説明

電源切替回路

【課題】電圧の異なる2つの電源を切り替える電源切替回路であって、一方の電源の電圧が低下しても、2つの電源間に電流が流れるのを防止できる電源切替回路を提供する。
【解決手段】電源端子42と、電源端子62と、出力端子50と、電源端子42と出力端子50との間の電源ライン40に設けられたスイッチング素子44と、電源端子62出力端子50との間の電源ライン60に設けられたスイッチング素子64と、制御信号入力端子32と、制御信号入力端子に接続され、制御信号入力端子に入力された制御信号に応じてスイッチング素子44とスイッチング素子64とを相補的に動作させる制御手段30、34、70であって、少なくとも一部が電源電圧V1で動作し、電源電圧V1が低下した場合に、スイッチング素子44とスイッチング素子64とが同時にオンとなるのを防止する制御手段30、34、70とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源切替回路に関する。
【背景技術】
【0002】
2種類の電源間を切り替えて負荷に供給する電源切替回路が、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−86100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2種類の電源間を切り換える電源切替回路としては、例えば、図5に示す回路が考えられる。
図5は、供給される電圧の異なる2つの電源端子42(電源電圧=V1)と電源端子62(電源電圧=V2、V1≧V2)とを切り替えて、出力端子50を介して電源供給回路(図示せず)の入力部50(VIN)に選択的に供給できる回路を示している。
【0005】
電源電圧V1を出力端子50に供給しようとした際には、制御ライン30の選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてローが供給され、そのロー信号がpmos44のゲート45に供給されてpmos44がオンになり、一方では、そのロー信号が電圧V1で動作するインバータ34を介してハイ(電圧V1)となり、pmos66のゲート67に供給されてpmos66がオフになる。また、インバータ34の後方に接続されたレベルシフト回路90よって、電圧V1の信号が電圧V2のハイの信号に変換され、pmos64のゲート65に供給されてpmos64がオフになる。その結果、電源電圧V1が電源ライン40を介して出力端子50に供給される。
【0006】
なお、レベルシフト回路90は、図6(a)に示すように、電圧V1で動作するインバータ92と電圧V2で動作するインバータ94とを直列接続して構成されているので、選択信号(SEL_V_B)として電圧V1のハイ信号が、V1の電圧で動作しているインバータ92に供給され、インバータ92によってロー信号となり、そのロー信号が、V2の電圧で動作しているインバータ94に供給され、電圧V2レベルのハイ信号に変換される。
【0007】
電源電圧V2を出力端子50に供給しようとした際には、選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてハイが供給され、そのハイ信号がpmos44のゲート45に供給されてpmos44がオフになり、一方では、そのハイ信号が電圧V1で動作するインバータ34を介してローの選択信号(SEL_V_B)となり、pmos66のゲート67に供給されてpmos66がオンになる。また、インバータ34の後方に接続されたレベルシフト回路90を介してロー信号がpmos64のゲート65に供給されてpmos64がオンになる。その結果、電源電圧V2が電源ライン60を介して出力端子50に供給される。
【0008】
このように、電源電圧V1を出力端子50に供給する際には、電源ライン40のpmos44がオンとなると共に、電源ライン60のpmos64、66がオフとなって、電源端子62から出力端子50への電源ライン60を遮断し、電源電圧V2を入力部50(VIN)に供給する際には、電源ライン60のpmos64、66がオンとなると共に、電源ライン40のpmos44がオフとなって、電源端子42から出力端子50への電源ライン40を遮断している。
【0009】
しかしながら、電源電圧V1が何らかの原因によって急激に低下し、一時的に0Vへ低下した場合には、V1の電圧で駆動しているインバータ34は動作不可となり、選択信号入力端子32に供給される選択信号(SEL_V)およびインバータ34の出力である選択信号(SEL_V_B)は共に0Vとなり、その結果、pmos44もオン、pmos66もオンとなる。
