電気機器の液体容器
【課題】従来技術は、液体容器内の液位の変化にともなう電極間の静電容量の変化量が鈍化して、検知精度が低いという欠点があり、本発明は加湿器等の電気機器の液体容器の液位を精度よく検知することを目的とする。
【解決手段】液体容器2の内部で最底部の外郭壁内に絶縁状態で導電体板対4a、4bを設け、この導電体板対4a、4bを接続線6で端子5に接続して液体容器2が電気機器本体1に装着された状態で端子5に対向する電気機器本体1に内蔵した端子受け7と電気的に接触接続される構成としたことにより端子受け7に接続された静電容量検知回路で比誘電率の小さい空気層の介在を排除した検知精度のよい液位検知ができる。
【解決手段】液体容器2の内部で最底部の外郭壁内に絶縁状態で導電体板対4a、4bを設け、この導電体板対4a、4bを接続線6で端子5に接続して液体容器2が電気機器本体1に装着された状態で端子5に対向する電気機器本体1に内蔵した端子受け7と電気的に接触接続される構成としたことにより端子受け7に接続された静電容量検知回路で比誘電率の小さい空気層の介在を排除した検知精度のよい液位検知ができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭用の加湿機などの電気機器に用いる着脱自在な液体容器の液位を静電容量で検知するための液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の液体容器内の液位を検知するものとしては、液位に応じて上下動もしくは回動するフロートでスイッチを作動するフロート式のものが一般的である。
【0003】
しかしこの方式は、機械的な可動部を有するため水垢などでフロートの動きが阻害され、また、構造が複雑になるため液体容器の掃除がしにくい欠点があった。
【0004】
そこで、可動部がなく液体容器の構造がシンプルになる例えば特許文献1および2に示すような静電容量形の液位センサが提案されている。
【0005】
以下、その静電容量形のセンサについて図13および図14を参照しながら説明する。
【0006】
図13は特許文献1に記載の電気ポットなどに適した水位センサを示す図である。
【0007】
電気機器本体101に収納した液体容器102内の水103の水位を検出するために排出管104の外壁に対向する電極105、106とを設け、この電極の静電容量が水位により変化することを利用して液位を検知するものである。水の温度が常温から100℃まで変化し、これにより、水の比誘電率も変化し、その結果、検知水位に誤差を生じるので、液位によって静電容量が変化しない場所に電極107、108を設け、この電極間の静電容量で、前記の検知した液位を補正するようにしたものである。
【0008】
図14は特許文献2に記載の浄水器など適した液位センサを示す図であって、浄水装置で生成した浄水を貯める液体容器の液位を検知するものである。
【0009】
液体容器に所定量の水が貯まると液体容器を取り出す必要があるため液体容器は電気機器本体からの着脱が自在であることを前提したものである。
【0010】
図において、電気機器本体111の上部に液体容器112が置かれ、隔壁113の側面に共通電極114と発信電極115と容器検出電極116が取り付けられている。これらの電極には高周波電源117の電圧が印可され測定部18で高周波電流を検知し、液体容器の有無および液体容器内の液位を検知する構成になっている。
【特許文献1】特開平11−223545号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−202177号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述の特許文献2に示す方法は、液体容器内の液位を計測するためには、電極間の静電容量が隔壁113と液体容器112の二重の比誘電率が小さい樹脂層が介在していることと、隔壁113と液体容器112間に樹脂よりも更に比誘電率が小さい空気層118が介在することが避けられないため、液体容器内の液位の変化にともなう電極間の静電容量の変化量が鈍化して、検知精度が低い欠点があった。
【0012】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、加湿機などの液体容器の着脱が必要な液体容器の液位を、精度良く検知できる液体容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電気機器の液体容器は上記目的を達成するために、液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、前記導電体板を前記電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に接触接続するための接続手段とを備えることで電気的に直接接続するようにしたものである。
【0014】
この手段により、検出対象となる液体と導電体板の間に比誘電率が小さい介在物は液体容器の外郭壁の構成材以外は排除することができるために、より高感度で静電容量の変化が検知できるため、高精度で液位を検知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高精度の対象液体の有無や液位検知ができる液体容器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の請求項1記載の発明は、電気機器本体から分離自在とした液体容器に収納した液体の有無や液位を静電容量の変化を静電容量検知回路で測定することで検知する方式の電気機器用の液体容器であって、前記液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、導電体板を電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に直接接続するための接続手段とを備えた電気機器の液体容器(以下単に液体容器と略記)である。
【0017】
このことにより、導電体板は接続手段により静電容量検知回路に電気的に接触接続されることで検出対象となる液体と導電体板の間に比誘電率が小さい介在物は液体容器の外郭壁の構成材以外は排除することができるために、より高感度で静電容量の変化が検知できるため、高精度で液位を検知することができる液体容器が提供できる。
【0018】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、一対の導電体板は液体容器の最底部に設けることを特徴としている。
【0019】
このことにより、液体の残量を液体容器の容量の最後まで検知することができる。
【0020】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項2の液体容器において、一対の導電体板は液体容器の最底部に液体容器内に突出するように形成した凸部に設けたことを特徴としている。
【0021】
このことにより、液体残量が精度良く検知できる。
【0022】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3の電気機器の液体容器2において、凸部に屋根型の勾配を設けたことを特徴としている。
【0023】
このことにより、液体の滞留を防止し、液体残量の検知精度がさらに向上する。
【0024】
本発明の請求項5記載の発明は、請求項4の電気機器の液体容器において、導電体板を配置した部分の液体容器の内面および導電体板を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状としたことを特徴としている。
【0025】
このことにより、単位面積当たりの液体と導電体板の間との相対する面積を増やすことができるために、液体残量の検知精度がさらに向上する。
【0026】
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面に垂直方向に短尺の導電体板対を設けたことを特徴としている。
【0027】
このことにより、任意の液位が精度よく検知できる。
【0028】
本発明の請求項7記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、一方の導電体板は液体容器の最底部に設け、他方の導電体板を液体容器の外郭側面に設けたことを特徴としている。
【0029】
このことにより、液体の残量が少なくなったことの検知ができる。
【0030】
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面に設けた導電体板は、垂直方向に長尺状であることを特徴としている。
【0031】
このことにより、任意の液位が検知できる。
【0032】
このことにより、液体容器の内容積が深い場合においてもより液位が精度よく検知できる。
【0033】
