説明

電子装置の製造方法

【課題】電子部品間の接合信頼性を向上させることができる電子装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第一電子部品11と第二電子部品12とを有し、第一電子部品11の接合部111と、第二電子部品12の接合部125とが接合された電子装置を製造するための製造方法であり、第一電子部品11の金属製の接合部111と、第二電子部品12の金属製の接合部125とを当接させ、第一電子部品11および第二電子部品12を加圧し、接合部111,125同士を金属接合した後、第一電子部品11および第二電子部品12への加圧を解除する第一の工程と、接合した第一電子部品11および第二電子部品12の位置関係を固定部材Pにより固定し、第一電子部品11および第二電子部品12を所定の温度で加熱保持する第二の工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップ同士、半導体基板同士、半導体チップと基板とを接合する際に様々な方法が使用されている。たとえば、特許文献1には、電子部品を基板に接合する方法として、以下のプロセスが開示されている。
電子部品の電極に球状はんだを設ける。球状はんだとしては、たとえば、Sn3.5wt%Agのはんだを使用する。次に、基板の電極上にメタライズとして、Cr,Ni,Auを形成する。その後、電子部品の電極と基板の電極とを対応させて、球状はんだの融点以下で加熱、加圧することで、仮固定する。次に、250℃程度に加熱して、球状はんだを溶融させて、メタライズ中にはんだを溶融させる(本固定)。この際、溶融はんだの表面張力によるセルフアライメント効果により、電子部品と基板との位置ずれが補正される。
【0003】
また、特許文献2には、半導体基板とチップを接合する方法が開示されている。
この方法では、半導体基板上に設けられた、はんだバンプ上にフラックスを塗布し、その後、半導体基板とチップとを対向させて、フラックスで仮固定する。その後、加熱することで、半導体基板とチップとを接合する(本固定)。このとき、半導体基板およびチップは実質的に無荷重とされ、チップは半導体基板に対し、位置を変えること(セルフアライン)ができるとされている。
【0004】
さらに、特許文献3には、複数の半導体チップを積層して位置決めした後、複数の半導体チップを一括して接合する方法が開示されている。複数の半導体チップを一括して接合する際には、リフローによる加熱、またはボンディングスツールによる加熱加圧を行う。
【0005】
【特許文献1】特開2002−111191号公報
【特許文献2】特開2004−79685号公報
【特許文献3】特開2003−282819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2では、本固定の際に、セルフアライメント効果により、電子部品(あるいはチップ)と基板との位置ずれを補正しているため、基板や電子部品(あるいはチップ)の位置は固定されておらず、基板や電子部品(あるいはチップ)には荷重がかかっていない状態となっていると考えられる。
そのため、特許文献1,2では、薄型の基板や電子部品(あるいはチップ)を使用する場合において、本固定の工程での加熱に伴い基板や電子部品(あるいはチップ)にそりが生じてしまう。この基板や電子部品(あるいはチップ)の反りの発生に伴い、接合対象同士間で位置ずれが生じ、接合信頼性が悪化することがある。
また、特許文献3では、複数の半導体チップを位置決めする工程では、単に複数の半導体チップを積層しただけの状態となっている。そのため、位置決めした半導体チップを他の箇所に搬送することは困難であり、半導体チップの位置決めと、半導体チップの接合とを同じ場所で行う必要がある。通常、半導体チップの位置決めは、半導体チップの製造ラインの延長上で行われることが多く、半導体チップの位置決めは大気中で行われるため、接合の際に、接合部が酸化してしまい接合信頼性が悪化する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第一電子部品と第二電子部品とを有し、前記第一電子部品の金属製の接合部と、前記第二電子部品の金属製の接合部とが接合された電子装置の製造方法であって、前記第一電子部品の前記接合部および前記第二電子部品の前記接合部を当接させ、前記第一電子部品および第二電子部品を加圧し、前記第一電子部品の前記接合部と前記第二電子部品の前記接合部とを金属接合した後、前記第一電子部品および前記第二電子部品への加圧を解除する第一の工程と、接合した前記第一電子部品および前記第二電子部品を固定部材により固定し、前記第一電子部品および前記第二電子部品を所定の温度で加熱保持する第二の工程とを備える電子装置の製造方法が提供される。
【0008】
この発明によれば、第一の工程にて第一電子部品の接合部と第二電子部品の接合部とを金属接合しており、さらに、第二の工程にて、接合した第一電子部品および第二電子部品を固定部材により固定し、第一電子部品および第二電子部品を所定の温度で加熱保持している。第一の工程において、第一電子部品および第二電子部品を仮固定し、その後、第二の工程において、第一電子部品および第二電子部品を加熱することで、第一電子部品および第二電子部品の接合を確実なものとすることができる。
【0009】
さらに、第二の工程で加熱する際に、固定部材により前記第一電子部品および前記第二電子部品の位置関係を固定している。このように加熱を必須とする第二の工程において、固定部材により第一電子部品および第二電子部品を固定することで、第一電子部品および第二電子部品に加熱に伴って発生する第一電子部品および第二電子部品間の位置ずれを抑制することができる。また、固定部材により第一電子部品および第二電子部品を固定することで、第一電子部品および第二電子部品に熱による変形、すなわち、反りが発生しにくくなる。
これにより、電子部品間の接合信頼性を向上させることができる。
【0010】
さらに、電子部品の製造工程を第一の工程と、第二の工程とに分離し、第一の工程にて、接合部同士を金属接合しておくことで、第一電子部品および第二電子部品が搬送可能となり、第一の工程と第二の工程とを異なる雰囲気下で実施することができる。たとえば、第一の工程を大気中で行い、第二の工程を真空下あるいは非酸化性ガス(不活性ガス、あるいは窒素ガス)下で行うことができる。これにより、電子部品間の接合信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子部品間の接合信頼性を向上させることができる電子装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、共通の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