【0010】
さらに、レベルシフト回路90では、図6(b)に示すように、電源電圧V1が0Vまで低下した場合、V1の電圧で駆動しているインバータ92は動作不可となり、その出力が不定になる可能性がある。このように、インバータ92の入力と出力が不定になるので、インバータ94の出力も不定となり、pmos64をオフにできなくなってしまう。また、インバータ94の入力がハイでもローでもない中間電圧になる可能性があり、インバータ94において電源端子62とGND間に貫通電流が流れる危険性もある。
【0011】
このように、電源電圧V1が何らかの原因によって急激に低下し、一時的に0Vへ低下した場合には、pmos44、pmos66が共にオンとなり、pmos64をオフにできなくなってしまい、電源端子42と電源端子62とが接続されて電源端子42と電源端子62との間に電流が流れる危険性がある。
【0012】
本発明の主な目的は、電圧の異なる2つの電源を切り替える電源切替回路であって、一方の電源の電圧が低下しても、2つの電源間に電流が流れるのを防止できる電源切替回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、
第1の電源に接続される第1の電源端子と、
前記第1の電源とは電源電圧の異なる第2の電源に接続される第2の電源端子と、
出力端子と、
前記第1の電源端子と前記出力端子との間の第1の電源ラインに設けられた第1のスイッチング素子と、
前記第2の電源端子と前記出力端子との間の第2の電源ラインに設けられた第2のスイッチング素子と、
制御信号入力端子と、
前記制御信号入力端子に接続され、前記制御信号入力端子に入力された制御信号に応じて前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを相補的に動作させる制御手段であって、少なくとも一部が前記第1の電源電圧で動作し、前記第1の電源電圧が低下した場合に、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とが同時にオンとなるのを防止する前記制御手段と、
を有する電源切替回路が提供される。
【0014】
好ましくは、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子が同一導電型の電界効果トランジスタであり、
前記制御手段が、前記制御信号入力端子と前記第1のスイッチング素子のゲート電極とを接続する接続ラインと、前記制御信号入力端子に接続され、前記第1の電源電圧で動作するインバータと、前記インバータと前記第2のスイッチング素子のゲート電極との間に接続され、前記第1の電源電圧を前記第2の電源電圧に変更して前記第2のスイッチング素子のゲート電極に供給する電源電圧変換回路とを、備え、
前記電源電圧変換回路は、前記第1の電源電圧が低下した場合に、前記第2の電源電圧を前記第2のスイッチング素子のゲート電極に印加する。
【0015】
さらに好ましくは、前記電源電圧変換回路は、入力側が前記インバータの出力側に接続され前記第1の電源電圧で動作する第2のインバータと、出力側が前記第2のスイッチング素子のゲート電極に接続され前記第2の電源電圧で動作する第3のインバータと、前記第2のインバータと前記第3のインバータとの間に接続され、前記第1の電源電圧が低下して前記インバータの出力が低下した場合に、前記第3のインバータにロー信号を供給する回路と、を備える。
【0016】
また、好ましくは、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子がP型電界効果トランジスタである。
【0017】
また、好ましくは、前記電源切替回路は、前記第2のスイッチング素子と前記出力端子との間に接続され、ゲート電極が前記インバータの出力側に接続されたP型電界効果トランジスタをさらに備える。
【0018】
また、好ましくは、前記第1の電源が太陽電池であり、前記第2の電源が二次電池である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電圧の異なる2つの電源を切り替える電源切替回路であって、一方の電源の電圧が低下しても、2つの電源間に電流が流れるのを防止できる電源切替回路が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施の形態の電源切替回路を説明するための回路図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施の形態の電源切替回路に使用されるレベルシフト回路を説明するための回路図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施の形態の電源切替回路に使用されるレベルシフト回路の動作を説明するための波形図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施の形態の電源切替回路に使用されるレベルシフト回路の電源電圧V1が低下した時の動作を説明するための波形図である。
