説明

電子装置及び画像形成装置

【課題】着脱自在に交換部材が実装される電子装置では、交換部材の適否を確認する際に、適否を確認するための装着動作が必要になり、適した交換部材を装着するために、余計な交換作業を伴うことが多かった。
【解決手段】
種別情報を記憶するメモリタグ12を有し、画像形成ユニット10本体に着脱自在に備えられる現像剤収納部11と、画像形成装置1内に装着された現像剤収容部11のメモリタグ12と通信する第1情報抽出部18と、装着されていない現像剤収納部11のメモリタグ12と通信する第2情報抽出部19と、第1情報抽出部18で得た種別情報と第2情報抽出部19で得た種別情報とに基づいて、交換部材として用意した現像剤収容部11が交換に適しているか否かを判定する種別判定手段(21,23,24)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱自在に交換部材が実装される電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば画像形成装置のような電子装置において、交換部材であるトナーカートリッジを交換する場合、トナーカートリッジの装着時に、その装着動作の過程で、トナーカートリッジの適否を判断するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−140266号公報(段落0027〜45、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、交換部材の装着動作の過程でその適否を判断しているため、適さない交換部材であっても、それを判定するために少なくとも装着工程の途中までは動作を実施する必要があり、適した交換部材を装着するためには、余計な交換作業を伴うことが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子装置は、
電子装置に着脱自在に備えられる交換部材と、前記交換部材に備えられて該交換部材の種別情報を記憶する記憶部材と、前記電子装置内に備えられて前記交換部材を着脱自在に装着する支持部材と、前記支持部材に装着された前記交換部材の前記記憶部材から前記種別情報を取得する第1の情報抽出部と、前記支持部材に装着されていない前記交換部材の前記記憶部材から前記種別情報を取得する第2の情報抽出部と、前記第1の情報抽出部で得た前記種別情報と前記第2の情報抽出部で得た前記種別情報とに基づいて、前記第2の情報抽出部で前記種別情報が取得される前記支持部材に装着されていない前記交換部材が、前記第1の情報抽出部で前記種別情報が取得される前記支持部材に装着された前記交換部材と同じ種別のものか否かを判定する種別判定手段と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明による画像形成装置は、上記電子装置を備えて、種別情報を画質の違いを示す用途情報、或いは色情報としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
交換部材を装着する前に、その交換部材の適否を判明することが可能になる。これにより装着の適否を確認するための装着動作が不要になり、交換時の余計な装着作業を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の画像形成装置としての実施の形態1のモノクロプリンタの要部構成を説明するための概略構成図である。
【図2】実施の形態1において、第1情報抽出部及び第2情報抽出部の要部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1において、モノクロプリンタの制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】現像剤収納部が画像形成ユニット本体に対して着脱可能であることを説明するためのイメージ図である。
【図5】図1に示すように高画質用途の画像形成ユニットが使用されている実施の形態1のモノクロプリンタにおいて、現像剤収納部を交換する際の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の画像形成装置としての実施の形態2のカラープリンタの要部構成を説明するための概略構成図である。
【図7】実施の形態2において、第1情報抽出部の要部構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2において、第2情報抽出部の要部構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2において、カラープリンタの制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図10】図6に示すように(K)、(Y)、(M)、(C)の各色用に4つの画像形成ユニットが使用されているカラープリンタにおいて、現像剤収納部を交換する際の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の画像形成装置としての実施の形態1のモノクロプリンタ1の要部構成を説明するための概略構成図である。
【0010】
図1に示すように、モノクロプリンタ1は、本体部1aとトップカバー部1bとから構成される。本体部1a内には、記録媒体2の搬送経路の上流側から順に、記録媒体格納部3、給紙ローラ4、走行系センサ5、第1レジストローラ6、走行系センサ7、第2レジストローラ8、走行系センサ9、画像形成部を構成する画像形成ユニット10と転写ローラ14、定着部15、走行系センサ16、及び排出スタッカ部17が配置されている。
【0011】
尚、同図中の画像形成ユニット10(a)、現像剤収納部11(a)、メモリタグ12(a)、及び感光体ドラム13(a)における末尾符号(a)の意味については後で説明する。
【0012】
モノクロプリンタ1により印刷される記録媒体2は、記録媒体格納部3によって複数枚積層された状態で格納される。給紙ローラ4は、記録媒体格納部3から記録媒体2を1枚ずつ給紙し、第1レジストローラ6及び第2レジストローラ8は、記録媒体格納部3から給紙ローラ4により給紙された記録媒体2を画像形成部まで搬送する。
【0013】