(第一実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
本実施形態の電子装置の製造方法は、第一電子部品11と第二電子部品12とを有し、第一電子部品11の接合部111と、第二電子部品12の接合部125とが接合された電子装置の製造方法である。
本実施形態の電子装置の製造方法は、第一電子部品11の金属製の接合部111と、第二電子部品12の金属製の接合部125とを当接させ、第一電子部品11および第二電子部品12を加圧し、接合部111,125同士を金属接合した後、第一電子部品11および第二電子部品12への加圧を解除する第一の工程と、接合した第一電子部品11および第二電子部品12の位置関係を固定部材Pにより固定し、第一電子部品11および第二電子部品12を所定の温度で加熱保持する第二の工程とを備える。
【0014】
次に、本実施形態の電子装置の製造方法について詳細に説明する。
はじめに、図1(A)に示すように、第一電子部品11である第一半導体チップ11と、第二電子部品12である第二半導体チップ12とを対向配置させる。
第一半導体チップ11は、半導体基板112と、この半導体基板112上に設けられた絶縁膜113と、半導体基板112を貫通する貫通ビア114と、複数の接合部111とを有する。
貫通ビア114は所定のピッチで複数設けられている。貫通ビア114は、例えば、銅、タングステン、ポリシリコン、ニッケル等の導体で構成される。
絶縁膜113には、貫通ビア114に対応する位置に開口が形成され、この開口を埋めるように接合部111が設けられている。接合部111は、金属製、たとえば金を含むものであり、前記開口を介して貫通ビア114に接続されている。
【0015】
第二半導体チップ12は、半導体基板122と、この半導体基板122上に設けられた絶縁膜123と、半導体基板122上に設けられた配線層126と、半導体基板122を貫通する貫通ビア124と、複数の接合部121と、複数の接合部125とを有する。
貫通ビア124は所定のピッチで複数設けられている。貫通ビア124は、例えば、銅、タングステンや、ポリシリコン、ニッケル等の導体で構成される。
絶縁膜123は、半導体基板122の一方の面側に配置され、この絶縁膜123には、貫通ビア124に対応する位置に開口が形成されている。この絶縁膜123の開口を埋めるように接合部121が設けられている。接合部121は、金属製、たとえば金を含むものであり、前記開口を介して貫通ビア124に接続されている
【0016】
半導体基板122の他方の面側には、配線層(配線と絶縁層とを含む層)126が設けられている。
接合部125は、半導体基板122上に複数配置されており、配線層126を介して貫通ビア124と接続される。
この接合部125は、第一半導体チップ11との接続に使用されるものである。この接合部125は、基部125Aと、この基部125Aを被覆する被覆部125Bとを備える。
基部125Aは、配線層126上に突設されている。基部125Aは、先端面が弧を描くように全面にかけて湾曲している。
また、基部125Aは、半導体基板122の基板面と略平行方向にはりだす庇部を有していない。このような基部125Aは、たとえば、Cu,Ni,Au,Pdのいずれかの金属を含んで構成される。
【0017】
被覆部125Bは、基部125Aよりも融点が低い材料で構成されており、基部125Aの先端面全面を被覆している。
この被覆部125Bは、基部125Aの先端面に沿って形成され、表面が略円弧状に湾曲している。
被覆部125Bの厚みは、基部125Aの頂部において最も厚くなっており、基部125Aの先端面の周縁から、基部125Aの先端面の頂部に向かって厚くなっている。
被覆部125Bを構成する材料は、半田であり、たとえば、Pbフリー半田(たとえば、錫−銀系半田、錫−ビスマス系半田、錫−亜鉛系半田等)を用いることができる。また、被覆部125Bとして、Sn/95Pb、Sn/63Pb等のPbを含有するものや、Snを含むものを使用してもよい。また、Inを含む半田を使用してもよい。
【0018】
図1(A)に示すように、搭載ヘッドHにより、第二半導体チップ12が第一半導体チップ11上に搬送され、第一半導体チップ11の接合部111と、第二半導体チップ12の接合部125とが対向配置することとなる。搭載ヘッドHは、第二半導体チップ12の表面を吸着することで、第二半導体チップ12を保持している。
このとき、第一半導体チップ11は加熱ステージT上に設置されており、第一半導体チップ11は加熱された状態となっている。また、第二半導体チップ12も搭載ヘッドHにより加熱されている。このとき、第一半導体チップ11の接合部111および第二半導体チップ12の接合部125は、所定の温度、たとえば、被覆部125Bの融点未満の温度となっていることが望ましい。
次に、図1(B)に示すように、搭載ヘッドHを第一半導体チップ11側に下降させ、第一半導体チップ11の接合部111と、第二半導体チップ12の接合部125とを当接させる。
このとき、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12は、搭載ヘッドHと加熱ステージTとで挟まれて加圧され、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12は位置関係が固定された状態となる。第一半導体チップ11および第二半導体チップ12が挟圧されることにより、被覆部125B表面の自然酸化膜が破壊され、被覆部125Bと、接合部111との界面に固相拡散層10Aが形成される。これにより、接合部111と接合部125とが仮固定されることとなる。
ここで、固相拡散層10Aは、被覆部125Bおよび接合部111が固相状態で、どちらか一方の金属原子が他方に拡散して形成される、或いは相互に金属原子が拡散して形成される合金層である。
【0019】
次に、搭載ヘッドHによる第二半導体チップ12への吸着を解除し、搭載ヘッドHから第二半導体チップ12を取り外し、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12への加圧を解除する。
