説明

電気機器及び衛生洗浄装置

【課題】直流電源部と本体部とを別体としつつ、本体部に設けられた安全装置により交流と直流の電圧の供給を確実に遮断可能な電気機器及び衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、を有する本体部と、交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、前記第1の安全装置を介して前記直流電源部に前記交流電圧を供給する交流電源線と、を備えたことを特徴とする電気機器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器及び衛生洗浄装置に関し、より具体的には、交流電圧と直流電圧とを併用する電気機器及び衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒータやモータなどを搭載した電気機器は、その内部で交流電圧と直流電圧を併用する場合が多い。このような電気機器として、例えば、衛生洗浄装置を挙げることができる。衛生洗浄装置は、洗浄水を噴射する吐水ノズルを進退自在に収容し、腰掛便器の上に設置して使用者の「おしり」などを温水で洗浄することができる電気機器である。そして、温水などを生成するために交流電圧を利用し、ステッピングモータや制御用のCPU(central processing unit)などの電源としては、直流電圧が必要とされる。
【0003】
このような衛生洗浄装置において、交流電圧から直流電圧を発生させる直流電源部を本体部の外に別体として設けることにより、本体部の小型化を図ることができる(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−75655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、直流電源部と本体部とを別体としつつ、本体部に設けられた安全装置により交流と直流の電圧の供給を確実に遮断可能な電気機器及び衛生洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、を有する本体部と、交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、前記第1の安全装置を介して前記直流電源部に前記交流電圧を供給する交流電源線と、を備えたことを特徴とする電気機器が提供される。
【0006】
また、本発明の他の一態様によれば、交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、を有し、吐水ノズルから水を噴射する本体部と、交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、前記第1の安全装置を介して前記直流電源部に前記交流電圧を供給する交流電源線と、を備え、前記本体部は、前記吐水ノズルから噴射する水を加熱する熱交換ユニットをさらに有し、前記安全装置は、前記熱交換ユニットに設けられた温度ヒューズであることを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。
【0007】
また、本発明の他の一態様によれば、交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、電流路の開閉が可能な第2の安全装置と、を有し、吐水ノズルから水を噴射する本体部と、交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、を備え、前記本体部は、前記吐水ノズルから噴射する水を加熱する熱交換ユニットをさらに有し、前記第1及び第2の安全装置は、前記熱交換ユニットに設けられた温度ヒューズであり、前記交流負荷部から出力された前記交流電圧は、第1の温度ヒューズを介して前記交流負荷部に供給され、前記直流電源部から出力された前記直流電圧は、前記第2の温度ヒューズを介して前記直流負荷部に供給されることを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、直流電源部と本体部とを別体としつつ、本体部に設けられた安全装置により交流と直流の電圧の供給を確実に遮断可能な電気機器及び衛生洗浄装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電気機器の模式斜視図である。
本具体例の電気機器は、洋式腰掛便器950の上に設置された衛生洗浄装置10である。なおここで、洋式腰掛便器950は、いわゆる「ロータンク式」のものでもよく、または水道などの給水源に直結されて洗浄水を流す「直圧式」のものでもよい。便器950の上に設置された衛生洗浄装置10は、本体部12と、この本体部12に対して開閉自在に軸支された便座14及び便蓋16と、を備える。ただし便蓋16は、設けなくてもよい。本体部12からは、使用者のスイッチ操作などに応じて吐水ノズル410が便器950のボウル内に伸出し、その先端付近に設けられた吐水口から水を噴射して、使用者の「おしり」などを洗浄可能とされている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0010】