記録媒体2の搬送経路において、各々第1レジストローラ6及び第2レジストローラ8の直前に設置された走行系センサ5及び走行系センサ7は、記録媒体2が到達したことを検出して各レジストローラの動作タイミングを得、第2レジストローラ8の後段に配置された走行系センサ9は、到達した記録媒体2を検出することにより、この記録媒体2が画像形成部に至るタイミングを検知可能とする。
【0014】
転写ローラ14と共に画像形成部を構成する画像形成ユニット10は、交換部材としての現像剤収納部11及び感光体ドラム13を備える。現像剤収納部11は、トナーなどの現像剤を収納し、記憶部材としてのメモリタグ12を備えている。メモリタグ12は、非接触型のICチップ搭載のプリント基板で、内部に読み書き可能なEEPROM等の不揮発性メモリを有しており、用途、仕向け先等の種別情報を保持している。感光体ドラム13は、トナーなどの現像剤により現像化される静電潜像が形成され、記録媒体2へ転写するトナー像を保持する。
【0015】
画像形成ユニット10は、用途別に複数種類のものが用意される。ここでは、風景画像等をより綺麗に印刷するための高画質用と、文字等の簡単な画像を印刷するためのキャラクタ用との2種類が用意された場合について説明する。高画質用とキャラクタ用とでは、例えば感光体ドラム13及び使用されるトナーの仕様が異なり、従ってトナーを収納する現像剤収納部11も一応識別できるようになっている。従って、ここからは高画質用を、画像形成ユニット10(a)、現像剤収納部11(a)、メモリタグ12(a)、及び感光体ドラム13(a)とし、キャラクタ用を、画像形成ユニット10(b)、現像剤収納部11(b)、メモリタグ12(b)、及び感光体ドラム13(b)とし、末尾符号(a)、(b)により区別して記述する。但し、説明するうえで区別する必要がない場合には、(a)、(b)の末尾符号は付けない。
【0016】
従って、図1に示すここでのモノクロプリンタ1では、高画質用の、画像形成ユニット10(a)、現像剤収納部11(a)、メモリタグ12(a)、及び感光体ドラム13(a)が使用されている場合を示している。
【0017】
転写ローラ14は、感光体ドラム13(a)と対峙して配設され、画像形成ユニット10(a)の感光体ドラム13(a)の外周面に形成されたトナー像を記録媒体2の画像形成面に転写する。定着部10は、記録媒体2上に形成されたトナー像を熱と圧力により定着させる。記録媒体2の搬送経路において、この定着部10の後段に配置される走行系センサ16は、トナー画像が定着した記録媒体2を検知することにより、この記録媒体2が、最終的に排出スタッカ部17に排出されたことを検知可能とする。
【0018】
図2は、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19の要部構成を示すブロック図である。尚、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19は構成的に同に内容であるため、図2にまとめて示す。
【0019】
同図に示すように、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19は、リーダライタ制御基板101、アンテナ基板102、及びケーブル103で構成され、ケーブル103によりリーダライタ制御基板101とアンテナ基板102が接続されている。図1に示すように、第1情報抽出部18はモノクロプリンタ1のトップカバー部1bに実装されて本体部1a内に装着された現像剤収納部11のメモリタグ12と交信し、第2情報抽出部19はモノクロプリンタ1の本体部1aとは別体で本体部1a外の所定位置に配置され、支持部材としての画像形成ユニット10本体には装着されずに単独で存在する現像剤収納部11のメモリタグ12と交信する。
【0020】
表示部20は、液晶表示パネル及びスイッチ等により構成され、モノクロプリンタ1の状態表示や、ユーザによる情報入力操作を可能としている。
【0021】
図3は、本実施の形態のモノクロプリンタ1における制御系の要部構成を示すブロック図である。
【0022】
CPU21は、モノクロプリンタ1の各動作を制御する中心部であり、装置全体を制御するためのプログラムに従って各種処理を実行する。CPU21には、表示部20、記憶部22、比較部23、判定部24、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19が接続されている。
【0023】
記憶部22は、ROM22a及びRAM22bで構成されている。ROM22aには、装置全体を制御する為のプログラム及び必要なデータ(例えば、種別情報)が保存され、RAM22bに対しては、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19などにより読取られた現像剤収納部11の種別情報の、書き込み及び読み出しが可能となっている。比較部23は、現像剤収納部11内のメモリタグ12から読み出された種別情報と予め記憶部22のROM22aに保持されている種別情報を比較し、判定部24は、比較部23による比較結果に基づいて、現像剤収納部11の正誤を判定する。尚、CPU21、比較部23、及び判定部24が種別判定手段に相当する。
【0024】
以上の構成において、本実施の形態のモノクロプリンタ1が行う印刷動作について、以下に説明する。
【0025】
モノクロプリンタ1は、図示しない上位コントローラからの印刷指示を受けると、制御プログラムに基づいてCPU21により各動作が制御され、印刷動作を実行する。先ず、給紙ローラ4、第1レジストローラ6、第2レジストローラ8のメカ駆動系により、記録媒体2が記録媒体格納部3よりモノクロプリンタ1内部へと搬送される。第1レジストローラ6及び第2レジストローラ8の駆動タイミングは、それぞれ走行系センサ5及び走行系センサ7により記録媒体2の位置を検出することで決められる。
【0026】
走行系センサ9で記録媒体2が検知されると、感光体ドラム13の表面は、図示しない帯電手段によって均一に帯電され、更に上位コントローラからの印刷データ信号に応じた記録光が、図示しないLEDヘッドより露光される。露光された感光体ドラム13の表面上には静電潜像が形成され、電気的な吸引力により、現像剤収納部11からトナー等の現像剤が供給されて静電潜像が現像され、感光体ドラム13の表面上にトナー像が形成される。このトナー像は、転写ローラ14により、搬送されてくる記録媒体2の表面に転写され、トナー像が形成された記録媒体2は、定着部15まで搬送され、熱と圧力により定着される。トナー像が定着した記録紙2は、排出センサ16を通過し、排出スタッカ17に排出される。