本発明の請求項9記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面の垂直方向に長尺の第1の導電体板対を設けこれと対向して液体容器の最底面に第2の導電体板対を設けたことを特徴としている。
【0034】
このことにより、液体温度の影響による検知誤差を修正できる。
【0035】
本発明の請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、導電体板に対向した液体容器の内面に親水性処理もしくは親油性処理を施したことを特徴としている。
【0036】
このことにより、液体容器内壁に空気層が発生して検知精度が低下することを防止できる。
【0037】
本発明の請求項11記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、導電体板間を覆うように液体容器の外壁面に撥水発油性処理を施したことを特徴としている。
【0038】
このことにより、液体容器外周に水分や油が付着して検知精度が低下することを抑制できる。
【0039】
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、液体容器の導電体板を配置した位置の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯を液体容器の周囲と絶縁状態で配したことを特徴としている。
【0040】
このことにより、液体容器外壁に水分や油が付着して検知精度が低下することをさらに抑制できる。
【0041】
本発明の請求項13記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、導電体板に接続した受信コイルを液体容器に備え、これと対向する電気機器本体の位置に送信コイルに高周波電圧を印加して導電体板間の静電容量を検知するようにしたことを特徴としている。
【0042】
このことにより、液体容器は、電極などの突出部をなくすことができて、液体容器の周囲の掃除がしやすくなる。
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0044】
(実施の形態1)
本実施の形態の液体容器は、加湿機などの水の残量が少なくなったことを検知し、使用者にランプやブザーで報知するのに適した液体容器を一例として説明する。
【0045】
図1は本実施の形態の加湿機の構造の一部を示す図である。図は加湿機の底部の側断面図であり、図示を略した図の上部には、モータや送風ファン、操作表示部、静電容量を検知し、液位を判定する静電容量検知回路などが搭載されている。
【0046】
図で電気機器本体1に着脱自在で定位置に配置される液体2aである水を蓄えた液体容器2を備え、回転する吸水剤を巻き付けたドラム3が水を吸水し、送風ファンの送風で蒸発させて室内の湿度を高めるようにしたものである。
【0047】
このような加湿機では、水の残量が所定値になったことを検知して使用者に報知する必要がある。
【0048】
図2(a)は、同液体容器の最底部で図1の点線枠A部の詳細を示す、拡大した断面図である。図2(b)は、同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図である。図2(c)は、同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を波形としたときの構成を示す拡大斜視断面図である。図2(d)は、同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を複数の凹凸を設けた面形状としたときの構成を示す拡大斜視断面図である。
【0049】
液体容器2の最底部2Lに液体容器2の内部の向きに突出する凸部2bを設けている。凸部はその中央部を天頂とする屋根状の勾配2cを有し、この部には親水性処理2dを施している。液体容器2の内部で最底部2Lの外郭壁内部2Kに凸部2bを設け、この凸部2bの下面で液体容器2の周囲と絶縁した状態で導電体板4を同時成形により内蔵しており、ここでは一対の平板状の導電体板対4a、4bを用いている。液体容器2に固定された導電体で構成された2本の端子5と前記導電体板はそれぞれ導線6で接続されている。
【0050】
なお、液体容器2は絶縁体で内部に蓄える液体に耐性のある樹脂材で構成したものであり対象の液体が水である場合には例えばABS樹脂などで成形するものである。
【0051】
また、導電体板対4a、4bの下面側の外壁面は撥水撥油性材2eで覆っている。また、液体容器2が電気機器本体1に定位置に装着された状態において液体容器2の端子5に対向する電気機器本体1の位置には電気的に接触接続する導電体で構成される端子受け7を配置し、この端子受け7は電気機器本体1の内部に絶縁された状態で端子受けバネ7aによって可動自在に配置されている。なお、この端子受け7は図示による詳細の説明は省くが電気機器本体1の内部に配置された静電容量検知回路に電気的に接続しているものである。
【0052】
このような液体容器2を図2(a)に示すように矢示のように押し込んで電気機器本体1に装着したとき端子5が端子受け7と端子受けバネ7aの圧縮により加圧された状態で電気的に接触接続する接続手段を構成していることになる。
【0053】
ここで親水性処理2dは例えば、液体容器2の樹脂材表面を一旦シリコン樹脂で覆いこのシリコン樹脂上に酸化チタンなどの親水性材をシリコン樹脂などをバインダーとして薄く均一に塗布するものである。
【0054】
ここで撥水撥油性材2eはポリエチレンやテフロン(登録商標)などの水や油脂などへの耐性と撥水および撥油性能が高い樹脂材を選定するものである。
【0055】
なお、平行な2枚の導電体板に生じる静電容量Cは理論的には数式1にて求められるために2枚の導電体板の間隔を一定とした場合、その導電体板の面積Sがより広い方が生じる静電容量の値が大きくなり、2枚の導電体板の間に存在する液体の有無(あるいは量)を検知したいときの静電容量の変化幅も大きくなるためにより高精度の検知が可能となることは一般的である。よって図2(c)および図2(d)に示すように導電体板を配置した部分の液体容器2の内面2fよび導電体板4を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状として単位平面当たりの表面積を増やすことにより、より高精度な検知を行うこともできる。ここで、波形あるいは複数の凹凸の間隔寸法はより短くし、深さ方向の寸法はできるだけ大きくするほうが単位平面当たりの表面積を増やすことにはなるが、隙間に汚れが入り込み取れにくくなることで掃除性が劣ることとなるために、汚れが入りにくく拭き取り等の清掃作業が簡単に行えることを考慮して、間隔は2〜3mm程度、深さは0.5〜1mm程度が適切である。
【0056】
(数式1)
C=(εo×εs×S)/d
C :静電容量[F]
S :導電体板の面積[m2]
d :導電体板の間隔[m]
εo:真空の誘電率
εs:対象物質(液体)比誘電率
次に図3で液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着しないとき、および装着時に内部に蓄える液体2の量(液位)の変化に対する端子受け7側に構成される静電容量検知回路で検知する静電容量Cの変化の関係を説明する。
【0057】
以下、端子受け7側に構成される静電容量検知回路で検知する静電容量は「検知した静電容容量」と表現する。
【0058】
図でCiは液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着しないときの検知した静電容量値を示し、Ci1は定位置に装着したときで液体容器2が空の状態の検知した静電容量値を示しており、Ciに対してCi1は液体容器2を構成する樹脂材の比誘電率に基づく静電容量値の増加により必ず大きくなる。
【0059】
よって、実設計においてはこのCi1の値がCiに対して判定可能なレベルに大きくなるよう導電体板対4a、4bの寸法を実験的に決めておき空の液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着したときでの判定閾値としてCi1とCiの中間値程度の静電容量に第1の閾値Coを設定することで液体容器2の有無も判断できることとなり、液体容器2が電気機器本体1に装着されていないことを前述の操作表示部で表示することが可能となる。
【0060】
液位は満タンに近い状態から加湿機の運転に伴い除除に低下するに伴い導電体板間の静電容量も減少し、凸部2bの天頂付近の近傍で静電容量が変化しなくなるが、この時の検知した静電容量値はCi1とほぼ同等となる。
【0061】
そこで、Ci1の値と同等以上のレベルに静電容量の第2の閾値Csを設定することにより液体容器2の内部が空と判定する渇水液位L1を判定することもできる。この渇水液位L1の値は凸部2bの高さを目的に応じて設定することにより任意の値とすることもできる。
