説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】液晶装置等の電気光学装置において、表示画像の縁付近における光漏れを低減する。
【解決手段】電気光学装置は、基板10上に、複数の画素電極9aと、複数の画素電極が設けられた画素領域の周辺に位置する周辺領域に設けられ、層間絶縁膜43を介して互いに異なる層に配置されると共に互いに重なる部分を夫々有する複数の遮光膜60b、400bとを備える。更に、複数の遮光膜のうち少なくとも一の遮光膜における他の遮光膜に対向する側に、他の遮光膜と重なる部分に少なくとも部分的に重なるように形成されると共に、一の遮光膜に比べて入射される入射光に対する反射率が低い低反射膜60a、400aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置として、一対の基板間に電気光学物質の一例としての液晶を挟持してなる液晶装置がある。液晶装置では、画素領域において各画素における透過光を表示光として出射させて例えば画像を表示する。例えば特許文献1や2には、一対の基板のうち、画素領域において画素電極が形成される素子基板と対向する対向基板上に反射膜を設けると共に、これよりも入射光に対する反射率が低い低反射膜を設ける構成が開示されている。特許文献1によれば、反射膜を対向基板の素子基板と対向する側の基板面全体を覆うように形成すると共に、素子基板の、対向基板と対向する側及びこれと反対側の両基板面全体に対して低反射膜を設ける構成が開示されている。また、特許文献2によれば、反射膜及び低反射膜を対向基板の素子基板と対向する側に積層させることにより、画素電極の設けられる開口領域を囲う非開口領域を画素毎に規定する。
【0003】
ここに、基板上の画素領域の周辺に位置する周辺領域に対しては、表示に寄与する光が周辺領域に入射又は周辺領域から出射されないように、対向基板の側に、画素領域を額縁状に囲う額縁遮光膜を設けたり、一対の基板を収容する実装ケースによって、周辺領域を囲うようにする。或いは、素子基板上の周辺領域において、金属膜を重ねて配置することにより、周辺領域を遮光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−199896号公報
【特許文献2】特開2001−330821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように素子基板上において周辺領域を金属膜により遮光する構成によれば、仮に対向基板上の額縁遮光膜或いは実装ケースにより遮光されずに基板に対して斜めに進行する斜め光が浸入すると、以下のような不具合が生じることがある。即ち、素子基板上の周辺領域に浸入してきた光が、複数層に互いに重ねて配置された金属膜間で乱反射され、表示に寄与する光に紛れ込んで出射されることで、光漏れが生じることがある。このような光漏れが生じると、液晶装置における表示画像の縁付近において表示不良が生じ、表示品位が劣化する不具合が生じる。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、表示画像の縁付近における光漏れを低減し、表示品位を向上させることが可能な電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、複数の画素電極と、該複数の画素電極が設けられた画素領域の周辺に位置する周辺領域に設けられ、層間絶縁膜を介して互いに異なる層に配置されると共に互いに重なる部分を夫々有する複数の遮光膜と、該複数の遮光膜のうち少なくとも一の遮光膜における他の遮光膜に対向する側に、前記重なる部分に少なくとも部分的に重なるように形成されると共に、前記一の遮光膜に比べて反射率が低い低反射膜とを備える。
【0008】
本発明の電気光学装置によれば、複数の画素電極は、それぞれ例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなり、基板上の画素領域或いは画素アレイ領域(又は、「画像表示領域」とも呼ぶ)に、例えば複数のデータ線及び複数の走査線の交差に対応して例えばマトリクス状に配列される。電気光学装置の動作時には、例えば画像信号等に基づいて、画素電極の電位が制御され、複数の画素電極が配列された画素領域において画像表示が行われる。電気光学装置は、例えば光源から入射する入射光に応じて表示光を、画素領域において例えば透過することによって出射する。電気光学装置は、例えば、投射型表示装置におけるライトバルブとして実装される。
【0009】
本発明では、基板上の画素領域の周辺に位置する周辺領域に、複数の遮光膜が設けられる。複数の遮光膜は夫々互いに、部分的に重なるように層間絶縁膜を介して異なる層に配置される。よって、基板上の周辺領域において、遮光膜を複数設けることでより広い領域を覆うことができる。従って、光源から入射する入射光等の光を、基板上の周辺領域におけるより広い領域で、複数の遮光膜によって遮光することが可能となる。更に、複数の遮光膜を夫々互いに部分的に重ねることで、隙間なく配置することができる。よって、遮光膜間の間隙に光が浸入し、周辺領域より出射されて、光漏れが生じ、画素領域において表示される画像の縁付近に、表示されるべき画像とは関係のない表示が行われるのを防止することが可能となる。
【0010】
本発明では特に、複数の遮光膜のうち少なくとも一の遮光膜について、他の遮光膜に対向する側には低反射膜が設けられる。低反射膜は、対応する一の遮光膜よりも、一の遮光膜に対する入射光についての反射率が低くなるように形成される。従って、基板上の周辺領域に進行し、更に一の遮光膜における他の遮光膜と対向する側に進行してくる光が、低反射膜に入射されることで、仮に、何らの対策を施さずに、低反射膜が設けられず、入射光が一の遮光膜によって反射される場合と比較して、一の遮光膜における他の遮光膜に対向する側において光が反射されるのを低減することが可能となる。
【0011】
更に、本発明では特に、低反射膜は、一の遮光膜において、他の遮光膜と重なる部分に対して少なくとも部分的に重なるように形成される。よって、一の遮光膜及び他の遮光膜の重なる部分において、低反射膜により、一の遮光膜における他の遮光膜と対向する側で反射され、他の遮光膜において一の遮光膜と対向する側に進行する光を低減することができる。従って、一の遮光膜及び他の遮光膜の間で、重なる部分で反射される光の量を低減することができる。これにより、一の遮光膜において反射され、他の遮光膜に入射された後、他の遮光膜において反射されて、再び一の遮光膜に対して進行し、乱反射される光を低減し、理想的にはこのような光の乱反射を防止することが可能となる。
【0012】
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、一の遮光膜及び他の遮光膜間で乱反射され周辺領域より出射される光を低減することができる、即ち、周辺領域における光漏れを低減することが可能となる。この結果、画素領域における表示画像の縁付近の表示不良が生じるのを防止して、当該電気光学装置における表示品位を向上させることができる。
【0013】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記低反射膜は、前記基板上で平面的に見て、前記一の遮光膜の前記重なる部分の側に位置する一端側から該一端側と反対側に位置する他端側に向かう方向に沿う幅が、前記一の遮光膜の前記重なる部分に対する入射光のうち入射角が最大となる光が入射可能なように、該光の入射角及び前記重なる部分における前記一の遮光膜及び前記他の遮光膜間の前記層間絶縁膜の膜厚によって規定される値として形成される。
【0014】
