説明

電気ドライブトレイン熱保護システム

移動機械(18)用の電気ドライブトレイン(10)が開示される。電気ドライブトレインが、少なくとも1つの電力消費デバイス(36〜40)と、少なくとも1つの電力消費デバイスに関連付けられたセンサ(54〜58)と、電力消費デバイスおよびセンサと通信する制御装置(62)とを有する。センサは、電力消費デバイスの温度を示す信号を発生するように構成される。制御装置は、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルを、信号の値に対応する量に制限するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に熱保護システムに関し、より詳細には、電気ドライブトレイン用の熱保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電動機や発電機などの電気機械は、電気的な入力に応答して機械的動力を発生するため、または機械的な入力に応答して電力を発生するために使用されることがある。機械的動力および電力の発生中の電動機および発電機内部での磁気的、抵抗性、および機械的損失が、熱の蓄積を引き起こすことがある。電気機械のパワー出力に対する制限の1つは、電気機械内部での温度でありうる。電気機械内部の温度が機械の動作能力を超える場合、機械の誤動作またはさらには損壊が生じることがある。
【0003】
電気機械の誤動作および損壊を制限する1つの方法は、電気機械の温度を算出するステップと、算出に応答して機械の動作を変えるステップとを含む。例えば、エフレイムjr(Ephraim,Jr)らに付与された(特許文献1)が、牽引電動機温度に応じて機関車発電機の電力出力を制御するためのシステムを開示する。システムは、牽引電動機と直列に接続された電気加熱器要素を利用する。加熱器は、牽引電動機に供給される電流の量に応じたある量の熱を発生し、それにより牽引電動機の動作温度がシミュレートされる。感温抵抗素子が、シミュレートされた温度を感知し、制御回路と接続されて、感知された温度に応じて発電機の励磁および出力電力を変える。シミュレートされた温度が最大温度を超えて上昇するとき、発電機の励磁は、牽引電動機への電流を減少し、かつそれにより牽引電動機の温度を低下するように制限される。
【0004】
(特許文献1)のシステムは、機関車用途で電動機温度を適切に制御することができるが、問題を生じることもある。特に、電動機温度のみがシミュレートされて感知されるので、同じシステム内部の他の感温構成要素が保護されないことがある。さらに、温度は、直接測定されるのではなく、シミュレートされるので、シミュレートされた温度が実際の電動機温度からずれる状況がありえ、それによりシステムが必要以上に制限される、あるいは逆に、十分に保護されない。さらに、発電機出力のみが過剰なシミュレート温度に応答して制限されるので、システムの応答が遅いことがあり、電力貯蔵部が利用可能である場合、牽引電動機は、貯蔵部が空になるまで過剰な温度で動作し続けることがある。高温でのこの長い動作は、牽引電動機の誤動作および損壊を引き起こすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,629,676号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示される電気ドライブトレインは、上述した問題の1つまたは複数を克服することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本開示は、電気ドライブトレインに関する。この電気ドライブトレインは、少なくとも1つの電力消費デバイスと、少なくとも1つの電力消費デバイスに関連付けられたセンサと、電力消費デバイスおよびセンサと通信する制御装置とを含む。センサは、電力消費デバイスの温度を示す信号を発生するように構成される。制御装置は、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルを、信号の値に対応する量に制限するように構成される。
【0008】
別の態様では、本開示は、ドライブトレインを作動させる方法を対象とする。この方法は、機械的な出力を生成するために電力を消費するステップを含む。この方法は、さらに、機械的な出力の生成に関連付けられる温度を感知するステップと、温度を示す信号を発生するステップとを含む。この方法はまた、電力消費を、信号の値に対応する量に制限するステップも含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的な開示される機械の概略図である。
