説明

電気コネクタ

【課題】簡易な構成によって、コネクタ本体部11の内部に挿入された信号伝送媒体PBの保持及び離脱を良好に行わせることを可能とする。
【解決手段】コネクタ本体部11の内部に挿入した信号伝送媒体PBを保持するロック部材14を、コネクタ本体部14の立上り側の端部に配置した揺動支点Pから片持ち状に延出する弾性変位可能なロックアーム部材14aの一部に設け、ロック部材14による信号伝送媒体PBの保持状態をロックアーム部材14aの弾性作用で良好に維持する一方、ロック部材14に対する解除動作を比較的小さな操作力で容易に行わせ、また信号伝送媒体PBが挿入又は抜去される際にロック部材14からロックアーム部材14aへ伝達される負荷をコネクタ本体部11の立上り側の端部に受けて回路配線基板側への直接的な負荷を軽減する構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ本体部の内部に挿入された信号伝送媒体をロック部材により保持するように構成された電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の電気機器等において、フレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブルプリント基板(FPC)などの信号伝送媒体を、回路配線基板に対して電気的に接続するための電気コネクタが広く採用されている。この電気コネクタは、例えば回路配線基板に接合される基板接続脚部(ホールドダウン)を介して回路配線基板の表面からコネクタ本体部が上方に向かって立ち上がるように実装され、当該電気コネクタのコネクタ本体部の上端部に設けられた挿入開口部から信号伝送媒体が内方に向かって挿入されることにより電気的な接続を行うようにしたものである。
【0003】
このようにして電気コネクタの内部に挿入される信号伝送媒体における挿入側の端末部分には、例えば切り欠き状の凹部からなる位置決め部が形成されており、その信号伝送媒体側に設けられた位置決め部に、電気コネクタ側に設けられたロック部材が係合することによって、当該信号伝送媒体の挿入状態が保持される構成になされている。例えば、下記の特許文献1においては、コネクタ本体部の内部に保持されたコンタクト群と信号伝送媒体(FPC/FFC)との接触圧力を得るためのスライダを使用しないことを目的として、小さい接触荷重でも信号伝送媒体の脱落を防止するようにロックレバーを軸着した構成が採用されている。
【0004】
しかしながら、この場合、コネクタ本体部に設けられたロック部材が別部材により成形されていることから、部品点数の増大等によってコネクタ全体が高価になる傾向がある。また、ロック部材の自重によって信号伝送媒体側へ係合する構成になされているため、信号伝送媒体に対する保持力が十分に得られないという問題がある。
【0005】
さらに、下記の特許文献2に記載された他の電気コネクタでは、ハウジングの両端に取付けられて回路配線基板に半田付けされる補強金具に、信号伝送媒体(FPC/FFC)を弾性的に押圧して支持する弾性支持片が設けられていることで、信号伝送媒体の位置ずれ等を防止することができるようにしている。しかしながら、弾性支持片による押圧力の作用方向と補強金具の半田付け部とが位置ずれの関係にあることから、ロック部材の解除操作を何度も繰り返すと、コネクタ本体部に継続的に付加される解除操作力によって、コネクタ本体部の実装状態等への影響が発生し、電気的な接続が不安定になるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−196130号公報
【特許文献2】特開2003−100370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、簡易な構成で、コネクタ本体部の内部に挿入された信号伝送媒体の保持及び離脱を良好に行わせることが出来るようにした電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明にかかる電気コネクタでは、コネクタ本体部が、回路配線基板に接合される基板接続脚部を介して前記回路配線基板の表面に実装されるものであって、前記コネクタ本体部の一端部に設けられた挿入開口部から当該コネクタ本体部の内部に信号伝送媒体を挿入し、そのコネクタ本体部の内部に挿入した前記信号伝送媒体の一部にロック部材を係合させて当該信号伝送媒体の挿入状態を保持することにより、前記信号伝送媒体を前記回路配線基板に電気的に接続する構成になされた電気コネクタにおいて、前記ロック部材が、前記コネクタ本体部の一端部に配置された揺動支点から片持ち状に延出する弾性変位可能なロックアーム部材の一部に設けられたものであって、前記ロックアーム部材の弾性力により前記信号伝送媒体に対して前記ロック部材を係合させる構成が採用されている。
【0009】