この態様では、一の遮光膜に対して部分的に低反射膜が設けられる。低反射膜は、基板上で平面的に見て、一の遮光膜が他の遮光膜と重なる部分の側に位置する、一の遮光膜の一端側から他端側に向かって、所定の幅を有するように形成される。より具体的には、低反射膜の幅は、一の遮光膜の他の遮光膜と重なる部分に対する入射光のうち入射角が最大となる光が低反射膜に入射可能な値に調整される。低反射膜の幅は、一の遮光膜と、これに対向して重なる他の遮光膜との間の層間絶縁膜の膜厚、及び一の遮光膜の他の遮光膜と重なる部分に対する入射光のうち入射角が最大となる光の、該入射角の値により規定される。即ち、層間絶縁膜の膜厚をd[nm]とし、光の入射角をθ[°]とすれば、式(1)により低反射膜の幅H [nm]が規定される。
【0015】
H=d×tanθ・・・(1)
従って、一の遮光膜における他の遮光膜と重なる部分に対して、他の遮光膜と対向する側に向かって進行し、一の遮光膜に対する入射角が最大値以下となる光を低反射膜に入射させることができる。これにより、一の遮光膜において、他の遮光膜と重なる部分に対して進行してくる光が入射される箇所に対してのみ、低反射膜を必要最小限の配置面積で設けることが可能となる。
【0016】
よって、一の遮光膜及び他の遮光膜の重なる部分において、低反射膜により、一の遮光膜における他の遮光膜と対向する側で反射され、他の遮光膜において一の遮光膜と対向する側に進行する光を低減することができる。また、一の遮光膜に対して部分的に必要最小限の配置面積で低反射膜が設けられることで、一の遮光膜の他の遮光膜と対向する側の表面を例えば概ね全体に亘って低反射膜により覆う構成と比較して、光が吸収されることで低反射膜において生じる発熱量を低減することが可能となる。
【0017】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記一の遮光膜は、前記画素電極を駆動するための各種信号又は電源が供給される第1の配線の少なくとも一部として形成される。
【0018】
この態様では、基板上の周辺領域において、複数の遮光膜のうち少なくとも一の遮光膜は、少なくとも部分的に第1の配線を構成する。従って、第1の配線の少なくとも一部によって周辺領域を遮光することが可能となる。また、このように少なくとも一の遮光膜が第1の配線を兼ねることにより、第1の配線及び遮光膜の配置について、配置面積をより小さくし、構成をより簡略化することができる。
【0019】
尚、この態様では、少なくとも一の遮光膜は、アルミニウムを含む導電材料又はポリシリコン等の導電材料により形成されるのが好ましい。また、低反射膜は、遮光膜がアルミニウム(Al)を含む導電材料により形成される場合には、チタンナイトライド(TiN)により形成するとよい。加えて、低反射膜は、遮光膜がポリシリコンにより形成される場合には、タングステンシリサイド(WSi)により形成するとよい。前者の低反射膜及び遮光膜の組み合わせは、後者と比較して、より低反射膜及び遮光膜の各々の遮光性を向上させることができる。
【0020】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記一の遮光膜は、金属膜により形成される。
【0021】
この態様では、例えば遮光膜がポリシリコンにより形成される場合と比較して、例えばAlを含む金属膜により形成される場合は、入射光に対する反射率をより大きくすることができる。従って、遮光膜における遮光性をより向上させることが可能となる。
【0022】
この、一の遮光膜が金属膜により形成される態様では、前記金属膜は、アルミニウムを含む導電材料により形成されるように構成してもよい。
【0023】
このように構成すれば、比較的に、入射光に対する反射率をより大きくすることができ、遮光膜における遮光性をより向上させることが可能となる。
【0024】
この、金属膜がアルミニウムを含む導電材料により形成される態様では、前記低反射膜は、チタンナイトライドにより形成されるように構成してもよい。
【0025】
このように構成すれば、例えば低反射膜をWSiにより形成する場合と比較して、低反射膜における遮光性をより向上させることができる。
【0026】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素電極を駆動するために前記画素領域に設けられる第2の配線及び各種電子素子を備えており、前記一の遮光膜は、前記第2の配線及び前記電子素子を少なくとも部分的に構成する導電膜と同一膜により形成される。
【0027】
この態様では、基板上の周辺領域における複数の遮光膜のうち、少なくとも一の遮光膜を、画素領域における第2の配線又は電子素子と同一機会に形成することが可能となる。従って、より製造プロセスを簡略化させることができる。
【0028】
ここで、本発明に係る「同一膜」とは、製造工程における同一機会に成膜される膜を意味し、同一種類の膜である。本発明に係る「同一膜から形成される」とは、一枚の膜として連続して形成されていることまでも要求する趣旨ではなく、基本的に、同一膜のうち相互に分断されている膜部分であれば足りる趣旨である。
【0029】
この、一の遮光膜が画素領域における導電膜と同一膜により形成される態様では、前記低反射膜は、対応する前記遮光膜と同一膜からなる前記導電膜に対しても形成されるように構成する。
【0030】
このように構成すれば、各画素で導電膜における光の反射を低減することができ、画素領域におけるフリッカ等の表示不良をより低減することが可能となる。
【0031】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備してなる。
【0032】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品位な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0033】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】液晶装置の概略的な平面図である。
【図2】図1のH−H’線断面図である。
【図3】実装ケースを液晶装置と共に示す分解斜視図である。
【図4】液晶装置が実装ケースに収容された状態での、図2に対応する断面部分の構成を示す断面図である。
【図5】液晶装置の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
【図7】画素部の断面部分の構成の一例について、概略的に示す断面図である。
【図8】図5に示すサンプリング回路及びその周辺に設けられた各種信号線の構成を拡大して示すブロック図である。
【図9】相隣接する二つのサンプリング用TFT及び該相隣接する二つのサンプリング用TFT間に設けられた間隙遮光膜の構成を示す平面図である。
【図10】図9のA−A’線断面図である。
【図11】図11(a)は、図10における点線Q0で囲まれた部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図であり、図11(b)は、比較例について、図11(a)に対応する部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図12】変形例について、図11(a)に対応する部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図13】本発明の電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下図面を参照しながら、本発明の電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。尚、本実施形態では、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
【0036】