【0027】
ここで、モノクロプリンタ1に実装される画像形成ユニット10について更に説明する。尚、図4は、現像剤収納部11が画像形成ユニット10本体に対して着脱可能であることを説明するためのイメージ図である。
【0028】
モノクロプリンタ1は、着脱可能な現像剤収納部11と、感光体ドラム13を含む画像形成ユニット10を装置内部に有している。画像形成ユニット10は、モノクロプリンタ1のトップカバー部1b(図1)を開閉することにより、モノクロプリンタ1からの着脱が可能である。更に、図4に示すように、現像剤収納部11自身もストッパー等により画像形成ユニット10本体に対して着脱可能なメカ構造となっている。尚、図4(a)は、現像剤収納部11が画像形成ユニット10本体に装着された状態を示すイメージ図であり、図4(b)は、現像剤収納部11が画像形成ユニット10本体から取り外された状態を示すイメージ図である。
【0029】
前記したように、画像形成ユニット10は、ここでは、風景画像等をより綺麗に印刷するための高画質用の画像形成ユニット10(a)と、文字等の簡単な画像を印刷するためのキャラクタ用の画像形成ユニット10(b)とが用意されている。当然のことがなら、用途別に適した組み合わせ、即ち感光体ドラム13(a)には現像剤収納部11(a)が、感光体ドラム13(b)には現像剤収納部11(b)が対応して使用されないと、画像品質劣化などの問題が生じるものである。
【0030】
更に、この現像剤収納部11と感光体ドラム13を含む画像形成ユニット10は、印刷可能な枚数が決まっていて、一般的に消耗品と称されている。とりわけ、現像剤収納部11の方が、印刷可能枚数が少ないので、前記した印刷動作を繰り返すことによって印刷可能な枚数を超えると消耗品寿命となり、新規の現像剤収納部11が必要となる。このため、CPU21は、印刷枚数を計測する印刷枚数計測機能を備え、現像剤収納部11毎に備えられたメモリタグ12に対して、その現像剤収納部11を装着しての累積印刷枚数を逐次更新して記録するように構成されている。このように、ユーザによる現像剤収納部11の交換が度々発生するため、現像剤収納部11の用途別の管理及び交換する際の事前確認が重要となる。
【0031】
本実施の形態におけるこれらの管理及び事前確認方法について更に説明する。
【0032】
現像剤収納部11にはメモリタグ12が組み込まれており、このメモリタグ12は現像剤収納部11の種別情報として、用途情報を予め保持している。現像剤収納部11(a)には高画質用途情報として用途情報Aをもつメモリタグ12(a)が、また現像剤収納部11(b)にはキャラクタ用途情報として用途情報Bをもつメモリタグ12(b)がそれぞれ取り付けられている。メモリタグ12は、非接触型のICチップ搭載のプリント基板であり、第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19により種別情報が読み出し可能に構成されている。
【0033】
第1情報抽出部18及び第2情報抽出部19は、図2に示すように、無線通信機能を備えた回路を実装したリーダライタ制御基板101、ケーブル103、及び磁界を発生させるアンテナ基板102により構成される。リーダライタ制御基板101は、アンテナ基板102に磁界を発生させる電力を供給し、メモリタグ12との間でデータ送受信を行うことでメモリタグ12から用途情報を読出す。この読み出された用途情報が、図3に示す記憶部22のROM22aに予め保持されている用途情報と比較判定される。
【0034】
以後、第1情報抽出部18によって、本体部1a内に装着された現像剤収納部11から読み出された用途情報を第1用途情報と称し、第2情報抽出部19によって新たに用意された現像剤収納部11から読み出された用途情報を第2用途情報と称し、必要に応じて区別することがある。
【0035】
トップカバー部1bに実装される第1情報抽出部18は、モノクロプリンタ1のトップカバー部1bが閉じられた状態で、本体部1a内に装着されている現像剤収納部11のメモリタグ12から第1用途情報を読み出す。ここで読み出した第1用途情報を、予めROM22aで保持している用途情報と比較判定することにより、現時点で使用されている画像形成ユニット10が、高画質用途の画像形成ユニット10(a)か、或いは文字印刷用(キャラクタ用途)の画像形成ユニット10(b)かが認識可能となり、この認識動作は、装置電源が起動されるとき、或いは定期的に実施される。
【0036】
一方、第2情報抽出部19は、本体部1a外の所定位置に実装されるため、画像形成ユニット10本体に装着されていない現像剤収納部11から、第2用途情報を読み出すことが可能となる。
【0037】
また、CPU21は、前記したようにこの第1情報抽出部18を介して、使用中の現像剤収納部11の累積印刷枚数を管理し、現像剤収納部11による累積印刷枚数が所定の枚数に達して、交換時期に至ったか否かを判定し、後述するようにこの判定結果に基づく動作を指令する。
【0038】
図5は、図1に示すように高画質用途の画像形成ユニット10(a)が使用されているモノクロプリンタ1において、現像剤収納部11を交換する際の動作の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、実施の形態1のモノクロプリンタ1の動作例を以下に説明する。
【0039】
図1に示すように、高画質用途の画像形成ユニット10(a)を実装しているモノクロプリンタ1において、現在装着されている現像剤収納部11(a)を使用しての累積印刷枚数は、CPU21(図3)の印刷枚数計測機能によってカウントされ、メモリタグ12(a)に記録されるが、この累積印刷枚数と所定の枚数を比較することにより、現在装着されている現像剤収納部11(a)が交換時期か否かを判断する(ステップS101)。まだ交換時期でないと判断した場合(ステップS101、No)、モノクロプリンタ1はスタンバイ状態、或いは正常印刷動作を実施する(ステップS109)。
【0040】
一方、現在装着されている現像剤収納部11(a)が交換時期であると判断した場合(ステップS101、Yes)、CPU21により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“現像剤を交換してください”等の案内文を表示する(ステップS102)。
【0041】