このような構成によれば、ロック部材による信号伝送媒体の保持状態が、揺動部材からなるロックアーム部材の弾性作用によって良好に維持される一方、ロックアーム部材は、揺動支点が設けられたコネクタ本体部の一端部から揺動側のロック部材まで延在し、比較的長尺状の揺動半径を有することから、信号伝送媒体の保持を行っているロック部材に対する解除動作が比較的小さな操作力で容易に行われる。
また、ロックアーム部材の揺動支点が、コネクタ本体部の一端部に配置されていることから、信号伝送媒体が挿入又は抜去される際にロック部材からロックアーム部材へ伝達される負荷が、コネクタ本体部の一端部に受けられることとなって、基板接続脚部が接続される回路配線基板側への直接的な負荷が軽減され、特に回路配線基板が薄かったり保持部材が無いことなどで回路配線基板の剛性が不足している場合における損傷等のおそれが回避される。従って、ロック部材の解除操作を多数回にわたって繰り返した場合にも、コネクタ本体部の実装状態等に対する影響が低減され、電気的な接続状態が長期にわたって安定的に維持される。
【0010】
また、本発明においては、前記コネクタ本体部に、前記信号伝送媒体から前記ロック部材を離脱させるロック解除機構が設けられ、前記ロック解除機構は、前記ロックアーム部材の揺動平面と略直交する平面内において揺動するロック解除アーム部材を有し、そのロック解除アーム部材の揺動により前記ロックアームを揺動させて前記信号伝送媒体から前記ロック部材を離脱させるように構成されていることが望ましい。例えば、前記コネクタ本体部が、回路配線基板の表面から立ち上がるように実装されたものであって、そのコネクタ本体部における立ち上がり側の端部から前記ロックアーム部材が前記回路配線基板に向かって立ち下がるように延在しているとともに、前記ロック解除アーム部材は、前記コネクタ本体部を構成する絶縁ハウジングの内壁面から片持ち状をなして一体的に延出するように形成され、そのロック解除アーム部材が、前記回路配線基板と略平行な平面方向に延在していることが望ましい。
【0011】
このような構成によれば、ロック部材を信号伝送媒体から離脱させるロック解除操作を行う際に、そのロック解除操作に伴うロック解除アーム部材の揺動平面が、例えば回路配線基板と略平行な平面のようなロックアーム部材の揺動平面と略直交する平面に設定されていることから、ロック部材の解除操作力が、ロックアーム部材及びロック部材に対して直接的に負荷されることがなくなり、回路配線基板側への直接的な負荷が一層軽減される。
また、前記構成によれば、ロック部材を信号伝送媒体から離脱させるロック解除操作を行う際に、そのロック解除操作における押圧方向が回路配線基板と略平行な方向になるため、回路配線基板側へ負荷が及ぼされることがなくなる。
さらに、コネクタ本体部の挿入開口部に信号伝送媒体を挿入するにあたって、コネクタ本体部の挿入開口部と信号伝送媒体との位置関係が上方側から容易に観察されることとなり、信号伝送媒体の挿入動作が容易かつ正確に行われるとともに、信号伝送媒体の挿入後の状態が良好に確保される。
【0012】
また、本発明における前記ロック解除アーム部材には、当該ロック解除アーム部材に揺動力を付加させる解除操作部が付設され、その解除操作部が、前記コネクタ本体部の外方に突出するように配置されていることが望ましい。
【0013】
このような構成によれば、ロック部材を信号伝送媒体から離脱させる際に、解除操作部に対する操作が容易に行われる。
【0014】
また、本発明における前記絶縁ハウジングには、前記ロック解除アーム部材又は解除操作部の移動範囲を規制するロック解除移動規制部材が設けられていることが望ましい。
【0015】
このような構成によれば、ロック部材を信号伝送媒体から離脱させる際における解除操作やその他の操作が安全に行われ、ロック解除機構やコネクタ本体部の破損や損傷が防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように本発明にかかる電気コネクタは、コネクタ本体部の一端部に設けられた挿入開口部から挿入した信号伝送媒体の挿入状態を保持するロック部材を、コネクタ本体部の一端部に配置した揺動支点から回路配線基板側に向かって片持ち状に延出する弾性変位可能なロックアーム部材の一部に設け、ロックアーム部材の弾性力により信号伝送媒体にロック部材を係合させる構成によって、ロック部材による信号伝送媒体の保持状態をロックアーム部材の弾性作用によって良好に維持する一方、ロック部材に対する解除動作を比較的小さな操作力で容易に行わせ、また信号伝送媒体が挿入又は抜去される際にロック部材からロックアーム部材へ伝達される負荷をコネクタ本体部の一端部に受けて回路配線基板側への直接的な負荷を軽減し、回路配線基板における損傷等のおそれを回避するとともに、電気的な接続状態を低廉かつ長期安定的に維持する構成としたものであるから、簡易な構成で、コネクタ本体部の内部に挿入された信号伝送媒体の保持及び離脱を良好に行わせることが出来、電気コネクタの信頼性を低廉かつ大幅に高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電気コネクタ単体の構造を正面側から表した外観斜視説明図である。
