説明

電池セルの接続構造

【課題】構成部材の種類を減らすと共に確実にロックができる電池セルの接続構造を提供する。
【解決手段】第1の電池セル100の電極端子110と第2の電池セル100の電極端子110とが、導電性材料により形成された同一構成の二つの接続部材200により接続されており、各接続部材を、それぞれ、貫通孔210が嵌まった軸部112を中心に回動させると、当該接続部材の長孔230に嵌る軸部が相対的に当該長孔に沿って当該長孔の外端232まで移動することで当該軸部が接続部材から外れると共に、突出方向からみて当該接続部材の貫通孔に、当該貫通孔が嵌る軸部の外縁112aと当該軸部から延びる先端部113の外縁113aとが収まるように構成した電池セルの接続構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの電池セルの電極端子を接続する構造の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バッテリーの接続構造を開示している。このバッテリーの接続構造では、8つのバッテリー10にそれぞれ一対づつ備えられたバッテリーポスト11が、3つのグループに分けられ、それに対応させて3つのホルダー30、31、32が設けられ、各ホルダー30、31、32に形成した溝部33の内部には、導通部材40が収容されている。そして、ホルダー30、31、32をバッテリーポスト11に押しつけると、隣り合ったバッテリーポスト11、11が溝部33に収容され、導通部材40によって電気接続される(符号は上記特許文献1から引用)。
【0003】
特許文献2は、電池の接続構造を開示している。この電池の接続構造では、各端子3、4に所定のスリット幅で形成した切欠き部6を設け、この切欠き部6に係合可能な係合片5aが連結部5bを介して両端に配設された接続部材5の各係合片5aを、連結部5bを端子3,4間で捩るように弾性変形させて、接続する各端子3,4の各切欠き部6に係合させている(符号は上記特許文献2から引用)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−86831号公報
【特許文献2】特開2003−249207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のバッテリーの接続構造は、上記ホルダー30、31、32及び上記導通部材40という二種類の部材を備えているので、管理が煩雑になる。
【0006】
上記特許文献2の電池の接続構造は、部品点数は少ないものの、接続部材5を端子3、4にロックすることができないという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、同一構成の二つの比較的簡単な構成の接続部材を用いて土台部と軸部と先端部とを備えた二つの電極端子を接続することにより、構成部材の種類を減らすことができ、しかも上記接続部材の上記電極端子へのロックを確実に行うことができる電池セルの接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の電池セルの接続構造は、互いに平行になるように端面からそれぞれ突出して設けられた異極一対の柱状の電極端子を有して隣り合って並べられた第1及び第2の二つの電池セルにおける上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とを接続する電池セルの接続構造である。
上記各電極端子は、それぞれ、上記端面に設けられた土台部と、この土台部から上記突出方向に延びる軸部と、この軸部から上記突出方向に延びる先端部とを備え、上記先端部は、上記突出方向からみて外縁の少なくとも一部が上記軸部から食み出ていると共に上記外縁が円とは異なる形状に形成されており、
上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とが、導電性材料により形成された同一構成の二つの接続部材により接続されており、
上記各接続部材は、それぞれ、一端側に設けられた貫通孔と、他端側に設けられた長孔とを備え、上記貫通孔は上記突出方向にみて上記軸部の外縁と上記先端部の上記外縁とを合成した形状と同一の形状に形成されており、上記長孔は内端が上記軸部が収まる形状に形成され、外端が上記両端間の外縁に至るように形成されており、
上記二つの接続部材は、向かい合わせになると共に各端においてそれぞれ上記貫通孔と上記長孔の上記内端とが重なって上記電極端子に嵌まるように配置されて、上記各端において上記貫通孔の周囲部と上記長孔内端の周囲部とが上記土台部と上記先端部とに挟持されており、
上記各接続部材を、それぞれ、上記貫通孔が嵌まった上記軸部を中心に回動させると、当該接続部材の上記長孔に嵌る上記軸部が相対的に当該長孔に沿って当該長孔の上記外端まで移動することで当該軸部が上記接続部材から外れると共に、上記突出方向からみて当該接続部材の上記貫通孔に、当該貫通孔が嵌る上記軸部の上記外縁と当該軸部から延びる上記先端部の上記外縁とが収まるように構成している。
【0009】
上記電池セルの接続構造を上記二つの電池セルと上記二つの接続部材とにより組み立てるべく上記二つの接続部材を上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とにそれぞれ装着する場合、第1の上記接続部材を上記第1の電池セルの上記電極端子に対して、上記突出方向からみて上記第1の接続部材の上記貫通孔が上記第1の電池セルの上記電極端子の上記先端部に合う向きに位置づけ、上記第1の接続部材を上記第1の電池セルの上記端面に近づけると、上記貫通孔が上記先端部を通過して上記軸部に嵌まり、上記貫通孔の上記周囲部が上記土台部に載る。そして、上記第1の接続部材を、上記軸部を中心に回動させると、上記第1の接続部材の上記長孔の上記外端に第2の電池セルの上記電極端子の上記軸部が嵌まり、さらに相対的に上記軸部が上記長孔に沿って上記長孔の上記内端まで移動する。
