説明

電子遊戯装置、電子遊戯用制御方法およびゲームプログラム

【課題】プレイヤ扮するプレイヤキャラクタの操作入力に応じ、特に模擬銃を使った模擬シューティングゲームにおいて興趣性の高い移動動作を実現する。
【解決手段】仮想空間に設定された複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタPと、該プレイヤキャラクタPの対戦相手となる敵キャラクタEと、プレイヤキャラクタPおよび敵キャラクタEのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトGとがあり、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から仮想空間内におけるオブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する際、プレイヤキャラクタPおよび/または敵キャラクタEに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび盾オブジェクトGとの位置関係に基づいて設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子遊戯装置、電子遊戯用制御方法およびゲームプログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、特にアーケードタイプのガンシューティングゲーム装置に適用して好適な制御技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアーケードタイプと呼ばれる電子遊戯装置の一つに、プレイヤ(遊戯者)が銃型のコントローラを駆使して画面内の敵キャラクタを射撃し、射撃の成否に応じて得点を稼ぐ模擬ガンシューティングゲームを実現するものが多く利用されている。
【0003】
このような電子遊戯装置においては、三次元からなる仮想空間内にオブジェクトを配置し、これらを仮想視点から見た映像を投影変換してモニタに表示するという三次元仮想化技術が利用されている。ここでいうオブジェクトとは仮想空間内に定義される物体(対象物)であり、プレイヤ扮するキャラクタ(プレイヤキャラクタ)や敵キャラクタ、さらには背景やその他の対象を含む総称である。
【0004】
このような模擬ガンシューティングゲームのための従来の電子遊戯装置としては、柱等のギミックからなるオブジェクトに隠れず敵キャラクタに対して身体を晒した状態で攻撃する状態と、オブジェクトの陰に身体を隠した状態で防御する状態とを切り換えるためにプレイヤが操作可能な選択入力手段を有するものがある(例えば特許文献1、2参照)。また、プレイヤキャラクタを操作するための手段としてペダルを備えているものもある(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平9−131466号公報
【特許文献2】特開平11−169557号公報
【特許文献3】特開2000−116946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように身体を晒した攻撃状態と隠れた防御状態とを選択入力することが可能であっても、プレイヤ自身の操作によってプレイヤキャラクタを自在に動作させることができない場合がある。例示すれば、例えばある地点に出現する敵を全滅させる、所定時間が経過する、所定ダメージを与えるといった所定の進行条件を満たすことではじめてプレイヤキャラクタが自動的に次地点として定められた場所に所定の経路に沿って移動するという演出が設定されているものがあるが、実際のシューティングゲームの最中にプレイヤの操作によりプレイヤを自在に動作させることができなければ昨今のゲーム装置としては興趣性に劣る。
【0006】
一方、この点で上述したような電子遊戯装置はペダルを利用してプレイヤキャラクタを操作しうるという点でゲームの興趣性を高めうるものであるが、当該ペダルは例えばプレイヤキャラクタをその場で右側を向かせたり左側を向かせたりする操作に用いられるものに過ぎず、種々の工夫が盛り込まれた昨今のゲーム装置用の装置としてはもはや斬新なものではない。
【0007】
そこで、本発明は、プレイヤ扮するプレイヤキャラクタの操作入力に応じ、特に模擬銃を使った模擬シューティングゲームにおいて興趣性の高い移動動作を実現するための電子遊戯装置、電子遊戯用制御方法およびゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。例えば上述したような模擬ガンシューティングゲームのための電子遊戯装置においては、柱等のギミックからなる盾オブジェクトを利用し、身体を晒した危険な状態で攻撃したり、オブジェクトの陰に身体を隠した安全な状態で防御したりというように、攻撃力と防御力という相反するファクタを適宜切り換えるという駆け引きの部分に重要な要素がある。この点を重視し、プレイヤキャラクタの向きを単にその場で切り換えるのみではなく盾オブジェクトとの関連について検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0009】
本発明はかかる知見に基づくものであり、複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとを仮想空間に設定し、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から仮想空間内におけるオブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する電子遊戯装置において、プレイヤキャラクタおよび/または敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する移動制御手段を備えるというものである。
【0010】
また本発明は、仮想空間に設定された複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとがあり、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から仮想空間内におけるオブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する際、オブジェクトのいずれかの移動動作を制御するための電子遊戯用制御方法において、プレイヤキャラクタおよび/または敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定するというものである。
【0011】
さらに本発明にかかるゲームプログラムは、複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとを仮想空間に設定し、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から仮想空間内におけるオブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する電子遊戯装置のコンピュータに、プレイヤキャラクタおよび/または敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する手順を実行させるためのものである。
【0012】
本発明にかかる移動制御技術によれば、一方のキャラクタに対する移動指示があった場合に、その移動先が、他方のキャラクタおよび盾オブジェクトとの位置関係に基づいて自動設定されることになる。こうした場合には、プレイヤキャラクタの向きを単にその場で切り換えるといった単純な動作ではなく所定のエリア内を適宜移動させるという動作が可能となり、しかも、盾オブジェクトさらには他方のキャラクタ(例えば敵キャラクタ)との関連した種々変わりうるポイントへの移動動作が可能となる。これによれば、例えば上述したような模擬ガンシューティングゲームであれば、柱等のギミックからなる盾オブジェクト(さらには他方のキャラクタ)との関連性の高い動作が実現され、ひとまずは盾オブジェクトの陰に身体を隠した安全な状態に移行し、身体を晒した危険な状態に適宜移行して攻撃するというように、攻撃力と防御力という相反するファクタの切り換えに伴う駆け引きをより存分に楽しむことができるようになる。しかも、移動先を自動設定する本発明にかかる移動制御技術はキャラクタの移動先としていわばシナリオを設定しているようなものと表現することもできる。すなわち、これによれば、当該電子遊戯装置に慣れていないプレイヤ(例えば初めて遊戯するプレイヤ)であっても取っ掛りやすく、十分に楽しむことが可能である。
【0013】
この場合、移動制御手段は、移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタからの視点から観て当該一方のキャラクタの少なくとも一部が盾オブジェクトの背後に隠れる位置に設定するものであることが好ましい。
【0014】
また、移動指示を受けた一方のキャラクタの移動方向に最も近い盾オブジェクトを移動先盾オブジェクトとし、当該移動先盾オブジェクトの背後のいずれかの位置に移動先を設定することとしてもよい。
【0015】
また、このような移動制御技術においては、一方のキャラクタが移動指示を受けた場合に、当該移動指示を受けた時点における他方のキャラクタの位置と移動先盾オブジェクトの基準点とを結んだ仮想直線上のいずれかの点に当該移動指示を受けたキャラクタの移動先を設定することができる。
【0016】
本発明にかかる電子遊戯装置は、模擬銃を利用したガンシューティングゲームであり、入力装置として、模擬操作が可能な銃型コントローラと、プレイヤキャラクタを一方向および他方向へ移動させる操作が可能な移動指示手段としての左右独立のペダルスイッチと、を備えているものであることが好適である。
【0017】
この場合、銃型コントローラによる照準位置を検出する銃照準位置検出部を備えるとともに、当該銃照準の位置に応じてプレイヤキャラクタの移動速度を変化させることとすればガンシューティングゲームとしての興趣性をさらに向上させうる。