ここでユーザは、交換用の現像剤収納部11(図1)を新たに用意し、新たに用意した現像剤収納部11のメモリタグ12が、第2情報抽出部19と交信可能となるように準備する。一方、CPU21によって第2情報抽出部19が制御され、ユーザが準備した現像剤収納部11のメモリタグ12との交信が開始される。第2情報抽出部19は、メモリタグ12より用途情報を読み出し、読み出された第2用途情報は、CPU21によりRAM22bに記憶される。CPU21は、この一連の処理を完結することにより、事前チェックが正常に行われたことを認識する(ステップS103)。
【0042】
事前チェックが認識されない場合(ステップS103、No)、即ち、第2情報抽出部19によって、交換用の現像剤収納部11(図1)の第2用途情報の読み出しができない場合、CPU21は表示部20を制御し、表示部20の液晶表示パネル等に“照合して下さい”等の案内文を表示し(ステップS105)、再度、ステップS103へ移行して、上記した事前チェック動作を繰り返す。
【0043】
一方、事前チェックが正常に行われた場合(ステップS103、Yes)、CUP21は、記憶部22のRAM22bに記憶された、新たに用意した現像剤収納部11(図1)の用途情報と、予めROM22aに保持されている用途情報Aを読み出す(ステップS104)。尚、ここでは、高画質用途の画像形成ユニット10(a)を使用することを前提としているため、ROM22aには、予め用途情報Aが保持されているものとする。
【0044】
RAM22bから読み出された、新たに用意した現像剤収納部11(図1)の第2用途情報と、ROM22aから読み出された高画質用途の用途情報Aとが比較部23へ送られ、ここでの比較結果が判定部24で処理され、新たに用意した現像剤収納部11(図1)の第2用途情報が高画質用途のものか否かが判定される(ステップS106)。
【0045】
従って、ここでは第2情報抽出部19で読み出された第2用途情報が用途情報Aであれば一致し(ステップS106、Yes)、CPU21により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“照合OKです。交換してください。”等の案内文を表示する(ステップS107)。これによってユーザが、モノクロプリンタ1のトップカバー部1bを開閉して現像剤収納部11(a)を交換する。現像剤収納部11(a)の交換の確認後、モノクロプリンタ1はスタンバイ状態、或いは正常印刷動作を実施する(ステップS107)。
【0046】
一方、ステップS106において、第2情報抽出部19(図1)で読み出された第2用途情報が用途情報Bであれば不一致となり(ステップS106、No)、CPU21により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“照合NGです。正しい現像剤を収納した現像剤収容部を準備ください”等の案内文を表示し(ステップS108)、ステップS103に戻り、再度チェック処理(ステップS103)〜照合処理(ステップS106)を繰り返す。
【0047】
以上のように、このフローでは、モノクロプリンタ1による印刷時に、現在使用されている現像剤収納部が交換時期に至ると、印刷を中止して現像剤収納部の交換をユーザに促す。その際に、ユーザが新たに用意した交換用の現像剤収納部が、予め定めた用途(ここでは高画質用途)の現像剤収納部であるか否かを、装着する前にチェックし、そうであればユーザに交換を促し、異なる用途のものであれば、ユーザに同じ用途のものを用意するように促す。
【0048】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0049】
上記した実施例では、新たに用意した現像剤収納部11(図1)から読み出した第2用途情報と記憶部22のROM22aに予め格納された用途情報(上記した例では用途情報A)とを比較部23で比較することにより、新たに用意した現像剤収納部11が交換に適したものであるか否かを判定していたが、本変形例では、現在装着されている現像剤収納部11(a)の第1用途情報と新たに用意した現像剤収納部11(図1)から読み出した第2用途情報とを直接比較するようにしたものである。本変形例におけるその他の動作、及び構成は、前記した実施の形態1のモノクロプリンタ1と同じであるため、ここでは異なる点を重点的に説明する。
【0050】
本変形例では、装置電源が起動されるとき、或いは定期的に実施される認識動作において、本体部1a内に装着されている現像剤収納部11のメモリタグ12から読み出した第1用途情報(上記した例では第1用途情報A)を記憶部22のRAM22bに一旦記憶し、前記した図5に示すフローチャートのステップS104において、記憶部22のRAM22bに記憶された、新たに用意した現像剤収納部11(図1)の第1用途情報と、先に記憶部22のRAM22bに記憶された本体部1a内に装着されている現像剤収納部11の第1用途情報(上記した例では第1用途情報A)とが読み出され、ステップS106において、これらの用途情報が比較部23で比較され、新たに用意した現像剤収納部11(図1)が、本体部1a内に装着されている現像剤収納部と同じ用途のものであるかを判定する。本変形例では、上記したステップS104、ステップS106以外の処理は、図5のフローチャートの内容と同じに処理されるものである。
【0051】
従って、本変形例では、モノクロプリンタ1による印刷時に、現在使用されている現像剤収納部が交換時期に至ると、印刷を中止して現像剤収納部の交換をユーザに促す。その際に、ユーザが新たに用意した交換用の現像剤収納部11が、現在本体部1a内に装着されている現像剤収納部11と同じ用途のものであるか否かを、装着する前にチェックし、そうであればユーザに交換を促し、異なる用途のものであれば、ユーザに同じ用途のものを用意するように促す。
【0052】
尚、本実施の形態では、第2情報抽出部19がモノクロプリンタ1の本体部1aとは別体で本体部1a外の所定位置に配置されるものとしたが、これに限定されるものではなく、本体部1aと一体であっても、事前確認を実施し易い位置であれば、どこに設置しても良い。
【0053】