【0010】
また、第2の上記接続部材を第2の電池セルの上記電極端子に対して、上記突出方向からみて上記第2の接続部材の上記貫通孔が上記第2の電池セルの上記電極端子の上記先端部に合う向きに位置づけ、上記第2の接続部材を上記第2の電池セルの上記端面に近づけると、上記貫通孔が上記先端部を通過して上記軸部に嵌まり、上記第2の接続部材が上記第1の接続部材に載る。そして、上記第2の接続部材を、上記軸部を中心に回動させると、上記第2の接続部材の上記長孔の上記外端に第1の電池セルの上記電極端子の上記軸部が嵌まり、さらに相対的に上記軸部が上記長孔に沿って上記長孔の上記内端まで移動する。
【0011】
そうすると、内側に位置した上記第1の接続部材における上記貫通孔の上記周囲部と、外側に位置した上記第2の接続部材における上記長孔の上記内端の上記周囲部とが重なって上記第1の電池セルの上記電極端子の上記土台部と上記先端部との間に挟持されると共に、内側に位置した上記第1の接続部材における上記長孔の上記内端の上記周囲部と、外側に位置した上記第2の接続部材における上記貫通孔の上記周囲部とが重なって上記第2の電池セルの上記電極端子の上記土台部と上記先端部との間に挟持される。これによって、上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とが上記二つの接続部材によって機械的に且つ電気的に接続される。
【0012】
その場合、上記電池セルの接続構造は、上記二つの電池セルと上記二つの接続部材とにより構成され、しかも上記二つの接続部材は同一の構成であるので、上記電池セルの接続構造の構成部材の種類が上記背景技術の場合よりも減る。また、上記二つの接続部材の各端が上記電極端子の上記土台部と上記先端部との間でそれぞれ挟持されるので、上記電極端子と上記接続部材との接触圧力が確保されて電気抵抗が低減されると共に、上記接続部材の上記電極端子へのロックが確実に行われる。
【0013】
本発明の第2の電池セルの接続構造は、上記第1の電池セルの接続構造において、
上記先端部の上記外縁及び上記貫通孔の周縁が、上記突出方向からみて楕円形に形成されている。
【0014】
このようにすれば、上記突出方向からみて上記先端部の少なくとも上記楕円の長径側が上記軸部から食み出ることになる。
【0015】
本発明の第3の電池セルの接続構造は、上記第1又は上記第2の電池セルの接続構造において、
上記接続部材の上記外縁には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材の上記外縁に掛かるロック部が設けられている。
【0016】
このようにすれば、上記ロック部が上記相手の接続部材の上記外縁に掛かるので、上記二つの接続部材がそれぞれ上記軸部を中心にして回動することが阻止される。
【0017】
本発明の第4の電池セルの接続構造は、上記第1ないし上記第3のうちいずれか一つの電池セルの接続構造において、
上記接続部材の上記両端間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材に当たる凸部が設けられている。
【0018】
このようにすれば、上記二つの接続部材の両端が上記電極端子の上記土台部と上記先端部との間でそれぞれ挟持されると共に、上記各凸部が上記二つの接続部材の間に割り込むので、上記各接続部材がそれぞれ上記両端間で湾曲するように弾性変形して上記挟持力が増すことから、上記電極端子と上記接続部材との接触圧力が向上して電気抵抗が更に低減されると共に、上記接続部材の上記電極端子へのロックが更に確実に行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の電池セルの接続構造は、同一構成の二つの比較的簡単な構成の接続部材を用いて土台部と軸部と先端部とを備えた二つの電極端子を接続するようにしたので、構成部材の種類を減らすことができ、しかも上記接続部材の上記電極端子へのロックを確実に行うことができる。
【0020】
本発明の上記第2の電池セルの接続構造は、上記第1の電池セルの接続構造により得られる効果が得られることに加え、さらに、上記先端部及び上記貫通孔の具体的な形状の一例を示すことができた。
【0021】
本発明の上記第3の電池セルの接続構造は、上記第1又は上記第2の電池セルの接続構造により得られる効果が得られることに加え、さらに、上記二つの接続部材がそれぞれ上記軸部を中心にして回動することが阻止されるので、上記接続部材の上記電極端子へのロックを更に確実に行うことができる。
【0022】
本発明の上記第4の電池セルの接続構造は、上記第1ないし上記第3のうちいずれか一つの電池セルの接続構造により得られる効果が得られることに加え、さらに、上記二つの接続部材の両端が上記各電極端子の上記土台部と上記先端部との間でそれぞれ挟持される力が増すので、上記電極端子と上記接続部材との接触圧力が向上して電気抵抗を更に低減することができると共に、上記接続部材の上記電極端子へのロックを更に確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の電池セルの接続構造を示す斜視図である。
【図2】図2ないし図4は、上記電池セルの接続構造の組立手順を示す斜視図である。図2は、第1の電池セルの電極端子に第1の接続部材の貫通孔を嵌めようとしている状態を示す斜視図である。これらの図は第2の実施形態の各電池セルの接続構造の組立手順をも示している。
