説明

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器

【課題】放熱効率の優れた放熱板を有する電気光学装置を得る。
【解決手段】一対の基板と、該一対の基板に挟持された電流駆動型の発光素子17とを有する電気光学パネル20と、発光素子17が光を射出する側の反対側の面に配置された、反対側の面を露出させる貫通部23を有する薄膜21と、貫通部23に充填された接着剤26と、接着剤26により電気光学パネル20に接着された放熱板22と、を備えることを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置としての有機EL装置は、軽量で薄型化可能な表示装置であり、様々な電子機器への応用が進んでいる。かかる有機EL装置の課題のひとつとして、使用時の発熱がある。有機EL装置は、表示領域に電流駆動素子である有機EL素子を規則的配置した構成を有しているため、画像形成時すなわち有機EL素子の発光時に該有機EL装置自体も加熱される。そして、かかる熱は有機EL素子を構成する有機EL層等を劣化させ、有機EL装置の信頼性、あるいは寿命を低下させることとなる。そこで、かかる発熱の影響を抑制するために、有機EL装置の裏面(有機EL素子の発光が射出される側の反対側の面)側に金属製の放熱部材を貼付して放熱効率を向上させる手法が紹介されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−343555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の構成は有機ELパネルの裏面に、平滑な表面を有する板状の放熱板を貼付している。したがって、該裏面と該放熱部材との間に接着剤の層を全面的に形成する必要があり、放熱効率の低下を招くという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]一対の基板と、該一対の基板に挟持された電流駆動型の発光素子とを有する電気光学パネルと、上記電気光学パネルの上記発光素子が光を射出する側の反対側の面に配置され、上記反対側の面を露出させる貫通部を有する薄膜と、上記貫通部に充填された接着剤と、上記接着剤により上記電気光学パネルに接着された放熱板と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
【0007】
このような構成であれば、電気光学パネルと放熱板との間に全面的に接着剤層を形成することなく放熱板を接着できる。したがって、熱伝導効率を向上でき、表示品質及び耐久性を向上できる。
【0008】
[適用例2]上述の電気光学装置であって、上記貫通部は周囲を上記薄膜に囲まれた貫通孔であり、上記接着剤の量は上記貫通孔の容積よりも少なく、該貫通孔内には上記接着剤と真空部とが並存していることを特徴とする電気光学装置。
【0009】
このような構成であれば、周囲が常圧の場合、上記放熱板と上記電気光学パネルとを貼り合せる方向の力が働き、接着力が強化される。したがって、電気光学装置の信頼性を向上できる。また、上記放熱板と上記電気光学パネルとが上記薄膜を介して、すなわち上記貫通孔を介さずに接着される領域を増大でき、熱伝導効率を向上できる。
【0010】
[適用例3]上述の電気光学装置であって、上記薄膜と上記放熱板との少なくとも一方は金属を含むことを特徴とする電気光学装置。
【0011】
金属は熱伝導効率が高いため、このような構成であれば、電気光学装置の表示品質及び耐久性をより一層向上できる。
【0012】
[適用例4]上述の電気光学装置であって、上記発光素子が有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置。
【0013】
このような構成であれば、電気光学装置の表示品質及び耐久性を向上させることができる。
【0014】
[適用例5]一対の基板と該一対の基板間に配置された電流駆動型の発光素子とを有する電気光学パネルと、上記電気光学パネルの、上記発光素子が光を射出する側の反対側の面に配置された放熱板と、上記放熱板の、上記電気光学パネルと対向する側の面に形成された凹部と、上記凹部内に配置された接着剤と、を有することを特徴とする電気光学装置。
【0015】
このような構成であれば、上記放熱板の上記凹部が形成されていない領域では、上記放熱板と上記電気光学パネルとが接着剤を介さずに直接接触する。したがって、上記放熱板を、熱伝導効率の低下を抑制しつつ上記電気光学パネルに接着でき、電気光学装置の通電時の熱による劣化を低減できる。
【0016】
[適用例6]上述の電気光学装置であって、上記接着剤の量は上記凹部の容積よりも少なく、該凹部内には上記接着剤と真空部とが並存していることを特徴とする電気光学装置。
【0017】
このような構成であれば、周囲が常圧の場合、上記放熱板と上記電気光学パネルとを圧縮する方向の力が働き、接着力が強化される。したがって、電気光学装置の信頼性を向上できる。また、上記放熱板の基板面において上記凹部が占める領域を低減でき、熱伝導効率を向上できる。
【0018】
[適用例7]上述の電気光学装置であって、上記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置。
【0019】
このような構成であれば、有機EL装置の使用時の過熱による劣化を低減でき、表示品質等を向上できる。
【0020】
