されている。この絶縁部材7には、スルーホール4e´および第2取付孔6aに対応して複数の第3取付孔7aが形成されており、この第2取付孔6aは、スルーホール4e´に連通する。
【0019】
取付部材5は、図5に示すように、弾性部5dを有し、この弾性部5dの弾性復元力によって回路基板4への放熱板6の取り付け状態を維持するようになっている。具体的には、取付部材5は、基体部5aとこの基体部5aの先端から延出して形成された挿入部としてのプレスフィット端子5gと、基体部5aの先端周縁部に形成された複数の押圧部5cと、が形成されている。プレスフィット端子5gには、圧入部5bが形成されており、この圧入部5bは、押圧部5cとによって弾性部5dを構成している。
【0020】
プレスフィット端子5gは、圧入部5bを有した端子である。取付部材5は、薄肉金属板を例えばプレスによって打ち抜き形成され、特にプレスフィット端子5g(板バネ部5f)は、直径w2を有する治具を端子首部5hに打ち込むことにより、拡径形成されている。圧入部5bには、一対の板バネ部5fが形成されている。自由状態の圧入部5bの幅w1は、スルーホール4e´の径よりも大きく設定されている。このプレスフィット端子5gは、図4に示すように、スルーホール4e´および第2取付孔6aに挿入され、圧入部5bはスルーホール4e´に対して圧入され弾性復元力を発生する。かかる圧入によって、圧入部5bがスルーホール4e´の内周面を構成する導電板4fに圧接して、取付部材5とスルーホール4e´の導電板4fとが相互に電気的に接続するようになっている。また、かかる圧入による圧入部5bの弾性復元力によって放熱板6の回路基板4への取付状態が維持される。
【0021】
弾性部5dの押圧部5cは、弾性復元力によって放熱板6を回路基板4に向けて押圧し、回路基板4とによって放熱板6を挟持するようになっている。具体的には、この押圧部5cは、放熱板6の略重心を回路基板4に向けて付勢している。押圧部5cは、スルーホール4e´への圧入部(挿入部)5bの挿入方向に対して交差する方向に基体部5aから伸長して形成されて、アーム状を成している。詳しくは、本実施形態では、押圧部5cは、複数(2個)設けられ、複数の押圧部は5c、スルーホール4e´への圧入部(挿入部)5bの挿入方向であって相互に異なる方向で相互に反対となる方向に基体部5aから伸長して形成されている。ここで、この押圧部5cは、放熱板6の面方向に沿って伸長して形成されているのが好適である。また、押圧部5cは、圧入部(挿入部)5bの幅方向B(図5)に平行に伸長して形成されていることが好適である。
【0022】
押圧部5cの先端には、当接面5eが形成されている。この当接面5eは、略平坦に形成されており、プレスフィット端子5gがスルーホール4e´に挿入される際に、当接面5eが放熱板6に当接して押圧部5cが弾性変形し放熱板6を回路基板4に向けて押圧する。かかる押圧による押圧部5cの弾性復元力によって放熱板6の回路基板4への取付状態が維持される。即ち、本実施形態では、押圧部5cと圧入部5bとの弾性復元力によって放熱板6の回路基板4への取付状態を維持している。
【0023】
ここで、取付部材5における押圧部5cの剛性について説明する。押圧部5cの剛性は、その屈曲度合によって調調整できる。ここで、図8には、押圧部5cの屈曲度合が相対的に大きい取付部材5を示し、図9に押圧部5cの屈曲度合が相対的に小さい取付部材5Aを示す。また、取付部材5、5Aにおける押圧部5cの剛性は、押圧部5cの厚さによっても調整できる。即ち、押圧部5,5Aの剛性は、図8(a),図9(a)に示す所定の厚さよりも厚さを増大させることにより大きくなり(図8(b),図9(b))、厚さを減少させることにより小さくなる(図8(c),図9(c))。
【0024】
また、圧入部5bが圧入されたスルーホール4e´は、圧入部5bと電子部品10Aとを導通させるとともに、放熱板6との間で伝熱可能に配置されている。
【0025】
この構成における放熱板6の取付は、図7に示すように、まず、回路基板4に形成されたスルーホール4e´と放熱板6に形成された第2取付孔6aとが連通する状態に回路基板4と放熱板6とを絶縁部材7を介して重ねて、取付部材5に形成されたプレスフィット端子5gを第2取付孔6aからスルーホール4e´へ圧入する。そして、プレスフィット端子5gの弾性変形の中心位置c1とスルーホール4e´における回路基板厚さ方向bでの中心位置c2とを略一致させた状態(図4)とすることで、取付部材5に形成された弾性部5dの押圧部5cが放熱板6を回路基板4に向けて押圧し、当該押圧部5cと回路基板4とによって放熱板6を挟持することにより放熱板6の取付がなされる。このとき、放熱板6は、プレスフィット端子5gの圧入部5b(弾性部5d)によって押圧支持される。
