説明

電源供給制御装置

【課題】無駄な電源供給をなくして、省電力化、長寿命化を図った電源供給制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチ素子51が、オルタネータ4と負荷3との間に設けられている。電圧検出装置52が、オルタネータ4から負荷3に供給される供給電圧である入力電圧VINを検出する。電力制御装置53が、スイッチ素子51を間欠的にオン制御すると共に、電圧検出装置52により検出された入力電圧VINが大きくなるに従ってスイッチ素子51のオン期間のデューティ比を小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給制御装置に係り、特に、電源と負荷との間に設けられたスイッチ素子と、前記スイッチ素子のオンオフを制御するオンオフ制御手段と、を備えた電源供給制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、各負荷に電源を供給するための電源供給装置が搭載されている。この電源供給装置として、例えば、図11に示されたものが知られている。同図に示すように、電源供給装置1は、電源としてのバッテリ2と負荷3との間に設けられたスイッチ素子51と、このスイッチ素子51のオンオフを制御する図示しないオンオフ制御手段としての制御装置と、を備えている。
【0003】
上記スイッチ素子51としては、メカリレーや半導体リレーが使用されている。上記図示しない制御装置は、スイッチ素子51に対して駆動信号を供給することによりスイッチ素子51のオンオフを制御している。図11に示す電源供給装置1によれば、図示しない制御装置によりスイッチ素子51をオン制御すると、バッテリ2からの電源が負荷3に供給され、図示しない制御装置によりスイッチ素子51をオフ制御するとバッテリ2から負荷3に供給される電源が遮断される。
【0004】
また、自動車には、バッテリ2を充電するために、エンジンの機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としてのオルタネータ4が搭載されている。このオルタネータ4が発電した電力を直接負荷にも供給できるように、バッテリ2と負荷3との間にオルタネータ4を設けることがある。また、バッテリ2が例えば48V系であり、負荷3が12V系である場合、バッテリ2と負荷3の間にバッテリ2からの電源電圧を降圧するDC/DCコンバータ6が設けられることもある。
【0005】
ところで、上述した負荷3は、定格電圧が規定されており、この定格電圧以上の電圧が加わっても、負荷3の機能の向上はない。このため、定格電圧以上の電圧が負荷3に供給されると無駄な電圧が供給されていることとなる。さらに、負荷3に供給される電圧が高くなると、負荷3への電気的なストレスも多くなるため、寿命の短縮も懸念される(実際、フィラメントなどの灯具では、定格を越えると、短寿命になることが知られている。)
【0006】
そこで、このオルタネータ4やDC/DCコンバータ6から出力される電圧を負荷3の定格電圧まで落として無駄のないようにすることが考えられる。しかしながら、オルタネータ4などから出力される電圧を定格電圧まで落とすことはできない。この理由について説明すると、燃費向上のために自動車においては、オルタネータ4などによりバッテリ2を充電する電力回生が行われている。この電力回生において、例えばバッテリ2の電圧が12Vである場合、オルタネータ4などから出力される電圧を12Vより高い14V程度にする必要がある。また、車両によっては、14Vよりも高い電圧を出力する場合がある。従って、オルタネータ4などから出力される電圧を定格電圧まで落としてしまうとバッテリ2を充電することができないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、無駄な電源供給をなくして、省電力化、長寿命化を図った電源供給制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、電源と負荷との間に設けられたスイッチ素子と、前記スイッチ素子のオンオフを制御するオンオフ制御手段と、を備えた電源供給制御装置において、前記電源から前記負荷に供給される供給電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、前記オンオフ制御手段が、前記スイッチ素子を間欠的にオン制御すると共に、前記電圧検出手段により検出された供給電圧が大きくなるに従って前記スイッチ素子のオン期間のデューティ比を小さくすることを特徴とする電源供給制御装置に存する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記オンオフ制御手段が、前記電圧検出手段により検出された前記供給電圧が所定値以下のとき前記スイッチ素子を常時オン制御し、前記供給電圧が前記所定値を越えたとき前記スイッチ素子を間欠的にオン制御することを特徴とする請求項1に記載の電源供給制御装置に存する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記電源に並列接続されたオルタネータ又はDC/DCコンバータをさらに備え、前記スイッチ素子が、前記オルタネータ又はDC/DCコンバータよりも負荷側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源供給制御装置に存する。
