説明

電気自動車用シャシフレーム構造およびこれを用いた車両

【課題】 簡単に他の車種に組替え可能で、かつガソリンエンジンタイプの車両では実現できない広い空間スペースが確保でき、新デザインを設定する上で有効であると共に、実際の走行も可能で、特に、自動車をはじめとする各種のショーなどに出品するための車両の車台として最適な分割タイプのシャシフレーム構造を提供すること。
【解決手段】 ステアリング部および前輪用アクスルなどの操作ユニットを収容装着するフロントセクションFと、シート部などの居住ユニットを載置するセンターセクションCと、駆動モータ、バッテリおよび後輪用アクスル等の駆動ユニットを収容装着するリヤセクションRと、の三分割セクションからなり、各セクションは、アルミ合金製フレーム材と該フレーム材相互を結合する接続金具とから形成され、センターセクションを中間位置にその前後にフロントセクションとリヤセクションを接続して所定のシャシフレームを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動の電気自動車用シャシフレーム構造およびこれを用いた車両に関するもので、特に、複数の車種やサイズの車両用シャシフレームに組替え可能で、用途に合わせた使用形態に容易に変更できるシャシフレーム構造およびこのシャシフレームを用いた車両に係る。
【背景技術】
【0002】
例えば、モータショーなどのイベントにおいて展示される新型モデルの自動車は、外観から見える車体や内装品を実車に合わせただけで、実際にはエンジンなどの駆動部などを組み込んでいる車が少ないため、このような展示専用の車両を製作する場合には、この目的のためだけに特別な車両を製作することも考えられるが、多くは1台の実車を分解し展示に必要な部分だけを取出して、これらを仮のフレーム上に据え付けて製作していた。このためこのようなショー用車両を作るのに非常な手間とコストを要していた。しかも、イベントが終われば再び解体するだけで再利用することなく廃棄処分するのが通例であった。
他方、上記のようなショー用車両の場合、外観および内装のイメージは把握し得るが、常に静止状態であるため、実際に走行している状況や乗車して走行する場合の感触はつかむことはできない。勿論、現在ではCG(コンピュータグラフィック)による多面的な画像による展示も可能であるが、これも視覚的なものだけであり、完全とは言えない。
【0003】
以上の事項を考慮した場合、用途に合わせて変更可能な展示専用の自走式汎用シャシフレームが実現できれば、コスト面や実車の感触を得るためには極めて有益であると考えられるが、実際にはこのような展示専用の汎用シャシフレームは従来では存在しなかった。
一般的に自動車のシャシフレームは、ボックス断面の鋼製のサイドフレームやクロスメンバを溶接によって接合した高強度・高剛性の構造となっている。また、有効な空間スペースを確保することができる電気自動車用シャシフレームについても、特許文献1に示すように、車体の前後方向に延びる左右のサイドメンバと該サイドメンバ間に架設された複数本のクロスメンバからなり、構造的には従来の鋼製シャシフレームと変わるところはない。更に、軽量合金を利用するものとして、特許文献2には大型車両のサイドメンバおよびクロスメンバからなるシャシフレームにおいて、アルミニウム或いはアルミニウム合金製の通孔を設けた引抜き材をサイドメンバに一体的に取付けるか、もしくはサイドメンバの一部又は全部を前記の引抜き材で構成することが開示されている。
【特許文献1】特開2001―97048号公報
【特許文献2】特開平8―91147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に挙げた従来の車両用シャシフレーム構造は、基本的には鋼製フレームの溶接接合タイプが主であり、これでは本発明が対象とするようなショー用のシャシフレームに適用したとしても、汎用性がなく、複数車種に適用し得るものではないし、軽量化もはかれない。また、アルミニウム或いはその合金の引抜き材を使用した特許文献2のタイプにしても、引抜き材の通孔を利用した配管部品点数の減少と配管作業の簡易化が目的であり、本発明の対象とするような分割タイプの汎用シャシフレームは全く念頭においていない。