【図2】図1の機械と共に使用する電気ドライブトレインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、動力源12と、冷却システム14と、電動機構成16とを有する例示的な動力システム10を示す。動力システム10は、例えばブルドーザ、連結式トラック、掘削機、または当技術分野で知られている任意の他の移動機械など、移動機械18の一部分を形成することがあり、電動機構成16が、機械18の主要推進ユニットとして機能する。また、動力システム10が、別法として、発電機セット、ポンプ、または任意の他の適切な固定機械など、固定機械の一部分を形成しうることも想定される。
【0011】
動力源12は、機械的な回転動力出力を生成するように作動される燃焼機関を含むことがある。例えば、動力源12は、ディーゼル・エンジン、ガソリン・エンジン、気体燃料エンジン、または当業者に明らかな任意の他のタイプの燃焼機関を含むことがある。また、動力源12が、別法として、燃料電池、蓄電池、または任意の他の適切な電源など、非燃焼動力源を具現化しうることも想定される。
【0012】
冷却システム14は、動力源12および/または電動機構成16から熱を伝達する加圧システムを具現化することがある。冷却システム14は、とりわけ、熱伝達媒体を加圧して循環させるように構成された、熱交換器20と、ファン22と、加圧源24とを含むことがある。
【0013】
熱交換器20は、熱伝達媒体に熱を伝達する、または熱伝達媒体から熱を伝達するために使用される液体/空気熱交換器を具現化することがある。例えば、熱交換器20は、管およびフィン型の熱交換器、管およびシェル型の熱交換器、プレート型の熱交換器、または当技術分野で知られている任意の他のタイプの熱交換器を含むことがある。熱交換器20は、供給管路26を介して加圧源24に接続されることがあり、戻し管路28を介して電動機構成16の構成要素に接続されることがある。熱交換器20が、動力源12の主要ラジエータ、エンジン・オイル・クーラー、トランスミッション・オイル・クーラー、ブレーキ・オイル・クーラー、または動力源12の任意の他の冷却構成要素として機能しうることが想定される。さらに、熱交換器20が、別法として、電動機構成16に供給される熱伝達媒体のみを調整するように特化されうることも想定される。
【0014】
ファン22は、液体/空気熱伝達用の熱交換器20を横切る空気の流れを生成するために、熱交換器20の近位に配設されることがある。望みであれば、ファン22がなくされてもよく、または遠隔に位置されてもよく、そして二次流体回路(図示せず)が、液体/液体熱伝達によって熱伝達媒体に熱を伝達する、または熱伝達媒体から熱を伝達するために熱交換器20に接続されてもよいことが想定される。
【0015】
加圧源24は、冷却システム14内部で熱伝達媒体を加圧するための任意のデバイスを具現化することがある。例えば、加圧源24は、定容量形ポンプ、可変容量形ポンプ、可変流量ポンプ、または当技術分野で知られている任意の他のタイプのポンプを含むことがある。加圧源24は、熱交換器20と電動機構成16との間に配設されて、動力源12によって水圧式、機械式、または電気式に駆動されることがある。加圧源24が、別法として、動力源12から遠隔に位置されて、動力源12以外の手段によって駆動されうることも想定される。加圧源24は、供給管路30によって電動機構成16の構成要素に接続されることがある。
【0016】
熱伝達媒体は、低圧流体または高圧流体からなることがある。低圧流体は、例えば、水、グリコール、水とグリコールとの混合物、混合空気、動力源オイル、例えばトランスミッション・オイル、エンジン・オイル、ブレーキ・オイル、ディーゼル燃料、または熱を伝達するために当技術分野で知られている任意の他の低圧流体を含むことがある。高圧流体は、例えば、R−134、プロパン、窒素、ヘリウム、または当技術分野で知られている任意の他の高圧流体を含むことがある。
【0017】
電動機構成16は、発電機32およびパワー電子回路34によって動力源12に電気的に結合されることがある。特に、発電機32は、フライホイール(図示せず)、ばねまたは流体継手(図示せず)、遊星歯車構成(図示せず)によって、または任意の他の適切な様式で動力源12に駆動可能に接続されることがある。発電機32は、動力源12の機械的な出力回転が、パワー電子回路34を介して電動機構成16に向けられる対応する電気的な出力を生じるように、動力源12に接続されることがある。
【0018】
