説明

電子装置

【課題】ケーブルの位置決め及び接地接続を容易かつ確実に行える電子装置を提供すること。
【解決手段】電子回路基板30と、電子回路基板30から分離したアンテナ基板40と、電子回路基板30とアンテナ基板40とを電気的に接続するケーブル50と、上部が開放されるとともにケーブル50の余長部分を収納する収納部61と、ケーブル50の余長部分に設けられるとともにケーブル50のシールド部分と電気的に接続された端子52と、収納部61の上部を覆うように配設されるとともに、導体よりなり、接地に電気的に接続され、かつ、端子52と電気的に接続される蓋部材70と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関し、特に、電子部品間をケーブルで電気的に接続した構造を有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子装置において、電子部品間をケーブルで電気的に接続した構造を有するものがある。例えば、通信装置(電子装置)では、電子回路基板(電子部品)とアンテナ(電子部品)とを電気的に接続するのにケーブルを用いている(例えば、特許文献2参照)。ケーブルは、ケース内で引き回され、作業上の問題から余長を有する。特に、同軸ケーブルは、一般的に長さの寸法公差が大きいため、決められた位置へそれぞれの端部を固定しようとする場合、長さが足りなくなる可能性があるため、寸法公差が最小なものでも組み立て可能な寸法で設計される。そのため、長めの同軸ケーブルを用意する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−257487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、電子部品がケース内に高密度に実装されるようになり、ケーブルの余長部分が悪影響を及ぼすようになってきた。
【0005】
例えば、図6のようにケーブル150が定位置に収まるようにフレーム160に設けられた複数のフック162で固定する場合、フックのない部分でケーブル150の余長部分(153aのみ、153bのみ、153a及び153bの両方、その他の余長部分)が定位置からフックのない任意の箇所へはみ出し、組立性が悪くなるといった問題がある。また、ケーブル150の余長部分153a、153bが定位置からはみ出すと、余長部分153a、153bが組立時にケース110の合わせ目(結合部分)に噛み込まれて、ケーブル150が断線してしまうおそれがある。
【0006】
また、ケーブル150がアンテナ(図示せず)に電気的に接続される場合、ケーブル150の余長部分153a、153bの位置のばらつきによりフォーミングが安定せず、アンテナ特性が不安定になるおそれがある。また、ケーブル150の余長部分153a、153bの位置のばらつきにより余長部分153a、153bが固定されないため、バイブ等の振動で余長部分153a、153bが暴れ、ビリツキや異音が発生するおそれがある。
【0007】
ところで、ケーブルをアンテナに接続する場合、アンテナ特性の劣化を回避するために、ケーブルの中間部分に接地導体と電気的に接続された端子を設けて、端子を電子回路基板の接地に電気的に接続するものがある。しかしながら、ケーブルの余長部分により、ケーブルの端子の位置にバラツキが生じ、接触不良になるおそれがある。
【0008】
例えば、図7(A)のようにケーブル150の端子152を電子回路基板130の接地に接続するために、電子回路基板130上に接地に電気的に接続されたクランプ133を搭載し、端子152をクランプ133で摘んで固定接続すると、ケーブル150の長さのばらつきや、ケーブル150上での端子152の位置のばらつきにより、図7(B)や図7(C)のように端子152とクランプ133との位置にズレが生じ、端子152とクランプ133とが接触不良になるおそれがある。
【0009】
また、製造時に、クランプ133と端子152との位置合わせや、クランプ133への端子152のはめ込み、接続信頼性のためのクランプ133とカシメ端子152との接続部分への半田付けなどの工程が必要となる。
【0010】
