説明

電気機器の部分放電判定装置及び方法

【課題】容器内の部分放電以外の要因やノイズを除去し、電気機器の容器内の部分放電発生の標定を精度良く行うことである。
【解決手段】電気機器の本体部14を収納した容器13内の音響信号を超音波センサ15で検出し、電気機器の本体部14を収納した容器13に流れる電流パルスを電流検出器16で検出し、データ収集部19は、電流検出器16が電流パルスを検出したとき超音波センサ15からの音響信号を収集開始し記録部20に記録する。また、タイマ手段21は電流検出器16が電流パルスを検出してから限時動作し、電流パルスを検出してから所定時間経過後に復帰する。判定手段22は、そのタイマ手段21の動作時間中に収集した超音波センサ15からの音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収納された電気機器の部分放電を検出して判定する電気機器の部分放電判定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気機器である変圧器は、容器内に鉄心及び巻線からなる変圧器本体を収納し絶縁油または絶縁ガスを封入して形成されている。このような変圧器において容器内部で部分放電が発生すると、それに伴い電流パルスと音響信号とが発生することから、電流パルスと音響信号とを検出して容器内部で発生した部分放電を検出するようにしている。例えば、容器を流れる電流を検出する電流検出器及び複数の超音波センサを容器の外面に設置して、電流パルスをトリガとして、超音波センサで検出した音響信号の放電発生からの時間差により放電発生位置を標定するようにしている。
【0003】
超音波センサを静止機器タンク本体の外面の特定位置に配置して放電発生位置の標定を簡単に行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、超音波センサ2個を1組として3組備え、静止機器のタンク本体外面の対面で対称の位置になるよう配置し、超音波センサから放電発生位置までの検出時間差と絶縁媒体内の音速度より求めた1組の超音波センサの距離データから放電発生位置の座標軸上の座標を計算し、その計算を3組の超音波センサに対して実行することにより、静止機器内で発生した放電位置を標定するものである。
【0004】
また、電気式センサでの放電検出をトリガとして、振動センサでの検出波形を平均化処理して振動センサノイズを低減し、振動センサ波形の立ち上がり点より部分放電位置標定を実施するが、単に電気式センサ検出をトリガとするのではなく、電気式センサでの前回検出と今回検出の時間差が一定値以上であった場合に、振動センサ波形の取り込みを行い、ガス絶縁機器内部で発生する部分放電発生位置の標定を精度良く行うようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−54862号公報
【特許文献2】特開2003−28910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、容器内の部分放電以外の要因で電流検出器が電流パルスを検出することがあり、同様に容器内の部分放電以外の要因で超音波センサが音響信号を検出することがある。例えば、変圧器の周辺の開閉器の開閉動作やタップ切換変圧器のタップ切換器の切換動作、あるいは雷やノイズなどの影響で、容器内の部分放電以外の要因で電流検出器が電流パルスを検出したり、超音波センサが音響信号を検出したりすることがある。そのような場合には、部分放電の判定が難しくなる。
【0006】
特許文献1のものでは、部分放電位置の標定は精度よく行えるが、電流検出器や超音波センサがノイズによる信号を検出した場合であっても部分放電位置の標定をすることになる。また、特許文献2のものでは、単に電気式センサ検出をトリガとするのではなく、電気式センサでの前回検出と今回検出の時間差が一定値以上であった場合に、振動センサ波形の取り込みを行い、連続して発生した部分放電であっても精度よく検出できるものであるが、電流検出器や超音波センサがノイズによる信号を検出した場合についての対策が施されていないので、ノイズによる信号の場合であっても部分放電であると判定してしまうおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、容器内の部分放電以外の要因やノイズを除去し、電気機器の容器内の部分放電発生の標定を精度良く行うことができる電気機器の部分放電判定装