説明

電気回路板

【課題】より簡易に製造することの出来る、新規な構造の電気回路板を提供する。
【解決手段】芯線が絶縁性の被膜で被覆された被覆電線14を樹脂製の絶縁板12内に配索すると共に、該絶縁板12に設けた導通孔16の内周面上に前記被覆電線14の芯線を露出させた電気回路基板。導通孔となる位置にピンを設けた治具に被覆電線14をピンに巻き付けながら配索することで回路を形成し、成形樹脂で一体成形等することにより、被覆電線を内部に備えた絶縁板12を形成する。その後、ピンより大きい径のドリル等で導通孔16を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路が形成された電気回路板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気回路が形成された電気回路板として、プリント基板が用いられている。プリント基板は、絶縁板の表面や内部に、電気回路としてのプリント配線が形成された構造とされている。
【0003】
ところで、プリント基板のプリント配線は、一般的に、例えば特開2004−63575号公報(特許文献1)に記載されているようなサブトラクティブ法や、特開2010−267652号公報(特許文献2)に記載されているアディティブ法によって形成される。サブトラクティブ法は、全面に銅箔が張られた絶縁板にフォトレジストを塗布した後、所望の回路形状のフォトマスクで覆って紫外線を露光し現像することで回路形状として残す部分をフォトレジストで覆う。そして、エッチング液を用いてフォトレジストで保護された形状を残して銅箔を除去することで回路を形成した後に、不要となったフォトレジストを溶剤等を用いて剥離する。一方、アディティブ法は、絶縁板表面で回路形状を形成したくない部分にめっきレジストを形成し、電解めっきや無電解めっきを施して絶縁板表面に選択的に導体皮膜を被着させることで回路を形成する。
【0004】
また、プリント基板には、電気部品の端子をプリント配線と接続したり、プリント配線を層間接続するために、スルーホールやバイアホール等の導通孔が形成される。このような導通孔は、例えば特開2010−147145号公報(特許文献3)に記載されているように、絶縁板にドリルで孔を開け、その孔の壁面に銅めっきを施すことにより形成される。
【0005】
このように、プリント基板の製造には、電気回路の形成や導通孔を形成するためにエッチングやめっき処理等の化学処理が必要となって、製造に特別な設備が必要になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−63575号公報
【特許文献2】特開2010−267652号公報
【特許文献3】特開2010−147145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、より簡易に製造することの出来る、新規な構造の電気回路板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様の特徴とするところは、芯線が絶縁性の被膜で被覆された被覆電線が樹脂製の絶縁板内に配索されていると共に、該絶縁板に設けられた導通孔の内周面上に前記被覆電線の芯線が露出されている電気回路板にある。
【0009】
本発明に従う構造とされた電気回路板によれば、樹脂製の絶縁板内に配索された被覆電線で内部回路が形成される。そして、導通孔内に被覆電線の芯線を露出させることにより、プリント基板のスルーホールやバイアホールと同等の導通孔を形成することが出来る。例えば、プリント基板のスルーホールと同様に、導通孔を貫通孔形状として、リレー等の電気部品の端子を導通孔に挿通して半田付けすることにより、電気部品の端子と導通孔内に露出された被覆電線の芯線を半田を介して電気的に接続することが出来る。また、プリント基板のバイアホールと同様に、導通孔内に複数の被覆電線の芯線を露出して半田を充填することによって、複数の被覆電線を相互に電気的に接続することが出来る。そして、本発明に従う電気回路板によれば、エッチングやめっき等の化学処理を行なうことなく電気回路や導通孔を形成することが出来る。
【0010】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記導通孔の内周面上に、複数の前記被覆電線の前記芯線が露出されているものである。
【0011】
