説明

電気デバイスの電源電圧回路用の温度保護回路

【課題】温度スイッチ(6)を備えた温度監視ユニット(4)を含む、電気デバイス(3)の電源電圧回路(2)用の温度保護回路(1)を提供する。
【解決手段】本発明の電気デバイス(3)の電源電圧回路(2)用の温度保護回路(1)では、温度監視ユニット(4)がその温度スイッチ(6)を通じた出力側において、接続信号線(7,7a)を通じて電源電圧回路(2)に接続されており、電源電圧回路(2)は電源電圧端子(11)に接続し、さらに電源電圧線(9,9a)を通じて電気デバイス(3)に接続されている。また、温度監視ユニット(4)は電源電圧線(14)を通じて補助電圧源ユニット(10)に接続し、アナログ実温度値信号(T)を送信するための信号線(12)を通じて電気デバイス(3)に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に電気デバイスの電源電圧回路用の温度保護回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高い周囲温度下での電子デバイスの使用は、用いられる電子(および非電子)構成要素の許容可能な作動温度により制限される。作動温度は周囲温度と、構成要素それ自体のワット損に起因して生じた熱とを加算した値を意味する。製造業者により指定された制限値を上回る環境での操作は、構成要素の故障、少なくとも早期の経年劣化をもたらし得る。最悪の場合では、電子デバイスの永久的な動作故障をもたらし得、さらには、電気的および/または機能的な安全上の問題並びに/または火災危険を伴う可能性もある。
【0003】
従来のSi半導体は150℃の最大Tjunctionに耐性を有する。周囲温度が125℃を超える場合では、損失に起因して直ちにこの制限値を上回る場合がある。さらに、結果生じたより高い周囲温度に起因して、隣接する構成要素が悪影響を受け、その構成要素の熱放散が妨げられる。
【0004】
独国特許出願公開102004011441号明細書(特許文献1)に記載されたモータ駆動制御デバイスは以下を備える。
−モータへの電流路に配置された半導体スイッチング素子。
−既定のPM周波数を有するPWM信号を生成するPWM制御ユニット。
−他の要素の中で特にトリガ回路。
−半導体スイッチング素子の温度が所定の閾値を上回る場合に、過熱状態検出信号を送信する過熱状態検出領域。
【0005】
MOSFETにおけるワット損が高くなり過ぎる恐れがある場合には、間接抵抗の測定値、並びにMOSFETにおける電流フローの測定値およびMOSFETの検出温度に基づいてこれは決定される。
【0006】
この場合には2つの対応策が実行される。
a)ゲート抵抗全体をより小さくし、MOSFETをより迅速に切り替えるように、第2の抵抗がゲート抵抗と平行に接続される。
b)PWM周波数をより小さくする。
【0007】
2つの対応策はMOSFETのスイッチング損失を低減する。
【0008】
ワット損に起因する構成要素の温度上昇を低減する1つの方法は、重要な構成要素のワット損を低減する目的で電源遮断操作状態(停止モードまたはスリープモード)を用いることである。
【0009】
ここでの問題は、他の装置またはより高レベルシステムがこの結果、(スイッチが切られている重要な構成要素の1つに通信用インターフェースが含まれると仮定すれば)影響を受けたデバイスともはやデータを交換できないことである。さらに、他の装置またはより高レベルシステムもしくはより高レベルデバイスは、影響を受けたデバイスが許容可能な(電源遮断)操作状態であるか否か、または単にもはや機能しない状態にあるか否かを判別できない。これは他の装置および/またはより高レベルシステムもしくはデバイスにおける障害状態を招き得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開102004011441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は電気デバイスの電源電圧回路用の温度保護回路を提供する際の問題に関する。この温度保護回路は、それに含まれる高温に影響され易い電気回路が損傷または過度の経年劣化を被ることなく、非常に高い周囲温度でも電気デバイスの電圧伝播電子システムにおけるフィードバックフリー操作が可能なように適切に設計される。
【0012】