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係わる電気機器の部分放電判定装置は、電気機器の本体部を収納した容器の外面に設置された超音波センサと、電気機器の本体部を収納した容器に流れる電流パルスを検出する電流検出器と、前記電流検出器が電流パルスを検出したとき前記超音波センサからの音響信号を収集開始し記録部に記録するデータ収集部と、前記電流検出器が電流パルスを検出してから限時動作し電流パルスを検出してから所定時間経過後に復帰するタイマ手段と、前記タイマ手段の動作時間中に収集した前記超音波センサからの音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係わる電気機器の部分放電判定装置は、請求項1の発明において、外部ノイズ発生源の機器動作検出装置を設け、前記判定手段は電気機器の部分放電部位の判定結果に前記機器動作検出装置の動作情報を付与することを特徴とする。
請求項3の発明に係わる電気機器の部分放電判定装置は、請求項1または2の発明において、前記タイマ手段の限時動作の時限は、前記超音波センサから前記電気機器の最短距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間、前記タイマ手段の限時復帰の時限は、前記超音波センサから前記電気機器の最長距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電流パルスを検出したときに超音波センサからの音響信号を収集開始するとともに、タイマ手段で定めた動作時間中に収集した超音波センサからの音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定するので、明らかなノイズの影響を除去して電気機器の部分放電を標定できる。また、外部ノイズ発生源の機器動作検出装置が動作したときは、電気機器の部分放電部位の判定結果に機器動作検出装置の動作情報を付与するので、容器内の部分放電以外の要因による部分放電判定との誤判定を抑制できる。また、タイマ手段で定めた動作時間は、電流パルスをトリガとして超音波センサが部分放電による音響信号を検出可能な範囲の時間に設定されるので、部分放電の判定を行う音響信号には、部分放電による音響信号を確実に含んだものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の実施の形態に係わる電気機器の部分放電判定装置の構成図である。図1では電気機器として変圧器11に部分放電判定装置12を適用した場合を示している。
【0012】
変圧器11の容器13には、変圧器の本体部14である鉄心及び巻線が絶縁油または絶縁ガスを封入して収納されている。この容器の外面には、容器13内で発生した部分放電の音響信号を検出する複数個の超音波センサ15が設置され、また、容器13内で発生した部分放電の電流パルスを検出する電流検出器16が設置されている。
【0013】
また、変圧器11の周辺の機器が動作したことを検出する機器動作検出装置17が設けられている。例えば、変圧器11がタップ切換変圧器である場合にはタップ切換器の動作信号を検出する機器動作検出器17が設けられ、変圧器11の近傍の開閉器の開閉動作を検出する機器動作検出器17が設けられる。
【0014】
超音波センサ15、電流検出器16及び機器動作検出器17の検出信号は、部分放電判定装置12の入力部18を介してデータ収集部19に入力される。データ収集部19は、電流検出器16が電流パルスを検出したとき超音波センサ15からの音響信号を収集開始し記録部20に記録する。容器13内で部分放電が発生したとすると、部分放電による電流パルスが超音波センサ15で検出される音響信号より先に検出されるので、電流検出器16が電流パルスを検出してから超音波センサ15からの音響信号を収集開始するようにしている。これは、電流パルスは光速とほぼ同じ早さで容器13の外面に伝導しアースに流れるが、音響信号は容器13内に充填された絶縁油(絶縁ガス)を伝搬して容器13の外面に伝わるので、音響信号の検出には時間遅れが発生するためである。
【0015】
次に、タイマ手段21は電流検出器16が電流パルスを検出してから限時動作し、電流パルスを検出してから所定時間経過後に復帰するものであり、タイマ手段21の計時情報(動作中情報)は判定手段22に入力される。そして、判定手段22は、タイマ手段21の動作時間中に収集した超音波センサ15からの音響信号を記録部21から入力し、その音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定する。これは、超音波センサ15が検出する音響信号には、ノイズによる音響信号も含まれているので、部分放電以外の要因で超音波センサ15が検出した音響信号を除外するためである。
