説明

電流出力式検出装置

【課題】消費電力量の増大化を抑制しつつ、電源電圧に変動が生じても検出精度の低下を抑制することができる電流出力式検出装置を提供する。
【解決手段】電流出力式検出装置1は、検出結果に応じて検出電流Ixとして出力する検出回路部4と、その検出回路部4を起動する起動機能部5とを備えている。起動機能部5は、該検出回路部4に対して一定の電流Inとなる電力を供給する電力供給回路部12と、自身に流れる電流量(起動電流Is)を安定化する電流安定回路部13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象となる検出結果に応じて自身を流れる電流量を変化させる電流出力式検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば磁気センサ等の検出装置として、検出結果に応じて自身を流れる電流量を変化させる電流出力式検出装置が知られている。この種の電流出力式検出装置は、個別の信号線を用いて検出信号を出力するタイプの検出装置と比べて、該検出信号を出力するための信号線が不要となるというメリットがある。
【0003】
従来、こうした電流出力式検出装置は、例えば図4に示すような構成をなしている。すなわち、同図に示すように検出装置51は、全体として一つのICチップによって構成され、電力供給源50の陽極側に接続される電源端子Vccと、該電力供給源50の陰極側に接続される接地端子Vssとを備えている。また、検出装置51は、磁気検出素子等によって構成された検出回路部52と、その検出回路部52に対して安定的に電力を供給するための定電流供給回路部53とを備えている。そして、定電流供給回路部53の電源端子が該電源端子Vccに接続され、定電流供給回路部53の接地端子及び検出回路部52の接地端子が接地端子Vssに接続されている。また、定電流供給回路部53の出力端子が検出回路部52の電源端子に接続されている。
【0004】
このため、定電流供給回路部53には検出回路部52に定電流を供給するための起動電流Isが流れるとともに、出力端子から検出回路部52に対して安定した電流が供給されることとなる。また、検出回路部52は、検出対象の有無など、検出結果に応じて自身を流れる電流を検出電流Ixとしてその値を変化させる。すなわち、検出装置51による消費電流Iは、起動電流Isと検出電流Ixとの和となる(I=Is+Ix)。
【0005】
よって、例えば図4に示すように、検出装置51の接地端子Vssと電力供給源50の陰極側との間に低抵抗値の抵抗Rを接続するとともに、その抵抗Rの両端に測定部54を接続して該測定部54によって該抵抗Rの両端電圧を測定することにより、検出装置51の消費電流値Iを間接的に求めることが可能となる。それゆえ、該消費電流値Iに基づいて検出装置51による検出状態を認識可能となる。具体的には、例えば検出回路部52が、検出状態において検出電流Ixの値を大きくし、非検出状態において検出電流Ixの値を小さくする場合等、検出状態と非検出状態とで二値的に検出電流Ixの値を変化させる場合、図5に示すように、Hレベルとなる消費電流Iが検出状態、Lレベルとなる消費電流Iが非検出状態となる。したがって、測定部54は、こうした検出装置51の消費電流IがHレベルに相当するかLレベルに相当するかを測定することにより、該検出装置51による検出有無が認識可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このように構成された検出装置51では、装置全体に電力を供給する電力供給源50の電圧に変動が生じると、その電圧変動によって検出装置51を流れる電流量(消費電流I)にも変動が生じてしまう。詳しくは、電力供給源50の電圧に変動が生じると、定電流供給回路部53から検出回路部52に対しては定電流が供給されるため検出電流Ixに変動は生じないものの、該定電流供給回路部53を流れる起動電流Isに変動が生じてしまう。
【0007】
前述したように消費電流値Iは定電流供給回路部53の起動電流Isと検出電流Ixとの和であることから、起動電流Isに変動が生じると消費電流Iの値も変動してしまう。なお、図6に、電力供給源50の電圧に対する検出装置51の消費電流Iの変動傾向の一例を示す。よって、電流出力式検出装置の場合、こうした電源電圧の変動に起因する消費電流量の変動により、測定部54は、検出装置51による検出結果を誤判定してしまうおそれがある。
【0008】