【図3】図3は、図2の状態から、上記第1の接続部材の上記貫通孔を上記第1の電池セルの上記電極端子の先端部に嵌め、上記第1の接続部材を軸部を中心にして回動させ、上記第1の接続部材の上記長孔を第2の電池セルの電極端子に嵌めた状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の状態から、上記第2の電池セルの上記電極端子に第2の接続部材の貫通孔を嵌めようとしている状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態で用いた上記接続部材の斜視図である。周囲部220、240の領域の外縁をそれぞれ仮想線で示した。
【図6】図6は、上記接続部材の平面図である。周囲部220、240の領域の外縁をそれぞれ仮想線で示した。
【図7】図7は、上記接続部材の正面図である。
【図8】図8は、上記接続部材の背面図である。
【図9】図9は、上記接続部材の側面図である。
【図10】図10は、上記第1の実施形態及び上記第2の実施形態で用いた上記電池セルの斜視図である。
【図11】図11は、上記電池セルの上記電極端子の拡大斜視図である。
【図12】図12は、上記電極端子を突出方向からみた拡大平面図である。
【図13】図13は、本発明の第2の実施形態の電池セルの接続構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の電池セルの接続構造の実施の形態を説明する。図1は、本発明の電池セルの接続構造の第1の実施形態を示す。この電池セルの接続構造は、隣り合って並べられた二つの電池セル100と、この二つの電池セル100における一方の電池セル100の電極端子110と他方の電池セル100の電極端子110とを接続する二つの接続部材200とにより構成されている。説明の便宜上、上記二つの電池セル100を第1の電池セル100及び第2の電池セル100と称する。しかし、例えば三つ以上の上記電池セルが一列に並べられていて、これらの電池セルに本発明の上記電池セルの接続構造が適用されていても、隣り合う二つの電池セルに着目すれば、そこに設けられた上記電池セルの接続構造は、隣り合って並べられた二つの電池セルと、この二つの電池セルにおける一方の電池セルの電極端子と他方の電池セルの電極端子とを接続する二つの接続部材とにより構成された上記電池セルの接続構造になる。この実施形態の上記電池セルの接続構造は、電気自動車に搭載され、上記電気自動車を駆動するためのモーターに制御系を介して接続されて、上記モーターへ電流を供給するように構成されている。しかし、本発明の上記電池セルの接続構造は、電力を必要とする装置に広く用いられる。したがって、ハイブリッド自動車、又は内燃機関を用いた自動車などは勿論のこと、例えば船舶、航空機若しくはその他の輸送機械など、又は例えば送風装置、冷却装置若しくはその他の電気装置などに搭載されるものも対象となる。
【0025】
図10に示すように、上記第1の電池セル100も上記第2の電池セル100も、異極一対の柱状の上記電極端子110を有している。この一対の電極端子110のうち一方がプラスの極性で、他方がマイナスの極性である。上記第1の電池セル100も上記第2の電池セル100も、互いに直交する三方向のそれぞれに沿って延びる辺を有する直方体の形状に形成されており、そのうちの一つの端面101に、上記一対の電極端子110が、互いに平行になるように上記端面101から突出して設けられている。いかし、本発明が対象とする電池セルの形状は一つの端面を有しておれば他の形状であってもよい。図1に示すように、上記第1の電池セル100と上記第2の電池セル100は隣り合って並べられている。上記第1の電池セル100と上記第2の電池セル100は全く同一の構成である。その場合、上記第1の電池セル100においても上記第2の電池セル100においても、上記一対の電極端子110が横方向に並んでいる。また、上記横方向に直交する縦方向に沿って上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の上記電極端子110とが並んでおり、これらの電極端子110が異極の関係になるように上記第1の電池セル100と上記第2の電池セル100とが配置されている。
【0026】
上記各電極端子110は導電性材料で形成されている。上記各電極端子110は、それぞれ、上記端面101に設けられた土台部111と、この土台部111から上記突出方向に延びる軸部112と、この軸部112から上記突出方向に延びる先端部113とを備えている。図11及び図12に示すように、上記土台部111は、直方体の形状に形成されており、その一端面において上記端面101に固定されているが、上記土台部は例えば円盤状又はその他の形状であってもよいし中空に形成されていてもよい。上記軸部112は、上記突出方向に直交する面で断面したときの断面が、四つの角が面取りされた四角形になるように形成されており、上記突出方向に沿って同一断面になるように形成されている。しかし、上記軸部は上記突出方向に延びる柱状であれば例えば円柱状又はその他の形状であってもよいし中空に形成されていてもよい。上記先端部113は、外縁113aが楕円になるように形成されており、また上記突出方向に直交する面で断面したときの断面が上記突出方向に沿って同一になるように形成されている。しかし、上記先端部は上記突出方向に延びる柱状であれば他の形状であってもよいし中空に形成されていてもよい。図12に示すように、上記先端部113は、上記突出方向からみて上記外縁113aの少なくとも一部が上記軸部112から食み出ている。この実施形態の場合、上記先端部113は、上記突出方向からみて上記外縁113aの全てが上記軸部112から食み出ているが、上記突出方向からみて上記外縁の少なくとも一部だけが上記軸部から食み出ていてもよい。上記先端部113は、上記突出方向からみて上記外縁113aが円とは異なる形状に形成されている。この実施形態の場合、上記外縁113aが楕円形に形成されているが、円以外の形状であればよく、例えば四角形又はその他の形状であってもよい。
