説明

電波探知装置

【課題】同一種類のレーダ機器が複数種類の航空機や船舶に搭載されることが多いため、探知目標の情報と既知のプラットフォーム情報のみから搭載母体(プラットフォーム)を推定することは困難であった。
【解決手段】レーダ機器より発射された到来電波を分析し、この分析結果とレーダ波諸元ライブラリを比較照合してレーダ機器を推定するレーダ波電波諸元識別照合回路4と、同じ搭載母体の通信機器より発射された到来電波を分析し、この分析結果と通信波諸元ライブラリを比較照合して通信機器を推定する通信波電波諸元識別照合回路8と、推定したレーダ機器と通信機器の両方の情報をプラットフォームライブラリと照合するプラットフォーム識別回路10とを設け、プラットフォーム識別の確実性を向上させたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目標から放射された到来電波を探知し、その電波を放射したレーダ機器の搭載母体を推定する電波探知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の電波探知装置では、探知した目標であるレーダ機器を搭載する航空機や船舶などの搭載母体(以下、プラットフォームと称す)を推定する際、目標のレーダ識別結果によって得られたレーダ機器に基づいてプラットフォームライブラリを参照し、設定されている情報との合致判定を行うことによりプラットフォームの候補を推定していた。
【0003】
上記のような電波探知装置においては、到来電波の諸元を分析し、その電波の発生源であるレーダ機器を推定した結果を用いてプラットフォームの識別を行っているが、同一のレーダ機器が複数の異なるプラットフォームに搭載されていることが十分考えられるため、同一のレーダ機器を搭載した異なるプラットフォームを識別することが困難であるという問題があった。
【0004】
その問題を解決するため、プラットフォーム識別回路で得られたレーダ装置の推定結果を方位更新相関回路に与えて、内部通信情報網から受信した目標の進行方向、進行速度、情報取得時刻の情報に基づいて、到来が予測されるプラットフォームの相対方位の推移を求め、この相対方位の推移と捕捉した目標の電波から分析した目標の方位変化に基づいて、先に推定されたプラットフォームの候補の中から目標を搭載したプラットフォームを特定するようにして、プラットフォームの認識確度を高めるようにしたものがある。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2006−177669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような電波探知装置においては、到来電波の諸元を分析し、その電波の発生源であるレーダ機器を推定するプラットフォーム識別回路以外に、方位更新相関回路などの回路が別に必要となり、高価となっていた。またプラットフォームを特定するのに、目標の方位を用いるものの依然としてレーダ機器の電波諸元のみを利用しており、同一のレーダ機器を搭載した複数のプラットフォームライブラリが存在する状況において、プラットフォーム識別の確実性を更に向上させることは出来ず、それが課題であった。
【0006】
この発明は、このような問題を解決するためのもので、探知目標としてレーダ機器と通信機器の両方を用いることにより、プラットフォームに関する識別の確実性と精度を向上させた電波探知装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電波探知装置は、識別対象のレーダ機器より発射された到来電波を受信して、その電波のレーダ波諸元を検出するレーダ波電波諸元検出回路と、このレーダ波電波諸元検出回路で検出されたレーダ波諸元を、レーダ波諸元ライブラリに蓄積されたデータと照合して上記レーダ機器の種別を推定するレーダ波電波諸元識別照合回路と、上記識別対象の通信機器より発射された到来電波を受信して、その電波の通信波諸元を検出する通信波電波諸元検出回路と、この通信波電波諸元検出回路で検出された通信波諸元を、通信波諸元ライブラリに蓄積されたデータと照合して上記通信機器の種別を推定する通信波電波諸元識別照合回路と、上記レーダ波電波諸元識別照合回路で推定されたレーダ機器の情報、および上記通信波電波諸元識別照合回路で推定された通信機器の情報を、プラットフォームライブラリに蓄積されたデータと比較することにより、上記識別対象のプラットフォームを推定するプラットフォーム識別回路とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る電波探知装置では、プラットフォームを推定する場合に、レーダ機器の情報と通信機器の情報の両方を利用しているため、プラットフォーム識別の確実性を更に向上させことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1の電波探知装置を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施形態1による電波探知装置の構成を示すブロック図、図2はレーダ波諸元のライブラリの一例を示す図、図3は通信波諸元のライブラリの一例を示す図、図4はプラットフォームライブラリの一例を示す図、図5はレーダ波諸元の識別照合回路における動作のフローチャート、図6は通信波諸元の識別照合回路における動作のフローチャート、図7はプラットフォームの識別回路における動作のフローチャートである。