[適用例8]第1の基板の一方の面に電流駆動型の発光素子を形成した後に、該発光素子を覆うように第2の基板を貼り合せて電気光学パネルを形成する第1の工程と、上記電気光学パネルの上記発光素子が光を射出する側の反対側の面に、該反対側の面を露出させる貫通部を有する薄膜を形成する第2の工程と、上記貫通部に接着剤を配置する第3の工程と、上記反対側の面に上記薄膜を介して放熱板を配置した後に加圧して、上記電気光学パネルと上記放熱板とを上記接着剤及び上記薄膜を介して接着する第4の工程と、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0021】
このような製造方法であれば、基板と放熱板との間に全面的に接着剤層を形成することなく放熱板を接着できる。したがって、熱伝導効率の低下を抑制しつつ放熱板を配置でき、表示品質及び耐久性が向上した電気光学装置を得ることができる。
【0022】
[適用例9]上述の電気光学装置の製造方法であって、上記薄膜は金属膜であり、上記第2の工程は上記貫通部の形状のマスクを介して真空成膜を行う工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0023】
このような製造方法であれば、上記金属膜の形成と上記貫通部の形成とを同時に行うことができ、製造コストを低減できる。なお、「マスクを介して真空成膜」とはマスクスパッタあるいはマスク蒸着等を言う。
【0024】
[適用例10]上述の電気光学装置の製造方法であって、上記薄膜は金属膜であり、上記第2の工程は上記金属膜を形成後に、平面視で周囲を前記金属膜で囲まれた貫通孔を形成する工程である、ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0025】
このような製造方法であれば、貫通部毎の接着剤量の調整が容易になり、該貫通部が形成された領域以外の領域に接着剤が流出することを抑制できる。したがって、上記放熱板と上記電気光学パネルとの接着力の低下を抑制でき、信頼性が向上した電気光学装置を得ることができる。なお、上記貫通孔の形成はフォトリソグラフィー法等で行われる。
【0026】
[適用例11]上述の電気光学装置の製造方法であって、上記第3の工程は上記貫通孔内に該貫通孔の容積よりも少ない量の上記接着剤を配置する工程であり、上記第4の工程は真空中で行われる工程である、ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0027】
このような製造方法であれば、上記電気光学パネルと上記放熱板とが貼り合された後の貫通孔内に真空部が形成される。したがって、上記放熱板と上記電気光学パネルとの接着力を強化でき、信頼性が向上した電気光学装置を得ることができる。
【0028】
[適用例12]第1の基板の一方の面に電流駆動型の発光素子を形成した後に、該発光素子を覆うように第2の基板を貼り合せて電気光学パネルを形成する第1の工程と、放熱板の一方の面に凹部を形成する第2の工程と、上記凹部内に該凹部の容積以下の量の接着剤を配置する第3の工程と、上記接着剤が配置された後の上記放熱板と上記電気光学パネルとを、上記一方の面が上記電気光学パネルの上記発光素子が光を射出する側の反対側の面に対向するように貼り合せる第4の工程と、を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0029】
このような製造方法であれば、上記電気光学パネルと上記放熱板との間に全面的に接着剤層を形成することなく放熱板を接着できる。したがって、熱伝導効率の低下を抑制しつつ放熱板を配置でき、表示品質及び耐久性が向上した電気光学装置を得ることができる。
【0030】
[適用例13]上述の電気光学装置の製造方法であって、上記第3の工程は、上記凹部の容積よりも少ない量の上記接着剤を配置する工程であり、上記第4の工程は真空中で行われる工程である、ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0031】
このような製造方法であれば、上記電気光学パネルと上記放熱板とが貼り合された後の上記凹部内に真空部が形成される。したがって、上記放熱板と上記電気光学パネルとの接着力を強化でき、信頼性が向上した電気光学装置を得ることができる。
【0032】
[適用例14]上述の電気光学装置、又は、上述の製造方法で製造された電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【0033】
このような構成であれば、電子機器の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】電気光学装置としての薄型有機EL装置の模式断面図。
【図2】第1の実施形態の電気光学装置を展開させて示す斜視図。
【図3】空洞部の断面図。
【図4】金属膜に形成される貫通部形状等を示す図。
【図5】第2の実施形態の電気光学装置を展開させて示す斜視図。
【図6】第3の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。
【図7】第3の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。
【図8】第4の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。
【図9】第5の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。