本体部12には、電源コード32が配設され、本体部12とは別体として設けられた電源部20を介してプラグ70が接続されている。プラグ70は、トイレ室の100ボルトコンセント(交流電源)900に接続可能とされている。なお、本体部12には、給水配管830も配設され、接続金具820を介してトイレの給水栓800に接続可能とされている。給水栓800には分岐水路810も適宜接続され、図示しないロータンクあるいは直圧式の給水バルブ機構にも給水可能とされている。
【0011】
図2は、本具体例の衛生洗浄装置10の構成を例示するブロック図である。
プラグ70には、漏電遮断機構として漏電遮断器(earth leakage breaker:ELB)60が内蔵されている。なお、プラグ70には、さらに過電圧保護回路などを内蔵してもよい。コンセント900から供給された交流100ボルトは、漏電遮断器60を介して、一対の交流電源線32AA、32ABにより電源部20に供給される。また、これら交流電源線32AA、32ABと平行してアース線32Bも配設されている。
【0012】
電源部20は、給電部22と、直流電源部24と、を有する。給電部22は、一対の交流電源線32AA、32AB及びアース線32Bを介してプラグ70から供給された交流100ボルトをそのまま本体部12に出力するとともに、交流電源線の一方32AAを分岐させ、直流電源部24に出力する。また一方、交流電源線の他方32ABは、本体部12から電源部20にリターンされ、直流電源部24に接続されている。
【0013】
直流電源部24は、給電部22から分岐された交流電源線32AAと本体部12からリターンした交流電源線32ABとにより供給される交流100ボルトを直流電圧に変換し、本体部12に出力する。例えば、交流100ボルトを、直流141ボルト、直流30ボルト、直流24ボルトにそれぞれ変換し、本体部12に出力する。図2に表した具体例の場合、直流141ボルトは直流電源線32D、直流30ボルトは直流電源線32E、直流24ボルトは直流電源線32Fを介して本体部12に出力される。直流141ボルトと直流30ボルトについては、グラウンド線32Gが配設され、直流24ボルトについてはグラウンド線32Hが配設されている。
【0014】
本体部12は、交流負荷部30と直流負荷部40とを有する。
交流負荷部30は、交流100ボルトを入力してヒータなどを制御する。例えば、交流負荷部30は、温水を生成するための熱交換ユニット200に設けられたヒータ52に電力を供給する。また、この他にも例えば、便座14を暖めるためのヒータや、便座14に座った使用者の「おしり」などを乾燥させるための温風を生成するためのヒータや、トイレを暖房するための室内暖房ユニットにおいて温風を生成するためのヒータや、給水配管830を介して本体部12に供給された水の流路を開閉する電磁弁などを駆動するための電力が交流負荷部30から適宜供給される。
【0015】
一方、直流負荷部40は、電源部20から供給された直流電圧により動作する各種の機器を有する。例えば、直流141ボルトと直流30ボルトを用いて、電磁ポンプとその駆動回路42を動作させ、ノズル410から噴出する水に脈動を付与することができる。また、直流24ボルトを用いてステッピングモータ480を動作させ、ノズル410を進退させることができる。またさらに、直流24ボルトを用いてレギュレータ45により直流5ボルトを生成し、この直流5ボルトにより制御部(CPU)500を動作させて各部の制御を行うことができる。なお、制御部500と直流負荷部30との間には、信号線505が適宜配設され、制御部500から制御信号が供給される。
なお、アース線32Bは、本体部12のシャーシなどに適宜接続されている。
【0016】
本具体例においては、電源部20から供給される交流電源線のうちの交流電源線32ABが、熱交換ユニット200の温度ヒューズ(安全装置)54を介して交流負荷部30に接続されている。そして、温度ヒューズ54を介した交流電源線32ABが分岐して電源部20にリターンされている。
【0017】
このようにすると、仮に熱交換ユニット200において過熱状態が発生した場合など、温度ヒューズ54が溶断し、交流負荷部30への交流100ボルトの供給が遮断されるとともに、電源部20に設けられた直流電源部24への交流100ボルトも遮断することができる。従って、本体部12において、交流100ボルトと同時に直流電圧も確実に遮断することができる。
【0018】
図3及び図4は、比較例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。
