説明

電気光学装置、駆動回路および電子機器

【課題】データ線の電圧振幅を一部抑えるとともに、表示品位の低下を防止する。
【解決手段】画素110は、画素容量と、一端が画素電極に接続され他端が容量線132に接続された蓄積容量とを含む。走査線112を1、2、3、…、320、321行目という順番で選択する場合、偶数行の容量線132にTFT152、154、156、158を設ける。2行目のTFT156のソース電極は第1給電線165に接続され、そのゲート電極は2行目の走査線112に接続され、TFT158のソース電極は第2給電線167に接続され、そのゲート電極は、TFT152、154の共通ドレイン電極に接続され、TFT156、158のドレイン電極同士は、2行目の容量線132に接続される。TFT152のゲート電極は、3行目の走査線112に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶などの電気光学装置において、データ線の電圧振幅を一部抑えるとともに表示品位の低下を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶などの電気光学装置では、走査線とデータ線との交差に対応して画素容量(液晶容量)が設けられるが、この画素容量を交流駆動する必要がある場合、データ信号の電圧振幅が正負の両極性となるので、データ線にデータ信号を供給するデータ線駆動回路においては、構成素子に電圧振幅に対応した耐圧が要求される。このため、画素容量に並列して蓄積容量を設けるとともに、各行において蓄積容量を共通接続した容量線を、走査線の選択に同期させて2値で駆動することにより、データ信号の電圧振幅を抑える技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−83943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この技術では、容量線を駆動する回路が、走査線を駆動する走査線駆動回路(実質的にはシフトレジスタ)と同等であるので、容量線を駆動するための回路構成が複雑化してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、回路構成の複雑化を抑えつつ、データ線の電圧振幅を一部抑えた上で、表示品位の低下を防止した電気光学装置、その駆動回路および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、複数行の走査線と、複数列のデータ線と、前記複数行の走査線に対応して設けられた複数の容量線と、
前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を備えた電気光学装置の駆動回路であって、前記複数の画素の各々は、画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた容量線との間に介挿され、前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、奇数行または偶数行の一方である一の走査線に対応して設けられた容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、
奇数行または偶数行の他方である走査線に対応して設けられた容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、簡易な構成により、データ線の電圧振幅を一部抑えるとともに、表示品位の低下を防止することが可能となる。
【0005】
ここで、本発明に係る電気光学装置の駆動回路において、前記容量線駆動回路は、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されてから、再び当該一の走査線が選択されるまで第2給電線を選択し続ける構成としても良い。また、電気光学装置の駆動回路において、前記容量線駆動回路は、奇数行ま
たは偶数行の一方である容量線の各々に対応して、第1乃至第4トランジスタを有し、一の容量線に対応する前記第1トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線から所定行離間した走査線に接続され、ソース電極が前記第4トランジスタをオンさせるためのオン電圧を給電するオン電圧給電線に接続され、前記第2トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第4トランジスタをオフさせるためのオフ電圧を給電するオフ電圧給電線に接続され、前記第3トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第1給電線に接続され、前記第4トランジスタは、ゲート電極が前記第1および第2トランジスタのドレイン電極に共通接続され、ソース電極が前記第2給電線に接続されて、前記第3および第4トランジスタのドレイン電極が当該一の容量線に接続されても良い。
なお、この駆動回路において、前記第1給電線の電圧は、異なる2つの電圧が所定の周期で入れ替わり、前記第2給電線の電圧は、前記第1給電線における2つの電圧の中間値である構成としても良い。
一方、本発明に係る電気光学装置の駆動回路において、前記容量線駆動回路は、奇数行または偶数行の一方である一の走査線に対応して設けられた容量線を、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線の選択が終了して、再び当該一の走査線が選択されるまで、ハイ・インピーダンス状態とする構成としても良い。また、電気光学装置の駆動回路において、前記容量線駆動回路は、奇数行または偶数行の一方である容量線の各々に対応して、第3および第4トランジスタを有し、一の容量線に対応する前記第3トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第1給電線に接続され、前記第4トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線から所定行離間した走査線に接続され、ソース電極が前記第2給電線に接続されて、前記第3および第4トランジスタのドレイン電極が当該一の容量線に接続されても良い。
この駆動回路において、前記第2給電線の電圧は、異なる2つの電圧が所定の周期で入れ替わり、前記第1給電線の電圧は、前記第2給電線における2つの電圧の中間値である構成としても良い。
【0006】
また、本発明に係る電気光学装置の駆動回路にあっては、複数行の走査線と、複数列のデータ線と、前記走査線の1行に対応して2行設けられた容量線と、前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素を備えた電気光学装置の駆動回路であって、前記複数の画素の各々は、画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた2行の容量線のいずれか一方との間に介挿され、前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち一方の容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、当該一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち他方の容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、を具備する構成としても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動回路のみならず、電気光学装置としても、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0008】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、表示領域100を有し、この表示領域100の周辺に制御回路20、走査線駆動回路140、容量線駆動回路150、データ線駆動回路190が配置した構成となっている。このうち、表示領域100は、画素110が配列する領域であり、本実施形態では、321行の走査線112が行(X)方向に延在する一方、240列のデータ線114が列(Y)方向に延在するように、それぞれ設けられ、このうち、最終321行目以外の1〜320行目の走査線112と1〜240列目のデータ線114との各交差に対応して、画素110がそれぞれ設けられている。したがって、本実施形態では、画素110が表示領域100において縦320行×横240列でマトリクス状に配列することになるが、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