【図10】電子機器の一例としての携帯情報端末の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明にかかる有機EL装置の製造方法の実施形態について、図面を参照しつつ述べる。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならしめてある。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る、電気光学装置としての薄型有機EL装置(以下、「有機EL装置」と称する。)31の模式断面図である。なお、実際の有機EL装置としては、図示する有機EL装置31を透明な薄型フィルムで上下より封止して使用する態様が一般的であるが、本実施形態においては、かかる薄型フィルムの図示及び説明の記載を省略している。
【0037】
図示するように有機EL装置31は電気光学パネルとしての有機ELパネル20と、該有機ELパネルの裏面側に配置された放熱板22等で構成されている。なお、本明細書において「(有機ELパネルの)表面」とは、後述する有機EL素子17で生じる光が射出される側の面である。「裏面」は、有機EL素子17が形成されている側の面である。以下、有機ELパネル20の構成について述べる。
【0038】
本実施形態に係る有機ELパネル20は、素子基板1とカラーフィルター基板16との一対の基板、及び該一対の基板とシール材15とで構成される領域内に形成された発光素子としての有機EL素子17等で構成されている。素子基板1とカラーフィルター基板16は、透過性を有する無機ガラス等からなり、シール材15により所定の間隔を持って対向配置されている。なお、本実施形態の有機EL装置31はトップエミッション型であるため、素子基板1において透過性は必須ではない。
【0039】
素子基板1の上方には、各有機EL素子17をアクティブ駆動するための駆動用TFT(薄膜トランジスター)3、及び図示しないスイッチング用TFTと保持容量等からなる画素回路が形成されている。そして、該画素回路は、層間絶縁層2で覆われている。なお、上方とは、カラーフィルター基板16側の方向を意味している。また、有機EL素子17が規則的に配置された領域の周囲には、図示を省略しているが走査線駆動回路及びデータ線駆動回路等が形成されている。
【0040】
画素回路の上方には、例えば、アクリル樹脂等の絶縁物からなる層である平坦化層4が形成されている。また、素子基板1の一辺がカラーフィルター基板16から張出した張出し部48には、外部配線46が形成されている。外部配線46は、平坦化層4に形成された図示しないコンタクトホールを介して、上述の走査線駆動回路等と導通しており、また、ICチップ等(不図示)を介して外部回路と導通している。
【0041】
平坦化層4の上層には、各駆動用TFT3毎に、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウム等からなり、発光機能層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。画素電極6は、ITO(酸化インジウム・合金)や、ZnO等の透明電極から構成されており、各駆動用TFT3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールを介して電気的に接続されている。隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂等から構成され、平面視で各画素電極6を囲むように形成されている。駆動用TFT3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面視で隔壁7と重なるように配置されている。
【0042】
画素電極6の上方には、発光機能層8と共通電極9とが該画素電極及び隔壁7を覆うように形成されている。発光機能層8は、本図においては一層の構成として図示されているが、実際は、正孔注入層、正孔輸送層、有機EL層、電子注入層等から構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)等の昇華性を有する材料から構成されている。有機EL層は、通電により白色光を放射する有機材料薄膜から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)等から構成されている。
【0043】
共通電極9は、MgAg等の金属を、光が透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。有機EL素子17は、画素電極6と共通電極9との一対の電極と該一対の電極間に形成された発光機能層8とで構成されている。画素電極6と共通電極9との間に電圧が印加されると、正孔注入層から供給される正孔と電子注入層から供給される電子とが有機EL層内で結合して上述の白色光が生じるとともに、通電に伴う熱が周囲に放射される。そして、かかる熱は上述したように有機EL装置の発光特性等を劣化させ、信頼性等を損なわせる。そこで、本実施形態の有機EL装置31は、素子基板1の裏面に放熱板22を熱伝導効率の低下を抑制しつつ配置して、上述の発光時の熱を該有機EL装置の外部へ効果的に放散させている。
【0044】