その後、搭載ヘッドHにより、第三電子部品としての第三半導体チップ13が、第二半導体チップ12上に、搬送される(図2参照)。第三半導体チップ13は、半導体基板132と、この半導体基板132上に設けられた配線層126と、接合部125とを有する。なお、半導体基板132には貫通ビアは設けられていない。
【0020】
そして、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の仮固定と同様の方法で、第二半導体チップ12の接合部121と、第三半導体チップ13の接合部125とを仮固定する。
具体的には、搭載ヘッドHにより、第三半導体チップ13を第二半導体チップ12上に搬送する。これにより、第二半導体チップ12の接合部121と、第三半導体チップ13の接合部125とが対向配置されることとなる。
このとき、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12は加熱ステージT上に設置されており、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12は加熱された状態となっている。また、第三半導体チップ13も搭載ヘッドHにより加熱されている。このとき、第三半導体チップ13の接合部125および第二半導体チップ12の接合部121は、所定の温度、たとえば、被覆部125Bの融点未満の温度となっていることが望ましい。
その後、搭載ヘッドHを第二半導体チップ12側に下降させ、第二半導体チップ12の接合部121と、第三半導体チップ13の接合部125とを当接させる。
このとき、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13は、搭載ヘッドHと加熱ステージTとで挟まれ、加圧されることとなる。第二半導体チップ12および第三半導体チップ13が挟圧されることにより、被覆部125B表面の自然酸化膜が破壊され、被覆部125Bと、接合部121との界面に固相拡散層10Aが形成される。これにより、接合部121と接合部125とが仮固定されることとなる。
【0021】
以上のようにして、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13を仮固定する。
その後、搭載ヘッドHによる第三半導体チップ13への吸着を解除し、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13への加圧が解除されることとなる。
以上の工程が第一の工程となる。なお、この第一の工程は大気中で行われる。
【0022】
次に、仮固定された第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13で構成される積層体を図示しない接合チャンバー内に配置する。第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13は接合チャンバーに搬送される間に冷却される。
接合チャンバー内は、真空、あるいは、非酸化性ガスの雰囲気となっている。非酸化性ガスとは、Nガス、不活性ガス、さらには、還元性ガスをいう。還元性ガスとしては水素ガスや、蟻酸ガスを使用することができる。
【0023】
この接合チャンバー内には、図3に示すように、一対のプレスヒータ(固定部材)Pが対向配置されている。第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13から構成される積層体は、一方のプレスヒータP上に配置される。
そして、一対のプレスヒータPにより、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13から構成される積層体が挟圧され、固定されることとなる。プレスヒータPの平面における大きさは、半導体チップ11〜13の平面における大きさよりも大きく、半導体チップ11〜13を完全に覆う大きさとなっている。
プレスヒータPは、たとえば、平板状の金属板である。
なお、プレスヒータPと第三半導体チップ13との間に緩衝材を配置してもよい。
【0024】
前記積層体は、所定の温度(たとえば、被覆部125Bの融点以上の温度)に加熱したプレスヒータPにより挟圧され、この状態で、一定時間加熱保持される。
あるいは、プレスヒータPにより前記積層体を挟圧した後、所定の温度(たとえば、被覆部125Bの融点以上の温度)まで加熱され、この状態で一定時間加熱保持される。
このとき、前記積層体がプレスヒータP(固定部材)により、挟圧されることで、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の位置関係が固定されるとともに、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の位置関係が固定される。換言すると、プレスヒータPにより、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12,第三半導体チップ13の相互の位置関係が固定されることとなる。
また、ここでの加熱保持時間(プレスヒータPにより挟まれ加熱保持される時間)は、第一の工程における第一半導体チップ11,第二半導体チップ12を仮固定する際の加熱保持時間、第二半導体チップ12,第三半導体チップ13を仮固定する際の加熱保持時間の各加熱保持時間よりも長い。
このとき、被覆部125Bが溶融し、基部125Aの金属原子が被覆部125B中に拡散して、基部125Aと接合部111との間、基部125Aと接合部121との間それぞれに合金層10Bが形成されることとなる。この合金層10Bは、被覆部125Bよりも融点の高いものである。
これにより、第一半導体チップ11、第二半導体チップ12、第三半導体チップ13が強固に接続されることとなり、電子装置が完成する。
以上が第二の工程である。
【0025】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、第一の工程における加熱保持時間(所定の温度に達した第一半導体チップ11および第二半導体チップ12、あるいは、第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13が搭載ヘッドHと加熱ステージTで挟まれている時間)よりも第二の工程における加熱保持時間を長くしている。第一の工程において、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12を短時間加熱し、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12を仮固定する。同様に、第二半導体チップ12、第三半導体チップ13を短時間加熱し、第二半導体チップ12、第三半導体チップ13を仮固定する。
