説明

電池

【課題】セパレータの厚みを薄くしても短絡の危険性がなく、高い出力を達成することができる電池を提供すること。
【解決手段】正極集電体1と、電解質溶液を有する正極側セル5と、略蛇腹状のセパレータ4と、電解質溶液を有する負極側セル6と、負極集電体2とをこの順序で配置する。正極側セル5内に、セパレータ4に接する正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布7とこの不織布7に接する正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォーム8とをこの順序で配置し、負極側セル6内に、セパレータ4に接する負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布9とこの不織布9に接する負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォーム10とをこの順序で配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池に関し、特に、高い出力を達成することができる電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電池の正極と負極とを分離して短絡を防止するとともに電解質溶液を保持して電池反応を円滑に行わせるために、正極と負極との間には、正極活物質と負極活物質が反対側の電極へ移動することがないようにこれら正極と負極を完全に分離し、電池の内部短絡を防止することができるイオン透過性の良好なセパレータが設置されている。近年、電子機器の小形軽量化に伴って、電池の占めるスペースも狭くなっているにも関わらず、電池には従来以上の性能を要求されることがあるため、電池の高出力化が必要である。
【0003】
そのためには、電極の活物質量を増やす必要がある。理論的には1グラム当量の活物質は96500クーロンまたは26.8Ahの電気量を発生する(グラム当量とは、反応に1モル量の電子が関与する際の活物質原子または分子の重量である)。電気化学反応に関与する電極活物質に基づく電池の理論容量は、反応物質の当量によって算出でき、例えば、Zn/Cl2電池の理論容量は、次式で示される。
【0004】
Zn(1.22g/Ah)+Cl2(1.32g/Ah) → ZnCl2(2.54g/Ah)
従って、電極活物質量を増やすことは電池の出力を増加する上において好ましいことである。また、厚みの薄いセパレータを使用すると、イオンの拡散距離が短くなり、良好なイオン拡散を達成して出力を増加することができる点で好ましい。しかし、これらの方法には次のような問題がある。
【0005】
すなわち、活物質の充填量を一定以上に増加させることにより活物質が過密充填状態になると、所定量の電解質溶液を注入することができず、イオンの拡散抵抗が大きくなり、電池反応を円滑に行うことができなくなる。そこで、むやみに活物質の充填量を増やすことはできない。
【0006】
一方、セパレータは電気化学反応に寄与しない電池材料であるという観点から、現実には、ポリオレフィン不織布が用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。また、ニッケル水素電池の場合、負極としては集電体のパンチングメタルの表面に水素吸蔵合金粉末のメッキ層を有するものが用いられることが多く、正極としては集電体の発泡状多孔体(ニッケルフォーム)に水酸化ニッケルを含浸させたものが用いられることが多い。しかし、不織布のような構造のセパレータは薄くすると強度が低下するので、パンチングメタルからなる負極とニッケルフォームからなる正極の間にセパレータを介装して三次元電池とすれば、成形工程においてパンチングメタルやニッケルフォームの表面に形成された突起などによってセパレータが切断され、あるいはセパレータを突き破るなどして正・負極間で短絡する危険性がある。
【特許文献1】特開2005−71788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、活物質の充填量には一定の限界がある。また、電池の容量を向上する上においてセパレータの厚みを薄くすることは好ましいことであるが、短絡を避けるために、比較的厚いセパレータが使用されていた。そのため、セパレータを透過するイオンの拡散距離が長くなって、イオンと活物質との反応が効率的に行われなくなり、高出力が得られないという不都合があった。
【0008】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、セパレータの厚みを薄くしても短絡の危険性がなく、高い出力を達成することができる電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、正極集電体と、電解質溶液を有する正極側セルと、略蛇腹状のセパレータと、電解質溶液を有する負極側セルと、負極集電体とをこの順序で配置してなる電池において、正極側セル内に、上記セパレータに接する正極活物質を含有する略蛇腹状の不織布とこの不織布に接する正極活物質を含有する略蛇腹状の成形体とをこの順序で配置し、負極側セル内に、上記セパレータに接する負極活物質を含有する略蛇腹状の不織布とこの不織布に接する負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体とをこの順序で配置したことを特徴としている。
【0010】
本発明の電池は、正極活物質を含有する成形体とセパレータの間に活物質を含有する不織布を配するとともに負極活物質を含有する成形体とセパレータの間に活物質を含有する不織布を配したので、繊維をふんわりと重ねたような状態である不織布の緩衝作用によって、成形体上の異物(成形時に形成される突起など)がセパレータを切断・破損して正・負極間で短絡する危険性を抑えることができる。従って、セパレータの厚みを薄くすることが可能である。しかも、その不織布は活物質を含有しているので、電池の容量を大きくすることができ、出力が増加する。さらに、電池の外形は従前と同じものを使用することができるので、電池の製造コストを低減することができる。