【図5】図5は、従来の電源切替回路を説明するための回路図である。
【図6】図6は、従来の電源切替回路に使用されるレベルシフト回路を説明するための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1を参照すれば、本発明の好ましい実施の形態の電源切替回路10は、太陽電池22と二次電池24の切替スイッチとして使用される。太陽電池22は光の当たり具合によって発電する場合としない場合がある。太陽電池22の電源電圧は電源電圧検知及び制御回路26によって検知され、検知結果に応じて電源を選択する選択信号(SEL_V)が電源切替回路10に供給される。太陽電池22が発電している場合には、太陽電池22から電源供給回路(図示せず)に電源が供給されるように、電源電圧検知及び制御回路26から選択信号(SEL_V)が電源切替回路10に供給され、発電していない場合には、二次電池24側に切り替えて、二次電池24から電源供給回路(図示せず)に電源が供給されように、電源電圧検知及び制御回路26から選択信号(SEL_V)が電源切替回路10に供給される。
【0023】
電源切替回路10は、太陽電池22(電源電圧=V1)に接続される電源端子42と、二次電池24(電源電圧=V2)に接続される電源端子62と、出力端子50と、電源端子42と出力端子50との間の電源ライン40に設けられたP型MOSトランジスタ(pmos)44と、電源端子44と出力端子50との間の電源ライン60に設けられたpmos64と、pmos64と出力端子50との間の電源ライン60に設けられたpmos66と、選択信号入力端子32と、選択信号入力端子32に接続され、pmos44と、pmos64、66とを相補的に動作(pmos44がオンのときは、pmos64、66がオフ、pmos44がオフのときは、pmos64、66がオン)させる制御ライン30とを備えている。pmos44と、pmos64、66とが相補的に動作するので、2つの電源端子42(電源電圧=V1)と電源端子44(電源電圧=V2)とを切り替えて、出力端子50を介して電源供給回路(図示せず)の入力部50(VIN)に、V1およびV2のいずれかが選択的に供給される。
【0024】
制御ライン30は、選択信号入力端子32とpmos44のゲート電極45とを接続する接続ライン31と、制御信号入力端子32に接続され、電源電圧V1で動作するインバータ34と、インバータ34とpmos44のゲート電極45との間に接続され、電源電圧V1を電源電圧V2に変更してpmos64のゲート電極65に供給するレベルシフト回路70とを備えている。なお、pmos66のゲート電極67は、インバータ34の出力側に接続されている。
【0025】
電源電圧V1を出力端子50に供給しようとした際には、制御ライン30の選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてローが供給され、そのロー信号がpmos44のゲート45に供給されてpmos44がオンになり、一方では、そのロー信号が電圧V1で動作するインバータ34を介してハイ(電圧V1)となり、pmos66のゲート67に供給されてpmos66がオフになる。また、インバータ34の後方に接続されたレベルシフト回路70よって、電圧V1の信号が電圧V2のハイの信号に変換され、pmos64のゲート65に供給されてpmos64がオフになる。その結果、電源電圧V1が電源ライン40を介して出力端子50に供給される。
【0026】
電源電圧V2を出力端子50に供給しようとした際には、選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてハイが供給され、そのハイ信号がpmos44のゲート45に供給されてpmos44がオフになり、一方では、そのハイ信号が電圧V1で動作するインバータ34を介してローの選択信号(SEL_V_B)となり、pmos66のゲート67に供給されてpmos66がオンになる。また、インバータ34の後方に接続されたレベルシフト回路70を介してロー信号がpmos64のゲート65に供給されてpmos64がオンになる。その結果、電源電圧V2が電源ライン60を介して出力端子50に供給される。