【図2】図1に表された電気コネクタを背面側から見た外観斜視説明図である。
【図3】図1及び図2に表された電気コネクタに用いられている絶縁ハウジングを正面側から見た外観斜視説明図である。
【図4】図3に表された絶縁ハウジングを背面側から見た外観斜視説明図である。
【図5】図2中のi−i線に沿った絶縁ハウジングの横断面を表した斜視説明図である。
【図6】図5の状態から絶縁ハウジングを取り除いたホールドダウン単体の外観斜視図である。
【図7】図1及び図2に表された電気コネクタの平面説明図である。
【図8】図7に表された状態から操作解除部を操作(押圧)した状態を示した平面説明図である。
【図9】操作解除部による操作状態を表したものであって、(A)は 図7中のii−ii線に沿った横断面説明図、(B)は 図8中の v−v 線に沿った横断面説明図である。
【図10】操作解除部による操作状態を表したものであって、(A)は 図7中のiii−iii線に沿った横断面説明図、(B)は 図8中の vi−vi 線に沿った横断面説明図である。
【図11】操作解除部による操作状態を表したものであって、(A)は 図7中のiv−iv 線に沿った横断面説明図、(B)は 図8中の vii−vii 線に沿った横断面説明図である。
【図12】図15中の viii−viii 線に沿った断面形状を表したものであって、(A)は ロック部材を除いて切断した状態の横断面斜視説明図、(B)は(A)の状態から絶縁ハウジングを取り去ったホールドダウン単体の横断面斜視説明図である。
【図13】図8中の vi−vi 線に沿った断面形状を表したものであって、(A)は ロック部材を除いて切断した状態の横断面説明図、(B)は(A)の状態から絶縁ハウジングを取り去ったホールドダウン単体の横断面説明図である。
【図14】図13の底面を示したものであって、(A)は ロック部材を除いて切断した底面説明図、(B)は(A)の状態から絶縁ハウジングを取り去ったホールドダウン単体の底面説明図である。
【図15】図1及び図2に表された電気コネクタに信号伝送媒体(FFC)を挿入する前の状態を示した外観斜視説明図である。
【図16】図15の状態から信号伝送媒体(FFC)の挿入を完了した状態を示したす外観斜視説明図である。
【図17】図15に表された信号伝送媒体(FFC)の位置決め部が設けられた位置の断面形状を示したものであって、(A)は 信号伝送媒体(FFC)を挿入する前の状態を示した横断面説明図、(B)は 信号伝送媒体(FFC)を挿入する途中の状態を示した横断面説明図、(C) は 信号伝送媒体(FFC)の挿入を完了した状態を示した横断面説明図である。
【図18】図1及び図2に表された電気コネクタに用いられている絶縁ハウジングを背面下方側から見た部分視説明図である。
【図19】図18に表された絶縁ハウジングを背面上方側から見た部分視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を電気コネクタに適用した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
[電気コネクタの全体構造について]
図1〜図19に示されている本発明の一実施形態にかかる電気コネクタ1は、電気製品側の電子回路の一部を構成する回路配線基板(図示省略)に実装される電気コネクタからなるものであって、当該電気コネクタ1は、略水平に配置された回路配線基板の表面に対して垂直方向に立ち上がるように配置されるコネクタ本体部11を有している。そのコネクタ本体部11は、回路配線基板の表面に沿って細長状に延在する絶縁ハウジング11aを備えている。
【0020】
以下においては、回路配線基板(図示省略)の表面が水平状態にて延在しているものとし、その回路配線基板の表面からコネクタ本体部11が立ち上がる方向を「上方向」、コネクタ本体部11の立ち上がり方向と反対の方向を「下方向」とする。また、コネクタ本体部11を構成する絶縁ハウジング11aの細長状の延在方向を「コネクタ長手方向」とし、当該「コネクタ長手方向」及び「上下方向」の双方向に直交する方向を「前後方向」とする。
【0021】
上述した絶縁ハウジング11aの立上り側の一端部である上端面には、後述するフレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブルプリント基板(FPC)などの信号伝送媒体PBが挿入される挿入開口部11bが、コネクタ長手方向に沿って細長スリット状をなすように形成されている。この挿入開口部11bは、絶縁ハウジング11aの内部下方に向かって延出して信号伝送媒体PBの端末部分を受け入れる中空状の空間を形成している。そして、例えば図15に示されているように、挿入開口部11bの上方位置に信号伝送媒体PBの端末部分が、前記回路配線基板(図示省略)の表面に略直交するように下方向へ向けて立てられた状態に配置され、その状態で下降移動されることによって、図16のように信号伝送媒体PBの端末部分が、前記挿入開口部11bを通して電気コネクタ1の中空内部に挿入されるようになっている。