操作用語には電子デバイスの電源供給操作状態(「標準温度モードN」)と電源遮断操作状態(「高温モードH」)との両方を含む。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この問題は、請求項1の温度保護回路により解決される。
【0014】
電気デバイスの電源電圧回路用の温度保護回路は、温度Tを検出する温度センサ、並びに温度Tと、少なくとも1つの記憶されている上限温度閾値TOSおよび記憶されている下限温度閾値TUSとの比較に基づいて、二者択一的に2つのスイッチング状態、すなわち高温モードHと標準温度モードNとを切り替える温度スイッチを備えた温度監視ユニットを含む。温度監視ユニットはその温度スイッチを通じた出力側において、接続信号線を通じて電源電圧回路に接続されており、電源電圧回路は電源電圧端子に接続し、電源電圧線を通じて電気デバイスに接続されている。
【0015】
温度監視ユニットは電源電圧線を通じて補助電圧源ユニットに接続し、電源電圧端子に接続し、アナログ実温度値信号Tを送信するための信号線を通じて電気デバイスに接続されている。
【0016】
温度センサが上限温度閾値TOSを上回る温度Tを検出した後に、温度スイッチが高温モードHに切り替わっている間に、少なくとも電気デバイスの電源電圧回路は、接続信号線を通じた抑制信号により高温モードH(停止モード)に切り替わる。
【0017】
高温モードHにおいて、温度保護回路への電圧供給は、温度監視ユニットに接続された電源電圧線、および温度監視ユニットを通じて、補助電圧源ユニットにより維持される。
【0018】
既に記載したように、電気デバイスは電源電圧回路に接続された装置、およびこの装置に接続されている通信用インターフェース用の回路を意味するか、外部デバイスが、電源電圧回路に接続されたその装置に相互接続するとともに、通信用インターフェース用の少なくとも1つの回路に相互接続しながら、温度保護回路と接続し得る。
【0019】
ただし、電気デバイスはまた、相互接続した装置および通信サイトを用いずに、バスを通じて電源電圧回路に直接接続してもよい。
【0020】
温度保護回路の温度監視ユニットは、操作状態信号、すなわち「高温モードH−停止モード」および「標準温度モードN」を送信するフィードバック信号出力ユニットを含む信号線を通じて、電気装置に接続する追加的な電圧伝播外部デバイスに接続し得る。
【0021】
一実施形態の例では、電気装置の電源電圧回路および電気装置それ自体は、電源電圧線を通じて通信用インターフェース用の少なくとも1つの回路に接続し得る。ここでは、回路および接続コミュニケーションバスを通じて、電源電圧回路および/または電気装置の操作状態に関する信号が送信され得る。
【0022】
電気装置は電気冷媒圧縮機のコンバータ(インバータ)の論理および制御ユニットでもよい。
【0023】
論理および制御ユニットはマイクロコンピュータでもよい。
【0024】
温度センサおよびこのセンサによりトリガされる温度スイッチ(所定の上限温度閾値TOSに達するとトリガされるものでもよいし、一体化された温度スイッチでもよい)を用いることにより、電圧がそれらに印加されないように電子装置または少なくともその一部は切り替えられ得、それ故、ワット損状態は全くないか、低くなり得る(いわゆる高温モードH)。
【0025】
さらに、高温モードHにおいてスイッチが切られる電源電圧回路の構成要素に、電圧が再度供給される(いわゆる「標準温度モードN」に戻る)ように構成される。操作状態の不安定な変化を防ぐために、2つの閾値TOSおよびTUSには、さらにヒステリシスが与えられる。
【0026】
本発明に従う温度保護回路の技術的実装は、高温耐性を有するように形成された電子装置に一体化された構成要素の形態でもよく、過熱の問題を有する任意の電気デバイスとの接続点を通じて個々に展開する形態でもよい。
【0027】
電源電圧回路に直接または間接的に接続された他のデバイスの電源供給操作状態への干渉を回避するため、さらにはより高レベルシステムにおける障害状態の発生を回避するために(すなわち、フィードバックフリー方法において動作する目的で、本発明に従う温度保護回路を可能にするために)、温度保護回路は、関連する電気装置の電源電圧回路の操作状態(高温モードまたは標準温度モード)の情報を単独で得るための、他の電気デバイスまたはより高レベルシステムに接続された信号処理ユニットに用いられ得る割り当てられたアナログまたはデジタルフィードバック信号を有するフィードバック信号出力ユニットをさらに備える。