本発明の主な課題は、ケーブルの位置決め及び接地接続を容易かつ確実に行える電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一視点においては、電子装置において、電子回路基板と、前記電子回路基板から分離したアンテナ基板と、前記電子回路基板と前記アンテナ基板とを電気的に接続するケーブルと、上部が開放されるとともに前記ケーブルの余長部分を収納する収納部と、前記ケーブルの余長部分に設けられるとともに前記ケーブルのシールド部分と電気的に接続された端子と、前記収納部の上部を覆うように配設されるとともに、導体よりなり、接地に電気的に接続され、かつ、前記端子と電気的に接続される蓋部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の前記電子装置において、前記収納部内にて前記蓋部材と前記ケーブルの余長部分及び前記端子との間に配設されるとともに弾性変形可能な導体よりなるガスケットを備え、前記ケーブルは、同軸ケーブルであり、前記端子は、前記同軸ケーブルの外部導体をカシメ固定したカシメ金具であることが好ましい。
【0013】
本発明の前記電子装置において、前記収納部内にて前記蓋部材と前記ケーブルの余長部分及び前記端子との間に配設されるとともに弾性変形可能な導体よりなるガスケットを備え、前記ケーブルは、フレキシブル配線基板であり、前記端子は、前記フレキシブル配線基板に搭載されたランド開口又は接触用プレートであることが好ましい。
【0014】
本発明の前記電子装置において、前記ケーブルは、フレキシブル配線基板であり、前記端子は、前記フレキシブル配線基板に搭載されるとともに前記蓋部材と弾性的に接触するオンボードコンタクトであることが好ましい。
【0015】
本発明の前記電子装置において、前記収納部を有するフレームを備え、前記蓋部材は、前記フレームに取り付けられることが好ましい。
【0016】
本発明の前記電子装置において、前記アンテナ基板は、前記フレームに取り付けられていることが好ましい。
【0017】
本発明の前記電子装置において、前記電子回路基板は、接地と電気的に接続されるとともに前記蓋部材と弾性的に接触するオンボードコンタクトを有することが好ましい。
【0018】
本発明の前記電子装置において、前記蓋部材は、前記電子回路装置の接地と弾性的に接触するバネ接点を有することが好ましい。
【0019】
本発明の前記電子装置において、前記ケーブルと前記アンテナ基板とを電気的に接続するコネクタを備えることが好ましい。
【0020】
本発明の前記電子装置において、前記ケーブルと前記電子回路基板とを電気的に接続する他のコネクタを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケーブルの余長部分を収納する収納部を設け、ケーブルの余長部分においてシールド部に電気的に接続された端子を設け、端子が、収納部を覆う蓋部材を介して接地に電気的に接続されることで、ケーブルの位置決め及び接地接続を容易かつ確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る電子装置の構成を模式的に示した展開斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電子装置における電気的な接続関係を模式的に示した拡大部分展開斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにケーブルの端子が収納された状態を模式的に示した拡大部分斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにケーブルの余長部分が収納された状態を模式的に示した拡大平面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにガスケットが収納された状態を模式的に示した拡大平面図である。
【図6】従来例1に係る電子装置におけるケーブルの余長部分が定位置からはみ出した状態を模式的に示した拡大部分平面図である。
【図7】従来例2に係る電子装置におけるケーブルの端子と電子回路基板のクランプとの位置ズレを説明するための拡大部分平面図であり、(A)正常な場合、(B)一方側にずれた場合、(B)他方側にずれた場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る電子装置では、電子回路基板(図1の30)と、前記電子回路基板から分離したアンテナ基板(図1の40)と、前記電子回路基板と前記アンテナ基板とを電気的に接続するケーブル(図1の50)と、上部が開放されるとともに前記ケーブルの余長部分(図4の53)を収納する収納部(図1の61)と、前記ケーブルの余長部分に設けられるとともに前記ケーブルのシールド部分と電気的に接続された端子(図1の52)と、前記収納部の上部を覆うように配設されるとともに、導体よりなり、接地に電気的に接続され、かつ、前記端子と電気的に接続される蓋部材(図1の70)と、を備える。