本発明の課題は、簡単に他の車種に組替え可能で、かつガソリンエンジンタイプの車両では実現できない広い空間スペースが確保でき、新デザインを設定する上で有効であると共に、公道上ではないが実際の走行も可能な電動駆動のシャシフレーム構造およびこれを用いた車両を提供することにある。特に、本発明では自動車をはじめとする各種のショーなどに出品するための車両の車台として最適な分割タイプのシャシフレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明に係る電気自動車用シャシフレーム構造は、ステアリング部および前輪用アクスルなどの操作ユニットを収容装着するフロントセクションと、シート部などの居住ユニットを載置するセンターセクションと、駆動モータ、バッテリおよび後輪用アクスル等の駆動ユニットを収容装着するリヤセクションと、の三分割セクションからなる電気自動車用シャシフレーム構造であって、前記各セクションは、アルミニウム合金製フレーム材と該フレーム材を結合する接続金具とから形成されると共に、各セクションはセンターセクションを中間位置にその前後にフロントセクションとリヤセクションを接続して所定のシャシフレームを構成することを特徴とする。
これら三個のセクションに使用されるフレーム材は、アルミニウム合金押出材から形成され、これらはアルミニウム製ブラケットおよびボルトを介してそれぞれの構造に組み立て結合され所定のシャシフレームとする。
また、本発明においては、前記の三個の分割セクションは、それぞれ下記(a)〜(c)の構造とすることが望ましい。すなわち、
(a)センターセクションは、前後に延びる少なくとも2本のメインフレームとこれらをつなぐクロスメンバと、メインフレームの両側にクロスメンバを介して張出して固定したサイドフレームとから形成されると共に、フレームサイズおよびクロスメンバ本数が変更可能であること。
(b)センターセクションの前方側に脱着可能に取付けられるフロントセクションは、前輪用アクスルなどを保持収容するボックス状のフロントアクスル保持フレームと、該フロントアクスル保持フレームから上方に取付けられ側部にステアリング部を有する操作部保持フレームとからなること。
(c)前記センターセクションの後方側に脱着可能に取付けられるリヤセクションは、駆動モータと後輪用アクスルなどを保持収容するリヤアクスル保持フレームと、該リヤアクスル保持フレームから後方に取付けたバッテリ収容用フレームとからなること。
また、本発明においては、上述したシャシフレーム構造に、前後ホイールを装着しシート部およびバッテリを搭載すると共に、当該シャシフレームのサイズに対応する車体を組み付け固定してなる走行可能な車両をも対象とする。
【0006】
上記のように本発明においては、シャシフレームとしてアルミニウム合金製の押出材(以下、単にアルミ押出材と言う)を、フレームの結合用として同じくアルミニウム合金製のブラケット(以下、単にブラケットと言う)を使用するが、これはアルミニウム合金が軽量でかつ強度(剛性)が高く加工性に優れ、コスト面でも有利であるからである。本発明では、アルミ形材として汎用されている中実タイプの断面80mm角、40mm角、80mm角×40mm角切欠(図1のフレーム4a)等の材料を適宜長さに切断してメインフレーム、クロスメンバ、サイドフレームとして用いる。使用する箇所によっては、アルミニウム合金製の中空材(例えば、パイプ材)を用いてもよい。一方、ブラケットについても直角三角形断面のアルミ押出材を、例えば4本ボルト用或いは2本ボルト用というように適当なサイズに切断し、ボルト穴を穿設すればよい。ボルト穴は上述したフレームやクロスメンバの所定箇所にも加工する。アルミ押出材には図示の如く各面に長手方向に延びる2条或いは1条の溝が形成されていることから、実際のボルト締付の際には、専用ナットをこれらフレーム溝に入れて固定すればよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気自動車用シャシフレーム構造によれば、全体のフレームを軽量で強度・剛性の高いアルミ押出材で構成しているため、必要な各種機器及び部材や人員を充分搭載できる強度を有すると共に、汎用性のあるアルミ押出材を用いることでコスト面でも有利である。また、全体を三個のセクションに分割し、中間のセクションのサイズを変更して取替え自在とすることにより、複数車種に対応し得るシャシフレームとして利用できる。更に、電動駆動のシャシフレームとすることで、車体など組み付けて車両とした場合、低速であっても実走行可能(ただし、公道上は不可)であるため、例えばショー用カーとして非走行型の従来のものに比較し、格段に展示機能等の面で優れたものと言える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す如く、本発明のシャシフレーム構造の基本的な構成は、全体が、ステアリング部及び前輪アクスル等の操作ユニットを取付けるためのフロントセクションFと、シート部などの居住ユニットを載置し、複数本のメインフレームとこれらを連結するクロスメンバとからなるサイズ変更可能なセンターセクションCと、バッテリ、駆動モータ及び後輪アクスルやその駆動伝達部等の駆動ユニットを配置・取付けるためのリヤセクションRと、の三個のブロックに分割していることである。これらの各セクションは、センターセクションCを中間位置にして、センターセクションCの一端(前部)にフロントセクションFが、センターセクションCの他端(後部)にリヤセクションRがそれぞれ脱着自在に接続される。