【0026】
このような構成の電子装置1では、図4に示すように、電子部品10Aから発生した熱が矢印aで示すように、回路基板4のプリント配線4cからスルーホール4e´、取付部材5のプレスフィット端子5g、押圧部5cを経由して放熱板6に伝達され、放熱板6によって放出される。また、電子部品10Aから発生した熱は、回路基板4、絶縁部材7を介しても放熱板6に伝達され、放熱板6によって放出される。
【0027】
以上説明した電子装置1の作用効果を対応する構成とともに説明する。
【0028】
本実施形態によれば、電子部品10(10A)が搭載される回路基板4と、放熱板6と、放熱板6を回路基板4に取り付ける取付部材5と、を備え、取付部材5は、弾性部5dを有し、弾性部5dの弾性復元力によって回路基板4への放熱板6の取り付け状態を維持することにより、放熱板6からの熱の影響を抑制して回路基板4への放熱板6の取付信頼性を向上させることができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、弾性部5dは、弾性復元力によって放熱板6を回路基板4に向けて押圧し、回路基板4とによって放熱板6を挟持する押圧部5cを有することにより、回路基板4に放熱板6を強固に固定できる。
【0030】
また、本実施形態によれば、押圧部5cは、放熱板6の略重心を回路基板4に向けて付勢することにより、回路基板4に放熱板6を強固に固定できる。
【0031】
また、本実施形態によれば、回路基板4には、第1取付孔であるスルーホール4e´が形成されており、放熱板6には、スルーホール4e´と連通する第2取付孔6aが形成されており、取付部材5は、基体部5aと、この基体部5aに連設されスルーホール4e´および第2取付孔6aに挿入されるプレスフィット端子5gを有することにより、取付部材5、回路基板4および放熱板6の相互の位置決めを容易に行なうことができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、押圧部5cは、プレスフィット端子5gがスルーホール4e´に挿入される際に、放熱板6に当接して弾性変形し放熱板6を回路基板4に向けて押圧することにより、組立過程で放熱板6が押圧部5cによって回路基板4に向けて押圧されるので組立作業を容易に行なうことができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、第1取付孔は、スルーホール4e´であることにより、取付部材5だけのために第1取付孔を設ける必要がないので、回路基板4の構成が複雑化するのを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、挿入部は、端子としてのプレスフィット端子5gであり、プレスフィット端子5gは、スルーホール4e´に圧入されて弾性復元力を発生し、弾性部5dの一部を構成していることにより、プレスフィット端子5gの弾性復元力を用いて回路基板4に放熱板6を取り付けることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、スルーホール4e´は、当該スルーホール4e´に挿入されたプレスフィット端子5gと電子部品10Aとを導通させるとともに、放熱板6との間で伝熱可能に配置されていることにより、電子部品10Aで発生した熱をスルーホール4e´を介して放熱板6に伝達できるので、効率よく放熱することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、スルーホール4e´は、電子部品10Aの近傍に配置されていることにより、電子部品10Aで発生した熱をスルーホール4e´を介して放熱板6により効率的に伝達できるので、さらに効率よく放熱することができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、弾性部5dは、挿入部であるプレスフィット端子5gに形成されスルーホール4e´に圧入されて弾性復元力を発生する圧入部5bを有することにより、圧入部5bの弾性復元力を用いてより強固に放熱板6を回路基板4に取り付けることができる。
【0038】
なお、放熱板6は、電子部品10Aの搭載位置や発熱量などに応じて種々の形状に変更して良い。以下に本実施形態の変形例を説明する。ここで、図10は、本実施形態の第1の変形例の電子装置の要部を示す斜視図、図11は、本実施形態の第2の変形例の電子装置の要部を示す斜視図、図12は、本実施形態の第3の変形例の電子装置の要部を示す斜視図、図13は、本実施形態の第4の変形例の電子装置の要部を示す斜視図である。
【0039】