【0022】
このような信号伝送媒体PBの上方側からの挿入構造によれば、コネクタ本体部11の挿入開口部11bに信号伝送媒体PBを挿入するにあたって、当該挿入開口部11bと信号伝送媒体PBとの位置関係が上方側から容易に観察されることとなり、信号伝送媒体PBの挿入動作が容易かつ正確に行われるとともに、信号伝送媒体PBの挿入後の状態が良好に確保される。
【0023】
[絶縁ハウジング及び導電コンタクトについて]
上述したようにフレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブルプリント基板(FPC)などの信号伝送媒体PBの端末部分が挿入される絶縁ハウジング11aの中空内部には、特に図9に示されているように、導電コンタクト(導電端子)12が、上下方向に延在するように配置されている。当該導電コンタクト12は、前記絶縁ハウジング11aのコネクタ長手方向に沿って多数のものが所定のピッチ間隔をなして多極状に取り付けられていて、前記絶縁ハウジング11aの中空内部に配置された可撓性ビーム部12aを有しているとともに、その可撓性ビーム部12aの下端部分に、回路配線基板(図示省略)に接触する接続端子部12bを備えている。
【0024】
各導電コンタクト12の下端部分に設けられた接続端子部12bは、後方側(図9の右方側)に向かって延出して絶縁ハウジング11aの外方に突出しており、その突出側の先端部分(後端部分)が、回路配線基板(図示省略)の表面に形成された導電路(図示省略)に対して半田接合されるようになっている。また、その接続端子部12bの半田接合部分と反対側の内端側部分からは、上述した可撓性ビーム部12aが、略直角上方に折れ曲がって片持ち状に延びている。この可撓性ビーム部12aは、絶縁ハウジング11aの中空内部に沿って上方に立ち上がるように延在しており、当該可撓性ビーム部12aの上方側部分に、信号伝送媒体PBの端末部に設けられた端子部PB2(図15参照)に接触する接点部12cが形成されている。
【0025】
[ホールドダウンについて]
さらに、上述した絶縁ハウジング11aにおけるコネクタ長手方向の両端部分には、薄板状の金属部材を折り曲げ成形した一対のホールドダウン13,13が設けられている。それらの各ホールドダウン13は、絶縁ハウジング11aのコネクタ長手方向における両端部分を外方側から平面略コの字状に取り囲む基枠板13aを有していて、その基枠板13aの下端縁部における正面部分及び背面部分に、前後方向にそれぞれ突出する一対の基板接続脚部13b,13bが設けられているとともに、当該基枠板13aの下端縁部における側面部分に、コネクタ長手方向の外方側に突出する一体の基板接続脚部13cが設けられている。
【0026】
それらの各基板接続脚部13b,13b,13cは、上述した基枠板13aの下端縁部から外方に突出する板状部材からなり、その先端側部分が略水平に延出するように形成されていて、これら基板接続脚部13b,13b,13cの延出側先端部分が、上述した回路配線基板(図示省略)の表面上に形成された接続部(図示省略)に半田接合され、それによって、電気コネクタ1の全体が回路配線基板上に固定されるようになっている。
【0027】
一方、上述した基枠板13aの上端縁部分には、複数の板状係止部13dが上方に突出するようにそれぞれ形成されており、それらの各板状係止部13dが、絶縁ハウジング11aの内部に圧入されることによってホールドダウン13の全体が絶縁ハウジング11aに固定されるようになっている。
【0028】
[信号伝送媒体について]
次に、前述したようにしてコネクタ本体部11の内部に挿入される信号伝送媒体PBの端末部分においては、特に図15に示されているように、先端側露出部分に前記導電コンタクト12に対応して幅方向に所定のピッチ間隔をなして端子部PB2が形成されているとともに、幅方向両側の端縁部分に、切り欠き状の凹部からなる位置決め部PB1が形成されている。この信号伝送媒体PBに設けられた位置決め部PB1に対しては、電気コネクタ1の内部に信号伝送媒体PBが差し込まれた際に、その電気コネクタ1側に設けられたロック部材14が係合するように構成されており、そのようなロック部材14の係合によって信号伝送媒体PBの挿入状態が保持されるようになっている。
【0029】
[ロック部材について]
このときのロック部材14は、上述したコネクタ長手方向の両端部分に配置されたホールドダウン13と一体的に形成されており、弾性変位可能に設けられたビーム状部材からなるロックアーム部材14aの一部に設けられている。そのロックアーム部材14aは、コネクタ本体部11の正面側の立上り端部から二股状をなすように延出しており、上述した基枠板13aが挿入開口部11bの近傍まで延出している上端縁部から、コネクタ内方側に向かって湾曲状に折れ曲がって下方側に折り返すように延出している。このロックアーム部材14aの上端部分に設けられた下方側折り返し部分は、当該ロックアーム部材14aの揺動支点Pになされており、その上端側の揺動支点Pから下方向に向かって片持ち状に延出する弾性変位可能な揺動部材としてロックアーム部材14aが形成されている。そのロックアーム部材14aの揺動側部分である下端側部分には、上述したロック部材14が設けられている。