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図であり、図2は、図1のH−H’線断面図である。
【0037】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20も好ましくはTFTアレイ基板10と同様に透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。尚、本発明に係る「画素領域」の一例が、画像表示領域10aに相当する。
【0038】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。本実施形態に係る液晶装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
【0039】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0040】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿い、シール材52よりも内側には、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。走査線駆動回路104は、TFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0041】
対向基板20の4つのコーナー部に対して、両基板間において上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0042】
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に画素電極9aがマトリクス状に設けられている。画素電極9a上には、配向膜(図2中、図示省略)が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上(図2中、遮光膜23より下側)に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極21上(図2中、対向電極21より下側)には配向膜が形成されている(図2中、図示省略)。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0043】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0044】
本実施形態では、上述したような液晶装置は実装ケース内に収容される。
【0045】
図3は、実装ケースを液晶装置と共に示す分解斜視図であり、図4は、液晶装置が実装ケースに収容された状態での、図2に対応する断面部分の構成を示す断面図である。尚、図3及び図4においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。この点については、後述する各図についても同様である。また、図4には、対向基板及び実装ケースにおける周辺領域の遮光について、TFTアレイ基板をも含めた互いの配置関係に着目して、主要な構成のみを図示してある。
【0046】
図3及び図4において、液晶装置は、実装ケース601内に収容されて、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器に実装される。
【0047】
図3に示すように、TFTアレイ基板10上の外部回路接続端子102には、フレキシブルプリント配線板(以下「FPC」と略称する)501が接続されている。FPC501上には、データ線駆動回路101等の内蔵回路とは別に、外部回路が形成されている。また、TFTアレイ基板10及び対向基板20の各々について、外側表面には、反射防止板等の光学部材が付設されている。但し、偏光板や位相差板等は、TFTアレイ基板10及び対向基板20の外側表面に付設されてもよいが、液晶装置が実装される、例えば液晶プロジェクタの光学系が備えていてもよい。
【0048】
図3に示すように、実装ケース601は、液晶装置を収容するフレーム610と、フレーム610に被さるカバー部材620とからなる。液晶装置は、フレーム610に対向基板20側が面する向きに収容され、TFTアレイ基板10側の外側表面をカバー部材620で覆われている。
【0049】
図3及び図4において、液晶装置は、その周縁部側からフレーム610によって包囲された状態で、該フレーム610に接着剤によって接着されることによって固定されて、該フレーム610内に収容される。よって、液晶装置は、フレーム610によって、その周縁部側から包囲される状態となる。
【0050】
フレーム610及びカバー部材620には、これらの部材に開口された窓部610h及び620hが設けられている。窓部610h及び620hは、実装ケース601内に液晶装置が収容された状態における画像表示領域10aの位置に対応して、フレーム610及びカバー部材620に配置される。これにより、液晶装置において、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域は、フレーム610及びカバー部材620によって額縁状に覆われる。
【0051】
図4において、液晶装置が実装ケース601に収容されて例えば液晶プロジェクタに実装されて液晶ライトバルブとして用いられる際には、同図中下向きの矢印で示すように、フレーム610の側から例えば投射光が入射され、液晶装置の画像表示領域10aを透過して、カバー部材620の側から出射される。この場合、液晶装置における周辺領域は、実装ケース601及び対向基板20上に設けられた額縁遮光膜53によって覆われているため、周辺領域に対して投射光は入射され難くなっている。
【0052】
一方、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光が、図4中上向きの矢印で示されるように、液晶装置に対して入射される場合がある。このような戻り光についても、実装ケース601によって遮光することができ、液晶装置の周辺領域に対しては入射され難くなっている。
【0053】
従って、実装ケース601及び額縁遮光膜53によって、液晶装置の周辺領域における光抜けを防止したり或いは周辺領域から画像表示領域10a内に迷光が進入したりするのを防止することができる。
【0054】
次に、本実施形態に係る液晶装置の電気的な構成について、図5を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
【0055】
図5において、TFTアレイ基板10上における画像表示領域10aには、複数の走査線11a及び複数のデータ線6aが互いに交差して配線され、これら交差に対応して画素に対応する画素部9がマトリクス状に設けられている。画素部9は、走査線11a及びデータ線6aの各々に電気的に接続されている。
【0056】
図5において、TFTアレイ基板10上における周辺領域には、データ線駆動回路101及びサンプリング回路7、並びに走査線駆動回路104が設けられている。
【0057】
走査線駆動回路104には、例えば外部回路(図示省略)より外部回路接続端子102(図1参照)を介して、Yクロック信号CLY(及びその反転信号である反転Yクロック信号CLYinv)、YスタートパルスDYが供給される。走査線駆動回路104は、YスタートパルスDYが入力されると、Yクロック信号CLY及び反転Yクロック信号CLYinvに基づくタイミングで走査信号を順次生成して走査線11aに出力する。
【0058】
データ線駆動回路101には、外部回路より外部回路接続端子102を介して、Xクロック信号CLX(及びその反転信号である反転Xクロック信号CLXinv)、XスタートパルスDXが供給される。そして、データ線駆動回路101は、XスタートパルスDXが入力されると、Xクロック信号CLX及び反転Xクロック信号CLXinvに基づくタイミングで、サンプリング信号S1、…、Snを順次生成してサンプリング信号線114に出力する。