【0024】
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1に係る電子装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る電子装置の構成を模式的に示した展開斜視図である。図2は、本発明の実施例1に係る電子装置における電気的な接続関係を模式的に示した拡大部分展開斜視図である。図3は、本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにケーブルの端子が収納された状態を模式的に示した拡大部分斜視図である。図4は、本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにケーブルの余長部分が収納された状態を模式的に示した拡大平面図である。図5は、本発明の実施例1に係る電子装置におけるフレームの収納エリアにガスケットが収納された状態を模式的に示した拡大平面図である。
【0026】
図1を参照すると、電子装置は、筐体(ケース10とカバー20とを組み合わせたもの)内に電子回路基板30とアンテナ基板40とをケーブル50を介して電気的に接続した構成を有する装置であり、例えば、携帯電話機などの無線通信機能を有する無線装置全般に適用することができる。電子装置は、主な構成要素として、ケース10と、カバー20と、電子回路基板30と、アンテナ基板40と、ケーブル50と、フレーム60と、ケーブル押さえ蓋70と、ガスケット80と、を有する。
【0027】
ケース10は、実装部品(電子回路基板30、アンテナ基板40、ケーブル50、フレーム60、ケーブル押さえ蓋70、及びガスケット80)の表側(例えば、表示画面側)を覆う筐体である。ケース10は、カバー20と組み合わさる。
【0028】
カバー20は、実装部品(電子回路基板30、アンテナ基板40、ケーブル50、フレーム60、ケーブル押さえ蓋70、及びガスケット80)の裏側(例えば、電池蓋側)を覆う筐体である。カバー20は、ケース10と組み合わさる。
【0029】
電子回路基板30は、配線基板に電子部品が搭載された基板である。電子回路基板30は、ケース10側の面において、ケーブル50のコネクタ51bと対応する位置にコネクタ31が搭載されている。コネクタ31は、コネクタ51bと接続固定されることで電子回路基板30とケーブル50とを電気的に接続する。電子回路基板30は、カバー20側の面におけるフレーム60の収納エリア61の近傍の部分にオンボードコンタクト32が取り付けられている。オンボードコンタクト32は、弾性変形可能な導体であり、フレーム60の収納エリア61を覆うように取り付けられたケーブル押さえ蓋70と弾性的に接触し、ケーブル押さえ蓋70及びガスケット80を介してケーブル50の端子52と電気的に接続され、電子回路基板30の本体の接地配線に電気的に接続される。電子回路基板30は、ケース10とカバー20とが組み合わさった筐体内に実装固定されている。
【0030】
アンテナ基板40は、電子回路基板30から分離して独立したアンテナ回路を有する基板である。アンテナ基板40には、プリント配線基板を用いることができるが、フレキシブル配線基板でも同様の構成が可能である。電子回路基板30の搭載部品や配線はアンテナ特性に影響を与えるところ、アンテナ回路を分離することで、特性的に有利な場所へアンテナ回路を配置することができる。アンテナ基板40は、送受信する際に電子装置自身の部品の影響を受けにくくするため、外界に近い筐体内の周辺部に設置される。その際、アンテナ基板40は、ケーブル50を介して電子回路基板30と電気的に接続される。アンテナ基板40は、ケース10側の面に、ケーブル50のコネクタ51aと着脱可能に接続固定されるコネクタ41が搭載されている。アンテナ基板40は、土台となるフレーム60に固定される。
【0031】
ケーブル50は、アンテナ基板40と電子回路基板30とを電気的に接続する配線部品である。ケーブル50は、図1では内部導体の外周に誘電体を介して外部導体が配されて当該外部導体(シールド部)が保護被覆で覆われた同軸ケーブルである。ケーブル50は、両端にコネクタ51a、51bを備えている。コネクタ51aは、アンテナ基板40のコネクタ41に着脱可能に接続固定される(図2参照)。コネクタ51bは、電子回路基板30のコネクタ31に着脱可能に接続固定される(図2参照)。ケーブル50の配線経路は、フレーム60に設けられた溝部、又は、フレーム60とケース10との間に形成された溝に押し込み組付けられる。