【0028】
実温度値Tの直接または間接型表現形式のいずれかとしてフィードバック信号のアナログまたはデジタル形式が提供され得、簡単な実施形態では、2つのモードの2進表現として提供される。フィードバック信号は高温モードH(停止モード−電源遮断操作状態)と、標準温度モードN(電源供給操作状態)との両方で利用される。
【0029】
高温モードHが起動する前の十分な時間(例えば、早期警戒)に、電子デバイスは追加的な通信用インターフェース(例えば、LIN,CAN)を通じて、H,N信号を含むフィードバック信号に加えて、信号線からの実温度値Tなどの1つ以上のメッセージを、電気装置に接続する他の外部デバイスに送信し得、これにより、そのデバイスに高温モードH(停止状態)への変化に対する準備をさせ、高温モードでもはや利用されない最終の重要な運転パラメータが交換され得る。
【0030】
温度保護回路に関連するデバイス、または同等の装置は、実温度値Tがどの程度の高さかを示す予備警戒信号を送信するように設計され得、記憶されている上限温度閾値TOSを実温度値Tが上回る場合には、それ故規定の操作状態、高温モードHになり、高温モードHでは、接続信号線を通じた抑制信号を受けると、装置の電圧電源回路は温度監視ユニットによりスイッチを切られる。装置またはデバイスには、それ故もはや電圧が供給されない。一方、補助電圧源ユニットは電源電圧端子からの電圧を温度監視ユニットに供給し続ける。
【0031】
外部デバイスがコミュニケーションバスを通じて電源電圧回路に直接接続する場合、すなわち装置および通信サイトの回路が無い場合には、予備警戒信号も無い。ただし、電源電圧回路の操作状態モード、すなわち高温モードHまたは標準温度モードNに関連する確認信号が、接続信号線を通じてフィードバック信号出力ユニットに送信される。
【0032】
記憶されている上限温度閾値TOSを下回る、好ましくは記憶されている下限温度閾値TUSを下回る温度に低下した場合に、それ自体が高温モードHから操作状態、すなわち標準温度モードNにリセットするように、温度保護回路は設計される。抑制信号が温度監視ユニットにより取り消されると、電源電圧回路はそれに通じる接続信号線を自動で再始動する。装置またはデバイスの電源電圧、および1つ以上の通信サイトの回路にスイッチを入れることも可能である。
【0033】
温度保護回路の変形例および有利な実施形が追加的な従属請求項に示される。
【0034】
本発明は図面を参照する実施形態の例を用いてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】電気装置およびその電源電圧回路を備えた、本発明に従う温度保護回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は電気装置3の電源電圧回路2用の温度保護回路1を示す。温度保護回路1は、温度Tを検出する温度センサ5、および記憶されている上限温度閾値TOSと記憶されている下限温度閾値TUSとの比較に基づいて、二者択一的に2つのスイッチング状態H,Nに切り替え得る温度スイッチ6を有する温度監視ユニット4を備える。
【0037】
温度監視ユニット4はその出力側における温度スイッチ6、さらには接続信号線7,7aを通じて電源電圧回路2に接続されており、電源電圧回路2は電源電圧端子11に接続されており、さらに電源電圧線9,9aを通じて電気装置3に接続されている。
【0038】
温度監視ユニット4は線14を通じて補助電圧源ユニット10、さらには電源電圧端子11に接続しており、また信号線12を通じてアナログ実温度値信号Tを電気装置3に送信する。
【0039】
温度センサ5が上限温度閾値TOSを上回る温度Tを検出すると、前記温度スイッチ6が「高温モードH」に切り替わっている間に、少なくとも電気装置3の電源電圧回路2は、接続信号線7,7aを通じた抑制信号により停止モードに切り替わる。
【0040】
高温モードHにおいて、温度保護回路1への電圧供給は、温度監視ユニット4に接続された電源電圧線14、および温度監視ユニット4を通じて、補助電圧源ユニット10により維持される。
【0041】
