説明

電源制御装置および電源制御システム

【課題】高密度化した配線基板上の配線領域を圧迫することなく、負荷回路に対する電源の投入順序の制御を精度よく実行すること。
【解決手段】電源制御回路100は、パルス信号発生回路120から一本の制御信号配線をDCDCコンバータ130〜150に接続し、各DCDCコンバータ130〜150が、パルス信号発生回路120により発生するパルス信号のパルス数を計数して電圧を出力するタイミングを調整することで、負荷回路160に対する電源投入を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源の出力順序を制御する電源制御装置および電源制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integration)等、コア電源、IO(Input Output)電源等複数の電源を使用する素子は、各素子に対する電源の投入順序を守らないと正常に動作しない事が多い。したがって、電源の投入順序を制御するための各種の電源制御回路が考案され実用化されている。以下において、従来における電源制御回路の一例として、第1の電源制御回路(例えば、特許文献1参照)および第2の電源制御回路について順に説明する。
【0003】
まず、従来の第1の電源制御回路について説明する。図7は、従来の第1の電源制御回路の構成を示す図である。図7に示すように、この第1の電源制御回路10は、入力供給電源11と、DCDCコンバータ12a〜12cと、電圧監視回路13a,13bと、負荷回路14とを有する。
【0004】
入力供給電源11は、DCDCコンバータ12a〜12cに電圧を供給する回路である。入力供給電源11のプラス端子は、DCDCコンバータ12a〜12cのVin(+)に接続され、入力供給電源11のマイナス端子は、DCDCコンバータ12a〜12cのVin(−)に接続されている。入力供給電源11がDCDCコンバータ12a〜12cに供給する電圧をVinとする。
【0005】
DCDCコンバータ12a〜12cは、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有しており、入力供給電源11から電力供給を受け付け、かつ、ON/OFF端子が「ON」となっている場合に、負荷回路14に電源を供給する回路である。以下の説明において、DCDCコンバータ12a〜12cが、負荷回路14に供給する電圧をそれぞれ、Vout1〜Vout3とする。
【0006】
電圧監視回路13aは、DCDCコンバータ12aのVout(+)およびVout(−)に接続され、DCDCコンバータ12aから負荷回路14に供給されるVout1を検出した場合に、DCDCコンバータ12bのON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。
【0007】
電圧監視回路13bは、DCDCコンバータ12bのVout(+)およびVout(−)に接続され、DCDCコンバータ12bから負荷回路14に供給されるVout2を検出した場合に、DCDCコンバータ12cのON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。
【0008】
負荷回路14は、DCDCコンバータ12a〜12cから順に供給される電圧を利用して各種の処理を実行する回路である。
【0009】
次に、図7に示した第1の電源制御回路の動作波形について説明する。図8は、第1の電源制御回路の動作波形を示す図である。なお、DCDCコンバータ12aのON/OFF端子は、「ON」に設定されているものとする。
【0010】
入力供給電源11が、DCDCコンバータ12a〜12cにVinを供給する(図8のVin参照)と、DCDCコンバータ12aのON/OFF端子が「ON」に設定されているため、DCDCコンバータ12aからVout1が出力される(図8のVout1参照)。
【0011】
電圧監視回路13aが、DCDCコンバータ12aからのVout1を検出すると、電圧監視回路13aは、DCDCコンバータ12bのON/OFF端子に電圧S1を印加し(図8のS1参照)、DCDCコンバータ12bのON/OFF端子が「ON」に設定される。DCDCコンバータ12bのON/OFF端子が「ON」に設定されると、DCDCコンバータ12bからVout2が出力される(図8のVout2参照)。
【0012】
電圧監視回路13bが、DCDCコンバータ12bからのVout2を検出すると、電圧監視回路13bは、DCDCコンバータ12cのON/OFF端子に電圧S2を印加し(図8のS2参照)、DCDCコンバータ12cのON/OFF端子が「ON」に設定される。DCDCコンバータ12cのON/OFF端子が「ON」に設定されると、DCDCコンバータ12cからVout3が出力される(図8のVout3参照)。
【0013】
このように、第1の電源制御回路10では、例えば、負荷回路14に対する電源投入をDCDCコンバータ12a〜12cの順に実行する場合には、電源投入順序に従って各DCDCコンバータ12a〜12cを順に接続し、電圧監視回路13a,13bがDCDCコンバータ12b,12cのON/OFF端子に対するON・OFF制御を行っている。
【0014】
次に、従来の第2の電源制御回路について説明する。図9は、従来の第2の電源制御回路の構成を示す図である。図9に示すように、この第2の電源制御回路20は、入力供給電源21と、DCDCコンバータ22a〜22cと、遅延信号回路23と、負荷回路24とを有する。
【0015】
入力供給電源21は、DCDCコンバータ22a〜22cに電圧を供給する回路である。入力供給電源21のプラス端子は、DCDCコンバータ22a〜22cのVin(+)に接続され、入力供給電源21のマイナス端子は、DCDCコンバータ22a〜22cのVin(−)に接続されている。入力供給電源21がDCDCコンバータ22a〜22cに供給する電圧をVinとする。
【0016】