【0009】
本発明の特徴を最もよく現わしているセンターセクションCは、電気自動車として完成した場合に、シート部などの居住ユニットがここに搭載される箇所となる。該センターセクションCは、前後に延びる一対のメインフレーム1と、これら一対のメインフレーム間をはしご状に連結する複数本(図では3本)の主クロスメンバ2と、各メインフレーム1の両側に、それぞれ張り出すように複数本の副クロスメンバ4を介して固定されるサイドフレーム3とから形成される。なお、メインフレーム1のリヤセクションR側の後部には主クロスメンバ2とは別に、リヤセクションを連結したときに電動モータを保持するための保持メンバ5が渡してある。
【0010】
本発明では、上記した各フレームおよびメンバは全て直線状のアルミ押出材を使用している。適切なサイズの断面を有するアルミ押出材の使用により、鋼製フレームに比較して軽量になると共に必要な強度・剛性を確保でき、また、各フレーム材料間を連結する手段として断面三角形状のアルミブラケット6とボルト5を採用することで、高い作業性を実現している。アルミ押出材は、特別なものではなく、通常の建設材料或いは各種構造物用の材料として汎用されている製品を用いればよい。また、このような押出材は、できるだけ共通のものを用いればコストおよび作業面で有利であるが、強度的に主要な骨格部分をなす、メインフレーム1、主クロスメンバ2、副クロスメンバの両端メンバ4aは、断面サイズを他のフレームやメンバよりも大径にしている。更に、ブラケット6についても、使用するアルミ押出材のサイズに応じてボルト穴が2個或いは4個というように使い分ける。
図示する例においては、メインフレーム2本、主クロスメンバ3本、副クロスメンバ12本(このうち両端メンバ4aを4本含む)、サイドメンバ2本およびモータ保持メンバ1本をそれぞれ組合せ、ブラケットおよびボルトを用いて全ての連結箇所を結合してセンターセクションCを形成する。なお、メインフレーム1の両端面にはフロントセクションFとリヤセクションRに接続するためのブラケット6aを取付けておく。
【0011】
次に、フロントセクションFは、操作ユニットの各種部材とフロントサスペンションを含む前輪用アクスル(車軸部)が収納される部分であり、アクスル(および必要であればフロントデフ・ステアリングギヤボックス)を組み込むためのフロントアクスル保持フレーム7と、該フロントアクスル保持フレーム7上に組み立てた操作部保持フレーム8とからなり、該操作部保持フレーム8のサイドにステアリングシャフトを主体とするステアリング部9を配置している。フロントアクスル保持フレーム7は、上述したセンターセクションCにおいて使用したものと同様のアルミ押出材、ブラケットおよびボルトを用いてボックス状に形成され、また、操作部保持フレーム8は、同じくアルミ押出材等によって直立した縦フレームの上端から片持ち状に水平フレームが後方に張り出すL字型に形成される。
図示する例では、フロントアクスル保持フレーム7に組み込むアクスル、ステアリング機構、伝達機構等は、実際の量産車のものを組み込んでいるが、場合によっては、タイヤ以外は専用の機構を設置することも可能である。この場合(或いは既存のものを組み込む場合も)、アクスルにおいてトレッド調整可能にしておくことが望ましい。
【0012】
図2は、フロントセクションFをステアリング部側から見た詳細図であるが、フロントアクスル保持フレーム7および操作部保持フレーム8は、アルミ押出材、ブラケットおよびボルトを主体に構成されているが、当然フレームにアクスルやステアリング部を設置・装着するためのコ字型およびL字型等の適宜の取付金具(鋼製)12、13を必要な箇所に配置している。
なお、図2においては、本発明のシャシフレーム上に、実際のボディ(車体)を乗載して取付けるための位置合わせ用および固定用の座面が適宜設けられるが、これについては後述する。
【0013】
更に、リヤセクションRは、電気自動車の駆動ユニット、即ち駆動モータ14(DCモータ)、モータコントローラおよびバッテリを保持収容すると共に、後輪用のアクスルやギア等の伝達部などを取付ける構造になっている。このため図示するように、リヤセクションRは、センターセクション側にモータおよびリヤディファレンシャル付きのアクスル、サスペンションなどを取付け・収容するためのリヤアクスル保持フレーム10と、該リヤアクスル保持フレーム10の後方に設けたバッテリ収容用フレーム11とから形成され、これらいずれのフレームも前述したセンターセクションCおよびフロントセクションFと同様に、アルミ押出材、アルミブラケットおよびボルトによって組み立てられる。また、フロントセクションと同様に、各種機構の組み込みのためにコ字型およびL字型の取付金具(鋼製)等を使用する。
