説明

電源ユニットを具えた装置の冷却装置

【課題】部品点数を少なくして製造コストを低下させ、しかも騒音を可及的に防止する電源ユニットを具えた装置の冷却装置を提供する。
【解決手段】電源ユニット2を具えた装置(例えば画像形成装置101)の冷却装置1は、電源ユニット2を具えた装置本体3と、装置本体3に取り付けられるオプションユニット11とを有し、オプションユニット11は、冷却ファン16を内部に配置して、装置本体3に取り付けた場合に冷却ファン16から送りだされた風を電源ユニット2へ案内するガイド12を具え、装置本体3に取り付けたオプションユニット11の冷却ファン16によって、装置本体3内の電源ユニット2を冷却するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源ユニットを具えた装置の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電源ユニットを具えた装置では、電源ユニットによって発生した熱を冷却させることが重要である。たとえば、この電源ユニットを具えた装置には、画像形成装置がある。
電源ユニットを具えた装置は、電源ユニットを具えた装置本体と、該装置本体に後付けされるオプションユニットとを具えている。
このオプションユニットは使用者の求めに応じて装置本体に対し着脱自在に取り付けられる構成となっており、複数のオプションユニットを装置本体に対し取り付けることができる構成となっている。
なお、オプションユニットには、各種機能を有するオプションユニット、たとえば、画像形成装置のオプションユニットとして、ソータ、自動給紙装置、両面記録モードを使用する場合に記録紙を反転させるスイッチバック装置等を具えたオプションユニットがある。
【0003】
また、電源ユニットを具えた装置の電源ユニットには、装置本体内の各種機器又はオプションユニットを駆動するモータ又はソレノイドプランジャ等の発熱体が配設されている。たとえば、画像形成装置の電源ユニットには、装置本体内の定着装置の加熱ローラ、用紙搬送用モータ、オプションユニットその他の各種機器を駆動するソレノイドプランジャ等の発熱体が配設されている。
【0004】
電源ユニットは、該電源ユニットを具えた装置の装置本体に対し取り付けられるオプションユニットが増えるほど発熱体の消費電力が増加して電源ユニットの発熱体の温度が上昇する。
このため、電源ユニットを具えた装置は、装置本体に取り付けられるオプションの最大数を決め、該最大数のオプションユニットが装置本体に取り付けられた場合に実現される最大消費電力に備えた電源ユニット専用冷却ファンを要している。
従来、この電源ユニット専用冷却ファンを装置本体内に設置して、装置本体内で電源ユニットの発熱体によって発生した熱を、電源ユニット専用冷却ファンを介して、装置本体の外又はオプションユニットの外へ案内するようにしていた(例えば引用文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−250459号公報
【特許文献2】特開2000−206747号公報
【特許文献3】特開2007−310226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、電源ユニットを具えた装置では、オプションユニットを装置本体に取り付けずに装置本体のみを使用することがあり、オプションユニットを装置本体に取り付けずに装置本体のみを使用する使用者にとっては、装置本体内に配設された電源ユニット専用冷却ファンは、無用に配設されたものであり、この電源ユニット専用冷却ファンの分、部品点数が多くなって製造コストが高くなり、また電源ユニット専用冷却ファンを設ける分、騒音となる。
【0007】
上述した事情に鑑み、本発明は、部品点数を少なくして製造コストを低下させ、しかも騒音を可及的に防止する電源ユニットを具えた装置の冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明の電源ユニットを具えた装置の冷却装置は、電源ユニットを具えた装置本体と、前記装置本体に取り付けられるオプションユニットとを有し、前記オプションユニットは、冷却ファンを内部に配置し、前記装置本体に取り付けた場合に前記冷却ファンから送りだされた風を前記電源ユニットへ案内するガイドを具え、前記装置本体に取り付けた前記オプションユニットの前記冷却ファンによって、前記装置本体内の前記電源ユニットを冷却するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明の電源ユニットを具えた装置の冷却装置は、請求項1の発明において、前記オプションユニットが複数積み重ねられて前記装置本体に取り付けられた場合に、前記複数のオプションユニットの前記ガイドが連続して配設され、これにより前記装置本体の前記電源ユニットに案内される風は、前記複数のオプションユニットの前記冷却ファンに連続して送りだされた風であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明の電源ユニットを具えた装置の冷却装置は、請求項1又