図10に示すように、第1の変形例の電子装置1Bの放熱板6Bは、直方体に形成されていて、放熱板6Bの横幅軸線H1および縦幅軸線N1を通る重心G1を中心に横幅軸線H1方向に均等に一列に並べられた3つの取付部材5によって絶縁部材7Bを介して回路基板4に取り付けられている。これにより、放熱板6Bを安定的に回路基板4に取り付けることが可能となり、車体振動に対して有利な構成となっている。この放熱板6Bの横幅は、取付部材5の幅よりも比較的大きく設定されている。
【0040】
図11に示すように、第2の変形例の電子装置1Cの放熱板6Cは、直方体に形成されていて、一列に並べられた3つの取付部材5によって絶縁部材7Cを介して回路基板4に取り付けられている点は、第1の変形例と同様であるが、この放熱板6Bの横幅は、取付部材5の幅と略同じに形成されている。この場合は、放熱板6Cを安定的に保持できる。
【0041】
図12に示すように、第3の変形例の電子装置1Dの放熱板6Dは、平面視略凸字状に形成されて、仮想3角形の頂点に位置するように配置された3つの取付部材5によって絶縁部材7Dを介して回路基板4に取り付けられている。
【0042】
図13に示すように、第4の変形例の電子装置1Eの放熱板6Eは、略正四角形状に消係止されて、それぞれの4つの角部に対応して設けられた4つの取付部材5によって絶縁部材7Eを介して回路基板4に取り付けられている。
【0043】
図12,図13の第3および第4の変形例によれば、重心G3,G4を内包するように取付部材5の取付位置が設定されるので、第1の変形例と同様に、車体振動に対して有利な構成となっている。
【0044】
また、取付部材5としては、図14(a)、図14(b)に示すように、基体部5aと押圧部5cとからのみで構成した取付部材5Fであっても良い。、ここで、図14は、本実施形態の第5の変形例の電子装置の取付部材を剛性の高い順に(a)、(b)に示している。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図15を参照して説明する。図15は、本実施形態にかかる電子装置の要部を示す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図15に示すように、本実施形態は、電子装置1Gの取付部材5Gが第1の実施形態に対して異なる。本実施形態の取付部材5Gは、圧入部5bが基板4のスルーホール4e´と放熱板6の第2取付孔6aとの両方に圧入されている。他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0047】
以上の構成の本実施形態によれば、圧入部5bが基板4のスルーホール4e´と放熱板6の第2取付孔6aとの両方に圧入されているので、取付部材5Gが圧入部5bによって基板4とともに放熱板6も押圧支持することができ、放熱板6をより強固に基板4に取り付けることができる。即ち、比較的重い放熱板6を、車体振動方向Pに対して板バネ部5fが支承するので、効果的に振動を吸収することができる。
【0048】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について図16および図17を参照して説明する。図16は、本実施形態にかかる電子装置の要部を示す斜視図、図17は、本実施形態にかかる電子装置の要部を示す分解斜視図である。なお、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0049】
図16および図17に示すように、本実施形態は、電子装置1Hの取付部材5Hが放熱板6Hに一体に形成されている点が第1の実施形態に対して異なる。
【0050】
取付部材5Hは、プレスフィット端子5gからなり、押圧部材は設けられていない。この取付部材5Hは、絶縁部材7の第3取付孔7aと回路基板4のスルーホール4e´とに挿入され、プレスフィット端子5gがスルーホール4e´に圧入される。この取付部材5Hは、放熱板6Hとともに例えばプレス加工によって形成される。
【0051】
以上の構成の本実施形態によれば、取付部材5Hが放熱板6Hに一体に形成されているので、ベース2を用いずに放熱板6Hを回路基板4に取り付けることができる。
【0052】
なお、取付部材5Hを別個にプレス加工によって成形し、放熱板6Hに圧入させることにより、取付部材5Hと放熱板6Hとを一体に形成させてもよい。
【0053】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について図18および図19を参照して説明する。図18は、本実施形態にかかる電子装置の要部を示す斜視図、図19は、本実施形態にかかる電子装置の要部を示す分解斜視図である。なお、前述した実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0054】