【0011】
請求項4記載の発明は、複数の端子金具と、前記複数の端子金具を収容するコネクタハウジングと、が設けられたコネクタを備え、前記スイッチ素子、前記オンオフ制御手段及び前記電圧検出手段が、前記端子金具に接続された状態で前記コネクタハウジング内に収容されていることを特徴とする電源供給制御装置に存する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、オンオフ制御手段が、間欠的にスイッチ素子をオン制御すると共に、電圧検出手段により検出された供給電圧が大きくなるに従ってスイッチ素子のオン期間のデューティ比を小さくする。即ち、供給電圧が大きくなるほどスイッチ素子のオン期間を短くすることにより、電力としては一定に抑えることができる。これにより一定以上の無駄な電力が供給されることがなく、省電力化、長寿命化を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、オンオフ制御手段が、電圧検出手段により検出された供給電圧が所定値以下のときスイッチ素子を常時オン制御し、供給電圧が所定値を越えたときスイッチ素子を間欠的にオン制御するので、負荷の機能を最大限に生かすことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、電源に並列接続されたオルタネータ又はDC/DCコンバータをさらに備え、スイッチ素子が、オルタネータ又はDC/DCコンバータよりも負荷側に設けられている。従って、オルタネータの場合、エンジン負荷が低減するために、オルタネータの発電トルク低減による省電力化を図り、燃料消費低減に貢献できる。また、DC/DCコンバータの場合、出力電力が低減し、バッテリの消費量の低減を図ることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、スイッチ素子、電圧検出手段及びオンオフ制御手段がコネクタ内に内蔵されているため、簡単に電源供給装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(A)は本発明の電源供給制御装置としてのコネクタを組み込んだ電源供給装置の第1実施形態を示す回路図であり、(B)は図1(A)に示すコネクタの詳細な回路図である。
【図2】(A)は図1(B)に示すコネクタの外観斜視図であり、(B)は図2(A)のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す電源供給装置を構成する電力制御装置のフローチャートである。
【図4】(A)は図1に示す電源供給装置を構成するコネクタの入力電圧のタイムチャートであり、(B)は図1に示す電源供給装置を構成するコネクタの出力電圧のタイムチャートである。
【図5】コネクタの入力電圧に対する負荷に供給される電力を示すグラフである。
【図6】他の実施形態における図1に示すコネクタの断面図である。
【図7】本発明の電源供給制御装置としてのコネクタを組み込んだ電源供給装置の第2実施形態を示す回路図である。
【図8】図7に示すコネクタの断面図である。
【図9】図7に示す電源供給装置を構成する電力制御装置のフローチャートである。
【図10】他の実施形態における本発明の電源供給制御装置としてのコネクタを組み込んだ電源供給装置の一実施形態を示す回路図である。
【図11】従来の電源供給装置の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1実施形態
以下、本発明の電源供給制御装置を図面に基づいて説明する。図1(A)は本発明の電源供給制御装置としてのコネクタを組み込んだ電源供給装置の第1実施形態を示す回路図であり、図1(B)は図1(A)に示すコネクタの詳細な回路図である。図2(A)は図1(B)に示すコネクタの外観斜視図であり、(B)は図2(A)のA−A線断面図である。
【0018】
この電源供給装置1は、ICEV(内燃機関自動車:Internal Combustion Engine Vehicle)に搭載されるものである。図1に示すように、電源供給装置1は、電源としてのバッテリ2と、このバッテリ2などから電源供給を受けて動作する負荷3と、バッテリ2及び負荷3間に設けられたオルタネータ4と、負荷3に対する電源供給を制御する電源供給制御装置及びコネクタ5と、を備えている。
【0019】
上記バッテリ2は、鉛電池の他、リチウム電池といった二次電池を用いている。上記負荷3は、車両に搭載されたランプや電動モータなどの負荷である。上記オルタネータ4は、エンジンの機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機であり、バッテリ2を充電したり、負荷3に直接電源を供給する。このオルタネータ4の代わりにバッテリ2からの供給電圧を降圧するDC/DCコンバータ6がバッテリ2と負荷3との間に接続されることがあるが、ここではオルタネータ4が接続されている場合について説明する。
【0020】
上記コネクタ5は、バッテリ2と負荷3との間のオルタネータ4よりも負荷3側に設けられていて、外部からの駆動信号の出力に応じて負荷3に対する電源供給を開始し、外部からの駆動信号の出力停止に応じて負荷3に対する電源供給を遮断する。