温度監視ユニット4は接続信号線7,7bを通じてフィードバック信号出力ユニット13に接続されており、また操作状態信号17、すなわち「停止モードと等しい高温モードH」および「標準温度モードN」を送信する目的で、所望に応じて電気装置3に接続された追加的な電圧伝播デバイスに接続されている。
【0042】
本発明に従う温度保護回路1はそれ故、高温耐性を有するように形成された電子装置3に一体化された構成要素の形態でもよく、過熱の問題を有する任意の電気デバイスとの接続点20,21,22を通じて個々に展開する形態でもよい。これは過熱の問題を有する電気デバイスが、電源電圧回路2に接続された装置3に相互接続するとともに、通信用インターフェース用の少なくとも1つの回路15に相互接続しながら、温度保護回路1と接続し得ることを意味する。ただし、電気デバイスはさらに電源電圧回路2と直接接続され得、これにより相互接続した装置3およびバス16に通じる通信サイト15が無くとも、電源電圧線9を通じてスイッチが入れられ、かつ切られ得る。
【0043】
図1では、電気装置3の電源電圧回路2と電気装置3とは電源電圧線9,9bおよび9,9aを通じて通信用インターフェースの少なくとも1つの回路15に接続されている。これにより、通信サイトの回路15、および接続コミュニケーションバス16を通じて、電源電圧回路2および/または電気装置3の操作状態に関する信号がさらに送信され得る。
【0044】
実施形態の具体例では、電気装置3は原理上、電気冷媒圧縮機のコンバータ(インバータ)でもよいが、さらには任意の他の電気/電子装置(例えば、制御装置、マイクロコンピュータ)が用いられてもよい。温度監視ユニット4は既定の測定部位において検出された内部温度Tを測定し、記憶されている上限温度閾値TOSの境界線以上に温度Tが達する(過熱)場合に「高温モードH」(停止モード)に切り替わる。ワット損、それ故ワット損による温度上昇の最小化を目的として、特定の重要な電圧伝播回路/電源電圧回路2、および/またはそれ故電気装置3が過熱時にスイッチを切られる(または停止モードに設定される)ように、この高温モードHは特徴付けられる。
【0045】
極めて低損失の、スイッチが入っている補助電圧源ユニット10は、続いて、温度監視ユニット4の温度センサ5および温度スイッチ6、並びに二者択一的に外部または内部に配置されたフィードバック信号出力ユニット13などの本質的に必須の回路のみに電圧を供給する。
【0046】
高温モードHが起動する前の十分な時間(例えば、予備警戒)に、電子装置3は追加的な通信用インターフェース15(例えば、LIN,CAN)を通じて、H,N信号を含むフィードバック信号17に加えて、信号線12からの実温度値Tなどの1つ以上のメッセージを、電気装置3に接続する他の外部デバイスに送信し得、これにより、そのデバイスに高温モードH(停止状態)への変化に対する準備をさせ、さらには高温モードでもはや利用されない最終の重要な運転パラメータが交換され得る。
【0047】
起動可能なバスインターフェース(例えば、CANまたはLIN)をインバータ電子システム2,3が備える場合には追加的な問題が生じる。(CANまたはLINバスなどのコミュニケーションバス16を通じた)実行可能な外部からの起動の試みは、通信用インターフェースの一部であるバストランシーバ回路15のスイッチを切ることにより回避される。バストランシーバ回路15のスイッチの切断は、電気装置3によりトリガされる。さもなければ、存在する途切れない標準の外部バストラフィックに起因して不合理にもワット損の低減がもたらされる。
【0048】
温度保護回路1の利点は、影響を受ける回路2,3が損傷または過度の経年劣化を被ることなく、非常に高い周囲温度でも電子システムの装置2,3のフィードバックフリー操作が可能なことであり、電気装置3はこの場合でも、高温の影響を受けやすい回路であると考慮される。
【0049】
温度保護回路1に関連する装置3は、実温度値がどの程度の高さかを示す予備警戒信号を送信するように設計され得、記憶されている上限温度閾値TOSを実温度値が上回る場合には、規定の操作状態、高温モードHになり、高温モードHでは、接続信号線7aを通じた抑制信号を受けると、装置3の電圧電源回路2は温度監視ユニット4によりスイッチを切られる。装置3にはもはや電圧が供給されず、補助電圧源ユニット10は電源電圧端子11からの電圧を温度監視ユニット4に供給し続ける。
【0050】