また、本実施形態では、321行目の走査線112は、表示領域100の垂直走査(画素110に対する電圧書込のために走査線を順番に選択する動作)には寄与しないことになる。
一方、本実施形態では、1〜320行目の各走査線112に一対一に対応するように、それぞれ容量線132がX方向に延在して設けられている。このため、本実施形態において、容量線132については、ダミーとなる321行目の走査線112を除いた1〜320行分が設けられる。
【0009】
ここで、画素110の詳細な構成について説明する。
図2は、画素110の構成を示す図であり、i行及びこれに隣接する(i+1)行と、j列及びこれに隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成が示されている。
なお、iは、画素110が配列する行のうち、奇数の行を一般的に示す場合の記号であって、1、3、5、…、319である。このため、(i+1)は、奇数iよりも「1」だけ大きい2、4、6、…、320の偶数である。また、iについては、走査線112の行を説明する場合には、ダミーである321行目を含める必要があるので1以上321以下の整数となる場合がある。
一方、j、(j+1)は、画素110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上240以下の整数である。
【0010】
図2に示されるように、各画素110は、画素スイッチング素子として機能するnチャネル型の薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116と、画素容量(液晶容量)120と、蓄積容量130とを有する。各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110において、TFT116のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は画素容量120の一端たる画素電極118に接続されている。
画素容量120の他端はコモン電極108である。このコモン電極108は、図1に示されるように全ての画素110にわたって共通であり、コモン信号Vcomが供給される。
なお、本実施形態においてコモン信号Vcomは、後述するように電圧LCcomであり、時間的に一定である。
また、図2において、Yi、Y(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の走査線112に供給される走査信号を示し、また、Ci、C(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の容量線132における電圧を示している。
【0011】
表示領域100は、画素電極118が形成された素子基板とコモン電極108が形成された対向基板との一対の基板同士を、電極形成面が互いに対向するように一定の間隙を保
って貼り合わせるとともに、この間隙に液晶105を封止した構成となっている。このため、画素容量120は、画素電極118とコモン電極108とで誘電体の一種である液晶105を挟持したものとなって、画素電極118とコモン電極108との差電圧を保持する構成となっている。この構成において、画素容量120では、その透過光量が当該保持電圧の実効値に応じて変化する。なお、本実施形態では説明の便宜上、画素容量120において保持される電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードであるとする。
【0012】
また、i行j列の画素110における蓄積容量130は、一端が画素電極118(TFT116のドレイン電極)に接続されるとともに、他端がi行目の容量線132に接続されている。ここで、画素容量120および蓄積容量130における容量値を、それぞれCpixおよびCsとする。
【0013】
説明を再び図1に戻すと、制御回路20は、各種の制御信号を出力して電気光学装置10における各部の制御等をするとともに、第1容量信号Vc1を第1給電線165に、第2容量信号Vc2を第2給電線167に、それぞれ供給する。また、制御回路20は、後述するオン電圧Vonをオン電圧給電線161に供給し、オフ電圧Voffをオフ電圧給電線16
3に供給するほか、コモン信号Vcomをコモン電極108に供給する。
【0014】
表示領域100の周辺には、走査線駆動回路140や、容量線駆動回路150、データ線駆動回路190などの周辺回路が設けられている。このうち、走査線駆動回路140は、制御回路20による制御にしたがって、1フレームの期間にわたって走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320、Y321を、それぞれ1、2、3、…、320、321行目の走査線112に供給するものである。すなわち、走査線駆動回路140は、走査線を1、2、3、…、320、321行目という順番で選択するとともに、選択した走査線への走査信号を選択電圧Vddに相当するHレベルとし、それ以外の走査線への走査信号を非選択電圧(接地電位Gnd)に相当するLレベルとする。
【0015】
なお、詳細には、走査線駆動回路140は、図4に示されるように、制御回路20から供給されるスタートパルスDyをクロック信号Clyにしたがって順次シフトすること等に
よって、走査信号Y1、Y2、Y3、Y4、…、Y320、Y321を出力する。
また、本実施形態において1フレームの期間とは、図4に示されるように、走査信号Y1がHレベルになってから走査信号Y320がLレベルになるまで有効走査期間Faと、
ダミーの走査信号Y321がHレベルとなってから走査信号Y1が再びHレベルとなるまでの帰線期間Fbとを含む。また、1行の走査線112が選択される期間が水平走査期間
(H)である。
【0016】
容量線駆動回路150は、本実施形態では、1〜320行目の容量線132のうち、偶数行に対応して設けられたTFT152、154、156、158の組から構成される。ここで、偶数(i+1)行目の容量線132に対応するTFT152、154、156、158について説明すると、当該TFT152(第1トランジスタ)のゲート電極は、(i+1)行目の次に選択される奇数(i+2)行目の走査線112に接続され、そのソース電極は、オン電圧給電線161に接続される一方、当該TFT154(第2トランジスタ)のゲート電極は、同じ(i+1)行目の走査線112に接続され、そのソース電極は、オフ電圧給電線163に接続されるとともに、TFT152、154のドレイン電極同士がTFT158のゲート電極に接続されている。
次に、(i+1)行目の容量線132に対応するTFT156(第3トランジスタ)のゲート電極は、同じ(i+1)行目の走査線112に接続され、そのソース電極は、第1給電線165に接続される一方、当該TFT158(第4トランジスタ)のソース電極は
、第2給電線167に接続されるとともに、TFT156、158のドレイン電極同士が(i+1)行目の容量線132に接続されている。
なお、ここでは説明のために、偶数(i+1)行目として説明しているが、偶数(2、4、6、…、320)行目のそれぞれにおいて、TFT152、154、156、158の組が設けられる。
【0017】
また、オン電圧給電線161に供給されるオン電圧Vonは、それがTFT158のゲート電極に印加された場合に当該TFT158をオン状態(ソース・ドレイン電極間が導通状態)にさせる電圧であり、オフ電圧給電線163に供給されるオフ電圧Voffは、それ
がTFT158のゲート電極に印加された場合に当該TFT158をオフ状態(ソース・ドレイン電極間が非導通状態)にさせる電圧である。
なお、奇数(1、3、5、…、319)行目の容量線132は、本実施形態では、それぞれ第2給電線167に接続されている。
【0018】
データ線駆動回路190は、走査線駆動回路140により選択される走査線112に位置する画素110の階調に応じた電圧であって、極性指示信号Polに対応する電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240を、1、2、3、…、240列目のデータ線114にそれぞれ供給するものである。
ここで、データ線駆動回路190は、縦320行×横240列のマトリクス配列に対応した記憶領域(図示省略)を有し、各記憶領域には、それぞれに対応する画素110の階調値(明るさ)を指定する表示データDaが記憶される。各記憶領域に記憶される表示デ
ータDaは、表示内容に変更が生じた場合に、制御回路20によってアドレスとともに変
更後の表示データDaが供給されて書き換えられる。
データ線駆動回路190は、選択される走査線112に位置する画素110の表示データDaを記憶領域から読み出すとともに、当該階調値に応じた電圧であって指定された極