【0027】
図1に示すように、上記第1の電池セル100の上記電極端子110と、この電極端子110と隣り合っている上記第2の上記電池セル100の上記電極端子110とが、上記二つの接続部材200により接続されている。これら二つの電極端子110は異極の関係にある。しかし、上記二つの電池セルを並列接続するときには上記二つの電極端子が同極の関係になるように上記二つの電池セルを配置する。図5ないし図9に示すように、上記二つの接続部材200の構成は同一である。上記各接続部材200は、導電性材料により形成されている。上記各接続部材200の上記突出方向に沿った厚さ(t)は、上記各電極端子110の上記土台部111と上記先端部113との隙間(d)の半分に設定されている。上記隙間(d)は、上記突出方向に沿った寸法である。このようにすることで、上記二つの接続部材200を重ねると、上記二つの接続部材200の上記突出方向の厚さが上記隙間(d)に一致することになる。しかし、後述する凸部の突出量によっては上記厚さ(t)を上記隙間(d)の半分以下に設定してもよい。
【0028】
図5ないし図9に示すように、上記各接続部材200は、それぞれ、一端201の側に設けられた貫通孔210と、他端202の側に設けられた長孔230とを備えている。上記貫通孔210は、上記突出方向にみて、上記軸部112の外縁112aと上記先端部113の上記外縁113aとを合成した形状と同一の形状に形成されている。この合成した形状とは、上記突出方向にみて、上記軸部112の外縁112aと上記先端部113の上記外縁113aとを重ねたときに、その外縁により構成された形状である。この実施形態の場合、上記貫通孔210の周縁211が、上記突出方向からみて上記先端部113と同一の楕円形に形成されている。上記長孔230の内端231は、上記各接続部材200の内方に形成されていると共に上記軸部112が収まる形状に形成されている。上記長孔230の外端232は、上記両端201、202の間の外縁203に至るように形成されている。上記長孔230は、一定幅を有すると共に上記貫通孔210の中央を中心にした円弧に沿って延びているが、例えば上記外縁203に向かって末広がりに広がる形状又はその他の形状に形成してもよい。
【0029】
上記二つの接続部材200は、向かい合わせに重ねられている。説明の便宜上、上記二つの接続部材200を第1の接続部材200及び第2の接続部材200と称する。上記電池セル100の上記端面101に近い内側に位置するのが上記第1の接続部材200であり、外側に位置するのが上記第2の接続部材200である。また、上記二つの接続部材200は、この重なった二つの接続部材200の各端においてそれぞれ上記貫通孔210と上記長孔230の上記内端231とが重なって上記電極端子110に嵌まるように配置されている。すなわち、上記第1の接続部材200の上記貫通孔210と上記第2の接続部材200の上記長孔230の上記内端231とが重なって上記第1の電池セル100の上記電極端子110に嵌っている。また、上記第2の接続部材200の上記貫通孔210と上記第1の接続部材200の上記長孔230の上記内端231とが重なって上記第2の電池セル100の上記電極端子110に嵌っている。さらに、上記重なった二つの接続部材200は、上記各端において上記貫通孔210の周囲部220と上記長孔230の上記内端231の周囲部240とが上記土台部111と上記先端部113とに挟持されている。すなわち、上記第1の接続部材200の上記貫通孔210の周囲部220と上記第2の接続部材200の上記長孔230の上記内端231の周囲部240とが上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113とに挟持されている。また、上記第2の接続部材200の上記貫通孔210の周囲部220と上記第1の接続部材200の上記長孔230の上記内端231の周囲部240とが上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113とに挟持されている。
【0030】
上記各接続部材200を、それぞれ、上記貫通孔210が嵌まった上記軸部112を中心に回動させると、当該接続部材200の上記長孔230に嵌る上記軸部112が相対的に当該長孔230に沿って当該長孔230の上記外端232まで移動することで当該軸部112が上記接続部材200から外れると共に、上記突出方向からみて当該接続部材200の上記貫通孔210に、当該貫通孔210が嵌る上記軸部112と当該軸部112から延びる上記先端部113とが収まるように構成している。すなわち、上記第1の接続部材200について説明すると、図3から図2への動きがそれを示しており、図3に示す状態から、上記第1の接続部材200を上記貫通孔210が嵌まった上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112を中心に回動させると、図2に示すように、上記第1の接続部材200の上記長孔230に嵌る上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が相対的に上記長孔230に沿って上記長孔230の上記外端232まで移動することで上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が上記第1の接続部材200から外れると共に、上記突出方向からみて上記第1の接続部材200の上記貫通孔210に、上記貫通孔210が嵌る上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112と上記軸部112から延びる上記先端部113とが収まる。