実施形態の例では、外部デバイスがコミュニケーションバス16を通じて電源電圧回路2に直接接続する場合、すなわち装置および通信サイトの回路15が無い場合には、予備警戒信号も無い。ただし、電源電圧回路2の操作状態モード、すなわち高温モードHまたは標準温度モードNに関連する確認信号が、信号線7,7bを通じてフィードバック信号出力ユニット13に送信される。
【0051】
全ての実施形態の例では、記憶されている上限温度閾値TOSを下回る温度に低下する場合に、温度監視ユニットそれ自体が高温モードHから操作状態、すなわち標準温度モードNにリセットするように、温度監視ユニット4は電気および機能ユニットと構成要素および構成要素群とを有して設計される。抑制信号が信号線7,7aにおいて取り消されると、電源電圧回路2は自動で再始動する。この処理では、外部デバイス、または装置3および1つ以上の通信サイトの回路15の電源電圧のスイッチが入り得る。
【0052】
フィードバックフリー操作は特に以下を含む。
−温度センサ5の使用、および、電気回路2または3および15におけるワット損を低減する目的で、所定の記憶されている上限温度閾値TOSに達した際に、電圧伝播電子回路2または3および15におけるスイッチオフおよびスイッチオンを制御するための、センサによりトリガされるスイッチ6の使用。
−回路2または3および15のスイッチが切られると、停止モードと同じ電源遮断操作状態、すなわち「高温モードH」と同時に全くないか、低いワット損になる。
−接続デバイスに接続された電源電圧電子システムにおける障害状態を回避するために、フィードバック信号出力ユニット13からフィードバック信号17が提供され、接続された電源電圧電子システムが電子回路2および電気装置3の操作状態(モード)の情報を得、電子回路2または3および15が機能不全であるという間違った推定は無い。
−さらに、電子装置3は停止モードと等しい高温モードHの起動前の十分な時間に、適切な通信用インターフェース15を通じてメッセージ(予備警戒信号)を他のデバイスと通信し得、これにより、その装置に、電源供給操作状態である標準温度モードNから電源遮断操作状態である高温モードH、または逆への変化に対する準備をさせる。
【符号の説明】
【0053】
1 温度保護回路
2 電源電圧回路 論理および制御用の電源電圧(例えば、μC)
3 電気装置 論理および制御ユニット(例えば、μC)
4 温度監視ユニット
5 温度センサ
6 温度スイッチ
7 信号線 スイッチ信号「高温」
7a 分岐信号線 抑制
7b 分岐信号線
8 通信信号線
9 電源電圧線
9a 分岐電源電圧線
9b 分岐電源電圧線
10 補助電圧源ユニット 低ワット損 「高温モード」用の補助電圧源
11 電源電圧端子(例えば、12V Cl.30)
12 実温度値、アナログ温度信号(実温度値)を送信するための信号線
13 フィードバック信号出力ユニット
14 電源電圧線
15 通信用インターフェースの回路(例えば、CANトランシーバ)
16 コミュニケーションバス(CAN、LINなど)
17 操作状態(「高温モード」「通常モード」)に関するフィードバック信号
T 実温度値
TOS 上限温度閾値
TUS 下限温度閾値
N 標準温度モード
H 高温モード/停止モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度(T)を検出する温度センサ(5)、および記憶されている上限温度閾値(TOS)と記憶されている下限温度閾値(TUS)との比較に基づいて、二者択一的にそれ自体を2つのスイッチング状態(電源供給操作モード、すなわち標準温度モードNおよび電源遮断操作モード、すなわち高温モードH)にリセットする温度スイッチ(6)を備えた温度監視ユニット(4)を含む、電気デバイス(3)の電源電圧回路(2)用の温度保護回路(1)であって、前記温度監視ユニット(4)はその温度スイッチ(6)を通じた出力側において、接続信号線(7,7a)を通じて前記電源電圧回路(2)に接続されており、当該電源電圧回路は前記電源電圧端子(11)に接続し、さらに電源電圧線(9,9a)を通じて前記電気デバイス(3)に接続されており、
前記温度監視ユニット(4)は電源電圧線(14)を通じて補助電圧源ユニット(10)に接続し、前記電源電圧端子(11)に接続し、アナログ実温度値信号(T)を送信するための信号線(12)を通じて前記電気デバイス(3)に接続されており、