性に応じた電圧のデータ信号に変換し、データ線114に供給する動作を、選択される走査線112に位置する1〜240列のそれぞれについて実行する。
【0019】
極性指示信号Polは、本実施形態では、Hレベルであれば正極性書込を指定し、Lレベルであれば負極性書込を指定する信号であり、図4に示されるように、1フレームの期間において水平走査期間(H)毎に極性反転する。すなわち、本実施形態では、1フレームの期間において1行毎に書込極性を反転させる行(ライン)反転方式としている。
なお、極性指示信号Polは、隣接するフレームの期間に着目したときに同一走査線が選択される水平走査期間でみても論理反転の関係となっている。このように極性反転する理由は、液晶に直流成分が印加されることによる劣化を防止するためである。
また、本実施形態における書込極性については、画素容量120に対して階調に応じた電圧を保持させる際に、コモン電極108の電圧LCcomよりも画素電極118の電位を
高位側とする場合を正極性といい、低位側とする場合を負極性という。一方、電圧については、特に説明のない限り、電源の接地電位Gndを基準としている。
【0020】
なお、制御回路20は、クロック信号Clyの論理レベルが遷移するタイミングにおいてラッチパルスLpをデータ線駆動回路190に供給する。上述したように、走査線駆動回
路140は、スタートパルスDyをクロック信号Clyにしたがって順次シフトすること等
によって、走査信号Y1、Y2、Y3、Y4、…、Y320、Y321を出力するので、走査線が選択される期間の開始タイミングは、クロック信号Clyの論理レベルが遷移するタイミングである。したがって、データ線駆動回路190は、例えばラッチパルスLpを
1フレームの期間にわたってカウントし続けることによって何行目の走査線が選択されるのか、および、ラッチパルスLpの供給タイミングによって走査線の選択の開始タイミン
グを知ることができる。
【0021】
なお、本実施形態において、素子基板には、表示領域100における走査線112や、データ線114、TFT116、画素電極118、蓄積容量130に加えて、容量線駆動回路150におけるTFT152、154、156、158、オン電圧給電線161、オフ電圧給電線163、第1給電線165、第2給電線167なども形成される。
【0022】
図3は、このような素子基板のうち、容量線駆動回路150と表示領域100との境界付近の構成を示す平面図である。
この図に示されるように、本実施形態では、TFT116、152、154、156、158は、アモルファスシリコン型であって、そのゲート電極が半導体層よりも下側(紙面奥側)に位置するボトムゲート型である。
詳細には、第1導電層となるゲート電極層のパターニングにより、走査線112や、容量線132、TFT158のゲート電極が形成され、その上にゲート絶縁膜(図示省略)が形成され、さらにTFT116、152、154、156、158の半導体層が島状に形成されている。この半導体層の上には、保護層を介して第2導電層となるITO(indium tin oxide)層のパターニングにより、矩形形状の画素電極118が形成され、さらに、第3導電層となるアルミニウムなどの金属層のパターニングによって、TFT116、152、154、156、158のソース電極や、ドレイン電極とともに、データ線114、オン電圧給電線161、オフ電圧給電線163、第1給電線165、第2給電線167が形成されている。
【0023】
各行の走査線112は、表示領域100においては上述したようにX方向に延在して設けられる。
ここで、奇数i、(i+2)行目の走査線112は、容量線駆動回路150においてTFT152のゲート電極となるようにY(上)方向に分岐する部分を有するが、それ以外は表示領域100と同様にX方向に延在している。
一方、偶数(i+2)行目の走査線112は、走査線駆動回路140からX(右方向)に向かって延在するが、容量線駆動回路150において、まず上下方向にT字状に2分岐する。このうち、下方向に分岐する部分がTFT154のゲート電極となる。また、上方向に分岐する部分は、TFT158を迂回するように、途中で右方向に屈曲した後、TFT156のゲート電極となるように下方向に屈曲し、さらに、上方向に180度ターンし、この後、表示領域100に向かうように右方向に屈曲している。
【0024】
上述したように、偶数(i+1)行目に対応するTFT154のゲート電極は、同じ(i+1)行目の走査線112から下方向に分岐した部分であり、TFT152のゲート電極は、奇数(i+2)行目の走査線112からY(上)方向にT字状に分岐した部分である。また、TFT152、154の共通ドレイン電極とTFT158のゲート電極とは、上記ゲート絶縁膜を貫通するコンタクトホール(図において×印)を介して、電気的な接続が図られている。同様に、TFT156、158の共通ドレイン電極は、コンタクトホールを介して、偶数(i+1)行目の容量線132と電気的な接続が図られている。
一方、奇数i行目の容量線132は、コンタクトホールを介して、第2給電線167と電気的な接続が図られている。
また、蓄積容量130は、画素電極118の下層において幅広となるように形成された容量線132の部分と当該画素電極118とにより上記ゲート絶縁膜を誘電体として挟持した構成である。
なお、画素電極118と対向するコモン電極108は、対向基板に形成されるので、素子基板の平面図を示す図3には現れない。
【0025】
図3においては、あくまでも一例であり、TFTの型については他の構造、例えばゲート電極の配置でいえばトップゲート型としても良いし、プロセスでいえばポリシリコン型としても良い。また、容量線駆動回路150の素子を表示領域100に造り込むのではな
く、ICチップを素子基板側に実装する構成としても良い。
ICチップを素子基板側に実装する場合、走査線駆動回路140、容量線駆動回路150を、データ線駆動回路190とともに半導体チップとしてまとめても良いし、それぞれ別々のチップとしても良い。また、制御回路20については、FPC(flexible printed
circuit)基板等を介して接続しても良いし、半導体チップとして素子基板に実装する構成としても良い。
また、本実施形態を透過型ではなく反射型とする場合には、画素電極118について反射性の導電層をパターニングしたものとしても良いし、別途の反射性金属層をパターニングしても良い。さらに、透過型および反射型の両者を組み合わせた、いわゆる半透過半反射型としても良い。
【0026】
次に、本実施形態に係る電気光学装置10の動作について説明する。
上述したように本実施形態では、書込極性が行反転方式である。このため、制御回路20は、極性指示信号Polについて、図4に示されるように、あるフレーム(「nフレーム」と表記している)の期間の最初にLレベルとし、以下、水平走査期間(H)毎に書込極性を反転させ、次の(n+1)フレームの期間の最初にHレベルとし、以下、水平走査期間(H)毎に書込極性を反転させる。
また、本実施形態において制御回路20は、第1容量信号Vc1については、nフレームにおいて電圧LCcomよりも電圧ΔVだけ低い電圧Vslとし、(n+1)フレームにおい
て電圧LCcomよりも電圧ΔVだけ高い電圧Vshとする一方、第2容量信号Vc2について
は、コモン電極108に印加される電圧LCcomで一定とする。
【0027】
さて、nフレームにおいては、走査線駆動回路140によって最初に奇数1行目の走査線112が選択されるので、走査信号Y1がHレベルになる。
一方、走査信号Y1がHレベルになるタイミングにおいてラッチパルスLpが出力され
ると、データ線駆動回路190は、1行目であって1、2、3、…、240列目の画素の表示データDaを読み出すとともに、極性指示信号PolがLレベルであり、負極性書込が
指定されているので、当該表示データDaで指定された電圧だけ、電圧LCcomを基準に低位側とした電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240に変換し、それぞれ1、2、3、…、240列のデータ線114に供給する。
これにより例えば、j列目のデータ線114には、1行j列の画素110の表示データDaで指定された電圧だけ電圧LCcomよりも低位側とした負極性電圧がデータ信号Xjとして印加される。
さて、走査信号Y1がHレベルになると、1行1列〜1行240列の画素におけるTFT116がオンするので、これらの画素電極118には、データ信号X1、X2、X3、…、X240が印加される。このため、1行1列〜1行240列の画素容量120には、それぞれ階調に応じた負極性電圧が書き込まれることになる。
【0028】
なお、奇数行目の容量線132は、第2給電線167に接続されているので、1行目の容量線132は電圧LCcomに保たれる。このため、1行1列〜1行240列の蓄積容量