図18および図19に示すように、本実施形態は、電子装置1Jの取付部材5Jが放熱板6Jに一体に形成されている点が第1の実施形態に対して異なる。
【0055】
取付部材5Jは、基体部5aとプレスフィット端子5gとからなっている。基体部5aは、放熱板6Jの側面から外方に張り出し形成され、この基体部5aの先端部からプレスフィット端子5gが立上げ形成されており、プレスフィット端子5gは、絶縁部材を介さずに回路基板4に直接圧入される。この取付部材5Jは、放熱板6Jとともに例えばプレス加工によって形成される。
【0056】
以上の構成の本実施形態によれば、取付部材5Jが放熱板6Jに一体に形成されているので、ベース2を用いずに放熱板6Jを回路基板4に取り付けることができる。
【0057】
また、本実施形態では、プレスフィット端子5gは、絶縁部材7Jを介さずに回路基板4に圧入されるので、絶縁部材7Jに取付孔を形成する必要がないので、絶縁部材7Jの形状を簡素化することができる。
【0058】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について図20ないし図22を参照して説明する。本実施形態は、本発明を車両のブレーキシステムに適用した例である。図20は、本実施形態にかかる車両のブレーキシステムを示すシステム構成図、図21は、本実施形態にかかる液圧ユニットを示す側面図、図22は、本実施形態にかかる液圧ユニットを示す正面図である。なお、前述した実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0059】
図20に示すように、車両のブレーキシステム100は、車室内に配置されたブレーキペダル101と、このブレーキペダル101に連結されたマスタシリンダ102と、このマスタシリンダ102にブレーキ配管103を介して接続された液圧ユニット106と、この液圧ユニット106に燃料配管104を介して接続されたホイールシリンダ105と、を備えている。
【0060】
図21および図22に示すように、液圧ユニット106は、母体となるハウジング110と、このハウジング110の図22において左右の一方の側面に取り付けられたモータ111と、左右の他方の側面に取り付けられたケース112とを備えている。
【0061】
ハウジング110には、マスタシリンダ102とホイールシリンダ105とを結ぶブレーキ回路の一部が形成されているほか、図示を省略したプランジャポンプなどが内蔵されている。即ち、ハウジングには、マスタシリンダ102とホイールシリンダ105とを結ぶブレーキ配管103,104が接続されて内部にポンプを含んでホイールシリンダ圧を増減させる構成が内蔵されている。
【0062】
また、ブレーキ回路に接続された開口が、図22に示すハウジング110のモータ取付面110aおよび、図示は省略するが、ハウジングの上面に複数形成され、これら開口にブレーキ配管103,104が接続される。
【0063】
モータ111は、図外のプランジャポンプを駆動させるもので、ハウジング110に装着されたヨークを兼ねるモータケース111cに覆われている。
【0064】
ケース112は、内部に図外の電磁弁や、これら電磁弁およびモータ111の駆動を制御する第1の実施形態で説明した電子装置1を収容している。なお、電子装置1、他の電子装置1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1Jであってもよい。ケース112の側部には、コネクタ113が設けられ、このコネクタ113に外部電気回路が接続されて前記電子装置1やモータ111などに電力や電気信号が供給される。なお、ハウジング110の下面には、円筒状のリザーバ114,115が取り付けられている。
【0065】
液圧ユニット106は、ブラケット116により車体に固定される。このブラケット116は、略長方形に形成されてハウジング110の下面に対向される下側支持片117と、この下側支持片117の4辺のうちの3辺から下方に伸ばされて図外の車体に当接される脚部118,119,119と、下側支持片117の4辺のうちの残りの1辺から上方に延在されて前記モータ取付面110aに対向された横側支持片120とを備えている。なお、脚部118,119には、図外のボルトを挿通させるボルト孔118b,119bが穿設されている。
【0066】
また、下側支持片117にあっては、モータ111のモータ軸mcと上下方向に重なる位置に、下側支持位置UPとして図外のボルト穴が穿設され、このボルト穴の内周に弾性体としての防振ゴム121がはめ込まれ、この防振ゴム121を貫通して下側片の下方から支持軸としてのボルト122が挿通されてハウジング110の下面110cに締結されている。これにより、防振ゴム121は、下側支持片117の上面である下側支持面117bと前記ハウジング110の下面110cとの間に介在されている。