すなわち、図3に表した比較例においては、本体部12と別体の電源部は設けられていない。この場合には、プラグ70から交流電源線32AA、32AB及び温度ヒューズ54を介して本体部12に交流100ボルトが直接供給される。この交流100ボルトは、交流負荷部30に入力され、その後、直流負荷部40に供給される。直流負荷部40には、直流電源部24が設けられ、交流100ボルトを直流141ボルト、直流30ボルト、直流24ボルトにそれぞれ変換する。これら直流は、電磁ポンプとその駆動回路42、ステッピングモータ480、レギュレータ45などに適宜供給される。そして、各部の動作は、制御部500により制御される。
【0019】
本比較例においても、熱交換ユニット200の温度ヒューズ54が溶断すると、交流負荷部30及び直流負荷部40への交流100ボルトの供給は同時に遮断される。しかし、直流電源部24を本体部12に内蔵させるため、本体部12の小型化、薄型化、軽量化を阻害するという問題があった。さらにまた、電源として用いる交流は、国により異なり、欧州では240ボルトなどの場合もある。これに対して、本変型例の場合には、使用する交流電源に応じて本体部に内蔵させる電源回路などを作り替える必要があり、互換性、生産性などの点で改善の余地がある。
【0020】
次に、図4に表した比較例の場合、本体部12とは別体として電源部20を設け、直流電源部24を内蔵させている。従って、本体部12の小型化などの点で有利となる。しかし、本比較例においては、本体部12の温度ヒューズ54を経由した交流電源線32ABが電源部20にリターンされていない。従って、温度ヒューズ54が溶断した場合、本体部12への交流100ボルトの供給は遮断されるが、直流電源部24への交流100ボルトの供給は遮断されず、直流電圧は本体部12に供給され続ける点で改善の余地がある。
【0021】
これに対して、図2に表した具体例の場合には、温度ヒューズ54を経由した交流電源線32ABを電源部20にリターンすることにより、直流電源部24も確実に遮断することができる。つまり、図3に関して前述した比較例と同様に、本体部12において、交流100ボルトと同時に直流電圧も確実に遮断することができ、十分に安全な衛生洗浄装置を提供できる。
【0022】
そして、本具体例によれば、本体部12とは別体の電源部20を設け、直流電源部24を内蔵させることにより、本体部12の小型化、薄型化、軽量化を大幅に促進することができる。またさらに、電源として用いる交流電圧が異なる場合にも、電源部20のみを交換すればよい。例えば、給電部22に交流電圧変換機能を付与すれば、使用する電源電圧に応じて電圧変換を実施することにより交流100ボルトが常に得られ、直流電源部24と本体部12の構成は同一のままで用いることができる。つまり、互換性、生産性の点で優れた衛生洗浄装置を提供できる。
【0023】
なお、図2に関して前述した具体例においては、安全装置として熱交換ユニット200の温度ヒューズ54を用いているが、本発明はこれには限定されない。これ以外にも、例えば、本体部12に、傾斜を検知する傾斜スイッチを設け、交流電源線32ABをこの傾斜スイッチを介して電源部20にリターンさせてもよい。このようにすれば、本体部12が傾斜している場合には、傾斜スイッチにより交流と直流とを同時に遮断できる。その他、温度スイッチや圧力スイッチをはじめとする各種のスイッチ類などを安全装置として用いることができる。
【0024】
図5は、本発明の第2の具体例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。同図については、図1〜図4に関して前述したものと同様に要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
本具体例においては、電源部20に漏電遮断器60が内蔵されている。漏電遮断器60は、図1及び図2に例示した如くプラグ70に内蔵してもよいが、電源部20に内蔵されることにより、プラグ70を小型化できる。なお、漏電遮断器60は、電源部20に内蔵する給電部22や直流電源部24などと同一の回路基板上に形成することも可能であり、このようにすると、コンパクトにまとめることができる。
【0026】
図6は、本発明の第3の具体例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。同図についても、図1〜図5に関して前述したものと同様に要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
本具体例においては、熱交換ユニット200に温度ヒューズ54とともに温度ヒューズ56、58が設けられている。そして、本体部12の温度ヒューズ54を経由した交流電源線32ABが電源部20にリターンされていない。すなわち、給電部22から交流電源線32AA、32ABが直流電源部24に接続され、直流電圧が出力される。そして、温度ヒューズ56は直流電源線32Dに介在し、直流電源部24から出力される直流141ボルトを遮断する。温度ヒューズ58は直流電源線32Fに介在し、直流電源部24から出力される直流24ボルトを遮断する。温度ヒューズ54、56、58は、同じ熱交換ユニット200内の近傍位置に設けられ、仮に熱交換ユニット200において過熱状態が発生した場合など、温度ヒューズ54、56、58は略同時に溶断するように構成される。