130には、それぞれ階調に応じた負極性電圧と電圧LCcomとの差電圧が書き込まれて
、画素容量120に対する並列容量として機能する。
したがって、1行1列〜1行240列において、画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性電圧と電圧LCcomとの差電圧が書き込ま
れることになる。
【0029】
次に走査信号Y1がLレベルになるとともに、走査信号Y2がHレベルになる。
走査信号Y1がLレベルになると、1行1列〜1行240列の画素におけるTFT116がオフするが、1行1列〜1行240列の画素容量120および蓄積容量130においてそれぞれ保持された電圧に変化は生じない。
nフレームにおいて走査信号Y2がHレベルとなる水平走査期間(H)では、極性指示信号PolがHレベルであり、正極性書込が指定される。
走査信号Y2がHレベルになるタイミングにおいてラッチパルスLpが出力されると、
データ線駆動回路190は、2行目であって1、2、3、…、240列目の画素の表示データDaを読み出すとともに、当該読み出した表示データDaに対応し、かつ、正極性に対応した電圧(この意味については後述する)のデータ信号X1、X2、X3、…、X240に変換し、それぞれ1、2、3、…、240列のデータ線114に供給する。このため、2行1列〜2行240列の画素容量120には、それぞれ表示データに基づくとともに正極性に対応した電圧が書き込まれて、当該電圧と電圧LCcomとの差電圧が保持される
ことになる。
【0030】
一方、走査信号Y2がHレベルであれば、容量線駆動回路150では、2行目の容量線132に対応するTFT154がオンする。TFT154のオンによりTFT158のゲート電極には、オフ電圧Voffが印加されるので、TFT158がオフであるが、走査信
号Y2がHレベルであるので、TFT156がオンする。このため、2行目の容量線132は、第1容量信号Vc1の電圧Vslとなる。このため、2行1列〜2行240列の蓄積容量130の一端には、画素電極118と同じ電圧(すなわち、表示データに基づくとともに正極性に対応した電圧)が書き込まれて、当該電圧と電圧Vs1との差電圧が保持されることになる。
【0031】
次に走査信号Y2がLレベルになるとともに、走査信号Y3がHレベルになる。
また、容量線駆動回路150において、走査信号Y2がLレベルになることにより2行目の容量線132に対応するTFT154がオフし、また、走査信号Y3がHレベルになることにより2行目のTFT152がオンするので、TFT158のゲート電極には、オン電圧Vonが印加される。このため、TFT158がオンする。一方、走査信号Y2がLレベルになることによりTFT156がオフする。したがって、nフレームにおいて走査信号Y3がHレベルになると、2行目の容量線132は、第1容量信号Vc1の電圧Vslから第2容量信号Vc2の電圧LCcomへと変化する、すなわち、電圧ΔVだけ上昇する。一
方、走査信号Y2がLレベルになると、2行1列〜2行240列の画素におけるTFT116がオフする。
したがって、nフレームにおいて、走査信号Y3がHレベルになると、2行1列〜2行240列の各画素では、画素容量120および蓄積容量130の直列接続において、コモン電極108が電圧LCcomで一定であるのに対し、容量線132が電圧ΔVだけ上昇す
るので、各画素容量120では、データ信号の電圧の書き込みによる保持電圧から変動することになる。なお、この保持電圧の変動については後述する。
【0032】
一方、走査信号Y3がHレベルになるタイミングにおいてラッチパルスLpが出力され
ると、データ線駆動回路190は、3行目であって1、2、3、…、240列目の画素の表示データDaを読み出すとともに、極性指示信号Polにより負極性書込が指定されてい
るので、当該表示データDaで指定された電圧だけ、電圧LCcomを基準に低位側とした電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240に変換し、それぞれ1、2、3、…、240列のデータ線114に供給する。
3行目の容量線132は、電圧LCcomに保たれているので、3行1列〜3行240列
において、画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性電圧が書き込まれて、当該負極性電圧と電圧LCcomとの差電圧が保持されること
になる。
【0033】
続いて、走査信号Y3がLレベルになって走査信号Y4がHレベルになる。
このとき、2行目の容量線132に対応するTFT152がオフするので、TFT158のゲート電極は、電気的にいずれの部分にも接続されない状態(ハイ・インピーダンス
状態)となるが、このゲート電極自体に寄生する容量のために、TFT152がオフする直前の状態であるオン電圧Vonに維持される。このため、当該2行目の容量線132に対応するTFT158はオン状態を継続するので、当該2行目の容量線132は電圧LCcomを維持することになる。なお、この2行目の容量線132が電圧LCcomを維持する動作は、走査信号Y2が再びHレベルとなるまで継続することになる。
走査信号Y4がHレベルになるとき、他の動作は、走査信号Y1がLレベルになって走査信号Y2がHレベルになる動作と同様である。すなわち、4行1列〜4行240列の画素電極118には、表示データに基づくとともに正極性に対応した電圧が書き込まれて、画素容量120によって当該電圧と電圧LCcomとの差電圧が保持される一方、蓄積容量
130の一端には、当該電圧が書き込まれて、蓄積容量130によって当該電圧と電圧Vs1との差電圧が保持されることになる。
【0034】
さらに、走査信号Y4がLレベルになって走査信号Y5がHレベルになるが、この動作は、走査信号Y2がLレベルになって走査信号Y3がHレベルになる動作と同様である。すなわち、4行1列〜4行240列の各画素では、画素容量120において保持電圧が変動する一方、5行1列〜5行240列において、画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性電圧が書き込まれて、当該負極性電圧と電圧LCcomとの差電圧が保持されることになる。
nフレームでは、以下同様な動作が、走査信号Y321がHレベルとなるまで繰り返される。ただし、321行目の走査線112には画素が存在しないので、走査信号Y321がHレベルになったときには、320行目のTFT158のゲート電極をオン電圧Vonに保つために、同じ320行目のTFT152をオンさせる動作のみが行われる。
【0035】
次の(n+1)フレームの期間においても、極性指示信号Polが論理反転の関係となる以外、同様な動作が実行される。
すなわち、奇数i行目の走査信号YiがHレベルになると、1行前の(i−1)行1列〜(i−1)行240列の各画素では、画素容量120において保持電圧が変動する一方、i行1列〜i行240列において、画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた正極性電圧が書き込まれて、当該負極性電圧と電圧LCcomと
の差電圧が保持されることになる。ただし、最初に選択される1行目よりも前に走査線は存在しないので、走査信号Y1がHレベルになるときには、1行目の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた正極性電圧が書き込まれる動作だけが実行される。また、上述したように走査信号Y321がHレベルになったときには、320行目のTFT152をオンさせる動作のみが行われる。
一方、偶数(i+1)行目の走査信号Y(i+1)がHレベルになると、(i+1)行1列〜(i+1)行240列の各画素において、画素容量120には、表示データに基づくとともに負極性に対応した電圧が書き込まれて、当該電圧と電圧LCcomとの差電圧が
保持される一方、蓄積容量130には、当該電圧が書き込まれて、当該電圧と電圧Vs1との差電圧が保持されることになる。
【0036】
次に、偶数行目の画素容量120における保持電圧の変動について説明する。
図5は、nフレームにおける偶数(i+1)行であってj列目の画素容量120の電圧変動を説明するための図である。
まず、走査信号YiがHレベルになると、図5(a)に示されるように、(i+1)行j列のTFT116がオンするので、データ信号Xjの電圧が画素容量120の一端(画素電極118)と蓄積容量130の一端とにそれぞれ印加される。
一方、nフレームにおいて、(i+1)行目の容量線132の電圧Ciは、第1給電線165の電圧Vslである。なお、コモン電極108は電圧LCcomで一定である。
したがって、このときのデータ信号Xjの電圧をVjとすれば、(i+1)行j列における画素容量120には電圧(Vj−LCcom)が充電され、蓄積容量130には電圧(