【0018】
また、プレイヤキャラクタの移動動作中にペダルスイッチから移動方向の逆の移動指示を受けた場合に当該プレイヤキャラクタを反転させ反転方向に移動させるとともに、当該反転後の移動方向に新たな移動先を設定することも好ましい。
【0019】
ペダルスイッチは、所定の条件下でプレイヤによる所定の操作が入力された場合にプレイヤキャラクタに移動動作以外の特殊な動作指示を行う特殊コマンド入力手段としても機能することがさらに好ましい。特殊コマンドによるいわゆる裏技の設定によりガンシューティングゲームとしての興趣性をさらに向上させうる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、プレイヤ扮するプレイヤキャラクタの操作入力に応じた自動的な制御を行うことにより、特に模擬銃を使った模擬シューティングゲームにおいて興趣性の高い移動動作を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1〜図41に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる電子遊戯装置300はいわゆるアーケードタイプのガンシューティングゲーム用の装置であり、基本的要素として装置本体を構成する筐体302,304、入力装置(銃型コントローラ308、ペダルスイッチ310,312)、モニタ(表示装置)306等を備えている(図1等参照)。
【0023】
以下、本実施形態にかかる電子遊戯装置300について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る電子遊戯装置(以下、ゲーム装置ともいう)300の全体を示す斜視図である。ゲーム装置(電子遊戯装置)300は、第1の筐体302、第2の筐体304を備え、第1の筐体302の上部にはモニタ306が設置されている。第2の筐体304には、コイン投入口や操作装置としての銃型コントローラ308が接続されている。銃型コントローラ308からは通信線が引き出されており、通信線は第2の筐体304に接続されている。また、第2の筐体304は第1の筐体302より全高が低く、プレイヤの視界を妨げないようになっている。第1の筐体304内には電子遊戯装置の制御ボードが収容されている。また、第2の筐体304の下端のプレイヤ側先端からプレイヤに向けて入力装置としてのペダルスイッチ310,312が設けられている。ペダルスイッチは左右あり、プレイヤが左右のペダルスイッチ310,312を踏み分けることにより、画面上でプレイヤが扮する画面内のキャラクタ(以下、プレイヤキャラクタという)Pを左右に移動させ、あるいは特殊なコマンドを入力することができるようになっている。
【0024】
このようなゲーム装置300において、プレイヤは銃型コントローラを構えてモニタ306を向いた状態で引き金(トリガ)を引き、モニタ306に表示される敵キャラクタEに向けて発射した模擬弾を命中させ当該敵キャラクタEを倒すという模擬銃撃戦ゲームを楽しむことができる。プレイヤが扮する画面内のプレイヤキャラクタPは柱や壁、ドラム缶などを模した盾オブジェクトとしての各種ギミック(本明細書ではこれを遮蔽物Gという)に身を隠しながら敵キャラクタEと銃撃戦を行う。ゲーム中、プレイヤが銃型コントローラ308の引き金を引くと、当該銃型コントローラ308からの操作信号が制御ボードに送信される。このとき制御ボードは敵キャラクタEに弾丸が命中したかを判断する。命中した場合には、敵キャラクタEを倒すなどの画像演出を行う。
【0025】
ここで、入力装置としての銃型コントローラ308はゲーム中に出現する敵を射撃する拳銃や機関銃、ライフル銃等のシューティング用の模擬射撃銃からなる。また、入力装置としてのペダルスイッチ310,312は、ゲーム中のプレイヤキャラクタPに左右への移動や横っ飛びといったアクション、さらには特殊なコマンドを入力指示するための足踏み用の左右のペダルからなる。
【0026】
銃型コントローラ308はプレイヤが手に持って操作する入力装置で、例えば接続コードおよび入出力インターフェース(図示せず)によって制御部602と接続されている。また、銃型コントローラ308と併せて、当該銃型コントローラ308による照準位置を検出するための銃照準位置検出部606が設けられている。例えば本実施形態における銃照準位置検出部606は、モニタ306上の着弾点の走査スポット(電子ビームの光点)を読取るため当該銃型コントローラ308に設けられている受光素子を含んだ構成となっている。このような銃照準位置検出部606によれば、銃型コントローラ308の銃口がモニタ306の画面内に向けられているかあるいは画面外に向けられているかを判断することもできる。さらに、銃型コントローラ308には当該銃型コントローラ308のトリガ操作に対応して動作するトリガスイッチが設けられている。走査スポットの検知タイミングとトリガタイミングの信号は接続コードを介して入出力インターフェースに送られる。
【0027】
銃型コントローラ308用の入出力インターフェースは例えば銃型コントローラ308に接続されているもので、当該銃型コントローラ308からの走査スポットの検知信号、銃型コントローラ308の引金を引いたことを示すトリガ信号、モニタ306上の走査電子ビームの現在の座標(X,Y)位置、ターゲットの位置から、銃型コントローラ308の発射の有無、着弾場所、発射数等を判別し、対応する各種フラグをRAM内の所定位置に設定する。
【0028】
ペダルスイッチ310,312はプレイヤが足で踏むことによってゲーム中のキャラクタの動作に指示を与えるための入力装置で、例えば接続コードおよび入出力インターフェース(図示せず)によって制御部602と接続されている。また、本実施形態のペダルスイッチは左ペダル310と右ペダル312という左右独立のペダルによって構成されている。これら左右のペダルスイッチ310,312は、プレイヤが片足の踵を軸(ピボット)として爪先の向きを変えていずれかのペダルを踏めるよう、片足の靴幅程度の間隔をおいて左右に配置されている。ただしこれは両ペダルスイッチ310,312の配置の一例に過ぎず、この他、例えば左ペダル310は左足、右ペダル312は右足でそれぞれ踏むように配置されているものであってもよい。それぞれのペダルスイッチ310,312は踏まれた場合に切り換わるスイッチを含んでおり、プレイヤによって踏まれた場合に信号を入出力インターフェースに送るようになっている。加えて、本実施形態では、短時間内にペダルスイッチ310,312を2回踏むいわばダブルクリックのような操作をした場合にはさらに別の動作(例えば横っ飛び動作)が行われるようにしている。
【0029】
図2は、ゲーム装置300の概略を示すブロック図である。プログラムデータ記憶部600は、ゲームプログラムやゲームプログラムに基づく処理に必要なデータを格納している。ゲームプログラムやデータは、光ディスクなどの記録媒体、ハードディスク、或いは、フラッシュメモリなどの半導体メモリに記憶されている。制御部602はプレイヤが操作する装置からの出力と、ゲームプログラムと、記憶部600に格納されているデータによって、プレイヤキャラクタPの挙動を決定する。操作装置は銃型コントローラの引き金604、銃型コントローラが向いている方向(照準)を検出する銃照準位置検出部606、左右のペダルスイッチ310,312である。
【0030】
銃型コントローラ308の照準を検出する銃照準位置検出部606は、次のように構成されている。特開平11−86038号公報の図24に示すように、表示パネルの周囲に複数のLEDを設けてこれを順次発光させ、模型コントローラにある複数の受光部で光を受け、制御部602が各受光部からの信号を解析して銃型コントローラ308の銃口の向きを検出する。制御部602は、ゲームプログラムに基づいて仮想空間内における仮想視点の位置を決定し、仮想視点の位置から仮想空間を観た映像を投影変換して表示部608に表示する。さらに、弾丸の発射音や命中音などの各種効果音をゲームプログラムが生成して、これらを音発生部610で再生する。
【0031】
図3は図2に示したゲーム装置300の詳細なブロック図である。既述の制御部602は、CPUブロック10、ビデオブロック11およびサウンドブロック12を備えている。CPUブロック10は、ゲームプログラムに基づく画像処理の主体であり、バスアビータ100、CPU101、メインメモリ102、ROM103、プログラムデータ記憶部600を備えている。バスアビータ100は、バスを介して相互に接続されるデバイスにバス占有時間を割り振ることにより、データの送受信を制御可能に構成されている。
【0032】
制御装置として機能するCPU101は、電源投入時にROM103に格納されたイニシャルプログラム(初期実行プログラム)を実行し、ゲームプログラムデータ記憶部600に格納されているオペレーティングシステム用プログラムデータをメインメモリ102に転送する。その後、CPU101はオペレーティングシステムに従って動作するようになり、引き続きプログラムデータ記憶部に格納されているアプリケーションプログラムデータをメインメモリ102に転送し、そのプログラムを実行する。また、CPU101は、画像データをグラフィックメモリ111に転送し、音声データをサウンドメモリ121に転送可能になっている。CPU101が実行するプログラムデータによる処理は、主として操作装置107からの操作信号の入力や通信装置130からの通信データの解釈と、それに基づいてビデオブロック11に行わせる画像処理およびサウンドブロック12に行わせる音声処理である。
【0033】
メインメモリ102は、主として上記オペレーティングシステム用プログラムデータおよびアプリケーションプログラムデータを格納する他、静的変数や動的変数等を格納するワークエリアをCPUに提供する。ROM103は、イニシャルプログラムローダの格納領域である。
【0034】