【0011】
その上、本発明の電池は、正極活物質を含有する成形体と不織布とセパレータ並びに負極活物質を含有する成形体と不織布とセパレータが互いに略蛇腹状の反応界面で接触しているので、反応サイトが増大され、増大された反応サイトを通して正極から負極へ、あるいは負極から正極へ多量のイオンが移動し、次に説明するように充電または放電を行い、高出力を達成することができる。
【0012】
例えば、充電時には、電池が発電手段と接続されると、発電手段から負極集電体を通して負極側に電子が供給され、負極活物質が電子を受容することによって発生した陰イオンはセパレータを通過して正極活物質と反応して電子を放出する。この電子は正極集電体に移動して発電手段に供給される。
【0013】
一方、放電時には、電池が負荷手段と接続されると、負荷手段から正極集電体を通して正極側に電子が供給され、正極活物質が電子を受容することによって発生した陰イオンはセパレータを通過して負極活物質と反応して電子を放出する。この電子は負極集電体に移動して負荷手段に供給される。
【0014】
そして、本発明の電池は、正極活物質を含有する成形体と不織布とセパレータ並びに負極活物質を含有する成形体と不織布とセパレータが互いに略蛇腹状の反応界面で接触しているので、反応サイトが増大し且つイオン拡散距離が短くなって良好なイオン拡散が得られるとともに多量に電子が放出されることによって高出力が得られるのである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、セパレータの厚みを薄くしても短絡の危険性がない巧みな手段を採用することにより、高い出力を達成することができる電池を提供しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0017】
図1は、本発明の電池の一実施形態の概略構成を示す断面図である。1は正極集電体、2は負極集電体、3は絶縁体である。これらで囲まれたセル内には電解質溶液(KOH、NaOH、LiOHなど)が満たされ、そのセルはイオン透過性の略蛇腹状のセパレータ4によって正極側セル5と負極側セル6に2分割されている。正極側セル5内には、セパレータ4に全面的に接する正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布7が配され、さらに、不織布7に全面的に接するとともに正極集電体1に部分的に接する正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8が配されている。負極側セル6内には、セパレータ4に全面的に接する負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布9が配され、さらに、不織布9に全面的に接するとともに負極集電体2に部分的に接する負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10が配されている。11は負荷手段(電池が放電の場合)または発電手段(電池が充電の場合)であり、正極集電体1と配線12により接続され、負極集電体2と配線13により接続されている。
【0018】
本発明において、略蛇腹状の不織布および略蛇腹状の成形体とは、ひだ(折り目)を有する不織布および成形体をいい、図1に示す形状のものに限定されない。
【0019】
正極集電体1および負極集電体2としては、アルカリ電解液中で腐食など変質せず、イオンが通過しなくて電気伝導性があるもの、例えば、ニッケル金属板、ニッケル金属箔、炭素板、鉄やステンレス鋼にニッケルメッキした鋼板、炭素板にニッケルメッキしたものなどが使用可能である。
【0020】
セパレータ4としては、アルカリ電解液中で腐食など変質せず、電気的絶縁が可能で、イオンが通過するもの、例えば、四フッ化エチレン樹脂、ポリエチレン、ポルプロピレン、ナイロンなどの織物や不織布またはメンブレンフィルターなどが使用可能である。
【0021】
活物質の材料としては、電池の種類や正極・負極を問わず、すべての活物質材料を使用することができる。一例として、ニッケル水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同電池の負極活物質である水素吸蔵合金などを用いることができる。水素吸蔵合金の一例としては、La0.8(Ce、Nd)0.15Zr0.05Ni3.8Co0.8Al0.5を用いることができる。
(1)正極活物質を含有する略蛇腹状の不織布7と負極活物質を含有する略蛇腹状の不織布9の製造
正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布7と負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布9は、例えば、以下のようにして製造することができる。
(a)抄紙法
紙を作る場合と同じように、ポリプロピレン短繊維(6mm以下)と正極または負極活物質を水中に懸濁し、ネットで漉き上げてウェブを作り、このウェブを脱水し加熱ドラムで乾燥させた後、熱または接着樹脂で結合することにより活物質含有不織布を得、さらに、その不織布を適切なプリーツ加工機でプリーツ状に加工することにより、図1に示すような正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布7または負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布9を得ることができる。蛇腹状の不織布を得るために、不織布にプリーツ加工を施すのは下記の不織布製造方法に共通である。