本態様によれば、導通孔内に露出された複数の被覆電線の芯線を相互に接続したり、電気部品の端子と接続することが出来る。例えば、本発明の第三の態様として、前記第二の態様に記載のものにおいて、前記導通孔内に導電体が設けられており、前記複数の被覆電線の芯線が前記導電体と接触されている態様が、好適に採用され得る。本態様における導電体としては、半田や電気部品の端子等が例示される。そして、複数の芯線が露出された導通孔内に例えば導電体として半田を充填することによって、複数の被覆電線を相互に電気的に接続することが出来る。また、導通孔に導電体としての電気部品の端子を挿通して半田付けしたり、圧入して芯線と直接に接触させることで、該端子と複数の被覆電線を電気的に接続することも出来る。
【0012】
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、電気部品の端子が前記導通孔に挿通されて前記被覆電線の前記芯線と電気的に接続されているものである。
【0013】
本態様によれば、プリント基板におけるスルーホールと同様にして、電気部品を電気回路板の内部回路と接続することが出来る。なお、電気部品の端子は、例えば導通孔に半田付けすることによって半田を介して芯線と電気的に接続しても良いし、導通孔に圧入して芯線と直接に接触させて電気的に接続しても良い。また、導通孔内に露出される芯線は1本でも複数本でも良い。
【0014】
本発明の第五の態様は、前記第一〜第四の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記被覆電線の前記芯線が前記絶縁板の表面上に露出されているものである。
【0015】
本態様によれば、絶縁板の表面上に露出された芯線を用いてランドを形成することが出来る。これにより、表面実装型の電気部品を装着可能とすることが出来る。
【0016】
本発明の第五の態様は、前記第一〜第四の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記被覆電線が前記絶縁板の外部に延び出されているものである。
【0017】
このようにすれば、絶縁板の外に延び出された被覆電線を他の電気回路や電気部品と接続することが出来る。これにより、電気回路板の汎用性を向上することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、樹脂製の絶縁板内に被覆電線を配索すると共に、絶縁板に設けた導通孔の内周面上に被覆電線の芯線を露出した電気回路板を形成した。これにより、エッチングやめっき等の化学処理を伴うことなく、内部回路およびスルーホールやバイアホールと同等の導通孔を簡易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態としての電気回路板の平面図。
【図2】図1に示した電気回路板の導通孔の平面図。
【図3】図2におけるIII−III断面図。
【図4】図2に示した導通孔の製造方法を説明するための平面説明図。
【図5】図4におけるVa−Va,Vb−Vb,Vc−Vc断面を示す断面説明図。
【図6】図1に示した電気回路板の、図2とは異なる導通孔の平面図。
【図7】図6におけるVII−VII断面図。
【図8】図6に示した導通孔の製造方法を説明するための平面説明図。
【図9】図8におけるIXa−IXa,IXb−IXb,IXc−IXc,IXdーIXd断面を示す断面説明図。
【図10】図1に示した電気回路板への電気部品の装着状態を示す斜視図。
【図11】図2に示した導通孔への電気部品の端子の挿通状態を説明するための断面図。
【図12】本発明の第二の実施形態としての電気回路板の導通孔の平面図。
【図13】図12におけるXIII−XIII断面図。
【図14】図12に示した導通孔の製造方法を説明するための平面説明図。
【図15】図14におけるXVa−XVa,XVb−XVb,XVc−XVc断面を示す断面説明図。
【図16】図12に示した電気回路板への電気部品の装着状態を示す斜視図。
【図17】図12に示した電気回路板の、図12とは異なる導通孔の平面図。
【図18】図17におけるXVIII−XVIII断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としての電気回路板10を示す。電気回路板10は、非導電性の合成樹脂からなる絶縁板12の内部に複数の被覆電線14が配索されていると共に、複数の導通孔16が形成された構造とされている。
【0022】
図2および図3に、電気回路板10における導通孔16aの形成箇所を例示する。絶縁板12は、非導電性の合成樹脂からなる板形状とされている。絶縁板12を形成する樹脂材料は特に限定されるものではないが、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂等が好ましく、例えばエポキシ樹脂や液晶ポリマー(LCP)等が好適に採用され得る。なお、絶縁板12は、必ずしも矩形状である必要は無く、配設場所の形状等に応じて、矩形以外の多角形状や曲線を組み合わせた任意の形状に設定することが可能である。