【0030】
このとき、上述したロックアーム部材14aの上端側揺動支点Pを含む下方側折り返し部分は、当該ロックアーム部材14aの可撓性及び剛性の双方を良好に確保するためにコネクタ長手方向において二箇所の折り返し部分に分離された構成になされている。このようにロックアーム部材14aの上端側基端部分(下方側折り返し部分)を二股状に構成した理由は、ロック部材14とロック解除部14bとがロックアーム部材14aの幅方向に位置ずれしていることにある。すなわち、まずロックアーム部材14aの上端側基端部分を二股状ではなく、一体連続状のものとした場合には、その一体連続状とした部位の剛性が大きくなり過ぎてロックアーム部材14aの可撓性が十分に得られなくなる。また、その一体連続状とした上端側基端部分における幅寸法を縮小し、それによってロックアーム部材14aの可撓性を確保しようとすると、捻り剛性の点において問題となる。つまり、上述したようにロック部材14とロック解除部14bとの位置が幅方向にずれていることから、信号伝送媒体PBの挿入時や、挿入後の保持状態にある信号伝送媒体PBを無理に引き抜こうとする際にロック部材14に付加される力で、ロックアーム部材14aに捻り方向の塑性変形が発生してしまうおそれがあるからである。従って、本実施形態のようにロックアーム部材14aの上端側基端部分(下方側折り返し部分)を二股構造とすれば、ロックアーム部材14aの可撓性を良好に維持しつつロック部材14への負荷に対する必要な剛性が同時に得られる。
【0031】
さらに、その上端側の基端部分において二股状をなすように形成されたロックアーム部材14aは、上述した揺動支点Pから所定量だけ下方に延出した部位において一体的に連結されており、その一体化された連結部位におけるコネクタ長手方向の内側(コネクタ中心側)の側縁部に、上述したロック部材14が設けられているとともに、コネクタ長手方向の外側(コネクタ外端側)の下端部分に、後述するロック解除部14bが設けられている。
【0032】
そのうちのロック部材14は、略三角形状のフック状部材から形成されていて、上述したようにロックアーム部材14aの側縁部から絶縁ハウジング11aの中空内部に向かって略直角に折れ曲がるように突出している。そして、このロック部材14の外形状を構成している三角形の底辺に相当する下端縁が係合辺になされており、前述した信号伝送媒体PBに設けられた位置決め部PB1の内周縁部に対して係合可能となるように構成されている。また、そのロック部材14の係合辺の突出側部分に設けられた頂部からは、上述した信号伝送媒体PBの位置決め部PB1に対する案内機能を有する案内辺が上方側に向かって傾斜面状をなすように延出している。
【0033】
[ロック解除機構について]
さらに、そのロック部材14のコネクタ外方側には、ロック解除部14bが隣接するように配置されている。このロック解除部14bは、上述したロックアーム部材14aの下端部から側面略L字状をなすようにして後方側に突出する板状部材から形成されており、その突出側の先端部から上方に向かって略直角に立ち上がるようにして被押圧面が形成されている。そして、そのロック解除部14bの被押圧面に対して、次に説明するロック解除機構15に設けられた解除作用部15bが押し込むように当接し、その押し込み作用力によって、ロックアーム部材14aとともにロック部材14が正面側に撓むように弾性変位される構成になされている。
【0034】
すなわち、そのロック解除機構15は、信号伝送媒体PBの位置決め部PB1から上述したロック部材14を離脱させる機能を有するものであって、前述したコネクタ本体部11を構成する絶縁ハウジング11aのコネクタ長手方向の両端部分に配置され、絶縁ハウジング11aと一体的に形成されたロック解除アーム部材15aの一部に解除作用部15bが設けられている。
【0035】
ロック解除アーム部材15aは、特に図18及び図14に示されているように、絶縁ハウジング11aにおける前方側の壁面に設けられた揺動支点Qから後方側に向かって片持ち状に一体的に延出する揺動部材から形成されており、そのロック解除アーム部材15aを構成している揺動部材は、上述したロックアーム部材14aの略鉛直の揺動平面と直交する揺動平面、より具体的には略水平(電気コネクタ1が実装される回路配線基板に平行な方向)に延在する揺動平面内において弾性変位可能に延在する板状部材から形成されている。
【0036】
また、上述した解除作用部15bは、ロック解除アーム部材15aにおける揺動側の先端部分(後端部分)に連接されており、その連接部分からコネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)に向かって略水平に延出する板状部材から形成されている。そして、この解除作用部15bにおけるコネクタ中心側の端縁部には、水平断面が略円弧状をなすように形成された当接部15cが突設されている。この当接部15cは、凸形状をなすように形成されており、前述したロック解除部14bの立ち上がり被押圧面に対して、後方側から当接可能となるように配置されている。