その後、第二の工程において、第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を第一の工程よりも長時間加熱保持することで、第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の接合を確実なものとすることができる。
また、第二の工程で加熱する際に、接合した第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を固定部材としてのプレスヒータPにより固定している。
プレスヒータPで第一半導体チップ11、第二半導体チップ12,第三半導体チップ13を挟圧することで、各半導体チップ11〜13にそりが発生しにくくなるとともに、各半導体チップ11〜13の位置ずれを抑制することができる。
長時間加熱する第二の工程においては、熱の影響により、各半導体チップ11〜13にそりや位置ずれが発生しやすくなるが、固定部材であるプレスヒータPにより第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を固定することで、反りや位置ずれを抑制できるのである。
これにより、第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の接合信頼性を向上させることができる。
【0026】
第一の工程の加熱保持時間は、第二の工程の加熱保持時間よりも短く、短時間であるため、電子部品に熱の影響(反り等)が発生していない状態で、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12を接合できる。この状態で、次工程である第二の工程を実施することにより、接合信頼性の高い電子装置を得ることができる。
特に、本実施形態では、第一の工程の加熱保持温度は、第二の工程の加熱保持温度よりも低いため、電子部品に熱の影響(反り等)が発生していない状態で、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12を仮固定できる。
第二半導体チップ12および第三半導体チップ13においても同様の効果がある。
【0027】
さらに、本実施形態では、第一半導体チップ11と、第二半導体チップ12とを仮固定した後、第二半導体チップ12と第三半導体チップ13とを仮固定している。そして、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体を一対のプレスヒータPで一体的に挟圧することで、接合部の本固定を一度で行っている。これにより、第一半導体チップと第二半導体チップとを仮固定、本固定した後、第二半導体チップと第三半導体チップを仮固定、本固定する場合に比べ、電子装置の生産性を向上させることができる。
【0028】
また、本実施形態では、第一の工程で、被覆部125Bと、接合部121との界面に固相拡散層10Aを形成し、仮固定を行っている。この固相拡散層10Aによる接合がある程度の強度を有しているため、仮固定された第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を接合チャンバーまで搬送することができる。
このように第一の工程で接合部同士を接合しておくことで、第一の工程と第二の工程とを異なる雰囲気下で実施することができる。第一の工程を大気中で行い、第二の工程を真空下あるいは非酸化性ガス(不活性ガス、窒素ガス、あるいは還元性ガス)下で行うことができる。これにより、半導体チップ間の接合信頼性を向上させることができる。
なお、従来は、第一の工程の短時間の加熱で形成される固相拡散層10Aによる接合が搬送に耐えうる程度強固であることは知られていなかったため、複数の半導体チップをそれぞれ仮固定した後、接合チャンバーに搬送し、本固定を行うといった製法は想定できなかった。
【0029】
さらに、本実施形態のように半導体チップ11〜13を3つ積層する場合に、半導体チップを積層するごとに、仮固定、本固定を行ってしまうと、下層の第一半導体チップ11および第二半導体チップ12には、本固定を行う際の熱が2回かかることとなってしまう。これにより、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12が熱による影響を大きく受けることとなる。
たとえば、半導体チップを積層するごとに、仮固定、本固定を行った場合には、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12が熱による影響を大きく受けるため、第三半導体チップ13の接合部125と第二半導体チップ12の接合部121との位置あわせが困難となったり、接合部同士がずれた状態で接合され、接合信頼性に劣るものとなる場合がある。
これに対し、本実施形態のように、第一半導体チップ11〜第三半導体チップ13を仮固定した後、第一半導体チップ11〜第三半導体チップ13を一度に本固定することで、下層の第一半導体チップ11および第二半導体チップ12への熱による影響を最小限にとどめることが可能となる。これにより、第三半導体チップ13の接合部125と第二半導体チップ12の接合部121とを確実に接合することができ、接合信頼性を高めることができる。
【0030】
また、本実施形態では、第二の工程を真空中あるいは、非酸化性ガス雰囲気下で行っている。加熱保持に長時間かかる第二の工程を真空中あるいは非酸化性ガス雰囲気下で行うことで、接合部111,121,125の酸化を抑制することができる。
さらには、本実施形態では、第一の工程および第二の工程において金属接合により接合部111,125同士、接合部121,125同士を接合している。特許文献2のようにフラックスを介して接合部同士を接合する場合には、接合力が非常に弱く、接合対象同士の位置ずれが生じやすいが、本実施形態では、金属接合を介して接合部111,125同士、接合部121,125同士を接合しているので、位置ずれの発生を防止できる。
さらに、本実施形態では、フラックスを使用しないため、フラックス洗浄等が必要なく、電子装置の製造に手間を要しない。
【0031】