プログラムデータ記憶部には、本ゲーム装置300に所定の画像処理方法を実行させるためのプログラムデータ、画像表示のための画像データおよび音声出力のための音声データなどが格納されている。例えば本実施形態の場合には、ゲームに関する形状データ(具体的には例えば「敵キャラクタE等のオブジェクト」、「風景、建物、屋内、地下鉄等のゲーム背景」等の3次元データ)なども格納されている。なお、ゲーム装置300は、通信装置130経由で他のゲーム装置とデータを交換して、共通の仮想三次元空間でプレイヤキャラクタPを対戦相手である対戦プレイヤが操作する敵キャラクタEと戦わせることができる。対戦プレイヤがいない場合には敵キャラクタEはCPU101が操作する。
【0035】
操作装置107は、プレイヤによる遊技者の操作ボタン等の操作状況に対応した操作信号をCPUブロック10のバスに出力する。ビデオブロック11は、VDP(Video Display Processor)110、グラフィックメモリ111およびビデオコンバータ112を備えている。グラフィックメモリ111には、上記したように、プログラムデータ記憶部から読み取られた画像データが格納されている。
【0036】
VDP110は、グラフィックメモリ111に格納されている画像データのうち、画像表示に必要な画像データを読み取って、CPU101から供給される画像表示に必要な情報、すなわちコマンドデータ、視点位置データ、光源位置データ、オブジェクト指定データ、オブジェクト位置データ、テクスチャ指定データ、テクスチャ濃度データ、視野変換マトリクスデータ等に従って、座標変換(ジオメトリ演算)、テクスチャマッピング処理、表示優先処理、シェーディング処理等を実行可能になっている。
【0037】
なお、上述の座標変換等の処理は、CPU101が行うように構成してもよい。すなわち、各デバイスの演算能力を勘案してどの処理をどのデバイスにさせるかを割り振ればよい。ビデオコンバータ112は、VDP110が生成した画像データをNTSC方式等の所定のテレビジョン信号に変換し外部に接続されるモニタ306に出力可能に構成されている。
【0038】
サウンドブロック12は、サウンドプロセッサ120、サウンドメモリ121およびD/Aコンバータ122を備えている。サウンドメモリ121には、上記したようにCD−ROMから読み取られた音声データが格納されている。サウンドプロセッサ120は、CPU101から供給されるコマンドデータに基づいて、サウンドメモリ121に格納されている波形データ等の音声データを読み取って、DSP(Digital Signal Processor)機能に基づく各種エフェクト処理、デジタル/アナログ変換処理等を行うようになっている。そしてD/Aコンバータ122は、サウンドプロセッサ120により生成された音声データをアナログ信号に変換し、外部に接続されるスピーカ5に出力可能に構成されている。
【0039】
次に、本実施形態のゲーム装置300における仮想射撃戦の内容を例示しつつゲームの流れについて説明する。
【0040】
本実施形態では、プレイヤが操作するキャラクタ(プレイヤキャラクタP)と、敵であるキャラクタ(敵キャラクタE)との間で一対一の銃撃戦を仮想的に行うようにしている。この場合、敵キャラクタEは、プレイヤが一人で遊ぶモード(例えば演出された「ストーリー」と仮想銃撃戦が行われる「ミッション」とが交互に表示されるストーリーモード)であればCPUにより動作制御され、プレイヤ二人で対戦して遊ぶモード(対戦モード)であれば当該もう一方のプレイヤの操作に従った動作をすることになる。また、ストーリーモードにおいては、敵キャラクタEを倒して次ステージに進むたびに更なる強敵として別の敵キャラクタEが登場する展開とすることができる。
【0041】
また、本実施形態のゲーム装置300の場合、仮想銃撃戦が繰り広げられるフィールドにおいては、プレイヤキャラクタPが画面手前側の移動エリア内を左右に移動し、敵キャラクタEが画面奥側の移動エリア内を左右に移動するようになっている(図4参照)。さらに、各移動エリアには各キャラクタが他のキャラクタからの攻撃を受けないように身を隠せるためのオブジェクトが配置されている。例えば本実施形態の場合には、ドラム缶や柱のギミックからなる遮蔽物Gを各移動エリアに複数(例えば2〜4箇所)配置することとしている(図4参照)。
【0042】
さらに、本実施形態では、遮蔽物Gの背後に隠れた状態のプレイヤキャラクタPが、プレイヤが手に持つ銃型コントローラ308の向きに応じて射撃姿勢(攻撃姿勢)と非射撃姿勢(防御姿勢)とを切り換えるようにプログラムしている(図5、図6参照)。すなわち、モニタ306の画面内に銃型コントローラ308の銃口を向けた状態のときには敵キャラクタEに銃口を向けた射撃姿勢をとり(図5)、モニタ306の画面外に銃型コントローラ308の銃口を向けた状態のときには遮蔽物Gの陰に身を潜めた非射撃姿勢をとる(図6)。遮蔽物Gの背後における非射撃姿勢の間は、原則としてプレイヤキャラクタPは遮蔽物Gの影に完全に隠れた状態となり、当該遮蔽物Gが壊されていない限りは敵キャラクタEからの銃撃を受けることがない(図5)。一方、射撃姿勢の間のプレイヤキャラクタPは身体の一部(例えば上半身、あるいは左右いずれかの半身など)を遮蔽物Gの影から露出させた姿勢となり、射撃が可能である反面、敵キャラクタEからの銃撃を受けてダメージを負いうる状態となる(図6)。
【0043】
また、本実施形態では、プレイヤが各ペダルスイッチ310,312を足で操作することによってプレイヤキャラクタPを左右に移動させることが可能となっている(図7参照)。具体的には、プレイヤが左ペダル310を踏むことによってプレイヤキャラクタPを画面中左側に、右ペダル312を踏むことによって画面中右側にそれぞれ移動させることができる。また、一方向への移動中に逆方向のペダルスイッチ310,312を踏むと反転させて当該指示した方向へ移動させることができる。さらに、左右への移動の際、銃型コントローラ308の銃口をモニタ306の画面内に向けているとプレイヤキャラクタPは射撃姿勢をとりながら移動し(構え移動)、銃型コントローラ308の銃口をモニタ306の画面外に向けていると非射撃姿勢をとりながら移動する(防御移動)。
【0044】
また、プレイヤキャラクタPと敵キャラクタEとの仮想銃撃戦の経過および結果、ならびにプレイヤの射撃能力は例えば以下のようにして定量化して表示することができる。すなわち、敵キャラクタEの種類に応じ、体力、射撃能力、素早さなどといった各種の要素を数値化して設定しておき、さらに、各キャラクタの頭部、胴部、手、脚といった各ヒットポイントに応じたダメージ点をもあらかじめ設定しておく。各ヒットポイントに被弾したキャラクタは当該ヒットポイントに応じたダメージを受けて体力ポイントから減算される。仮想銃撃戦が行われている間、常に画面内(例えば画面の左上部分)に帯状に表示されている体力ポイントは被弾(着弾)の度に演算されて合計残り体力として表示されており、この体力ポイントが所定値以下になると当該キャラクタ(プレイヤキャラクタPあるいは敵キャラクタE)は画面内で倒れ、敗戦したキャラクタとして扱われる。また、このような体力ポイント等を利用することにより、プレイヤが所定時間内にいかなる敵を倒したか、および/またはどれだけの数の敵キャラクタEを倒したかによって定まるプレイヤの射撃能力を定量的に表すことが可能である。
【0045】
なお、以上が模擬銃撃戦における基本的な定量化の手法であるが、さらには、頭部が被弾した場合のダメージ点は大きく、他の箇所の被弾の場合は少なくしておくといったように、ヒットポイントに応じてダメージ点を異ならせることができる。また、手や脚など箇所ごとにポイント(体力値)の設定と演算を行い、被弾して所定値以下になった場合に当該部分を他の部分から離散させる画像処理ならびに演出を行うことも可能である。本実施形態のゲーム装置300の場合、このように体力ポイントを多彩に設定することが可能であり、例えばある敵キャラクタEの場合には体力ポイントの減り幅を大きくしたり各ヒットポイントのエリアを大きめに設定したりする等して体力ポイントを簡単になくすことができる(比較的簡単に倒すことができる)ようにし、その一方で、ある強敵のキャラクタの場合には複数回被弾させてもなかなか倒せないようにするといった設定ならびに演出をすることができる。
【0046】
また、本実施形態のゲーム装置300は、従前の装置と同様のリロード機能を備えている。リロード機能は、銃型コントローラ308の模擬弾の装填数に上限を設けておき、模擬射撃の途中で充填(リロード)する動作を必要とすることにより実際の射撃銃を模しているものである。例えば本実施形態の場合には、銃型コントローラ308の銃口をモニタ306の画面外に向けると模擬弾が自動的に装填される演出としている。模擬弾の残り数はモニタ306の画面内(例えば上述した画面左上部分に帯状に表示されている体力ポイントの下方)に弾を模した絵柄の個数によって表示される。また、模擬弾の残り数が一定値以下または0(弾切れ状態)となった場合には画面内に“RELOAD”の文字が表示されるなどして警告される。
【0047】
ここで、本実施形態のゲーム装置300においては、各キャラクタ(プレイヤキャラクタPおよび敵キャラクタE)の移動動作に関し、相手キャラクタと上述した遮蔽物Gとの位置関係に基づいて移動先を設定する制御(移動制御)を行うこととしている。具体的には、例えばプレイヤキャラクタPに対してプレイヤがペダルスイッチ310,312を踏んで移動を指示した場合(「移動」を入力した場合)、原則として移動方向における最寄りの遮蔽物Gの陰に隠れて敵キャラクタEからの直接の狙撃を避けることができる位置を移動先とする(図9参照)。このように遮蔽物Gの陰に隠れうる位置としては当該遮蔽物Gの左寄りの位置や右寄りの位置を選択しうるが(図8参照)、本実施形態では遮蔽物Gの位置に加えて敵キャラクタEの位置を考慮し、遮蔽物Gを挟み当該敵キャラクタEの反対側となる位置(敵キャラクタEからみてプレイヤキャラクタPが遮蔽物Gの陰に隠れる位置)を移動先として選択する。なお、以上はプレイヤがプレイヤキャラクタPに移動を指示した場合の制御であるが、敵キャラクタEが移動する場合も相手キャラクタ(この場合、プレイヤキャラクタP)および遮蔽物Gとの位置関係に基づいて同様の移動制御を行う。