また、リヤアクスル保持フレームに組み込むアクスル、サスペンション、伝達機構等は、実際の量産車のものを組み込んでいるが、場合によっては、タイヤ以外は専用の機構を設置することも可能であり、いずれの場合もアクスルにおいてトレッド調整可能にしておくことが望ましい。
【0014】
図3は、リヤセクションRを一方のホイール側から見た拡大図であるが、リヤアクスルとリヤサスペンションを収容装着するボックス状のリヤアクスル保持フレーム10およびバッテリ保持用フレーム11を形成するアルミ押出材、ブラケットおよびボルトと、コ字型およびL字型の取付金具12、13の詳細が示されている。
なお、図示したフロントおよびリヤセクションにおけるアクスルは、独立懸架方式のものを例示しているが、本発明においてはこれに限ることなく、公知の車軸懸架方式のものを採用することも可能であることは勿論である。
【0015】
図4は、上述した図1の3つのセクションを連結・結合して1台分のシャシフレームを構成した例を示す。センターセクションCを挟んでフロントセクションFおよびリヤセクションRを、ブラケットおよびボルトを用いて接続することでフレームは完成する。このシャシフレームにホイール(前輪および後輪)を装着し、モータコントローラ、バッテリを搭載し、ハンドルおよび必要な機器類を取付け、それぞれの電気的な接続を行うとともに、センターセクションCのフレーム上の位置に平坦なボードを取付けてから必要なシート類を載置固定すれば、ボディを取付けない状態の駆動可能な電気自動車のシャシが完成する。
【0016】
図5(a)、(b)は、この図4のシャシフレーム上に、スポーツタイプの実際の車体を乗載した全体例を示す平面図と側面図を示すが、外見上は全く実車と変わるところがない。このような車体をシャシフレームに取付ける場合には、前記図2に示す如く、フロントセクションFを構成するアルミ押出材の所定位置に、位置合せ用座面15と固定用座面16を予め設置しておき、これにフード(ダミーフード)17およびフェンダー(ダミーフェンダー)18を当接してから何らかの手段で固定すればよい。このような要領で車体の他の部分も適宜フレームに固定することで、全体の車体はシャシフレーム上に簡単に取付けられる。
このようにして本発明に係るシャシフレームを用いれば、実車の形態のままでしかも走行可能なショー用カーが得られる。
【0017】
本発明ではこのようなシャシフレームを単に1車種だけに適用するのではなく、このシャシフレームを基本的にはフロント・リヤセクションをそのまま利用し、単にセンターセクションのみを代えることで他の車種にも適用し得るシャシフレームを作り出した。即ち、図6(a)、(b)は軽自動車タイプのシャシフレームおよびボディを示すもので、センターセクションC−1として図1に示すものより、メインフレーム1Aおよびサイドフレーム3Aの長さの短いかつクロスメンバ2A、4Aの数の少ないものを用意し、この前後にフロントセクションFとリヤセクションRを組合せている。なお、トレッドは調整して短くすると共に、フロントセクションのフレームについても、図1におけるフレーム7を短縮してフロントセクションの横幅を短縮し、フレーム8を前方に移動して操作部を前方に移動している。また、併せてリヤセクションにおいても車軸方向のフレームを短くして横幅を短縮している。
また、図7(a)、(b)は、ミニバンタイプのシャシフレームおよびボディを示すもので、センターセクションC−2として図1に示すものより、メインフレーム1Bおよびサイドフレーム3Bの長さを長くしかつクロスメンバ2B、4Bの数を増やしたものを用意し、この前後にフロントセクションFとリヤセクションRを組合せている。なお、この場合フロント・リヤセクションにおいては、トレッドは調整して長くしているが、フロント・リヤセクションのフレームのサイズは変更せず、単に図1におけるフレーム8を移動して操作部を前方に移動することで足りる。
本発明に係るシャシフレームは、図示の車種に限定されることなく、他の車種にも適用し得る。
【0018】
本発明に係る車両の仕様の一例を示す。
・モータ:DCモータ 最高(定格)出力2.2kw 最高速度30km/h
・バッテリ:40A×12V 5個(走行用として4個)
・シャシフレーム積載可能重量:2000kg
・シャシフレーム寸法
(1)図5タイプ:フレーム全長3309mm、センターセクション全長1845mm