また、上記第2の接続部材200について説明すると、図1から図4への動きがそれを示しており、図1に示す状態から、上記第2の接続部材200を上記貫通孔210が嵌まった上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112を中心に回動させると、図4に示すように、上記第2の接続部材200の上記長孔230に嵌る上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が相対的に上記長孔230に沿って上記長孔230の上記外端232まで移動することで上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が上記第2の接続部材200から外れると共に、上記突出方向からみて上記第2の接続部材200の上記貫通孔210に、上記貫通孔210が嵌る上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112と上記軸部112から延びる上記先端部113とが収まる。
【0031】
図5ないし図9に示すように、上記第1の接続部材200も上記第2の接続部材200も、その上記外縁203には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材200の上記外縁203に掛かるロック部250が設けられている。上記ロック部250は、上記第1の接続部材200及び上記第2の接続部材200における上記長孔230の上記外端232の両側の上記部分のうち上記貫通孔210から遠い側の部分の外縁203に設けられているが、他の部位の外縁に設けてもよい。上記接続部材200の他端202で、上記ロック部250の上記貫通孔210から遠い側には、上記貫通孔210から離れる側へ突出する爪270が設けられている。図4に示すように、上記第1の接続部材200を上記一対の電池セル100に装着した状態で上記第2の接続部材200の上記貫通孔210を上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112に嵌め、上記第2の接続部材200を上記軸部112を中心に回動していくと、上記第2の接続部材200の上記貫通孔210の周囲部220が、上記第1の接続部材200の上記長孔230の周囲部231と上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記先端部113との間に入り込み、上記第2の接続部材200が、その弾性変形を利用して上記第1の接続部材200の上記ロック部250を乗り越えて当該ロック部250の内側に嵌り、これによって上記第2の接続部材200の上記外縁203が上記第1の接続部材200の上記ロック部250に掛かって図1の状態になる。そのとき、上記第1の接続部材200の上記外縁203に上記第2の接続部材200の上記ロック部250が掛かる。上記ロック部250によるロックを外すときは、上記第2の接続部材200の上記爪270を持って上記第2の接続部材200をその弾性変形を利用して上記突出方向に沿って上記第1の接続部材200から離れる方向へ浮かせてから上記第2の接続部材200を回動すれば、上記第2の接続部材200の上記ロック部250が上記第1の接続部材200の上記外縁203から外れて上記ロック部250によるロックが外れる。そのとき、上記第2の接続部材200の上記外縁203が上記第1の接続部材200の上記ロック部250を乗り越え、上記ロック部250によるロックが外れる。上記本発明の電池セルの接続構造は上記爪を設けない実施形態を含んでいる。
【0032】
図5ないし図9に示すように、上記第1の接続部材200も上記第2の接続部材200も、その上記両端201、202の間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材200に当たる凸部260が設けられている。上記凸部260は、長細い突条になっているが、例えば半球状、又はその他の形状であってもよい。上記凸部260は、叩き出し加工により、反対側の面から叩き出すことで形成されているが、上記凸部を別部材で設けて上記接続部材に取り付けるようにしてもよい。上記凸部260は、上記貫通孔210と上記長孔230の上記内端231とを結ぶ線に対して交差する方向に延びている。これによって上記凸部260は上記相手の接続部材200の上記凸部260と接触すると共に、これら二つの凸部260が上記突出方向にみてX字状に交差するようにしている。しかし、これによって本発明の凸部の形状、配置が限定解釈されることはない。
【0033】
したがって、上記電池セルの接続構造を上記二つの電池セル100と上記二つの接続部材200とにより組み立てるべく上記二つの接続部材200を上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の上記電極端子110とにそれぞれ装着する場合、第1の上記接続部材200を上記第1の電池セル100の上記電極端子110に対して、上記突出方向からみて上記第1の接続部材200の上記貫通孔210が上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記先端部113に合う向きに位置づけ(図2の状態)、上記第1の接続部材200を上記第1の電池セル100の上記端面101に近づけると、上記貫通孔210が上記先端部113を通過して上記軸部112に嵌まり、上記貫通孔210の上記周囲部220が上記土台部111に載る。そして、上記第1の接続部材200を、上記軸部112を中心に回動させると、上記第1の接続部材200の上記長孔230の上記外端232に第2の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が嵌まり、さらに相対的に上記軸部112が上記長孔230に沿って上記長孔230の上記内端231まで移動する(図3の状態)。