【0048】
このような移動制御において、各キャラクタの移動先は座標により指定することができる。例えば当該キャラクタの移動先の座標値を設定したら、現時点での座標値に基づき差分を加えて当該移動先まで移動させることができる。各遮蔽物G等の座標値は座標テーブル(マップ)を参照して得ることができる。
【0049】
また、敵キャラクタEが移動している最中にプレイが移動入力を行った場合(ペダルスイッチ310,312を踏んだ場合)の移動制御としては種々のものが考えられるが、例えば本実施形態においては、プレイヤが移動入力を行った時点における敵キャラクタEの位置を基準とし、当該敵キャラクタEからみてプレイヤキャラクタPが遮蔽物Gの陰に隠れうる位置を移動先として設定する。つまり、本実施形態の場合には、敵キャラクタEの状態(例えば射撃姿勢か非射撃姿勢か等)にかかわらず、当該敵キャラクタEの位置のみを考慮して移動制御を行う。また、プレイヤキャラクタPがダメージを受けた時点、あるいは横っ飛びしている時点においても同様、単純に当該時点における座標値のみに基づいて移動先を設定することとしている。
【0050】
さらに、プレイヤキャラクタPが移動している途中で逆方向へ戻る動作入力を行った場合(つまり移動方向とは反対側のペダルスイッチ310,312を踏んだ場合)、移動制御の内容としては単純に元の位置に戻るといった制御などが可能であるが、本実施形態では再計算して移動先を設定する。すなわち、移動している途中で逆方向(戻り方向)への動作入力があった場合には、当該戻り方向における最寄りの遮蔽物Gの位置とその時点における敵キャラクタEの位置に基づいて移動先を設定する。
【0051】
また、本実施形態では、射撃姿勢と非射撃姿勢とで移動動作を異ならせるようにしている(図7参照)。すなわち、プレイヤキャラクタPの移動中に銃型コントローラ308の銃口をモニタ306の画面内に向けると射撃姿勢をとりながら移動することができる(構え移動)。この場合、移動しながら射撃することが可能だが移動速度は普通ないしは比較的遅い。また、この状態で敵キャラクタEの銃撃を被弾すると比較的大きなダメージを受ける。一方、プレイヤキャラクタPの移動中に銃型コントローラ308の銃口をモニタ306の画面外に向けると非射撃姿勢をとりながら移動する(防御移動)。この場合、移動しながら射撃することはできないが移動速度は比較的速い。また、この状態で被弾したときのダメージは射撃姿勢の場合よりも小さい(一例として、射撃姿勢の場合の半分程度)。なお、銃型コントローラ308の銃口を画面内に向けるか否かで構え移動と防御移動とを交互に変更することができる。また、本実施形態では構え移動から防御移動へと移行させたとき(銃型コントローラ308の銃口を画面外に向けたとき)にリロード、つまり銃型コントローラ308の模擬弾の装填が自動的に行われる。
【0052】
このような移動動作の制御(構え移動および防御移動の制御)についてループ処理部分のみを示すフローを用いて簡単に説明すると以下のとおりである(図39参照)。すなわち、銃型コントローラ308の照準状態を取得し(ステップS1)、照準の状態が変わったかどうかを判断する(ステップS2)。状態が変わっていればキャラクタ(プレイヤキャラクタP)の状態を取得し(ステップS3)、当該キャラクタの状態を更新する(ステップS4)。具体的には、上述した構え移動なら防御移動に、防御移動なら構え移動にそれぞれ変更する。このようにキャラクタの状態を変更した場合、あるいはステップS2において照準の状態が変わっていない場合、ステップS1にループして銃型コントローラ308の照準状態を再び取得する(図39参照)。なお、ここでは便宜的にループするフローを示したが、実際には開始および終了の端子記号を設けておき、一連の処理終了から一定時間(例えば1/60秒)ごとに再び処理を開始するといったフローで上記のような処理を実現することができる。
【0053】
ここで、上述した移動制御について遮蔽物Gの具体的形状例を挙げつつより詳細に説明すると以下のとおりである。
【0054】
まず、遮蔽物Gが例えばドラム缶のギミックからなる円柱形状である場合(図12参照)、プレイヤキャラクタPの隠れ位置(敵キャラクタEからの銃撃から身を潜めることが可能な位置)のデフォルトは遮蔽物Gの真裏であり、当該デフォルトの隠れ位置を中心として例えば左右45度(計90度)の扇形エリアが隠れ位置として設定されている(図11参照)。プレイヤキャラクタPの移動先は、この扇形エリア内(より具体的には遮蔽物Gの中心から一定距離の円周上)であって、敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に設定される(図10参照)。なお、敵キャラクタEからみてプレイヤキャラクタPの身を遮蔽物Gの陰に隠しきれない場合は、上述した扇形エリアのうちの端部位置が移動先(隠れ位置)となる。また、遮蔽物GがプレイヤキャラクタPの身長よりも低いドラム缶である本実施例の場合、プレイヤキャラクタPは当該ドラム缶の陰にしゃがんだ状態で非射撃姿勢をとり、立って上半身をドラム缶の上部に出した状態で射撃姿勢をとる(図12参照)。したがって本実施例の場合、図10中に示す射撃姿勢時の位置(構え位置)と非射撃姿勢時の位置(隠れ位置)は異ならない(図10参照)。
【0055】
次に遮蔽物Gが例えば柱などのように矩形である場合(図13参照)、プレイヤキャラクタPの隠れ位置(敵キャラクタEからの銃撃から身を潜めることが可能な位置)のデフォルトは当該遮蔽物Gの真裏であり、当該デフォルトの隠れ位置を中心として例えば左右45度(計90度)の扇形エリア(実際には図示するように扇形から三角形状部分を除いたエリア)が隠れ位置として設定されている(図15参照)。プレイヤキャラクタPの移動先は、このエリア内(より具体的には遮蔽物Gの中心から一定距離の円周上)であって、敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に設定される(図10参照)。なお、敵キャラクタEからみてプレイヤキャラクタPの身を遮蔽物Gの陰に隠しきれない場合は、上述したエリアのうちの端部位置が移動先(隠れ位置)となる。また、遮蔽物Gが柱である本実施例の場合、プレイヤキャラクタPは当該柱の陰で非射撃姿勢をとり、当該位置から左右に90度の位置に飛び出して射撃姿勢をとる(図14、図16参照)。したがって本実施例の場合、図14中に示す射撃姿勢時の位置(構え位置)と非射撃姿勢時の位置(隠れ位置)は異なっている(図14参照)。
【0056】
続いて、遮蔽物Gが例えば給油機のように矩形で尚かつプレイヤキャラクタPの身長よりも低い場合(図20参照)、プレイヤキャラクタPの隠れ位置(敵キャラクタEからの銃撃から身を潜めることが可能な位置)のデフォルトは当該遮蔽物Gの真裏であり、当該デフォルトの隠れ位置を中心として例えば左右45度(計90度)の扇形エリア(実際には図示するように扇形から三角形状部分を除いたエリア)が隠れ位置として設定されている(図19参照)。プレイヤキャラクタPの移動先は、このエリア内(より具体的には遮蔽物Gの中心から一定距離の円周上)であって、敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に設定される(図17、図18参照)。なお、敵キャラクタEからみてプレイヤキャラクタPの身を遮蔽物Gの陰に隠しきれない場合は、上述したエリアのうちの端部位置が移動先(隠れ位置)となる。また、遮蔽物Gが給油機である本実施例の場合、プレイヤキャラクタPは当該給油機の陰にしゃがんだ状態で非射撃姿勢をとり、当該位置から左右に90度の位置に飛び出し立った状態で射撃姿勢をとる(図18、図20参照)。したがって本実施例の場合、図18中に示す射撃姿勢時の位置(構え位置)と非射撃姿勢時の位置(隠れ位置)は異なっている(図18参照)。
【0057】
ここまでの説明から明らかなように、ある遮蔽物Gに隠れているプレイヤキャラクタPに対してプレイヤが移動入力を行った場合、当該プレイヤキャラクタPは移動方向における最寄りの遮蔽物Gの陰に隠れうる位置(隠れ位置)に向けて移動する(図21参照)。この際、上述したように、遮蔽物Gの陰にある扇形等のエリア内であって敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に移動先が設定される(図21参照)。また、例えば右方向への移動中に逆方向(左方向)への移動入力が行われた場合には、当該プレイヤキャラクタPは逆方向(戻り方向)における遮蔽物Gの陰に隠れうる位置(隠れ位置)に向けて移動する(図22参照)。この際、本実施形態においては制御部602によって上述したように再計算を行い移動先の座標を設定する。加えて、隠れ位置にてキャラクタがダメージを受けた場合には、デフォルトの隠れ位置あるいは当該キャラクタの実際の隠れ位置を敵から見えない位置に徐々にシフトするような処理を付加してもよい。なお、上述した遮蔽物Gの中心は基準点となる位置の一例に過ぎず、これ以外の位置を基準点とすることはもちろん可能である。
【0058】
なお、遮蔽物Gが例えば図23に示すような移動方向に長い細長形状である場合も上記と同様に制御することができる。この場合、図示するように、当該遮蔽物Gの背面側に移動方向と水平なラインを設定しておき、当該ライン上にキャラクタの移動先を設定することとしてもよい(図23参照)。実際の移動先は、このライン上であって敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に設定される(図24参照)。
【0059】