(b)スパンボンド法
ポリプロピレンのチップを加熱溶融し、ノズルからポリプロピレンの溶融樹脂流を噴出するときに正極または負極活物質を添加し、溶出したエンドレスのポリプロピレン長繊維をベルトコンベヤの上で何本も重ね合わせることによりウェブを作り、このウェブを熱ロールで溶着することにより活物質含有不織布を得、さらに、その不織布にプリーツ加工を施す。
(c)スパンレース法(水流絡合法)
ポリプロピレン繊維と正極または負極活物質を含有する懸濁液をネットで漉き上げてウェブを作り、高圧水流をそのウェブに当てて繊維同士を交絡することにより活物質含有不織布を得、さらに、その不織布にプリーツ加工を施す。
(d)その他ニードルパンチ法等の公知の不織布製造方法を利用して、正極活物質または負極活物質を含有する略蛇腹状の不織布を得ることができる。
【0022】
不織布の素材としては、ポリプロピレン繊維の他にポリエステル繊維やポリアミド繊維などの化学繊維や羊毛や綿などの天然繊維を用いることができる。また、これらの不織布に活物質を含浸させてプレスして製造することもできる。
(2)正極活物質を含有
する略蛇腹状の成形体8と負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体10の製造
正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8と負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10は次のようにして製造することができる。
(イ)ウレタン発泡体(ウレタンフォーム)へのニッケルメッキ
まず、ウレタンフォームを公知の製法に従って製造し、そのウレタンフォームにパラジウムを付着し、さらに、そのパラジウムを付着したウレタンフォームに電解ニッケルメッキを施すと、ニッケルメッキウレタンフォームが得られる。
(ロ)ニッケルの発泡体(ニッケルフォーム)の製造
そして、そのニッケルメッキウレタンフォームを焼成すると、ウレタンを構成する有機物である炭素と水素はCO2とH2Oに熱分解されるので、ニッケルの発泡体(ニッケルフォーム)が得られる。そのニッケルフォームをさらに水素で還元すると、約90〜95%の気孔率の多孔ニッケルフォームが得られる。
(ハ)活物質の含浸
正極活物質を含有する略蛇腹状の成形体8を得る場合であれば、水酸化ニッケル粉末を含有するスラリーに多孔ニッケルフォームを浸漬することにより、多孔ニッケルフォームに水酸化ニッケルを含浸させることができる。また、負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体10を得る場合であれば、水素吸蔵合金粉末を含有するスラリーに多孔ニッケルフォームを浸漬することにより、多孔ニッケルフォームに水素吸蔵合金を含浸させることができる。
(ニ)ロール状ニッケルフォームの製造
さらに、水酸化ニッケルまたは水素吸蔵合金を含浸したニッケルフォームを乾燥させ、次いで、乾燥後のニッケルフォームを上下2段のロールから構成される圧延機などにより圧延した後にロール状に巻き取って、ロール状ニッケルフォームを得る。
(ホ)プリーツ加工
ロール状ニッケルフォームを適切なプリーツ加工機でプリーツ状に加工することにより、図1に示すような正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8または負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10を得ることができる。
【0023】
負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体10をパンチングメタル(孔あき鋼板)を素材として製造する場合、公知の製法により得たパンチングメタルに水素吸蔵合金粉末を含有するニッケルメッキ液による電解メッキを施すことにより、水素吸蔵合金含有ニッケルメッキ層をパンチングメタルの表面に形成し、次いで、そのパンチングメタルを適切なプリーツ加工機でプリーツ状に加工することにより、図1に示すような負極活物質を含有する略蛇腹状のパンチングメタルからなる成形体10を得ることができる。
(3)充電および放電
以上のように構成される電池について、充電および放電の機構を説明する。
(充電)
充電時には、図1において、発電手段11から配線13を経て負極集電体2に電子が供給される。電子は、負極集電体2から直接負極活物質を含有する成形体10および不織布9に移動するか、または負極側セル6の電解質溶液を経由して負極活物質を含有する成形体10および不織布9に移動する。成形体10および不織布9の負極活物質が電子を受容することによって発生した陰イオンは略蛇腹状のセパレータ4を通過して正極活物質を含有する不織布7および成形体8に移動して正極活物質と反応して電子を放出する。この電子は直接正極集電体1に移動するか、または正極側セル5の電解質溶液を経由して正極集電体1に移動する。この電子は配線12を経由して発電手段11に供給される。
(放電)
放電時には、図1において、負荷手段11から配線12を経て正極集電体1に電子が供給される。電子は、正極集電体1から直接正極活物質を含有する成形体8および不織布7に移動するか、または正極側セル5の電解質溶液を経由して正極活物質を含有する成形体8および不織布7に移動する。成形体8および不織布7の正極活物質が電子を受容することによって発生した陰イオンは略蛇腹状のセパレータ4を通過して負極活物質を含有する不織布9および成形体10に移動して負極活物質と反応して電子を放出する。この電子は直接負極集電体2に移動するか、または負極側セル6の電解質溶液を経由して負極集電体2に移動する。この電子は配線13を経由して負荷手段11に供給される。
【0024】