Vj−Vsl)が充電される。
【0037】
次に、走査信号Y(i+1)がLレベルになり、走査信号Y(i+2)がHレベルになると(図5(b)においては(i+2)行を図示省略している)、(i+1)行j列のTFT116がオフするとともに、(i+1)行目の容量線132の電圧Ciは、第1給電線165の電圧Vslから第2給電線167の電圧LCcomに変化する、すなわち、電圧Δ
Vだけ上昇する。
詳細には、画素容量120と蓄積容量130との直列接続において、画素容量120の他端(コモン電極108)が電圧LCcomで一定に保たれたまま、蓄積容量130の他端
が電圧ΔVだけ上昇するので、画素電極118の電圧も上昇する。
このため、当該直列接続点である画素電極118の電圧は、
Vj+{Cs/(Cs+Cpix)}・ΔV
となり、走査信号YiがHレベルであったときのデータ信号の電圧Vjよりも、i行目の容量線132の電圧変化分ΔVに、画素容量120および蓄積容量130の容量比{Cs/(Cs+Cpix)}を乗じた値だけ上昇することになる。すなわち、i行目の容量線1
32の電圧CiがΔVだけ上昇すると、画素電極118の電圧は、走査信号YiがHレベルであったときのデータ信号の電圧Vjよりも、{Cs/(Cs+Cpix)}・ΔV(=Δ
Vpixとする)だけ上昇することになる。なお、各部の寄生容量は無視している。
【0038】
ここで、nフレームにおいて、走査信号Y(i+1)がHレベルのときにおけるデータ信号Xjの電圧Vjは、その電圧を画素電極118に印加した後に、当該画素電極が電圧ΔVpixだけ上昇したときの電圧がコモン電極108の電圧LCcomよりも高位であって、両者の差電圧が(i+1)行j列の階調に応じた値となるように設定される。
詳細には、本実施形態では、ノーマリーホワイトモードとしているので、図6(c)に示されるように、正極性書込においては(i+1)行j列の画素を白色wから黒色bまでのいずれかの階調とすべき場合、電圧ΔVpixだけ上昇したときの画素電極118の電圧
が、白色wに相当する電圧Vw(+)から黒色bに相当する電圧Vb(+)までの範囲cであって、階調が低く(暗く)なるにつれて電圧LCcomよりも高位側の電圧とすれば良いので、
この階調に応じた電圧よりもΔVpixだけ低位の電圧となるように、データ信号Xjの電
圧Vjが設定される。
【0039】
ここでは、nフレームにおける偶数(i+1)行での電圧上昇について説明したが、(n+1)フレームにおいて偶数(i+1)行では、nフレームとは電圧変化方向が逆向き、すなわち低下するだけである。
したがって、(n+1)フレームにおいて、走査信号Y(i+1)がHレベルのときのデータ信号Vjは、次のように設定すれば良い。すなわち、図6(d)に示されるように、電圧ΔVpixだけ下降したときの画素電極118の電圧が、白色wに相当する電圧Vw(-)から黒色bに相当する電圧Vb(-)までの範囲dであって、階調が低く(暗く)なるにつ
れて電圧LCcomよりも低位側の電圧とすれば良いので、この階調に応じた電圧よりもΔ
Vpixだけ高位の電圧となるように、データ信号Xjの電圧Vjが設定される。
【0040】
このとき、偶数(i+1)行において、正極性書込と負極性書込とにおいて電圧範囲が一致するように設定すれば、データ信号の振幅範囲を最も狭く抑えることができる。
すなわち、図6(c)において正極性書込に対応するデータ信号の振幅中心と、図6(d)において負極性書込に対応するデータ信号の振幅中心とが互いに電圧LCcomに一致
するように設定するとともに、電圧ΔVpixだけ上昇したときに、電圧Vw(+)から電圧Vb(+)までの範囲cシフトし、電圧ΔVpixだけ下降したときに、電圧Vw(-)から電圧Vb(-)までの範囲dにシフトするように電圧ΔV(=Vsh−LCcom=LCcom−Vsl)を設定すれば良い。
ただし、図6(c)において正極性書込に対応するデータ信号の振幅範囲では、白色w
側が低位となり黒色b側が高位となるが、図6(d)において負極性書込に対応するデータ信号の振幅範囲では白色w側が高位となり黒色b側が低位となり、階調の関係が逆転する。
なお、正極性書込が指定されたときのデータ信号の電圧範囲と、負極性書込が指定されたときのデータ信号の電圧範囲とを一致させなくても、容量線132の電圧変化によりデータ信号の電圧振幅を抑えることはできる。
【0041】
また、奇数i行目については、容量線132が電圧LCcomで一定であるので、画素容
量120における保持電圧は変動しない。
したがって、nフレームにおいて奇数i行目の走査線が選択されて、負極性書込が指定されるのであれば、図6(b)に示されるように、範囲dであって、階調が低く(暗く)なるにつれて電圧LCcomよりも低位側の電圧に、データ信号Vjの電圧を設定すれば良
い。また、(n+1)フレームにおいて奇数i行目の走査線が選択されて、正極性書込が指定されるのであれば、図6(a)に示されるように、範囲cであって、階調が低く(暗く)なるにつれて電圧LCcomよりも高位側の電圧に、データ信号Vjの電圧を設定すれ
ば良い。
【0042】
このように本実施形態によれば、図7に示されるように、偶数(i+1)行についてみれば、当該偶数(i+1)行の走査線112が選択されて走査信号Y(i+1)がHレベルとなったときに、(i+1)行j列の画素容量120に対して表示データに基づくとともに極性に対応した電圧を書き込み、この後、当該偶数(i+1)行の次の奇数(i+2)行の走査線112が選択されて走査信号Y(i+2)がHレベルとなったときに、(i+1)行目の容量線132を電圧ΔVだけ上昇または低下させることにより、当該偶数(i+1)行j列の画素容量120に保持される電圧を実効値でみて拡大させている。
なお、図7は、走査信号と容量線と画素電極との電圧関係を示す図であり、i行j列の画素電極118の電圧をPix(i,j)で、(i+1)行j列の画素電極118の電圧をPix(i+1,j)で、それぞれ示している。ここで、画素容量120に保持される電圧実効値は、画素電極118の電圧Pix(i,j)またはPix(i+1,j)と、電圧LCcomとの差電圧を単位
期間(例えばフレームの期間)で反映させたものとなる。
このように本実施形態では、偶数行の画素容量120に保持される電圧を実効値でみて拡大させているので、図6(c)および図6(d)に示されるように偶数(i+1)行の走査線112が選択されるときのデータ信号電圧振幅は、図6(a)および図6(b)に示されるように奇数i行の走査線112が選択されるときのデータ信号電圧振幅よりも小さく抑えることが可能となる。
さらに、奇数i行目には、TFT152、154が存在しないので、容量線駆動回路150の構成を簡略することができるとともに、図3に示されるように、TFT156、158のサイズを、TFT152、154よりも大きく形成することができる。このため、容量が寄生しやすい偶数行目の容量線132を容易に駆動することが可能となる。
さらに、本実施形態では、容量線132を電圧変化させるにもかかわらず、1フレームにおいて画素に対する書込極性が行(ライン)毎に反転するので、コントラスト比が高まり、その分、高品位な表示が可能となる。
【0043】
なお、上述した図1に示した構成では、容量線駆動回路150において、偶数行の容量線132に対応してTFT152、154、156、158の組を設けるとともに、奇数行の容量線132を第2給電線167に接続する構成としたが、奇数行の容量線132に対応してTFT152、154、156、158の組を設けるとともに、偶数行の容量線132を第2給電線167に接続する構成としても良い。ただし、奇数行の容量線132に対応してTFT152、154、156、158の組を設ける構成では、最初の1行目の容量線132を電圧変化させるために、1行目の前にダミーとなる0行目の走査線を別途設ける必要がある。なお、321行目の走査線は不要となる。
【0044】
<第2実施形態>
図1に示した第1実施形態では、偶数(i+1)行目の走査線112が非選択となる期間にわたって、当該偶数(i+1)行目に対応するTFT158をオンさせることにより、当該偶数(i+1)行目の容量線132を、第2給電線167の電圧LCcomに確定さ
せる構成であったが、上述したように、容量線132には容量が寄生するので、電圧保持性を有する。そこで、この電圧保持性を用いて、構成をより簡略化した第2実施形態について説明することにする。
【0045】
図8は、第2実施形態に係る電気光学装置10の構成を示すブロック図である。この第2実施形態に係る電気光学装置が、図1に示した第1実施形態に係る電気光学装置と相違する点は、第1に、容量線駆動回路150において、偶数(i+1)行目の容量線132に対応するTFT152、154が存在せず、偶数(i+1)行目のTFT158のゲート電極が、その次に選択される奇数(i+2)行目の走査線112に接続されている点、および、第2に、オン電圧給電線161とオフ電圧給電線163とが存在しないので、制御回路20がオン電圧Vonとオフ電圧Voffを供給しない点である。