さらに、本実施形態では、接合部125の基部125Aの先端面が略円弧を描くように湾曲している。これにより、基部125Aの周縁部と、接合部125に接合される接合部111,121との間の間隔が広くなる。これにより、溶融した被覆部125Bを、基部125Aの周縁部と、接合部125に接合される接合部111,121との間のスペースに収容することができる。そのため、溶融した被覆部125Bが絶縁膜113,123に付着したり、隣接する他の基部125Aまではみ出したりすることを抑制することができる。
また、被覆部125Bの厚みを、基部125Aの頂部において最も厚くすることで、仮固定時の加圧により被覆部125Bの大きな機械的変形を促し、被覆部125B表面の酸化膜や被覆部125B表面に形成される吸着物による層を破壊して、良好な固層拡散層10Aを形成することができる。
【0032】
(第二実施形態)
図4を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
前記実施形態では、第二の工程において、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体を固定部材(プレスヒータP)により挟圧した状態で加熱保持していた。
これに対し、第二の工程において、本実施形態では、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の対向面間、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の対向面間にそれぞれ、固定部材としての樹脂Rを配置した状態で加熱保持を行う。
より詳細に説明すると、前記実施形態と同様の方法で第一の工程を実施する。他の点は第一実施形態と同様である。
次に、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の対向面間に、液状の樹脂Rを注入する。樹脂Rは、毛細管現象により、接合された接合部111,125と、接合された接合部111,125との間の隙間に充填される。このとき、樹脂Rは、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の対向面間の隙間を埋めることとなり、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の対向面に接触する。
同様の方法で、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の対向面間に、樹脂Rを注入する。樹脂Rは、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の対向面間の隙間を埋めることとなり、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の対向面に接触する。
ここで、樹脂Rは、アンダーフィル材であり、たとえば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含むものである。たとえば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂等があげられる。
その後、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12、第三半導体チップ13を含む積層体を加熱して、樹脂Rを硬化させる。樹脂Rの硬化温度は、たとえば、150℃程度であり、第一の工程における加熱保持温度、第二の工程における加熱保持温度よりも低く、第一半導体チップ11,第二半導体チップ12、第三半導体チップ13に反り等が生じない温度となっている。
樹脂Rを硬化させることで、樹脂Rは、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12に接着し、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12を固定するとともに、対向面間の距離を一定距離に保持する固定部材としての役割を果たす。
同様に、樹脂Rを硬化させることで、樹脂Rは、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13に接着し、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を固定するとともに、対向面間の距離を一定距離に保持する固定部材としての役割を果たす。
【0033】
その後、半導体チップ11〜13を含む積層体を加熱する。この積層体は、たとえば、べーク炉や、リフロー炉などに導入され、所定温度(たとえば、被覆部125Bの融点以上の温度)で加熱保持されることとなる。ここでは、前記実施形態のように積層体を挟圧する必要はない。
他の点は前記実施形態と同様である。
本実施形態では、第二の工程で加熱する際に、接合した第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の対向面間の距離、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の対向面間の距離が樹脂Rにより一定距離に維持される。樹脂Rは、第一半導体チップ11および第二半導体チップ12の各対向面、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13の各対向面に固着されているため、樹脂Rの固着力により、各半導体チップ11〜13に反りが生じることを抑制することができる。
以上のような本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0034】
(第三実施形態)
図5を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
本実施形態では、図5(A)に示すように、第一の工程において、第二半導体チップ12の接合部125の周囲に絶縁層14を設ける。この絶縁層14は、第二半導体チップ12の配線層126表面に直接接触するように設けられている。
絶縁層14としてはたとえば、ポリイミド、エポキシ、カルド樹脂等の熱硬化性もしくは、熱可塑性樹脂を主成分として含むものがあげられる。
絶縁層14を設ける方法としては、たとえば、第二半導体チップ12の第一半導体チップ11との対向面(すなわち、配線層126)上に絶縁層14を構成する液状の樹脂を、スピンコート法等で塗布する。