ケーブル50は、コネクタ51a、51b間の配線部分で保護被覆(絶縁体)を剥がして表面に現れた同軸ケーブルの外部導体を、カシメ金具を用いてカシメ固定した端子52を有する。端子52は、ケーブル50の外部導体を流れる電流を接地に落とすためのものであり、アンテナ特性を安定化させるためのものである。端子52は、ケーブル50の余長部分53とともに、フレーム60の収納エリア61に収納され(図3、図4参照)、ガスケット80を介してケーブル押さえ蓋70で収納エリア61内に押え付けられている。これにより、ケーブル50の余長部分53が収納エリア61から飛び出すのを抑制することができる。端子52は、ガスケット80と弾性的に接触しており、ガスケット80、ケーブル押さえ蓋70、及びオンボードコンタクト32を介して電子回路基板30の接地に電気的に接続されている(図2参照)。
【0032】
フレーム60は、ケース10とカバー20とが組み合わさった筐体内に実装固定される構造部材である。フレーム60は、ケーブル50の配線経路の一部(端子52を含む余長部分53)を収納する凹形状の収納エリア61を有する。収納エリア61は、ケーブル50経路配線に対して空間を広く形成されており、上部(カバー20側の部分)が解放されている。収納エリア61には、カバー20側からケーブル50の余長部分53及びガスケット80が収納される。フレーム60には、カバー20側から収納エリア61を覆うように配されたケーブル押さえ蓋70が取付固定される。フレーム60は、電子回路基板30上の特性に影響を与えないエリアにも配置されており、当該エリアにおけるカバー20側の面にアンテナ基板40が固定されている。フレーム60は、ケーブル50の配線経路を押し込み組付けられる溝部を有し、当該溝部にてケーブル50の配線経路のはみ出しを抑制するための複数のフック62を有する(図4参照)。
【0033】
ケーブル押さえ蓋70は、フレーム60の収納エリア61内にあるケーブル50をガスケット80を介して押さえ付ける蓋状の部材である。ケーブル押さえ蓋70は、導体(例えば、金属)よりなり、SUSの他、Cu、Al等の金属や合金であっても構わない。また、ケーブル押さえ蓋70の表面処理として、ニッケル、スズ、金等でメッキしても構わない。ケーブル押さえ蓋70は、収納エリア61を覆うようにフレーム60に組付けられるとともに、ガスケット80をケーブル50側に押さえ付けてガスケット80と弾性的に接触し、電子回路基板30上に搭載されたオンボードコンタクト32と弾性的に接触する。これにより、ケーブル50の端子52がガスケット80、ケーブル押さえ蓋70、及びオンボードコンタクト32を介して電子回路基板30の接地配線に電気的に接続することができ(図2参照)、アンテナ特性の安定化を図ることができる。また、ケーブル押さえ蓋70により、収納エリア61からケーブルが飛び出さないようにすることができる。
【0034】
ガスケット80は、フレーム60の収納エリア61内にてケーブル50の端子52とケーブル押さえ蓋70とを電気的に接続するための部材である。ガスケット80は、弾性変形可能な導体よりなる。ガスケット80は、収納エリア61の領域と同等サイズに形成されている(図5参照)。ガスケット80は、フレーム60の収納エリア61内に配され(図5参照)、ケーブル押さえ蓋70とケーブル50との間に配されており(図2参照)、ケーブル押さえ蓋70をフレーム60の収納エリア61に組付けることにより圧縮変形して、ケーブル50の端子52及びケーブル押さえ蓋70と弾性的に接触する。
【0035】
次に、本発明の実施例1に係る電子装置の組立について説明する。なお、電子装置の各構成部については、図1〜図5を参照されたい。
【0036】
まず、電子回路基板30に搭載されたコネクタ31にケーブル50のコネクタ51bを接続固定する。次に、ケース10にフレーム60及び電子回路基板30を組付ける。次に、ケーブル50のコネクタ51aをアンテナ基板40に搭載されたコネクタ41に接続固定する。次に、フレーム60を土台にアンテナ基板40を組付ける。次に、ケーブル50をフレーム60のフック62、フレーム60とケース10の隙間に押し込んでいき、ケーブル50の端子52をケーブル50の余長部分53と共に、フレーム60の収納エリア61に収める。このとき、余長部分53を収納エリア61に集めることで、予期しない部分での経路の変化がなく、ケーブル50のケース10とカバー20との接続部分での噛み込みの懸念がなくなり、組立性が良好となる。また、ケーブル50の経路が安定することでアンテナ特性の安定化にもつながる。
【0037】