【0062】
このように、液体容器2の内部の最底部2Lで外郭壁内部2Kに絶縁した状態で導電体板4を配置しこの液体容器2を電気機器本体1に装着したときに端子5と端子受け7の電気的結合により導電体板と電気機器本体1側の静電容量検知回路は直接的に接続される構成としていることで導電体板と液体容器2の内部に蓄える液体との間には液体容器2を構成する樹脂材の一層のみが介在し比誘電率の小さい空気層の介在による液体の比誘電率を主体とした導電体板の間に生じる静電容量の低下を排除することができるために従って検知精度のよい液位検知ができる。
【0063】
また、凸部を設けることで、任意の所定の水位(残量)の検知を行うこともできる。
【0064】
また、凸部は屋根形の勾配を設けたことで水位低下時の水切れがよくなり凸部に水滴が残留して誤検知(水位が低下しているにもかかわらず検知できない)することを防止できる。また、凸部の表面に親水性処理を施したことで、泡などの付着による誤検知(水位が低下していないにもかかわらず低下と判断する)も防止できる。
【0065】
また、導電体板4の下面側の外壁は撥水撥油性材2eで覆うことで液体容器2の内部に蓄える液体が仮に漏れだ出し液体容器2の下面に付着する等の状況が発生しても撥水撥油性材2eで覆われた液体容器2の下面の範囲には液体が付着し難くなり、付着液体を要因とする導電体板4の間に生じる静電容量の発生を抑制することができるために、このような液漏れの状況が発生しても液体容器2の内部に蓄える液体の検知精度を高めることができる。
【0066】
なお、導電体板4の下面側の外壁を撥水撥油性材2eで覆う代わりに図2(e)に示すような導電体板4の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯2gを液体容器2の周囲と絶縁状態で配置して導電体板4の下面側の外壁との間に設けることにより付着液体の比誘電率の影響を遮断し導電体板対4a、4bの間に生じる静電容量変化への影響を小さくすることができるために、さらに液体容器2の内部に蓄える液体の検知精度を高めることもできる。ここで、低比誘電率帯2gは比誘電率の値が真空の値の次に小さい一般的な空気層を活用することが製造コスト面も有利となる。
【0067】
なお、液体容器2の最底部2Lで内部の向きに突出する凸部2bを設けて導電体板4を配置することで任意の所定水位の検知を可能としているが、凸部2bを設けずに液体容器2の底の液体が最後まで溜まる最底部2Lに位置するように導電体板4を配置することで液体容器2の内部に残る液体の完全な有無の検知が可能であることは言うまでもない。
【0068】
なお、本実施の形態の液体容器を石油ストーブなどに応用する場合には、親水性処理に替えて親油性が高いシリコン樹脂で覆うなどの親油性処理を施せば同様の効果が得られる。
【0069】
なお、導電体板4は平板状のものを液体容器2の外郭壁の内部に液体容器2の周囲と絶縁した状態で同時成形により内蔵したものとしているが、液体容器2の下面を導電性塗料で塗布し更に外側を絶縁体で密閉して覆うことで構成しても作用効果に差異が無いことは言うまでもない。
【0070】
なお、導電体板4は液体容器2の外壁の内部に液体容器2の周囲と絶縁した状態で同時成形により内蔵したものとしているが、液体容器2の下面を利用者が触れない、あるいは液漏れ等が生じても下面に液体が付着しない構造であれば液体容器2の下面に平板状の導電性の板材を接着材で貼り付ける、あるいは導電性塗料で塗布する等して剥き出しの状態のままでも作用効果に差異が無いことは言うまでもない。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態2の液体容器は、実施の形態1と同様の機器に適した液体容器でありその効果も同様である。実施の形態1と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0072】
図4は本実施の形態2の液体容器の要部の構造を示す断面図、図4(a)は、同本実施の形態の液体容器の要部の構造を示す側視透過図、図4(b)は、同液体容器の要部の構造を示す断面図、図5は、同液位と静電容量の関係を示す図である。
【0073】
図4に示すように液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sに垂直方向に短尺、例えば液体容器2深さ方向の半分程度の長さの平板状の導電体板8a、8b設けられ、この導電体板8a、8bはそれぞれ導線6で端子5に接続されている。
【0074】
このように構成することにより図5に示すように液体容器2の内部の水位が減少すると導電体板8a、8bの垂直方向の下端部近傍において検知した静電容量Ci1は実施の形態1と同様に水の比誘電率の影響から開放され、液体容器2を構成する樹脂の比誘電率に基づく固有の値で水位に無関係に低位で安定することとなる。
【0075】
従って実機においてはCi2の値を実験的に求めてこのCi2の値以上で任意の値に静電容量の閾値Csを定めることにより任意の検知水位L2を検知して判断することができる。
【0076】
この検知水位L2の値は、閾値Csの値を変えることで調整することができるが、導電体板8a、8bの下端の位置を変えることで任意の位置に設定することもできる。
【0077】
(実施の形態3)
本実施の形態3の液体容器も、実施の形態1および2と同様の機器に適した液体容器でありその効果も同様である。実施の形態1、2と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0078】
図6は本実施の形態の液体容器の構造を示す要部の断面図である。
【0079】
図6に示すように、液体容器2の最底部2Lに平板状の導電体板9aを設けこの導電体板9aに近接した液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sに平板状の導電体板9bを配置することで導電体板の対を形成したものである。
【0080】
本構成の特性は前述の図5とほぼ同様であるために図示による詳細な説明を省略するが液体容器2の最底部2Lに配置した導電体板9aと外郭側面である外郭側壁2Sに配置した導電体板9bの間で挟み込まれる液体容器2の内部の空間は深さ方向の範囲を多く包含することとなるために深さ方向の水位および液体2の有無の検知精度を高めることができる。
【0081】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0082】
本実施の形態4の液体容器は、垂直方向に長く深い液体容器を用いる加湿機などで、水の量を連続的に検知して、使用者にランプ列の点灯表示や液晶素子のバーグラフ表示で報知するのに適した液体容器である。
【0083】
図7は、本実施の形態の液体容器の構造を示す断面図、図8は、液位と静電容量の関係を示す図である。
【0084】
図7に示すように本構成は第4の実施例に対して、液体容器2の最底部2Lに平板状の導電体板10aを配し液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sの垂直方向に長尺、例えば液体容器2の深さと同程度の長さの平板状の導電体板10bを配置して構成したものである。
【0085】
本構成により図8に示すように、静電容量は水位が導電体板10bの下端L3に達したレベルで急激に水位とともに上昇するが上昇率は水位に対しやや鈍化の傾向を示し、水位が導電体板10bの上端のL4で示す液位でさらに鈍化の傾向が著しくなる。
【0086】
よって、実機においてはこの傾向を実験的に求めることにより検知した静電容量を電気的に補正処理すれば、水位をほぼリニアに検知することができるために特に、液体容器2の内容積が深い場合においても比較的に精度良く水位を検知することができるものである。よって、より液体容器2の内容積が深い場合の水位のリニアなバーグラフ表示や残量報知機能への応用性を高めることができる。
【0087】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0088】
本実施の形態5の液体容器は、実施の形態4と同様の機器に適した液体容器であり、容器内の液の温度が変化することに対応して、検知の精度を高めるようにしたものである。
【0089】
図9は本実施の形態5の液体容器の構造を示す断面図、図9(a)は同液体容器の構造を示す側視透過図、図9(b)は同液体容器の構造を示す断面図、図10は同液位と静電容量の関係を示す図、図11は同液位検知装置の電気回路の構成例を示す図である。
【0090】
図9において、液体容器2の外郭側面の垂直方向に長尺平板状の一対の導電体板を配置し第1の導電体板対11a、11bとし、液体容器2の最底部2Lに一対の導電体板を配置することで第2の導電体板対11c、11dを配置して構成する。
【0091】