以上で明かなように、正極活物質を含有する成形体8と不織布7とセパレータ4ならびに負極活物質を含有する成形体10と不織布9とセパレータ4が略蛇腹状の反応界面で接触しているので、反応サイトが増大し且つイオン拡散距離が短くなって良好なイオン拡散が得られるとともに多量に電子が放出されることによって高出力が得られる。
(4)寸法と電池容量の比較
図2は、寸法および電池容量を本発明の電池と比較するための従来の電池の概略構成を示す断面図である。図2に示すように、この従来の電池は、図1に示す電池から不織布7と不織布9を取り除き、正極集電体1と負極集電体2と絶縁体3で囲まれたセル内には電解質溶液を満たすとともに、そのセルはイオン透過性の略蛇腹状のセパレータ4aによって正極側セル5aと負極側セル6aに2分割され、正極側セル5a内には、セパレータ4aに全面的に接するともに正極集電体1に部分的に接する正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8aが配され、負極側セル6a内には、セパレータ4aに全面的に接するとともに負極集電体2に部分的に接する負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10aが配されている。
(イ)電池構成要素の寸法の比較
上記した充電および放電が不都合なく行われることを確認した図1に示す本発明の電池の試作物の寸法は、正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8の厚さは0.65mm、正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布7の厚さは0.125mm、略蛇腹状のセパレータ4の厚さは0.20mm、負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布9の厚さは0.125mm、負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10の厚さは0.33mmであった。
【0025】
また、不織布が存在しない点を除けば、上記した充電および放電と同じような電池反応が行われることを確認した図2に示す従来の電池の試作物の寸法は、正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体8aの厚さは0.65mm、略蛇腹状のセパレータ4aの厚さは0.45mm、負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォームからなる成形体10aの厚さは0.33mmであった。
【0026】
以上のように、本発明によれば、セパレータと活物質含有成形体との間に不織布を介在させることによって、セパレータの厚みを不織布を有しない従来の電池の半分以下にすることができる。
(ロ)電池容量の比較
この実験における正極活物質の理論容量は170Ah/kg、負極活物質の理論容量は240Ah/kgであった。この場合、図2に示す従来の電池の負極容量は900mAh、正極容量は1300mAhであった。一方、図1に示す本発明の電池は、不織布7が正極活物質を含有し、不織布9が負極活物質を含有しているので、負極容量は1000mAh、正極容量は1400mAhであり、負極、正極ともに従来の電池より容量が増加した。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は簡単な構造にして、高い出力を達成することができる電池であるから、工具、玩具、電灯、カメラ、ラジオ、パソコン、ビデオ、携帯電話などの電源として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の電池の一実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】従来の電池の概略構成を示す断面図である
【符号の説明】
【0029】
1 正極集電体
2 負極集電体
3 絶縁体
4 セパレータ
5 正極側セル
6 負極側セル
7 正極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布
8 正極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォーム
9 負極活物質を含有する略蛇腹状のポリプロピレン繊維の不織布
10 負極活物質を含有する略蛇腹状のニッケルフォーム
11 負荷手段(電池が放電の場合)又は発電手段(電池が充電の場合)
12 配線
13 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電体と、電解質溶液を有する正極側セルと、略蛇腹状のセパレータと、電解質溶液を有する負極側セルと、負極集電体とをこの順序で配置してなる電池において、
正極側セル内に、上記セパレータに接する正極活物質を含有する略蛇腹状の不織布とこの不織布に接する正極活物質を含有する略蛇腹状の成形体とをこの順序で配置し、
負極側セル内に、上記セパレータに接する負極活物質を含有する略蛇腹状の不織布とこの不織布に接する負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体とをこの順序で配置したことを特徴とする電池。
【請求項2】
正極活物質を含有する略蛇腹状の成形体がニッケルフォームからなり、負極活物質を含有する略蛇腹状の成形体がニッケルフォームまたはパンチングメタルからなる請求項1記載の電池。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−41523(P2008−41523A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216643(P2006−216643)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】