【0067】
また、横側支持片120にあっては、図22に示すように左右の2箇所に、横側支持位置SPとしてのボルト穴が穿設され、このボルト穴の内周に弾性体としての防振ゴム123がはめ込まれ、この防振ゴム123を貫通して図21の左側から(図21において左右方向が車両の前後方向である)支持軸としてのボルト124が挿通されてモータ取付面110aに締結されている。これにより、防振ゴム123は、横側支持片120においてモータ取付面110aと対向する面である横側支持面120bとモータ取付面110aとの間に介在されているとともに、防振ゴム123の先端部は、横側支持面120aとボルト124の先端部との間で弾性的に挟着されている。
【0068】
そして、本実施形態にあっては、図21に示すように、液圧ユニット106の重心Mは、モータ111の重量が重いため、ハウジング110においてその中心よりもモータ111寄りの位置となっており、この重心Mの重力方向軸である重力軸MLが、図21に示すようにブラケット116において、下側支持位置UPと横側支持位置SPとの間隔である支持幅KLの内側に収まる配置となっている。
【0069】
したがって、ポンプ駆動によって液圧ユニット106に振動が発生した場合に、重心Mは両支持位置UP,SPの間の支持幅KLの内側に配置されているため、従来のように片持振動となることが無い。よって、従来に比較して液圧ユニット106の振動を抑えることが可能となり、運転者に不快感を与えたり、ボルト122,124の支持剛性が劣化したりするのを抑制することができる。
【0070】
さらに詳述すると、本実施の形態1にあっては、支持位置SP,UPに対し、重心Mよりも遠い側にブレーキ配管103,104が設けられており、液圧ユニット106に片持振動が発生した場合には、ブレーキ配管103,104を揺らすことになり、特に、ブレーキ配管103はその軸方向に押されることになって、この振動が運転者側(車室内)に伝達され易いが、本実施の形態1にあっては、上述のように液圧ユニット106において片持振動が発生するのを抑えることができるため、このブレーキ配管103,104が振動する問題を解消することができる。
【0071】
そして、本実施形態では、図21に示すように、電子装置1の放熱板6は、当該液圧ユニット106の重心Mの重力方向MLに沿った軸線と直交する交差軸線であるモータ軸mcの近傍に配置されている。また、放熱板6は、液圧ユニット10の重心Mよりもブラケット116側に配置されている。ここで、ボルト124,124は、ブラケット118を介して車体に固定される支持部となっている。そして、図22に示すように、放熱板6は、支持部(ボルト124,124)におけるハウジング110の側面110dと略平行な軸心線hに囲繞された領域fに配置されている。また、図21に示すように、放熱板6は、モータ111の中心位置としてのモータ軸mcよりも、ブラケット118側に配置されている。なお、図21中の取付部材5は、液圧ユニット106における取付部材5の取付方向を模式的に示している。このように取り付けることで、図21中の矢印k方向での回路基板4と放熱板6との振動を取付部材5のプレスフィット端子5gによって抑制することができる。
【0072】
特に、矢印k方向の振動に直交して板バネ部5fを配置しているため、板バネ部5fが弾性的に振動を吸収することが可能となっている。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、マスタシリンダ102とホイールシリンダ105とを結ぶブレーキ配管103,104が接続されて内部にポンプを含んでホイールシリンダ圧を増減させる構成を内蔵したハウジング110と、ハウジング110の一側面に取り付けられてポンプを駆動するモータ111と、ハウジング110の他方の側面に取り付けられモータ111を駆動制御する電子装置と、を備える液圧ユニット106であって、電子装置は、上述の実施形態で説明した電子装置1であり、電子装置1の放熱板6は、当該液圧ユニット106の重心Mの重力方向MLに沿った軸線と直交する交差軸線であるモータ軸mcの近傍に配置されている。したがって、液圧ユニット106全体の重心Mが、より車体への取り付け位置に近づくので、電子装置1(放熱板6)の振動を抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態では、液圧ユニット106は、ブラケット116によって車体に固定され、放熱板6は、液圧ユニット10の重心Mよりもブラケット116側に配置されている。したがって、液圧ユニット106全体の重心Mが、より車体への取り付け位置に近づくので、電子装置1(放熱板6)の振動を抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、電子装置1の放熱板6は、支持部(ボルト124,124)におけるハウジング110の側面110dと略平行な軸心線hに囲繞された領域fに配置されている。したがって、液圧ユニット106全体の重心Mが、より車体への取り付け位置に近づくので、電子装置1(放熱板6)の振動を抑制することができる。