また、本実施の形態では、現像剤収納部11毎に備えられたメモリタグ12に対して、その現像剤収納部11を装着しての累積印刷枚数を逐次更新して記録することで累積印刷枚数を管理していが、これに限定されるものではなく、現像剤収納部11を装着後、交換期限まで交換しないものであれば、単に装着後の印刷枚数を管理するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、第2情報抽出部19の構成を、無線通信を行うリーダライタとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、現像剤収納部11の外壁部に用途情報を記録したバーコードを貼付し、そのバーコード情報を読取る構成としても良い。更に、現像剤収納部11の製品番号やコードなどの文字情報を、例えば表示部20での情報入力操作で入力し、入力された情報を元に判断する形態でも良い。
【0055】
また、本実施の形態の変形例では、現在装着されている交換部品(現像剤収納部11(a))と、これから交換されようとする交換部品(現像剤収納部11)との用途情報を比較して交換可否を判断しているが、これに限定されるものではなく、例えば工場などから出荷され、初めて交換部品を装着する場合は、出荷時にプリンタに格納される情報と比較するもの、或いは情報が格納されていない場合、比較せずに装着不適合の報知を行わないようにしても良いなど、種々の態様を取り得るものである。
【0056】
以上のように、本実施の形態の装置によれば、現像剤収容部11を交換する際に、新たに用意した交換用の現像剤収容部11を、画像形成ユニット10に装着されない、単独で存在する状態で、交換に適したものか否かを判定できるため、チェックを伴う交換作業を、煩雑で面倒な作業を伴うことなく実行できる。
【0057】
また、本実施の形態の変形例によれば、現在装着されている交換部品(例えば現像剤収納部11(a))の用途情報との比較により、交換部品(例えば現像剤収納部11)の適否を判断しているため、複数の交換部品が装着可能な装置においては、装着されている部品の種類にかかわらず、既に装着されている部品と用途の同じ交換部品のみを交換に適したものとして判断することが可能となる。
【0058】
実施の形態2.
図6は、本発明の画像形成装置としての実施の形態2のカラープリンタ201の要部構成を説明するための概略構成図である。
【0059】
このカラープリンタ201が前記した図1に示す実施の形態1のモノクロプリンタ1と主に異なる点は、ブラック(K)用の画像形成ユニット210K、イエロー(Y)用の画像形成ユニット210Y、マゼンタ用(M)用の画像形成ユニット210M、及びシアン(C)用の画像形成ユニット210Cの4つの画像形成ユニットを、用紙搬送経路の上流側から順に配置した点、これに伴って対応する4つの転写ローラ214K,214Y,214M,214C、及び搬送ベルトユニット250が配設された点、報知器215K,215Y,215M,215Cが追加された点、画質を単一画質とした点である。従って、このカラープリンタ201が、前記した実施の形態1のモノクロプリンタ1と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0060】
図6に示すように、カラープリンタ201は、本体部201aとトップカバー部201bとから構成される。本体部201a内には、記録媒体格納部3、給紙ローラ4、走行系センサ5、第1レジストローラ6、走行系センサ7、第2レジストローラ8、走行系センサ9、画像形成部を構成する4つの画像形成ユニット210K,210Y,210M,210C(特に区別する必要のない場合には画像形成ユニット210とする)と転写ローラ214K,214Y,214M,214C(特に区別する必要のない場合には転写ローラ210とする)、定着部15、走行系センサ16、及び排出スタッカ部17が、記録媒体2の搬送経路の上流側から順に配置されている。更に、4つの転写ローラと転写ローラが各々対向して配置された搬送経路には、この間において記録媒体2を搬送する搬送ベルト251を有する搬送ベルトユニット250が備えられている。
【0061】
転写ローラ214K,214Y,214M,214Cと共に画像形成部を構成する画像形成ユニット210K,210Y,210M,210Cは、それぞれ現像剤収納部211K,211Y,211M,211C(特に区別する必要のない場合には現像剤収納部211とする)及び感光体ドラム213K,213Y,213M,213C(特に区別する必要のない場合には感光体ドラム213とする)を備える。各現像剤収納部211K,211Y,211M,211Cは、それぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーなどの現像剤を収納し、メモリタグ212K,212Y,212M,212C(特に区別する必要のない場合にはメモリタグ212とする)を備えている。各メモリタグは、非接触型のICチップ搭載のプリント基板で、内部に読み書き可能なEEPROM等の不揮発性メモリを有しており、色、用途、仕向け先等の種別情報を保持している。各感光体ドラム213は、それぞれ、色毎に異なるトナーなどの現像剤により現像化される静電潜像が形成され、記録媒体2へ転写するトナー像を保持する。
【0062】
各転写ローラ214K,214Y,214M,214Cは、搬送ベルト251を介して、それぞれ感光体ドラム213K,213Y,213M,213Cと対峙して配設され、各感光体ドラム213K,213Y,213M,213Cの外周面に形成された各色のトナー像を、搬送ベルト251によって搬送される記録媒体2の画像形成面に順次重ねて転写する。
【0063】
図7は第1情報抽出部268の要部構成を示すブロック図であり、図8は第2情報抽出部269の要部構成を示すブロック図である。
【0064】
図7に示すように、第1情報抽出部268は、リーダライタ制御基板301、4つのケーブル303K,303Y,303M,303C(特に区別する必要のない場合にはケーブル303とする)、及び4つのアンテナ基板302K,302Y,302M,302C(特に区別する必要のない場合にはアンテナ基板302とする)で構成されており、各ケーブル303により、リーダライタ制御301と対応するアンテナ基板302とがそれぞれ接続されている。一方、図8に示すように、第2情報抽出部269は、リーダライタ制御基板351、ケーブル353、アンテナ基板352で構成されており、ケーブル353によりリーダライタ制御基板351とアンテナ基板352が接続されている。
【0065】
図6に示すように、第1情報抽出部268は、カラープリンタ201のトップカバー部201bに実装されて、本体部201a内に装着された4つ現像剤収納部211の各メモリタグ212と交信し(図7参照)、第2情報抽出部269は、カラープリンタ201の本体部201aとは別体で本体部201a外の所定位置に配置され、画像形成ユニット210には装着されずに単独で存在する現像剤収納部211のメモリタグ212と交信する(図8参照)。