カラーフィルター基板16の発光機能層8側には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、及び青色カラーフィルター14bを有するカラーフィルター層14が形成されている。夫々のカラーフィルター14(r,g,b)、は、平面視で画素領域毎に、すなわち隔壁7で区画された領域毎に配置されている。各有機EL素子17において発光機能層8が通電されることにより生じる白色光は、カラーフィルター層14を透過することで所定の波長領域の光が取り出されて、赤色光、緑色光、青色光すなわち三原色光のいずれかの光となる。そして、かかる三原色光が画素領域29から射出されることにより、複数の画素領域29が規則的に配置された領域である表示領域にカラー画像が形成される。なお、画素領域29は平面的な概念であり、平面視において後述する遮光層(ブラックマトリクス)14bmに囲まれた領域である。遮光層14bmは平面視で隔壁7と重なるように格子状に形成されており、画素領域29間の混色を抑制している。
【0045】
有機EL素子17とカラーフィルター層14との間には、電極保護層10と緩衝層11とガスバリア層12と充填材13とが順に形成されている。電極保護層10は、SiO2や、Si34等の透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂等の透明な有機緩衝層である。ガスバリア層12は、SiO2や、Si34等の透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する封止層であり、発光機能層8への水分の浸入を防止する機能を有している。充填材13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等からなる透明な接着剤層であり、ガスバリア層12とカラーフィルター層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部から、発光機能層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たしている。
【0046】
なお、本図においては、各構成要素の積層関係を明確にするために、素子基板1とカラーフィルター基板16との間に挟持された各層の縮尺を上述の一対の基板よりも拡大している。しかし、実際は、上述の一対の基板の間隔は基板の板厚よりも薄く形成されている。具体的には上述の間隔は数μm〜10μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の(有機EL層等の)薄膜からなる発光機能層8の厚さは1μmに満たない。一方、素子基板1およびカラーフィルター基板16の厚さは、それぞれ略40μmである。したがって、有機EL装置31の総厚は、略約90μmとなる。かかる厚さに形成することにより有機EL装置31は強度を損なうことなく柔軟性を得ている。
【0047】
なお、素子基板1、およびカラーフィルター基板16は、それぞれが初期段階で0.3〜0.7mm程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄板化したものである。かかる薄板化は、表裏のガラス基板が厚い状態の有機EL装置31を形成した後、フッ酸(フッ化水素酸)をエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより行うことが好ましい。
【0048】
図2は、有機EL装置31を有機ELパネル20と薄膜としての金属膜21と放熱板22とに展開させて示す斜視図である。後述する接着剤26(図3参照)は、図示を省略している。以下、図1と併せて、放熱板22の配置の態様について述べる。
【0049】
図示するように、放熱板22は金属膜21を介して素子基板1の裏面に配置されている。金属膜21には、複数の貫通部としての貫通孔23が規則的に形成されており、該貫通孔内には接着剤26が配置されている。したがって、素子基板1と放熱板22とは、該貫通孔内において接着剤26を介して接続されている。
【0050】
なお、後述するように金属膜21は素子基板1の裏面にスパッタ法等の方法で成膜(形成)されている。本実施形態の金属膜21の材質はAl(アルミニウム)であり、膜厚は50〜100μmである。一方、放熱板22は独立した板状部材であり、素子基板1の裏面に金属膜21を形成した後に該金属膜上に配置(接着)される。材質は金属膜21と同様にAlであり板厚は0.1〜0.2mm(100〜200μm)である。なお、上述の材質はAlに限定されるものではなく、他の金属の使用も可能である。板厚等についても同様に、上記の値に限定されるものではない。
【0051】
本実施形態の有機EL装置31は、接着剤26の量(体積)が貫通孔23の容積よりも少ないことが特徴である。また、接着剤26は貫通孔23内にのみ配置されており、平面視で貫通孔23の形成領域以外の領域には配置されていないことが特徴である。上述したように、金属膜21は素子基板1の裏面に直接成膜されている。したがって、かかる特徴の結果、上述の貫通孔23の形成領域以外の領域においては、素子基板1と放熱板22とは、接着剤26を介さずに、金属膜21のみを介して面接合している。すなわち、面接触状態で固定されている。
【0052】
また、上述したように接着剤26の量が貫通孔23の容積よりも少ないため、貫通孔23内、すなわち貫通孔23と素子基板1と放熱板22とで構成される空間には、接着剤26と共に空洞部28(図3参照)が形成されている。そして、有機EL装置31では、該空洞部が真空となっている。かかる真空は、後述するように(第3の実施形態)、有機ELパネル20と放熱板22とを貼り合せる工程を真空中で行うことによって得られる。