本構成により図10示すように、静電容量は実線Bで示すように水位が導電体板11bの下端L5に達したレベルで急激に水位とともに上昇するとともに水位に対しほぼ直線的な傾向を示し、水位が導電体板11bの上端のL6で示すのレベルで鈍化の傾向を示す。この傾向に基づいて検知した静電容量を基に水位を連続的にバーグラフ表示することができる。
【0092】
しかしながら季節により水温が異なることにより、あるいは対象の液体である水の質が時節で変動することにより比誘電率の特性が変化し、例えば点線の特性C1が発生する。このため、検知液位に誤差が発生する。
【0093】
そこで、液体容器2の最底部2Lに配置された第2の導電体板対11c、11dを用いて誤差の補正を行う。
【0094】
図11は、高周波電源12で付勢される第1の導電体板対11a、11bおよび第2の導電体板対11c、11dのそれぞれに流れる電流をCPU13で処理する液位検知装置の構成を示している。
【0095】
このように配置した構成した第1の導電体板対11a、11bは、液位に対し静電容量が変化するコンデンサを構成していることとなる。また、第2の導電体板対11c、11dは、ある液位以上は液位に対して導電体対の間の検知対象となる液体2の比誘電率の影響が低下するために検知した静電容量の変化も鈍化することとなり、一定値の変化しないコンデンサを構成することとなる。
【0096】
このどちらのコンデンサも水温や水質の影響に同様に受ける。従って、第2の導電体板対11c、11dが検知する静電容量によって、第1の導電体板対11a、11bが検知する静電容量に基づく検知水位を補正することが可能になる。
【0097】
なお、5a、5b、5cは実施の形態1で説明した端子であり、この場合は端子が3個必要である。
【0098】
(実施の形態6)
実施の形態1乃至5と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0099】
本実施の形態6の液体容器は、実施の形態1〜5について適用できるもので、実施の形態1で説明した、液体容器2に配置した導電体板を電気機器本体1内の静電容量を検知し液位レベルを判定する回路に接続するための手段に関わるものである。
【0100】
図12は本実施の形態の液体容器の構造を示す断面図である。
【0101】
この図12は、前述の実施の形態2(図4)に適用した場合で説明するための図である。
【0102】
液体容器2に配置した導電体板8a、8bのそれぞれに受信コイル14の両端を接続して液体容器2に内蔵して配置し、液体容器2が電気機器本体1に装着された状態で受信コイル14と対向する位置の電気機器本体1側に送信コイル15を内蔵して配置することで分割型の誘導トランスを構成し、さらにこの送信コイル15に高周波電圧を印可する高周波電源16および高周波電流を検知する検知装置17を電気機器本体1側に配置することでこの受信コイル14と送信コイル15で構成される誘導トランスを介して導電体板8a、8b間に生じる静電容量の変化を検知するようにしたものである。
【0103】
なお受信コイル14はカバー18で覆うことで外部からの接触を防ぎコイル線切れを保護し、また、さらには液体容器2を構成する樹脂材で同時成形して密封することで液体容器2の周囲からの電気的な絶縁性を確保するとともに検知対象となる液体が漏れたときなどの液体の浸入を防止する構成とすることもでき、電気機器本体1側に構成している送信コイル15についても詳細の説明は省くが同様の構成で保護するものである。
【0104】
なお、実施の形態4に適用する場合は、2組の受信コイルと送信コイルを用いることで適用が実現できる。
【0105】
このように構成することにより、液体容器2と電気機器本体1を電気的に接触接続している端子が不要となるために長期使用における端子先端への汚れの付着や酸化を原因とする接触抵抗の増加に基づく計測精度の劣化を防止することが可能となり信頼性が増し、また端子などの突出部がなくなるために、液体容器2の周囲の掃除をしやすくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の液体容器は、着脱自在な液体容器において精度良く液位を検知できるので、家庭電気機器用の用途だけでなく、業務用の機器、あるいは産業用機器の用途などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施の形態1の加湿機の構造の一部を示す図
【図2】同液体容器の最底部の詳細を示す図((a)同液体容器の最底部で図1の点線枠A部の詳細を示す、拡大した断面図、(b)同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図、(c)同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を波形としたときの構成を示す拡大斜視断面図、(d)同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を複数の凹凸を設けた面形状としたときの構成を示す拡大斜視断面図、(e)同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図)
【図3】同液位と静電容量の関係を示す図
【図4】本発明の実施の形態2の液体容器の構造を示す図((a)同本実施の形態の液体容器の要部の構造を示す側視透過図、(b)同液体容器の要部の構造を示す断面図)
【図5】同液位と静電容量の関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態3の液体容器の構造を示す図
【図7】本発明の実施の形態4の液体容器の構造を示す図
【図8】同液位と静電容量の関係を示す図
【図9】本発明の実施の形態5の液体容器の構造を示す図((a)同液体容器の構造を示す側視透過図、(b)同液体容器の構造を示す断面図)
【図10】同液位と静電容量の関係を示す図
【図11】同液位検知装置の電気回路の構成例を示す図
【図12】本発明の実施の形態6の液体容器の構造を示す図
【図13】従来例の水位センサの構成を示す図
【図14】従来例の静電容量形検知装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0108】
1 電気機器本体
2 液体容器
2a 液体
2b 凸部
2c 勾配
2d 親水性処理
2e 撥水撥油性材
4 導電体板
4a、4b 導電体板対
8a、8b 導電体板
9a、9b 導電体板
10b 導電体板
11c、11d 第2の導電体板対
14 受信コイル
15 送信コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭用の加湿機などの電気機器に用いる着脱自在な液体容器の液位を静電容量で検知するための液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の液体容器内の液位を検知するものとしては、液位に応じて上下動もしくは回動するフロートでスイッチを作動するフロート式のものが一般的である。
【0003】
しかしこの方式は、機械的な可動部を有するため水垢などでフロートの動きが阻害され、また、構造が複雑になるため液体容器の掃除がしにくい欠点があった。
【0004】
そこで、可動部がなく液体容器の構造がシンプルになる例えば特許文献1および2に示すような静電容量形の液位センサが提案されている。
【0005】
以下、その静電容量形のセンサについて図13および図14を参照しながら説明する。
【0006】
図13は特許文献1に記載の電気ポットなどに適した水位センサを示す図である。
【0007】
電気機器本体101に収納した液体容器102内の水103の水位を検出するために排出管104の外壁に対向する電極105、106とを設け、この電極の静電容量が水位により変化することを利用して液位を検知するものである。水の温度が常温から100℃まで変化し、これにより、水の比誘電率も変化し、その結果、検知水位に誤差を生じるので、液位によって静電容量が変化しない場所に電極107、108を設け、この電極間の静電容量で、前記の検知した液位を補正するようにしたものである。
【0008】
図14は特許文献2に記載の浄水器など適した液位センサを示す図であって、浄水装置で生成した浄水を貯める液体容器の液位を検知するものである。
【0009】
液体容器に所定量の水が貯まると液体容器を取り出す必要があるため液体容器は電気機器本体からの着脱が自在であることを前提したものである。
【0010】
図において、電気機器本体111の上部に液体容器112が置かれ、隔壁113の側面に共通電極114と発信電極115と容器検出電極116が取り付けられている。これらの電極には高周波電源117の電圧が印可され測定部18で高周波電流を検知し、液体容器の有無および液体容器内の液位を検知する構成になっている。