【0023】
図3に示すように、被覆電線14は、導電性を有する芯線18が、絶縁性の被膜20で覆われたものである。被覆電線14としては例えばエナメル線等、従来公知のものが採用可能であり、耐熱性に優れるエナメル線等が好適に採用され得る。このような被覆電線14の複数が、インサート成形等によって絶縁板12内に配索されることにより、絶縁板12内に電気回路22(図1参照)が形成されている。
【0024】
これら被覆電線14の芯線18は、絶縁板12に形成された導通孔16aの内周面24上に露出されている。なお、図2および図3においては、2つの導通孔16a,16aを示しているが、これらは互いに同様の構造であることから、特に区別することなく説明する。
【0025】
導通孔16aは、一定の円形断面をもって絶縁板12を厚さ方向(図3中、上下方向)に貫通する貫通孔とされている。そして、被覆電線14が導通孔16aの周囲を一周する形で絶縁板12内に配索されており、被覆電線14の芯線18が導通孔16aの内周面24上に露出されている。なお、本実施形態においては、芯線18の円形断面の略中央部分が内周面24上に露出されることにより、芯線18の内周面24への露出面積が確保されている。これにより、導通孔16aは、プリント基板のスルーホールと同様に、後述する電気部品の端子等を挿通して絶縁板12内部の電気回路22を構成する被覆電線14と電気的に接続することが可能とされている。
【0026】
このような導通孔16aは、例えば図4および図5に示すようにして、好適に形成される。先ず、図4(a)および図5(a)に示すように、複数のピン26が剣山状に突出された成形型としての治具28を用意する。そして、治具28のピン26に被覆電線14を巻きつけて、所望の回路形状を形成する。なお、被覆電線14は、図示したようにピン26を一周して完全に巻回することなく、ピン26に引っ掛けるように部分的に巻回しても良い。
【0027】
続いて、図4(b)および図5(b)に示すように、治具28内に熱硬化性樹脂を流し込んだり、成形樹脂で一体成形等することにより、被覆電線14を内部に備えた絶縁板12を形成する。絶縁板12において、治具28のピン26が存していた場所には熱硬化性樹脂が存在出来ないことから、ピン26の存していた場所には複数の貫通孔30が形成されており、貫通孔30に被覆電線14が巻回されている。
【0028】
そして、被覆電線14が巻回された貫通孔30に、貫通孔30よりも大きな径をもって絶縁板12を貫通する導通孔16aをドリル等で形成する。導通孔16aは貫通孔30と同一中心軸上に形成される。図5(b)から明らかなように、導通孔16aの径寸法は、好適には、導通孔16aの外周縁部が、貫通孔30の周囲を巻回する被覆電線14の円形断面の略中心を通る大きさとされる。これにより、図4(c)および図5(c)に示すように、導通孔16aの形成に伴って被覆電線14が部分的に切除されて、芯線18が導通孔16aの内周面24に露出される。このようにして、導通孔16aを形成することが出来る。
【0029】
また、電気回路板10には、図6および図7に示す、導通孔16bが形成されている。なお、図6および後述する図8、図12、図14、図17においては、理解を容易とするために、半田32および図12、図14、図17に図示する芯線18を、それぞれ、点および斜線で塗り潰して示す。導通孔16bは、複数(図示例においては、2つ)の被覆電線14a,14bの芯線18a,18bが、それぞれ、導通孔16bの内周面24に露出されている。各被覆電線14a,14bは、それぞれ、導通孔16bの周囲を略半周する形で絶縁板12内に配索されている。そして、導通孔16bに導電体としての半田32が充填されることによって、両被覆電線14a,14bの芯線18a,18bが半田32に接触して、半田32を介して相互に電気的に接続されている。これにより、導通孔16bは、プリント基板におけるバイアホールと同様に、絶縁板12の電気回路22を形成する複数の被覆電線14a,14bを相互に電気的に接続している。なお、図7に示すように、被覆電線14a,14bは、円形断面の略中心部分において内周面24に露出されることによって、相互の離隔距離が小さくされており、電気的な接続信頼性が確保されている。
【0030】