ここで、上述のように遮蔽物Gが細長形状(例えば窓と窓の間の壁)である場合の具体的な実施例についても説明しておく(図25〜図27等参照)。プレイヤキャラクタPの隠れ位置(敵キャラクタEからの銃撃から身を潜めることが可能な位置)のデフォルトは当該遮蔽物Gの真裏における中心位置であり、当該デフォルトの隠れ位置を中心として例えば左右60度(計120度)の三角形エリアが隠れ位置として設定されている(図26参照)。プレイヤキャラクタPの移動先は、この三角形エリア内であって、敵キャラクタEの位置と遮蔽物Gの中心とを結んだ延長線上の位置に設定される(図25、図26参照)。また、遮蔽物Gが窓と窓の間の壁である本実施例の場合、プレイヤキャラクタPは当該壁の陰で非射撃姿勢をとり、当該位置から左右に飛び出して射撃姿勢をとる(図25、図27参照)。本実施例の場合にも、図25中に示す射撃姿勢時の位置(構え位置)と非射撃姿勢時の位置(隠れ位置)は異なっている(図25参照)。
【0060】
以上のように、本実施形態のゲーム装置300においては、移動した際に各キャラクタ(プレイヤキャラクタP、敵キャラクタE)の移動先が遮蔽物Gの陰になるように自動制御されており、銃型コントローラ308の銃口を画面外に向けていれば当該隠れ位置にて非射撃姿勢をとるようになっている。また、プレイヤが銃型コントローラ308の銃口を画面内に向ければ遮蔽物Gの陰から飛び出した構え位置にて射撃姿勢をとることができ(「軸ずらし」)、さらに、プレイヤが左右のペダルスイッチ310,312を操作することによってプレイヤキャラクタPを遮蔽物Gの陰から別の遮蔽物Gの陰へと移動させることができる(図28参照)。この場合、プレイヤキャラクタPの視点からすれば、隠れ位置においてはこちらからも敵キャラクタEが見えにくい一方で、構え位置に移動する(射撃姿勢をとる)ことによって敵キャラクタEがより見えやすい位置(換言すれば銃撃しやすい位置)に移行することができる(図28中の符合○参照)。これは敵キャラクタEの視点に関しても同様である(例えば図28中の符合×参照)。要は、本実施形態のゲーム装置300においては遮蔽物Gの陰に隠れていれば(当該遮蔽物Gが壊されていない限りは)敵キャラクタEからの銃撃を受けにくく比較的安全であり、ひとたび構え位置に飛び出せば敵キャラクタEを銃撃することが可能になると同時に自らも被弾する可能性が高くなるという点で興趣性が高く、高度な駆け引きによる攻防が可能なスリリングな模擬銃撃戦を楽しむことができるようになっている。
【0061】
なお、プレイヤキャラクタPの左右への移動はプレイヤによるペダルスイッチ310,312の操作に基づいているため、プレイヤは原則として自分の意思でプレイヤキャラクタPを移動させることができるが、射撃ゲームの演出上、移動を誘発するような仕掛けを設けることとしてもよい。本実施形態では詳述しないが、例えばそれぞれの遮蔽物Gに流れ弾に対する耐久値を設定しておき、遮蔽物Gが徐々に壊れていって最終的には爆発や粉砕を巻き込まれるような演出をすれば、プレイヤキャラクタPへのダメージを軽減したいプレイヤが左右への移動を行う契機となりうる。
【0062】
また、上述した実施形態では遮蔽物Gが細長形状である場合について例示したが(図23等参照)、当該遮蔽物Gがさらに移動方向に長いような場合であれば隠れ位置を複数設定してもよい。例えば図29に示すような細長形状の遮蔽物Gの場合、本実施形態においてはデフォルトの隠れ位置を2箇所設定しておき、移動制御の際にはキャラクタからみて近い側の隠れ位置を移動先として設定するようにしている。
【0063】
続いて、ここまで説明した移動制御も踏まえて本実施形態のゲーム装置300における各キャラクタ(プレイヤキャラクタP、敵キャラクタE)の基本的なアクション(動作)をより具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明する(図30〜図34参照)。
【0064】
[構え分け]
柱状の遮蔽物Gの陰における隠れ位置において、プレイヤが銃型コントローラ308をモニタ306の画面外に向けている間、プレイヤキャラクタPは上述したように陰に身を潜めた非射撃姿勢をとっている(図30参照)。ここで、プレイヤが画面左(右)側、一例として遮蔽物Gの左(右)側における破線枠内に銃型コントローラ308の銃口を向けるとプレイヤキャラクタPは遮蔽物Gの左(右)側の構え位置へと飛び出し、射撃姿勢をとる。このように、本実施形態のゲーム装置300においてはモニタ306の画面に向けた銃口の位置により、遮蔽物Gの左右にある構え位置のいずれに飛び出して射撃姿勢をとるかを選択することが可能である(「構え分け」)。なお、以上は左右の構え位置のいずれとも選択可能な遮蔽物Gの場合に該当するものであり、例えば左(右)に飛び出すことができない形状の遮蔽物Gであればこのような構え分けが行えず当該キャラクタは一方向にしか飛び出すことができない。
【0065】
[駆け抜け]
プレイヤがペダルスイッチ310,312を踏みっ放しにすると、キャラクタは最寄りの遮蔽物Gにて停止することなく駆け抜けてさらに移動する(図31参照)。途中でペダルスイッチ310,312を踏んでいる足を上げると、キャラクタは原則として移動方向における最寄りの遮蔽物Gの陰まで移動する。
【0066】
[引き返し]
キャラクタが移動している途中でプレイヤが逆方向のペダルスイッチ310,312を踏むとキャラクタは引き返す(図32参照)。
【0067】
[横っ飛び]
構え移動(射撃姿勢をとりながらの左右への移動)の途中でプレイヤが短時間内にペダルスイッチ310,312を続けて2回踏むいわゆるダブルクリック(ないしはダブルペダル)を行うと、プレイヤキャラクタPは横っ飛び動作をする(図33参照)。この横っ飛び動作中のキャラクタはその途中に遮蔽物Gがあってもこれを無視して当該横っ飛びの動作を継続する。また、横っ飛び動作中に銃型コントローラ308のトリガを引けば銃撃することが可能である(「横っ飛びショット」)。例えば本実施形態では、横っ飛びショットの攻撃力(破壊力)を例えば通常時の2倍とするなど増加させている。以上のような横っ飛び動作はプレイヤに対して一連の素早い動作を要求する高度な技であることから、本実施形態ではこれを実現した場合には攻撃力(破壊力)が増加するという特典が得られる演出をしている。また、このような特殊な動作の後に当該キャラクタが弱い状態を設定することも好ましい。こうした場合には、ゲーム装置300の操作をマスターした上級者に特典付きの特殊動作を乱発するのを躊躇させ、これによって射撃ゲームの駆け引きをさらに向上させることが可能になる。例えば本実施形態では横っ飛びしたキャラクタが着地した後に数十イントの硬直状態を演出し(イントはinterruptの略で割り込み回数や画面の書き換え回数を表す。1イント=60フレーム/秒、2イント=30フレーム/秒)、この硬直状態の間、プレイヤキャラクタPが銃を撃つことができないようにしている。したがって、本実施形態のゲーム装置300によれば、横っ飛びショットは大きなダメージを与えうる反面、自己も大きなダメージを負う危険性の高いいわば両刃の剣のような大技であるという特色を出してゲームの興趣性を高めることが可能となっている。硬直状態が解除した後のキャラクタは原則として横っ飛びした方向に移動する。ただし、キャラクタが移動可能な移動エリアの両端部分にて横っ飛び動作をした場合、引き返して最寄りの隠れ位置まで移動する。なお、図33においては、硬直解除後の移動として、射撃姿勢をとりながらの構え移動と非射撃姿勢をとりながらの防御移動との両方を図示している(図33参照)。
【0068】
[回避]
防御移動中にペダルスイッチ310,312のダブルクリック(ダブルペダル)を行うとキャラクタは回避動作をする(図34参照)。この回避動作中は、被弾したときに受けるダメージが通常時よりも減少する(例えば通常時の1/4程度)。また、回避動作をすると最寄りの遮蔽物Gまで飛び込むようにして自動的に隠れた状態となる(図34参照)。なお、このような回避動作時にキャラクタがどの程度飛ぶかは種々設定することが可能である。また、例えば遮蔽物Gに近い位置で回避動作をしたときには素早く隠れるモーションを再生したり、逆に回避動作をして飛び込んだが遮蔽物Gまで届かないときには飛び終わった後に防御移動に移行させたりすることにより滑らかに動作させることが可能である。
【0069】
続いて、本実施形態のゲーム装置300におけるズーム制御機能について説明する(図37等参照)。ズーム制御は所定の条件を満たす照準動作をプレイヤが実施したときに画面の一部をズームする(拡大表示する)というもので、例えば敵キャラクタEの腹部などをズームし、射撃の精度を向上させたり、攻撃力をアップさせて射撃が成功した場合のダメージを変化させたりといった演出を行うことが可能となる。上述した移動制御に加えてこのようなズーム制御をも実施することでゲームの興趣性をさらに向上させることが可能である。
【0070】
ここで、本実施形態ではノーマルズーム(コンセントレーションズーム)とクイックズームという2種類のズーム制御を行うこととしている。以下、ゲーム装置300における三次元仮想化技術の概要を説明したうえで、これらのズーム機能の条件や内容について説明する。
【0071】
三次元仮想化技術は、三次元からなる仮想空間内にキャラクタ(プレイヤキャラクタP、敵キャラクタE)を配置し、これらを仮想視点から観た映像に投影変換してディスプレイに表示するというものである。仮想視点は三次元仮想空間中に定義した仮想カメラからの視点である。また、本実施形態のゲーム装置300においては、プレイヤキャラクタPの視点を模擬した視点(一人称視点)と、プレイヤキャラクタPおよび敵キャラクタEの両方が視認できる視点を模擬した視点(三人称視点)の2種類の視点を切り換えるようにしている。一人称視点の場合、画面上にはプレイヤキャラクタPから観た臨場感のある画像が映し出されるから、プレイヤはあたかもプレイヤキャラクタPと一体であるかのように模擬銃撃戦を楽しむことができる。一方、三人称視点の場合には、プレイヤキャラクタPを含めて模擬銃撃戦が行われるフィールドが映し出されるからプレイヤは全体の様子や周囲の状況を把握しやすい。以上のような画像処理は、制御部602および上述した画像合成装置などからなる画像処理のための装置(画像処理装置)による処理制御によって実現される。
【0072】