【0046】
図9は、第2実施形態において、素子基板のうち、容量線駆動回路150と表示領域100との境界付近の構成を示す平面図である。
この図に示される構成が、図3に示される構成と相違する部分は、TFT156、158の配置が左右反転しているほか、偶数(i+1)行目の走査線112が容量線駆動回路150でほぼ直性的に形成され、また、奇数i行目の容量線132は、TFT152、154が存在しないので、迂回することなく、第2給電線167に接続されている点である。
第2実施形態の構成について、これら以外の部分については第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0047】
第2実施形態に係る電気光学装置10において、制御回路20は、第1実施形態と同様に、すなわち図4に示されるように、極性指示信号Pol、第1容量信号Vc1および第2容量信号Vc2を出力する。
ここで、nフレームの期間において、偶数(i+1)行目の走査線112が選択されて走査信号Y(i+1)がHレベルになる水平走査期間(H)では、極性指示信号PolがHレベルであるので、偶数行目の画素に対しては正極性書込が指定される。
nフレームにおいて、走査信号Y(i+1)がHレベルになると、偶数(i+1)行目のTFT156がオンするので、偶数(i+1)行目の容量線132は、第1容量信号Vc1の電圧Vslとなる。次に、走査信号(Y+1)がLレベルになり、続く奇数(i+2)行目の走査線112が選択されて走査信号Y(i+2)がHレベルになると、偶数(i+1)行目のTFT156がオフし、TFT158がオンするので、偶数(i+1)行目の容量線132は、第2容量信号Vc2の電圧LCcomとなり、電圧ΔVだけ上昇する。
【0048】
一方、(n+1)フレームの期間において、偶数(i+1)行目の走査信号Y(i+1)がHレベルになる水平走査期間(H)では、極性指示信号PolがLレベルであるので、偶数行目の画素に対しては負極性書込が指定される。
(n+1)フレームにおいて、走査信号Y(i+1)がHレベルになると、偶数(i+1)行目の容量線132は、第1容量信号Vc1の電圧Vshとなる。次に、走査信号(Y+1)がLレベルになり、続く奇数(i+2)行目の走査信号Y(i+2)がHレベルになると、偶数(i+1)行目の容量線132は、第2容量信号Vc2の電圧LCcomとなるの
で、電圧ΔVだけ低下する。
なお、nおよび(n+1)フレームのいずれにおいても、偶数(i+1)行目に続く奇数行目の走査線の選択が終了して走査信号(Y+2)がLレベルになり、さらに次の偶数
(i+3)行目の走査線112が選択されて走査信号Y(i+3)がHレベルになると、偶数(i+1)行目の容量線132は、電気的にいずれの部分にも接続されない状態(ハイ・インピーダンス状態)となるが、この容量線132自体に寄生する容量のために、TFT158がオフする直前の状態である電圧LCcomに維持される。
【0049】
したがって、偶数(i+1)行目において、正極性書込が指定されていれば、表示データに基づくとともに正極性に対応した電圧が書き込まれ、偶数(i+1)行目の走査線112の選択終了後に、容量線132が電圧ΔVだけ上昇する一方、負極性書込が指定されていれば、表示データに基づくとともに負極性に対応した電圧が書き込まれ、偶数(i+1)行目の走査線112の選択終了後に、容量線132が電圧ΔVだけ低下するので、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を奏することが可能となる。
さらに、第2実施形態では、偶数(i+1)行目の容量線132に対応するTFT152、154や、オン電圧給電線161、オフ電圧給電線163が存在せず、制御回路20がオン電圧Vonとオフ電圧Voffを供給しないで済むので、その分、第1実施形態と比較
して構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0050】
ただし、第2実施形態において、偶数行目の容量線132は、例えば(i+1)行目についてみれば、2行後の(i+3)行目の走査線が選択されてから再び(i+1)行目の走査線が選択されるまで、ハイ・インピーダンス状態となる。このため、偶数行目の容量線132は、当該偶数行目の容量線132と寄生容量によって結合する部分(例えば隣接する走査線112やデータ線114)における電圧変化の影響を受けやすい。これに対し、奇数行目の容量線132は、第2給電線167に接続されているので、奇数行目の容量線132と寄生容量によって結合する部分においてたとえ電圧変化があったとしても、その電圧変化の影響を受けにくい。したがって、第2実施形態では、奇数および偶数行目で表示差が発生する可能性がある。
なお、第1実施形態では、上述したように、偶数(i+1)行目についてみれば、2行後の(i+3)行目の走査線が選択されてから再び(i+1)行目の走査線が選択されるまでの期間であっても、TFT158がオンし続けているので、第2給電線167の電圧LCcomに保たれる。このため、第1実施形態では、第2実施形態のように容量線と寄生
容量によって結合する部分での電圧変化の影響を受けないので、この点において第2実施形態と比較して有利である。
【0051】
なお、第2実施形態においては、奇数行目の容量線132を第2給電線167に接続したが、図10に示されるブロック図や、図11に示される平面図に示されるように、第1給電線165に接続しても良い。
ここで、奇数行目の容量線132を第1給電線165に接続する構成では、図12に示されるように、第1容量信号Vc1について電圧LCcomで一定とし、第2容量信号Vc2に
ついて、nフレームにおいて電圧LCcomよりも電圧ΔVだけ高い電圧Vshとすれば、偶
数(i+1)行目の走査線112の選択終了後に、正極性書込の指定に応じて容量線132が電圧ΔVだけ上昇させることが可能となる。
また、第2容量信号Vc2について、(n+1)フレームにおいて電圧LCcomよりも電
圧ΔVだけ低い電圧Vslとすれば、負極性書込の指定に応じて容量線132が電圧ΔVだけ低下させることが可能となる。
【0052】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電気光学装置について説明する。上述した第1および第2実施形態は、フレームの期間において画素の書込極性を1行毎に反転させる行(ライン)反転方式としていたが、この第3実施形態に係る電気光学装置は、行および列方向にわたって反転させたドット反転方式としたものである。
【0053】
図13は、第3実施形態に係る電気光学装置10の構成を示すブロック図であり、図14は、この第3実施形態において、素子基板のうち、容量線駆動回路150と表示領域100との境界付近の構成を示す平面図である。
まず、この第3実施形態の容量線駆動回路150においては、第2実施形態(図8)のような奇数および偶数の区別はなく、行毎にTFT156、158が設けられている。ある行のTFT156のゲート電極は、その行に対応する走査線112に接続され、TFT158のゲート電極は、その行よりも1行後に選択される走査線112に接続されている。
また、行毎に2本の容量線132a、132bを有する。ここで、各行の容量線132aは、第2給電線167に共通に接続されているが、ある行の容量線132bは、その行に対応するTFT156、158の共通ドレイン電極に接続されている。
【0054】
一方、各画素は、第1および第2実施形態と同様に、縦320行×横240列でマトリクス状に配列するが、奇数行偶数列および偶数行奇数列の画素110における蓄積容量130の他端は、自身に対応する行の容量線132aに接続される一方、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素110における蓄積容量130の他端は、自身に対応する行の容量線132bに接続されている。
【0055】
このため、奇数行偶数列および偶数行奇数列の画素110における蓄積容量130の他端は、容量線132aに接続され、さらに当該容量線132aは第2給電線167に接続されているので、第2実施形態(図8参照)における奇数行の画素と同等となる。
一方、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素110における蓄積容量130の他端は、容量線132bに接続され、さらに当該容量線132bは、自身に対応する行のTFT156、158の共通ドレイン電極に接続されているので、第2実施形態における偶数行の画素と同等となる。
【0056】