パワー電子回路34は、発電機関連の構成要素と、電動機関連の構成要素とを含むことがある。例えば、パワー電子回路34は、三相交流電力を直流相電力に変換する、およびその逆に変換するように構成された1つまたは複数のインバータ(図示せず)を含むことがある。駆動インバータは、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)と、マイクロプロセッサと、コンデンサと、メモリ記憶デバイスと、発電機32および電動機構成16を作動させるために使用される任意の他の同様の要素とを含めた様々な電気的要素を有することがある。駆動インバータに関連付けられることがある他の構成要素として、とりわけ、電源回路、信号調整回路、およびソレノイド・ドライバ回路を挙げることができる。さらに、パワー電子回路34は、戻し管路28および供給管路30と連絡する発電機ヒート・シンク34aおよび電動機ヒート・シンク34bを含むことがある。各ヒート・シンク34a、bは、それらの当該のパワー電子回路34構成要素から熱を吸収し、この熱を冷却システム14内部の媒体に伝達するように構成されることがある。
【0019】
電動機構成16は、電気的な消費に応じて機械的動力を生成するように相互作用する複数の構成要素を含むことがある。具体的には、電動機構成16は、共通のハウジング39内部に配設され、出力シャフト42に動作可能に結合された、第1の電動機36と、第2の電動機38と、第3の電動機40とを含むことがある。電力が発電機32から電動機構成16に供給されるとき、第1、第2、および第3の電動機36〜40は、ある範囲の回転速度で出力シャフト42を介して付与されるトルクを発生することがある。出力シャフト42は、機械18の牽引デバイス44に接続されることがあり、それにより、付与されたトルクに応答して機械18を推進させる。
【0020】
図2に例示されるように、動力システム10はまた、動力システム10を熱的に保護するように相互作用する複数の構成要素を有する制御システム46を含むことがある。特に、制御システム46は、発電機32に関連付けられた第1のセンサ48と、ヒート・シンク34aに関連付けられた第2のセンサ50と、ヒート・シンク34bに関連付けられた第3のセンサ52と、第1の電動機36に関連付けられた第4のセンサ54と、第2の電動機38に関連付けられた第5のセンサ56と、第3の電動機40に関連付けられた第6のセンサ58と、冷却システム14内部の熱伝達媒体に関連付けられた第7のセンサ60と、警告ランプ64と、電動機36〜40、センサ48〜60、および警告ランプ64と通信する制御装置62とを含むことがある。望みであれば、センサ54〜58が、別法として、単一の感知デバイスに組み合わされてもよいことが想定される。同様に、望みであれば、センサ50とセンサ52とが単一のデバイスに組み合わされてもよい。
【0021】
センサ48〜60は、温度を直接感知するように、および/または当該の構成要素およびシステムの温度を算出するために使用される情報を収集するように構成されることがある。例えば、センサ48〜60は、動力システム構成要素の温度または構成要素と接触する熱伝達媒体の温度を直接測定する表面または液体タイプ・センサを具現化することがある。別法として、センサ48〜60は、動力システム10の動作に関連付けられる他のパラメータを感知することがあり、ここで、それらのパラメータは、構成要素の温度または構成要素と接触する熱伝達媒体の温度を計算する、または他の様式で算出するために使用される。センサ48〜60は、温度を直接測定するのではなく温度を算出するために使用される場合、望みであれば、それら当該の動力システム10の構成要素から遠位に位置されてもよい。各センサ48〜60は、感知された温度または他の測定されたパラメータを示す信号を発生することがある。これらの信号は、継続的に、定期的に、または制御装置62によってそうするように促されたときにのみ、制御装置62に送信されることがある。
【0022】
制御装置62は、動力システム10の動作を制御するための手段を含む単一のマイクロプロセッサまたは複数のマイクロプロセッサを具現化することがある。いくつかの市販のマイクロプロセッサを、制御装置62の機能を実施するように構成することができる。制御装置62が、汎用機械、動力システム、または、いくつかの機械機能を制御することが可能なドライブトレイン・マイクロプロセッサを容易に具現化することができることを理解すべきである。制御装置62は、例えば、メモリ、二次記憶デバイス、およびプロセッサ、例えば中央処理装置、または動力システム10を制御するための当技術分野で知られている任意の他の手段などの機能を実行するのに必要とされる全ての構成要素を含むことがある。電源回路、信号調整回路、ソレノイド・ドライバ回路、通信回路、および他の適切な回路を含めた様々な他の既知の回路が、制御装置62に関連付けられることがある。
【0023】