【0027】
このように、電源電圧V1を出力端子50に供給する際には、電源ライン40のpmos44がオンとなると共に、電源ライン60のpmos64、66がオフとなって、電源端子62から出力端子50への電源ライン60を遮断し、電源電圧V2を入力部50(VIN)に供給する際には、電源ライン60のpmos64、66がオンとなると共に、電源ライン40のpmos44がオフとなって、電源端子42から出力端子50への電源ライン40を遮断している。
【0028】
なお、電源ライン60にpmos64だけでなく、pmos66もpmos64と直列に接続しているのは、次の理由による。pmos44はオンで、pmos64、66がオフの場合には、出力端子50の電圧はV1となっている。今、電源ライン60には、pmos66がなく、pmos64のみであるとすると、pmos64の出力端子50側の端子(ソースおよびドレインの一方)の電圧はV1となる。pmos64のゲート電極65には、レベルシフト回路70により電圧V2が印加されている。そうすると、電圧V1と電圧V2の差がpmos64の閾値電圧よりも大きいと、pmos64がオンとなってしまい、電源ライン40と電源ライン60とが接続されて電源端子42と電源端子62との間に電流が流れてしまう。これに対して、電源ライン60に、pmos64のみでなくpmos66も設けられていると、pmos66のゲート67には、インバータ34により、電圧V1が供給されるので、pmos66の出力端子50側の端子(ソースおよびドレインの一方)の電圧がV1となっても、pmos66はオフとなり、電源ライン40と電源ライン60とが接続されて電源端子42と電源端子62との間に電流が流れるのを防止できる。
【0029】
次に、図2を参照して、本実施の形態のレベルシフト回路70を説明する。
レベルシフト回路70は、インバータ34の出力側に接続された入力端子72と、pmos64のゲート電極65に接続された出力端子88と、入力側が入力端子72に接続され、電圧V1で動作するインバータ74と、出力側が出力端子88に接続され、電圧V2で動作するインバータ84と、インバータ74とインバータ84との間に接続され、インバータ74の出力がオフのときは、オフの信号をインバータ84の入力側に供給し、インバータ74の出力がオン(電圧V1)のときは、電圧V1を電圧V2に変換して、電圧V2のオンの信号をインバータ84の入力側に供給すると共に、電源端子42に供給される電圧V1が低下して、インバータ34の出力が低下して0Vとなって、入力端子72に供給される信号電圧が低下して0Vとなった場合であっても、インバータ84の入力側にロー信号を供給する回路71とを備えている。
【0030】
回路71は、入力側がインバータ74の出力側に接続され、電圧V1で動作するインバータ76と、入力側の一端781がインバータ76の出力側に接続され、出力側がインバータ84の入力側に接続され、電圧V2で動作するNOR回路78と、入力側がNOR回路78の出力側に接続され、出力側がNOR回路の入力側の他端782接続され、電圧V2で動作するインバータ82と、インバータ82の出力側と接地との間に接続され、ゲート電極がインバータ74の出力側に接続されたN型MOS(nmos)75と、インバータ76の出力側と接地との間に接続され、ゲート電極がNOR回路78の出力側に接続されたnmos80とを備えている。
【0031】
次に、図2、図3を参照して、レベルシフト回路70の動作を説明する。ここで、rはインバータ74の出力側(インバータ76の入力側)であり、saはインバータ76の出力側(NOR回路78の入力側の一端781)であり、qbはNOR回路78の出力側(インバータ82、84の入力側)であり、qaはインバータ82の出力側(NOR回路78の入力側の他端782)であり、INは入力端子72であり、OUTは出力端子88である。いま、V1=3V,V2=1.5Vとして説明する
【0032】