【0016】
判定手段22で判定された電気機器の部分放電部位は、記録部20に記録されるとともに、必要に応じて出力部23を介して表示装置24に表示出力されプリンタ25にプリント出力される。この場合、判定結果である電気機器の部分放電部位だけでなく、記録部20に記録された音響信号データも併せて出力される。機器動作検出装置17の動作情報が記録されている場合にはその動作情報も併せて出力される。また、必要に応じて、あるいは上位システム26からの要求に応じて、通信装置27を介して記録部20に記録されたデータを上位システム26に送信する。
【0017】
図2は変圧器11の容器13内に収納された本体部14の断面図である。図2では4個の超音波センサ15a〜15dが容器13の外面に設置された場合を示している。容器13内には絶縁油(絶縁ガス)28が充填され、鉄心29にコイル30が巻き付けられた本体部14が収納されている。部分放電は本体部14のいずれかの部位で発生することになる。本体部14のいずれかの部位で発生した部分放電は、放電部位から本体部14、絶縁油(絶縁ガス)28、容器13を経由し、超音波センサ15a〜15dに伝搬する。
【0018】
いま、本体部14の部位A1で部分放電が発生したとする。この場合、電流パルスは容器13に設けられたアース線を通り放電され電流検出器16で検出される。一方、音響信号は、絶縁油(絶縁ガス)28、本体部14及び容器13を伝搬し、各々の超音波センサ15a〜15dに伝搬する。従って、部分放電部位A1から超音波センサ15a〜15dまでの距離が最も近い超音波センサ15aが最初に音響信号を検出することになる。以下、同様に、部分放電部位A1に近い順の超音波センサ15b、15d、15cの順番に音響信号を検出することになる。
【0019】
各々の超音波センサ15a〜15dは、部分放電部位A1の位置により、検出する音響信号の順序は異なることになるが、最初に音響信号を検出する超音波センサ15は部分放電位置A1が最も近い超音波センサであり、最後に音響信号を検出する超音波センサ15は部分放電位置A1から最も遠い超音波センサである。このことから、各々の超音波センサ15a〜15dの設置位置と、想定される部分放電位置A1との関係から、電流パルスが発生してから最初の音響信号が検出されるまでの時間及び最後の音響信号が検出されるまでの時間は、予め設定することができる。
【0020】
そこで、タイマ手段21の限時動作の時限は、超音波センサ15a〜15dから本体部14の最短距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間とし、タイマ手段21の限時復帰の時限は、超音波センサ15a〜15dから本体部14の最長距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間とする。
【0021】
なお、音響信号の伝搬速度は伝搬媒質によって異なり、一般に絶縁油より金属の方が伝搬速度が速いので、部分放電部位A1から超音波センサ15a〜15dまでの距離は、部分放電部位A1から超音波センサ15a〜15dが取り付けられた容器13の内面までの最短距離に近似することができる。
【0022】
図3は各々の超音波センサ15a〜15dで検出された音響信号S1〜S4の一例を示す波形図である。この一例では、各々の超音波センサ15a〜15dのいずれかから本体部14の最短距離の部位で部分放電が発生した場合を示している。いま時点t1で電流パルスが検出されたとする。そうすると、タイマ手段21は限時動作の時限をカウント開始し時点t2で限時動作する。時点t1〜t2の時限T1は、各々の超音波センサ15a〜15dのいずれかから本体部14の最短距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間T2に余裕値ΔT2を見込んだ時間である。従って、時限T1の間においては、部分放電による音響信号は発生しない時間領域である。
【0023】
