説明

電柱切断機吊下げ具

【課題】本願発明は、電柱切断機を電柱の固定する作業に適し、1人の作業員であっても、吊下げ具の固定する作業は勿論のこと、電柱切断機の固定が可能な電柱切断機吊下げ具を提供する。
【解決手段】着脱自在に電柱に捲回する帯状の捲回帯と、前記捲回帯に摺動可能に挿通され硬質材製で断面が略矩形に形成された複数個の摺動リングと、前記摺動リングの上部から電柱の外側に向けて跳ねだした懸吊片から懸吊される帯状の吊下げ帯と、からなり、前記摺動リングの電柱との接触面側には滑り防止用のゴム板が添設され、前記吊下げ帯の先端には、電柱に固定されるリングレールと該リングレールに跨乗して電柱を切断するコンクリートカッターとからなる電柱切断機の該リングレールを挟持する挟持片を具える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリートカッターで立設したままの状態で電柱を切断する電柱切断機を、電柱に仮固定するための電柱切断機吊下げ具に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、先にコンクリートカッターで電柱を切断する電柱切断機を特許出願したが、この電柱切断機は特開2006−316610号公報に公開されている。
【0003】
この電柱切断機は、「人力で持ち運びができ、取り扱いも容易で、かつ、コンクリート片が飛び散るおそれのない電柱切断機を提供する」ことを目的としていて、この目的達成のために、「本願発明に係る電柱切断機は、電柱の表面と略等距離の間隔を隔てて電柱に巻回され固定されるリングレールと、リングレールに跨乗して電柱の周りを周回する周回ブロックと、電柱に対して直径方向に向けて前記周回ブロック上に固定されるラックと、ラック上を前記電柱の直径方向に移動可能な把持部と円盤状のカッターブレードとを有するコンクリートカッターと、からなっていて、カッターブレードを電柱に切り込ませながら電柱周りを周回して切断する」構成としたのである。
【0004】
図8を基に、この電柱切断機を概説する。なお、図8は、特開2006−316610号公報に開示の実施例に係る電柱切断機の斜視図である。
電柱切断機100は、主として、リングレール110、周回ブロック130、ラック150、およびコンクリートカッター160から構成されている。そして、リングレール110は、同一形状のリングレール110aおよびリングレール110bに二分割されていて、湾曲させた帯板112の幅方向の両縁近傍には、上部補強リブ118および下部補強リブ120が帯板112の長さ全体にわたって固着されていて、上部補強リブ118の上側は上部レール114が形成され、下部補強リブ120の下側は下部レール116が形成されている。さらに、帯板112の両端部の上部補強リブ118と下部補強リブ120との間には、接合リブ122、122が固着されていて、接合リブ122、122には、それぞれ上下2箇所に接合ボルト126の貫通孔が穿設され、リングレール110a、110bは、接合ボルト126により接合される。
リングレール110の帯板112には、円周方向に4箇所、かつ、上下2段に調整ボルト124、124、・・・が等間隔に螺着されている。これら8本の調整ボルト124は、リングレール110の内側に向けて出入するようになっていて、電柱70に巻回した状態で、リングレール110aおよびリングレール110bを一体化した後、それぞれの調整ボルト124を電柱70に向けて突出させ、その先端を電柱70に強く当接させることにより、リングレール110は電柱70に巻回された状態で固定される。
【0005】
周回ブロック130は、上面材132と、下面材134と、上面材132と下面材134とを繋ぐつなぎ面材136から構成され、側面から見た形状がコの字状を呈していて、上面材132と下面材134とが上部レール114と下部レール116とを挟み込むようにして、リングレール110上を周回し、ラック150が周回ブロック130に固定され、さらに、ラック150にコンクリートカッター160が設置され、コンクリートカッター160が電柱70の表面に当接してコンクリートカッター160の刃が回転することにより、電柱70が切断されるようになっている。
【0006】
電柱の切断に際しては、電柱切断機100を電柱70にセットしなければならないが、そのためには、まず、リングレール110aあるいはリングレール110bに周回ブロック130を取り付け、その後、リングレール110aおよびリングレール110bを、電柱80に巻回するようにして接合して一体化する必要がある。そして、リングレール110を電柱70に固定するためには少なくとも2人の作業員を必要とする。
【0007】
ところで、電柱作業に際して作業員が使用する工具を電柱から吊下げる道具としては、特開2007−75962号公報に記載の「物品吊下げ具」がある。図9を参照して特開2007−75962号公報に記載の「物品吊下げ具」を概説すると、この物品吊下げ具200は、「作業員の手元近くの場所に、工事に用いる多数の工具や資材を保持することができる物品吊下げ具を提供する。」ことを目的としていて、「外枠220の内側に格子状体230が形成されると共に、工具又は資材を収容する収容手段(収容袋250)が格子状体230内に脱着自在に取り付けられる」構成としたものである。