【0034】
また、第2の上記接続部材200を上記第2の電池セル100の上記電極端子110に対して、上記突出方向からみて上記第2の接続部材200の上記貫通孔210が上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記先端部113に合う向きに位置づけ(図4の状態)、上記第2の接続部材200を上記第2の電池セル100の上記端面101に近づけると、上記貫通孔210が上記先端部113を通過して上記軸部112に嵌まり、上記第2の接続部材200が上記第1の接続部材200に載る。そして、上記第2の接続部材200を、上記軸部112を中心に回動させると、上記第2の接続部材200の上記長孔230の上記外端232に第1の電池セル100の上記電極端子110の上記軸部112が嵌まり、さらに相対的に上記軸部112が上記長孔230に沿って上記長孔230の上記内端231まで移動する(図1の状態)。
【0035】
そうすると、内側に位置した上記第1の接続部材200における上記貫通孔210の上記周囲部220と、外側に位置した上記第2の接続部材200における上記長孔230の上記内端231の上記周囲部240とが重なって上記第1の電池セル100の上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113との間に挟持されると共に、内側に位置した上記第1の接続部材200における上記長孔230の上記内端231の上記周囲部240と、外側に位置した上記第2の接続部材200における上記貫通孔210の上記周囲部220とが重なって上記第2の電池セル100の上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113との間に挟持される。これによって、上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の上記電極端子110とが上記二つの接続部材200によって機械的に且つ電気的に接続される。
【0036】
その場合、上記電池セルの接続構造は、上記二つの電池セル100と上記二つの接続部材200とにより構成され、しかも上記二つの接続部材200は同一の構成であるので、上記電池セルの接続構造の構成部材の種類が上記背景技術の場合よりも減る。また、上記二つの接続部材200の各端201、202が上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113との間でそれぞれ挟持されるので、上記電極端子110と上記接続部材200との接触圧力が確保されて電気抵抗が低減されると共に、上記接続部材200の上記電極端子110へのロックが確実に行われる。
【0037】
上記本発明の電池セルの接続構造では、上記各電極端子の上記先端部は、上記突出方向からみて外縁の少なくとも一部が上記軸部から食み出ていると共に上記外縁が円とは異なる形状に形成されておればよい。また、上記貫通孔は上記突出方向にみて上記軸部の外縁と上記先端部の上記外縁とを合成した形状と同一の形状に形成されておればよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態及びその変形例の電池セルの接続構造は、上記先端部113の上記外縁113a及び上記貫通孔210の周縁211が、上記突出方向からみて楕円形に形成されている。このようにすれば、上記突出方向からみて上記先端部113の少なくとも上記楕円の長径側が上記軸部112から食み出ることになる。これによって上記先端部及び上記貫通孔の具体的な形状の一例を示すことができた。
【0038】
上記本発明の電池セルの接続構造では、上記ロック部を設けない実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態及びその変形例の電池セルの接続構造は、上記接続部材200の上記外縁203には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材200の上記外縁203に掛かるロック部250が設けられている。このようにすれば、上記ロック部250が上記相手の接続部材200の上記外縁203に掛かるので、上記二つの接続部材200がそれぞれ上記軸部112を中心にして回動することが阻止されることから、上記接続部材200の上記電極端子110へのロックを更に確実に行うことができる。
【0039】
上記本発明の電池セルの接続構造では、上記凸部を設けない実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態及びその変形例の電池セルの接続構造は、上記接続部材200の上記両端201、202の間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材200に当たる凸部260が設けられている。このようにすれば、上記二つの接続部材200の両端201、202が上記電極端子110の上記土台部111と上記先端部113との間でそれぞれ挟持されると共に、上記各凸部260が上記二つの接続部材200の間に割り込むので、上記各接続部材200がそれぞれ上記両端201、202の間で湾曲するように弾性変形して上記挟持力が増すことから、上記電極端子110と上記接続部材200との接触圧力が向上して電気抵抗が更に低減されると共に、上記接続部材200の上記電極端子110へのロックが更に確実に行われる。
【0040】