そして、時点t3において、部分放電部位に最も近い超音波センサ15が音響信号S1を検出し、以下、同様に、部分放電部位A1に近い順の超音波センサ15の順番に時点t4で音響信号S2、時点t5で音響信号S3、時点t6で音響信号S4を検出することになる。この場合、タイマ手段21は時点t1から所定の時限T4後に動作復帰する。つまり、タイマ手段21は、超音波センサ15a〜15dから本体部14の最長距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間T3に余裕値ΔT3を見込んだ時間T4後に復帰することになる。従って、時限T4の経過後においては、部分放電による音響信号は発生しない時間領域である。
【0024】
このように、タイマ手段21の動作時間(t2〜t7:T0)は、部分放電による音響信号が発生する時間領域を定めるものであり、タイマ手段21の動作時間T0の領域内で発生した音響信号は、部分放電による音響信号と判断することができ、タイマ手段21の動作時間T0以外の領域で発生した音響信号は部分放電による音響信号ではないと判断できる。
【0025】
図4は各々の超音波センサ15a〜15dで検出された音響信号S1〜S4の他の一例を示す波形図であり、図4(a)は電流パルスを検出したがタイマ手段21の動作時間T0以前に超音波センサが音響信号を検出した場合の一例の波形図、図4(b)は電流パルスを検出したがタイマ手段21の動作時間T0経過に超音波センサが音響信号を検出した場合の一例の波形図である。図4(a)、図4(b)の場合は、いずれもタイマ手段21の動作時間T0以外の領域で発生した音響信号であるので、部分放電発生の電流パルスによる音響信号ではないと判断される。従って、この場合の音響信号は外部ノイズによる音響信号であると判断される。
【0026】
図5は、部分放電判定装置12の処理動作を示すフローチャートである。まず、電流検出器16で電流パルスを検出したか否かを判定し(S1)、電流パルスが検出されたときは、タイマ手段21を起動するとともに超音波センサ15a〜15dで検出される音響信号を記録開始する(S2)。そして、電流パルスを入力してからタイマ手段21で定まる所定時限T1を経過し、タイマ手段21は限時動作したか否かを判定し(S3)、限時動作したときは、所定時限T1内に音響信号はあるか否かを判定し(S4)、音響信号があるときは、その音響信号は外部ノイズと判定する。
【0027】
次に、電流パルスを入力してからタイマ手段21で定まる所定時限T4を経過し、タイマ手段21は動作復帰したか否かを判定し(S6)、所定時限T4を経過し動作復帰したときは、タイマ手段21の動作時間T0中の時間領域に音響信号はあるかどうかを判定し(S7)、音響信号があるときは、タイマ手段21の動作時間T0中の音響信号に基づいて部分放電部位を判定する(S8)。
【0028】
一方、ステップS7の判定で、タイマ手段21の動作時間T0中に音響信号がない場合には、外部ノイズであると判定する(S9)。
【0029】
このように、タイマ手段21の動作時間T0の時間領域内で発生した音響信号に対して、その音響信号に基づいて部分放電部位を判定するので、外部ノイズによる音響信号についてまで部分放電部位の判定をすることがないので、部分放電位置の判定の精度が向上する。部分放電部位の判定は、電流検出器16で検出した部分放電によるアースに流れる電流パルスと、超音波センサ15で検出した音響信号とを入力し、その時間差から部分放電現象の有無を判定する。例えば、特許文献1に示されるように、複数の超音波センサ15からの音響信号の遅れ時間から判定することになる。通常、超音波センサ15が1個である場合には部分放電が発生したことが分かる。超音波センサ15が2個である場合には部分放電が発生したことに加え、部分放電部位の大まかなエリアが分かる。超音波センサ15が3個である場合には、部分放電エリアを絞り込んだ部分放電部位が分かる。
【0030】
ここで、タイマ手段21の動作時間T0内の音響信号であっても外部ノイズによる場合がある。例えば、変圧器の周辺の開閉器の開閉動作やタップ切換変圧器のタップ切換器の切換動作、あるいは雷やノイズなどの影響で、超音波センサ15a〜15dが音響信号を検出することがある。そこで、タイマ手段21の動作時間T0内の音響信号による部分放電の判定部位の判定結果に対して、機器動作検出装置17の動作情報がある場合には、その動作情報を部分放電部位の判定結果に付与して記録する。これにより、部分放電部位の判定結果をより精度よく解析できることになる。
【0031】