【0053】
図3は、空洞部28の断面図である。図示するように、接着剤26は貫通孔23(貫通孔23と素子基板1と放熱板22とで構成される空間)の一部を占めるのみであり、残りの部分は空洞部28となっている。そして上述したように空洞部28は真空である。一方、放熱板22の外側及び素子基板1を含む有機ELパネル20(図2参照)の外側は少なくとも通常の使用時においては常圧である。したがって、有機EL装置31には図示する矢印の方向の力が働いている。
【0054】
接着剤26は、少なくとも金属膜に比べると熱伝導効率が小さく、金属材料同士を接着剤で貼り合わせた場合、断熱材(断熱層)として働くこともあり得る。一方、金属材料同士を面接触させた場合、接着剤を用いた場合に比べて密着性が劣るため、界面が断熱層として働くこともあり得る。本実施形態の有機EL装置31は、貫通孔23内という局所的な場所にのみ接着剤26を配置することで、素子基板1と放熱板22とを、貫通孔23の形成領域を除くと熱伝導効率の高い金属膜21のみを介して面接合させている。
【0055】
そして、接着剤26を局所的にのみ用いることによる密着力の低下については、素子基板1と金属膜21と放熱板22とからなる集合体内に真空の空洞部(以下、「真空部」とも称する。)28を形成することで補っている。その結果、放熱板22を、素子基板1の裏面の全面に形成した接着剤層を介して接着する場合に比べて高い熱伝導効率を有するように配置することを可能としている。そして、画像形成時の発熱による発光機能層等の劣化をより一層低減して、信頼性をより一層向上することを可能としている。
【0056】
図4は、金属膜21に形成される貫通部(貫通孔)23の形状等を示す図である。
図4(a)は、上述の有機EL装置31における貫通孔23を示す図である。図示するように、貫通孔23は平面視で略円形である。そして、貫通孔23は比較的小面積であり、金属膜21内に略均一に分布するように形成されている。このような形状であれば、素子基板1の裏面と放熱板22とが金属膜21のみを介して面接合している領域と空洞部28が形成されている領域と素子基板1の裏面と放熱板22とが接着剤26を介して接着されている領域との三種類の領域を略均一に分布させることができる。したがって、有機EL装置31が局所的に加熱されることを抑制でき、また接着力が低い部分が局所的に生じることも抑制できる。したがって、使用時の温度上昇を効果的に低減できると共に信頼性も向上できる。ただし、本図に示す形状の金属膜21は、後述するマスク成膜(マスクスパッタ、あるいはマスク蒸着)の適用は困難である。
【0057】
図4(b)は、図4(a)に示す貫通孔23より大面積の貫通孔23を示す図である。このような形状の貫通孔23であれば、空洞部28が占める面積を比較的大きくできるため素子基板1と放熱板22との密着力を向上できる。また、貫通孔23の中心近傍に接着剤26を供給した場合貫通孔23の外側に該接着剤がはみ出す可能性が少なく、素子基板1と放熱板22とが直接(接着剤26を介さずに)接触すべき領域に接着剤26が侵入することを抑制できる。なお、マスク成膜の適用は困難である点は、上述の図4(a)に示す形状の貫通孔23と同様である。
【0058】
図4(c)は、貫通部が島状の金属膜21を囲んでいる態様を示す図である。したがって、貫通「孔」とは表現できない。以下、かかる形状の貫通部には「25」の符号を付ける。貫通部25がこのような形状の場合、接着剤をスポット状に供給すると空洞部28は形成できない。しかし、接着剤26を環状に供給すれば、該環状の内側を空洞部28にすることができる。そして、素子基板1と放熱板22とを接着させる工程を真空中で実施することで、該空洞部を真空部にできる。
【0059】
このような形状の貫通部25の長所は、金属膜21をマスク成膜(マスクスパッタ、あるいはマスク蒸着)で形成できることにある。すなわち、金属膜21の形成領域を打ち抜き部として、貫通部25と平面視で重なる形状の基材(マスク部材)を有する成膜マスクを用いて、金属膜21を、フォトリソグラフィー工程を経ずに形成できる。その結果、放熱効率の向上した放熱板22を備える有機EL装置31を、製造コストを増加させることなく得ることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る有機EL装置32を、有機ELパネル20と放熱板22とに展開させて示す斜視図である。上述の有機EL装置31を示す図2と同様に、接着剤26(図3参照)は図示を省略している。なお、有機EL装置32が備える素子基板1の構成は、第1の実施形態にかかる有機EL装置31が備える素子基板1の構成と同一である。
【0061】
図示するように、本実施形態に係る有機EL装置32は金属膜21を備えていない。したがって、素子基板1と放熱板22とは、金属膜21(図2参照)を介さずに対面接合している。放熱板22には凹部24が形成されており、接着剤26は該凹部内に供給されている。素子基板1と放熱板22とは、該接着剤で貼り合されている。そして、接着剤26の供給量は該凹部の容積よりも少ない点が特徴である。
【0062】
接着剤26の量が凹部24の容積よりも少ないため、該接着剤が凹部24の形成領域の外側にはみ出すことが抑制されている。したがって、上記形成領域以外では、素子基板1と放熱板22とは接着剤26を介さずに対面接合している。したがって、素子基板1が加熱された場合、該熱は高い伝導効率で放熱板22に伝えられる。