【0037】
さらに、上述した解除作用部15bには、コネクタ長手方向の外端側(コネクタ外端側)に解除操作部15dが一体的に設けられている。この解除操作部15dは、前述したホールドダウン13から外方側に突出して露出するように配置されており、組立て作業者の指先で略水平(電気コネクタ1が実装される回路配線基板に平行)な方向で、コネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)への操作力が付加可能となるような操作面が設けられている。この解除操作部15dに対して、組立て作業者の操作力が何ら付加されない場合には、上述したロック解除機構15の当接部15cがロック解除部14bに対して接する状態にあり、ロックアーム部材14aに対して作用力が付加されることがない。そのため、上述したロック部材14は、ロックアーム部材14aの弾性力によって初期状態に維持され、そのようにロックアーム部材14a及びロック部材14が初期状態に維持されることによって、電気コネクタ1の内部に差し込まれた信号伝送媒体PBの位置決め部PB1に対して、ロック部材14が係合される状態となる。
【0038】
すなわち、図17(A)に示されているように、コネクタ本体部11の挿入開口部11bを通して中空内部に信号伝送媒体PBの端末部分が挿入されてくると、上述した初期状態にあるロック部材14の傾斜案内辺に対して信号伝送媒体PBの端末部分が当接し、図17(B)に示されているようにロック部材14が前方側に押圧されることによって、初期状態に略直立した状態にあったロックアーム部材14aが、上端側の揺動支点Pを中心として前方側に倒れるように撓んで弾性変位される。これによって、コネクタ本体部11の中空内部からロック部材14が前方側に退避されていき、信号伝送媒体PBの端末部分が支障なく下降を継続する。さらに、その信号伝送媒体PBの端末部分が下方に押し込まれていくと、図17(C)に示されているように、ロック部材14の下端側係合辺が、ロックアーム部材14aの弾性復元力によって信号伝送媒体PBの位置決め部(切り欠き状の凹部)PB1の内部に落ち込むように揺動される。これによって、ロック部材14が信号伝送媒体PBの位置決め部PB1に係合状態となり、信号伝送媒体PBの挿入状態が保持される。
【0039】
一方、このような信号伝送媒体PBの挿入保持状態から、上述したロック解除機構15の解除操作部15dに対して、組立て作業者の操作力がコネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)に向かって付加されると、解除作用部15bを介してロック解除アーム部材15aが弾性変位し、解除作用部15bに設けられた当接部15cが、ロック解除部14bの立ち上がり被押圧面を前方側に押圧し、ロック部材14とともにロックアーム部材14aが自身の弾性力に抗して前方側に倒れるように撓む。これによって、コネクタ本体部11の中空内部からロック部材14が退避され、信号伝送媒体PBの位置決め部PB1からロック部材14が離脱して信号伝送媒体PBが開放状態になされ、当該信号伝送媒体PBの上方側への抜去が可能となる。
【0040】
[ロック解除移動規制部材について]
このようなロック解除機構15には、当該ロック解除機構15の操作方向、及びその操作方向と直交する上下方向の作用力に対抗するロック解除移動規制部材が付設されている。このロック解除移動規制部材は、上述した解除操作部15d、絶縁ハウジング11及びホールドダウン13に設けられた複数のストッパ部材からなり、特に図18及び図19に示されているように、上述した解除操作部15dの上方側であってコネクタ長手方向の内方側に第1ストッパ部15eが設けられているとともに、解除作用部15bの上方側であってコネクタ長手方向内方側の立ち上がり部に第2ストッパ部15fが設けられ、また同じく解除作用部15bの上面に第3ストッパ部15gが設けられている。さらに、絶縁ハウジング11には、上述した第1ストッパ部15e、第2ストッパ部15f及び第3ストッパ部15gにそれぞれ対応して、第1ストッパ部11c、第2ストッパ部11d及び第3ストッパ部11eが設けられている。(なお、図18においては、各部の説明のために、ロック解除アーム部15aをコネクタ長手方向外方側に撓ませた状態を示す。)
【0041】
さらに、特に図5及び図6に示されているように、前述したホールドダウン13の基枠板13aの上端縁部は、コネクタ長手方向の外端部分において前記ロック解除機構15の解除操作部15d及び解除作用部15bに対して下面側から近接するように配置されており、当該基枠板13aの上端縁部が、解除操作部15dと解除作用部15bとの連結部分に対面するコーナー部分に第4ストッパ部13eに形成されている。
【0042】