このような導通孔16bは、例えば図8および図9に示すようにして、好適に形成される。先ず、図8(a)および図9(a)に示すように、前記導通孔16aの形成において説明した治具28のピン26に、複数(図示例においては、2本)の被覆電線14a,14bを巻回する。被覆電線14a,14bは、互いに隙間無く接触した状態でピン26に巻回されることが好ましい。また、前記導通孔16aと同様、被覆電線14a,14bは、ピン26を一周するように完全に巻回しても良いし、ピン26に引っ掛けるように部分的に巻回しても良い。
【0031】
続いて、前記導通孔16aと同様にして、図8(b)および図9(b)に示すように、被覆電線14a,14bを内部に配設して絶縁板12と貫通孔30を形成する。その後、図8(c)および図9(c)に示すように、貫通孔30に導通孔16bを貫設する。これにより、被覆電線14a,14bの芯線18a,18bが導通孔16bの内周面24にそれぞれ露出される。そして、図8(d)および図9(d)に示すように、導通孔16b内に半田32を充填する。これにより、内周面24に露出された被覆電線14a,14bの芯線18a,18bが半田32を介して相互に電気的に接続される。
【0032】
また、図1に示したように、複数の被覆電線14は、必要に応じて、絶縁板12の外部に延び出されている。これにより、絶縁板12の外部に延び出された被覆電線14に、他の電気回路や金属端子などを接続することが可能とされている。なお、本実施形態においては、被覆電線14が絶縁板12の一つの側面34aから外部に延び出されているが、被覆電線14の絶縁板12からの取り出し箇所は任意に設定可能であって、絶縁板12の側面34a〜34dの何れから取り出されていても良いし、絶縁板12の表面36から取り出される等しても良い。
【0033】
このような電気回路板10は、図10に示すように、従来のプリント基板と同様にリレー38等の電気部品を実装することが出来る。即ち、図11に前記導通孔16aを例に示すように、導通孔16aをスルーホールと同様に用いて、導通孔16aにリレー38の端子40を挿通して、半田32を充填する。これにより、端子40を電気回路板10に半田付けすると共に、導通孔16aの内周面24上に露出された被覆電線14の芯線18と半田32を介して電気的に接続して、電気回路板10の電気回路22(図1参照)と電気的に接続することが出来る。また、図示は省略するが、導通孔16b(図6および図7等参照)に端子40を挿通して半田付けすることも勿論可能であり、例えば、半田32が充填される前(図9(c)の状態)の導通孔16bに端子40を挿通した後に半田32を充填して、端子40を半田付けすると共に内周面24に露出された2本の被覆電線14a,14bの両芯線18a,18bと電気的に接続しても良い。
【0034】
本実施形態に従う構造とされた電気回路板10によれば、エッチングやめっきなどの化学処理を伴うことなく、絶縁板12内に電気回路22を形成することが出来ると共に、プリント基板におけるスルーホールやバイアホールと同等の機能を有する導通孔16aや導通孔16bを形成することが出来る。これにより、特別な設備を要することなく、プリント基板と同等の機能を有する電気回路板10を得ることが出来る。
【0035】
また、電気回路板10の内部回路を形成する被覆電線14が、絶縁板12の外部に延び出されている。これにより、例えば外部に延び出された被覆電線14を他の電気回路と接続したり、金属端子を設けて他の電気部品と接続することが可能となり、電気回路板10の汎用性を向上することが出来る。但し、被覆電線14は必ずしも絶縁板12の外部に延び出されている必要は無く、絶縁板12内のみに配索されていても良い。
【0036】
次に、図12および図13に、本発明の第二の実施形態としての電気回路板50の要部を示す。以下の説明において、前記第一の実施形態と同様の構造とされた部材および部位には、図中に前記第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、その説明を適宜に省略する。
【0037】
電気回路板50には導通孔16cが形成されており、表面実装用のランド52aが導通孔16c上に形成されていると共に、ランド52bが導通孔16cに近接して形成されている。図13に示すように、導通孔16cには、3本の被覆電線14c,14d,14eが巻回状態で設けられており、導通孔16cの内周面24上に露出された芯線18c,18d,18eが導通孔16cに充填された半田32で相互に電気的に接続されている。更に、本実施形態における電気回路板50は絶縁板12の表面36が削られることにより、表面36側に配索された被覆電線14cの芯線18cが表面36上に露出されている。そして、電気回路板50の表面36上にはソルダーレジスト54が形成されており、このソルダーレジスト54の非形成部分を通じて芯線18cが露出されることでランド52a,52bが形成されている。ランド52aは、導通孔16cに巻回された被覆電線14cの芯線18cと、導通孔16cに充填された半田32によって形成されている。ランド52bは、導通孔16cからやや離れた位置で芯線18cがソルダーレジスト54から露出されることによって形成されている。