DCDCコンバータ22a〜22cは、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有しており、入力供給電源21から電力供給を受け付け、かつ、ON/OFF端子が「ON」となっている場合に、負荷回路24に電源を供給する回路である。以下の説明において、DCDCコンバータ22a〜22cが、負荷回路24に供給する電圧をそれぞれ、Vout1〜Vout3とする。
【0017】
遅延信号回路23は、電源投入の順序にあわせて制御信号をDCDCコンバータ22a〜22cに出力し、DCDCコンバータ22a〜22cのON/OFF端子を順に「ON」に設定する回路である。例えば、遅延信号回路23は、負荷回路24に電圧をVout1〜Vout3の順に投入する場合には、DCDCコンバータ22a〜22cの順に制御信号S1〜S3を入力する。
【0018】
負荷回路24は、DCDCコンバータ22a〜22cから順に供給される電圧を利用して各種の処理を実行する回路である。
【0019】
次に、図9に示した第2の電源制御回路20の動作波形について説明する。図10は、第2の電源制御回路20の動作波形を示す図である。なお、ここでは一例として、負荷回路24に電圧をVout1〜Vout3の順に投入する場合について説明する。
【0020】
入力供給電源21が、DCDCコンバータ22a〜22cにVinを供給する(図10のVin参照)。遅延信号回路23が、制御信号S1をDCDCコンバータ22aに出力する(図10のS1参照)と、DCDCコンバータ22aのON/OFF端子が「ON」となり、DCDCコンバータ22aからVout1が出力される(図10のVout1参照)。
【0021】
遅延信号回路23は、制御信号S1をDCDCコンバータ22aに出力してから所定の時間間隔をあけて、制御信号S2をDCDCコンバータ22bに出力する(図10のS2参照)と、DCDCコンバータ22bのON/OFF端子が「ON」となり、DCDCコンバータ22bからVout2が出力される(図10のVout2参照)。
【0022】
遅延信号回路23は、制御信号S2をDCDCコンバータ22bに出力してから所定の時間間隔をあけて、制御信号S3をDCDCコンバータ22cに出力する(図10のS3参照)と、DCDCコンバータの22cのON/OFF端子が「ON」となり、DCDCコンバータ22cからVout3が出力される(図10のVout3参照)。
【0023】
このように、第2の電源制御回路では、例えば、負荷回路24に対する電源投入をDCDCコンバータ22a〜22cの順に実行する場合には、遅延信号回路23が、制御信号S1〜S3を順に、DCDCコンバータ22a〜22cのON/OFF端子に入力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2004−180385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、第1の電源制御回路10を実装置に組み込み、電源の投入順序を制御する場合には、負荷回路に対する電源の投入順序に加えて、素子間での起動順序を制御する必要が生じる。図11は、実装置に第1の電源制御回路10を組み込んだ場合の一例を示す図である。図11に示すように、複数のLSIに対して電源投入の順序を制御するためには、数多くのDCDCコンバータを制御する必要があり、より複雑な起動順序の制御が必要となる。
【0026】
また、第1の電源制御回路10では、起動順にあわせて信号配線をDCDCコンバータ間で相互に接続する必要があり、数多くの信号配線が複雑に引き回されることになる。高密度化した配線基板上では、電源の投入順序を制御すること以外に、各種の制御を実行するため、多数の信号線を配線する必要があり、第1の電源制御回路10のように数多くの信号線を引く余地は残されていない。
【0027】
更に、第1の電源制御回路10では、一度実装置に組み込むと、起動順序の変更を行うことは、信号配線の接続先を変更する必要があるため非常に困難である。なお、第2の電源制御回路20を、実装置に組み込むことで、起動順序の変更を行うことの困難性を回避可能になるが、第2の電源制御回路20を用いたとしても、遅延信号回路23から、各DCDCコンバータに対して異なる信号線をそれぞれ接続する必要があるため、第1の電源配線回路10と同様にして、配線基板上の領域を圧迫してしまうという問題点を解消することは出来なかった。
【0028】
すなわち、高密度化した配線基板上の配線領域を圧迫することなく、負荷回路に対する電源の投入順序の制御を精度よく実行することが重要な課題となっている。
【0029】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、高密度化した配線基板上の配線領域を圧迫することなく、負荷回路に対する電源の投入順序の制御を精度よく実行することができる電源制御装置および電源制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この電源制御装置は、各々異なる負荷回路に接続されると共に同一のパルス信号出力手段に接続され、該パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御手段を有することを要件とする。
【発明の効果】
【0031】
高密度化した配線基板上の配線領域を圧迫することなく、負荷回路に対する電源の投入順序の制御を精度よく実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本実施例1にかかる電源制御回路の構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施例1にかかる電源制御回路の動作波形を示す図である。
【図3】図3は、本実施例1にかかるシフト数設定部およびシフトレジスタ部を詳細に説明するための図である。
【図4】図4は、パルス信号発生回路、シフトレジスタ、AND回路、OR回路の動作波形を示す図である。
【図5】図5は、本実施例2にかかる電源制御回路の構成を示す図である。