そして、まず解除操作部15dが、操作方向、すなわちコネクタ長手方向の内方側(コネクタ中心側)に向かって揺動された時に、当該解除操作部15dの第1ストッパ部15eが第1ストッパ部11cに当接して解除操作部15dが過大に操作されることのないように構成されている。
【0043】
また、解除操作部15dに対して通常の使用態様とは異なるコネクタ長手方向の外方側や上方向や下方向に向かう方向の力が及ぼされた時には、他のストッパ部からなるロック解除移動規制部材により、解除操作部15dが過大に操作されることのないように構成されている。すなわち、解除操作部15dに対するコネクタ長手方向の外方側に向かう方向の力に対しては、解除作用部15bの第2ストッパ部15fが第2ストッパ部11dに当接することにより、上方向の力に対しては、解除作用部15bの第3ストッパ部15gが第3ストッパ部11eに当接することにより、下方向の力に対しては、解除作用部15bの下面部または解除作用部15bの下面部がホールドダウン13の第4ストッパ部13e(図5、図6参照)に当接することにより、解除操作部15dが過大に操作されることのないように構成されている。
【0044】
このように本実施形態においては、まずロック部材14による信号伝送媒体の保持状態が、揺動部材からなるロックアーム部材14aの弾性作用によって良好に維持される一方、ロックアーム部材14aは、揺動支点Pが設けられたコネクタ本体部11の立上り側の一端部である上端部から下方の揺動側のロック部材14まで延在し、比較的長尺状の揺動半径を有することから、信号伝送媒体PBの保持を行っているロック部材14に対する解除動作が比較的小さな操作力で容易に行われる。
【0045】
また、ロックアーム部材14aの揺動支点Pが、コネクタ本体部11の立上り側の一端部である上端部に配置されていることから、信号伝送媒体PBが挿入又は抜去される際にロック部材14からロックアーム部材14aへ伝達される負荷が、コネクタ本体部11の立上り側の一端部(上端部)に受けられることとなって、基板接続脚部13b,13b,13cが接続される回路配線基板側への直接的な負荷が軽減され、特に回路配線基板が薄かったり保持部材が無いことなどで回路配線基板の剛性が不足している場合における損傷等のおそれが回避される。従って、ロック部材14の解除操作を多数回にわたって繰り返した場合にも、コネクタ本体部11の実装状態等に対する影響が低減され、電気的な接続状態が長期にわたって安定的に維持される。
【0046】
さらに、コネクタ本体部11の挿入開口部11aに信号伝送媒体PBを挿入するにあたって、コネクタ本体部11の挿入開口部11aと信号伝送媒体PBとの位置関係が上方側から容易に観察されることとなり、信号伝送媒体PBの挿入動作が容易かつ正確に行われるとともに、信号伝送媒体PBの挿入後の状態が良好に確保される。
【0047】
また、本実施形態によれば、ロック部材14を信号伝送媒体PBから離脱させるロック解除操作を行う際におけるロック解除アーム部材15aの揺動平面が、回路配線基板と略平行な平面のようにロックアーム部材14aの揺動平面と略直交する平面に設定されていることから、ロック部材14の解除操作力が、ロックアーム部材14a及びロック部材14に対して直接的に負荷されることがなくなり、回路配線基板側への直接的な負荷が一層軽減される。特に、本実施形態によれば、ロック部材14を信号伝送媒体PBから離脱させるロック解除操作を行う際における押圧方向が回路配線基板と略平行な方向になるため、回路配線基板側へ負荷が及ぼされることがなくなる。
【0048】
さらにまた、本実施形態におけるロック解除アーム部材15aには、当該ロック解除アーム部材15aに揺動力を付加させる解除操作部15dが付設され、その解除操作部15dが、前記コネクタ本体部の外方に突出するように配置されていることから、ロック部材14を信号伝送媒体PBから離脱させる際に、解除操作部15dに対する操作が容易に行われる。
【0049】
加えて、本実施形態における解除作用部15b、解除操作部15d、絶縁ハウジング11a及びホールドダウン13には、解除操作部15dの移動範囲を規制するロック解除移動規制部材として第1ストッパ部15e,11c及び第2ストッパ部15f,11d及び第3ストッパ部15g,11e及び第4ストッパ部が設けられていることから、ロック部材14を信号伝送媒体PBから離脱させる時に過大に操作された際や、通常の使用態様とは異なる方向に外力が及ぼされた際における、ロック解除機構やコネクタ本体部の破損や損傷が防止される。
【0050】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。例えば、本発明にかかるロックアーム部材は、上述した実施形態とは反対に、回路配線基板側の下端側から上方に向かって延出するように配置することも可能である。
【0051】
また、本発明は、上述した各実施形態のような垂直挿入型の電気コネクタに限定されるものではなく、水平挿入型の電気コネクタに対しても同様に適用することが可能である。
【0052】