レベルシフト回路70の入力端子72(IN)にロー(0V)が入力されると、インバータ74の出力側(r)がハイ(V1=3V)となり、インバータ76の入力側にハイ(V1=3V)が供給され、インバータ76の出力側(sa)がロー(0V)となり、NOR回路78の入力側の一端781にロー(0V)が供給される。また、rがハイ(V1=3V)となるので、nmos75がオンとなり、qaがロー(0V)となり、NOR回路78の入力側の他端782にロー(0V)が供給される。NOR回路78の両入力端781、782にロー(0V)が供給されるので、NOR回路78の出力側(qb)がハイ(V2=1.5V)となり、インバータ84の入力側にハイ(V2=1.5V)が供給されるので、インバータ84の出力側(OUT)がロー(0V)となる。また、インバータ82の入力側にハイ(V2=1.5V)が供給されるので、インバータ82の出力側qaがロー(0V)となる。また、nmos80がオンとなる。
【0033】
次に、レベルシフト回路70の入力端子72(IN)がハイ(V1=3V)となると、インバータ74の出力側(r)がロー(0V)となり、インバータ76の入力側にロー(0V)が供給され、インバータ76の出力側(sa)がハイ(V1=3V)となり、NOR回路78の入力側の一端781にハイ(V1=3V)が供給される。また、rがロー(0V)となるので、nmos75がオフとなる。NOR回路78の入力側の一端781にハイ(V1=3V)が供給されるので、NOR回路78の出力側(qb)がロー(0V)となり、インバータ84の入力側にロー(0V)が供給されるので、インバータ84の出力側(OUT)がハイ(V2=1.5V)となる。また、インバータ82の入力側にロー(0V)が供給されるので、インバータ82の出力側(qa)がハイ(V2=1.5V)となる。また、nmos80はオフとなる。
【0034】
このように、レベルシフト回路70は、入力(IN)がロー(0V)の時は、出力側(OUT)がロー(0V)となり、入力(IN)がハイ(V1=3V)の時は、電圧V1を電圧V2に変換して、出力側(OUT)にハイ(V2=1.5V)を出力する。また、回路71は、インバータ74の出力がロー(0V)のとき、ロー(0V)の信号をインバータ84の入力側に供給し、インバータ74の出力がハイ(電圧V1)のときは、電圧V1を電圧V2に変換して、電圧V2のハイの信号をインバータ84の入力側に供給する。
【0035】
次に、図2、図4を参照して、レベルシフト回路70の入力(IN)がハイ(V1=3V)の時(電源切替回路10の選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてローが供給される場合)に、V1電圧が3Vから0Vに下がった場合のレベルシフト回路70の動作について説明する。なお、V2電圧は1.5のまま一定であるものとする。上述したように、レベルシフト回路70の入力(IN)がハイ(V1=3V)の時は、インバータ74の出力側(r)がロー(0V)となり、インバータ76の入力側にロー(0V)が供給され、インバータ76の出力側(sa)がハイ(V1=3V)となり、NOR回路78の出力側(qb)がロー(0V)となり、インバータ84の入力側にロー(0V)が供給され、インバータ84の出力側(OUT)がハイ(V2=1.5V)となり、インバータ82の入力側にロー(0V)が供給されるので、インバータ82の出力側(qa)がハイ(V2=1.5V)となる。この場合に、V1電圧が3Vから0Vに下がると、レベルシフト回路70の入力(IN)も3Vから0Vに下がり、電圧V1で動作するインバータ74の出力側(r)はローのままであり、電圧V1で動作するインバータ76の出力側(sa)は3Vから0Vに下がる。インバータ82の出力側(qa)がハイ(V2=1.5V)なので、NOR回路78の入力側の一端781はロー(0V)となり、NOR回路78の入力側の他端782はハイ(V2=1.5V)であるので、NOR回路78の出力側(qb)はロー(0V)のままであり、インバータ84の入力側はロー(0V)のままであり、インバータ84の出力側(OUT)もハイ(V2=1.5V)のままとなる。
【0036】
このように、レベルシフト回路70は、レベルシフト回路70の入力(IN)がハイ(V1)の時に、V1電圧が低下して0Vに下がった場合であっても、電圧V2で動作するNOR回路78とインバータ82で、qbがロー、qaがハイに保持され、その結果、電圧V2で動作するインバータ84の出力(OUT)はハイに保持される。その結果、電源切替回路10の選択信号入力端子32に選択信号(SEL_V)としてローが供給される場合に、V1電圧が低下して0Vに下がった場合であっても、レベルシフト回路70の出力(OUT)が電源V2でハイ(電圧V2)に保持されているので、pmos64はオフし続けることができる。その結果、pmos44とpmos64が同時にオンになることが防止され、2つの電源22、24間に電流が流れるのを防止できる。なお、qbがローに保持されるので、インバータ84において電源端子62とGND間に貫通電流が流れることも防止される。