従来、こうした誤判定を抑止するためには、HレベルかLレベルかを判定するための判定閾値に電流変動分のマージンを大きく設定する必要がある。すなわち、図5に示すように、Hレベルの判定閾値Hthの幅と、Lレベルの判定閾値Lthの幅を広く設定することによって消費電流量の変動に対応するとともに、HレベルとLレベルとを区別するための差分Dを広く設定する必要がある。しかしながら、このようにすると、検出装置51の消費電流Iを増やす必要があるため、該検出装置51による消費電力量が増大してしまい、省電力化の観点からは好ましくない。その反面、該マージン(判定閾値Hth,Lth及び差分D)を小さく設定すると、結果として検出精度が低下してしまう。特に、検出結果に応じて検出電流を微小に変化させる素子によって検出回路部52が構成されている場合には、その影響が大きい。
【0009】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力量の増大化を抑制しつつ、電源電圧に変動が生じても検出精度の低下を抑制することができる電流出力式検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、検出結果に応じて自身を流れる電流量を変化させる電流出力式検出装置であって、検出回路部と、その検出回路部を起動する起動機能部とを備え、該起動機能部は、該検出回路部に対して定電圧または定電流となる電力を供給する電力供給回路部と、自身に流れる起動電流を安定化する電流安定回路部とを備えることを要旨とする。
【0011】
上記構成によると、起動機能部に流れる起動電流が電流安定回路部によって安定化される。このため、検出装置に電力を供給する電力供給源に電圧変動が生じても、検出装置全体を流れる電流(消費電流)に変動が生じにくくなる。よって、該電圧変動に起因する検出装置の消費電流のバラツキが抑制され、高い精度で検出結果を得ることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電流出力式検出装置において、前記電力供給回路部は、前記検出回路部に対して定電流を供給する定電流源であることを要旨とする。
【0013】
上記構成によると、電力供給回路部を定電流源とすることにより、検出回路部には常に安定した電流が供給される。このため、温度要因などによって検出回路部の内部インピーダンスに変動が生じたとしても、該検出回路部による検出電流に変動が生じにくくなる。よって、こうした場合においても高い精度で検出結果を得ることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の電流出力式検出装置において、前記電力供給回路部は、前記電流安定回路部に対しても定電流を供給する機能を有することを要旨とする。
【0015】
上記構成によると、電流安定回路部は、電力供給回路部から定電流が供給されることにより、簡単な構成で起動部を流れる電流量を安定化することが可能となる。すなわち、電流安定回路部は、定電流が供給されない場合、起動機能部を流れる起動電流を安定化するためには自身に定電流回路を有している必要がある。しかしながら、電力供給回路部から定電流が供給されることにより、該定電流回路を電流安定回路部に設ける必要がなくなり、電流安定回路部の構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、本発明によれば、消費電力量の増大化を抑制しつつ、電源電圧に変動が生じても検出精度の低下を抑制することができる電流出力式検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
図1(a),(b)に示すように、電流出力式検出装置(以下、単に「検出装置」という)1は、ワンチップICによって構成され、電源端子Vccと接地端子Vssとを備えている。電源端子Vccには該検出装置1に対して電力を供給する電力供給源2の陽極側が接続され、接地端子Vssには測定用抵抗Rを介して電力供給源2の陰極側が接続されている。また、測定用抵抗Rの両端には測定部3が並列接続されている。このため、測定部3は、測定用抵抗Rの両端電圧を測定することにより、検出装置1の消費電流を間接的に測定可能となる。
【0018】
図1(a)に示すように、検出装置1は、磁気検出素子等によって構成された検出回路部4と、その検出回路部4を起動する起動機能部5とを備えている。
本実施形態において起動機能部5は、定電流(電流In)となる電力を検出回路部4に供給する定電流源として機能するとともに、検出回路部4は、起動機能部5から供給される電力により起動し、検出対象の検出結果を検出電流Ixとして出力する。すなわち、検出回路部4は、出力電流量を変化させることにより、検出結果を出力するようになっている。また、起動機能部5には起動電流Isが流れるため、検出装置1の消費電流Iは、起動電流Isと検出電流Ixの総和となる。よって、測定部3は、この消費電流Iを間接的に検出することにより、検出装置1による検出結果を認識可能となる。