【0059】
サンプリング回路7は、画像信号線6から画像信号が供給されるデータ線6aを選択するためにデータ線6a毎に設けられたスイッチング素子(即ち、サンプリングスイッチ)からなり、そのスイッチング動作は、データ線駆動回路101からのサンプリング信号S1、…、Snによってタイミング制御されるように構成されている。
【0060】
サンプリング回路7には、例えば外部回路により6相にシリアル−パラレル変換、即ち相展開された画像信号VID1〜VID6が、6本の画像信号線6を介して供給される。6本の画像信号線6は夫々、外部回路接続端子102から、データ線駆動回路101の周囲を迂回して引き回され、データ線6aの配列方向(即ち、X方向)に沿って配線されている。
【0061】
尚、画像信号の相展開数(即ち、シリアル−パラレル展開される画像信号の系列数)に関しては、6相に限られるものでなく、例えば9相、12相、24相、48相、96相…などとすることができる。また、クロック信号CLXやCLY等の各種タイミング信号は、例えば図示しない外部回路にて生成され、TFTアレイ基板10上の各回路に外部回路接続端子102を介して供給される。また、各駆動回路の駆動に必要な電源等もまた例えば外部回路から供給される。
【0062】
図5において、外部回路からの対向電極電位LCCが、外部回路接続端子102から上下導通端子106までの配線を介して供給され、対向電極21に供給される。対向電極電位LCCは、画素電極9aとの電位差を適正に保持して液晶保持容量を形成するための対向電極21の基準電位となる。
【0063】
加えて、走査線駆動回路104に供給される電源の一種として、接地(グランド)電位GNDを供給するグランド電位線605が、外部回路接続端子102から2種の走査線駆動回路104に夫々別個に配線される。そして、画像表示領域10aの両側に位置する2種の走査線駆動回路104に個別に設けられた2種のグランド電位線605間を電気的に接続する分岐配線606が、データ線6aの配列方向(即ち、X方向)に沿って配線されている。分岐配線606は、サンプリング回路7に対して複数個所で分岐された部分を有しており、該部分が間隙遮光膜210として形成される。
【0064】
ここで、図5に示す画素部9の電気的な構成について、図6を参照して説明する。ここに図6は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
【0065】
図6において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部9の夫々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。
【0066】
TFT30のゲートに走査線11aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11aに走査線駆動回路104からの走査信号が、パルス的に線順次で印加される。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号VID1〜VID6が所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号VID1〜VID6は、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0067】
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
【0068】
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線300に接続されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
【0069】
尚、本発明に係る「第2の配線」は、例えばデータ線6a、走査線11a或いは容量線300に相当する。
【0070】
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図7を参照して説明する。ここに図7は、画素部の断面部分の構成の一例について、概略的に示す断面図である。尚、図7では、説明の便宜上、画素電極9aより上側に位置する部分の図示を省略している。
【0071】
図7において、走査線11a、データ線6a、蓄積容量70、TFT30、シールド層400及び中継層6a1等は、TFTアレイ基板10上に、画素電極9aに対応する各画素の開口領域(即ち、各画素において、表示に実際に寄与する光が透過又は反射される領域)を囲む非開口領域内に配置されている。即ち、これらの走査線11a、データ線6a、蓄積容量70、TFT30、シールド層400及び中継層6a1等は、表示の妨げとならないように、各画素の開口領域ではなく、非開口領域内に配置されている。
【0072】
以下、TFTアレイ基板10上の画素部の積層構造について第1層から順に、説明する。
【0073】
第1層には、走査線11aが設けられている。走査線11aは、例えばW(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(チタンナイトライド)等の高融点金属等の遮光性導電材料を含んでなる。尚、走査線11aは、高融点金属とシリコンを含む合金、若しくは、高融点金属とシリコンとの積層構造を有する二層膜又は多層膜からなるようにしてもよい。走査線11aは、TFT30のチャネル領域1a’、データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1c、並びにデータ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eに対向する領域を含むように、好ましくは形成される。よって、走査線11aによって、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光に対してTFT30のチャネル領域1a’を殆ど或いは完全に遮光できる。即ち、走査線11aは、走査信号を供給する配線として機能すると共に戻り光に対するTFT30の遮光膜として機能することが可能である。
【0074】
第1層の走査線11a及び第2層のTFT30間は、下地絶縁膜12によって絶縁されている。
【0075】
第2層には、半導体膜1a及びゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。半導体膜1aは、例えばポリシリコンより形成され、チャネル領域1a'、データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1c、並びにデータ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eからなる。
【0076】
TFT30はLDD構造を有している。データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1c、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、例えばイオンプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体膜1aに不純物を打ち込んでなる不純物領域である。データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1cはそれぞれ、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eよりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成される。このような不純物領域によれば、TFT30の非動作時において、ソース領域及びドレイン領域に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。尚、TFT30は、LDD構造を有することが好ましいが、データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1cに不純物打ち込みを行わないオフセット構造であってもよいし、ゲート電極をマスクとして不純物を高濃度に打ち込んでデータ線側ソースドレイン領域及び画素電極側ソースドレイン領域を形成する自己整合型であってもよい。