次に、フレーム60の収納エリア61内にガスケット80を設置し、フレーム60の収納エリア61を覆うようにケーブル押さえ蓋70をフレーム60に組付ける。このとき、収納エリア61には端子52が収納されているため、ガスケット80の弾性力によりケーブル押さえ蓋70と端子52とがガスケット80を介して電気的に接続される。また、ケーブル押さえ蓋70は、ガスケット80との接触部から連続してオンボードコンタクト32との接続部が設けられており、電子回路基板30に搭載されたオンボードコンタクト31と電気的に接続される。このとき、ガスケット80のサイズをフレーム60の収納エリア61の領域と同等サイズとすることで、端子52の位置に関わらず収納エリア61内の全域で接触が可能となる。また、ガスケット80の弾性力によってケーブル50の余長部分53を押さえ付けるため、振動によるビリツキが発生しないこととなる。また、ケーブル押さえ蓋70は、ケーブル50の余長部分53の押さえ込み機能と共に接地接続の機能を兼ねているため、それぞれの機能を別々の専用部品で対応するのに比べ部品点数を抑えることができる。
【0038】
実施例1によれば、以下のような効果を奏する。
【0039】
第1の効果は、ケーブル50の余長部分53に対して専用の収納エリア61を設けることで、余長部分53の位置バラツキがなくなり、組立性を良くすることができる(図4参照)。
【0040】
第2の効果は、ケーブル50の余長部分53が収納エリア61に収まるため、ケース10とカバー(図1の20)との組み合わせ部分にてケーブル50を噛み込まないようにすることができる(図4参照)。
【0041】
第3の効果は、ケーブル50の余長部分53が、収納エリア61に収まり、ガスケット80及びケーブル押さえ蓋70で弾性的に固定されるため、ケーブル50のフォーミングが安定し、アンテナ特性への悪影響をなくすことができる(図4参照)。
【0042】
第4の効果は、ケーブル50の余長部分53が、収納エリア61に収まり、ガスケット80及びケーブル押さえ蓋70で弾性的に固定されるため、バイブ等の振動があっても余長部分53が暴れず、ビリツキや異音の発生を防止することができる(図4参照)。
【0043】
第5の効果は、ケーブル50の余長部分53においてシールド部に電気的に接続された端子52を設け、端子52をガスケット80を介してケーブル押さえ蓋70で押さえ付けるとともに、オンボードコンタクト32をケーブル押さえ蓋70で押さえ付けることで、端子52がガスケット80、ケーブル押さえ蓋70、オンボードコンタクト32を介して電子回路基板30の接地に電気的に接続することができる(図2参照)。
【0044】
第6の効果は、ガスケット80が収納エリア61の領域と同等サイズに形成されているので、ケーブル50の端子52が収納エリア61内のどこにあっても端子52がガスケット80と接触可能であり、接触不良の懸念がない。
【0045】
第7の効果は、ケーブル押さえ蓋70が収納エリア61に収まったガスケット80を介してケーブル50の端子52を押さえ付けるとともに、ケーブル押さえ蓋70がオンボードコンタクト32を押さえつけるように、ケーブル押さえ蓋70をフレーム60に取付固定することで、接地接続と余長収納が同時に行えるため、組立工程数を抑えることができ、かつ、部品点数を抑えることができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0046】
第8の効果は、ケース10に電子回路基板30、アンテナ基板40、同軸ケーブル50、及びフレーム60を組み付けた後、ガスケット80及びケーブル押さえ蓋70を組付けるため、組立性を犠牲にすることなく接地接続することが可能である。
【0047】
その他の実施例として、実施例1のようにバネ接点となるオンボードコンタクト32を設けるのではなく、ケーブル押さえ蓋70にバネ接点を設けることで、電子回路基板30のオンボードコンタクトが不要となり、実施例1と比べて部品点数の削除が可能となる。
【0048】
また、ケーブル50に同軸ケーブルを用いる代わりに、フレキシブル配線基板を用いてもよい。この接続の場合、カシメ金具を用いた端子52の代わりに、フレキシブル配線基板に接地用のランド開口または接触用プレートを搭載することにより、同箇所へのガスケット80の接続で同様の構成が可能となる。
【0049】
また、ケーブル50に同軸ケーブルを用いる代わりにフレキシブル配線基板を用いる場合、ケーブル50のシールド部分とケーブル押さえ蓋70との電気的接続をガスケット80を介して行っていたのを、フレキシブル配線基板においてケーブル押さえ蓋70と弾性的に接触するオンボードコンタクトを搭載するようにしてもよい。これによりガスケット80を削減することができ、同様の構成が可能となる。