【特許文献1】特開平11−223545号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−202177号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前述の特許文献2に示す方法は、液体容器内の液位を計測するためには、電極間の静電容量が隔壁113と液体容器112の二重の比誘電率が小さい樹脂層が介在していることと、隔壁113と液体容器112間に樹脂よりも更に比誘電率が小さい空気層118が介在することが避けられないため、液体容器内の液位の変化にともなう電極間の静電容量の変化量が鈍化して、検知精度が低い欠点があった。
【0012】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、加湿機などの液体容器の着脱が必要な液体容器の液位を、精度良く検知できる液体容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電気機器の液体容器は上記目的を達成するために、液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、前記導電体板を前記電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に接触接続するための接続手段とを備えることで電気的に直接接続するようにしたものである。
【0014】
この手段により、検出対象となる液体と導電体板の間に比誘電率が小さい介在物は液体容器の外郭壁の構成材以外は排除することができるために、より高感度で静電容量の変化が検知できるため、高精度で液位を検知することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高精度の対象液体の有無や液位検知ができる液体容器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の請求項1記載の発明は、電気機器本体から分離自在とした液体容器に収納した液体の有無や液位を静電容量の変化を静電容量検知回路で測定することで検知する方式の電気機器用の液体容器であって、前記液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、導電体板を電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に直接接続するための接続手段とを備えた電気機器の液体容器(以下単に液体容器と略記)である。
【0017】
このことにより、導電体板は接続手段により静電容量検知回路に電気的に接触接続されることで検出対象となる液体と導電体板の間に比誘電率が小さい介在物は液体容器の外郭壁の構成材以外は排除することができるために、より高感度で静電容量の変化が検知できるため、高精度で液位を検知することができる液体容器が提供できる。
【0018】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、一対の導電体板は液体容器の最底部に設けることを特徴としている。
【0019】
このことにより、液体の残量を液体容器の容量の最後まで検知することができる。
【0020】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項2の液体容器において、一対の導電体板は液体容器の最底部に液体容器内に突出するように形成した凸部に設けたことを特徴としている。
【0021】
このことにより、液体残量が精度良く検知できる。
【0022】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3の電気機器の液体容器2において、凸部に屋根型の勾配を設けたことを特徴としている。
【0023】
このことにより、液体の滞留を防止し、液体残量の検知精度がさらに向上する。
【0024】
本発明の請求項5記載の発明は、請求項4の電気機器の液体容器において、導電体板を配置した部分の液体容器の内面および導電体板を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状としたことを特徴としている。
【0025】
このことにより、単位面積当たりの液体と導電体板の間との相対する面積を増やすことができるために、液体残量の検知精度がさらに向上する。
【0026】
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面に垂直方向に短尺の導電体板対を設けたことを特徴としている。
【0027】
このことにより、任意の液位が精度よく検知できる。
【0028】
本発明の請求項7記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、一方の導電体板は液体容器の最底部に設け、他方の導電体板を液体容器の外郭側面に設けたことを特徴としている。
【0029】
このことにより、液体の残量が少なくなったことの検知ができる。
【0030】
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面に設けた導電体板は、垂直方向に長尺状であることを特徴としている。
【0031】
このことにより、任意の液位が検知できる。
【0032】
このことにより、液体容器の内容積が深い場合においてもより液位が精度よく検知できる。
【0033】
本発明の請求項9記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、液体容器の外郭側面の垂直方向に長尺の第1の導電体板対を設けこれと対向して液体容器の最底面に第2の導電体板対を設けたことを特徴としている。
【0034】
このことにより、液体温度の影響による検知誤差を修正できる。
【0035】
本発明の請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、導電体板に対向した液体容器の内面に親水性処理もしくは親油性処理を施したことを特徴としている。
【0036】
このことにより、液体容器内壁に空気層が発生して検知精度が低下することを防止できる。
【0037】
本発明の請求項11記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、導電体板間を覆うように液体容器の外壁面に撥水発油性処理を施したことを特徴としている。
【0038】
このことにより、液体容器外周に水分や油が付着して検知精度が低下することを抑制できる。
【0039】
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの液体容器において、液体容器の導電体板を配置した位置の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯を液体容器の周囲と絶縁状態で配したことを特徴としている。
【0040】
このことにより、液体容器外壁に水分や油が付着して検知精度が低下することをさらに抑制できる。
【0041】
本発明の請求項13記載の発明は、請求項1の電気機器の液体容器において、導電体板に接続した受信コイルを液体容器に備え、これと対向する電気機器本体の位置に送信コイルに高周波電圧を印加して導電体板間の静電容量を検知するようにしたことを特徴としている。
【0042】
このことにより、液体容器は、電極などの突出部をなくすことができて、液体容器の周囲の掃除がしやすくなる。
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0044】
(実施の形態1)
本実施の形態の液体容器は、加湿機などの水の残量が少なくなったことを検知し、使用者にランプやブザーで報知するのに適した液体容器を一例として説明する。
【0045】
図1は本実施の形態の加湿機の構造の一部を示す図である。図は加湿機の底部の側断面図であり、図示を略した図の上部には、モータや送風ファン、操作表示部、静電容量を検知し、液位を判定する静電容量検知回路などが搭載されている。
【0046】
図で電気機器本体1に着脱自在で定位置に配置される液体2aである水を蓄えた液体容器2を備え、回転する吸水剤を巻き付けたドラム3が水を吸水し、送風ファンの送風で蒸発させて室内の湿度を高めるようにしたものである。
【0047】
このような加湿機では、水の残量が所定値になったことを検知して使用者に報知する必要がある。
【0048】
図2(a)は、同液体容器の最底部で図1の点線枠A部の詳細を示す、拡大した断面図である。図2(b)は、同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図である。図2(c)は、同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を波形としたときの構成を示す拡大斜視断面図である。図2(d)は、同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を複数の凹凸を設けた面形状としたときの構成を示す拡大斜視断面図である。