は請求項2の各発明において、前記オプションユニットの前記ガイドは、内部に前記冷却ファンが配置された中空の通路と、当該中空の通路の一端部であって前記冷却ファンに対し前記装置本体側と反対側のオプションユニットに形成され、前記中空の通路内に空気を案内する通気口と、前記中空の通路の他端部であって、前記冷却ファンに対し前記装置本体側のオプションユニットに形成され、前記中空の通路内の空気を該オプションユニットの外へ案内するダクトと、前記冷却ファンに対し前記装置本体側と反対側であって前記中空の通路に形成され、前記中空の通路内に空気を案内する吸気口と、前記通気口を開閉する両方向に回転自在な蓋体とを具え、前記オプションユニットの前記ガイドは、前記オプションユニットを前記装置本体に取り付けた場合には、前記装置本体の前記電源ユニットに向けて配置され、前記オプションユニットを別のオプションユニットに取り付けた場合には、前記オプションユニットの前記ダクトが前記別のオプションユニットの前記蓋体を一方向に回転させ該蓋体によって前記別のオプションユニットの前記通気口が開かれるとともに、前記オプションユニットの前記ガイドが前記別のオプションユニットの前記ガイドに向け配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明の電源ユニットを具えた装置の冷却装置は、請求項3の発明において、前記蓋体は、前記一方向に回転した場合に前記通気口を開くとともに前記吸気口を閉じる蓋体であり、前記オプションユニットを前記別のオプションユニットに取り付けた場合に、前記オプションユニットの前記ダクトが、前記別のオプションユニットの前記蓋体を前記一方向に回転させ、該蓋体によって前記別のオプションユニットの前記通気口が開かれるとともに前記別のオプションユニットの前記吸気口が閉じられるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、2、3および4の各発明によれば、部品点数を少なくして製造コストを低下させ、しかも騒音を可及的に防止することが可能となる。
【0013】
また、請求項2、3および4の各発明によれば、複数のオプションユニットが積み重ねられて装置本体に取り付けられた場合に風量増加効果を奏することが可能となり、これにより冷却装置の消費電力の効率が高くなる。
【0014】
また、請求項4の発明によれば、オプションユニットが別のオプションユニットに取り付けられた場合に、該別のオプションユニットの吸気口が蓋体によって閉められないものに比し、風量増加効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明の実施例である、電源ユニットを具えた画像形成装置の冷却装置の概念斜視図である。
【図2】図1の冷却装置の概念正面図である。
【図3】図2の冷却装置のD−D概念断面図である。
【図4】図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する概念断面図であって、装置本体に、オプションユニットを取り付ける前の様子を示す図である。
【図5】オプションユニットの蓋体の構造を示す、オプションユニットの要部拡大概念断面図であり、特に図5(a)は蓋体が一方向に回転する前である初期状態を示し、図5(b)は、蓋体が一方向に回転した様子を示す図である。
【図6】図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、図4の装置本体にオプションユニットを取り付けた後の様子を示す概念断面図である。
【図7】図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、一つのオプションユニットを、装置本体に取り付けられた別のオプションユニットに取り付ける前の様子を示す概念断面図である。
【図8】図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、一つのオプションユニットを、装置本体に取り付けられた別のオプションユニットに取り付けた後の様子を示す概念断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る電源ユニットを具えた装置の冷却装置について、その一実施の形態である、電源ユニットを具えた画像形成装置の冷却装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本願発明の実施例である、電源ユニットを具えた画像形成装置の冷却装置の概念斜視図である。また、図2は図1の冷却装置の概念正面図であり、図3は、図2の冷却装置のD‐D概念断面図である。なお図1乃至後述する図8では、同一部分を同一符号で示している。
【0018】
電源ユニット2を具えた画像形成装置101の冷却装置1は、図1乃至図3で示すように、電源ユニット2を具えた装置本体3と、装置本体3に取り付けられるオプションユニット11とを有している。
この冷却装置1では、オプションユニット11を複数積み重ねるとともに該複数のオプションユニット11を装置本体3に対し取り付けることができる。