温度および電動機トルク制限値に関係する1つまたは複数のマップが、制御装置62のメモリに記憶されることがある。これらのマップはそれぞれ、表、グラフ、および/または式の形態であってよい。一例では、センサ48、54、56、または58の信号から導出される正規化された温度値が、電動機36〜40に同時に送信される最大トルク出力コマンドを算出するために使用される2Dテーブルの座標軸を成すことがある。別の例では、ヒート・シンク34aまたは34bからの信号に関連付けられる温度値が、電動機36〜40に送信される最大トルク出力コマンドを算出するために使用される別の2Dテーブルでの座標軸を成すことがある。このようにすると、制御装置62が、適切な熱保護電力消費レベルをもたらす電動機36〜40のトルク制限値を算出して、この制限値を電動機36〜40に同時に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
開示される動力システムは、制御された均一な様式で電気ドライブトレインの最大動作温度を制限することが望まれる移動車両または固定システムにおいて適用される可能性がある。開示される動力システムは、特に移動機械において適用できる。しかし、当業者は、開示される動力システムを、車両に関連付けられることがある、または関連付けられないことがある他の構成に関して利用することができることを理解されよう。次に、動力システム10の温度制限動作を説明する。
【0025】
図1を参照すると、動力システム10が動作状態にあるとき、熱交換器20によって冷却された熱伝達媒体が、動力システム10の構成要素を介して加圧源24によってポンプされることがある。熱伝達媒体が動力システム10の構成要素を通って進むとき、熱を媒体に継続的に伝達することができる。動力システム10を出ると、熱伝達媒体の流れは、熱交換器20を通って進められて、調整プロセス中に熱を周囲雰囲気に逃がすことができる。
【0026】
いくつかの状況では、動力システム10からのこの熱伝達が不十分であることがあり、介入しなければ、動力システム10の構成要素の温度は、依然として過剰レベルに達しうることがある。制御装置62は、センサ48〜60からの信号に応答して電動機36〜40の出力を制限することによって、動力システム構成要素の温度を低下させることができる。具体的には、過剰な温度の存在の確認に応答して、制御装置62は、電動機36〜40に向けられるトルク出力コマンドを制限することがある。電動機36〜40のトルク・コマンドを制限することによって、電動機36〜40によって消費される電流も制限することができる。その後、電動機36〜40へのこの制限された電流により、パワー電子回路34を通過する電流がより低くなり、発電機32によって発生される電流がより小さくなる。より低い電流が、発熱の減少および温度の低下をもたらすことができる。
【0027】
制御装置62は、電動機36〜40に送信されるトルク・コマンドを制限するために特有のアルゴリズムを実施することがある。特に、制御装置62は、センサ54〜58によって各電動機36〜40からの温度信号を受信し、そこから、どの電動機36〜40が最高温度で動作しているかを求めることができる。次いで、電動機36〜40に関連付けられる最高温度値が、電動機36〜40の最大動作温度しきい値に関して正規化され、後の比較および制御のために制御装置62のメモリに保存されることがある。同様に、制御装置62は、センサ48を介して発電機32からの温度信号を受信し、発電機32の最大動作温度しきい値に関して発電機温度の値を正規化することができる。次いで、正規化された電動機温度と正規化された発電機温度とが比較されることがあり、これらの値のうちの最高値が、制御装置62のメモリに記憶されたマップと参照されて、第1のトルク出力コマンド制限値を算出する。発電機32および電動機36〜40の最大動作温度が実質的に同じである場合、センサ48および54〜58を介して受信される温度値が正規化を必要としないこともあるということが想定される。
【0028】
制御装置62はまた、電動機36〜40のトルク出力を制限するときにヒート・シンク34aおよび34bの温度を考慮することもある。具体的には、制御装置62は、センサ50、52を介して各ヒート・シンク34a、34bから温度信号を受信し、そこから、どのヒート・シンク34a、34bが最高温度で動作しているかを求めることができる。次いで、ヒート・シンク34a、34bに関連付けられる最高温度値が、制御装置62のメモリに記憶されたマップと参照されて、第2のトルク出力コマンド制限を算出することがある。次いで、制御装置62は、第1のトルク出力コマンド制限と第2のトルク出力コマンド制限とを比較して、それらの制限のうち、より大きい方を実施することがある。ヒート・シンク34a、34bの最大動作温度が異なる場合、最初に、センサ50、52を介して受信された2つの温度値を比較前に正規化することができるということが想定される。