【0037】
このように、2つの電源(太陽電池22と二次電池24)間に電流が流れるのを防止できるので、太陽電池22が発電しない場合で制御信号が不定となっても、レベルシフト回路70の出力はハイ(電圧V2)に保持され、二次電池24側に接続されているpmos64をオフにするので、二次電池24の放電を防止することができる。
【0038】
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0039】
10 電源切替回路
22 太陽電池
24 二次電池
26 電源電圧検知及び制御回路
30 制御ライン
31 接続ライン
32 選択信号入力端子
34 インバータ
42、62 電源端子
44、64、66 P型MOSトランジスタ(pmos)
45、65、67 ゲート電極
50 出力端子
70 レベルシフト回路
71 回路
72 入力端子
74、76、82、84 インバータ
75、80 N型MOS(nmos)
78 NOR回路78
88 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源に接続される第1の電源端子と、
前記第1の電源とは電源電圧の異なる第2の電源に接続される第2の電源端子と、
出力端子と、
前記第1の電源端子と前記出力端子との間の第1の電源ラインに設けられた第1のスイッチング素子と、
前記第2の電源端子と前記出力端子との間の第2の電源ラインに設けられた第2のスイッチング素子と、
制御信号入力端子と、
前記制御信号入力端子に接続され、前記制御信号入力端子に入力された制御信号に応じて前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを相補的に動作させる制御手段であって、少なくとも一部が前記第1の電源電圧で動作し、前記第1の電源電圧が低下した場合に、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とが同時にオンとなるのを防止する前記制御手段と、
を有する電源切替回路。
【請求項2】
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子が同一導電型の電界効果トランジスタであり、
前記制御手段が、前記制御信号入力端子と前記第1のスイッチング素子のゲート電極とを接続する接続ラインと、前記制御信号入力端子に接続され、前記第1の電源電圧で動作するインバータと、前記インバータと前記第2のスイッチング素子のゲート電極との間に接続され、前記第1の電源電圧を前記第2の電源電圧に変更して前記第2のスイッチング素子のゲート電極に供給する電源電圧変換回路とを、備え、
前記電源電圧変換回路は、前記第1の電源電圧が低下した場合に、前記第2の電源電圧を前記第2のスイッチング素子のゲート電極に印加する請求項1記載の電源切替回路。
【請求項3】
前記電源電圧変換回路は、入力側が前記インバータの出力側に接続され前記第1の電源電圧で動作する第2のインバータと、出力側が前記第2のスイッチング素子のゲート電極に接続され前記第2の電源電圧で動作する第3のインバータと、前記第2のインバータと前記第3のインバータとの間に接続され、前記第1の電源電圧が低下して前記インバータの出力が低下した場合に、前記第3のインバータにロー信号を供給する回路と、を備える請求項2記載の電源切替回路。
【請求項4】
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子がP型電界効果トランジスタである請求項2または3記載の電源切替回路。
【請求項5】
前記第2のスイッチング素子と前記出力端子との間に接続され、ゲート電極が前記インバータの出力側に接続されたP型電界効果トランジスタをさらに備える請求項4記載の電源切替回路。
【請求項6】
前記第1の電源が太陽電池であり、前記第2の電源が二次電池である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電源切替回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−39693(P2012−39693A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175359(P2010−175359)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】