【0066】
表示部20は、液晶表示パネル及びスイッチ等により構成され、カラープリンタ201の状態表示や、ユーザによる情報入力操作を可能とし、後述する報知部215(図9)に属する各報知器215K,215Y,215M,215C(図6)は、それぞれ画像形成ユニット210K,210Y,210M,210Cが配設される近傍に対応して設置されており、例えば発光ダイオードで構成される。
【0067】
図9は、本実施の形態のカラープリンタ201における制御系の要部構成を示すブロック図である。
【0068】
CPU421は、カラープリンタ201の各動作を制御する中心部であり、装置全体を制御するためのプログラムに従って各種処理を実行する。CPU421には、第1情報抽出部268、第2情報抽出部269、表示部20、記憶部422、比較部423、判定部424、及び報知部215が接続されている。
【0069】
記憶部422は、ROM422a及びRAM422bで構成されている。ROM422aには、装置全体を制御する為のプログラムが保存され、RAM422bに対しては、第1情報抽出部268及び第2情報抽出部269などにより読取られた現像剤収納部211の種別情報の、書き込み又読み出しが可能となっている。比較部423は、第1情報抽出部268によって、本体部201a内に装着された現像剤収納部211内のメモリタグ212から読み出された種別情報と、第2情報抽出部269によって、新たに用意された現像剤収納部211内のメモリタグ212から読み出された種別情報とを比較し、判定部424は、比較部423による比較結果に基づいて、現像剤収納部411の正誤を判定する。
【0070】
以上の構成において、本実施の形態のカラープリンタ201が行う印刷動作について、更に説明する。
【0071】
カラープリンタ201は、現像剤収納部211と感光体ドラム213から構成される4つの画像形成ユニット210を装置内部に有している。この画像形成ユニット210の並び順序は、例えば、装置上流側からブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順序とされる。このように4つの現像剤収納部211を配置しているため、現像剤収納部211の交換が2〜4つの範囲で同時に発生する場合もある。また画像形成ユニット210本体と現像剤収納部211とは、同色用のもので組み合わされて、各色の所定の場所に配置されなければならない。これ等が異なる色の組み合わせで使用されると、画質劣化等の問題が生じる。
【0072】
また、各画像形成ユニット210は、印刷可能な枚数が決まっていて、一般的に消耗品と称され、とりわけ、現像剤収納部211の方が、印刷可能枚数が少ないので、印刷動作を繰り返すことによって印刷可能な枚数を超えると消耗品寿命となり、新規の現像剤収納部211が必要となる。このため、CPU421は、印刷枚数を計測する印刷枚数計測機能を備え、各現像剤収納部211毎に備えられたメモリタグ212に対して、その現像剤収納部211を装着しての累積印刷枚数を逐次更新して記録するように構成されている。このように、ユーザによる現像剤収納部の交換が度々発生するため、現像剤収納部211の用途別の管理及び交換する際の事前確認が重要となる。
【0073】
本実施の形態におけるこれらの管理及び事前確認方法について更に説明する。
【0074】
各現像剤収納部211にはそれぞれメモリタグ212が組み込まれており、各メモリタグ212は対応する現像剤収納部211の種別情報として、色情報を予め保持している。ここで、ブラックの色情報を色情報(K)、イエローの色情報を色情報(Y)、マゼンタの色情報を色情報(M)、及びシアンの色情報を色情報(C)とする。メモリタグ212は、非接触型のICチップ搭載のプリント基板であり、第1情報抽出部268及び第2情報抽出部269により種別情報が読み出し可能に構成されている。
【0075】
第1情報抽出部268は、図7に示すように、無線通信機能を備えた回路を実装したリーダライタ制御基板301とケーブル303及び磁界を発生させるアンテナ基板302により構成される。リーダライタ制御基板301は、アンテナ基板302に磁界を発生させる電力を供給し、本体部201a内に装着された現像剤収納部211内のメモリタグ212との間でデータ送受信を行うことで各メモリタグから色情報を読出す。この読み出された色情報が、図9に示す記憶部422のRAM422b一旦保持され、その後比較部423に送られる。
【0076】
同様にして、第2情報抽出部269は、図8に示すように、無線通信機能を備えた回路を実装したリーダライタ制御基板351とケーブル363及び磁界を発生させるアンテナ基板362により構成される。リーダライタ制御基板351は、アンテナ基板363に磁界を発生させる電力を供給し、新たに用意された現像剤収納部211内のメモリタグ212との間でデータ送受信を行うことでメモリタグから色情報を読出し可能である。この読み出された色情報が、図9に示す記憶部422のRAM422b一旦保持され、その後比較部423に送られる。この第2情報抽出部269は、本体部201a外の所定位置に実装されるため、各現像剤収納部211から、装置内部に装着する前に種別情報(色情報)を読み出すことが可能となる。
【0077】
以後、第1情報抽出部268によって、本体部201a内に装着された現像剤収納部211から読み出された色情報を第1色情報と称し、第2情報抽出部269によって新たに用意された現像剤収納部211から読み出された色情報を第2色情報と称し、必要に応じて区別することがある。
【0078】
図10は、図6に示すように(K)、(Y)、(M)、(C)の各色用に4つの画像形成ユニット211が使用されているカラープリンタ201において、現像剤収納部を交換する際の動作の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、実施の形態1のカラープリンタ201の動作例を以下に説明する。
【0079】
図6に示すように、各画像形成ユニット211を実装しているカラープリンタ201において、現在装着されている現像剤収納部211を使用しての各累積印刷枚数は、CPU421の印刷枚数計測機能によってカウントされ、各メモリタグ212に記録されるが、この累積印刷枚数と所定の枚数を比較することにより、現在装着されている現像剤収納部が交換時期か否かを判断する(ステップS201)。まだ交換時期でないと判断した場合(ステップS201、No)、カラープリンタ201はスタンバイ状態、或いは正常印刷動作を実施する(ステップS220)。