なお、図9は、特開2007−75962号公報に開示の実施例に係る物品吊下げ具の概略斜視図である。
【特許文献1】特開2006−316610号公報
【特許文献2】特開2007−75962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特開2007−75962号公報に開示の「物品吊下げ具」は、工事に用いる多数の工具や資材を保持するためのもので、片手で保持できるような比較的軽い道具に適したものである。また、仮に、周回ブロックを取り付けたリングレールを「物品吊下げ具」から吊下げるとした場合には、電柱の前側と裏側とに1対の「物品吊下げ具」を取り付けた上、該「物品吊下げ具」からリングレールを吊るための紐や帯を必要とし、「物品吊下げ具」を取り付けた電柱は切断撤去になるため切断する前、すなわち、リングレールを固定した後は直ちに取り外す必要があるが、この「物品吊下げ具」を、取り付けし取り外すことは、1人の作業員では困難である。
【0009】
そこで、本願発明は、電柱切断機を電柱の固定する作業に適し、1人の作業員であっても、吊下げ具の固定する作業は勿論のこと、電柱切断機の固定が可能な電柱切断機吊下げ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る電柱切断機吊下げ具は、着脱自在に電柱に捲回する帯状の捲回帯と、前記捲回帯に摺動可能に挿通され該捲回帯を締付け固定する摺動リングと、前記摺動リングを上部から懸吊する帯状の吊下げ帯と、からなり、前記吊下げ帯の先端には、電柱に捲回され固定される電柱切断機のリングレールを挟持する挟持片が固着されている、ことを特徴とする。
また、本願請求項2に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項1に記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記摺動リングの上部には電柱の外側に延伸する水平部と該水平部から直角または鈍角に折り曲げられて下方に延伸する曲折部からなる懸吊片が固着され、前記吊下げ帯は該懸吊片を介して懸吊される、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項2に記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記吊下げ帯は前記懸吊片に対して着脱自在に係着または掛着される、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項3に記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記吊下げ帯の上端には上部が矩形で下部が円形の鍵穴状の掛止孔が貫設された硬質材製の掛止用平板が固着され、前記摺動リングの懸吊片を形成する曲折部の表面には先端の径が根元の径よりも太くなったきのこ状の雄型掛止子が電柱の外側に向けて突設され、前記雄型掛止子が前記掛止孔に掛着される、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記捲回帯の一端には前記雌型係止リングが固着され、該捲回帯の他端が該雌型係止リングに捲回することにより該捲回帯は電柱に係着されて固定される、ことを特徴としている。
そして、本願請求項6に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記吊下げ帯の挟持片は前記電柱切断機のリングレールの外側を周回する突条の補強リブを挟持することにより、前記吊下げ帯は該電柱切断機を挟持する、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項7に係る電柱切断機吊下げ具は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具であって、前記摺動リングの電柱との接触面側には滑り防止用のゴム板が添設され、前記摺動リングの滑り防止用のゴム板の表面には凹凸加工が施されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明は、上記の構成により、以下の効果を奏する。
(1)本願発明に係る電柱切断機吊下げ具は、着脱自在に電柱に捲回する帯状の捲回帯と該捲回帯に摺動可能に挿通される摺動リングと該摺動リングの上部から懸吊される帯状の吊下げ帯とからなる構成であって、比較的軽く製作することができるので、1人で容易に所持できるばかりでなく、1人で簡単に電柱に取り付けることができる。