【0050】
また、ケーブル50は、両端にあるコネクタ51a、51bを両方又は片方をハンダ付けタイプに置換して、アンテナ基板40又は電子回路基板30に接続固定してもよい。
【0051】
ケーブル50に同軸ケーブルを用いる代わりにフレキシブル配線基板を用いる場合、リジットフレキ基板を採用することにより、片方または両方のコネクタ51a、51bを削除することも可能である。
【0052】
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
10、110 ケース
20 カバー
30、130 電子回路基板
31 コネクタ
32 オンボードコンタクト
40 アンテナ基板
41 コネクタ
50、150 ケーブル
51a、51b コネクタ
52、152 端子
53、153a、153b 余長部分
60、160 フレーム
61 収納エリア(収納部)
62、162 フック
70 ケーブル押さえ蓋(蓋部材)
80 ガスケット
133 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路基板と、
前記電子回路基板から分離したアンテナ基板と、
前記電子回路基板と前記アンテナ基板とを電気的に接続するケーブルと、
上部が開放されるとともに前記ケーブルの余長部分を収納する収納部と、
前記ケーブルの余長部分に設けられるとともに前記ケーブルのシールド部分と電気的に接続された端子と、
前記収納部の上部を覆うように配設されるとともに、導体よりなり、接地に電気的に接続され、かつ、前記端子と電気的に接続される蓋部材と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記収納部内にて前記蓋部材と前記ケーブルの余長部分及び前記端子との間に配設されるとともに弾性変形可能な導体よりなるガスケットを備え、
前記ケーブルは、同軸ケーブルであり、
前記端子は、前記同軸ケーブルの外部導体をカシメ固定したカシメ金具であることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記収納部内にて前記蓋部材と前記ケーブルの余長部分及び前記端子との間に配設されるとともに弾性変形可能な導体よりなるガスケットを備え、
前記ケーブルは、フレキシブル配線基板であり、
前記端子は、前記フレキシブル配線基板に搭載されたランド開口又は接触用プレートであることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項4】
前記ケーブルは、フレキシブル配線基板であり、
前記端子は、前記フレキシブル配線基板に搭載されるとともに前記蓋部材と弾性的に接触するオンボードコンタクトであることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項5】
前記収納部を有するフレームを備え、
前記蓋部材は、前記フレームに取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の電子装置。
【請求項6】
前記アンテナ基板は、前記フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項5記載の電子装置。
【請求項7】
前記電子回路基板は、接地と電気的に接続されるとともに前記蓋部材と弾性的に接触するオンボードコンタクトを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の電子装置。
【請求項8】
前記蓋部材は、前記電子回路装置の接地と弾性的に接触するバネ接点を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の電子装置。
【請求項9】
前記ケーブルと前記アンテナ基板とを電気的に接続するコネクタを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の電子装置。
【請求項10】
前記ケーブルと前記電子回路基板とを電気的に接続する他のコネクタを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−174942(P2012−174942A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36525(P2011−36525)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】