【0021】
このコネクタ5は、図1(B)に示すように、オルタネータ4と負荷3との間に設けられたスイッチ素子51と、負荷3に供給される供給電圧としてスイッチ素子51の入力電圧VINを検出する電圧検出手段としての電圧検出装置52と、外部からの駆動信号及び電圧検出装置52の検出結果に基づいてスイッチ素子51のオンオフを制御するオンオフ制御手段としての電力制御装置53と、を備えている。
【0022】
上記スイッチ素子51は、例えば半導体リレー等からなり、オンするとオルタネータ4からの電源を負荷3に対して供給し、オフすると負荷3に対するオルタネータ4からの電源の供給を遮断する。
【0023】
上記電圧検出装置52は、例えばOPアンプなどから構成され、検出した入力電圧VINを後述する電力制御装置53に対して供給する。この入力電圧VINは、オルタネータ4からの出力電圧VALTとほぼ等しい。上記電力制御装置53は、例えば公知のマイコンなどから構成され、電源供給装置1全体の制御を司る。
【0024】
また、上記コネクタ5は、図2に示すように、オルタネータ4側の電線が接続される電源側端子金具54と、負荷3側の電線が接続される負荷側端子金具55と、外部からの駆動信号が供給される通信用端子金具56と、電源側及び負荷側の2つのグランド端子60と、封止体57と、これら端子金具54〜56及び封止体57を収容するコネクタハウジング58と、を備えている。
【0025】
上記電源側端子金具54は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体57内に挿入され、他端が封止体57の互いに対向する一対の面の一方から突出している。上記負荷側端子金具55は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体57内に挿入され、他端が封止体57の互いに対向する一対の面の他方から突出している。
【0026】
上記通信用端子金具56は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体57内に挿入され、他端が封止体57の互いに対向する一対の面の一方から突出している。グランド端子60は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体57内に挿入され、他端が封止体57の互いに対向する一対の面の両方からそれぞれ突出している。上記封止体57は、上記スイッチ素子51、電圧検出装置52及び電力制御装置53が搭載されたチップ59と、これら端子金具54〜56の一端と、をワイヤボンディングして接続した状態で、樹脂封止している。
【0027】
上記コネクタハウジング58は、これら端子金具54〜56、60及び封止体57を収容している。上記ハウジング57は、扁平な四角筒状に設けられていて、一方の開口から電源側端子金具54、通信用端子金具56及び2つのグランド端子60の一方が露出され、他方の開口から負荷側端子金具55及び2つのグランド端子60の他方が露出されている。また、コネクタハウジング58の筒長さ方向の一方には、オルタネータ4側の電線端末に取り付けた電源側コネクタ及び駆動信号が伝送される通信線の端末に取り付けた通信コネクタのハウジングが進入し嵌合するフード部58aが設けられている。このフード部58aに電源側コネクタ、通信コネクタのハウジングが嵌合されると、端子金具54、56に電源側コネクタ、通信コネクタの端子金具が接続される。
【0028】
また、コネクタハウジング58の筒長さ方向の他方には、負荷3側の電線端末に取り付けた負荷側コネクタのハウジングが進入し嵌合するフード部58bが設けられている。このフード部58bに負荷側コネクタのハウジングが嵌合されると、端子金具55に負荷側コネクタの端子金具が接続される。
【0029】
次に、上述した構成の電源供給装置1の動作について図3及び図4を参照して以下説明する。図3は、図1に示す電源供給装置1を構成する電力制御装置53のフローチャートである。図4(A)は図1に示す電源供給装置1を構成するコネクタ5の入力電圧のタイムチャートであり、図4(B)は図1に示す電源供給装置1を構成するコネクタ5の出力電圧のタイムチャートである。
【0030】
まず、電力制御装置53は、外部からの駆動信号の入力に応じて動作を開始する。最初に、電力制御装置53は、外部からの駆動信号がオフになっているか否かを判断する(ステップS1)。オフになっていれば(ステップS1でY)、電力制御装置53はスイッチ素子51に対する制御信号の出力を停止してスイッチ素子51を常時オフ制御した後(ステップS2)、処理を終了する。これに対して、オフになっていなければ(ステップS1でN)、電力制御装置53はステップS3に戻る。
【0031】
ステップS3において電力制御装置53は、電圧検出装置52により検出された入力電圧VINを取り込む。次に、電力制御装置53は、ステップS3で取り込んだ入力電圧VINが予め設定された負荷3の定格電圧(所定値)を越えたか否かを判定する(ステップS4)。
【0032】
入力電圧VINが定格電圧以下であれば(ステップS4でN)、電力制御装置53は、スイッチ素子51を常時オンする制御信号を出力した後(ステップS5)、処理を終了する。
【0033】