【図6】図6は、本実施例2にかかる電源制御回路の動作波形を示す図である。
【図7】図7は、従来の第1の電源制御回路の構成を示す図である。
【図8】図8は、第1の電源制御回路の動作波形を示す図である。
【図9】図9は、従来の第2の電源制御回路の構成を示す図である。
【図10】図10は、第2の電源制御回路の動作波形を示す図である。
【図11】図11は、実装置に第1の電源制御回路を組み込んだ場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る電源制御装置および電源制御システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0034】
本実施例1にかかる電源制御回路は、負荷回路に対する電源の投入順序を制御する場合に、共通のパルス信号を各DCDCコンバータに入力し、各DCDCコンバータがパルス信号に含まれるパルス数を基にして、電源を出力するタイミングを調整することで、電源の投入順序を制御する。
【0035】
次に、本実施例1にかかる電源制御回路の構成について説明する。図1は、本実施例1にかかる電源制御回路の構成を示す図である。同図に示すように、この電源制御回路100は、入力供給電源110と、パルス信号発生回路120と、DCDCコンバータ130〜150と、負荷回路160とを有する。
【0036】
入力供給電源110は、DCDCコンバータ130〜150に電圧を供給する回路である。入力供給電源110のプラス端子は、DCDCコンバータ130〜150のVin(+)に接続され、入力供給電源110のマイナス端子は、DCDCコンバータ130〜150のVin(−)に接続されている。入力供給電源110がDCDCコンバータ130〜150に供給する電圧をVinとする。
【0037】
パルス信号発生回路120は、パルス信号を発生させる回路である。パルス信号発生回路120は、発生させたパルス信号をDCDCコンバータ130〜150に出力する。
【0038】
DCDCコンバータ130は、パルス信号発生回路120からパルス信号を取得し、取得したパルス信号のパルス数が所定数に達した場合に、電圧Vout1を負荷回路160に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ130は、シフト数設定部130aと、シフトレジスタ部130bとを有している。なお、DCDCコンバータ130は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0039】
シフト数設定部130aは、Vout1を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部130aが設定したパルス数を第1パルス数と表記する。
【0040】
シフトレジスタ部130bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号のパルス数を計数し、計数したパルス数が第1パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ130は、入力供給電源110からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout1を負荷回路160に出力する。
【0041】
DCDCコンバータ140は、パルス信号発生回路120からパルス信号を取得し、取得したパルス信号のパルス数が所定数に達した場合に、電圧Vout2を負荷回路160に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ140は、シフト数設定部140aと、シフトレジスタ部140bとを有している。なお、DCDCコンバータ140は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0042】
シフト数設定部140aは、Vout2を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部140aが設定したパルス数を第2パルス数と表記する。
【0043】
シフトレジスタ部140bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号のパルス数を計数し、計数したパルス数が第2パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ140は、入力供給電源110からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout2を負荷回路160に出力する。
【0044】
DCDCコンバータ150は、パルス信号発生回路120からパルス信号を取得し、取得したパルス信号のパルス数が所定数に達した場合に、電圧Vout3を負荷回路160に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ150は、シフト数設定部150aと、シフトレジスタ部150bとを有している。なお、DCDCコンバータ150は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0045】
シフト数設定部140aは、Vout3を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部150aが設定したパルス数を第3パルス数と表記する。
【0046】
シフトレジスタ部150bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号のパルス数を計数し、計数したパルス数が第3パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ150は、入力供給電源110からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout3を負荷回路160に出力する。
【0047】
