説明

電源制御装置

【課題】高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、効率よく電力を供給する電源制御装置を提供する。
【解決手段】降圧手段は、発電機から供給される電力を第1の電圧まで降圧し、低電圧負荷に供給する。昇降圧手段は、発電機から供給される電力を第2の電圧まで昇圧または降圧し、高電圧負荷に供給する。第1切替手段は、発電機から供給される電力を低電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび降圧手段を介して発電機から供給される電力を低電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。第2切替手段は、発電機から供給される電力を高電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび昇降圧手段を介して発電機から供給される電力を高電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。制御手段は、降圧手段、昇降圧手段、第1切替手段、および第2切替手段の動作をそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気負荷に電力を供給する電源制御装置に関し、特に、高電圧負荷および低電圧負荷に電力を供給する電源制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、定格電圧が異なる電気負荷を搭載した車両が実用化されている。例えば、当該車両においては、高電位(例えば、約42V)の電力供給を受ける高電圧負荷と、低電位(例えば、約12V)の電力供給を受ける低電圧負荷とが設けられている。
【0003】
また、高電圧負荷および低電圧負荷へは、発電機およびバッテリから電力供給される。具体的には、高電圧負荷に高電位の電力を供給するバッテリは、高電圧の鉛蓄電池等が用いられる。また、低電圧負荷に低電位の電力を供給するバッテリも、鉛蓄電池等が用いられる。そして、車両に搭載される発電機は、高電圧負荷および低電圧負荷に電力供給しながら、上記2つのバッテリを充電する。
【0004】
例えば、上述した車両に搭載される発電機の一例として、可変出力の自動車用発電機がある(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1で開示された自動車用発電機は、高電圧負荷に整流後の電力を供給し、低電圧負荷にはスイッチングコンバータを介して整流後の電力を供給している。
【特許文献1】特開平6−225599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1で開示された自動車用発電機は、必ずスイッチングコンバータを介して低電圧負荷に電力を供給するため、変換ロスが大きくなる。また、発電機と高電圧負荷とが直接接続されているため、発電機の低回転域において当該高電圧負荷の必要電圧を確保することが困難となることがある。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、効率よく電力を供給する電源制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するために、本発明は、以下に示すような特徴を有している。
第1の発明は、駆動回転数に応じた電圧の電力を発電する発電機から、定格電圧が異なる低電圧負荷と高電圧負荷とに対してそれぞれ電力を供給する電源制御装置である。電源制御装置は、降圧手段、昇降圧手段、第1切替手段、第2切替手段、および制御手段を備える。降圧手段は、発電機から供給される電力を第1の電圧まで降圧し、低電圧負荷に供給する。昇降圧手段は、発電機から供給される電力を第2の電圧まで昇圧または降圧し、高電圧負荷に供給する。第1切替手段は、発電機から供給される電力を低電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび降圧手段を介して発電機から供給される電力を低電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。第2切替手段は、発電機から供給される電力を高電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび昇降圧手段を介して発電機から供給される電力を高電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。制御手段は、降圧手段、昇降圧手段、第1切替手段、および第2切替手段の動作をそれぞれ制御する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、制御手段は、発電機の発電電圧に基づいて、第1切替手段が導通させる電力供給ラインおよび第2切替手段が導通させる電力供給ラインを選択する。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、制御手段は、発電機の発電電圧が低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を低電圧負荷に直接供給する電力供給ラインを第1切替手段が導通させる制御を行う。
【0010】
第4の発明は、上記第2の発明において、制御手段は、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を高電圧負荷に直接供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0011】
第5の発明は、上記第2の発明において、制御手段は、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲より低い場合、高電圧負荷が作動可能な電圧範囲内に第2の電圧を設定して、昇降圧手段の動作を制御する。制御手段は、昇降圧手段を介して発電機から供給される電力を高電圧負荷に供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0012】
第6の発明は、上記第2の発明において、低電圧負荷に電力を供給する低電圧系バッテリが、当該低電圧負荷と並列にさらに接続されている。降圧手段は、第1の電圧まで降圧した電力を、さらに低電圧系バッテリに供給する。第1切替手段は、発電機から供給される電力を低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインと、降圧手段を介して発電機から供給される電力を低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。制御手段は、発電機の発電電圧が低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを第1切替手段が導通させる制御を行う。
【0013】
第7の発明は、上記第6の発明において、制御手段は、充電判定手段を含む。充電判定手段は、低電圧系バッテリの充電状態を判定する。制御手段は、低電圧系バッテリが満充電状態にないと充電判定手段が判定し、かつ、発電機の発電電圧が低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを第1切替手段が導通させる制御を行う。
【0014】
第8の発明は、上記第7の発明において、制御手段は、低電圧系バッテリが満充電状態にあると充電判定手段が判定した場合、低電圧負荷が作動可能で、かつ、低電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲より低い電圧に第1の電圧を設定して、降圧手段の動作を制御する。制御手段は、降圧手段を介して発電機から供給される電力を低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインを第1切替手段が導通させる制御を行う。