【0028】
このように交流100ボルトだけでなく、直流電圧の供給ラインにも温度ヒューズを設けて、それぞれの電圧ラインを直接遮断するようにしてもよい。なお、本具体例において、熱交換ユニット200にさらに温度ヒューズを設け、直流電源線32Eに接続して直流30ボルトも遮断できるようにしてもよい。
【0029】
図7は、本実施形態の衛生洗浄装置が備える機能部を説明するためのブロック図である。
【0030】
すなわち、衛生洗浄装置10の水路系には、給水路を開閉する電磁弁120と、水圧を調整する調圧弁130と、供給された水を加熱する熱交換ユニット200と、ノズルに供給する水量を調整する流量調整弁ユニット300と、便器のボウル内に伸出し水を噴射するノズルユニット400と、が設けられている。ノズルユニット400には、吐水ノズル410と、これを伸出・後退させるノズルモータ480と、吐水ノズル410の外周に水を噴射してその胴体を洗浄するノズル洗浄室490と、が設けられている。これら各要素の動作は、制御部500により制御される。
【0031】
また、制御部500には、便座14に使用者が座っていることを検知する着座センサ600からの信号や、リモコン700によるスイッチ操作の情報などが入力される。またさらに、衛生洗浄装置10には、便座ヒータ520、温風乾燥ユニット540、室内暖房ユニット560などが適宜設けられる。便座ヒータ520は、便座14を暖める役割を有する。温風乾燥ユニット540は、便座14に座った使用者の「おしり」などに温風をあてて乾燥を促す役割を有する。室内暖房ユニット560は、トイレ空間に温風を放出することによりトイレを暖房する役割を有する。これら各ユニットの動作は、制御部500により適宜制御される。
【0032】
そして、これら各要素のうちで、熱交換ユニット200のヒータ以外に、例えば、電磁弁120、便座ヒータ520、温風乾燥ユニット540のヒータ、室内暖房ユニット560のヒータに対して、交流100ボルトが適宜供給される。一方、制御部500、流量調整弁ユニット300、ノズルモータ480、着座センサ600などの各要素には、直流141ボルト、30ボルト、24ボルト、5ボルトなどの各レベルの直流電圧が適宜供給される。
【0033】
次に、本実施形態において、温度ヒューズを設けた熱交換ユニット200の具体例について説明する。
図8は、いわゆる貯湯式の熱交換ユニットを表す模式斜視組立図である。
また、図9は、その断面図である。
この熱交換ユニット200は、上タンク201と下タンク202とを組み合わせた貯湯タンクを有する。上タンク201の上面には、フロートスイッチ203、バキュームブレーカー206、サーミスタ207、バイメタル式温度過上昇防止器208、入水口209などが適宜設けられる。一方、下タンク202には、温水ヒータ212、水抜き弁213などが適宜設けられる。そして、温度ヒューズ211は、下タンク202の下面に取り付けられている。このように温度ヒューズ211を取り付けることにより、貯湯タンクが万が一過熱状態になった場合でも確実に電源を遮断できる。
【0034】
図10は、いわゆる瞬間式の熱交換ユニットを表す模式組立図である。
この熱交換ユニット200は、熱交換部201A、温度安定部201B、出湯部201Cからなり、セラミックヒータ211により短時間で水を過熱する。セラミックヒータ211は、略円筒状のタンク222に内装される。また、タンク222には、バイメタルスイッチ223、水抜き弁224などが取り付けられる。温度安定部201Bは、流路形成体226、出湯を検知するサーミスタ227、フロートスイッチ228などが設けられている。出湯部201Cには、出湯形成体230、サーミスタ232、バキュームブレーカー233などが設けられている。そして、温度ヒューズ215は、タンク222の側面に取り付けられている。このように温度ヒューズ215を取り付けることにより、瞬間式の熱交換ユニットが万が一過熱状態になった場合でも確実に電源を遮断できる。
【0035】
次に、本実施形態における電源部20の配置の一例を説明する。
図11〜図13は、電源部20の配置を例示する模式図である。
すなわち、本具体例においては、いわゆる「直圧式」のトイレ装置において、便器950の後方に凹設部950Cを設け、ここに電源部20が固定されている。そして、その上にサイドカバー952が固定され、便器950の側面から略連続した曲面で覆われる。電源部20は、略直方体状の外形を有する。図示しないプラグ70から接続される1次側の電源コード32と、衛生洗浄装置10の本体部12に接続される2次側の電源コード32と、が電源部20の同一の側面に配設されている。そして、便器950に電源部20を固定した状態において、これら電源コード32の取付部分は、鉛直下方となるように配置されている。