負荷回路160は、DCDCコンバータ130〜150から順に供給される電圧を利用して、各種の処理を実行する回路である。かかる負荷回路160には、例えば、コア回路、IO回路、各種LSIが搭載されているものとする。
【0048】
負荷回路160に投入する電圧Vout1〜Vout3の順番を調整するためには、シフトレジスタ部130b〜150bに設定する第1パルス数、第2パルス数、第3パルス数を投入順序にあわせて調整すればよい。例えば、電圧Vout1、Vout2、Vout3の順に負荷回路160に投入する場合には、第1パルス数<第2パルス数<第3パルス数となるように、第1パルス数、第2パルス数、第3パルス数を調整すればよい。
【0049】
次に、図1に示した電源制御回路100の動作波形について説明する。図2は、本実施例1にかかる電源制御回路100の動作波形を示す図である。なお、ここでは一例として、シフトレジスタ部130bの第1パルス数を「1」、シフトレジスタ部140bの第2パルス数を「2」、シフトレジスタ部150bの第3パルス数を「6」とする。
【0050】
入力供給電源110が、DCDCコンバータ130〜150にVin(図2のVin参照)の供給を開始すると共に、パルス信号発生回路120がパルス信号をDCDCコンバータ130〜150に出力する(図2のクロック信号参照)。
【0051】
シフトレジスタ部130bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号を取得し、パルス数が「1」となった時点で、制御信号S1をON/OFF端子に出力する(図2のS1参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ130は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout1を出力する(図2のVout1参照)。
【0052】
シフトレジスタ部140bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号を取得し、パルス数が「2」となった時点で、制御信号S2をON/OFF端子に出力する(図2のS2参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ140は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout2を出力する(図2のVout2参照)。
【0053】
シフトレジスタ部150bは、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号を取得し、パルス数が「6」となった時点で、制御信号S3をON/OFF端子に出力する(図2のS3参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ150は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout3を出力する(図2のVout3参照)。
【0054】
このように、パルス信号発生回路120が一本の起動用信号線を用いて各DCDCコンバータ130〜150にパルス信号を出力し、各DCDCコンバータ130〜150がそれぞれパルス信号のパルス数を計数することで、電圧を負荷回路160に出力するタイミングを判定し、電圧を負荷回路160に出力するので、高密度化した配線基板上の配線領域を圧迫することなく、負荷回路に対する電源の投入順序の制御を精度よく実行することができる。
【0055】
次に、図1に示したシフト数設定部およびシフトレジスタ部について詳細に説明する。ここでは、シフト数設定部130aおよびシフトレジスタ部130bを例にあげて説明する。なお、シフト数設定部140a,150aおよびシフトレジスタ部140b,150bの説明は、シフト数設定部130aおよびシフトレジスタ部130bと同様である。
【0056】
図3は、本実施例1にかかるシフト数設定部およびシフトレジスタ部を詳細に説明するための図である。図3に示すように、シフト数設定部およびシフトレジスタ部は、シフトレジスタ30と、AND回路31〜34と、OR回路35と、プルアップ抵抗器36,37とを有する。
【0057】
このうち、シフトレジスタ30は、パルス信号発生回路120から出力されるパルス信号Aのパルス数に応じて、出力B〜EをLowからHighに切り替える回路である。なお、このシフトレジスタ30はAND回路31〜34に接続されており、シフトレジスタ30から出力される出力B〜Eは、それぞれAND回路31〜34に入力される。
【0058】
具体的に、シフトレジスタ30は、パルス信号Aを取得し、1番目のパルスで出力BをLowからHighに切り替え、2番目のパルスで出力CをLowからHighに切り替える。また、シフトレジスタ30は、3番目のパルスで出力DをLowからHighに切り替え、4番目のパルスで出力EをLowからHighに切り替える。
【0059】
AND回路31〜34は、2つの入力端子と1つの出力端子を有しており、2つの入力端子に入力される信号がHighになった場合に、出力端子からHighを出力する回路である。AND回路31〜34の入力端子の1つは、第1パルス数にあわせて、GNDまたはプルアップ抵抗器に接続される。
【0060】
ここでは、第1パルス数が「3」の場合、すなわち、パルス数が3になった場合に、シフトレジスタ部130bがON/OFF端子を「ON」にする場合のAND回路31〜34の接続関係について説明する。
【0061】
AND回路31の入力端子の一方には、シフトレジスタ30の出力Bが接続され、他方の端子にはGNDが接続されている。また、AND回路31の出力端子はOR回路35に接続されている。AND回路31の入力端子の一方がGNDに接続されているため、AND回路31は常にLowをOR回路35に出力することになる。
【0062】