【0049】
液体容器2の最底部2Lに液体容器2の内部の向きに突出する凸部2bを設けている。凸部はその中央部を天頂とする屋根状の勾配2cを有し、この部には親水性処理2dを施している。液体容器2の内部で最底部2Lの外郭壁内部2Kに凸部2bを設け、この凸部2bの下面で液体容器2の周囲と絶縁した状態で導電体板4を同時成形により内蔵しており、ここでは一対の平板状の導電体板対4a、4bを用いている。液体容器2に固定された導電体で構成された2本の端子5と前記導電体板はそれぞれ導線6で接続されている。
【0050】
なお、液体容器2は絶縁体で内部に蓄える液体に耐性のある樹脂材で構成したものであり対象の液体が水である場合には例えばABS樹脂などで成形するものである。
【0051】
また、導電体板対4a、4bの下面側の外壁面は撥水撥油性材2eで覆っている。また、液体容器2が電気機器本体1に定位置に装着された状態において液体容器2の端子5に対向する電気機器本体1の位置には電気的に接触接続する導電体で構成される端子受け7を配置し、この端子受け7は電気機器本体1の内部に絶縁された状態で端子受けバネ7aによって可動自在に配置されている。なお、この端子受け7は図示による詳細の説明は省くが電気機器本体1の内部に配置された静電容量検知回路に電気的に接続しているものである。
【0052】
このような液体容器2を図2(a)に示すように矢示のように押し込んで電気機器本体1に装着したとき端子5が端子受け7と端子受けバネ7aの圧縮により加圧された状態で電気的に接触接続する接続手段を構成していることになる。
【0053】
ここで親水性処理2dは例えば、液体容器2の樹脂材表面を一旦シリコン樹脂で覆いこのシリコン樹脂上に酸化チタンなどの親水性材をシリコン樹脂などをバインダーとして薄く均一に塗布するものである。
【0054】
ここで撥水撥油性材2eはポリエチレンやテフロン(登録商標)などの水や油脂などへの耐性と撥水および撥油性能が高い樹脂材を選定するものである。
【0055】
なお、平行な2枚の導電体板に生じる静電容量Cは理論的には数式1にて求められるために2枚の導電体板の間隔を一定とした場合、その導電体板の面積Sがより広い方が生じる静電容量の値が大きくなり、2枚の導電体板の間に存在する液体の有無(あるいは量)を検知したいときの静電容量の変化幅も大きくなるためにより高精度の検知が可能となることは一般的である。よって図2(c)および図2(d)に示すように導電体板を配置した部分の液体容器2の内面2fよび導電体板4を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状として単位平面当たりの表面積を増やすことにより、より高精度な検知を行うこともできる。ここで、波形あるいは複数の凹凸の間隔寸法はより短くし、深さ方向の寸法はできるだけ大きくするほうが単位平面当たりの表面積を増やすことにはなるが、隙間に汚れが入り込み取れにくくなることで掃除性が劣ることとなるために、汚れが入りにくく拭き取り等の清掃作業が簡単に行えることを考慮して、間隔は2〜3mm程度、深さは0.5〜1mm程度が適切である。
【0056】
(数式1)
C=(εo×εs×S)/d
C :静電容量[F]
S :導電体板の面積[m2]
d :導電体板の間隔[m]
εo:真空の誘電率
εs:対象物質(液体)比誘電率
次に図3で液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着しないとき、および装着時に内部に蓄える液体2の量(液位)の変化に対する端子受け7側に構成される静電容量検知回路で検知する静電容量Cの変化の関係を説明する。
【0057】
以下、端子受け7側に構成される静電容量検知回路で検知する静電容量は「検知した静電容容量」と表現する。
【0058】
図でCiは液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着しないときの検知した静電容量値を示し、Ci1は定位置に装着したときで液体容器2が空の状態の検知した静電容量値を示しており、Ciに対してCi1は液体容器2を構成する樹脂材の比誘電率に基づく静電容量値の増加により必ず大きくなる。
【0059】
よって、実設計においてはこのCi1の値がCiに対して判定可能なレベルに大きくなるよう導電体板対4a、4bの寸法を実験的に決めておき空の液体容器2を電気機器本体1の定位置に装着したときでの判定閾値としてCi1とCiの中間値程度の静電容量に第1の閾値Coを設定することで液体容器2の有無も判断できることとなり、液体容器2が電気機器本体1に装着されていないことを前述の操作表示部で表示することが可能となる。
【0060】
液位は満タンに近い状態から加湿機の運転に伴い除除に低下するに伴い導電体板間の静電容量も減少し、凸部2bの天頂付近の近傍で静電容量が変化しなくなるが、この時の検知した静電容量値はCi1とほぼ同等となる。
【0061】
そこで、Ci1の値と同等以上のレベルに静電容量の第2の閾値Csを設定することにより液体容器2の内部が空と判定する渇水液位L1を判定することもできる。この渇水液位L1の値は凸部2bの高さを目的に応じて設定することにより任意の値とすることもできる。
【0062】
このように、液体容器2の内部の最底部2Lで外郭壁内部2Kに絶縁した状態で導電体板4を配置しこの液体容器2を電気機器本体1に装着したときに端子5と端子受け7の電気的結合により導電体板と電気機器本体1側の静電容量検知回路は直接的に接続される構成としていることで導電体板と液体容器2の内部に蓄える液体との間には液体容器2を構成する樹脂材の一層のみが介在し比誘電率の小さい空気層の介在による液体の比誘電率を主体とした導電体板の間に生じる静電容量の低下を排除することができるために従って検知精度のよい液位検知ができる。
【0063】
また、凸部を設けることで、任意の所定の水位(残量)の検知を行うこともできる。
【0064】
また、凸部は屋根形の勾配を設けたことで水位低下時の水切れがよくなり凸部に水滴が残留して誤検知(水位が低下しているにもかかわらず検知できない)することを防止できる。また、凸部の表面に親水性処理を施したことで、泡などの付着による誤検知(水位が低下していないにもかかわらず低下と判断する)も防止できる。
【0065】
また、導電体板4の下面側の外壁は撥水撥油性材2eで覆うことで液体容器2の内部に蓄える液体が仮に漏れだ出し液体容器2の下面に付着する等の状況が発生しても撥水撥油性材2eで覆われた液体容器2の下面の範囲には液体が付着し難くなり、付着液体を要因とする導電体板4の間に生じる静電容量の発生を抑制することができるために、このような液漏れの状況が発生しても液体容器2の内部に蓄える液体の検知精度を高めることができる。
【0066】
なお、導電体板4の下面側の外壁を撥水撥油性材2eで覆う代わりに図2(e)に示すような導電体板4の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯2gを液体容器2の周囲と絶縁状態で配置して導電体板4の下面側の外壁との間に設けることにより付着液体の比誘電率の影響を遮断し導電体板対4a、4bの間に生じる静電容量変化への影響を小さくすることができるために、さらに液体容器2の内部に蓄える液体の検知精度を高めることもできる。ここで、低比誘電率帯2gは比誘電率の値が真空の値の次に小さい一般的な空気層を活用することが製造コスト面も有利となる。
【0067】
なお、液体容器2の最底部2Lで内部の向きに突出する凸部2bを設けて導電体板4を配置することで任意の所定水位の検知を可能としているが、凸部2bを設けずに液体容器2の底の液体が最後まで溜まる最底部2Lに位置するように導電体板4を配置することで液体容器2の内部に残る液体の完全な有無の検知が可能であることは言うまでもない。
【0068】
なお、本実施の形態の液体容器を石油ストーブなどに応用する場合には、親水性処理に替えて親油性が高いシリコン樹脂で覆うなどの親油性処理を施せば同様の効果が得られる。
【0069】
なお、導電体板4は平板状のものを液体容器2の外郭壁の内部に液体容器2の周囲と絶縁した状態で同時成形により内蔵したものとしているが、液体容器2の下面を導電性塗料で塗布し更に外側を絶縁体で密閉して覆うことで構成しても作用効果に差異が無いことは言うまでもない。
【0070】
なお、導電体板4は液体容器2の外壁の内部に液体容器2の周囲と絶縁した状態で同時成形により内蔵したものとしているが、液体容器2の下面を利用者が触れない、あるいは液漏れ等が生じても下面に液体が付着しない構造であれば液体容器2の下面に平板状の導電性の板材を接着材で貼り付ける、あるいは導電性塗料で塗布する等して剥き出しの状態のままでも作用効果に差異が無いことは言うまでもない。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態2の液体容器は、実施の形態1と同様の機器に適した液体容器でありその効果も同様である。実施の形態1と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0072】