続いてズーム機能の条件や内容について説明する。まず、ノーマルズームは、敵キャラクタEまたは遮蔽物Gのいずれかに対して銃型コントローラ308を一定時間向ける(一定時間照準を合わせる)ことを条件としているもので、条件が満たされてフラグが立つと所定のズーム機能が実現される。以下、このノーマルズームの処理手順をループ処理部分のみを示すフローを用いて説明すると以下のとおりである(図40参照)。なお、ここでは便宜的にループするフローを示したが、実際には開始および終了の端子記号を設けておき、一連の処理終了から一定時間(例えば1/60秒)ごとに再び処理を開始するといったフローで上記のような処理を実現することができる。
【0073】
まず、プレイヤ(プレイヤキャラクタP)の状態(銃型コントローラ308が弾切れとなっている状態、キャラクタが倒れた状態など)を取得し(ステップS11)、ズーム可能な状態かどうかを判断する(ステップS12)。具体的には、銃型コントローラ308が弾切れとなっている状態、プレイヤキャラクタPが倒れた状態などのときにはズーム可能な状態にはないと判断する。
【0074】
ズーム可能な状態の場合、ズーム可能な遮蔽物Gおよび敵キャラクタEを上述した一人称視点のカメラから観た平面上の2D座標に変換する(ステップS13)。ここで、敵キャラクタEや遮蔽物Gなどの3Dオブジェクトには複数のズームポイントがあらかじめ設定されている(例えば、敵キャラクタEの腹部など)。このように2D座標に変換した後、ズームポイントのいずれか(照準に最も近いズームポイント)と照準とが一定距離内にあれば(換言すると、ズームポイントと照準とが一定範囲の判定円の中に入ったコリジョン状態となっていれば)、照準の座標をズームターゲットとして設定する(ステップS14)。具体的には、当該時点での照準の座標をズームターゲットの座標として一時的に記憶しておく。なお、判定円は、比較的近くのオブジェクトの場合には大きく、比較的遠くのオブジェクトの場合には小さくするというようにその大きさを適宜変化させることによって遠近法に基づいた実際に近いズーム判断を行うことができる。また、敵キャラクタEが遮蔽物Gの陰に隠れている場合、本実施形態では遮蔽物Gのズームポイントでなく敵キャラクタEのズームポイントに基づいて照準との距離測定を行うこととしている。ちなみに、ここまでの処理は照準とズームポイントとの相対距離が一定値より小さいかどうかを判断するいわば第1のコリジョン処理である。
【0075】
このように、照準に一番近いズームポイントからズームコリジョンを発生させたら(つまり、照準と当該照準に一番近いズームポイントとの相対距離について判断したら)、ターゲット(ズームターゲット)があるかどうかを確認のために判断する(ステップS15)。その後、記憶したズームターゲットを中心とした一定範囲のエリア(例えば矩形のエリアで、本実施形態ではコリジョンともいう)を作成し、当該時点での照準がこのコリジョン内にあればカウントする(ステップS16)。ここで、所定の解除条件(例えばプレイヤが銃型コントローラ308のトリガを引いて弾を撃ったり、弾切れとなったり、あるいはプレイヤが銃型コントローラ308の銃口を画面外に向けたりすること)を満たすかどうかを判断し(ステップS17)、満たされていなければコリジョン内に照準が一定時間入った状態となっているかどうか(集中した状態となっているかどうか)を判断する(ステップS18)。ちなみに、照準が一定範囲のエリア(コリジョン)内に入っているかどうかを判断する処理はいわば第2のコリジョン処理である。
【0076】
上述のコリジョン内に照準が一定時間入った状態となっていればエフェクト処理を発動し、当該照準あるいはズームターゲットを中心としたズームをするための画像処理を実施する(ステップS19)。このようなエフェクト処理は、ズーム開始を知らせるという画面の効果を生じさせるものである。エフェクト処理中、一定の解除条件(例えばこのエフェクト処理の間に敵キャラクタEから銃口を大きく逸らしたり弾を撃ったりすること)を満たすかどうか判断する(ステップS20)。満たす場合には一連の処理を終えて最初のステップにループするが、満たしていなければズームエフェクトによる画面効果が終了したかどうか判断し(ステップS21)、終了すれば次のズーム処理に移行する(ステップS22)。ズーム処理中は、後述するように攻撃力をアップさせたり特定の場合にヘッドショットを完成させたりといった特典を演出する。ズーム処理後、一定の解除条件(例えばプレイヤが銃型コントローラ308のトリガを引いて弾を撃ったり、弾切れとなったりすること)が満たされた場合は最初のステップにループする(ステップS23)。
【0077】
なお、ここではノーマルズームの解除条件として、プレイヤが銃型コントローラ308のトリガを引いて弾を撃つこと等を例示したがこれらはズーム解除条件の具体例を挙げたものにすぎず、他にも敵キャラクタEが移動する、遮蔽物Gの崩壊にプレイヤキャラクタPが巻き込まれる等を解除条件としてもよい。
【0078】
以上がノーマルズームの処理手順と内容であるが、引き続き、上述したノーマルズームの一例を画像例とともに説明する(図37参照)。まず、敵キャラクタEの付近(より具体的にはズームポイントが設定されている敵キャラクタEの腹部付近)に銃口を向けた状態で一定時間(例えば数十イントだが、敵キャラクタEの種類によって異なる)が経過するとエフェクト処理が発動される(図37(A)参照)。ただしこの間に銃口を大きく逸らしたり弾を撃ったりした場合にはズーム処理をキャンセルし、エフェクト処理の発動は行わない。
【0079】
エフェクト処理が発動されると、照準あるいはズームターゲットを中心としたエフェクトの画像処理が実施される(図37(B)参照)。エフェクトは例えば図示するような複数の円ないしは楕円の組合せを含む画面で表示され、当該円(楕円)以外の部分がぼかされて敵キャラクタE付近がクローズアップされるようになっている。ただし、このエフェクト処理の間に敵キャラクタEから銃口を大きく逸らしたり弾を撃ったりした場合には当該エフェクト処理をキャンセルしてズーム処理を中止する。
【0080】
エフェクト処理が終了すれば引き続き照準あるいはズームターゲットを中心としたズーム処理を開始する(図37(C)参照)。ズームし終わるまで例えば数十イントであるが敵キャラクタEの種類によって異ならせることができる。また、ズームし終えたときに手振れのようにカメラを揺らす演出をしてもよい。この場合、揺れが収まるまで例えば数十イントであるがこれも適宜異ならせることができる。
【0081】
以上のようにしてズームし切った場合(図37(D)参照)、本実施形態ではプレイヤに対して以下の利点と欠点を実現させる。具体例を挙げつつ説明すると、利点として攻撃力を2倍とし、さらに後述するヘッドショットを達成した場合には攻撃力を3倍として敵キャラクタEに大きなダメージを与えることができるようにする。一方、欠点としては、ズーム中に移動した敵キャラクタEからカウンターショットとして被弾した場合のダメージを3倍とする。また、ズームした状態ではプレイヤにとっての視界が狭いことも欠点となりうる。
【0082】
ここで、ズーム中においては以下のような「ヘッドショット」、「カメラ硬直」、「カウンターショット」といった処理を実施することによって「ズームによる駆け引き」を演出することが可能である。
【0083】
[ヘッドショット]
ズーム中にプレイヤが敵キャラクタEの頭部を撃つことができたらヘッドショットと称して攻撃力(敵キャラクタEが受けるダメージの大きさ)を3倍とする。上述したようにズーム中における攻撃力を2倍、ヘッドショットの攻撃離力を3倍とし、当該ヘッドショットを達成したときのダメージの大きさをトータル6倍としてもよい。また、ヘッドショットを達成できたらリロード(弾充填)を自動的に行う、ヘッドショットを決められた的キャラクタは銃を撃てないといった処理(演出)を付加してもよい。
【0084】
[カメラ硬直]
ズーム中、敵キャラクタEに移動されて画面内から逃げられた場合に、例えば40イント程度のカメラ硬直を発生させる。カメラ硬直とはズームした画像を一定時間固定してあたかもカメラの切り換えができない状態を演出したもので、敵キャラクタEの居場所を一瞬でも把握できないことによる焦燥感をプレイヤに与えることが可能である。このようなカメラ硬直中、移動した敵キャラクタEから攻撃を受けて被弾した場合には「カウンターショット」を成立させる。逆に、カメラ硬直中に敵キャラクタEを撃つことができれば当該敵キャラクタEをよろけさせる画像を表示する(敵キャラクタEのよろけ演出)。なお、ズーム中にカメラ硬直を生じさせる条件の具体例を挙げると、
・構えている/隠れている敵キャラクタEならびにその敵キャラクタEがいる遮蔽物Gにズームしていて、そこから敵キャラクタEが移動したこと。
・ズームしている遮蔽物Gの所に敵キャラクタEが移動して来て、さらにそこから移動したこと(ただし、ズームした遮蔽物Gを敵キャラクタEが駆け抜けた場合は硬直させない)。
等がある。
【0085】
[カウンターショット]
カメラ硬直中、移動した敵キャラクタEから攻撃を受けてプレイヤキャラクタPが被弾した場合には「カウンターショット」を成立させる。この場合の仕様は例えば上述のヘッドショットと同じく3倍のダメージを受けるといったものである。
【0086】
なお、上述したヘッドショット、カウンターショット、よろけ演出はプレイヤキャラクタPと敵キャラクタEとで同等の条件で生じさせることができる。すなわち、ズームした側はヘッドショットを完成させたり相手をよろけさせたりすることができる一方で、ズームされた側は移動後にカウンターショットを決めることができる(図35参照)。なお、本明細書では詳細には説明しないが、プレイヤキャラクタPが敵キャラクタEからズームされたことは、例えばモニタ306の画面外枠部分を赤く点滅表示させること等によって演出し、プレイヤに知らしめることができる。
【0087】