(2)硬質の材料で形成された略矩形の摺動リングの電柱の接触面側には滑り防止用のゴム板が添設されるとともに、該摺動リングの上部から帯状の吊下げ帯が懸吊されるので、電柱切断機吊下げ具が電柱切断機のリングレールを吊下げると、該摺動リングにはリングレールの重みで該摺動リングの上部が電柱から離れ下部が電柱を押圧する偶力が働き、滑り防止用のゴム板は電柱に強く押し付けられて大きな摩擦力を得る。そのため、電柱切断機吊下げ具はリングレールを吊下げることにより、より確りと電柱に固定される。
なお、この効果は、摺動リングの上部の懸吊片を介してリングレールを吊下げることにより、より強く発揮されることになる。
(3)吊下げ帯を懸吊片に対して着脱自在とすることにより、電柱切断機吊下げ具は、摺動リングを挿通した捲回帯と複数本の吊下げ帯に簡単に分解することができるので、持ち運びや取り扱いがより容易になる。さらに、懸吊片と吊下げ帯の掛着を、懸吊片のきのこ状の雄型掛着具と吊下げ帯に貫設した鍵穴状の掛着孔とした場合には、懸吊片と吊下げ帯の掛着をきわめて容易にできるとともに確実に掛着することができる。
(4)電柱切断機のリングレールの吊下げをリングレールの突条の補強リブを介して行うことにより、リングレールの吊下げはきわめて容易かつ簡単な作業になる。
(5)複数の吊下げ帯の本数をたとえば3本とした場合には、二つ割にした一方のリングレールを2本の吊下げ帯で吊下げ、他方のリングレールを1本の吊下げ帯で吊下げることにより、一方のリングレールはそれ程ブレることなく吊下げられ、他方のリングレールはある程度のブレを許された状態で吊下げられるので、二つ割にしたリングレール同士の接合はきわめて容易となり、リングレール同士の接合作業は短時間で済むことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図7に基づいて説明する。なお、図1は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具の全体斜視図であり、図2は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具の主要構成図であり、図3は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される吊下げ帯の詳細図であって、図3(a)は、吊下げ帯の上部正面詳細図、図3(b)は、吊下げ帯の下部正面詳細図、図3(c)は、吊下げ帯の上部側面詳細図、図3(d)は、吊下げ帯の下部側面詳細図であり、図4は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される吊下げ帯の使用時の側面詳細図であり、図5は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される摺動リングの詳細図であって、図5(a)は、摺動リングの側面図、図5(b)は、摺動リングの正面図であり、図6は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具が電柱切断機の一方のリングレールを吊下げている図であり、図7は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具が電柱切断機のリングレールを吊下げている図である。
【0013】
図1ないし図7において、符号1は実施例に係る電柱切断機吊下げ具、符号10は捲回帯、符号11は捲回帯本体、符号13は雌型係止リング、符号30は摺動リング、符号31は摺動リング本体、符号33は滑り防止用のゴム板、符号35は懸吊片、符号37は雄型掛止子、符号50は吊下げ帯、符号51は吊下げ帯本体、符号53は掛止用平板、符号55は掛止孔、符号57は挟持片、符号59は挟持部、符号61は挟持ボルト、符号63は固着板、符号70は電柱、である。なお、図8に基づいて説明した電柱切断機については、図6および図7においても、同一の符号を付している。
【0014】
実施例に係る電柱切断機吊下げ具1は、主に、電柱70を捲回する捲回帯10と、捲回帯10に摺動可能に挿通される硬質材製の4個の摺動リング30、30、・・・と、4個の摺動リング30のそれぞれから懸吊される4本の吊下げ帯50、50、・・・と、から構成されている。
【0015】
捲回帯10は、捲回帯本体11と、捲回帯本体11の一端に固着された雌型係止リング13とから構成され、雌型係止リング13は矩形のリングと、この矩形のリングの上辺と下辺に掛け渡されて摺動する連結棒とからなっている。そして、電柱70に捲回帯10を捲回するときは、捲回帯本体11の雌型係止リング13とは反対側の先端を、雌型係止リング13の連結棒の捲回帯本体11側に通して電柱70の外側に引き出し、その後、捲回帯本体11の先端を雌型係止リング13の矩形のリングの右辺の電柱70側に通して引っ張ることにより、雌型係止リング13の連結棒は雌型係止リング13の矩形のリングの右辺側に寄せられて、捲回帯10は電柱70に確実に捲回して固定される。
なお、雌型係止リング13の矩形のリングの上下左右とは、捲回帯10を電柱70に捲回したときの正面から見た方向をいう。