第3実施形態において極性指示信号Polについては、Hレベルであれば、奇数行偶数列および偶数行奇数列の画素に対し正極性書込を指定するとともに、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素に対し負極性書込が指定する一方、Lレベルであれば、奇数行偶数列および偶数行奇数列の画素に対し負極性書込を指定するとともに、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素に対し正極性書込を指定する、という内容となり、データ線駆動回路190が、表示データを極性指示信号Polで指定された極性に応じた電圧のデータ信号に変換する。
このため、第3実施形態においては、極性指示信号Pol、第1容量信号Vc1および第2容量信号Vc2を第2実施形態(図4参照)と同一波形のままで、行および列方向において画素毎にそれぞれ書込極性が互いに反転する、というドット反転方式となるので、第1および第2実施形態における行(ライン)反転方式と比較して、さらなる表示品質の向上を図ることが可能となる。
【0057】
なお、第3実施形態は、第1実施形態と同様に、TFT152、154を設けて、非選択期間における容量線132bの電圧を第2容量信号Vc2の電圧LCcomに確定する構成
としても良い。
また、第3実施形態では、容量線132aを第2給電線167に接続したが、第2実施形態の変形例(図10乃至図12)のように、第1給電線165に接続しても良い。
【0058】
上述した第1実施形態では、(i+1)行目の容量線132に対応するTFT152のゲート電極を、第2実施形態では、(i+1)行目の容量線132に対応するTFT158のゲート電極を、それぞれ次の(i+2)行目の走査線112に接続する構成とし、また、第3実施形態では、ある行に対応するTFT158のゲート電極を、次の行の走査線112に接続する構成としたが、本発明では、いずれも一定の行数mだけ離間した走査線
112に接続する構成であれば足りる。ただし、mが多くなると、i行目の容量線132に対応するTFT152のゲート電極を、(i+m)行目の走査線112に接続する必要があり、配線が複雑化する。
また、最終の320行目の容量線132に対応するTFT152(158)まで駆動するために、ダミーの走査線112がm行必要となる。ただし、各実施形態のようにmが「1」であれば、帰線期間Fbをなくして、320行目の容量線132に対応するTFT1
52のゲート電極を、1行目の走査線112に接続する構成とすれば良いし、また、例えばmが「2」であれば、やはり帰線期間Fbをなくして、319、320行目の容量線1
32に対応するTFT152のゲート電極を、それぞれ1、2行目の走査線112に接続する構成とすれば、あえてダミーの走査線を設ける必要もない。
さらに、コモン電極108の電圧Vcomを、正極性書込が指定されたときに低位とし、
負極性書込が指定されたときに高位として切り替える構成でも良い。
【0059】
また、各実施形態では、画素容量120として画素電極118とコモン電極108とで液晶105を挟持して、液晶にかかる電界方向を基板面垂直方向とした構成としたが、画素電極、絶縁層およびコモン電極とを積層して、液晶にかかる電界方向を基板面水平方向とした構成としても良い。
一方、各実施形態では、垂直走査方向を図1において上から下方向に向かった方向としているので、(i+1)i行目の容量線132に対応するTFT152(158)のゲート電極を、(i+2)行目の走査線112に接続したが、垂直走査方向を下から上方向に向かった方向とした場合には、i行目の走査線112に接続すれば良い。すなわち、(i+1)行目の容量線132に対応するTFT152のゲート電極については、i行目の走査線以外の走査線であって、i行目の走査線が選択された後に垂直走査方向に向かって選択される走査線112に接続される構成であれば良い。
【0060】
また、上述した各実施形態では、画素容量120を単位としてみたときに、1フレームの期間毎に書込極性を反転したが、その理由は、画素容量120を交流駆動するために過ぎないので、その反転周期は2フレームの期間以上の周期であっても良い。
さらに、画素容量120はノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において暗い状態となるノーマリーブラックモードとしても良い。また、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で1ドットを構成して、カラー表示を行うとしても良いし、さらに、別の1色(例えばシアン(C))を追加し、これらの4色の画素で1ドットを構成して、色再現性を向上させる構成としても良い。
【0061】
上述した説明では、書込極性の基準をコモン電極108に印加される電圧LCcomとし
ているが、これは、画素110におけるTFT116が理想的なスイッチとして機能する場合であり、実際には、TFT116のゲート・ドレイン電極間の寄生容量に起因して、オンからオフに状態変化するときにドレイン電極(画素電極118)の電位が低下する現象(プッシュダウン、突き抜け、フィールドスルーなどと呼ばれる)が発生する。液晶の劣化を防止するため、画素容量120については交流駆動としなければならないが、コモン電極108への印加電圧LCcomを書込極性の基準として交流駆動すると、プッシュダ
ウンのために、負極性書込による画素容量120の電圧実効値が、正極性書込による実効値よりも若干大きくなってしまう(TFT116がnチャネルの場合)。このため、実際には、書込極性の基準電圧とコモン電極108の電圧LCcomとを別々とし、詳細には、
書込極性の基準電圧を、プッシュダウンの影響が相殺されるように、電圧LCcomよりも
高位側にオフセットして設定するようにしても良い。
さらに、蓄積容量130は、直流的には絶縁されているので、第1給電線165と第2給電線167に印加されている電位差だけが上述の関係となっていればよく、例えば電圧LCcomとの電位差は何ボルトであっても構わない。
【0062】
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を表示装置として有する電子機器について説明する。図15は、いずれかの実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置10を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、表示領域100に相当する部分の構成要素については外観としては現れない。
【0063】
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図15に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した電気光学装置10が適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図2】同電気光学装置における画素の構成を示す図である。
【図3】同電気光学装置の表示領域と容量線駆動回路との境の構成を示す図である。
【図4】同電気光学装置の動作を説明するための図である。
【図5】同電気光学装置の正極性書込を示す図である。
【図6】同電気光学装置のデータ信号と保持電圧との関係を示す図である。
【図7】同電気光学装置の動作を説明するための電圧波形図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図9】同電気光学装置の表示領域と容量線駆動回路との境の構成を示す図である。
【図10】第2実施形態の変形例に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図11】同変形例に係る表示領域と容量線駆動回路との境の構成を示す図である。
【図12】同変形例に係る電気光学装置の動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図14】同電気光学装置の表示領域と容量線駆動回路との境の構成を示す図である。
【図15】実施形態に係る電気光学装置を用いた携帯電話の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10…電気光学装置、20…制御回路、100…表示領域、108…コモン電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、116…TFT、120…画素容量、130…蓄積容量、132…容量線、140…走査線駆動回路、150…容量線駆動回路、152、154、156、158…TFT、161…オン電圧給電線、163…オフ電圧給電線、165…第1給電線、167…第2給電線、1200…携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数行の走査線と、