また、上述したノーマルズームの解除条件(リセット条件)について表を参照して例示しておくと以下のとおりである(図36参照)。例えば、(a)敵キャラクタEのズームポイント付近に銃型コントローラ308の銃口を向けて固定している段階(エフェクト処理発動の前の段階)、(b)エフェクト処理が発動されてズーム中心にエフェクトが寄っていく段階においては、銃型コントローラ308を撃つ動作、銃口を画面から逸らす動作はいずれも解除条件である(図36参照)。あまた、キャラクタが隠れたり移動したりすること、銃型コントローラ308の弾切れが生じることは上記(a)(b)に加えて(c)ズーム中あるいはズームした段階においても解除条件となる(図36参照)。さらに、上記(a)の段階で敵キャラクタEが移動することも解除条件であるが、この場合には上述したカメラ硬直は生じさせない。一方、上記(c)の段階で敵キャラクタEが移動することも解除条件であり、この場合にはカメラ硬直を生じさせる(図36参照)。
【0088】
続いてクイックズームについて説明する。通常のズーム制御は上述したようなノーマルズーム(コンセントレーションズーム)であるが、本実施形態では特定の条件下ではズーム待ちを行わず即座にズームするというクイックズーム制御を行うこととしている。以下、このクイックズームの処理手順をループ処理部分のみを示すフローを用いて説明すると以下のとおりである(図41参照)。なお、ここでは便宜的にループするフローを示したが、実際には開始および終了の端子記号を設けておき、一連の処理終了から一定時間(例えば1/60秒)ごとに再び処理を開始するといったフローで上記のような処理を実現することができる。
【0089】
まず、プレイヤ(プレイヤキャラクタP)の状態(銃型コントローラ308が弾切れとなっている状態、キャラクタが倒れた状態など)を取得し(ステップS31)、ズーム可能な状態かどうかを判断する(ステップS32)。具体的には、銃型コントローラ308が弾切れとなっている状態、プレイヤキャラクタPが倒れた状態などのときにはズーム可能な状態にはないと判断する。
【0090】
ズーム可能な状態の場合、プレイヤがズーム操作を行ったかどうかを判断する(ステップS33)。ここでいうズーム操作とは、銃型コントローラ308の銃口を画面内に向けてから一定時間内(例えば10〜20フレーム内)にペダルスイッチ310,312を踏む操作のことである。この場合のペダルスイッチ310,312の操作はクイックズームに移行するための入力コマンドとして扱われ、プレイヤの横方向への移動等の動作は行わない。また例えば本実施形態の場合には、この一定時間(一定フレーム)を短く設定しておき、かかるクイックズームへの移行を難しくしてプレイヤにある程度の慣れやスキルを要求するものとしている(図38参照)。
【0091】
ズーム操作を行ったと判断したら、敵キャラクタEの例えば腹部に設定されているズームポイントを上述した一人称視点のカメラから観た平面上の2D座標に変換する(ステップS34)。次に、2D座標に変換したズームポイントの位置を中心した一定範囲のエリア(例えば矩形のエリアで、本実施形態ではコリジョンともいう)を作成する(ステップS35)。続いて、照準の位置がこのコリジョン内にあるかどうか判断し(ステップS36)、コリジョン内にあれば照準の位置をズームの中心とし(ステップS37)、その一方でコリジョン内になければ、変換したズームポイントおよび照準を結んだ線分と、当該コリジョンの外周(外枠)との交点をズームの中心とする(ステップS38)。
【0092】
次に、銃型コントローラ308の照準を画面外に向けたかどうかを解除条件の一つとして判断し(ステップS39)、向けていなければズーム処理に移行する(ステップS40)。ズーム処理中は、上述したように攻撃力をアップさせたり特定の場合にヘッドショットを完成させたりといった特典を演出する。ズーム処理後、一定の解除条件(例えばプレイヤが銃型コントローラ308の銃口を画面外に向けたり、遮蔽物Gの崩壊に巻き込まれたりすること)が満たされた場合は最初のステップにループする(ステップS41)。なお、本実施形態では、弾切れや敵キャラクタEの移動をクイックズームの解除条件に含めていない。解除条件を満たしていない場合、一定時間が経過するまでズーム状態を継続させ、一定時間の経過後に最初のステップにループする(ステップS42)。
【0093】
以上がクイックズームの処理手順と内容であるが、引き続き、上述したクイックズームの一例を画像例とともに説明する(図38参照)。まず、遮蔽物Gの陰の隠れ位置にて非射撃姿勢をとっている場合に、銃口を画面に向ける動作をして射撃姿勢に移行し、尚かつこの動作とほぼ同時にペダルスイッチ310,312を踏むことにより、ズーム操作を行ったと判断されてクイックズームに移行することができる。この場合には、上述したノーマルズームのように照準を向けつつ一定時間経過するのを待つことなく即座にズーム処理が開始される。また、本実施形態の場合には、ズーム操作を行ってクイックズームに移行するとプレイヤキャラクタPが遮蔽物Gの陰から低い姿勢で素早く飛び出し銃を構える姿勢(射撃姿勢)をとるという動作を演出している(図38(A)参照)。クイックズームしてからズーム終了までの時間は敵キャラクタEの種類等に応じて異ならせることができるが、例えば本実施形態ではノーマルズームよりも短い時間(例えば数イント〜数十イント)を設定している。
【0094】
以上のようにしてズームし切った場合(図38(B)参照)、本実施形態ではプレイヤに対して以下の利点と欠点を実現させる。具体例を挙げつつ説明すると、利点として攻撃力を2倍とし、さらに後述するヘッドショットを達成した場合には攻撃力を3倍として敵キャラクタEに大きなダメージを与えることができるようにする。一方、欠点として、クイックズーム後に硬直状態を演出し、この硬直状態の間はプレイヤキャラクタPが銃を撃つことができないようにしている(図38(C)参照)。この硬直状態のときは、プレイヤがペダルスイッチ310,312を踏んでもプレイヤキャラクタPは移動しない。したがって、本実施形態のゲーム装置300におけるクイックズームは、ズーム状態でのショットにより大きなダメージを与えうる反面、自己も大きなダメージを負う危険性の高いいわば両刃の剣のような大技であるという特色を出してゲームの興趣性を高めている。なお、クイックズーム後の硬直状態は上述したカメラ硬直ではなく、キャラクタ自身が硬直したように動作できない状態が演出されたものである。
【0095】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0096】
例えばキャラクタ(プレイヤキャラクタP)の移動先の決定後は、ペダルスイッチ310,312を踏み続けていなくても、決定した移動先に向け、決定した移動先に到達するまで所定の速度で移動し続けるようにしてもよい。この場合の移動速度はキャラクタごとの特性(能力値パラメータ)としてされていることが好ましい。
【0097】
また、キャラクタの移動中に、現在移動中の方向と異なる方向への移動指示が入力された場合には、その指示入力があった時点での敵の位置と、入力された方向にある最寄りの遮蔽物(盾オブジェクト)Gとの位置関係に基づいて移動先の再計算や再設定を行うようにしてもよい。
【0098】
また、ペダルスイッチ310,312を「踏みっぱなしにする」結果、「決定した移動先に到達した時点でも同じ方向への移動指示入力が継続している場合」には、その移動先を通過し、さらにその入力した方向にある最寄りの遮蔽物Gに向けて移動を継続させるようにしてもよい。この場合の移動先は、「先に通過した移動先を通過した時点での敵キャラクタEの位置」と、次の遮蔽物Gとの位置関係に基づいて再計算や再設定をすることができる。
【0099】
また、本実施形態では「ヘッドショット」について説明したが、このような部位ダメージについては、「ズームアップ時のみの部位ダメージ制」とすることもできる。
【0100】
また、遮蔽物Gが壊れることによってキャラクタの移動の動機を与えるようにした場合、さらに遮蔽物Gの破壊時に当該遮蔽物Gに隠れていた場合には当該キャラクタにダメージを与えるようにしてもよい。この場合、さらに、「当該時点で隠れている遮蔽物Gに対するダメージ量が所定のしきい値を超えたときに「もうすぐ壊れる」ことを警告する警告表示を行うようにしてもよい。具体的には、警告マークを表示したり、壊れそうになっていることがわかる位置に視点位置を移動させたり、あるいはそのような位置に設定された仮想カメラに視点を切り換えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明はアップライト型の体感ゲーム装置、特に模擬銃を使った模擬シューティングゲーム用の装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】電子遊戯装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態におけるゲーム装置の概略を示すブロック図である。
【図3】図2に示したゲーム装置の詳細なブロック図である。
【図4】仮想銃撃戦が繰り広げられるフィールドの概略を示す図である。
【図5】遮蔽物の背後に隠れた状態でのプレイヤキャラクタの姿勢(攻撃姿勢)と照準位置との関連を示す図である。
【図6】遮蔽物の背後に隠れた状態でのプレイヤキャラクタの姿勢(非攻撃姿勢)と照準位置との関連を示す図である。
【図7】プレイヤによる各ペダルスイッチの操作とプレイヤキャラクタの左右へのに移動動作の関連を示す図である。
【図8】プレイヤキャラクタが遮蔽物の陰に隠れうる位置の例を示す図である。
【図9】遮蔽物の位置に加えて敵キャラクタの位置を考慮し、遮蔽物を挟み当該敵キャラクタの反対側となる位置を移動先として選択する制御について示す図である。
【図10】遮蔽物の中心から一定距離の円周上であって、敵キャラクタの位置と遮蔽物の中心とを結んだ延長線上の位置に移動先を設定する制御について示す図である。
【図11】プレイヤキャラクタのデフォルトの隠れ位置およびその他の隠れ位置の一例を示す図である。
【図12】遮蔽物がドラム缶である場合のプレイヤキャラクタ射撃姿勢と非射撃姿勢の一例を示す図である。
【図13】遮蔽物の位置に加えて敵キャラクタの位置を考慮し、遮蔽物を挟み当該敵キャラクタの反対側となる位置を移動先として選択する制御について示す図である。