これに対して入力電圧VINが定格電圧を越えていれば(ステップS4でY)、電力制御装置53は、スイッチ素子51を常時オンせずに間欠的にオン制御するパルス状の制御信号を出力した後(ステップS6)、処理を終了する。ステップS6において、電力制御装置53は、入力電圧VINが高い大きくなるほどスイッチ素子51のオン期間のデューティ比を小さくする。ここでオン期間のデューティ比とは、(スイッチ素子51のオン期間)/(スイッチ素子51がオンされる周期)を示す。
【0034】
上述した動作によれば、図4に示すように、入力電圧VINが定格電圧以下の間は負荷3に対して常時電源が供給され、入力電圧VINが定格電圧を越えると間欠的に負荷3に電力が供給されるようになる。このとき、入力電圧VINが高くなるに従ってオン期間のデューティ比が小さくなる。
【0035】
このため、入力電圧VINと負荷3に供給される電力POUTとの関係は図5に示すようになる。即ち、入力電圧VINが定格電圧より低い間、スイッチ素子51は電力制御装置53によって常時オン制御されているため、入力電圧VINが増えるほど電力も増加する。入力電圧VINが定格を超えると、スイッチ素子51は電力制御装置53によって間欠的にオン制御され、しかも入力電圧VINが大きくなるに従ってオン期間が短くなるので、電力POUTを一定に抑えることができる。
【0036】
上述したコネクタ5によれば、電力制御装置53が、間欠的にスイッチ素子51をオン制御すると共に、電圧検出装置52により検出された入力電圧VINが大きくなるに従ってスイッチ素子51のオン期間のデューティ比を小さくする。即ち、入力電圧VINが大きくなるほどスイッチ素子51のオン期間を短くすることにより、電力としては一定に(例えば定格電力に)抑えることができる。これにより一定以上の無駄な電力が供給されることがなく、省電力化、長寿命化を図ることができる。
【0037】
また、上述したコネクタ5によれば、電力制御装置53が、電圧検出装置52により検出された入力電圧VINが定格電圧以下のときスイッチ素子51を常時オン制御し、入力電圧VINが定格電圧を越えたときスイッチ素子51を間欠的にオン制御するので、負荷3の機能を最大限に生かすことができる。
【0038】
また、上述したコネクタ5によれば、バッテリ2に並列接続されたオルタネータ4又はDC/DCコンバータ6をさらに備え、スイッチ素子51が、オルタネータ4又はDC/DCコンバータ6よりも負荷3側に設けられている。従って、オルタネータ4の場合、エンジン負荷が低減するために、オルタネータ4の発電トルク低減による省電力化を図り、燃料消費低減に貢献できる。また、DC/DCコンバータ6の場合、出力電力が低減し、バッテリの消費量の低減を図ることができる。
【0039】
また、上述したコネクタ5によれば、スイッチ素子51、電圧検出装置52及び電力制御装置53がコネクタ内に内蔵されているため、簡単に電源供給装置1を取り付けることができる。
【0040】
なお、上述した第1実施形態によれば、負荷側及び電源側にグランド端子60を設けて、負荷側及び電源側の両者からグランド信号を取得していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図6に示すように、負荷側のみにグランド端子60を設けて、負荷側のみからグランド信号を取得することも考えられる。
【0041】
第2実施形態
次に、第2実施形態の電源供給制御装置について図7〜図9を参照して説明する。図7は、本発明の電源供給装置としてのコネクタを組み込んだ電源供給装置の第2実施形態を示す回路図である。図8は、図7に示すコネクタの断面図である。図9は、図7に示す電源供給装置が構成する電力制御装置のフローチャートである。図7において、図1について第1実施形態で既に説明した部分と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、図9において、図3について第1実施形態で既に説明した部分と同等のステップについては同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0042】
上述した第1実施形態では、負荷3のオンオフ駆動と、入力電圧VINに応じたデューティ制御と、をコネクタ5で行っていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図7に示すように、バッテリ2やオルタネータ4と、コネクタ5と、の間にスイッチ素子9を設け、負荷3のオンオフ駆動をスイッチ素子9で行い、デューティ制御をコネクタ5で行うようにしてもよい。
【0043】
上記スイッチ素子9は、例えば、メカリレー、半導体リレーからなり、外部からの駆動信号の出力に応じてオンして負荷3やコネクタ5に内蔵された電圧検出装置52や電力制御装置53に対する電源供給を開始し、外部からの駆動信号の出力停止に応じてオフして負荷3やコネクタ5に内蔵された電圧検出装置52や電力制御装置53に対する電源供給を遮断する。
【0044】
そして、コネクタ5においては、第1実施形態と異なり電力制御装置53には駆動信号が供給されていない。従って、図8に示すように、第1実施形態とは異なりコネクタ5には通信用端子金具56が備えられていない。
【0045】