AND回路32の入力端子の一方には、シフトレジスタ30の出力Cが接続され、他方の端子にはGNDが接続されている。また、AND回路31の出力端子はOR回路35に接続されている。AND回路32の入力端子の一方がGNDに接続されているため、AND回路32は常にLowをOR回路35に出力することになる。
【0063】
AND回路33の入力端子の一方には、シフトレジスタ30の出力Dが接続され、他方の端子にはプルアップ抵抗器37が接続されている。また、AND回路33の出力端子はOR回路35に接続されている。AND回路33の入力端子の一方がプルアップ抵抗器37に接続されているため、かかるプルアップ抵抗器37に接続される入力端子は常時Highとなる。従って、AND回路33は入力端子に接続された出力DがHighとなった時点(パルス数が3になった時点)で、出力端子の出力をHighに切り替える。
【0064】
AND回路34の入力端子の一方には、シフトレジスタ30の出力Eが接続され、他方の端子にはプルアップ抵抗器36が接続されている。また、AND回路34の出力端子はOR回路35に接続されている。AND回路34の入力端子の一方がプルアップ抵抗器36に接続されているため、かかるプルアップ抵抗器36に接続される入力端子は常時Highとなる。従って、AND回路34は入力端子に接続された出力EがHighとなった時点(パルス数が4になった時点)で、出力端子の出力をHighに切り替える。
【0065】
OR回路35は、AND回路31〜34の出力端子に接続され、AND回路31〜34のいずれかの出力がHighとなった時点でON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。なお、図3に示すように、AND回路31,32がGNDに接続され、AND回路33,34がプルアップ抵抗器36,37に接続されている場合には、パルス数が「3」となった時点でAND回路33の出力がHighとなる。AND回路33の出力がHighとなると、OR回路35は、ON/OFF端子を「ON」に設定する。
【0066】
プルアップ抵抗器36,37は、AND回路33,34の入力端子に接続される信号線の状態をHighに保つ抵抗器である。
【0067】
次に、図3に示したパルス信号発生回路120、シフトレジスタ30、AND回路31〜34、OR回路35の動作波形について説明する。図4は、パルス信号発生回路120、シフトレジスタ30、AND回路31〜34、OR回路35の動作波形を示す図である。
【0068】
図4に示すように、パルス信号発生回路120からシフトレジスタ30に出力されるパルス信号のパルス数に限らず、AND回路31,32の出力は、常にLowとなる(図4のAND回路出力J、K参照)。
【0069】
一方、シフトレジスタ30に入力されたパルス数が「3」となった時点で、シフトレジスタ30の出力DがHighとなり(図4のシフトレジスタ出力B参照)、AND回路33の出力LはHighとなる(図4のAND回路出力L参照)。そして、AND回路33の出力LがHighとなることで、OR回路35の出力がHighとなる(図4のOR回路出力N参照)。
【0070】
図3に示したように、AND回路31〜34の片方の入力をLow又はHighに設定する事で任意のパルス数後に信号を出力させることができる。例えば、図3の場合とは異なり、2番目のパルスで信号を出力する場合には、AND回路31の入力端子にLow(GND)を接続し、AND回路32〜34の入力端子にHigh(プルアップ抵抗器)を接続すればよい。
【0071】
また、図3に示した事例では、シフトレジスタ30、AND回路31〜34を4つ使用して4番目のパルスまで対応しているが、必要に応じてシフトレジスタとAND回路の数を増やせば、任意の数のパルス数まで対応することができる。また、図3では、プルアップ抵抗器36,37およびGNDをAND回路31〜34に接続して、ON/OFF端子を制御するタイミングを調整しているが、これに限定されるものではない。例えば、書き換え可能なメモリ素子、外部からのコントロール信号によって、AND回路31〜34の入力端子にLowまたはHighを出力する回路を設置しても良い。
【0072】
上述してきたように、本実施例1にかかる電源制御回路100は、パルス信号発生回路120から一本の制御信号配線をDCDCコンバータ130〜150に接続し、各DCDCコンバータ130〜150が、パルス信号発生回路120により発生するパルス信号のパルス数を計数して電圧を出力するタイミングを調整することで、負荷回路160に対する電源投入を制御するので、高密度化した配線板においても、他の信号線配線を圧迫することなく、複雑なシーケンス制御を提供することが可能となり、より高密度な配線の装置に電源回路を搭載することが可能になる。
【0073】
また、本実施例1にかかる電源制御回路100は、従来のように電圧監視回路や遅延信号回路は、負荷回路構成によりシーケンス設定が変わるので多種の設定を必要とし、その為の定数設定の構成部品点数が多くなることにより設定工程のコスト、製造管理コストが高くなるが、本発明ではパルス数の設定を論理回路で設定するだけでシーケンス設定が出来るので負荷回路構成が変わっても同一の回路でパルス設定を変える論理変更だけで対応が可能となり、設計工数のコスト、製造管理コストを下げることができる。
【0074】
また、本実施例1にかかる電源制御回路100は、起動シーケンスの順序を変更する場合に、制御線の接続先切り替えを行うことなく、制御回路の設定を変更するだけで任意に変更可能となる。これにより、配線基板の改版を行うことなく、簡単な設定変更だけで起動シーケンス変更を行うことができる。
【実施例2】
【0075】
次に、本実施例2にかかる電源制御回路について説明する。本実施例2にかかる電源制御回路は、実施例1に示した電源制御回路100のパルス信号発生回路120の代わりに、単一のパルス信号を出力する複数のワンショットパルス発生器を備え、各DCDCコンバータが、各ワンショットパルス発生器から出力されるワンショットパルスの数を基にして、電源を出力するタイミングを調整することで、電源の投入順序を制御する。
【0076】