【0076】
領域fとしてボルト124の軸心SPを設定しているが、防振ゴム123とブラケット116の横側支持片120のボルト穴との接触部(防振ゴム123の外周部)に設定しても良い(図22参照)。
【0077】
また、本実施形態では、放熱板6は、モータ111の中心位置としてのモータ軸mcよりも、ブラケット118側に配置されている。したがって、液圧ユニット106全体の重心Mが、より車体への取り付け位置に近づくので、電子装置1(放熱板6)の振動を抑制することができる。
【0078】
ここで、従来装置では、モータの駆動やホイールシリンダ圧の制御によるブレーキ回路の液圧変化に起因して、液圧ユニットに振動が生じた場合に、液圧ユニットの重心位置によっては片持振動(首振り振動)が発生する場合がある。そして、この片持振動が発生することにより、ブレーキ配管やマスタシリンダを介して運転者に不快な振動を与えるという問題や、車体に対する液圧アクチュエータの取付ボルトが緩み、液圧アクチュエータの取付剛性が劣化するという問題が生じる場合がある。
【0079】
これに対して、本実施形態では、上記の通りに放熱板6を配置したので、液圧ユニット106の振動を抑制することができ、液圧アクチュエータに振動が生じたときに、片持振動が発生するのを抑え、これにより運転者に不快感を与えたり、液圧アクチュエータの取付剛性が劣化したりするのを抑制することができる。
【0080】
なお、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。例えば、電子装置としては、ブレーキシステムに用いるものに限ることなく、例えば、パワーステアリング制御ユニットや自動変速機(AT)制御ユニットなどの他の制御ユニット用のものであっても良い。
【0081】
また、上記各実施形態では、基板として、その表面にプリント配線を設けた例を説明したが、これに限ることなく、基板としては、基板の内部における層の間にもプリント配線を設けたものであっても良い。
【0082】
また、取付部材としては、図23および図24に示すように、押圧部5cが、圧入部(挿入部)5bの幅方向Bに直交して形成されている取付部材5Kでも良い。
【0083】
更に、図22に示すように、放熱板6をブレーキ配管103の内側に配置するように構成し、モータによる横方向の振動に対する更なる抑制効果を得るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電子装置を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる電子装置を示す分解斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる回路基板に搭載された電子部品およびその周囲を示す平面図。
【図4】図3中A-A線に沿った断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる取付部材を示す側面図。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる放熱板とその周囲を示す斜視図。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる放熱板が取付部材によって回路基板に取り付けられる工程を(a)〜(d)に順を追って示す工程図。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる取付部材の剛性について説明するための説明図。
【図9】本発明の第1の実施形態にかかる取付部材の剛性について説明するための説明図。
【図10】本発明の第1の実施形態の第1の変形例の電子装置の要部を示す斜視図。
【図11】本発明の第1の実施形態の第2の変形例の電子装置の要部を示す斜視図。
【図12】本発明の第1の実施形態の第3の変形例の電子装置の要部を示す斜視図。
【図13】本発明の第1の実施形態の第4の変形例の電子装置の要部を示す斜視図。
【図14】本発明の第1の実施形態の第5の変形例の電子装置の取付部材を剛性の高い順に(a)、(b)に示す説明図。
【図15】本発明の第2の実施形態にかかる電子装置の要部を示す縦断面図。