次に、上述した構成の第2実施形態における電源供給装置の動作について図9に示すフローチャートを参照して説明する。まず、外部から駆動信号が入力すると、スイッチ素子9がオンして、電圧検出装置52や電力制御装置53に対する電源供給が開始され、電力制御装置53が動作を開始する。
【0046】
第1実施形態では、電力制御装置53は、ステップS1で駆動信号の状態を確認していたが、第2実施形態では、ステップS1及びS2の動作を行わずに直ちにステップS3〜S6に進む。ステップS3〜S6については、上述した第1実施形態で既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0047】
なお、上述した第2実施形態でも、図8に示すように、負荷側及び電源側にグランド端子60を設けて、負荷側及び電源側の両者からグランド信号を取得していたが、第1実施形態と同様に、負荷側のみからグランド信号を取得することも考えられる(即ち、電源側のグランド端子60が不要)。
【0048】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、所定値を負荷3の定格電圧に設定していたが、本発明はこれに限ったものではない。所定値としては、負荷3の定格電圧以下に設定されていればよく、定格電圧よりも少し小さい値に設定してもよい。
【0049】
また、上述した第1及び第2実施形態では、バッテリ2と負荷3との間にオルタネータ4が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。オルタネータ4としては、バッテリ2に並列接続していればよく、ICEVによっては、図10(A)に示す構成の電源供給装置1もあるが、このような場合にも適用できる。
【0050】
また、上述した実施形態では、バッテリ2と負荷3との間にDC/DCコンバータ6が設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。DC/DCコンバータ6としては、バッテリ2に並列接続していればよく、図10(B)に示すように、2つのバッテリ2、8とジェネレータ7とが設けられた電源供給装置1を搭載するHEV(ハイブリッド電気自動車:Hybrid Electric Vehicle)及びPHEV(プラグインハイブリッド自動車:Plug-In Hybrid Electric Vehicle)にも適用できる。また、図10(C)に示すように2つのバッテリ7、8が設けられた電源供給装置1を搭載するBEV(電池自動車:Battery Electric Vehicle)やFCEV(燃料電池自動車:Fuel cell Electric Vehicle)
にも適用できる。
【0051】
なお、図10については、第1実施形態を適用した例を示しているが、第2実施形態にも適用することができる。
【0052】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0053】
2 バッテリ(電源)
3 負荷
4 オルタネータ
5 コネクタ(電源供給制御装置)
6 DC/DCコンバータ
51 スイッチ素子
52 電圧検出装置(電圧検出手段)
53 電力制御装置(オンオフ制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間に設けられたスイッチ素子と、前記スイッチ素子のオンオフを制御するオンオフ制御手段と、を備えた電源供給制御装置において、
前記電源から前記負荷に供給される供給電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、
前記オンオフ制御手段が、前記スイッチ素子を間欠的にオン制御すると共に、前記電圧検出手段により検出された供給電圧が大きくなるに従って前記スイッチ素子のオン期間のデューティ比を小さくする
ことを特徴とする電源供給制御装置。
【請求項2】
前記オンオフ制御手段が、前記電圧検出手段により検出された前記供給電圧が所定値以下のとき前記スイッチ素子を常時オン制御し、前記供給電圧が前記所定値を越えたとき前記スイッチ素子を間欠的にオン制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源供給制御装置。
【請求項3】
前記電源に並列接続されたオルタネータ又はDC/DCコンバータをさらに備え、
前記スイッチ素子が、前記オルタネータ又はDC/DCコンバータよりも負荷側に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源供給制御装置。
【請求項4】
複数の端子金具と、前記複数の端子金具を収容するコネクタハウジングと、が設けられたコネクタを備え、
前記スイッチ素子、前記オンオフ制御手段及び前記電圧検出手段が、前記端子金具に接続された状態で前記コネクタハウジング内に収容されている
ことを特徴とする電源供給制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−106677(P2012−106677A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258209(P2010−258209)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】