なお、画像形成装置101は、通常、装置本体3とオプションユニット11とを具えてなる。
図1乃至図3は、いずれも、オプションユニット11を3つ積み重ねるとともに、該3つのオプションユニット11を装置本体3に取り付けた様子を示している。
【0019】
図3で示すように、装置本体3には各オプションユニット11に冷却ファン16を具えている。しかし、装置本体3には、電源ユニット2の発熱体を冷却する冷却手段は配置されていない。なお、符号F1は、冷却装置1による空気の流れを示している。
【0020】
図4は、図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する概念断面図であって、装置本体に、オプションユニットを取り付ける前の様子を示す図である。
図4で示すように、各オプションユニット11は、内部に冷却ファン16を具えたガイド12を具えている。
このガイド12は中空の通路12aを形成しており、冷却ファン16は中空の通路12a内に配置されている。このガイド12は、後述するように、装置本体3に取り付けた場合に冷却ファン16から送りだされた風を電源ユニット2へ案内する。
【0021】
また、中空の通路12aの一端部には、中空の通路12a内に、ユニットオプション11外の空気を案内する通気口12bが形成されている。この通気口12bは、冷却ファン16に対し、装置本体3が配置される側(以下「装置本体側」という。)と反対側のオプションユニット11に形成されている。
【0022】
また、ガイド12の中空の通路12aの他端部には、中空の通路12a内の空気をオプションユニット11の外へ案内するダクト12cが形成されている。このダクト12cは、冷却ファン16に対し装置本体3側のオプションユニット11に、装置本体3へ向け突出して形成されている。
また、ダクト12cと通気口12bは、冷却ファン16を挟んで互いに対向している。
【0023】
また、オプションユニット11のガイド12には、中空の通路12a内にオプションユニット11外の空気を案内する吸気口12dが形成されている。この吸気口12dは、冷却ファン16に対し装置本体3側と反対側であって中空の通路12aの側面17に形成されている。
【0024】
また、オプションユニット11は、通気口12bを開閉する蓋体18を具えている。この蓋体18は、図5(a)で示すように、オプションユニット11に配設された軸20を中心に両方向に回転する蓋体である。
図5は、オプションユニットの蓋体の構造を示す、オプションユニットの要部拡大概念断面図であり、特に図5(a)は蓋体が一方向に回転する前の状態を示し、図5(b)は、蓋体が一方向に回転した様子を示す図である。
蓋体18は、初期状態では、図4および図5(a)で示すように、蓋体18の自重によってオプションユニット11の通気口12bを覆うとともに、オプションユニット11の吸気口12dに対する覆いを解除している。通気口12bは、蓋体18が通気口12bを覆うことによって、閉じられており、また吸気口12dは、蓋体18が吸気口12dに対する覆いを解除することによって、開かれている。
この蓋体18を軸20を中心に一方向(図5(a)の矢印A方向)に回転した場合には、図5(b)で示すように、蓋体18がオプションユニット11の通気口12bに対する覆いを解除するとともに、オプションユニット11の吸気口12dを覆う。蓋体18が通気口12bに対する覆いを解除することにより、通気口12bは開かれる。また、吸気口12dは、蓋体18が吸気口12dを覆うことにより、閉じられる。
また、図5(b)で示す蓋体18を、軸20を中心に他方向に回転した場合には、図5(a)で示すように、通気口12bが閉じられるとともに吸気口12dが開かれる状態に復帰する。
【0025】
このようなオプションユニット11を装置本体3(図4)に取り付けるには、図6で示すダクト12cを電源ユニット2に形成された開口部2aに嵌め合わせる。
図6は、図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、図4の装置本体にオプションユニットを取り付けた後の様子を示す概念断面図である。
図6で示すように、オプションユニット11を装置本体3に取り付けると、オプションユニット11のガイド12は装置本体3内の、電源ユニット2に向け配置される。
なお、オプションユニット11の通気孔12bは閉じられており、吸気口12dは開かれている。
【0026】
この実施例の冷却装置1では、オプションユニット11が装置本体3に取り付けられた場合には、図6の矢印F2で示すように、オプションユニット11の吸気口12dから案内された外気(空気)が、中空の通路12aによって冷却ファン16に案内され、冷却ファン16から送風された空気は、ダクト12cを介し電源ユニット2に案内されることとなる。
【0027】
次に、複数のオプションユニット11を装置本体3に対し積み重ねた様子について説明する。