(2)図6タイプ:フレーム全長2923mm、センターセクション全長1580mm
(3)図7タイプ:フレーム全長3853mm、センターセクション全長2390mm
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るシャシフレームを構成する三分割セクションの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるフロントセクションの部分拡大図である。
【図3】図1におけるリヤセクションの部分拡大図である。
【図4】図1に示す各セクションを結合して1個のシャシフレームを形成した場合の全体図である。
【図5】本発明にシャシフレームをスポーツタイプのショー用カーに適用した場合の平面図(a)と側面図(b)である。
【図6】本発明にシャシフレームを軽自動車タイプのショー用カーに適用した場合の平面図(a)と側面図(b)である。
【図7】本発明にシャシフレームをミニバンタイプのショー用カーに適用した場合の平面図(a)と側面図(b)である。
【符号の説明】
【0020】
C、C−1、C−2、 センターセクション
F フロントセクション R リヤセクション
1、1A、1B メインフレーム
2、2A、2B 主クロスメンバ
3、3A、3B サイドメンバ
4、4A、4B 副クロスメンバ
5 モータ保持メンバ 6、6a アルミブラケット
7 フロントアクスル保持フレーム
8 操作部保持フレーム 9 ステアリング部
10 リヤアクスル保持フレーム 11 バッテリ収容用フレーム
12 コ字型取付け金具 13 L字型取付け金具
14 電動モータ 15 位置合せ用座面
16 固定用座面 17 ダミーフード
18 ダミーフェンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング部および前輪用アクスルなどの操作ユニットを収容装着するフロントセクションと、シート部などの居住ユニットを載置するセンターセクションと、駆動モータ、バッテリおよび後輪用アクスル等の駆動ユニットを収容装着するリヤセクションと、の三分割セクションからなる電気自動車用シャシフレーム構造であって、前記各セクションは、アルミニウム合金製フレーム材と該フレーム材相互を結合する接続金具とから形成されると共に、各セクションはセンターセクションを中間位置にその前後にフロントセクションとリヤセクションを接続して所定のシャシフレームを構成することを特徴とする電気自動車用シャシフレーム構造。
【請求項2】
三個のセクションに使用されるフレーム材は、アルミニウム合金押出材から形成され、これらはアルミニウム製ブラケットおよびボルトを介してそれぞれの構造に組み立て結合され所定のシャシフレームとすることを特徴とする請求項1記載の電気自動車用シャシフレーム構造。
【請求項3】
三個の分割セクションは、それぞれ下記(a)〜(c)の構造とすることを特徴とする請求項1又は2記載の電気自動車用シャシフレーム構造。
(a)センターセクションは、前後に延びる少なくとも2本のメインフレームとこれらをつなぐクロスメンバと、メインフレームの両側にクロスメンバを介して張出して固定したサイドフレームとから形成されると共に、フレームサイズおよびクロスメンバ本数が変更可能であること。
(b)センターセクションの前方側に脱着可能に取付けられるフロントセクションは、前輪用アクスルなどを保持収容するボックス状のフロントアクスル保持フレームと、該フロントアクスル保持フレームから上方に取付けられ側部にステアリング部を有する操作部保持フレームとからなること。
(c)前記センターセクションの後方側に脱着可能に取付けられるリヤセクションは、駆動モータと後輪用アクスルなどを保持収容するリヤアクスル保持フレームと、該リヤアクスル保持フレームから後方に取付けたバッテリ収容用フレームとからなること。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のシャシフレーム構造に、前後ホイールを装着しシート部およびバッテリを搭載すると共に、当該シャシフレームのサイズに対応する車体を組み付け固定してなることを特徴とする走行可能な車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−44400(P2006−44400A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226313(P2004−226313)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(593055465)株式会社フィアロコーポレーション (1)
【Fターム(参考)】