【0016】
摺動リング30は、断面が略矩形のリング状に形成された摺動リング本体31と、摺動リング本体31の電柱70側の面に添着される滑り防止用のゴム板33と、摺動リング本体31の上端から電柱70の外側に向けて略水平に延伸する水平部とこの水平部から鈍角に下方に折り曲げられた曲折部からなる懸吊片35と、懸吊片35の曲折部の表面から略直角に電柱70の外側に向けて延伸し先端の径が根元の径よりも太くなったきのこ状の雄型掛止子37と、から構成されている。
【0017】
摺動リング本体31は捲回帯本体11を緩やかに囲繞していて、それほどの力を要することなく捲回帯本体11を摺動することができるようになっている。実施例では、摺動リング本体31を構成する電柱70側の面と懸吊片35とが一体成形されていて、電柱70側の面に側面から見た形状がコの字に折り曲げられた板が固着されて、摺動リング本体31が形成されている。
なお、摺動リング本体31、懸吊片35および雄型掛止子37は、いずれも硬質の材料、たとえば、鉄やアルミニュームおよびその合金等の金属材料、アクリル樹脂等の硬質合成樹脂材料で作られている。
【0018】
摺動リング本体31の電柱70側の面には、滑り防止用のゴム板33が添設され、滑り防止用のゴム板33の表面、すなわち電柱70側との接触面は摩擦係数を大きくするための溝が水平方向に複数本彫られている。
【0019】
吊下げ帯50は、帯状の吊下げ帯本体51と、吊下げ帯本体51の一端に固着された平板状の掛止用平板53と、吊下げ帯本体51の他端に固着された挟持片57と、から構成されていて、掛止用平板53および挟持片57は、いずれも硬質の材料、たとえば、鉄やアルミニュームおよびその合金等の金属材料、アクリル樹脂等の硬質合成樹脂材料で作られている。
【0020】
吊下げ帯50を、掛止用平板53を上にしてぶら下げたときに、掛止用平板53には上部が矩形で下部が円形の鍵穴状の掛止孔55が貫設されていて、懸吊片35の曲折部から突設される雄型掛止子37の先端が掛止孔55の円形の孔から挿入され、吊下げ帯50を下に引くことにより雄型掛止子37が掛止孔55の矩形の孔に掛止するようになっている。
【0021】
吊下げ帯本体51の他端に固着される挟持片57は、側面から見た形状がコの字状の挟持部59と、挟持部59の下部に螺刻された螺入孔に上下方向に螺入される挟持ボルト61と、挟持部59と吊下げ帯本体51の他端に介在して吊下げ帯本体51に挟持片57を固着させる平板状の固着板63と、から構成されていて、電柱切断機100のリングレール100の補強リブ118を、挟持部59と挟持ボルト61とで上下から挟み込んで、リングレール100を挟持するようになっている。
【0022】
ここで、電柱切断機吊下げ具1の使用例を説明しながら、電柱切断機吊下げ具1の作用について説明する。
【0023】
(1)電柱70の切断位置から所定距離隔てた位置に、4個の摺動リング30を挿通した捲回帯10を捲回させて固定させる。この所定距離とは、電柱切断機吊下げ具1で電柱切断機100のリングレール100を吊下げたときに、コンクリートカッター160の刃が電柱70の切断位置となる距離である。
また、捲回帯10を電柱70に捲回させる際には、4個の摺動リング30のうち、3個の摺動リング30が二分割された一方のリングレール100aを吊り下げるに適した位置とする。
【0024】
(2)4個の摺動リング30のそれぞれに吊下げ帯50をぶら下げる。この際、吊下げ帯50の挟持片57のコの字の開放部画電柱70に向くようにする。
【0025】
(3)リングレール110aの補強リブ118を挟持片57で挟持し、挟持片57を介して3本の吊下げ帯50で吊下げる。リングレール100aを吊下げることにより、図4に示すように摺動リング30には、右回りの偶力Tが働き、滑り防止用のゴム板33の下部は電柱70に強く押し付けられて大きな摩擦力を得る。そのため、電柱切断機吊下げ具1で吊下げられたリングレール100aは、所定の位置を保持して懸吊される。
【0026】
(4)4本の吊下げ帯50の残りの1本の吊下げ帯50に、上記手順(2)と同様にして二分割された他方のリングレール110bを吊下げる。このリングレール100bも所定の位置を保持して懸吊されるが、1本の吊下げ帯50により吊下げられているため、リングレール110bの両端部は上下方向に簡単振ることができる。
【0027】
(5)懸吊されるリングレール100bの接合リブ122の貫通孔とリングレール100aの接合リブ122の貫通孔とを合わせ、接合ボルト126でリングレール100bとリングレール100aとを接合する。その後、8本の調整ボルト124を電柱70に向けて突出させ、その先端を電柱70に強く当接させて、リングレール110を電柱70に固定する。
【0028】
(6)リングレール110を電柱70に固定した後、挟持片57の挟持ボルト61を緩めてリングレール100の挟持状態を解除し、捲回帯10を電柱70から外すことにより、電柱切断機吊下げ具1が電柱70から取り外される。