次に、本実施例2にかかる電源制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例2にかかる電源制御回路の構成を示す図である。図5に示すように、この電源制御回路200は、入力供給電源210と、電圧監視回路220a〜220cと、ワンショットパルス発生器230a〜230cと、DCDCコンバータ240〜260と、負荷回路270を有する。
【0077】
入力供給電源210は、DCDCコンバータ240〜260に電圧を供給する回路である。入力供給電源210のプラス端子は、DCDCコンバータ240〜260のVin(+)に接続され、入力供給電源210のマイナス端子は、DCDCコンバータ240〜260のVin(−)に接続されている。入力供給電源210がDCDCコンバータ240〜260に供給する電圧をVinとする。
【0078】
電圧監視回路220aは、入力供給電源210から出力されるVinを検出した場合に、ワンショットパルス発生器230aに制御信号を出力する回路である。電圧監視回路220bは、DCDCコンバータ240から出力されるVout1を検出した場合に、ワンショットパルス発生器230bに制御信号を出力する回路である。電圧監視回路220cは、DCDCコンバータ250から出力されるVout2を検出した場合に、ワンショットパルス発生器230cに制御信号を出力する回路である。
【0079】
ワンショットパルス発生器230aは、電圧監視回路220aから制御信号を取得した場合に、パルスを一つDCDCコンバータ240〜260に出力する回路である。ワンショットパルス発生器230bは、電圧監視回路220bから制御信号を取得した場合に、パルスを一つDCDCコンバータ240〜260に出力する回路である。ワンショットパルス発生器230cは、電圧監視回路220cから制御信号を取得した場合に、パルスを一つDCDCコンバータ240〜260に出力する回路である。実施例2では、一つのパルスからなるパルス信号をワンショットパルスと表記する。
【0080】
DCDCコンバータ240は、ワンショットパルス発生器230a〜230cからワンショットパルスを取得し、取得したワンショットパルスの累計が所定数に達した場合に、電圧Vout1を負荷回路270に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ240は、シフト数設定部240aと、シフトレジスタ部240bとを有している。なお、DCDCコンバータ240は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0081】
シフト数設定部240aは、Vout1を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部240aが設定したパルス数を第1パルス数と表記する。
【0082】
シフトレジスタ部240bは、各ワンショットパルス発生器230a〜230cから出力されるワンショットパルスのパルス数を計数し、計数したパルス数が第1パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ240は、入力供給電源210からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout1を負荷回路270に出力する。
【0083】
DCDCコンバータ250は、ワンショットパルス発生器230a〜230cからワンショットパルスを取得し、取得したワンショットパルスの累計が所定数に達した場合に、電圧Vout2を負荷回路270に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ250は、シフト数設定部250aと、シフトレジスタ部250bとを有している。なお、DCDCコンバータ250は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0084】
シフト数設定部250aは、Vout2を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部250aが設定したパルス数を第2パルス数と表記する。
【0085】
シフトレジスタ部250bは、各ワンショットパルス発生器230a〜230cから出力されるワンショットパルスのパルス数を計数し、計数したパルス数が第2パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ250は、入力供給電源210からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout2を負荷回路270に出力する。
【0086】
DCDCコンバータ260は、ワンショットパルス発生器230a〜230cからワンショットパルスを取得し、取得したワンショットパルスの累計が所定数に達した場合に、電圧Vout3を負荷回路270に出力する回路である。具体的に、DCDCコンバータ260は、シフト数設定部260aと、シフトレジスタ部260bとを有している。なお、DCDCコンバータ260は、端子として、Vin(+)、Vin(−)、Vout(+)、Vout(−)、ON/OFF端子を有している。
【0087】
シフト数設定部260aは、Vout3を出力するタイミングとなるパルス信号のパルス数を設定する回路である。以下の説明において、シフト数設定部260aが設定したパルス数を第3パルス数と表記する。
【0088】
シフトレジスタ部260bは、各ワンショットパルス発生器230a〜230cから出力されるワンショットパルスのパルス数を計数し、計数したパルス数が第3パルス数に達した場合に、ON/OFF端子を「ON」に設定する回路である。DCDCコンバータ260は、入力供給電源210からVinを印加されている状態で、ON/OFF端子が「ON」となった場合に、電圧Vout3を負荷回路270に出力する。
【0089】
負荷回路270は、DCDCコンバータ240〜260から順に供給される電圧を利用して、各種の処理を実行する回路である。かかる負荷回路270には、例えば、コア回路、IO回路、各種LSIが搭載されているものとする。