【図14】遮蔽物の中心から一定距離の円周上であって、敵キャラクタの位置と遮蔽物の中心とを結んだ延長線上の位置に移動先を設定する制御について示す図である。
【図15】プレイヤキャラクタのデフォルトの隠れ位置およびその他の隠れ位置の一例を示す図である。
【図16】遮蔽物が柱である場合のプレイヤキャラクタ射撃姿勢と非射撃姿勢の一例を示す図である。
【図17】遮蔽物の位置に加えて敵キャラクタの位置を考慮し、遮蔽物を挟み当該敵キャラクタの反対側となる位置を移動先として選択する制御について示す図である。
【図18】遮蔽物の中心から一定距離の円周上であって、敵キャラクタの位置と遮蔽物の中心とを結んだ延長線上の位置に移動先を設定する制御について示す図である。
【図19】プレイヤキャラクタのデフォルトの隠れ位置およびその他の隠れ位置の一例を示す図である。
【図20】遮蔽物が給油機である場合のプレイヤキャラクタ射撃姿勢と非射撃姿勢の一例を示す図である。
【図21】プレイヤキャラクタが移動方向における最寄りの遮蔽物の陰に隠れうる位置に向けて移動する際の動作を示す図である。
【図22】プレイヤキャラクタが反転時に移動方向における最寄りの遮蔽物の陰に隠れうる位置に向けて移動する際の動作を示す図である。
【図23】遮蔽物が移動方向に長い細長形状である場合の移動先の設定例を示す図である。
【図24】遮蔽物が移動方向に長い細長形状である場合に、敵キャラクタの位置と遮蔽物の中心とを結んだ延長線上に移動先を設定した例を示す図である。
【図25】遮蔽物の陰における移動方向に平行な線上であって、敵キャラクタの位置と遮蔽物の中心とを結んだ延長線上の位置に移動先を設定する制御について示す図である。
【図26】プレイヤキャラクタのデフォルトの隠れ位置およびその他の隠れ位置の一例を示す図である。
【図27】遮蔽物が壁である場合のプレイヤキャラクタ射撃姿勢と非射撃姿勢の一例を示す図である。
【図28】プレイヤキャラクタの種々の隠れ位置について説明するための図である。
【図29】細長形状の遮蔽物の場合、デフォルトの隠れ位置を2箇所設定する例を示す図である。
【図30】本実施形態のゲーム装置におけるキャラクタの基本的なアクション(構え分け)を具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明した図である。
【図31】本実施形態のゲーム装置におけるキャラクタの基本的なアクション(駆け抜け)を具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明した図である。
【図32】本実施形態のゲーム装置におけるキャラクタの基本的なアクション(引き返し)を具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明した図である。
【図33】本実施形態のゲーム装置におけるキャラクタの横っ飛び動作および横っ飛びショットについて具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明した図である。
【図34】本実施形態のゲーム装置におけるキャラクタの回避動作について具体的な画面やオブジェクトの例とともに説明した図である。
【図35】ヘッドショット、カウンターショット、よろけ演出の流れと関連を示す図である。
【図36】ノーマルズームの解除条件(リセット条件)を例示した図である。
【図37】ノーマルズームの処理手順と内容を示すための画像例である。
【図38】クイックズームの処理手順と内容を示すための画像例である。
【図39】キャラクタの移動動作の制御を説明するためのフローチャートの一例である。
【図40】ノーマルズームの処理手順を説明するためのフローチャートの一例である。
【図41】クイックズームの処理手順を説明するためのフローチャートの一例である。
【符号の説明】
【0103】
10…CPUブロック、11…ビデオブロック、12…サウンドブロック、100…バスアビータ、101…CPU(制御装置)、102…メインメモリ、103…ROM、107…操作装置、110…VDP、111…グラフィックメモリ、112…ビデオコンバータ、120…サウンドプロセッサ、121…サウンドメモリ、122…D/Aコンバータ、130…通信装置、300…ゲーム装置(電子遊戯装置)、302…第1の筐体、304…第2の筐体、306…モニタ(表示装置)、308…銃型コントローラ(入力装置)、310…ペダルスイッチ(入力装置)、312…ペダルスイッチ(入力装置)、600…プログラムデータ記憶部、602…制御部、604…銃型コントローラの引き金、606…銃照準位置検出部、E…敵キャラクタ(オブジェクト)、G…遮蔽物(盾オブジェクト)、P…プレイヤキャラクタ(オブジェクト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、前記プレイヤキャラクタおよび前記敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとを仮想空間に設定し、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から前記仮想空間内における前記オブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する電子遊戯装置において、
前記プレイヤキャラクタおよび/または前記敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび前記盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する移動制御手段
を備える電子遊戯装置。
【請求項2】
前記移動制御手段は、移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタからの視点から観て当該一方のキャラクタの少なくとも一部が前記盾オブジェクトの背後に隠れる位置に設定するものである請求項1に記載の電子遊戯装置。
【請求項3】
移動指示を受けた一方のキャラクタの移動方向に最も近い前記盾オブジェクトを移動先盾オブジェクトとし、当該移動先盾オブジェクトの背後のいずれかの位置に移動先を設定する請求項2に記載の電子遊戯装置。
【請求項4】
一方のキャラクタが移動指示を受けた場合に、当該移動指示を受けた時点における他方のキャラクタの位置と前記移動先盾オブジェクトの基準点とを結んだ仮想直線上のいずれかの点に当該移動指示を受けたキャラクタの移動先を設定する請求項3に記載の電子遊戯装置。
【請求項5】
模擬銃を利用したガンシューティングゲームであり、前記入力装置として、模擬操作が可能な銃型コントローラと、前記プレイヤキャラクタを一方向および他方向へ移動させる操作が可能な移動指示手段としての左右独立のペダルスイッチと、を備えている請求項1から4のいずれか一項に記載の電子遊戯装置。
【請求項6】
前記銃型コントローラによる照準位置を検出する銃照準位置検出部を備えるとともに、当該銃照準の位置に応じて前記プレイヤキャラクタの移動速度を変化させる請求項5に記載の電子遊戯装置。
【請求項7】
前記プレイヤキャラクタの移動動作中に前記ペダルスイッチから移動方向の逆の移動指示を受けた場合に当該プレイヤキャラクタを反転させ反転方向に移動させるとともに、当該反転後の移動方向に新たな移動先を設定する請求項5に記載の電子遊戯装置。
【請求項8】
前記ペダルスイッチは、所定の条件下でプレイヤによる所定の操作が入力された場合にプレイヤキャラクタに移動動作以外の特殊な動作指示を行う特殊コマンド入力手段としても機能する請求項5から7のいずれか一項に記載の電子遊戯装置。
【請求項9】
仮想空間に設定された複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、前記プレイヤキャラクタおよび前記敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとがあり、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から前記仮想空間内における前記オブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する際、前記オブジェクトのいずれかの移動動作を制御するための電子遊戯用制御方法において、
前記プレイヤキャラクタおよび/または前記敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび前記盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する電子遊戯用制御方法。
【請求項10】
複数のオブジェクトとして、プレイヤの操作に応じて動作するプレイヤキャラクタと、該プレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタと、前記プレイヤキャラクタおよび前記敵キャラクタのそれぞれの移動エリアに配置された複数の盾オブジェクトとを仮想空間に設定し、プレイヤが操作する入力装置からの出力に応じて仮想視点から前記仮想空間内における前記オブジェクトを観た映像を画像処理装置により座標変換して表示装置に表示する電子遊戯装置のコンピュータに、
前記プレイヤキャラクタおよび/または前記敵キャラクタに対する移動指示があった場合に、当該移動指示を受けた一方のキャラクタの移動先を、他方のキャラクタおよび前記盾オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する手順を実行させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2008−93309(P2008−93309A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280777(P2006−280777)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】