【0077】
ゲート電極3aは、半導体膜1aとゲート絶縁膜2によって絶縁されている。下地絶縁膜12において、半導体膜1aの脇にはコンタクトホール801が開口される。ゲート電極3aは、コンタクトホール801内に連続的に延設される部分3bを有し、コンタクトホール801内において走査線11aと電気的に接続される。
【0078】
図7において、TFT30より上層側には、第2層及び第3層間を層間絶縁する、層間絶縁膜41が設けられている。層間絶縁膜41には、画素電極側ソースドレイン領域1eと蓄積容量70の下部容量電極71とを電気的に接続するためのコンタクトホール83が開口されている。また、データ線側ソースドレイン領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するためのコンタクトホール81も、開口されている。
【0079】
層間絶縁膜41より上層側の第3層には、下部容量電極71、及び誘電体膜75を介して下部容量電極71と対向する上部容量電極300を有する蓄積容量70が形成されている。
【0080】
上部容量電極は、容量線300と例えば一体的に形成される。容量線300は、例えば、アルミニウム(Al)を含む導電材料又はポリシリコン等から形成される。容量線300は、その詳細な構成については図示を省略してあるが、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続され、固定電位に維持される。よって、上部容量電極は固定電位に維持される、固定電位側容量電極として機能する。
【0081】
下部容量電極71は、例えば導電性ポリシリコンより形成され、画素電極側ソースドレイン領域1eとコンタクトホール83を介して電気的に接続される。また、下部容量電極71は、コンタクトホール881を介して第4層目の中継層6a1と電気的に接続される。中継層6a1はコンタクトホール882を介して第5層目の中継層402と電気的に接続される。更に、中継層402は、コンタクトホール89を介して画素電極9aと電気的に接続される。従って、下部容量電極71は、画素電位に維持される、画素電位側容量電極として機能する。
【0082】
誘電体膜75は、例えばHTO膜及び窒化シリコン(SiN)膜を積層してなる2層構造を有している。
【0083】
図7において、蓄積容量70より上層側には、第3層及び第4層間を層間絶縁する層間絶縁膜42が形成されている。また、層間絶縁膜41及び42間には、部分的に絶縁膜61が介在している。コンタクトホール881は層間絶縁膜42及び絶縁膜61を貫通して、下部容量電極71の表面に達するように開口され、コンタクトホール81は、層間絶縁膜42、絶縁膜61及び層間絶縁膜41、更にはゲート絶縁膜2を貫通して開口され、半導体膜1aの表面に達する。
【0084】
図7において、第4層には、データ線6a及び中継層6a1が設けられている。データ線6aは、コンタクトホール81を介して、半導体膜1aのデータ線側ソースドレイン領域1dと電気的に接続されている。また、中継層6a1は、コンタクトホール881を介して下部容量電極71と電気的に接続されている。データ線6a及び中継層6a1は、例えば金属膜等の導電材料で構成される薄膜を層間絶縁膜42上に薄膜形成法を用いて形成しておき、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。従って、データ線6a及び中継層6a1を同一工程で形成できるため、装置の製造プロセスを簡便にできる。尚、例えばデータ線6a及び中継層6a1は夫々、窒化チタン(TiN)により形成され第1の遮光膜60bより入射光に対する反射率が低くなるように形成される第1の低反射膜60a、Alを含む導電材料からなり遮光性を有する第1の遮光膜60bを積層してなる2層構造を有する。
【0085】
図7において、データ線6a及び中継層6a1より上層側には、第4層及び第5層間を層間絶縁する層間絶縁膜43が形成されている。コンタクトホール882は、層間絶縁膜43を貫通して開口され、中継層6a1の表面に達する。
【0086】
第5層には、シールド層400及び中継層402が設けられている。中継層402は好ましくはシールド層400と同一膜により形成される。中継層402は、既に説明したように、画素電極9aと電気的に接続され、画素電極9a及び中継層6a1間の電気的接続を中継する。尚、シールド層400及び中継層402は夫々、例えば、TiNにより形成され第2の遮光膜400bより入射光に対する反射率が低くなるように形成される第2の低反射膜400a、及びAlを含む導電材料からなり遮光性を有する第2の遮光膜400bを積層してなる2層構造を有する。
【0087】
図7において、シールド層400及び中継層402より上層側には、第5層及び第6層間を層間絶縁する層間絶縁膜44が形成されている。コンタクトホール89は、層間絶縁膜44を貫通して開口され、中継層402の表面に達する。
【0088】
図7において、第6層には、画素電極9aが形成される。画素電極9aは、中継層402及び6a1と、下部容量電極71とによって、コンタクトホール89、882、881及び83を介して中継されつつ、半導体膜1aの画素電極側ソースドレイン領域1eに電気的に接続されている。図2を参照して既に説明したように、画素電極9aの上側表面には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。
【0089】
次に、図5を参照して説明したサンプリング回路7及びその周辺に設けられた各種信号線の構成について、図8を参照してより詳細に説明する。ここに図8は、図5に示すサンプリング回路及びその周辺に設けられた各種信号線の構成を拡大して示すブロック図である。
【0090】
図8に示すように、サンプリング回路7のスイッチング素子は、具体的にはサンプリング用TFT71として構成されている。尚、図8では、簡便のため、サンプリング回路7に含まれる複数のサンプリング用TFT71のうち、第iデータ線群に属するデータ線6aに対応するサンプリング用TFT71についてのみ代表的に表している。以下では、第iデータ線群に属するデータ線6aに対応するサンプリング用TFT71について説明するが、他のデータ線群に関しても同様に構成されている。
【0091】
各サンプリング用TFT71(即ち、第iデータ線群に属する6本のデータ線6aに対応する6つのサンプリング用TFT71の各々)のソース配線71Sは、6本の画像信号線のうち対応する一本に電気的に接続されている。
【0092】
各サンプリング用TFT71のドレイン配線71Dは、第iデータ線群に属する6本のデータ線6aのうち対応する一本に電気的に接続されている。
【0093】
各サンプリング用TFT71のゲート電極を含むゲート配線71Gは、サンプリング信号線114と電気的に接続されており、データ線駆動回路101(図5参照)から出力された第i番目のサンプリング信号Siが供給される。
【0094】
このように構成されているので、各サンプリング用TFT71は、サンプリング信号Siに応じて、6本のデータ線6aを1群とするデータ線群(或いはブロック)毎に、画像信号VID1〜VID6を供給する。従って、複数のデータ線6aをデータ線群毎に駆動するため、駆動周波数が抑えられる。