【0010】
図1のブロック図において、アンテナ1は、識別対象の航空機や船舶に搭載された目標のレーダ機器から発射された到来電波であるレーダ波を受信するものである。レーダ波電波諸元検出回路2は、アンテナ1で受信した到来電波を測定および分析し、レーダ波諸元、例えば周波数、周波数モード、帯域幅、パルス繰返し間隔(PRI=Pulse Repetition interval)等を検出する。レーダ波諸元ライブラリ3は、図2に示すように予め各種のレーダ種別に対応した、周波数、帯域、PRIなどの各種レーダ諸元を蓄積して記憶したデータのライブラリである。レーダ波電波諸元識別照合回路4は、レーダ波電波諸元検出回路2で検出した到来電波に対するレーダ波諸元を、レーダ波諸元ライブラリ3に蓄積されたレーダ諸元のライブラリと比較照合を行うことによりレーダ機器の種別を推定し、レーダ波目標データとするものである。
【0011】
一般に航空機や船舶は、レーダ機器の他に自機以外の航空機や船舶あるいは本部と会話などの通信を行なうために通信機器を必ず搭載している。アンテナ5は、このような識別対象の航空機や船舶に搭載された目標の通信機器から発射された到来電波である通信波を受信するものである。通信波電波諸元検出回路6は、アンテナ2で受信した通信波の到来電波を測定および分析し、通信波諸元、例えば周波数、変調方式、帯域幅等を検出する。通信波諸元ライブラリ3は、図3に示すように予め各種の通信機器に対応した、周波数、帯域、変調方式などの各種通信波諸元を蓄積して記憶したデータのライブラリである。通信波電波諸元識別照合回路8は、通信波電波諸元検出回路6で検出した到来電波に対する通信波諸元を、通信波諸元ライブラリ7に蓄積された通信波諸元のライブラリと比較照合を行うことにより通信機器の種別を推定し、通信波目標データとするものである。
【0012】
プラットフォームライブラリ9は、図4に示すように、部隊が所有するプラットフォームとその搭載レーダ機器種類、およびレーダ機器の放射する電波に関する周波数等の諸元と、搭載通信機器種類、および通信機器の放射する電波に関する周波数等の諸元が蓄積されて記憶されているデータのライブラリである。プラットフォーム識別回路10は、レーダ波電波諸元識別照合回路4で推定したレーダ波目標データと、通信波電波諸元識別照合回路8で推定した通信波目標データに対して、プラットフォームライブラリ9に蓄積されたプラットフォームのライブラリと照合してプラットフォームの推定を行うものである。電波諸元結果表示回路11は、レーダ波電波諸元識別照合回路4で識別したレーダ波目標データ、通信波電波諸元識別照合回路8で識別した通信波目標データ、およびプラットフォーム識別回路10で識別したプラットフォームに関する情報を、オペレータが認識可能な状態にして表示するディスプレイである。
【0013】
次に図1を参照して、識別照合回路に関する動作について簡単に説明する。
レーダ波電波諸元識別照合回路4に対しては、レーダ波電波諸元検出回路2によりレーダ波電波を分析した結果として周波数、帯域幅、パルス繰返し間隔(PRI)等の各種諸元が与えられる。レーダ波諸元ライブラリ3は、様々なレーダ機器の諸元情報を保有しており、各レーダ機器がどのような周波数や帯域幅の特徴を持つかをライブラリの形で保持している。このライブラリとレーダ波電波を分析した結果の各種諸元とを比較し、最も多くの諸元の値が合致したレーダ機器を識別結果として出力する。
【0014】
同様に通信波電波諸元識別照合回路8に対しては、通信波電波諸元検出回路6により通信波電波を分析した結果として周波数、帯域幅、変調方式等の各種諸元が与えられる。通信波諸元ライブラリ7は、様々な通信機器の諸元情報を保有しており、各通信機器がどのような周波数や帯域幅の特徴を持つかをライブラリの形で保持している。このライブラリと通信波電波を分析した結果の各種諸元とを比較し、最も多くの諸元の値が合致した通信機器を識別結果として出力する。
【0015】