【0019】
図1(b)に示すように、起動機能部5は、起動回路部11、電力供給回路部12及び電流安定回路部13に大別される3つの回路部を有している。
起動回路部11は、電力供給回路部12、電流安定回路部13及び検出回路部4を起動する機能を有し、一端が電源端子Vccに接続された第1抵抗R1と、該第1抵抗R1の他端がコレクタに接続されるとともに、エミッタが接地端子Vssに接続されたNPN型の第1トランジスタTr1とによって構成されている。
【0020】
電力供給回路部12は、電流安定回路部13及び検出回路部14に対して定電流となる電力を供給する機能を有し、NPN型の第2トランジスタTr2と、PNP型の第3トランジスタTr3と、第2抵抗R2とによって構成されている。詳しくは、第2トランジスタTr2のベースが第1トランジスタTr1のコレクタに接続されるとともに、コレクタが第3トランジスタTr3のコレクタ及びベースに接続され、エミッタが第2抵抗R2を介して接地端子Vssに接続されている。また、第3トランジスタTr3のエミッタは電源端子Vccに接続されている。
【0021】
電流安定回路部13は、電力供給源2の電圧変動時においても起動機能部5全体に流れる電流量を安定化する機能を有し、前記第3トランジスタTr3と同特性を有する第4トランジスタTr4及び第5トランジスタTr5と、前記第1トランジスタTr1と同特性を有する第6〜第8トランジスタTr8とによって構成されている。
【0022】
詳しくは、第4トランジスタTr4及び第5トランジスタTr5は、ベースが第3トランジスタTr3のベースにそれぞれ接続され、エミッタが電源端子Vccにそれぞれ接続されている。また、第4トランジスタTr4のコレクタは、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7のコレクタと、第7トランジスタTr7及び第8トランジスタTr8のベースとに接続されている。そして、第5トランジスタTr5のコレクタは、検出回路部4の高電位側端子に接続され、該検出回路部4の低電位側端子は接地端子Vssに接続されている。すなわち、第3トランジスタTr3、第4トランジスタTr4及び第5トランジスタTr5によってカレントミラー回路が構成されている。このため、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5の出力電流は、第3トランジスタTr3の出力電流、すなわち電力供給回路部12を流れる電流Inと等しくなる。つまり、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5の出力電流は電流Inとなる。
【0023】
また、該第6〜第8トランジスタTr6Tr8のエミッタは接地端子Vssにそれぞれ接続されるとともに、第8トランジスタTr8のコレクタは電源端子Vccに接続されている。すなわち、第1トランジスタTr1及び第6トランジスタTr6によってカレントミラー回路が構成されるとともに、第7トランジスタTr7及び第8トランジスタTr8によってカレントミラー回路が構成されている。このため、第1トランジスタTr1の出力電流、すなわち起動回路部11を流れる電流i1と、第6トランジスタTr6の出力電流i2とが等しくなる。また、第7トランジスタTr7の出力電流i3と、第8トランジスタTr8の出力電流i4とが等しくなる。
【0024】
次に、このように構成された検出装置1の動作について説明する。
こうした検出装置1では、まず第2トランジスタTr2がON状態となり、電力供給回路部12に定電流Inが流れる。そして、これに伴って他の全てのトランジスタTr1,Tr3〜Tr8がON状態となる。第1トランジスタTr1と第6トランジスタTr6とはカレントミラー回路となっているため、該第6トランジスタTr6の出力電流i2は、第1トランジスタTr1の出力電流i1と等しくなる。
【0025】
一方、第3トランジスタTr3と第4トランジスタTr4及び第5トランジスタTr5とはカレントミラー回路となっているため、第4及び第5トランジスタTr4,Tr5の出力電流は、第3トランジスタTr3の出力電流、すなわち電力供給回路部12を流れる電流Inと等しくなる。よって、検出回路部4には定電流Inとなる電力が供給されることとなる。
【0026】