以上の手順により電柱切断機吊下げ具1が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具の全体斜視図である。
【図2】図2は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具の主要構成図である。
【図3】図3は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される吊下げ帯の詳細図であって、図3(a)は、吊下げ帯の上部正面詳細図、図3(b)は、吊下げ帯の下部正面詳細図、図3(c)は、吊下げ帯の上部側面詳細図、図3(d)は、吊下げ帯の下部側面詳細図である。
【図4】図4は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される吊下げ帯の使用時の側面詳細図である。
【図5】図5は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具に使用される摺動リングの詳細図であって、図5(a)は、摺動リングの側面図、図5(b)は、摺動リングの正面図であり、図5は、実施例2の貨物ポンプ装置に係るに係る船倉の横置断面図である。
【図6】図6は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具が電柱切断機の一方のリングレールを吊下げている図である。
【図7】図7は、実施例に係る電柱切断機吊下げ具が電柱切断機のリングレールを吊下げている図である。
【図8】図8は、特開2006−316610号公報に開示の実施例に係る電柱切断機の斜視図である。
【図9】図9は、特開2007−75962号公報に開示の実施例に係る物品吊下げ具の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 実施例に係る電柱切断機吊下げ具
10 捲回帯
13 雌型係止リング
30 摺動リング
33 滑り防止用のゴム板
35 懸吊片
37 雄型掛止子
50 吊下げ帯
53 掛止用平板
55 掛止孔
57 挟持片
70 電柱
100 電柱切断機
110 リングレール
118 補強リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱自在に電柱に捲回する帯状の捲回帯と、
前記捲回帯に摺動可能に挿通され該捲回帯を締付け固定する摺動リングと、
前記摺動リングを上部から懸吊する帯状の吊下げ帯と、からなり、
前記吊下げ帯の先端には、電柱に捲回され固定される電柱切断機のリングレールを挟持する挟持片が固着されている、ことを特徴とする電柱切断機吊下げ具。
【請求項2】
前記摺動リングの上部には電柱の外側に延伸する水平部と該水平部から直角または鈍角に折り曲げられて下方に延伸する曲折部からなる懸吊片が固着され、前記吊下げ帯は該懸吊片を介して懸吊される、ことを特徴とする請求項1に記載の電柱切断機吊下げ具。
【請求項3】
前記吊下げ帯は前記懸吊片に対して着脱自在に係着または掛着される、ことを特徴とする請求項2に記載の電柱切断機吊下げ具。
【請求項4】
前記吊下げ帯の上端には上部が矩形で下部が円形の鍵穴状の掛止孔が貫設された硬質材製の掛止用平板が固着され、
前記摺動リングの懸吊片を形成する曲折部の表面には先端の径が根元の径よりも太くなったきのこ状の雄型掛止子が電柱の外側に向けて突設され、
前記雄型掛止子が前記掛止孔に掛着される、ことを特徴とする請求項3に記載の電柱切断機吊下げ具。
【請求項5】
前記捲回帯の一端には雌型係止リングが固着され、該捲回帯の他端が該雌型係止リングに捲回することにより該捲回帯は電柱に係着されて固定される、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具。
【請求項6】
前記吊下げ帯の挟持片は前記電柱切断機のリングレールの外側を周回する突条の補強リブを挟持することにより、前記吊下げ帯は該電柱切断機を挟持する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具。
【請求項7】
前記摺動リングの電柱との接触面側には滑り防止用のゴム板が添設され、前記摺動リングの滑り防止用のゴム板の表面には凹凸加工が施されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電柱切断機吊下げ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−84819(P2009−84819A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253444(P2007−253444)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(591177015)和興エンジニアリング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】