図4は本実施の形態2の液体容器の要部の構造を示す断面図、図4(a)は、同本実施の形態の液体容器の要部の構造を示す側視透過図、図4(b)は、同液体容器の要部の構造を示す断面図、図5は、同液位と静電容量の関係を示す図である。
【0073】
図4に示すように液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sに垂直方向に短尺、例えば液体容器2深さ方向の半分程度の長さの平板状の導電体板8a、8b設けられ、この導電体板8a、8bはそれぞれ導線6で端子5に接続されている。
【0074】
このように構成することにより図5に示すように液体容器2の内部の水位が減少すると導電体板8a、8bの垂直方向の下端部近傍において検知した静電容量Ci1は実施の形態1と同様に水の比誘電率の影響から開放され、液体容器2を構成する樹脂の比誘電率に基づく固有の値で水位に無関係に低位で安定することとなる。
【0075】
従って実機においてはCi2の値を実験的に求めてこのCi2の値以上で任意の値に静電容量の閾値Csを定めることにより任意の検知水位L2を検知して判断することができる。
【0076】
この検知水位L2の値は、閾値Csの値を変えることで調整することができるが、導電体板8a、8bの下端の位置を変えることで任意の位置に設定することもできる。
【0077】
(実施の形態3)
本実施の形態3の液体容器も、実施の形態1および2と同様の機器に適した液体容器でありその効果も同様である。実施の形態1、2と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0078】
図6は本実施の形態の液体容器の構造を示す要部の断面図である。
【0079】
図6に示すように、液体容器2の最底部2Lに平板状の導電体板9aを設けこの導電体板9aに近接した液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sに平板状の導電体板9bを配置することで導電体板の対を形成したものである。
【0080】
本構成の特性は前述の図5とほぼ同様であるために図示による詳細な説明を省略するが液体容器2の最底部2Lに配置した導電体板9aと外郭側面である外郭側壁2Sに配置した導電体板9bの間で挟み込まれる液体容器2の内部の空間は深さ方向の範囲を多く包含することとなるために深さ方向の水位および液体2の有無の検知精度を高めることができる。
【0081】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0082】
本実施の形態4の液体容器は、垂直方向に長く深い液体容器を用いる加湿機などで、水の量を連続的に検知して、使用者にランプ列の点灯表示や液晶素子のバーグラフ表示で報知するのに適した液体容器である。
【0083】
図7は、本実施の形態の液体容器の構造を示す断面図、図8は、液位と静電容量の関係を示す図である。
【0084】
図7に示すように本構成は第4の実施例に対して、液体容器2の最底部2Lに平板状の導電体板10aを配し液体容器2の外郭側面である外郭側壁2Sの垂直方向に長尺、例えば液体容器2の深さと同程度の長さの平板状の導電体板10bを配置して構成したものである。
【0085】
本構成により図8に示すように、静電容量は水位が導電体板10bの下端L3に達したレベルで急激に水位とともに上昇するが上昇率は水位に対しやや鈍化の傾向を示し、水位が導電体板10bの上端のL4で示す液位でさらに鈍化の傾向が著しくなる。
【0086】
よって、実機においてはこの傾向を実験的に求めることにより検知した静電容量を電気的に補正処理すれば、水位をほぼリニアに検知することができるために特に、液体容器2の内容積が深い場合においても比較的に精度良く水位を検知することができるものである。よって、より液体容器2の内容積が深い場合の水位のリニアなバーグラフ表示や残量報知機能への応用性を高めることができる。
【0087】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0088】
本実施の形態5の液体容器は、実施の形態4と同様の機器に適した液体容器であり、容器内の液の温度が変化することに対応して、検知の精度を高めるようにしたものである。
【0089】
図9は本実施の形態5の液体容器の構造を示す断面図、図9(a)は同液体容器の構造を示す側視透過図、図9(b)は同液体容器の構造を示す断面図、図10は同液位と静電容量の関係を示す図、図11は同液位検知装置の電気回路の構成例を示す図である。
【0090】
図9において、液体容器2の外郭側面の垂直方向に長尺平板状の一対の導電体板を配置し第1の導電体板対11a、11bとし、液体容器2の最底部2Lに一対の導電体板を配置することで第2の導電体板対11c、11dを配置して構成する。
【0091】
本構成により図10示すように、静電容量は実線Bで示すように水位が導電体板11bの下端L5に達したレベルで急激に水位とともに上昇するとともに水位に対しほぼ直線的な傾向を示し、水位が導電体板11bの上端のL6で示すのレベルで鈍化の傾向を示す。この傾向に基づいて検知した静電容量を基に水位を連続的にバーグラフ表示することができる。
【0092】
しかしながら季節により水温が異なることにより、あるいは対象の液体である水の質が時節で変動することにより比誘電率の特性が変化し、例えば点線の特性C1が発生する。このため、検知液位に誤差が発生する。
【0093】
そこで、液体容器2の最底部2Lに配置された第2の導電体板対11c、11dを用いて誤差の補正を行う。
【0094】
図11は、高周波電源12で付勢される第1の導電体板対11a、11bおよび第2の導電体板対11c、11dのそれぞれに流れる電流をCPU13で処理する液位検知装置の構成を示している。
【0095】
このように配置した構成した第1の導電体板対11a、11bは、液位に対し静電容量が変化するコンデンサを構成していることとなる。また、第2の導電体板対11c、11dは、ある液位以上は液位に対して導電体対の間の検知対象となる液体2の比誘電率の影響が低下するために検知した静電容量の変化も鈍化することとなり、一定値の変化しないコンデンサを構成することとなる。
【0096】
このどちらのコンデンサも水温や水質の影響に同様に受ける。従って、第2の導電体板対11c、11dが検知する静電容量によって、第1の導電体板対11a、11bが検知する静電容量に基づく検知水位を補正することが可能になる。
【0097】
なお、5a、5b、5cは実施の形態1で説明した端子であり、この場合は端子が3個必要である。
【0098】
(実施の形態6)
実施の形態1乃至5と同一部分は同一番号を附し、詳細な説明は省略する。
【0099】
本実施の形態6の液体容器は、実施の形態1〜5について適用できるもので、実施の形態1で説明した、液体容器2に配置した導電体板を電気機器本体1内の静電容量を検知し液位レベルを判定する回路に接続するための手段に関わるものである。
【0100】
図12は本実施の形態の液体容器の構造を示す断面図である。
【0101】
この図12は、前述の実施の形態2(図4)に適用した場合で説明するための図である。
【0102】
液体容器2に配置した導電体板8a、8bのそれぞれに受信コイル14の両端を接続して液体容器2に内蔵して配置し、液体容器2が電気機器本体1に装着された状態で受信コイル14と対向する位置の電気機器本体1側に送信コイル15を内蔵して配置することで分割型の誘導トランスを構成し、さらにこの送信コイル15に高周波電圧を印可する高周波電源16および高周波電流を検知する検知装置17を電気機器本体1側に配置することでこの受信コイル14と送信コイル15で構成される誘導トランスを介して導電体板8a、8b間に生じる静電容量の変化を検知するようにしたものである。
【0103】
なお受信コイル14はカバー18で覆うことで外部からの接触を防ぎコイル線切れを保護し、また、さらには液体容器2を構成する樹脂材で同時成形して密封することで液体容器2の周囲からの電気的な絶縁性を確保するとともに検知対象となる液体が漏れたときなどの液体の浸入を防止する構成とすることもでき、電気機器本体1側に構成している送信コイル15についても詳細の説明は省くが同様の構成で保護するものである。
【0104】
なお、実施の形態4に適用する場合は、2組の受信コイルと送信コイルを用いることで適用が実現できる。
【0105】