その後、絶縁層14を硬化させ、絶縁層14のうち、接合部125を覆っている部分をエッチング等により除去する。
これにより、絶縁層14から接合部125が露出することとなる。
【0035】
また、絶縁層14の形成方法としては、上記スピンコート法の他、フィルム状の樹脂をラミネートする方法を用いてもよい。
【0036】
さらに、絶縁層14が光硬化性樹脂を含む場合には、第二半導体チップ12の配線層126上を、絶縁層14を構成する液状の樹脂を、スピンコート法、ラミネート法等により被覆した後、所定のパターンのマスクをアライメントし、光を照射する。これにより、接合部125上を除いて絶縁層14を形成することができる。
【0037】
以上の工程は、半導体チップのダイシング前の状態であるウェハの状態で行うことにより、より高い生産性が得られる。
また、本実施形態では、接合部125に接して絶縁層14が形成されているが、必ずしもその必要はなく、接合部125と、絶縁層14との間に隙間が形成されていてもよい。
【0038】
以上のようにして、絶縁層14を設けた後、第一実施形態と同様に第一の工程の仮固定を実施する。
ここで、絶縁層14の厚みは、接合部125の高さよりも低く、さらに、接合部125と接合部111の高さの合計よりも低い。そのため、第一の工程において、図5(B)に示すように、接合部125と接合部111とを当接した際に、第一半導体チップ11の第二半導体チップ12との対向面(ここでは、絶縁膜113)と、絶縁層14との間に隙間Sが形成される。
同様の方法で、第三半導体チップ13の接合部125の周囲にも絶縁層14を設け、第三半導体チップ13と、第二半導体チップ12との仮固定を行う。
【0039】
次に、図6に示すように、第一実施形態と同様の方法で第二の工程を実施する。この際、絶縁層14と第一半導体チップ11の絶縁膜113、絶縁層14と第二半導体チップ12の絶縁膜123とが接触するように第一半導体チップ11、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を含む積層体を挟圧する。
第二の工程における加熱により、絶縁層14が熱可塑性樹脂を含むような場合には、絶縁層14が溶融した状態で、絶縁層14が第一半導体チップ11の絶縁膜113あるいは、第二半導体チップ12の絶縁膜123に接触することとなる。そして、絶縁層14が
第一半導体チップ11の絶縁膜113あるいは、第二半導体チップ12の絶縁膜123に接触した状態で、冷却され、絶縁層14が硬化することとなる。
【0040】
また、絶縁層14が熱硬化性樹脂を含むような場合には、絶縁層14が第一半導体チップ11の絶縁膜113あるいは、第二半導体チップ12の絶縁膜123に接触した状態で、絶縁層14が本硬化することとなる。
以上により、接合部125と接合部111との本固定と、接合部125と接合部121との本固定と、接合部125,111,121周囲の絶縁層14による封止とが同時に行われることとなる。
なお、本実施形態では、第二の工程は真空中で行われる。
以上により、電子装置が完成する。
【0041】
このような本実施形態によれば第一実施形態と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
本実施形態によれば、第二の工程において、接合部125と接合部111との本固定と、接合部125と接合部121との本固定と、接合部125,111,121周囲の絶縁層14による封止とが同時に行われることとなる。そのため、接合部の本固定と、絶縁層による封止とを別工程により行う場合に比べ、電子装置の生産性を向上させることができる。
【0042】
また、大気中で実施される第一の工程で、絶縁層14と、この絶縁層14に対向する半導体チップ11,12との間に隙間Sを形成しておき、真空中で実施される第二の工程で、前記隙間Sを塞ぐように、絶縁層14と対向する半導体チップ11,12とを接触させている。
このようにすることで、隙間S中の空気を排出することができ、絶縁層14が半導体チップ11,12に当接する際に空気が入ってしまうことを防止できる。これにより絶縁層14中にボイドが形成されてしまうことを防止できる。
【0043】
なお、本実施形態では、絶縁層14を熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を含むものであるとしたが、これに限らず、たとえば、シリコン酸化膜、窒化膜等の無機絶縁膜であってもよい。この場合には、絶縁層14に親水化処理等の表面処理を施すことで、第二の工程において、絶縁層が第一半導体チップ表面の絶縁膜に接着しやすくなる。
【0044】
(第四実施形態)
図7〜10を参照して本発明の第四実施形態について説明する。
本実施形態では、半導体パッケージの製造方法について説明する。
はじめに、図7(A)に示すように、支持体41を用意する。支持体41としては、耐熱性が高く熱膨張係数が半導体チップに近いものが好ましく、たとえば、Siウェハ、ガラス、セラミックス等の材料から構成される基板があげられる。
次に、図7(B)に示すように支持体41上に配線体(第一電子部品)42を形成する。配線体42としては、たとえば、絶縁層と配線層とが交互に積層されたビルドアップ層である。
この配線体42は厚みが薄いものとなっている。配線層は、たとえば、Cu,Au,Ni等の金属で構成され、絶縁層は耐熱性の高い樹脂、たとえば、ポリイミド樹脂、BCB等で構成されることが好ましい。また、絶縁層としてエポキシ樹脂を使用してもよい。
配線体42の形成方法としては、特に限定されず、セミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法等が使用できる。
配線体42表面には、金属製の接合部421が設けられている。
【0045】
次に、図7(C)に示すように、支持体41および配線体42を加熱ステージT上に設置する。そして、配線体42上に第二半導体チップ12および第三半導体チップ13を前記第一実施形態の第一の工程と同様の方法で仮固定する。
本実施形態では、第二半導体チップ12は複数積層され、第二半導体チップ12の最上部に第三半導体チップ13が配置される。
また、本実施形態では、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体を複数、たとえば2つ、配線体42の表面上において隣接するように配置する。
【0046】