【0080】
一方、現在装着されている現像剤収納部211の何れかが交換時期であると判断した場合(ステップS201、Yes)、CPU201により第1情報抽出部268が制御され、交換時期である現像剤収納部のメモリタグから第1色情報が読み出され、例えば読み出した色情報がイエロー(Y)であれば、現像剤収納部211Yが交換時期であることが認識され、その第1色情報(Y)が記憶部422のRAM422bに一旦記録される(ステップS202)。
【0081】
こうして交換が必要な現像剤収納部211が特定されると、CPU421により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“××色の現像剤を交換してください”等の案内文を表示する(ステップS203)。
【0082】
ここでユーザは、指定された色の交換用の現像剤収納部211(図6)を新たに用意し、新たに用意した現像剤収納部211のメモリタグ212が、第2情報抽出部269と交信可能となるように準備する。一方、CPU421によって第2情報抽出部269が制御され、ユーザが準備した現像剤収納部211のメモリタグ212との交信が開始される。第2情報抽出部269は、メモリタグ212より第2色情報を読み出し、読み出された第2色情報が、CPU421によりRAM422bに記憶される。CPU421は、この一連の処理を完結することにより、事前チェックが正常に行われたことを認識する(ステップS204)。
【0083】
事前チェックが認識されない場合(ステップS204、No)、即ち、第2情報抽出部269によって、交換用の現像剤収納部211(図6)の第2色情報の読み出しができない場合、CPU421は表示部20を制御し、表示部20の液晶表示パネル等に“照合してください”等の案内文を表示して事前チェックを促し(ステップS205)、再度、ステップS204へ移行して、上記した事前チェック動作を繰り返す。
【0084】
一方、事前チェックが正常に行われた場合(ステップS204、Yes)、CUP421は、交換用に新たに用意された現像剤収納部211(図6)の第2色情報の色に応じ、ブラック(K)あればステップS207へ進み、イエロー(Y)であればステップS208へ進み、マゼンタ(M)であればステップS209へ進み、シアン(C)であればステップS210へ進む(ステップS206)。
【0085】
次に、ステップS204において第2情報抽出部269で読み出された第2色情報と、ステップS202において第1情報抽出部268により読み出された第1色情報が記憶部422のRAM422bから比較部423へ送られ、比較部423で第1と第2の色情報が比較され、更に判定部424で、新たに用意した交換用の現像剤収納部211が交換すべき色の新規の現像剤収納部211であるか否かが判定される(ステップS207〜ステップS210)。
【0086】
第1情報抽出部268で読み出された第1色情報と第2情報抽出部269で読み出された第2色情報とが一致する場合、新たに用意した交換用の現像剤収納部211が、交換が必要とされている現像剤収納部211であると判断され(ステップS207〜ステップS210、Yes)、報知部215(図9)において、カラープリンタ201内の該当する現像剤収納部211の近傍に配置された報知器(LED)215K,215Y,215M,215C(図6)を点灯して交換が必要な現像剤収納部211をユーザに示し(ステップS211〜ステップS214)、同時に、CPU421により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“照合OKです。交換してください。”等の案内文を表示し(ステップS215〜ステップS218)、再度ステップS201へ移行し、交換時期にきている全色の現像剤収納部211が新規交換されるまで、一連の処理が繰り返される。
【0087】
一方、新たに用意した交換用の現像剤収納部211が、交換が必要とされている現像剤収納部211ではないと判断された場合(ステップS207〜ステップS210、No)、CPU421により表示部20が制御され、表示部20の液晶表示パネル等に“照合NGです。正しい現像剤を準備ください。”等の案内文を表示して再度ステップS204に移行して、再度チェック処理(ステップS204)〜照合処理(ステップステップS207〜ステップS210)を繰り返す。
【0088】
以上のように、このフローでは、カラープリンタ201による印刷時に、現在使用されている現像剤収納部の何れかが交換時期に至ると、印刷を中止して、交換を必要とする現像剤収納部のトナーの色を指定して交換をユーザに促す。その際に、ユーザが新たに用意した交換用の現像剤収納部が、交換を必要とする色用のものであるか否かを装着する前にチェックし、そうである場合には、複数配列された現像剤収納部のうち、交換を必要とする現像剤収納部を示す表示を行うと共にユーザに交換を促し、そうでない場合には、ユーザに同じ色用のものを用意するように促す。
【0089】
尚、本実施の形態では、第2情報抽出部269がカラープリンタ201の本体部201aとは別体で本体部201a外の所定位置に配置されるものとしたが、これに限定されるものではなく、本体部201aと一体であっても、事前確認を実施し易い位置であれば、どこに設置しても良い。
【0090】
また、第2情報抽出部269の構成を、無線通信を行うリーダライタとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、現像剤収納部211の外壁部に色情報を記録したバーコードを貼付し、そのバーコード情報を読取る構成としても良い。更に、現像剤収納部211の製品番号やコードなどの文字情報を、例えば表示部20での情報入力操作で入力し、入力された情報を元に判断する形態でも良い。
【0091】