【0029】
制御装置62はまた、機械18の操作者に、動力システム10内部での過剰な温度を示す警告を提供することができる。具体的には、所定のしきい値を超える熱伝達媒体の温度を示す、センサ60を介して受信された信号に応答して、制御装置62は、警告ランプ64を点灯することによって操作者に警告することができる。過剰な温度の別の指摘が、別法として、例えば、可聴アラーム、モニタに表示されるメッセージ、または別の同様の様式で操作者に提供されてもよいことが想定される。
【0030】
複数の異なる温度入力が電動機36〜40のトルク出力制御で利用されるので、動力システム10の構成要素の全てではないにせよ多くを、制御装置62によって熱的に保護することができる。すなわち、動力システム10の全ての主要な発熱構成要素の温度が監視され、それら独自の当該の最大動作温度と継続的に比較されるので、熱によって誘発される誤動作または損壊の可能性を最小にすることができる。さらに、これらの温度は直接測定することができるので、機械18のほぼ全ての動作状況において制御プロセスの精度を高くすることができ、精密な温度制御が得られる。
【0031】
制御装置62は、電動機36〜40のトルク出力を制限することによって動力システム10の温度を管理するので、必要以上の制限を伴わずに動力システム10の温度応答を高めることができる。具体的には、電動機36〜40に利用可能な電力貯蔵の量に関わらず電動機36〜40のトルク出力を制限することによって、動力システム10の全ての構成要素を通る電流を迅速に減少させることができる。ドライブトレイン構成要素を通過する電流のこの減少は、それらの構成要素の温度の低下に直接関係することがある。
【0032】
本開示の動力システムに様々な修正および変形を施すことができることが当業者には明らかであろう。動力システムの他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書に開示される動力システムの実践により、当業者に明らかになろう。本明細書および実施例は単に例示とみなされ、本開示の真の範囲は、頭記の特許請求の範囲およびそれらの等価箇所によって示されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電力消費デバイス(36〜40)と、
電力消費デバイスの温度を示す信号を発生するために、少なくとも1つの電力消費デバイスに関連付けられたセンサ(54〜58)と、
電力消費デバイスおよびセンサと通信する制御装置(62)と
を備え、制御装置が、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルを、信号の値に対応する量に制限するように構成された、電気ドライブトレイン(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの発電デバイス(32)と、
発電デバイスの温度を示す第2の信号を発生するために、少なくとも1つの発電デバイスに関連付けられた第2のセンサ(48)と
をさらに含み、
制御装置が、第2のセンサとさらに通信し、かつ
信号の値を正規化し、
第2の信号の値を正規化し、そして
少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルを、正規化された値のうちの最高値に対応する量に制限する
ように構成された、請求項1に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項3】
少なくとも1つの電力消費デバイスが、第1の電力消費デバイス(36)であり、
電気ドライブトレインが、さらに、
少なくとも第2の電力消費デバイス(38)と、
少なくとも第2の電力消費デバイスの温度を示す第3の信号を発生するために、少なくとも第2の電力消費デバイスに関連付けられた第3のセンサ(56)と
を含み、
制御装置が、少なくとも第2の電力消費デバイスおよび第3のセンサとさらに通信し、制御装置が、
信号と第3の信号との値を比較し、
信号と第3の信号とのうち、より大きい方の値を正規化し、そして
第1の電力消費デバイスと少なくとも第2の電力消費デバイスとの電力消費レベルを、正規化された値のうちの最高値に対応する量に同時に制限する
ように構成された、請求項2に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項4】
少なくとも1つの電力消費デバイスと少なくとも1つの発電デバイスとの少なくとも一方に関連付けられた少なくとも1つのヒート・シンク(34a、b)と、
少なくとも1つのヒート・シンクの温度を示す第3の信号を発生するために、少なくとも1つのヒート・シンクに関連付けられた第3のセンサ(52)と