【0095】
ここに、図5を参照して既に説明したように、グランド電位線605から分岐する分岐配線606の複数の部分は、サンプリング回路7に対して配置された間隙遮光膜210として形成されている。間隙遮光膜210は、図8に示すように、相隣接するサンプリング用TFT71間の間隙毎に設けられている。間隙遮光膜210は、データ線6a或いはドレイン配線71Dに沿って(即ち、Y方向に沿って)延びるように設けられている。
【0096】
次に、本実施形態におけるサンプリング用TFT及び間隙遮光膜の具体的な構成について、図9及び図10を参照して説明する。ここに図9は、相隣接する二つのサンプリング用TFT及び該相隣接する二つのサンプリング用TFT間に設けられた間隙遮光膜の構成を示す平面図である。図10は、図9のA−A’線断面図である。
【0097】
図9及び図10において、各サンプリング用TFT71は、TFTアレイ基板10上に設けられた下地絶縁膜12上に形成されている。サンプリング用TFT71は、半導体層74、ソース配線71S、ドレイン配線71D、ゲート配線71G及びゲート絶縁膜75を備えている。
【0098】
半導体層74及びゲート配線71Gは、図7を参照して説明した画素部における、TFT30の半導体膜1a及びゲート電極3aと同層の第2層目に配置されている。半導体層74は、ゲート配線71Gからの電界によりチャネルが形成されるチャネル領域74Cと、ソース領域74Sとドレイン領域74Dとを有している。
【0099】
ゲート配線71Gは、半導体層74よりゲート絶縁膜75を介して上層側に、例えば導電性ポリシリコン膜等から形成されている。ゲート配線71Gは、図9に示すように、半導体層74のチャネル領域74Cとゲート絶縁膜75を介して重なるゲート電極を含むと共に、データ線6aが延びる方向(即ち、Y方向)に沿って延びるように形成されている。ゲート配線71Gは、図示しないコンタクトホール及び中継配線などを介して、サンプリング信号線114と電気的に接続されている(図8参照)。
【0100】
ソース配線71Sは、半導体層74及びゲート配線71Gより層間絶縁膜41及び42を介して上層側に、図7を参照して説明したデータ線6aと同層の第4層目に配置されている。ソース配線71Sは、層間絶縁膜41及び42を貫通して開孔されたコンタクトホール8sを介してソース領域74Sに電気的に接続されている。ソース配線71Sは、図9に示すように、データ線6aが延びる方向(即ち、Y方向)に沿って延びるように形成されている。ソース配線71Sは、図示しないコンタクトホール及び中継配線などを介して、画像信号線6と電気的に接続されている(図8参照)。
【0101】
ドレイン配線71Dは、ソース配線71Sと同一膜により、半導体層74より層間絶縁膜41及び42を介して上層側に形成されている。ドレイン配線71Dは、層間絶縁膜41及び42を貫通して開孔されたコンタクトホール8dを介してドレイン領域74Dに電気的に接続されている。ドレイン配線71Dは、図9に示すように、データ線6aが延びる方向(即ち、Y方向)に沿って延びるように形成されている。ドレイン配線71Dは、図示しないコンタクトホール及び中継配線などを介して、これと同層に配置されるデータ線6aと電気的に接続されている(図8参照)。
【0102】
ソース配線71S及びドレイン配線71Dは、好ましくは、画素部において同層に配置されるデータ線6aと同一膜により形成される。即ち、ソース配線71S及びドレイン配線71Dは夫々、データ線6aと同様に、第1の遮光膜60b及び第1の低反射膜60aが下層側からこの順に積層された2層構造を有する。
【0103】
間隙遮光膜210は、図9及び図10に示すように、相隣接する二つのサンプリング用TFT71間の間隙を覆うように、ドレイン配線71Dが延びる方向(即ち、Y方向)に沿って延在させて形成されている。間隙遮光膜210は、図7を参照して説明したシールド層400と同層の第5層目に配置されている。間隙遮光膜210は、図示しないコンタクトホール及び中継配線などを介して、分岐配線606と電気的に接続されている(図8参照)。
【0104】
間隙遮光膜210は、好ましくは、画素部におけるシールド層400と同一膜により形成される。即ち、間隙遮光膜210は、シールド層400と同様に、第2の低反射膜400a及び第2の遮光膜400bが下層側からこの順に積層された2層構造を有する。
【0105】
次に、図9又は図10に加えて図11を参照して、図10における点線Q0で囲まれた部分に着目して、その構成をより詳細に説明する。ここに図11(a)は、図10における点線Q0で囲まれた部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図であり、図11(b)は、比較例について、図11(a)に対応する部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0106】
図9から図11(a)において、分岐配線606の一部にあたる間隙遮光膜210は、これより層間絶縁膜43を介して下層側に位置するドレイン配線71Dと、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、部分的に重なるように配置されている。尚、本発明における「第1の配線」の一例として、ドレイン配線71D又は分岐配線606が相当する。
【0107】
即ち、間隙遮光膜210における第2の遮光膜400bは、相隣接する2つのサンプリング用TFT71のうち少なくとも一方のドレイン配線71Dの第1の遮光膜60bと、部分的に重なるように配置されている。よって、相隣接する2つのサンプリング用TFT71間の間隙において、第1及び第2の遮光膜60b及び400bを隙間なく配置して、より広い領域を覆うことができる。
【0108】
ここに、図3及び図4を参照して説明したように、実装ケース601及び額縁遮光膜53によって、TFTアレイ基板10及び対向基板20上の周辺領域は、額縁状に遮光される。しかしながら、TFTアレイ基板10に向かって、投射光や戻り光の一部が、実装ケース601又は額縁遮光膜53に遮光されずに、当該基板10に対して斜めに進行する斜め光として、例えば図11(a)中の矢印P0によって示すように進行して、浸入することがある。この場合において、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bによって、これらの第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400b間の間隙に浸入する光を低減、或いは理想的には防止しつつ、相隣接する2つのサンプリング用TFT71間のより広い領域で斜め光を遮光することが可能となる。
【0109】
従って、相隣接する2つのサンプリング用TFT71間の間隙に光が浸入し、周辺領域より出射されて、光漏れが生じ、画像表示領域10aにおいて表示される画像の縁付近に、表示されるべき画像とは関係のない表示が行われるのを防止することが可能となる。
【0110】
また、上述したように、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dは夫々遮光膜60b若しくは400bと、低反射膜60a若しくは400aからなる2層構造を有している。より具体的には、図11(a)によく示されるように、第1及び第2の遮光膜60b及び400bの各々の対向する側に、互いに層間絶縁膜43を介して対向するように第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aが設けられている。尚、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bのいずれか一方における、他方と対向する側に、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aの一方のみが設けられるようにしてもよい。