また、第7トランジスタTr7と第8トランジスタTr8とはカレントミラー回路となっているため、第7トランジスタTr7の出力電流i3と第8トランジスタTr8の出力電流i4とは等しくなる。
【0027】
ここで、第6〜第8トランジスタTr6〜Tr8に供給される電流、すなわち第4トランジスタTr4の出力電流Inは定電流であることから、以下の関係が成り立つ。
「i2=i1、i3=In−i2、i4=i3」
よって、
「i1+i2+i3+i4
=i1+(i1)+(In−i1)+(In−i1)
=2In」
となる。
【0028】
したがって、起動機能部5の起動電流Isは「i1+i2+i3+i4+In」であることから、起動電流Is=3Inとなる。
前述したように、電流Inは定電流であることから、起動電流Isは常に一定の値となる。よって、たとえ電力供給源2の電圧が変動したとしても、起動電流Isに変動は生じにくい。また、検出回路部4に対しても定電流Inとなる電力が起動機能部5から供給されるため、該電力供給源2の電圧変動に起因した検出電流Ixの変動も生じにくい。
【0029】
なお、電力供給源2の電圧変動に起因する本実施形態の検出装置1の消費電流Iの変動傾向と、前述した従来の検出装置51の消費電流Iの変動傾向とを、図2のグラフに示す。同図から明らかなように、本実施形態の検出装置1では、同図に2点鎖線で示す従来の検出装置に比べて、消費電流Iが電力供給源2の電圧変動に起因して変動しにくいことが判る。
【0030】
ところで、例えば図3に示すように、例えば検出回路部4が、検出状態において検出電流Ixの値を大きくし、非検出状態において検出電流Ixの値を小さくする場合等、検出状態と非検出状態とで二値的に検出電流Ixの値を変化させる場合、Hレベルとなる消費電流Iが検出状態、Lレベルとなる消費電流Iが非検出状態となる。したがって、測定部3は、こうした検出装置1の消費電流IがHレベルに相当するかLレベルに相当するかを測定することにより、該検出装置1による検出有無が認識可能となる。
【0031】
ここで、電力供給源2に電圧辺同時においても起動機能部5の起動電流Isは常にほぼ一定となることから、HレベルかLレベルかを判定するための判定閾値(同図に示す判定閾値Hth,Lth)に電流変動分のマージンを大きく設定する必要がない。すなわち、Hレベルの判定閾値Hthの幅と、Lレベルの判定閾値Lthの幅を、従来に比べて狭く設定しても、測定部3は誤判定を生じることがない。また、HレベルとLレベルとを区別するための差分Dも狭く設定することができる。よって、各判定閾値Hth,Lthの値自体を小さく設定することが可能となり、検出装置1による消費電力量を低減可能となる。しかも、検出結果に応じて検出電流を微小に変化させる素子によって検出回路部4を構成した場合おいても、測定部3は、高い精度で該検出結果を認識可能となる。
【0032】
なお、本実施形態において起動電流Isは、Hレベル検出時における検出電流Ixよりも低い値となるように設定されている。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0033】
(1)起動機能部5に流れる電流量、すなわち起動電流Isが電流安定回路部13によって安定化される。このため、電力供給源2に電圧変動が生じても、検出装置1全体を流れる電流量、すなわち消費電流Iに変動が生じにくくなる。よって、該消費電流Iの変動は、検出回路部4による検出結果のみが要因となる。したがって、該電圧変動に起因する検出装置1の消費電流Iのバラツキを抑制することができ、測定部3は高い精度で検出結果を得ることができる。つまり、検出装置1の消費電力量の増大化を抑制しつつ、電力供給源2の電圧に変動が生じても該検出装置1の検出精度の低下を抑制することができる。
【0034】
(2)電力供給回路部12は、検出回路部4に対して定電流を供給する定電流源として機能するため、検出回路部4には常に安定した電流Inが供給される。よって、温度要因などによって検出回路部4の内部インピーダンスに変動が生じたとしても、該検出回路部4による検出電流に変動が生じにくくなる。したがって、こうした場合においても高い精度で検出結果を得ることができる。
【0035】
(3)電力供給回路部12は、電流安定回路部13に対しても定電流(電流In)を供給する機能を有しているため、簡単な構成で起動機能部5の起動電流Isを安定化することができる。すなわち、定電流Inが供給されない場合、電流安定回路部13は、起動電流Isを安定化するために自身に定電流回路を有している必要がある。しかしながら、電力供給回路部12から定電流Inが供給されることにより、該定電流回路を電流安定回路部13に設ける必要がなくなり、電流安定回路部13の構成を簡素化することができる。