をさらに含み、
制御装置が、第3のセンサとさらに通信し、かつ
正規化された値のうちの最高値に対応する、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルに対する限度を算出し、
第3の信号の値に対応する、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルに対する限度を算出し、そして
少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルを、算出された限度のうち、より大きい方に対応する量に制限する
ように構成された、請求項2に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項5】
少なくとも1つのヒート・シンクが、少なくとも1つの電力消費デバイスに関連付けられた第1のヒート・シンク(34b)であり、
電気ドライブトレインが、さらに、
少なくとも1つの発電デバイスに関連付けられた第2のヒート・シンク(34a)と、
第2のヒート・シンクの第4の温度を示す第4の信号を発生するために、第2のヒート・シンクに関連付けられた第4のセンサ(50)と
を含み、
制御装置が、さらに、
第3の信号と第4の信号との値を比較し、そして
第3の信号と第4の信号とのうちの最高値に対応する、少なくとも1つの電力消費デバイスの電力消費レベルに対する限度を算出する
ように構成された、請求項4に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項6】
ドライブトレイン(10)を作動させる方法であって、
機械的な出力を生成するために電力を消費するステップと、
機械的な出力の生成に関連付けられる温度を感知するステップと、
温度を示す信号を発生するステップと、
電力消費を、信号の値に対応する量に制限するステップと
を含む方法。
【請求項7】
電力出力を生成するために機械的な入力を利用するステップと、
電力出力の生成に関連付けられる第2の温度を感知するステップと、
第2の温度を示す第2の信号を発生するステップと、
信号の値を正規化するステップと、
第2の信号の値を正規化するステップと、
電力消費を、正規化された値のうちの最高値に対応する量に制限するステップと
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の機械的な出力を生成するために電力を消費するステップと、
第2の機械的な出力の生成に関連付けられる第3の温度を感知するステップと、
第3の温度を示す第3の信号を発生するステップと、
信号と第3の信号とを比較するステップと、
信号と第3の信号とのうち、より大きい方の値を正規化するステップと、
機械的な出力および第2の機械的な出力の生成に関連付けられる電力消費を、正規化された値のうちの最高値に対応する量に同時に制限するステップと
をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
機械的な出力の生成と電力出力の生成との少なくとも一方に関連付けられる熱を吸収するステップと、
吸収された熱の第3の温度を感知するステップと、
第3の温度を示す第3の信号を発生するステップと、
正規化された値のうちの最高値に対応する、機械的な出力の生成に関連付けられる電力消費に対する限度を算出するステップと、
第3の信号の値に対応する、機械的な出力の生成に関連付けられる電力消費に対する限度を算出するステップと、
機械的な出力の生成の電力消費レベルを、算出された限度のうち、より大きい方に対応して制限するステップと
をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
エンジン(12)と、
少なくとも1つの牽引デバイス(44)と、
エンジンを牽引デバイスに動作可能に接続する請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気ドライブトレインと
を備える移動機械(18)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−543530(P2009−543530A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518105(P2009−518105)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/010230
【国際公開番号】WO2008/002344
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】