【0111】
既に説明したように、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aは夫々、対応する第1の遮光膜60b若しくは第2の遮光膜400bより入射光に対する反射率が低くなるように形成されている。ここに、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bは、上述したようにAlを含む導電材料により金属膜として形成されている。従って、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bが金属材料以外の材料、例えばポリシリコン等により形成される場合と比較して、入射光に対する反射率をより大きくすることができる。従って、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bにおける遮光性をより向上させることが可能となる。また、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aは夫々、上述したように好ましくはTiNにより形成される。この場合、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aを夫々TiNと異なる材料、例えばWSiにより形成する場合と比較して、遮光性をより向上させることができる。
【0112】
ここで、図11(b)を参照して、本実施形態に対する比較例について、本発明と異なる点についてのみ説明する。比較例においては、平面的に見て、互いに重なり合って配置される間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dに対して、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aは設けられない。この場合、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dは夫々、本実施形態における第1の遮光膜60b若しくは第2の遮光膜400bのみから構成される、即ち例えばAlを含む導電材料により形成される。
【0113】
図11(b)において、実装ケース601又は額縁遮光膜53によって遮光されずに、TFTアレイ基板10上の周辺領域に向かって進行してきた光が、例えば同図中の矢印P1に示すように進行し、間隙遮光膜210及びドレイン配線71D間で乱反射されるおそれがある。比較例によれば、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dは夫々、比較的高反射率の例えばAlを含む材料より形成される。従って、ドレイン配線71D及び間隙遮光膜210の互いに重なる部分において、これらの遮光膜のうち一方の遮光膜に進行して、他方の遮光膜と対向する側で反射された後、他方の遮光膜に進行し、他方の遮光膜における一方の遮光膜と対向する側で反射され、ドレイン配線71D及び間隙遮光膜210間で光の乱反射が生じ易くなる。
【0114】
これに対して図11(a)において、本実施形態では、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bのうちいずれか一方の遮光膜における他方の遮光膜と対向する側に進行してくる光が、対応する第1の低反射膜60a若しくは第2の低反射膜400aに入射されることで、図11(b)に示す比較例の構成と比較して、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bについて、反射光を低減することが可能となる。
【0115】
また、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aは夫々、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの互いに重なる部分に対して少なくとも部分的に重なるように形成される。第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの互いに重なる部分において、実装ケース601又は額縁遮光膜53によって遮光されずに、TFTアレイ基板10上の周辺領域に向かって進行してきて、例えば同図中の矢印P0で示されるように、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bのうち一方の遮光膜における他方の遮光膜と対向する側に入射された後に反射され、他方の遮光膜において一方の遮光膜と対向する側に進行する光を、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aによって低減することができる。
【0116】
従って、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの間で、重なる部分で反射される光の量を低減することができる。これにより、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの間で、一方の遮光膜において反射され、他方の遮光膜に入射された後、他方の遮光膜において反射されて、再び一方の遮光膜に対して進行し、乱反射される光を低減し、理想的にはこのような光の乱反射を防止することが可能となる。
【0117】
よって、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの間で乱反射され、周辺領域より出射される光を低減することができ、その結果光漏れを低減することが可能となる。よって、画像表示領域10aにおける表示画像の縁付近の表示不良が生じるのを防止して、液晶装置における表示品位を向上させることができる。
【0118】
更に、本実施形態では特に、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bは夫々、ドレイン配線71D及び分岐配線606の一部である間隙遮光膜210の各々を構成する。従って、ドレイン配線71D及び分岐配線606とは別に、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bを設ける場合と比較して、周辺領域における、これらの配線及び遮光膜の配置面積を小さくし、その構成をより簡略化することができる。
【0119】
加えて、本実施形態では特に、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dは夫々、データ線6a及びシールド層400の各々と同一膜により形成されることで、画素部におけるデータ線6a及びシールド層400の各々と同一機会に形成することが可能となる。従って、より液晶装置の製造プロセスを簡略化させることができる。また、このような構成によれば、画素部においてもデータ線6a及びシールド層400の各々について、第1の低反射膜60a及び第2の低反射膜400aによって、第4層及び第5層間において、非開口領域に進行してきた光の乱反射を防止することが可能となる。その結果、画像表示領域10aにおけるフリッカ等の表示不良をより低減することができる。
【0120】