図7は、図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、一つのオプションユニットを、装置本体に取り付けられた別のオプションユニットに取り付ける前の様子を示す概念断面図であり、図8は、図3の冷却装置を組み立てる様子を説明する図であって、一つのオプションユニットを、別のオプションユニットに取り付けた後の様子を示す概念断面図である。なお、図7及び図8では、装置本体3の図示を省略している。
【0028】
図7の各オプションユニット11では、図5(a)で示すように、蓋体18によって、それぞれオプションユニット11の通気口12bが閉じられているとともに吸気口12dが開かれている。
図7の一方のオプションユニットを、他方のオプションユニット11(以下、「別のオプションユニット」という。)に取り付けるには、一方のオプションユニットのダクト12cを、別のオプションユニット11の通気口12bに向け配置するとともに、一方のオプションユニット11を別のオプションユニット11に積み重ねる。
すると図8で示すように、一方のオプションユニット11を別のオプションユニット11に取り付けることができる。
【0029】
このように、一方のオプションユニット11が別のオプションユニット11に取り付けられた場合には、一方のオプションユニット11のガイド12が別のオプションユニット11のガイド12に向け配置される。
【0030】
また、一方のオプションユニット11を別のオプションユニット11に取り付ける場合に、一方のオプションユニット11のダクト12cが、別のオプションユニット11の通気口12bを覆う蓋体18を押圧し、これにより該蓋体18を一方向に回転させる。そのため、別のオプションユニット11では、図8および図5(b)で示すように、蓋体18によって通気口12bが開かれる。
したがって、一方のオプションユニット11のダクト12cと別のオプションユニット11の通気口12bとを介し、一方のオプションユニット11のガイド12の中空の通路12aと別のオプションユニット11のガイド12の中空の通路12aとが連続して配設される。
また、別のオプションユニット11では、蓋体18が上記一方向に回転することによって、上述したように通気口12bが開かれるとともに、吸気口12dが閉じられる。
なお、一方のオプションユニット11では、通気口12bが閉じられており、また吸気口12dが開かれている。
【0031】
このように二つのオプションユニット11を積み重ねるとともに装置本体3に取り付けた冷却装置1では、図8の矢印F3で示すように、一方のオプションユニット11の吸気口12dから案内された外気(空気)が、一方のオプションユニット11の中空の通路12aによって、該一方のオプションユニット11の冷却ファン16に案内される。さらにこの冷却ファン16から送りだされた風が、該一方のオプションユニット11のダクト12cおよび別のオプションユニット11の通気口12bを介し、該別のオプションユニット11の中空の通路12aによって、該別のオプションユニット11の冷却ファン16に案内される。さらに、この冷却ファン16から送りだされた風は、該別のオプションユニット11に装着された装置本体3(図3)の電源ユニット2に案内されることとなる。
したがって、装置本体3(図3)の電源ユニット2に案内される風は、一方のオプションユニット11の冷却ファン16と、別のオプションユニット11の冷却ファン16に連続して送りだされた風である。
【0032】
上述した一方のオプションユニット11に、図3で示すように、さらに新たなオプションユニット11を取り付ける場合には、上述した別のオプションユニット11に一方のオプションユニット11を取り付ける手順と同様の手順を行えばよい。
図3で示すように、三つのオプションユニットが積み重ねられて装置本体3に対し取り付けられた場合、各オプションユニット11のガイド12の中空の通路12aは、連続して配置される。また、このうち装置本体3に直接取り付けられたオプション11のガイド12は、装置本体3内の、電源ユニット2に向け配置される。
なお、三つのオプションユニットのうち、装置本体3に対し一番離れたオプションユニットでは、蓋体18によって通気口12bが閉じられるとともに吸気口12dが開かれ、残りのオプションユニット11では、蓋体18によって通気口12bが開かれるとともに吸気口12dが閉じられる。
【0033】
この実施例の冷却装置1では、図3の矢印F1で示すように、オプションユニットのうち装置本体3に対し一番離れたオプションユニット11の吸気口12dから案内された空気(外気)が、該オプションユニット11の中空の通路12aによって該オプションユニット11の冷却ファン16に案内される。
さらにこの冷却ファン16から送りだされた風が、該オプションユニット11のダクト12cおよび該オプションユニット11が直接取り付けられ該オプションユニット11の次に装置本体3に対し離れているオプションユニット11の通気口12bを介し、該オプションユニット11の中空の通路12aによって、該オプションユニット11の冷却ファン16に案内される。
この冷却ファン16から送りだされた風は、さらに該オプションユニット11のダクト12cおよび該オプションユニット11が直接取り付けられ該オプションユニットの次に装置本体3に対し離れているオプションユニット11の通気口12bを介し、該オプションユニット11の中空の通路12aによって、該オプションユニット22の冷却ファン16に案内される。