次に、図示しない接合チャンバー内に、支持体41と、配線体42と、この配線体42表面上に設けられた第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる複数の積層体とを配置する。
そして、図8に示すように、第一実施形態の第二の工程と同様の方法で、配線体42と、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる2つの積層体とをプレスヒータPにより、挟圧する。これにより、本固定が行われることとなる。
このとき、プレスヒータPにより、支持体41と、配線体42と、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる複数の積層体とが挟圧され、配線体42、複数の第二半導体チップ12、第三半導体チップ13の位置関係が同時に固定されることとなる。
【0047】
次に、図9に示すように、接合部の周囲にアンダーフィルUを充填する。具体的には配線体42と第二半導体チップ12との間の隙間、第二半導体チップ12間の隙間、第二半導体チップ12と第三半導体チップ13との間の隙間にアンダーフィルUを充填する。
その後、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体を樹脂R2で封止する。
次に、支持体41を除去し、配線体42の裏面を露出させる。図10に示すように、この配線体42の裏面に半導体チップ43や、半田ボールB等を設け、さらに、ダイシングすることで、半導体パッケージ40を得ることができる。
【0048】
このような本実施形態によれば第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体を複数、配線体42上に積層した後、配線体42と、第二半導体チップ12および第三半導体チップ13からなる積層体とを挟圧しているので、半導体パッケージ40の生産性を向上させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、熱膨張係数が半導体チップに近い支持体41上に配線体42を設けた状態で、第一の工程、第二の工程を実施している。
このように、熱膨張係数が半導体チップに近い支持体41上に配線体42を設けた状態で加熱を行うことで、半導体チップと支持体41との熱膨張係数の違いによる配線体42での反りの発生を抑制することができる。
また、支持体41の熱膨張係数と、半導体チップとの熱膨張係数差を小さくすることで、接合不具合等を確実に抑制できる。
【0050】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記各実施形態では、第一の工程で電子部品を3つ以上積層し、仮固定し、電子部品が3つ以上積層した電子装置を製造したが、これに限らず、電子部品2つのみが積層された電子装置を製造してもよい。
たとえば、図11に示すように、一対の半導体ウェハ51を接合し、電子装置を製造してもよい。
この半導体ウェハ51は、複数の半導体チップが一体的に形成された状態のものであり、半導体基板511と、半導体基板511上に設けられた接合部512とを有する。この接合部512は、前記各実施形態の接合部111,121,125のいずれかと同様のものであることが好ましい。
図11(A)に示すように、前記各実施形態と同様の方法で第一の工程を実施し、一対の半導体ウェハを仮固定する。
その後、図11(B)に示すように、第一実施形態と同様の方法で、プレスヒータPにより一対の半導体ウェハ51を固定し、加熱保持して第二の工程を実施する。
【0051】
また、前記各実施形態では、基部125Aとこの基部125Aを被覆する半田層である被覆部125Bとを有する接合部125と、接合部111,121等を接合していたが、これに限られるものではない。たとえば、接合部125を2層構成とせず、接合部111,121と同様の単層構成としてもよい。接合部125を接合部111,121と同様、金等を含むものとしてもよい。
さらに、前記各実施形態では、第一の工程にて、接合部同士を金属接合する際に、加熱を行ったが、加熱しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図2】電子装置の製造工程を示す図である。
【図3】電子装置の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第二実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図5】本発明の第三実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の第三実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第四実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図8】本発明の第四実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図9】本発明の第四実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図10】本発明の第四実施形態にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【図11】本発明の変形例にかかる電子装置の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
S 隙間
10A 固相拡散層
10B 合金層
11 第一半導体チップ
12 第二半導体チップ
13 第三半導体チップ
14 絶縁層
40 半導体パッケージ
41 支持体
42 配線体
43 半導体チップ
51 半導体ウェハ
111 接合部
112 半導体基板
113 絶縁膜
114 貫通ビア
121 接合部
122 半導体基板
123 絶縁膜
124 貫通ビア
125 接合部
125A 基部
125B 被覆部
126 配線層
132 半導体基板
421 接合部
511 半導体基板
512 接合部
B 半田ボール
H 搭載ヘッド
P プレスヒータ
R 樹脂
R2 樹脂
T 加熱ステージ
U アンダーフィル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一電子部品と第二電子部品とを有し、前記第一電子部品の金属製の接合部と、前記第二電子部品の金属製の接合部とが接合された電子装置の製造方法であって、