複数列のデータ線と、
前記複数行の走査線に対応して設けられた複数の容量線と、
前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、
を備えた電気光学装置の駆動回路であって、
前記複数の画素の各々は、
画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、
前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、
前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、
前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた容量線との間に介挿され、
前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
奇数行または偶数行の一方である一の走査線に対応して設けられた容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、
奇数行または偶数行の他方である走査線に対応して設けられた容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
【請求項2】
前記容量線駆動回路は、
当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されてから、再び当該一の走査線が選択されるまで第2給電線を選択し続ける
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項3】
前記容量線駆動回路は、
奇数行または偶数行の一方である容量線の各々に対応して、第1乃至第4トランジスタを有し、
一の容量線に対応する前記第1トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線から所定行離間した走査線に接続され、ソース電極が前記第4トランジスタをオンさせるためのオン電圧を給電するオン電圧給電線に接続され、
前記第2トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第4トランジスタをオフさせるためのオフ電圧を給電するオフ電圧給電線に接続され、
前記第3トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第1給電線に接続され、
前記第4トランジスタは、ゲート電極が前記第1および第2トランジスタのドレイン電極に共通接続され、ソース電極が前記第2給電線に接続されて、
前記第3および第4トランジスタのドレイン電極が当該一の容量線に接続された
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項4】
前記容量線駆動回路は、
奇数行または偶数行の一方である一の走査線に対応して設けられた容量線を、当該一の
走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線の選択が終了して、再び当該一の走査線が選択されるまで、ハイ・インピーダンス状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項5】
前記容量線駆動回路は、
奇数行または偶数行の一方である容量線の各々に対応して、第3および第4トランジスタを有し、
一の容量線に対応する前記第3トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線に接続され、ソース電極が前記第1給電線に接続され、
前記第4トランジスタは、ゲート電極が当該一の容量線に対応する走査線から所定行離間した走査線に接続され、ソース電極が前記第2給電線に接続されて、
前記第3および第4トランジスタのドレイン電極が当該一の容量線に接続された
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項6】
複数行の走査線と、
複数列のデータ線と、
前記走査線の1行に対応して2行設けられた容量線と、
前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、
を備えた電気光学装置の駆動回路であって、
前記複数の画素の各々は、
画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、
前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、
前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、
前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた2行の容量線のいずれか一方との間に介挿され、
前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち一方の容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、
当該一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち他方の容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
【請求項7】
複数行の走査線と、
複数列のデータ線と、
前記複数行の走査線に対応して設けられた複数の容量線と、
前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素であって、
前記複数の画素の各々は、
画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、
前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、
前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、
前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた容量線との間に介挿され、
前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
奇数行または偶数行の一方である一の走査線に対応して設けられた容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、
奇数行または偶数行の他方である走査線に対応して設けられた容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
複数行の走査線と、
複数列のデータ線と、
前記走査線の1行に対応して2行設けられた容量線と、
前記複数行の走査線と前記複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素であって、
前記複数の画素の各々は、
画素スイッチング素子と、画素容量と、蓄積容量とを有し、
前記画素スイッチング素子は、一端が自身に対応するデータ線に接続されるとともに、自身に対応する走査線が選択されたときに一端と他端との間で導通状態となり、
前記画素容量の一端は、前記画素スイッチング素子の他端に接続され、前記画素容量の他端はコモン電極であり、
前記蓄積容量は、前記画素容量の一端と前記走査線に対応して設けられた2行の容量線のいずれか一方との間に介挿され、
前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち一方の容量線に対し、当該一の走査線が選択されたときに第1給電線を選択し、当該一の走査線から所定行離間した走査線であって当該一の走査線の後に選択される走査線が選択されたときに第2給電線を選択して、それぞれ選択した給電線の電圧を印加し、
当該一の走査線に対応して設けられた2行の容量線のうち他方の容量線に対し、第1または第2給電線のいずれかの電圧を印加する容量線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の電気光学装置を有する
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−15399(P2008−15399A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188919(P2006−188919)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】