【0063】
また、接着剤26の量が少ないため、素子基板1と放熱板22とを貼り合せた状態において、凹部24内には接着剤26と共に空洞部28が形成される。そして、素子基板1と放熱板22とを貼り合せる工程を真空中で実施することで、該空洞部を真空部にできる。したがって、上記の第1の実施形態に係る有機EL装置31と同様に、該真空部に働く力により素子基板1と放熱板22との密着性を高めることができ、熱伝導効率を向上できる。その結果、放熱板22を、全面的に形成した接着剤層を介して接着する場合に比べて高い熱伝導効率を有するように配置することを可能として、画像形成時の発熱による劣化がより一層低減して、信頼性をより一層向上できる。
【0064】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法について説明する。図6及び図7は、本実施形態に係る有機EL装置(具体的には第1の実施形態の有機EL装置31)の製造方法を示す工程断面図である。
【0065】
図6(a)は有機ELパネル20が形成された段階を示している。上面に有機EL素子17(図1参照)等が形成された素子基板1とカラーフィルター層14(図1参照)が形成されたカラーフィルター基板16とが、シール材15を介して貼り合されて形成されている。なお、有機EL素子17等の図示は省略している。また、外部配線46(図1参照)等の図示も省略している。
【0066】
次に、図6(b)に示すように、素子基板1とカラーフィルター基板16とをエッチング等により薄板化して、有機ELパネル20を薄型化する。具体的には、上述したようにフッ酸(フッ化水素酸)を用いて0.3〜0.7mm程度の厚さであった素子基板1およびカラーフィルター基板16を略40μmの厚さとなるまでエッチングする。
【0067】
次に、図6(c)に示すように、素子基板1の裏面にスパッタ法あるいは蒸着法により金属膜21を形成する。なお、以下、図7(g)まで、有機ELパネル20の上下方向を反転させて図示している。上述したように、金属膜21は膜厚が略50〜100μmのアルミニウムが好ましい。
【0068】
次に、図6(d)に示すように、金属膜21をパターニングして貫通孔23を形成する。パターニングはフォトリソグラフィー法によって行う。本図においては、図4(a)に示すように、貫通孔23が素子基板1の裏面に均等に分布するように図示している。しかし、図4(b)に示す態様の貫通孔23を形成してもよい。そして、貫通孔23が形成された後の有機ELパネル20、を図示しない真空チャンバー内に移送する。そして、以下の工程は全て該真空チャンバー内で行われる。
【0069】
次に、図7(e)に示すように、真空チャンバー内に載置した有機ELパネル20の貫通孔23内に、ディスペンサー52を用いて接着剤26を供給する。上述したように、各貫通孔23に供給する接着剤26の量は、貫通孔23の容積よりも小さい(少ない)量である。
【0070】
次に、図7(f)に示すように、放熱板22を有機ELパネル20に被せる。
【0071】
次に、図7(g)に示すように、放熱板22に押し圧力を加えて、金属膜21と放熱板22とを密着させる。接着剤26の量が貫通孔23の容積よりも小さいため、かかる押し圧力を加えても接着剤26が貫通孔23からはみだすことはない。そして、かかる押し圧力を加えた状態を保ちつつ接着剤26を硬化させる。以上の工程で、裏面に金属膜21を介して放熱板22が接着された有機EL装置31を得ることができる。
【0072】
接着剤26の量が貫通孔23の容積よりも小さいため、貫通孔23内には接着剤26が充填されない部分、すなわち空洞部28が生じる。そして、接着剤26を貫通孔23内に供給する工程から、放熱板22に押し圧力を加えつつ接着剤26を硬化させる工程までを真空中で実施しているため、空洞部28は真空状態を保ったままで密封されて真空部となる。
【0073】
かかる真空部により、上述の図3等に示すように、素子基板1(及び有機ELパネル20)と放熱板22との密着力を高める力が働く。そしてかかる密着力の向上は、素子基板1と放熱板22との間の熱伝導効率を向上させる。したがって、かかる製造方法で得られた有機EL装置31は画像形成時の発熱を効率よく外部に放熱でき、信頼性が向上している。そして、放熱に要するエネルギーも低減できる。
【0074】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法について説明する。図8は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、本実施形態に対象となる有機EL装置は、図4(c)に示すように、貫通孔23ではなく連続した貫通部25を有する有機EL装置である。貫通部25以外の構成要素は、上述の第3の実施形態に係る有機EL装置における各構成要素と同一である。したがって、各構成要素の説明の記載は省略する。以下、工程順に述べる。
【0075】
まず、図8(a)に示すように、薄型化の工程までが終了した有機ELパネル20の素子基板1側に成膜マスク50を被せる。そして、該成膜マスク越しに金属粒子51を飛翔させて、該成膜マスクの打ち抜き部に金属粒子51を堆積させる。その結果、図8(b)に示すような貫通部25を有する金属膜21が形成される。
【0076】