図13は本発明の電池セルの接続構造の第2の実施形態を示す。上記実施形態では電池セル100を二つ用いたが、この実施形態では第1ないし第3の三つの上記電池セル100が一列に並べられていて、これらの電池セル100に本発明の上記電池セルの接続構造が適用されている。そして、隣り合って並べられた上記第1及び第2の二つの電池セル100における上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の電極端子110とが上記二つの接続部材200により接続されている。また、隣り合って並べられた上記第2及び第3の二つの電池セル100における上記第2の電池セル100の上記電極端子110と上記第3の電池セル100の電極端子110とが上記二つの接続部材200により接続されている。これによって上記三つの電池セル100が直列接続されている。よって、この第2の実施形態の電池セルの二つの接続構造には、以上で説明した上記第1の実施形態及びその変形例、並びに上記種々の実施形態の電池セルの接続構造の構成をそのまま引用する。
【0041】
上記第1及び第2の二つの電池セル100における上記電池セルの接続構造と、上記第2及び第3の二つの電池セル100における上記電池セルの接続構造は、それぞれ上記第1の実施形態の場合と同一である。すなわち、概要を説明すると、上記第1及び第2の二つの電池セル100における上記電池セルの接続構造は、互いに平行になるように端面101からそれぞれ突出して設けられた異極一対の柱状の電極端子110を有して隣り合って並べられた第1及び第2の二つの電池セル100における上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の上記電極端子110とを接続する電池セルの接続構造である。上記各電極端子110は、それぞれ、上記端面101に設けられた土台部111と、この土台部111から上記突出方向に延びる軸部112と、この軸部112から上記突出方向に延びる先端部113とを備え、上記先端部113は、上記突出方向からみて外縁113aの少なくとも一部が上記軸部112から食み出ていると共に上記外縁113aが円とは異なる形状に形成されており、上記第1の電池セル100の上記電極端子110と上記第2の電池セル100の上記電極端子110とが、導電性材料により形成された同一構成の二つの接続部材200により接続されており、上記各接続部材200は、それぞれ、一端側に設けられた貫通孔210と、他端側に設けられた長孔230とを備え、上記貫通孔210は上記突出方向にみて上記軸部112の外縁112aと上記先端部113の上記外縁113aとを合成した形状と同一の形状に形成されており、上記長孔230は内端231が上記軸部112が収まる形状に形成され、外端232が上記両端間の外縁203に至るように形成されており、上記二つの接続部材200は、向かい合わせになると共に各端201、202においてそれぞれ上記貫通孔210と上記長孔230の上記内端231とが重なって上記電極端子110に嵌まるように配置されて、上記各端201、202において上記貫通孔210の周囲部220と上記長孔230の上記内端231の周囲部240とが上記土台部111と上記先端部113とに挟持されており、上記各接続部材200を、それぞれ、上記貫通孔210が嵌まった上記軸部112を中心に回動させると、当該接続部材200の上記長孔230に嵌る上記軸部112が相対的に当該長孔230に沿って当該長孔230の上記外端232まで移動することで当該軸部112が上記接続部材200から外れると共に、上記突出方向からみて当該接続部材200の上記貫通孔210に、当該貫通孔210が嵌る上記軸部112の上記外縁112aと当該軸部112から延びる上記先端部113の上記外縁113aとが収まるように構成している。また、上記先端部113の上記外縁113a及び上記貫通孔210の周縁211が、上記突出方向からみて楕円形に形成されている。さらに、上記接続部材200の上記外縁203には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材200の上記外縁203に掛かるロック部250が設けられている。また、、上記接続部材200の上記両端間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材200に当たる凸部260が設けられている。
【0042】
また、上記第2及び第3の二つの電池セル100における上記電池セルの接続構造は、互いに平行になるように端面101からそれぞれ突出して設けられた異極一対の柱状の電極端子110を有して隣り合って並べられた第2及び第3の二つの電池セル100における上記第2の電池セル100の上記電極端子110と上記第3の電池セル100の上記電極端子110とを接続する電池セルの接続構造である。上記各電極端子110は、それぞれ、上記端面101に設けられた土台部111と、この土台部111から上記突出方向に延びる軸部112と、この軸部112から上記突出方向に延びる先端部113とを備え、上記先端部113は、上記突出方向からみて外縁113aの少なくとも一部が上記軸部112から食み出ていると共に上記外縁113aが円とは異なる形状に形成されており、上記第2の電池セル100の上記電極端子110と上記第3の電池セル100の上記電極端子110とが、導電性材料により形成された同一構成の二つの接続部材200により接続されており、上記各接続部材200は、それぞれ、一端側に設けられた貫通孔210と、他端側に設けられた長孔230とを備え、上記貫通孔210は上記突出方向にみて上記軸部112の外縁112aと上記先端部113の上記外縁113aとを合成した形状と同一の形状に形成されており、上記長孔230は上記内端231が上記軸部112が収まる形状に形成され、外端232が上記両端間の外縁203に至るように形成されており、上記二つの接続部材200は、向かい合わせになると共に各端201、202においてそれぞれ上記貫通孔210と上記長孔230の上記内端231とが重なって上記電極端子110に嵌まるように配置されて、上記各端201、202において上記貫通孔210の周囲部220と上記長孔230の上記内端231の周囲部240とが上記土台部111と上記先端部113とに挟持されており、上記各接続部材200を、それぞれ、上記貫通孔210が嵌まった上記軸部112を中心に回動させると、当該接続部材200の上記長孔230に嵌る上記軸部112が相対的に当該長孔230に沿って当該長孔230の上記外端232まで移動することで当該軸部112が上記接続部材200から外れると共に、上記突出方向からみて当該接続部材200の上記貫通孔210に、当該貫通孔210が嵌る上記軸部112の上記外縁112aと当該軸部112から延びる上記先端部113の上記外縁113aとが収まるように構成している。