【0038】
このようなランド52a,52bは、例えば図14および図15に示すようにして、好適に形成される。先ず、図14(a)および図15(a)に示すように、前記図8(d)および図9(d)に示した導通孔16bと同様にして、3つの被覆電線14c〜14eを巻回して芯線18c〜18eを内周面24上に露出させると共に、半田32を充填した導通孔16cを形成する。次に、図14(b)および図15(b)に示すように、電気回路板50の表面36を平面方向に削ることにより、最も表面36側に配索されている被覆電線14cの芯線18cを新たな表面36上に露出させる。被覆電線14cは、好適には、円形断面の略中心に至る程度に削られて、表面36上の露出面積が可及的に大きく確保される。
【0039】
続いて、図14(c)および図15(c)に示すように、ランド52a,52bの形成箇所を除いて、電気回路板50の表面36に従来公知の方法に従ってソルダーレジスト54を形成する。そして、ソルダーレジスト54の非形成部分から露出された芯線18cと半田32によって、ランド52a,52bが形成される。
【0040】
このような電気回路板50によれば、図16に示すように、表面実装用のリレー56の端子58をランド52に重ねて半田付けしたり、表面実装用のチップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ部品60をランド52に重ねて半田付けして、電気部品を表面実装することが出来る。
【0041】
なお、ランド52として、図17および図18に示すランド52c,52dを形成しても良い。ランド52c,52dは、それぞれ、前記ランド52a,52bと同様の平面形状を有している。これらランド52c,52dは、前記図14(a)および図15(a)に示した導通孔16cが形成された後に、電気回路板50の表面36が部分的に削られて被覆電線14cの芯線18cと半田32が表面36上に露出されることによって形成されている。このようにすれば、より簡易にランド52c,52dを形成することが出来る。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、導通孔は、必ずしも絶縁板を貫通する必要は無く、絶縁板を貫通することの無い凹状の孔とされていても良い。
【0043】
また、導通孔に電気部品の端子を圧入する等して、端子自体を導電体として用いて、導通孔の内周面に露出された被覆電線の芯線と半田等を介することなく直接に接触して電気的に接続するなどしても良い。
【符号の説明】
【0044】
10,50:電気回路板、12:絶縁板、14:被覆電線、16:導通孔、18:芯線、20:被膜、22:電気回路、24:内周面、32:半田(導電体)、38:リレー(電気部品)、40:端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線が絶縁性の被膜で被覆された被覆電線が樹脂製の絶縁板内に配索されていると共に、該絶縁板に設けられた導通孔の内周面上に前記被覆電線の芯線が露出されていることを特徴とする電気回路板。
【請求項2】
前記導通孔の内周面上に、複数の前記被覆電線の前記芯線が露出されている
請求項1に記載の電気回路板。
【請求項3】
前記導通孔内に導電体が設けられており、前記複数の被覆電線の芯線が前記導電体と接触されている
請求項2に記載の電気回路板。
【請求項4】
電気部品の端子が前記導通孔に挿通されて前記被覆電線の前記芯線と電気的に接続されている
請求項1〜3の何れか1項に記載の電気回路板。
【請求項5】
前記被覆電線の前記芯線が前記絶縁板の表面上に露出されている
請求項1〜4の何れか1項に記載の電気回路板。
【請求項6】
前記被覆電線が前記絶縁板の外部に延び出されている
請求項1〜5の何れか1項に記載の電気回路板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−175027(P2012−175027A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37995(P2011−37995)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】