次に、図8(c)に示すように、貫通部25内に、ディスペンサー52を用いて接着剤26を供給する。貫通部25は、貫通孔23と異なり容積を定義できないが、接着剤26の供給量は後述する放熱板22を貼り合せる際に接着剤26が貫通部25の形成領域の外側にはみ出すことがないように供給量に抑えることが必要である。
【0077】
次に、図8(d)に示すように、有機ELパネル20に放熱板22を被せて押し圧力を加えて、有機ELパネル20と放熱板22とを接着する。上述したように、接着剤26の供給量を貫通部25からはみ出さない程度に制限しているため、貫通部25内には接着剤26で満たされない空洞部28が発生する。素子基板1と放熱板22とは、貫通部25の形成領域以外では接着剤26を介さずに金属膜21のみを介して接着される。したがって以上の工程で、裏面に金属膜21を介して放熱板22が接着された有機EL装置31を得ることができる。
【0078】
本実施形態の製造方法は上述の第3の実施形態の製造方法とは異なり、空洞部28内に真空部が必ずできるとは限らない。しかし金属膜21を、成膜マスク50を用いて形成することで、フォトリソグラフィー法によるパターニング工程を省略できる。したがって、本実施形態の製造方法であれば、放熱効率が高く画像形成時の発熱を効率よく外部に放熱できる有機EL装置を、製造コストを抑制しつつ得ることができる。
【0079】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法について説明する。図9は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、本実施形態に対象となる有機EL装置は、第2の実施形態で説明した有機EL装置32である。そこで、各構成要素の説明の記載は一部省略する。以下、工程順に述べる。
【0080】
まず、図9(a)に示すように、将来的に放熱板22となる金属板(符号は22)に、複数の凸部を有する金型55を用いてプレス加工を施こして、図9(b)に示すように、一方の面に複数の凹部24を形成する。
【0081】
そして次に、放熱板22を真空チャンバー(不図示)内に移送する。そして、図示しないディスペンサーから接着剤26を凹部24内に供給する。接着剤26の供給量は、凹部24の容積よりも少なくなるように調整する。そして次に、図9(c)に示すように、薄型化の工程を施した有機ELパネル20を被せる。
【0082】
そして次に、図9(d)に示すように、有機ELパネル20に押し圧力を加えて、放熱板22と接着させて、有機EL装置32を完成させる。上述したように、接着剤26の供給量は凹部24の容積よりも少ないため、有機ELパネル20と放熱板22とが貼り合された後の凹部24内には空洞部28が形成されている。そして上述の貼り合わせる工程は真空チャンバー内で行われているため、空洞部28は真空部となっている。
【0083】
かかる真空部により、上述の図3等に示すように、素子基板1(及び有機ELパネル20)と放熱板22との密着力を高める力が働く。そしてかかる密着力の向上は、素子基板1と放熱板22との間の熱伝導効率を向上させる。したがって、本実施形態の製造方法で得られた有機EL装置32は画像形成時の発熱を効率よく外部に放熱でき、信頼性が向上している。そして、放熱に要するエネルギーも低減できる。
【0084】
(電子機器)
図10は、電子機器の一例としての携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の概略構成図である。携帯情報端末2000は、複数の操作ボタン2001、電源スイッチ2002、及び表示部2003を備えている。携帯情報端末2000では、電源スイッチ2002をONにし、複数の操作ボタン2001を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示部2003に表示される。表示部2003は、上述の各実施形態の何れかの有機EL装置、または上述の各実施形態にかかる製造方法の何れかで製造された有機EL装置を備えている。
【0085】
上述の実施形態に係る有機EL装置は放熱効率が向上しているため、携帯情報端末2000は放熱手段を別途用意する必要がなく、自然放熱のみで長時間の使用を継続できる。したがって、使用に伴うエネルギーを低減できる。また、熱による劣化も低減されているため、長期的な信頼性も向上している。
【0086】
上述の各実施形態の何れかの有機EL装置、または上述の各実施形態にかかる製造方法の何れかで製造された有機EL装置は、上述の携帯情報端末に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。電子機器としては例えば、パーソナルコンピューター、ディジタルスチルカメラ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のディジタルビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用ディスプレイ、ページャー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等があげられる。
【符号の説明】
【0087】