【0034】
このように装置本体3に対し一番離れている位置のオプションユニット11の冷却ファン16から、装置本体3に対し近くなるオプションユニット11の冷却ファン16の配置順に、オプションユニット11の冷却ファン16に連続して送りだされ、最終的に装置本体3に直接取り付けられたオプションユニット11の冷却ファン16に送りだされた風が、電源ユニット2に案内される風となる。
【0035】
図3で示すように、三つのオプションユニット11が積み重ねられて装置本体3に対し取り付けられている場合、冷却装置1では、オプションユニット11のうち、装置本体3に対し一番離れたオプションユニット11の冷却ファン16、該オプションユニット11が直接取り付けられ該オプションユニット11の次に装置本体3に対し離れているオプションユニット11の冷却ファン16、該オプションユニット11に直接取り付けられ、該オプションユニット11の次に装置本体3に対し離れているオプションユニット11の冷却ファン16に連続して送りだされた風が、該オプションユニット11が取り付けられた装置本体3(図3)の電源ユニット2に案内される風となる。
【0036】
また、電源ユニット2に案内された風は、電源ユニット2の発熱体に案内された後、電源ユニット2の図示せぬ孔を介して電源ユニット2の外へ案内される。
【0037】
このように、この実施例の冷却装置1では、オプションユニット11に具えられたガイド12の冷却ファン16によって、装置本体3内の電源ユニット2の発熱体が冷却される。
なお、装置本体3に直接取り付けたオプションユニット11のダクト12cを、電源ユニット2の発熱体近傍に配置すると、冷却効果が高くなる。
【0038】
また、この実施例の冷却装置1では、オプションユニット11のガイド12の内部に冷却ファン16を取り付けているから、オプションユニット11を取り付けないで装置本体3のみを用いる場合に、電源ユニット2専用の冷却ファン16を、装置本体3内に設ける必要がない。
そのため、装置本体3内に配設する冷却ファンを、電源ユニット2専用の冷却ファン16の分、1つ削減できる。またこの冷却ファン16を削減できる分、電源ユニット2を有する画像形成装置の冷却装置1の製造コストが低下し、しかも電源ユニット2を具えた画像形成装置101の騒音も、この冷却ファン16を削減できる分、静音化できる。
【0039】
また、この実施例の冷却装置1は、複数のオプションユニット11が重ねられて装置本体3に装着される場合には、上述したように、当該複数のオプションユニット11のガイド12の中空の通路12aが連続して配設されることとなるから、装置本体3の電源ユニット2に案内される空気は、上記複数のオプションユニット11の冷却ファン16に連続して案内された空気となる。
したがって、装置本体3の電源ユニット2に案内される風量は、当該複数のオプションユニット11の冷却ファン16に連続して送り出された風量となり、電源ユニット2に案内される風量は、一つのオプションユニット11における冷却ファン16の風量の当該複数倍となる。たとえば、図3で示す冷却装置1では、装置本体3の電源2に案内される空気の風量は、三つのオプションユニット11の冷却ファン16に連続して送り出された風量となるから、一つのオプションユニット11を装置本体3に取り付けた場合に装置本体3に案内される風量に比べて3倍となる。
したがって、この冷却装置1では、電源ユニット2に案内される風量を、一つのオプションユニット11を装置本体3に取り付けた場合(図6)に装置本体3に案内される風量に比べて増加させることができる(以下、「風量増加効果」という)。
なお、この風量増加効果は、当該複数のオプションユニット11のガイド12が連続して配設され、これによりガイド12の冷却ファン16が直列に配列されたことによる効果であるといえる。
【0040】
この風量増加効果により、この実施例の冷却装置1では、冷却装置を冷却する手段として、風量の大きい1つの冷却ファンを用いずに、当該1つの冷却ファンに比べて1個あたりの風量が小さい冷却ファン16を複数個用いることができる。そのため、装置本体3に案内する風量に応じて、冷却装置1に用いる冷却ファン16の数を変更することができる。したがって、この実施例の冷却装置1では、風量の大きい1つの冷却ファンを用いた冷却装置に比し、冷却装置1の消費電力の効率が高くなる。
なお、冷却ファン16はオプションユニット11内に配設されているから、冷却装置1に用いる冷却ファン16の数を変更するには、装置本体3に取り付けられるオプションユニット11の数を変更することとなる。したがって、装置本体3に案内する風量を変更するには、オプションユニット11の数を変更すればよい。
また、上記風量増加効果は、オプションユニット11が装置本体3に積み重ねられれば積み重ねられるほど、その積み重ねられたオプションユニット11の分だけ、装置本体3に案内する風量が増加し、これにより電源ユニット2の発熱体の冷却能力を高める効果であるともいえる。
【0041】