プラットフォーム識別回路10に対しては、レーダ機器の識別結果と通信機器の識別結果が与えられる。プラットフォームライブラリ9は、ライブラリという形で様々なプラットフォームが搭載しているレーダ機器と通信機器の情報を保有している。プラットフォーム識別回路10は、このライブラリの情報と識別した結果のレーダ機器及び通信機器の情報とを比較し、識別結果として与えられたレーダ機器と通信機器の両方を搭載しているプラットフォームを識別結果として出力する。
【0016】
次に図1における構成について、全体の動作を図5乃至図7に基づいて説明する。
まずレーダ波電波諸元検出回路2において、アンテナ1で受信したレーダ波電波の測定に対する諸元の測定・分析を行う。分析したレーダ波電波の各諸元はレーダ波電波諸元識別照合回路4に入力される。レーダ波電波諸元識別照合回路4では、レーダ波諸元ライブラリ3に保有するレーダ機器諸元のライブラリの要素、すなわち各レーダ機器固有の特徴である周波数、帯域幅、PRI等の値と、分析したレーダ波電波の各諸元の値を比較・照合を行うことによりレーダ機器の種別を推定し、レーダ波目標データとする。
【0017】
このレーダ波電波諸元識別照合回路4における動作を、図5に示すフローチャートに基づき説明する。
ステップS41は、レーダ波電波諸元検出回路2で測定・分析した、周波数・PRI・周波数モードなどのレーダ波電波諸元である。
ステップS42は、分析した周波数について、AAAレーダの周波数範囲に目標の周波数が含まれているか否か判定する。この周波数範囲は図2に示すようにレーダ波諸元ライブラリ3に保有するレーダ機器諸元の上限周波数と下限周波数で決まる。ステップS42において、分析した周波数がAAAレーダの周波数範囲に含まれる(YES)場合は次のステップS43に進む。AAAレーダの周波数範囲に含まれない(NO)場合はステップS44に進む。ステップS43では、分析した周波数がAAAレーダの周波数と合致したとして合致度+1とし、次のステップS44に進む。
【0018】
ステップS44は、分析したPRIについて、AAAレーダのPRI範囲に目標のPRIが含まれているか否か判定する。このPRI範囲は図2に示すようにレーダ波諸元ライブラリ3に保有するレーダ機器諸元の上限PRIと下限PRIで決まる。ステップS44において、分析したPRIがAAAレーダのPRI範囲に含まれる(YES)場合は次のステップS45に進む。AAAレーダのPRI範囲に含まれない(NO)場合はステップS46に進む。ステップS45では、分析したPRIがAAAレーダのPRIと合致したとして合致度+1とし、次のステップS46に進む。
【0019】
ステップS46は、分析した周波数モードについて、AAAレーダの周波数モードと目標の周波数モードが同じか否か判定する。ステップS46において、分析した周波数モードがAAAレーダの周波数モードと同じ(YES)の場合は次のステップS47に進む。AAAレーダの周波数モードが同じでない(NO)場合は次の図示しないステップに進む。ステップS47では、分析した周波数モードがAAAレーダの周波数モードと合致したとして合致度+1とし、次の図示しないステップに進み、他の諸元に対して同様に判定を実行する。
【0020】
ステップS48は、レーダ波電波諸元検出回路2で測定・分析した、レーダ波電波諸元でまだ判定していないレーダがあるか否かを判定し、ない(NO)場合はステップS49に進み、ある(YES)場合はステップS42に戻る。なおステップS42からステップS48までは、判定を保持しているレーダ波諸元ライブラリの全諸元に対して実行する。
ステップS49では、ステップS43、S45、S47などで認定した合致度を合計し、最も合致度の高いレーダを識別候補として出力する。
【0021】
一方、通信波電波諸元検出回路6において、アンテナ5で受信した通信波電波の測定に対する諸元の測定・分析を行う。分析した通信波電波の各諸元は通信波電波諸元識別照合回路8に入力される。通信波電波諸元識別照合回路8では、通信波諸元ライブラリ7に保有する通信機器諸元のライブラリの要素、すなわち各通信機器固有の特徴である周波数、帯域幅、変調方式等の値と、分析した通信波電波の値を比較・照合を行うことにより通信機器の種別を推定し、通信波目標データとする。
【0022】
この通信波電波諸元識別照合回路8における動作を、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
ステップS81は、通信波電波諸元検出回路6で測定・分析した、周波数・帯域・変調方式などの通信波電波諸元である。
ステップS82は、分析した周波数について、AAA通信機の周波数範囲に目標の周波数が含まれているか否か判定する。この周波数範囲は図3に示すように通信波諸元ライブラリ7に保有する通信機器諸元の上限周波数と下限周波数で決まる。ステップS82において、分析した周波数がAAA通信の周波数範囲に含まれる(YES)場合は次のステップS83に進む。AAA通信機の周波数範囲に含まれない(NO)場合はステップS84に進む。ステップS83では、分析した周波数がAAA通信機の周波数と合致したとして合致度+1とし、次のステップS84に進む。