さらに、本発明にかかる電気コネクタは、上述した実施形態のような接続を行うものに限定されることはなく、基板と基板、或いはケーブルと基板を電気的に接続する多種多様な電気コネクタに対しても本発明は同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように本発明は、電気機器に使用される多種多様な電気コネクタに対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 電気コネクタ
11 コネクタ本体部
11a 絶縁ハウジング
11b 挿入開口部
11c 第1ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
11d 第2ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
11e 第3ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
12 導電コンタクト(導電端子)
12a 可撓性ビーム部
12b 接続端子部
12c 接点部
13 ホールドダウン
13a 基枠板
13b,13b,13c 基板接続脚部
13d 板状係止部
13e 第4ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
14 ロック部材
14a ロックアーム部材
14b ロック解除部
P 揺動支点
15 ロック解除機構
15a ロック解除アーム部材
15b 解除作用部
15c 当接部
15d 解除操作部
15e 第1ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
15f 第2ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
15g 第3ストッパ部(ロック解除移動規制部材)
Q 揺動支点
PB 信号伝送媒体(FFC,FPC)
PB1 位置決め部
PB2 端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体部が、回路配線基板に接合される基板接続脚部を介して前記回路配線基板の表面に実装されるものであって、
前記コネクタ本体部の一端部に設けられた挿入開口部から当該コネクタ本体部の内部に信号伝送媒体を挿入し、そのコネクタ本体部の内部に挿入した前記信号伝送媒体の一部にロック部材を係合させて当該信号伝送媒体の挿入状態を保持することにより、前記信号伝送媒体を前記回路配線基板に電気的に接続する構成になされた電気コネクタにおいて、
前記ロック部材が、前記コネクタ本体部の一端部に配置された揺動支点から片持ち状に延出する弾性変位可能なロックアーム部材の一部に設けられたものであって、
前記ロックアーム部材の弾性力により前記信号伝送媒体に対して前記ロック部材を係合させるように構成されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ本体部に、前記信号伝送媒体から前記ロック部材を離脱させるロック解除機構が設けられ、
前記ロック解除機構は、前記ロックアーム部材の揺動平面と略直交する平面内において揺動するロック解除アーム部材を有し、
そのロック解除アーム部材の揺動により前記ロックアームを揺動させて前記信号伝送媒体から前記ロック部材を離脱させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記コネクタ本体部が、回路配線基板の表面から立ち上がるように実装されたものであって、
そのコネクタ本体部における立ち上がり側の端部から前記ロックアーム部材が前記回路配線基板に向かって立ち下がるように延在しているとともに、
前記ロック解除アーム部材は、前記コネクタ本体部を構成する絶縁ハウジングの壁面から片持ち状をなして一体的に延出するように形成され、
そのロック解除アーム部材が、前記回路配線基板と略平行な平面方向に延在していることを特徴とする請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記ロック解除アーム部材には、当該ロック解除アーム部材に揺動力を付加させる解除操作部が付設され、
その解除操作部が、前記コネクタ本体部の外方に突出するように配置されていることを特徴とする請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記絶縁ハウジングには、前記ロック解除アーム部材又は解除操作部の移動範囲を規制するロック解除移動規制部材が設けられていることを特徴とする請求項4記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−174483(P2012−174483A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35411(P2011−35411)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】