以上のように、本実施の形態の装置によれば、現像剤収容部211を交換する際に、新たに用意した交換用の現像剤収容部211を、画像形成ユニット210に装着されない、単独で存在する状態で、交換に適したものか否かを判定できるため、チェックを伴う交換作業を、煩雑で面倒な作業を伴うことなく実行できる。また、複数同時に交換する必要が発生しても、報知部215により交換が必要な現像剤収納部42の位置をユーザに促すことができるので、間違えることなく交換可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本実施例ではタンデム方式の画像形成装置に適用した例を説明したが、定期的に交換が必要な交換部材を有している電子装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 モノクロプリンタ、 1a 本体部、 1b トップカバー部、 2 記録媒体、 3 記録媒体格納部、 4 給紙ローラ、 5 走行系センサ、 6 第1レジストローラ、 7 走行系センサ、 8 第2レジストローラ、 9 走行系センサ、 10 画像形成ユニット、 11 現像剤収納部、 12 メモリタグ、 13 感光体ドラム、 14 転写ローラ、 15 定着部、 16 走行系センサ、 17 排出スタッカ部、 18 第1情報抽出部、 19 第2情報抽出部、 20 表示部、 21 CPU、 22 記憶部、 22a ROM、 22b RAM、 23 比較部、 24 判定部、 101 リーダライタ制御基板、 102 アンテナ基板、 103 ケーブル、 201 カラープリンタ、 210 画像形成ユニット、 211 現像剤収納部、 212 メモリタグ、 213 感光体ドラム、 214 転写ローラ、 215 報知部、 215K,215Y,215M,215C 報知器、 250 搬送ベルトユニット、 251 搬送ベルト、 268 第1情報抽出部、 269 第2情報抽出部、 301 リーダライタ制御、 302 アンテナ基板、 303 ケーブル、 351 リーダライタ制御基板、 352 アンテナ基板、 353 ケーブル、 421 CPU、 422 記憶部、 422a ROM、 422b RAM、 423 比較部、 424 判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に着脱自在に備えられる交換部材と、
前記交換部材に備えられて該交換部材の種別情報を記憶する記憶部材と、
前記電子装置内に備えられて前記交換部材を着脱自在に装着する支持部材と、
前記支持部材に装着された前記交換部材の前記記憶部材から前記種別情報を取得する第1の情報抽出部と、
前記支持部材に装着されていない前記交換部材の前記記憶部材から前記種別情報を取得する第2の情報抽出部と、
前記第1の情報抽出部で得た前記種別情報と前記第2の情報抽出部で得た前記種別情報とに基づいて、前記第2の情報抽出部で前記種別情報が取得される前記支持部材に装着されていない前記交換部材が、前記第1の情報抽出部で前記種別情報が取得される前記支持部材に装着された前記交換部材と同じ種別のものか否かを判定する種別判定手段と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記記憶部材がメモリタグであり、前記第1及び第2の情報抽出部がメモリタグと無線通信可能な無線通信手段であることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記記憶部材がバーコードであり、前記第1及び第2の情報抽出部がバーコードリーダであることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項4】
前記種別判定手段は、少なくとも、前記電子装置に記憶された種別情報と前記第2の情報抽出部で得た前記種別情報との比較に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記種別判定手段は、前記第1の情報抽出部で得た前記種別情報と前記第2の情報抽出部で得た前記種別情報との比較に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記支持部材に装着された前記交換部材が交換時期となり、前記支持部材に装着さていない前記交換部材の前記種別情報が第2の情報抽出部によって取得された後に、前記種別判定手段が判定することを特徴とする請求項4叉は5記載の電子装置。
【請求項7】
表示部を備え、前記交換部材が交換時期となった段階で、前記交換部材の交換の用意を促す案内文を表示することを特徴とする請求項6記載の電子装置。
【請求項8】
前記種別判定手段が同じ種類のものと判定した場合には前記交換部材の交換の実行を促す案内文を表示することを特徴とする請求項7記載の電子装置。
【請求項9】
前記交換部材を着脱自在に装着する支持部材が前記電子装置内に複数備えられ、
前記第1の情報抽出部で得た前記種別情報が、交換時期となって交換が必要とされる前記交換部材から得た種別情報であることを特徴とする請求項5記載の電子装置。
【請求項10】
表示部を備え、交換が必要とされる前記交換部材の種別情報と共に交換の用意を促す案内文を表示することを特徴とする請求項9記載の電子装置。
【請求項11】
前記種別判定手段が同じ種類のものと判定した場合には前記交換部材の交換の実行を促す案内文を表示することを特徴とする請求項10記載の電子装置。
【請求項12】
報知部を備え、交換が必要とされる前記交換部材を識別可能とする報知を行うことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の電子装置。
【請求項13】
前記第2の情報抽出部が前記電子装置本体と別体に構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記第2の情報抽出部が前記電子装置本体と一体に構成されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の電子装置。
【請求項15】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の電子装置を備え、前記種別情報が画質の違いを示す用途情報であることを特徴とするモノクロ用の画像形成装置。
【請求項16】
請求項9乃至12の何れか1項に記載の電子装置を備え、前記種別情報が色情報であることを特徴とするカラー用の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−175626(P2010−175626A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15449(P2009−15449)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】