【0023】
ステップS84は、分析した帯域について、AAA通信機の帯域範囲に目標の帯域が含まれているか否か判定する。この帯域範囲は図3に示すように通信波諸元ライブラリ7に保有する通信機器諸元の上限帯域幅と下限帯域幅で決まる。ステップS84において、分析した帯域がAAA通信機の帯域範囲に含まれる(YES)場合は次のステップS85に進む。AAA通信機の帯域範囲に含まれない(NO)場合はステップS86に進む。ステップS85では、分析した帯域がAAA通信機の帯域と合致したとして合致度+1とし、次のステップS86に進む。
【0024】
ステップS86は、分析した変調方式について、AAA通信機の変調方式と目標の変調方式が同じか否か判定する。ステップS86において、分析した変調方式がAAA通信機の変調方式と同じ(YES)の場合は次のステップS87に進む。AAA通信機の変調方式が同じでない(NO)場合は次の図示しないステップに進む。ステップS87では、分析した変調方式がAAA通信機の変調方式と合致したとして合致度+1とし、次の図示しないステップに進み、他の諸元に対して同様に判定を実行する。
【0025】
ステップS88は、通信波電波諸元検出回路6で測定・分析した、通信波電波諸元でまだ判定していない通信機があるか否かを判定し、ない(NO)場合はステップS89に進み、ある(YES)場合はステップS82に戻る。なおステップS82からステップS88までは、判定を保持している通信波諸元ライブラリの全諸元に対して実行する。
ステップS89では、ステップS83、S85、S87などで認定した合致度を合計し、最も合致度の高い通信機を識別候補として出力する。
【0026】
探知したレーダ波目標データと通信波目標データに対して、プラットフォーム識別回路10にて、プラットフォームライブラリ9の要素、すなわち各プラットフォームが保有しているレーダ機器情報と通信機器情報を参照し、探知したレーダ波目標と通信波目標の両方が搭載されているプラットフォームを推定する。
【0027】
このプラットフォーム識別回路10における動作を、図7に示すフローチャートに基づき説明する。
ステップS101は、レーダ波電波諸元識別照合回路4での識別結果として推定されたレーダ機器の情報と、通信波電波諸元識別照合回路7での識別結果として推定された通信機器の情報である。
ステップS102は、推定したレーダ機器について、プラットフォームAはAAAレーダを搭載しているか否か判定する。このプラットフォームは図4に示すようにプラットフォームライブラリ9に保有する搭載レーダ機器で判定する。ステップS102において、プラットフォームAがAAAレーダを搭載している(YES)場合は次のステップS103に進む。プラットフォームAがAAAレーダを搭載していない(NO)場合はステップS104に進む。ステップS103では、AAAレーダがプラットフォームAと合致したとして合致度+1とし、次のステップS104に進む。
【0028】
ステップS104は、推定したレーダ機器について、プラットフォームAはBBBレーダを搭載しているか否か判定する。このプラットフォームは図4に示すようにプラットフォームライブラリ9に保有する搭載レーダ機器で判定する。ステップS104において、プラットフォームAがBBBレーダを搭載している(YES)場合は次のステップS105に進む。プラットフォームAがBBBレーダを搭載していない(NO)場合は図示しない次のステップに進む。ステップS105では、BBBレーダがプラットフォームAと合致したとして合致度+1とし、図示しない次のステップに進む。
以下、同様にステップS102、S103あるいはステップS104,S105の動作を、判定を保持しているプラットフォームライブラリ9の全レーダ機器の諸元に対して実行する。
【0029】
ステップS106は、推定した通信機器について、プラットフォームAはCCC通信機を搭載しているか否か判定する。このプラットフォームは図4に示すようにプラットフォームライブラリ9に保有する搭載通信機で判定する。ステップS106において、プラットフォームAがCCC通信機を搭載している(YES)場合は次のステップS107に進む。プラットフォームAがCCC通信機を搭載していない(NO)場合は図示しない次のステップに進む。ステップS107では、CCC通信機がプラットフォームAと合致したとして合致度+1とし、図示しない次のステップに進む。
以下、同様にステップS106、S107の動作を、判定を保持しているプラットフォームライブラリ9の全通信機器の諸元に対して実行する。
【0030】
ステップS108は、プラットフォームライブラリ9の全諸元に対してまだ判定していないプラットフォームがあるか否かを判定し、ない(NO)場合はステップS109に進み、ある(YES)場合はステップS102に戻る。なおステップS102からステップS108までは、判定を保持しているプラットフォームライブラリの全諸元に対して実行する。