【図16】本発明の第3の実施形態にかかる電子装置の要部を示す斜視図。
【図17】本発明の第3の実施形態にかかる電子装置の要部を示す分解斜視図。
【図18】本発明の第4の実施形態にかかる電子装置の要部を示す斜視図。
【図19】本発明の第4の実施形態にかかる電子装置の要部を示す分解斜視図。
【図20】本発明の第5の実施形態にかかる車両のブレーキシステムを示すシステム構成図。
【図21】本発明の第5の実施形態にかかる液圧ユニットを示す側面図。
【図22】本発明の第5の実施形態にかかる液圧ユニットを示す正面図。
【図23】本発明の別の実施形態にかかる取付部材を示す正面図。
【図24】本発明の別の実施形態にかかる取付部材を示す側面図。
【符号の説明】
【0085】
1,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1J 電子装置
4 回路基板、
4e´ スルーホール(第1取付孔)
5,5A,5F,5G,5H,5J,5K 取付部材
5a 基体部
5b 圧入部
5c 押圧部
5d 弾性部
5g プレスフィット端子(挿入部)
6,6B,6C,6D,6E,6H,6J 放熱板(放熱部材)
6a 第2取付孔
10,10A 電子部品
102 マスタシリンダ
103,104 ブレーキ配管
105 ホイールシリンダ
106 液圧ユニット
110ハウジング
111 モータ
118 ブラケット
124 ボルト(支持部)
M 重心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載される回路基板と、
放熱部材と、
前記放熱部材を前記回路基板に取り付ける取付部材と、
を備え、
前記取付部材は、弾性部を有し、前記弾性部の弾性復元力によって前記回路基板への前記放熱部材の取り付け状態を維持することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記弾性部は、弾性復元力によって前記放熱部材を前記回路基板に向けて押圧し、前記回路基板とによって前記放熱部材を挟持する押圧部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記押圧部は、前記放熱板の略重心を前記回路基板に向けて付勢することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記回路基板には、第1取付孔が形成されており、
前記放熱部材には、前記第1取付孔と連通する第2取付孔が形成されており、
前記取付部材は、基体部と、この基体部に連設され前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入される挿入部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記押圧部は、前記第1取付孔への前記挿入部の挿入方向に対して交差する方向に前記基体部から伸長して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記押圧部は、複数設けられ、前記複数の押圧部は、前記第1取付孔への前記挿入部の挿入方向であって相互に異なる方向に前記基体部から伸長して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
前記放熱部材は、放熱板であり、
前記押圧部は、前記放熱板の面方向に沿って伸長して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項8】
前記押圧部は、前記挿入部の幅方向に平行に伸長して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項9】
前記押圧部は、前記挿入部の幅方向に直交して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項10】
前記押圧部は、前記挿入部が前記第1取付孔に挿入される際に、前記放熱部材に当接して弾性変形し前記放熱部材を前記回路基板に向けて押圧することを特徴とする請求項4ないし9のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1取付孔は、スルーホールであることを特徴とする請求項4ないし10のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記挿入部は、端子であることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項13】