【0036】
このようにすると、仮に上方から電源部20に水がかかったような場合でも、電源コード32の取付部分から電源部20の内部に水が侵入することを防止できる。また、1次側と2次側の電源コード32を電源部20の同一の側面に配設すると、電源コード32が電源部20の両側に向けて張り出した場合よりもコンパクトに収納できる。
【0037】
図14は、電源部20の設置の別の態様を例示する模式図である。
本具体例においても、1次側及び2次側の電源コード32は、電源部20の同一の側面に配設されている。そして、これら電源コードの取付面が鉛直下方となるように、支持脚28が設けられている。この電源部20は、衛生洗浄装置10が設置されたトイレの床面902に支持脚28により立設された状態で設置することができる。このようにすれば、電源コード32の取付部が鉛直下方を向くため、電源部20に水がかかったような場合でも、電源コード32の取付部分から電源部20の内部に水が侵入することを防止できる。
また、トイレの床面は水などで濡れる場合も多いが、電源部20は、支持脚28により立設されているので、床面の水が電源部20の内部に侵入することも防止できる。
【0038】
また、本具体例とは別に、例えば、取付具などを用いて、トイレの壁面に取付可能としてもよい。この場合も、1次側及び2次側の電源コード32の取付部が鉛直下方を向くように固定するとよい。
【0039】
またさらに、電源部20にセンサなどを設け、1次側及び2次側の電源コード32の取付部が鉛直下方を向いていない状態においては、電源が遮断されるようにしてもよい。このようにすると、電源コード32の取付部からの水の侵入などをより確実に防止できる。
【0040】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、図1乃至図14に関して前述した各具体例が有する特徴は、技術的に可能な範囲において適宜組み合わせることができ、これらも本発明の範囲に包含される。
例えば、図6に表した具体例において、漏電遮断器60を図5に表したように電源部20に内蔵させてもよく、このような変型例も本発明の範囲に包含される。
【0041】
また、衛生洗浄装置の構造や、その動作の内容についても、図1乃至図14に関して前述したものには限定されず、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。例えば、吐水ノズルは、水圧により進退するものであってもよく、あるいはひとつあるいは複数のシリンダ体の内部にスライド可能とされた多段式の構造を有するものであってもよい。
【0042】
またさらに、本発明の電気機器は衛生洗浄装置に限定されるものではなく、本発明の要旨を包含する限り、本発明の電気機器の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電気機器の模式斜視図である。
【図2】本具体例の衛生洗浄装置10の構成を例示するブロック図である。
【図3】比較例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。
【図4】比較例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。
【図5】本発明の第2の具体例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。
【図6】本発明の第3の具体例の衛生洗浄装置を表すブロック図である。
【図7】本実施形態の衛生洗浄装置が備える機能部を説明するためのブロック図である。
【図8】貯湯式の熱交換ユニットを表す模式斜視組立図である。
【図9】貯湯式の熱交換ユニットの断面図である。
【図10】瞬間式の熱交換ユニットを表す模式組立図である。
【図11】電源部20の配置を例示する模式図である。
【図12】電源部20の配置を例示する模式図である。
【図13】電源部20の配置を例示する模式図である。
【図14】電源部20の設置の別の態様を例示する模式図である。
【符号の説明】
【0044】