前記温度センサ(5)が前記上限温度閾値(TOS)を上回る温度(T)を検出すると、前記温度スイッチ(6)が高温モード(H)に切り替わっている間に、少なくとも前記電気デバイス(3)の前記電源電圧回路(2)は、前記接続信号線(7,7a)を通じた抑制信号により前記高温モード(H)に切り替わり、
前記高温モード(H)において、前記温度保護回路(1)への電圧供給は、前記温度監視ユニット(4)に接続された前記電源電圧線(14)、および前記温度監視ユニット(4)を通じて、前記補助電圧源ユニット(10)により維持される、温度保護回路(1)。
【請求項2】
前記温度監視ユニット(4)は前記信号線(7,7b)を通じて、操作状態信号(17)、すなわち高温モード(H)および標準温度モード(N)を送信するフィードバック信号出力ユニット(13)に接続されており、さらに前記電気装置(3)に接続する追加的な電圧伝播デバイスに接続し得ることを特徴とする、請求項1に記載の温度保護回路。
【請求項3】
前記電気装置(3)の前記電源電圧回路(2)は、前記電源電圧線(9,9b)および当該電源電圧線(9,9a)が通じる前記電気装置(3)を通じて通信用インターフェースの少なくとも1つの回路(15)に接続し得、前記通信用インターフェースの回路(15)、および接続コミュニケーションバス(16)を通じて、前記電源電圧回路(2)および/または前記電気装置(3)の操作状態に関する信号が送信され得ることを特徴とする、請求項1に記載の温度保護回路。
【請求項4】
前記電気装置(3)は電気冷媒圧縮機のコンバータ(インバータ)の論理および制御ユニットでもよいことを特徴とする、請求項1〜3に記載の温度保護回路。
【請求項5】
前記論理および制御ユニットはマイクロコンピュータであることを特徴とする、請求項4に記載の温度保護回路。
【請求項6】
前記温度保護回路(1)の実装は、前記電子装置(3)に一体化された構成要素の形態でもよく、ワット損に伴う過熱の問題を有する任意の電気デバイスとの接続点(20,21,22)を通じて個々に展開する形態でもよいことを特徴とする、請求項1〜5に記載の温度保護回路。
【請求項7】
前記接続された装置(3)は、前記実温度値(T)がどの程度の高さかを示す予備警戒信号を送信するように設計され得、前記記憶されている上限温度閾値(TOS)を前記実温度値Tが上回る場合には、前記操作状態、高温モードHになり、前記高温モード(H)では、前記接続信号線(7a)を通じた前記抑制信号を受けると、前記装置(3)の前記電圧電源回路(2)は前記温度監視ユニット(4)によりスイッチを切られ、前記補助電圧源ユニット(10)は電圧を前記温度監視ユニット(4)に供給し続けることを特徴とする、請求項1〜6に記載の温度保護回路。
【請求項8】
デバイスがコミュニケーションバス(16)を通じて前記電源電圧回路(2)に直接接続する場合、すなわち装置(3)および前記通信サイトの前記回路(15)が無い場合には、予備警戒信号も無く、ただし、前記電源電圧回路(2)の前記操作状態モード、すなわち高温モード(H)または標準温度モード(N)に関連する確認信号が、接続信号線(7,7b)を通じて前記温度監視ユニット(4)から前記フィードバック信号出力ユニット(13)に送信されることを特徴とする、請求項7に記載の温度保護回路。
【請求項9】
前記記憶されている上限温度閾値(TOS)を下回る温度に前記実温度値(T)が低下したことを前記温度センサ(5)が検出した場合に、前記温度監視ユニットが前記高温モード(H)から前記操作状態、すなわち標準温度モード(N)にそれ自体をリセットするように、前記温度監視ユニット(4)は内部機能ユニット、および構成要素を有して設計されており、前記電源電圧回路(2)への前記抑制信号が前記接続信号線(7,7a)において取り消されると、前記電源電圧回路(2)は自動で再始動することを特徴とする、請求項1〜8に記載の温度保護回路。

【図1】
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【公開番号】特開2012−185162(P2012−185162A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−46991(P2012−46991)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】