また、上記先端部113の上記外縁113a及び上記貫通孔210の周縁211が、上記突出方向からみて楕円形に形成されている。さらに、上記接続部材200の上記外縁203には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材200の上記外縁203に掛かるロック部250が設けられている。また、上記接続部材200の上記両端間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材200に当たる凸部260が設けられている。それぞれの上記電池セルの接続構造が発揮する作用及び効果は、上記第1の実施形態の場合と同様である。
【0043】
本発明の電池セルの接続構造は、以上で説明した各実施形態及びその変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。したがって、他の実施形態として、例えば上記各実施形態及びその変形例において上記接続部材に上記ロック部を設けない電池セルの接続構造、上記各実施形態及びその変形例において上記接続部材に上記凸部を設けない電池セルの接続構造、上記各実施形態及びその変形例において上記接続部材に上記ロック部も上記凸部も設けない電池セルの接続構造が含まれる。さらに、以上で説明した各実施形態及びその変形例は本発明の電池セルの接続構造のいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態及びその変形例の記載によって本発明の電池セルの接続構造が限定解釈されることはない。
【符号の説明】
【0044】
100 電池セル
101 端面
110 電極端子
111 土台部
112 軸部
112a 外縁
113 先端部
113a 外縁
200 接続部材
201 一端
202 他端
203 両端間の外縁
210 貫通孔
211 周縁
220 周囲部
230 長孔
231 内端
232 外端
240 周囲部
250 ロック部
260 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行になるように端面からそれぞれ突出して設けられた異極一対の柱状の電極端子を有して隣り合って並べられた第1及び第2の二つの電池セルにおける上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とを接続する電池セルの接続構造であって、
上記各電極端子は、それぞれ、上記端面に設けられた土台部と、この土台部から上記突出方向に延びる軸部と、この軸部から上記突出方向に延びる先端部とを備え、上記先端部は、上記突出方向からみて外縁の少なくとも一部が上記軸部から食み出ていると共に上記外縁が円とは異なる形状に形成されており、
上記第1の電池セルの上記電極端子と上記第2の電池セルの上記電極端子とが、導電性材料により形成された同一構成の二つの接続部材により接続されており、
上記各接続部材は、それぞれ、一端側に設けられた貫通孔と、他端側に設けられた長孔とを備え、上記貫通孔は上記突出方向にみて上記軸部の外縁と上記先端部の上記外縁とを合成した形状と同一の形状に形成されており、上記長孔は内端が上記軸部が収まる形状に形成され、外端が上記両端間の外縁に至るように形成されており、
上記二つの接続部材は、向かい合わせになると共に各端においてそれぞれ上記貫通孔と上記長孔の上記内端とが重なって上記電極端子に嵌まるように配置されて、上記各端において上記貫通孔の周囲部と上記長孔内端の周囲部とが上記土台部と上記先端部とに挟持されており、
上記各接続部材を、それぞれ、上記貫通孔が嵌まった上記軸部を中心に回動させると、当該接続部材の上記長孔に嵌る上記軸部が相対的に当該長孔に沿って当該長孔の上記外端まで移動することで当該軸部が上記接続部材から外れると共に、上記突出方向からみて当該接続部材の上記貫通孔に、当該貫通孔が嵌る上記軸部の上記外縁と当該軸部から延びる上記先端部の上記外縁とが収まるように構成した電池セルの接続構造。
【請求項2】
上記先端部の上記外縁及び上記貫通孔の周縁が、上記突出方向からみて楕円形に形成されている請求項1の電池セルの接続構造。
【請求項3】
上記接続部材の上記外縁には、上記突出方向に立ち上がり、上記相手の接続部材の上記外縁に掛かるロック部が設けられている請求項1又は請求項2の電池セルの接続構造。
【請求項4】
上記接続部材の上記両端間には、上記突出方向に突出して上記相手の接続部材に当たる凸部が設けられている請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項の電池セルの接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−8581(P2013−8581A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140879(P2011−140879)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】