【0090】
負荷回路270に投入する電圧Vout1〜Vout3の順番を調整するためには、シフトレジスタ部240b〜260bに設定する第1パルス数、第2パルス数、第3パルス数を投入順序にあわせて調整すればよい。例えば、電圧Vout1、Vout2、Vout3の順に負荷回路270に投入する場合には、第1パルス数<第2パルス数<第3パルス数となるように、第1パルス数、第2パルス数、第3パルス数を調整すればよい。
【0091】
なお、図5に示したシフト数設定部240a〜260a、シフトレジスタ部240b〜260bの詳細な説明は、実施例1に示したシフト数設定部130a〜150a、シフトレジスタ部130b〜150bの説明と同様である(図3参照)。
【0092】
次に、図5に示した電源制御回路200の動作波形について説明する。図6は、本実施例2にかかる電源制御回路200の動作波形を示す図である。なお、ここでは一例として、シフトレジスタ部240bの第1パルス数を「1」、シフトレジスタ部250bの第2パルス数を「2」、シフトレジスタ部260bのパルス数を「3」とする。
【0093】
入力供給電源210は、DCDCコンバータ240〜260にVinを供給する(図6のVin参照)と、電圧監視回路220aがVinを検出し、制御信号をワンショットパルス発生器230aに出力し、ワンショットパルス発生器230aがワンショットパルスをDCDCコンバータ240〜260に出力する(図6のV0参照)。
【0094】
シフトレジスタ部240bは、ワンショットパルス発生器230aから出力されるワンショットパルスを取得し、パルス数が「1」となった時点で、制御信号S1をON/OFF端子に出力する(図6のS1参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ240は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout1を出力する(図6のVout1参照)。
【0095】
電圧監視回路220bは、Vout1を検出し、制御信号をワンショットパルス発生器230bに出力し、ワンショットパルス発生器230bがワンショットパルスをDCDCコンバータ240〜260に出力する(図6のV1参照;ワンショットパルス発生器230aからTs遅れてワンショットパルスを出力する)。
【0096】
シフトレジスタ部250bは、ワンショットパルス発生器230bから出力されるワンショットパルスを取得し、パルス数が「2」となった時点で、制御信号S2をON/OFF端子に出力する(図6のS2参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ250は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout2を出力する(図6のVout2参照)。
【0097】
電圧監視回路220cは、Vout2を検出し、制御信号をワンショットパルス発生器230cに出力し、ワンショットパルス発生器230cがワンショットパルスをDCDCコンバータ240〜260に出力する(図6のV2参照;ワンショットパルス発生器230bからTs遅れてワンショットパルスを出力する)。
【0098】
シフトレジスタ部260bは、ワンショットパルス発生器230cから出力されるワンショットパルスを取得し、パルス数が「3」となった時点で、制御信号S3をON/OFF端子に出力する(図6のS3参照)ことで、ON/OFF端子を「ON」に設定する。DCDCコンバータ260は、ON/OFF端子が「ON」に設定されると、Vout3を出力する(図6のVout3参照)。
【0099】
上述してきたように、本実施例2にかかる電源制御回路200は、パルス信号発生回路の代わりに、単一のパルス信号を出力する複数のワンショットパルス発生器を備え、各DCDCコンバータ240〜260が、各ワンショットパルス発生器230a〜230cから出力されるワンショットパルスを計数して電圧を出力するタイミングを調整することで、負荷回路270に対する電源投入を制御するので、パルス信号の乱れ・遅延等による影響を抑え、正確に電源投入の順序を制御することができる。
【0100】
また、本実施例2にかかる電源制御回路200は、従来のように電圧監視回路や遅延信号回路は、負荷回路構成によりシーケンス設定が変わるので多種の設定を必要とし、その為の定数設定の構成部品点数が多くなることにより設定工程のコスト、製造管理コストが高くなるが、本発明ではパルス数の設定を論理回路で設定するだけでシーケンス設定が出来るので負荷回路構成が変わっても同一の回路でパルス設定を変える論理変更だけで対応が可能となり、設計工数のコスト、製造管理コストを下げることができる。
【0101】
また、本実施例2にかかる電源制御回路200は、起動シーケンスの順序を変更する場合に、制御線の接続先切り替えを行うことなく、制御回路の設定を変更するだけで任意に変更可能となる。これにより、配線基板の改版を行うことなく、簡単な設定変更だけで起動シーケンス変更を行うことができる。
【0102】
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0103】
また、実施例1、2に示した電源制御回路100,200の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0104】
以上の実施例1,2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0105】
(付記1)各々異なる負荷回路に接続されると共に同一のパルス信号出力手段に接続され、該パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御手段、を有することを特徴とする電源制御装置。
【0106】
(付記2)前記パルス信号出力手段は、一定の周期にてパルス信号を前記複数の電源制御手段に出力することを特徴とする付記1に記載の電源制御装置。