尚、以上説明した本実施形態では、画素部の第4層及び第5層の各々に対応させて、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dを異なる層に配置させる構成としたが、これらは、例えば画素部の第3層及び第4層の各々に対応させて配置されるようにしてもよい。この場合、ドレイン配線71Dは、画素部における容量線300と同層の第3層目に配置され、同一膜により形成される。また、間隙遮光膜210は、データ線6aと同層の第4層目に配置され、同一膜により形成される。ドレイン配線71D及び間隙遮光膜210の各々は、遮光膜及び低反射膜を含み、例えばドレイン配線71Dについて、遮光膜がポリシリコンにより形成される場合は、低反射膜はWSiにより形成するようにしてもよい。
【0121】
次に、本実施形態の変形例について、図12を参照して説明する。ここに図12は、本変形例について、図11(a)に対応する部分の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0122】
図12において、間隙遮光膜210及びドレイン配線71Dの少なくとも一方において、第1及び第2の低反射膜60a及び400aのうち対応する一方は、部分的に設けられるようにしてもよい。即ち、第1及び第2の遮光膜60b及び400bの重なる部分において、これらの遮光膜60b及び400bのうち少なくとも一方の遮光膜、例えば第1の遮光膜60bについて、第2の遮光膜400bと重なる部分の側に位置する、一端側から他端側に向かって、幅H[nm]を有するように、第1の低反射膜60aが形成される。
【0123】
より具体的には、第1の低反射膜60aの幅H[nm]は、例えば図12中の矢印P2で示されるように、第1及び第2の遮光膜60b及び400bの重なる部分において、第1の遮光膜60bに対して進行する入射光のうち、入射角θ[°]が最大となる光が入射可能な値に調整される。第1の低反射膜60aの幅H[nm]は、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの重なる部分における、これらの遮光膜60b及び400b間の層間絶縁膜43の膜厚d[nm]と、第1の遮光膜60b及び第1の遮光膜400bの重なる部分に対する入射光のうち入射角θ[°]が最大となる光の、該入射角θ[°]との値に基づいて、次式(1)により規定される。
【0124】
H=d×tanθ・・・(1)
従って、第1の遮光膜60bにおける第2の遮光膜400bと重なる部分に対して、第2の遮光膜400bと対向する側に向かって進行し、第1の遮光膜60bに対する入射角θ[°]が最大値以下となる光を第1の低反射膜60aに入射させることができる。これにより、第1の遮光膜60bにおいて、第2の遮光膜400bと重なる部分に対して進行してくる光が入射される箇所に対してのみ、第1の低反射膜60aを必要最小限の配置面積で設けることが可能となる。
【0125】
よって、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bの重なる部分において、第1の低反射膜60a、及び第1の低反射膜60aと同様に第2の低反射膜400aを設けることで、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bのうち、一方の遮光膜における他方の遮光膜と対向する側で反射され、他方の遮光膜において一方の遮光膜と対向する側に進行する光を低減することができる。また、第1の遮光膜60b及び第2の遮光膜400bのうち、一方の遮光膜に対して部分的に必要最小限の配置面積で低反射膜が設けられることで、一方の遮光膜の他方の遮光膜と対向する側の表面を例えば概ね全体に亘って低反射膜により覆う構成と比較して、光が吸収されることで低反射膜において生じる発熱量を低減することが可能となる。
【0126】
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図13は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
【0127】
図13に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
【0128】
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0129】
尚、図13を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0130】
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)等にも適用可能である。
【0131】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0132】
9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、43…層間絶縁膜、60a…第1の低反射膜、60b…第1の遮光膜、400a…第2の低反射膜、400b…第2の遮光膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、
複数の画素電極と、
該複数の画素電極が設けられた画素領域の周辺に位置する周辺領域に設けられ、層間絶縁膜を介して互いに異なる層に配置されると共に互いに重なる部分を夫々有する複数の遮光膜と、
該複数の遮光膜のうち少なくとも一の遮光膜における他の遮光膜に対向する側に、前記重なる部分に少なくとも部分的に重なるように形成されると共に、前記一の遮光膜に比べて反射率が低い低反射膜と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記低反射膜は、前記基板上で平面的に見て、前記一の遮光膜の前記重なる部分の側に位置する一端側から該一端側と反対側に位置する他端側に向かう方向に沿う幅が、前記一の遮光膜の前記重なる部分に対する入射光のうち入射角が最大となる光が入射可能なように、該光の入射角及び前記重なる部分における前記一の遮光膜及び前記他の遮光膜間の前記層間絶縁膜の膜厚によって規定される値として形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記一の遮光膜は、前記画素電極を駆動するための各種信号又は電源が供給される第1の配線の少なくとも一部として形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記一の遮光膜は、金属膜により形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記金属膜は、アルミニウムを含む導電材料により形成されることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記低反射膜は、チタンナイトライドにより形成されることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記画素電極を駆動するために前記画素領域に設けられる第2の配線及び各種電子素子を備えており、
前記一の遮光膜は、前記第2の配線及び前記電子素子を少なくとも部分的に構成する導電膜と同一膜により形成される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記低反射膜は、対応する前記遮光膜と同一膜からなる前記導電膜に対しても形成されることを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−65034(P2013−65034A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259526(P2012−259526)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2007−238884(P2007−238884)の分割
【原出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】