1…素子基板、2…層間絶縁層、3…駆動用TFT(薄膜トランジスター)、4…平坦化層、5…反射層、6…画素電極、7…隔壁、8…発光機能層、9…共通電極、10…電極保護層、11…緩衝層、12…ガスバリア層、13…充填材、14…カラーフィルター層、14b…青色カラーフィルター、14bm…遮光層、14g…緑色カラーフィルター、14r…赤色カラーフィルター、15…シール材、16…カラーフィルター基板、17…有機EL素子、20…有機ELパネル、21…薄膜としての金属膜、22…放熱板、23…貫通孔、24…凹部、25…貫通部、26…接着剤、28…空洞部、29…画素領域、31…有機EL装置、32…有機EL装置、46…外部配線、48…張出し部、50…成膜マスク、51…金属粒子、52…ディスペンサー、55…金型、2000…携帯情報端末、2001…操作ボタン、2002…電源スイッチ、2003…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板と、該一対の基板に挟持された電流駆動型の発光素子とを有する電気光学パネルと、
前記電気光学パネルの前記発光素子が光を射出する側の反対側の面に配置され、前記反対側の面を露出させる貫通部を有する薄膜と、
前記貫通部に充填された接着剤と、
前記接着剤により前記電気光学パネルに接着された放熱板と、
を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置であって、前記貫通部は周囲を前記薄膜に囲まれた貫通孔であり、前記接着剤の量は前記貫通孔の容積よりも少なく、該貫通孔内には前記接着剤と真空部とが並存していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気光学装置であって、前記薄膜と前記放熱板との少なくとも一方は金属を含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、前記発光素子が有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
一対の基板と該一対の基板間に配置された電流駆動型の発光素子とを有する電気光学パネルと、
前記電気光学パネルの、前記発光素子が光を射出する側の反対側の面に配置された放熱板と、
前記放熱板の、前記電気光学パネルと対向する側の面に形成された凹部と、
前記凹部内に配置された接着剤と、
を有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置であって、前記接着剤の量は前記凹部の容積よりも少なく、該凹部内には前記接着剤と真空部とが並存していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電気光学装置であって、前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
第1の基板の一方の面に電流駆動型の発光素子を形成した後に、該発光素子を覆うように第2の基板を貼り合せて電気光学パネルを形成する第1の工程と、
前記電気光学パネルの前記発光素子が光を射出する側の反対側の面に、該反対側の面を露出させる貫通部を有する薄膜を形成する第2の工程と、
前記貫通部に接着剤を配置する第3の工程と、
前記反対側の面に前記薄膜を介して放熱板を配置した後に加圧して、前記電気光学パネルと前記放熱板とを前記接着剤及び前記薄膜を介して接着する第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記薄膜は金属膜であり、
前記第2の工程は前記貫通部の形状のマスクを介して真空成膜を行う工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記薄膜は金属膜であり、
前記第2の工程は前記金属膜を形成後に、平面視で周囲を前記金属膜で囲まれた貫通孔を形成する工程である、
ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第3の工程は前記貫通孔内に該貫通孔の容積よりも少ない量の前記接着剤を配置する工程であり、
前記第4の工程は真空中で行われる工程である、
ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項12】
第1の基板の一方の面に電流駆動型の発光素子を形成した後に、該発光素子を覆うように第2の基板を貼り合せて電気光学パネルを形成する第1の工程と、
放熱板の一方の面に凹部を形成する第2の工程と、
前記凹部内に該凹部の容積以下の量の接着剤を配置する第3の工程と、
前記接着剤が配置された後の前記放熱板と前記電気光学パネルとを、前記一方の面が前記電気光学パネルの前記発光素子が光を射出する側の反対側の面に対向するように貼り合せる第4の工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第3の工程は、前記凹部の容積よりも少ない量の前記接着剤を配置する工程であり、
前記第4の工程は真空中で行われる工程である、
ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置、又は、請求項8から13のいずれか一項に記載の製造方法で製造された電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−43724(P2011−43724A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192843(P2009−192843)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】