【0107】
(付記3)前記電源制御手段は、前記負荷回路に電源を出力するタイミングにあわせてグランドまたはプルアップ抵抗に接続された複数のAND回路と、前記パルス信号のパルス数に応じて異なるAND回路に制御信号を出力するシフトレジスタとを有し、前記電源制御手段は、前記AND回路のいずれかから制御信号が出力された場合に、前記負荷回路に電源を出力することを特徴とする付記1または2に記載の電源制御装置。
【0108】
(付記4)前記AND回路の入力端子にLowまたはHighを出力することで、前記電源制御手段が前記負荷回路に電源を出力するタイミングを調整する調整手段を更に備えたことを特徴とする付記3に記載の電源制御装置。
【0109】
(付記5)各々入力供給電源または前記電源制御手段の電源出力側に配置され、出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力手段と、
各々異なる負荷回路に接続されると共に入力供給電源からの出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力手段に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御手段を有することを特徴とする電源制御装置。
【0110】
(付記6)前記電源制御手段は、前記負荷回路に電源を出力するタイミングにあわせてグランドまたはプルアップ抵抗に接続された複数のAND回路と、前記パルス信号のパルス数に応じて異なるAND回路に制御信号を出力するシフトレジスタとを有し、前記電源制御手段は、前記AND回路のいずれかから制御信号が出力された場合に、前記負荷回路に電源を出力することを特徴とする付記5に記載の電源制御装置。
【0111】
(付記7)前記AND回路の入力端子にLowまたはHighを出力することで、前記電源制御手段が前記負荷回路に電源を出力するタイミングを調整する調整手段を更に備えたことを特徴とする付記6に記載の電源制御装置。
【0112】
(付記8)パルス信号を出力するパルス信号出力装置と、
各々異なる負荷回路に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御装置と、
を有することを特徴とする電源制御システム。
【0113】
(付記9)入力供給電源または前記電源制御手段の電源出力側に配置され、出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力装置と、
各々異なる負荷回路に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御装置と、
を有することを特徴とする電源制御システム。
【符号の説明】
【0114】
10 第1の電源制御回路
11,21,110,210 入力供給電源
12a,12b,12c、22a,22b,22c,130,140,150,240,250,260 DCDCコンバータ
13a,13b,220a,220b,220c 電圧監視回路
14,24,160,270 負荷回路
20 第2の電源制御回路
23 遅延信号回路
30 シフトレジスタ
31,32,33,34 AND回路
35 OR回路
36,37 プルアップ抵抗器
100,200 電源制御回路
120 パルス信号発生回路
130a,140a,150a,240a,250a,260a シフト数設定部
130b,140b,150b,240b,250b,260b シフトレジスタ部
230a,230b,230c ワンショットパルス発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々異なる負荷回路に接続されると共に同一のパルス信号出力手段に接続され、該パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御手段、
を有することを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記パルス信号出力手段は、一定の周期にてパルス信号を前記複数の電源制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
各々入力供給電源または前記電源制御手段の電源出力側に配置され、出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力手段と、
各々異なる負荷回路に接続されると共に入力供給電源からの出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力手段に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御手段を、
有することを特徴とする電源制御装置。
【請求項4】
パルス信号を出力するパルス信号出力装置と、
各々異なる負荷回路に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御装置と、
を有することを特徴とする電源制御システム。
【請求項5】
入力供給電源または前記電源制御手段の電源出力側に配置され、出力電圧の立ち上がりを検出した場合に、単一のパルス信号を出力するワンショットパルス信号出力装置と、
各々異なる負荷回路に接続され、前記パルス信号出力手段から出力されるパルス信号のパルス数が各々において予め規定されている数に達したときに、対応する負荷回路への電力供給を開始する複数の電源制御装置と、
を有することを特徴とする電源制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−170341(P2010−170341A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12363(P2009−12363)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】