このように構成することにより、液体容器2と電気機器本体1を電気的に接触接続している端子が不要となるために長期使用における端子先端への汚れの付着や酸化を原因とする接触抵抗の増加に基づく計測精度の劣化を防止することが可能となり信頼性が増し、また端子などの突出部がなくなるために、液体容器2の周囲の掃除をしやすくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の液体容器は、着脱自在な液体容器において精度良く液位を検知できるので、家庭電気機器用の用途だけでなく、業務用の機器、あるいは産業用機器の用途などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施の形態1の加湿機の構造の一部を示す図
【図2】同液体容器の最底部の詳細を示す図((a)同液体容器の最底部で図1の点線枠A部の詳細を示す、拡大した断面図、(b)同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図、(c)同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を波形としたときの構成を示す拡大斜視断面図、(d)同導電体板が配置された部分の液体容器の内面および導電体板を複数の凹凸を設けた面形状としたときの構成を示す拡大斜視断面図、(e)同導電体板部の周辺をさらに拡大した断面図)
【図3】同液位と静電容量の関係を示す図
【図4】本発明の実施の形態2の液体容器の構造を示す図((a)同本実施の形態の液体容器の要部の構造を示す側視透過図、(b)同液体容器の要部の構造を示す断面図)
【図5】同液位と静電容量の関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態3の液体容器の構造を示す図
【図7】本発明の実施の形態4の液体容器の構造を示す図
【図8】同液位と静電容量の関係を示す図
【図9】本発明の実施の形態5の液体容器の構造を示す図((a)同液体容器の構造を示す側視透過図、(b)同液体容器の構造を示す断面図)
【図10】同液位と静電容量の関係を示す図
【図11】同液位検知装置の電気回路の構成例を示す図
【図12】本発明の実施の形態6の液体容器の構造を示す図
【図13】従来例の水位センサの構成を示す図
【図14】従来例の静電容量形検知装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0108】
1 電気機器本体
2 液体容器
2a 液体
2b 凸部
2c 勾配
2d 親水性処理
2e 撥水撥油性材
4 導電体板
4a、4b 導電体板対
8a、8b 導電体板
9a、9b 導電体板
10b 導電体板
11c、11d 第2の導電体板対
14 受信コイル
15 送信コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器本体から分離自在とした液体容器に収納した液体の有無や液位を静電容量の変化を静電容量検知回路で測定することで検知する方式の電気機器用の液体容器であって、前記液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、前記導電体板を前記電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に接触接続するための接続手段とを備えた電気機器の液体容器。
【請求項2】
一対の導電体板は液体容器の最底部に設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項3】
一対の導電体板は液体容器の最底部に液体容器内に突出するように形成した凸部に設けた請求項2の電気機器の液体容器。
【請求項4】
前記の凸部に屋根型の勾配を設けた請求項3の電気機器の液体容器。
【請求項5】
導電体板を配置した部分の液体容器の内面および導電体板を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状とした請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項6】
液体容器の外郭側面に垂直方向に短尺の導電体板対を設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項7】
一方の導電体板は液体容器の最底部に設け、他方の導電体板を液体容器の外郭側面に設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項8】
液体容器の外郭側面に設けた導電体板は、垂直方向に長尺状である請求項7の電気機器の液体容器。
【請求項9】
液体容器の外郭側面の垂直方向に長尺の第1の導電体板対を設けこれと対向して液体容器の最底面に第2の導電体板対を設けた請求項1の家庭電気機器の液体容器。
【請求項10】
導電体板に対向した液体容器の内面に親水性処理もしくは親油性処理を施した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項11】
導電体板間を覆うように液体容器の下面側の外壁面に撥水発油性処理を施した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項12】
液体容器の導電体板を配置した位置の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯を液体容器の周囲と絶縁状態で配した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項13】
導電体板に接続した受信コイルを液体容器に備え、これと対向する電気機器本体の位置に送信コイルに高周波電圧を印加して前記導電体板間の静電容量を検知するようにした請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項1】
電気機器本体から分離自在とした液体容器に収納した液体の有無や液位を静電容量の変化を静電容量検知回路で測定することで検知する方式の電気機器用の液体容器であって、前記液体容器に絶縁した状態で少なくとも一対の板状の導電体板を備え、前記導電体板を前記電気機器本体内に収納した静電容量検知回路に電気的に接触接続するための接続手段とを備えた電気機器の液体容器。
【請求項2】
一対の導電体板は液体容器の最底部に設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項3】
一対の導電体板は液体容器の最底部に液体容器内に突出するように形成した凸部に設けた請求項2の電気機器の液体容器。
【請求項4】
前記の凸部に屋根型の勾配を設けた請求項3の電気機器の液体容器。
【請求項5】
導電体板を配置した部分の液体容器の内面および導電体板を波形あるいは複数の凹凸を設けた面形状とした請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項6】
液体容器の外郭側面に垂直方向に短尺の導電体板対を設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項7】
一方の導電体板は液体容器の最底部に設け、他方の導電体板を液体容器の外郭側面に設けた請求項1の電気機器の液体容器。
【請求項8】
液体容器の外郭側面に設けた導電体板は、垂直方向に長尺状である請求項7の電気機器の液体容器。
【請求項9】
液体容器の外郭側面の垂直方向に長尺の第1の導電体板対を設けこれと対向して液体容器の最底面に第2の導電体板対を設けた請求項1の家庭電気機器の液体容器。
【請求項10】
導電体板に対向した液体容器の内面に親水性処理もしくは親油性処理を施した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項11】
導電体板間を覆うように液体容器の下面側の外壁面に撥水発油性処理を施した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項12】
液体容器の導電体板を配置した位置の下面側の全範囲を包含する比誘電率の値が真空の値に近い低比誘電率帯を液体容器の周囲と絶縁状態で配した請求項1〜9のいずれかに記載の電気機器の液体容器。
【請求項13】
導電体板に接続した受信コイルを液体容器に備え、これと対向する電気機器本体の位置に送信コイルに高周波電圧を印加して前記導電体板間の静電容量を検知するようにした請求項1の電気機器の液体容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−175544(P2008−175544A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6708(P2007−6708)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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