前記端子は、プレスフィット端子であることを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記プレスフィット端子は、前記第1取付孔に圧入されて前記弾性復元力を発生し、前記弾性部の一部を構成していることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記プレスフィット端子は、前記第1取付孔および前記第2取付孔に圧入されていることを特徴とする請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記スルーホールは、当該スルーホールに挿入された前記端子と前記電子部品とを導通させるとともに、前記放熱板との間で伝熱可能に配置されていることを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項17】
前記スルーホールは、前記電子部品の近傍に配置されていることを特徴とする請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記回路基板には、第1取付孔が形成されており、
前記取付部材は、前記第1取付孔に挿入される挿入部を有し、
前記弾性部は、前記挿入部に形成され前記第1取付孔に圧入されて前記弾性復元力を発生する圧入部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項19】
前記放熱部材には、前記第1取付孔と連通する第2取付孔が形成されており、
前記挿入部は、前記第1取付孔および前記第2取付孔に挿入されることを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記取付部材は、前記放熱部材に一体に形成されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の電子装置。
【請求項21】
マスタシリンダとホイールシリンダとを結ぶブレーキ配管が接続されて内部にポンプを含んでホイールシリンダ圧を増減させる構成を内蔵したハウジングと、
前記ハウジングの一側面に取り付けられて前記ポンプを駆動するモータと、
前記ハウジングの他方の側面に取り付けられ前記モータを駆動制御する電子装置と、
を備える液圧ユニットであって、
前記電子装置は、請求項1ないし請求項20のいずれか一項に記載の電子装置であり、
前記電子装置の前記放熱部材は、当該液圧ユニットの重心の重力方向に沿った軸線と直交する交差軸線の近傍に配置されていることを特徴とする液圧ユニット。
【請求項22】
当該液圧ユニットは、ブラケットによって車体に固定され、
前記放熱部材は、当該液圧ユニットの重心よりも前記ブラケット側に配置されていることを特徴とする請求項21に記載の液圧ユニット。
【請求項23】
マスタシリンダとホイールシリンダとを結ぶブレーキ配管が接続されて内部にポンプを含んでホイールシリンダ圧を増減させる構成を内蔵したハウジングと、
前記ハウジングの一側面に取り付けられて前記ポンプを駆動するモータと、
前記ハウジングの他方の側面に取り付けられ前記モータを駆動制御する電子装置と、
ブラケットを介して車体に固定される支持部と、
を備える液圧ユニットであって、
前記電子装置は、請求項1ないし請求項20のいずれか一項に記載の電子装置であり、
前記電子装置の前記放熱部材は、前記支持部における前記ハウジングの側面と略平行な軸心線に囲繞された領域に配置されていることを特徴とする液圧ユニット。
【請求項24】
前記放熱板は、前記モータの中心位置よりも、前記ブラケット側に配置されていることを特徴とする請求項23に記載の液圧ユニット。
【請求項25】
回路基板に形成されたスルーホールと放熱部材に形成された取付孔とが連通する状態に前記回路基板と前記放熱部材とを重ねて、
取付部材に形成されたプレスフィット端子を前記取付孔から前記スルーホールへ圧入し、
前記プレスフィット端子の弾性変形の中心位置と前記スルーホールにおける前記回路基板厚さ方向での中心位置とを略一致させた状態とすることで、前記取付部材に形成された弾性部が前記放熱部材を前記回路基板に向けて押圧し、当該弾性部と前記回路基板とによって前記放熱部材を挟持することを特徴とする放熱部材固定方法。
【請求項26】
前記放熱部材は、前記プレスフィット端子の弾性部によって押圧支持されることを特徴とする請求項25に記載の放熱部材固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−246044(P2009−246044A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88753(P2008−88753)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】