前記第一電子部品の前記接合部および前記第二電子部品の前記接合部を当接させ、前記第一電子部品および第二電子部品を加圧し、前記第一電子部品の前記接合部と前記第二電子部品の前記接合部とを金属接合した後、前記第一電子部品および第二電子部品への加圧を解除する第一の工程と、
接合した前記第一電子部品および前記第二電子部品を固定部材により固定し、前記第一電子部品および前記第二電子部品を所定の温度で加熱保持する第二の工程とを備える電子装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
前記第二の工程では、前記第一の工程で接合した前記第一電子部品および前記第二電子部品を含む複数の前記電子部品を、前記固定部材により挟圧することで、複数の前記電子部品を固定する電子装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の電子装置の製造方法において、
前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品のいずれか一方の電子部品の他方の電子部品との対向面上には、前記接合部が露出するように絶縁層が設けられ、
前記第一の工程において、前記接合部同士を金属接合する際に、前記絶縁層と、前記他方の電子部品の前記一方の電子部品との対向面との間には隙間が形成され、
前記第二の工程において、前記第一電子部品および前記第二電子部品を挟圧する際に、前記絶縁層は前記他方の電子部品の前記対向面に当接し、接合した前記接合部の周囲を封止する電子装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の電子装置の製造方法において、
前記絶縁層の厚みは、前記第一電子部品の前記接合部および前記第二電子部品の前記接合部の厚みの合計値よりも小さい電子装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
前記第二の工程では、前記第一の工程で接合した前記第一電子部品および前記第二電子部品の対向面間に、これらの対向面に固着する前記固定部材としての樹脂を配置し、前記第一電子部品および前記第二電子部品を固定する電子装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第一電子部品は配線体であり、
前記第二電子部品は半導体チップである電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
支持体上に前記配線体を配置し、
前記第一の工程および前記第二の工程を実施した後、前記支持体を前記配線体から除去する電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品には、第三電子部品の接合部と接合する他の接合部が形成されており、
前記第一の工程では、
前記第三電子部品の接合部と、この第三電子部品に接合される前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品の前記他の接合部とを当接させ、
前記第三電子部品および、この第三電子部品に接合される前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品を加圧し、
前記第三電子部品の前記接合部と、前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品の前記他の接合部とを金属接合した後、前記第三電子部品およびこの第三の電子部品に接合される前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品への加圧を解除し、
前記第二の工程では、前記固定部材により、前記第一電子部品、前記第二電子部品および前記第三電子部品を固定して、前記第一電子部品、前記第二電子部品および前記第三電子部品を所定の温度で加熱保持する電子装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第一の工程は大気中で行われ、
前記第二の工程は、真空中で行われる電子装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第一の工程は大気中で行われ、
前記第二の工程は、非酸化性ガスの雰囲気下で行われる電子装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品は、半導体基板と、この半導体基板上に設けられた接合部とを有し、
前記接合部は、前記半導体基板上に突設された基部と、この基部の表面を被覆し、前記基部よりも融点の低い被覆部とを備え、
前記第一の工程では、前記被覆部の融点未満で前記第一電子部品および第二電子部品が加熱保持され、
前記第二の工程では、前記被覆部の融点以上の温度で、前記第一電子部品および第二電子部品が加熱保持される電子装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の電子装置の製造方法において、
前記第一の工程では、前記第一電子部品あるいは前記第二電子部品のいずれか一方の電子部品の前記被覆部と、この被覆部に接合されるいずれか他方の電子部品の前記接合部とが固相拡散により接合される電子装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の電子装置の製造方法において、
前記第二の工程では、前記基部を構成する金属原子が、前記被覆部中に拡散する電子装置の製造方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記被覆部は、SnあるいはInを含み、
前記基部は、Cu,Ni,Au、Pdのいずれかを含む電子装置の製造方法。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
前記基部は、先端面が円弧を描くように湾曲している電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−130313(P2009−130313A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306864(P2007−306864)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】