ステップS109では、ステップS103、S105、S107などで認定した合致度を合計し、最も合致度の高いプラットフォームを識別候補として出力する。
【0031】
レーダ波目標だけを利用してプラットフォームの識別を行った場合、同一のレーダ機器を搭載した異なるプラットフォームの識別が困難であるが、同一のレーダ機器を搭載していても異なる通信機器を搭載していることは十分に考えられるため、この発明のように通信波目標データも利用することにより、プラットフォーム識別の確実性を更に向上させることが可能である。
【0032】
プラットフォーム識別回路10で識別したプラットフォームに関する情報は、レーダ波電波諸元識別照合回路4で識別したレーダ波目標データおよび通信波電波諸元識別照合回路8で識別した通信波目標データと共に、電波諸元結果表示回路11において表示される。この装置のオペレータは、電波諸元結果表示回路11に表示されたデータを監視することで、探知したレーダ波目標データ、通信波目標データ、およびプラットフォームに関する情報を認識することが可能である。
【0033】
以上のようにこの発明は、レーダ機器より発射された到来電波を分析し、その電波の発生源であるレーダ機器を推定した結果に加え、通信機器より発射された到来電波を分析し、その電波の発生源である通信機器を推定した結果を用いることで、プラットフォーム識別の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の実施の形態1による電波探知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明に使用されるレーダ波諸元ライブラリの一例を示す図である。
【図3】この発明に使用される通信波諸元ライブラリの一例を示す図である。
【図4】この発明に使用されるプラットフォームライブラリの一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に使用されるレーダ波電波諸元識別照合回路における動作のフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に使用される通信波電波諸元識別照合回路における動作のフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に使用されるプラットフォーム識別回路における動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1:レーダ波受信アンテナ
2:レーダ波電波諸元測定回路
3:レーダ波諸元ライブラリ
4:レーダ波電波諸元識別照合回路
5:通信波受信アンテナ
6:通信波電波諸元検出回路
7:通信波諸元ライブラリ
8:通信波電波諸元識別照合回路
9:プラットフォームライブラリ
10:プラットフォーム識別回路
11:電波諸元結果表示回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別対象のレーダ機器より発射された到来電波を受信して、その電波のレーダ波諸元を検出するレーダ波電波諸元検出回路と、このレーダ波電波諸元検出回路で検出されたレーダ波諸元を、レーダ波諸元ライブラリに蓄積されたデータと照合して上記レーダ機器の種別を推定するレーダ波電波諸元識別照合回路と、上記識別対象の通信機器より発射された到来電波を受信して、その電波の通信波諸元を検出する通信波電波諸元検出回路と、この通信波電波諸元検出回路で検出された通信波諸元を、通信波諸元ライブラリに蓄積されたデータと照合して上記通信機器の種別を推定する通信波電波諸元識別照合回路と、上記レーダ波電波諸元識別照合回路で推定されたレーダ機器の情報、および上記通信波電波諸元識別照合回路で推定された通信機器の情報を、プラットフォームライブラリに蓄積されたデータと比較することにより、上記識別対象のプラットフォームを推定するプラットフォーム識別回路とを備えた電波探知装置。
【請求項2】
プラットフォーム識別回路で推定されたプラットフォームの情報を、レーダ波電波諸元検出回路で検出されたレーダ波諸元および通信波電波諸元検出回路で検出された通信波諸元と共に表示する電波諸元結果表示回路を設けた請求項1に記載の電波探知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−180528(P2008−180528A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12489(P2007−12489)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】