10 衛生洗浄装置、 12 本体部、 14 便座、 16 便蓋、 20 電源部、 22 給電部、 24 直流電源部、 28 支持脚、 30 交流負荷部、 30 直流負荷部、 32 電源コード、 32AA 交流電源線、 32AB 交流電源線、 32B アース線、 32D 直流電源線、 32E 直流電源線、 32F 直流電源線、 32G グラウンド線、 32H グラウンド線、 40 直流負荷部、 42 駆動回路、 45 レギュレータ、 52 ヒータ、 54 温度ヒューズ、 56 温度ヒューズ、 58 温度ヒューズ、 60 漏電遮断器、 70 プラグ、120 電磁弁、130 調圧弁、200 熱交換ユニット、201 上タンク、201A 熱交換部、201B 温度安定部、201C 出湯部、202 下タンク、203 フロートスイッチ、206 バキュームブレーカー、207 サーミスタ、208 バイメタル式温度過上昇防止器、209 入水口、211 温度ヒューズ、212 温水ヒータ、215 温度ヒューズ、222 タンク、223 バイメタルスイッチ、226 流路形成体、227 サーミスタ、228 フロートスイッチ、230 出湯形成体、232 サーミスタ、233 バキュームブレーカー、300 流量調整弁ユニット、400 ノズルユニット、410 吐水ノズル、480 ノズルモータ、490 ノズル洗浄室、500 制御部、505 信号線、520 便座ヒータ、540 温風乾燥ユニット、560 室内暖房ユニット、600 着座センサ、700 リモコン、800 給水栓、810 分岐水路、820 接続金具、830 給水配管、900 コンセント、950 便器、950C 凹設部、952 サイドカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、を有する本体部と、
交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、
前記第1の安全装置を介して前記直流電源部に前記交流電圧を供給する交流電源線と、
を備えたことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記本体部に供給された交流電圧は、第1の安全装置を介して前記交流負荷部に供給されることを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項3】
交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、電流路の開閉が可能な第2の安全装置と、を有する本体部と、
交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、
を備え、
前記第1の安全装置と第2の安全装置は、略同時に開閉作動が可能とされ、
前記交流負荷部から出力された前記交流電圧は、前記第1の安全装置を介して前記交流負荷部に供給され、
前記直流電源部から出力された前記直流電圧は、前記第2の安全装置を介して前記直流負荷部に供給されることを特徴とする電気機器。
【請求項4】
交流電源に接続可能なプラグをさらに備え、
前記プラグを介して供給された交流電圧は、前記電源部を介して前記本体部に供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気機器。
【請求項5】
前記安全装置は、温度ヒューズであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気機器。
【請求項6】
前記電源部は、前記交流電圧の出力を遮断する漏電遮断機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気機器。
【請求項7】
交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、を有し、吐水ノズルから水を噴射する本体部と、
交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、
前記第1の安全装置を介して前記直流電源部に前記交流電圧を供給する交流電源線と、
を備え、
前記本体部は、前記吐水ノズルから噴射する水を加熱する熱交換ユニットをさらに有し、
前記安全装置は、前記熱交換ユニットに設けられた温度ヒューズであることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項8】
交流により動作する交流負荷部と、直流により動作する直流負荷部と、電流路の開閉が可能な第1の安全装置と、電流路の開閉が可能な第2の安全装置と、を有し、吐水ノズルから水を噴射する本体部と、
交流電圧を直流電圧に変換し出力する直流電源部を有し、前記本体部とは別体として設けられた電源部と、
を備え、
前記本体部は、前記吐水ノズルから噴射する水を加熱する熱交換ユニットをさらに有し、
前記第1及び第2の安全装置は、前記熱交換ユニットに設けられた温度ヒューズであり、
前記交流負荷部から出力された前記交流電圧は、第1の温度ヒューズを介して前記交流負荷部に供給され、
前記直流電源部から出力された前記直流電圧は、前記第2の温度ヒューズを介して前記直流負荷部に供給されることを特徴とする衛生洗浄装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−92625(P2008−92625A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267775(P2006−267775)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】