本発明の実施の形態によれば、部分放電によるアースに流れる電流パルスを検出する電流検出器16及び部分放電による音響信号を検出する超音波センサ15を設け、電流パルスを検出したときに超音波センサ15からの音響信号を収集開始するとともに、タイマ手段21で定めた動作時間T0中に収集した音響信号に基づいて変圧器の本体部14の部分放電部位を判定するので、明らかなノイズの影響による音響信号を除去して、部分放電による音響信号に基づいて電気機器の部分放電を標定できる。
【0032】
また、タイマ手段21で定めた動作時間T0中に収集した音響信号が、外部ノイズ発生源の機器動作検出装置17が動作したときの音響信号であるときは、その音響信号に基づいて判定した部分放電部位の判定結果に対して、機器動作検出装置17の動作情報を付与するので、容器13内の部分放電以外の要因による部分放電判定との誤判定を抑制できる。
【0033】
また、タイマ手段22で定めた動作時間T0は、電流パルスをトリガとして超音波センサ15が部分放電による音響信号を検出可能な範囲の時間に設定されるので、部分放電の判定を行う音響信号には、部分放電による音響信号を確実に含んだものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係わる電気機器の部分放電判定装置の構成図。
【図2】本発明の実施の形態における電気機器である変圧器の容器内に収納された本体部の断面図。
【図3】本発明の実施の形態における各々の超音波センサで検出された音響信号の一例を示す波形図。
【図4】本発明の実施の形態における各々の超音波センサで検出された音響信号の他の一例を示す波形図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる電気機器の部分放電判定装置の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0035】
11…変圧器、12…部分放電判定装置、13…容器、14…本体部、15…超音波センサ、16…電流検出器、17…機器動作検出装置、18…入力部、19…データ収集部、20…記録部、21…タイマ手段、22…判定手段、23…出力部、24…表示装置、25…プリンタ、26…上位システム、27…通信装置、28…絶縁油(絶縁ガス)、29…鉄心、30…コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の本体部を収納した容器の外面に設置された超音波センサと、
電気機器の本体部を収納した容器に流れる電流パルスを検出する電流検出器と、
前記電流検出器が電流パルスを検出したとき前記超音波センサからの音響信号を収集開始し記録部に記録するデータ収集部と、
前記電流検出器が電流パルスを検出してから限時動作し電流パルスを検出してから所定時間経過後に復帰するタイマ手段と、
前記タイマ手段の動作時間中に収集した前記超音波センサからの音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする電気機器の部分放電判定装置。
【請求項2】
外部ノイズ発生源の機器動作検出装置を設け、前記判定手段は電気機器の部分放電部位の判定結果に前記機器動作検出装置の動作情報を付与することを特徴とする請求項1記載の電気機器の部分放電判定装置。
【請求項3】
前記タイマ手段の限時動作の時限は、前記超音波センサから前記電気機器の最短距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間、前記タイマ手段の限時復帰の時限は、前記超音波センサから前記電気機器の最長距離の部位までの距離に対して音響信号が伝搬する時間に余裕値を見込んだ時間であることを特徴とする請求項1または2記載の電気機器の部分放電判定装置。
【請求項4】
電気機器の本体部を収納した容器に流れる電流パルスを検出したとき前記容器の外面に設置された超音波センサからの音響信号を収集開始して記録し、
一方、電流パルスを検出してからタイマ手段を限時動作させ電流パルスを検出してから所定時間経過後にタイマ手段を復帰させ、
前記タイマ手段の動作時間中に収集した前記超音波センサからの音響信号に基づいて電気機器の部分放電部位を判定することを特徴とする電気機器の部分放電判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−232973(P2008−232973A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76076(P2007−76076)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】