【0036】
(4)電力供給源2の電圧変動に起因する検出装置1の消費電流Iのバラツキが抑制されることにより、測定部3によって検出装置1の消費電流Iを認識させる際に、該消費電流Iのバラツキを考慮した判定閾値(例えば前記判定閾値Hth,Lth)を該測定部3に設定する必要がない。このため、測定部3は、検出装置1の検出結果を高精度に検出可能となる。
【0037】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、検出装置1の一例として、検出回路部4が検出結果として検出状態と非検出状態とを示す二値的な検出電流を出力する例を示したが、該検出回路部4は、検出状態を多値的に出力するようになっていたり、リニアな検出電流を出力するようになっていたりしてもよい。
【0038】
・ 前記実施形態において電力供給回路部12は、検出回路部4と電流安定回路部13とに対して定電流を供給するようになっている。しかし、検出回路部4に対して定電流を供給する電力供給回路部と、電流安定回路部13に対して定電流を供給する電力供給回路部とを個別に設けてもよい。
【0039】
なお、このように変更した場合、検出回路部4に対する電力供給回路部は、定電流を供給するものに限らず、定電圧を供給する構成をなすものであってもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0040】
(1) 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流出力式検出装置において、前記起動回路部によって消費される起動電流は、前記検出回路部によって検出される検出電流よりも低い電流量となるように設定されていること。
【0041】
(2) 請求項1〜3、上記(1)のいずれか1項に記載の電流出力式検出装置において、前記起動機能部は、カレントミラー回路を用いて構成されていること。
(3) 請求項1〜3、上記(1),(2)のいずれか1項に記載の電流出力式検出装置において、前記検出回路部は、検出結果として、検出状態と非検出状態とを示す二値的な検出電流を出力すること。この(3)に記載の技術的思想によれば、検出状態における消費電流値と非検出状態における消費電流値との差を小さく設定することができるため、検出装置の電力消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の検出装置の概略構成を示すブロック図、(b)は同検出装置の構成を示す回路図。
【図2】電力供給源の電圧変動に対する同実施形態の検出装置の消費電流の変動傾向を従来と比較して示すグラフ。
【図3】同実施形態の検出装置に対する測定閾値の一例を従来と比較して示すグラフ。
【図4】従来の検出装置の概略構成を示すブロック図。
【図5】電力供給源の電圧変動に対する従来の検出装置の消費電流の変動傾向を示すグラフ。
【図6】同実施形態の検出装置に対する測定閾値の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
【0043】
1…電流出力式検出装置(検出装置)、2…電力供給源、3…測定部、4…検出回路部、5…起動機能部、11…起動回路部、12…電力供給回路部、13…電流安定回路部、In…定電流、Is…起動電流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出結果に応じて自身を流れる電流量を変化させる電流出力式検出装置であって、
検出回路部と、その検出回路部を起動する起動機能部とを備え、
該起動機能部は、該検出回路部に対して定電圧または定電流となる電力を供給する電力供給回路部と、自身に流れる起動電流を安定化する電流安定回路部とを備えることを特徴とする電流出力式検出装置。
【請求項2】
前記電力供給回路部は、前記検出回路部に対して定電流を供給する定電流源であることを特徴とする請求項1に記載の電流出力式検出装置。
【請求項3】
前記電力供給回路部は、前記電流安定回路部に対しても定電流を供給する機能を有することを特徴とする請求項2に記載の電流出力式検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−156997(P2007−156997A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354017(P2005−354017)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】