さらに、この実施例の冷却装置1では、オプションユニット11を別のオプションユニット11に取り付けた場合に蓋体18によって別のオプションユニット11の通気口12bが開かれるとともに別のオプションユニット11の吸気口12dが閉じられるから、ガイド12の中空の通路12bにいったん案内された空気が、連続して各ガイド12を案内されている際に該吸気口12dから排出されることは防止されて、装置本体3に案内される。したがって、吸気口12dが閉じられる冷却装置では、風量増加効果は、吸気口12dが閉じられない冷却装置に比べて、高くなる。
【0042】
なお、この実施例の冷却装置1は、オプションユニット11が三つ積み重ねられて装置本体3に取り付けられることとしたが、この発明の冷却装置では、積み重ねられて装置本体3に取り付けられるオプションユニット11の数は、三つに限定されず、一つでもよいし、複数でもよい。
【0043】
また、この実施例では、電源ユニットを有する装置の冷却装置の例として、画像形成装置101の冷却装置1について説明したが、この発明の冷却装置は、画像形成装置101の冷却装置1に限定されず、電源ユニットを具えた装置の冷却装置であればよい。
【0044】
また、この実施例の冷却装置1では、オプションユニット11は別のオプションユニット11にその鉛直方向下方から取り付けられるものとして説明したが、この発明の冷却装置では、オプションユニット11は別のオプションユニット11にその鉛直上方から取り付けられるものであってもよいし、あるいは別のオプションユニット11にその水平方向から取り付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 冷却装置
2 電源ユニット
3 装置本体
11 オプションユニット
12 ガイド
12a 中空の通路
12b 通気口
12c ダクト
12d 吸気口
18 蓋体
16 冷却ファン
101 電源ユニットを具えた装置、電源ユニットを具えた画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ユニットを具えた装置本体と、前記装置本体に取り付けられるオプションユニットとを有し、
前記オプションユニットは、冷却ファンを内部に配置し、前記装置本体に取り付けた場合に前記冷却ファンから送りだされた風を前記電源ユニットへ案内するガイドを具え、
前記装置本体に取り付けた前記オプションユニットの前記冷却ファンによって、前記装置本体内の前記電源ユニットを冷却するようにしたことを特徴とする電源を具えた装置の冷却装置。
【請求項2】
前記オプションユニットが複数積み重ねられて前記装置本体に取り付けられた場合に、前記複数のオプションユニットの前記ガイドが連続して配設され、これにより前記装置本体の前記電源ユニットに案内される風は、前記複数のオプションユニットの前記冷却ファンに連続して送りだされた風であることを特徴とする請求項(1)に記載の電源を具えた装置の冷却装置。
【請求項3】
前記オプションユニットの前記ガイドは、内部に前記冷却ファンが配置された中空の通路と、
当該中空の通路の一端部であって前記冷却ファンに対し前記装置本体側と反対側のオプションユニットに形成され、前記中空の通路内に空気を案内する通気口と、
前記中空の通路の他端部であって、前記冷却ファンに対し前記装置本体側のオプションユニットに形成され、前記中空の通路内の空気を該オプションユニットの外へ案内するダクトと、
前記冷却ファンに対し前記装置本体側と反対側であって前記中空の通路に形成され、前記中空の通路内に空気を案内する吸気口と、
前記通気口を開閉する両方向に回転自在な蓋体
とを具え、
前記オプションユニットの前記ガイドは、前記オプションユニットを前記装置本体に取り付けた場合には、前記装置本体の前記電源ユニットに向けて配置され、
前記オプションユニットを別のオプションユニットに取り付けた場合には、前記オプションユニットの前記ダクトが前記別のオプションユニットの前記蓋体を一方向に回転させ該蓋体によって前記別のオプションユニットの前記通気口が開かれるとともに、前記オプションユニットの前記ガイドが前記別のオプションユニットの前記ガイドに向け配置されることを特徴とする請求項(1)又は(2)に記載の電源を具えた装置の冷却装置。
【請求項4】
前記蓋体は、前記一方向に回転した場合に前記通気口を開くとともに前記吸気口を閉じる蓋体であり、
前記オプションユニットを前記別のオプションユニットに取り付けた場合に、前記オプションユニットの前記ダクトが、前記別のオプションユニットの前記蓋体を前記一方向に回転させ、該蓋体によって前記別のオプションユニットの前記通気口が開かれるとともに前記別のオプションユニットの前記吸気口が閉じられるようにしたことを特徴とする請求項(3)に記載の電源を具えた装置の冷却装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−161291(P2010−161291A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3681(P2009−3681)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】