【0015】
第9の発明は、上記第2の発明において、高電圧負荷に電力を供給する高電圧系バッテリが、当該高電圧負荷と並列にさらに接続されている。昇降圧手段は、第2の電圧まで降圧した電力を、さらに高電圧系バッテリに供給する。第2切替手段は、発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインと、昇降圧手段を介して発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる。制御手段は、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0016】
第10の発明は、上記第9の発明において、制御手段は、充電判定手段を含む。充電判定手段は、高電圧系バッテリの充電状態を判定する。制御手段は、高電圧系バッテリが満充電状態にあると充電判定手段が判定し、かつ、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0017】
第11の発明は、上記第9の発明において、制御手段は、充電判定手段を含む。充電判定手段は、高電圧系バッテリの充電状態を判定する。制御手段は、高電圧系バッテリが満充電状態にないと充電判定手段が判定し、かつ、発電機の発電電圧が高電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲内である場合、発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0018】
第12の発明は、上記第9の発明において、制御手段は、充電判定手段を含む。充電判定手段は、高電圧系バッテリの充電状態を判定する。制御手段は、高電圧系バッテリが満充電状態にあると充電判定手段が判定した場合、高電圧負荷が作動可能で、かつ、高電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲より低い電圧に第2の電圧を設定して、昇降圧手段の動作を制御する。制御手段は、昇降圧手段を介して発電機から供給される電力を高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインを第2切替手段が導通させる制御を行う。
【0019】
第13の発明は、上記第1または第2の発明において、第1逆流防止手段および第2逆流防止手段を、さらに備える。第1逆流防止手段は、発電機から供給される電力を低電圧負荷に直接供給する電力供給ライン上に設けられる。第2逆流防止手段は、発電機から供給される電力を高電圧負荷に直接供給する電力供給ライン上に設けられる。
【発明の効果】
【0020】
上記第1の発明によれば、高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、発電機の発電電力を効率よく電力を供給することができる。例えば、スイッチングコンバータ等を介することなく、発電機の発電電力を低電圧負荷および高電圧負荷に直接供給することが可能であり、高効率な電力供給が可能となる。
【0021】
上記第2の発明によれば、発電機の発電電圧に応じて、効率よく電力を供給することができる。
【0022】
上記第3の発明によれば、発電機の発電電圧が低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機の発電電力が低電圧負荷に直接供給されるため、高効率な電力供給が可能となる。
【0023】
上記第4の発明によれば、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機の発電電力が高電圧負荷に直接供給されるため、高効率な電力供給が可能となる。
【0024】
上記第5の発明によれば、発電機が低回転域で駆動している状態であっても、高電圧負荷の作動に必要な電圧を確保することができる。
【0025】
上記第6の発明によれば、低電圧負荷に低電圧系バッテリが並列に接続されたシステムにおいて、発電機の発電電圧が低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機の発電電力が低電圧負荷および低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給されるため、高効率な電力供給が可能となる。
【0026】
上記第7および上記第8の発明によれば、低電圧系バッテリの充電状態に応じて、適切な電圧の電力供給が可能となる。
【0027】
上記第9の発明によれば、高電圧負荷に高電圧系バッテリが並列に接続されたシステムにおいて、発電機の発電電圧が高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、発電機の発電電力が高電圧負荷および高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給されるため、高効率な電力供給が可能となる。
【0028】
上記第10〜第12の発明によれば、高電圧系バッテリの充電状態に応じて、適切な電圧の電力供給が可能となる。
【0029】
上記第13の発明によれば、低電圧負荷からの逆流および高電圧負荷からの逆流を防止しながら、高効率な電力供給が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1の実施形態)
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムについて説明する。典型的には、当該電源制御装置は、定格電圧が異なる電気負荷(低電圧負荷、高電圧負荷)を搭載した車両に設置される。なお、図1は、当該電源制御装置を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図である。図2は、当該電源制御装置に含まれる降圧DC−DCコンバータ2の構成の一例を示す概略構成図である。図3は、当該電源制御装置に含まれる昇降圧DC−DCコンバータ3aの構成の一例を示す概略構成図である。
【0031】
図1において、当該電源制御装置を含む電力供給システムは、オルタネータ(発電機)1、降圧DC−DCコンバータ2、昇降圧DC−DCコンバータ3a、低電圧負荷4、高電圧負荷5、低電圧系バッテリ6、リレー7、リレー8、電流センサ9、4つの単方向素子(ダイオード)D1〜D4、および制御部15aを含んでいる。当該電力供給システムでは、オルタネータ1が発電した電力を低電圧負荷4および高電圧負荷5に供給する。また、当該電力供給システムでは、オルタネータ1が発電した電力が低電圧系バッテリ6に蓄電され、低電圧系バッテリ6に蓄電された電力が低電圧負荷4に供給される。ここで、低電圧負荷4は、車両に搭載される各種アクチュエータのうち、定格電圧が低電圧(例えば、約12V)で動作する電気負荷である。また、高電圧負荷5は、車両に搭載される各種アクチュエータのうち、定格電圧が高電圧(例えば、約42V)で動作する電気負荷である。
【0032】
オルタネータ1は、内燃機関から回転トルクを受けて駆動し、その駆動回転数に応じた電力を発電する。具体的には、オルタネータ1は、発電した交流電力を所定の発電電圧に調整されることなく直流電力に変換して出力する。また、オルタネータ1は、最低駆動回転数(例えば、内燃機関がアイドル回転状態に対応する駆動回転数)における発電電圧が、低電圧系バッテリ6の充電電圧以上である。一例として、オルタネータ1は、発電した交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータが内蔵されているが、当該直流出力の発電電圧を調整するレギュレータが未搭載であり、駆動回転数に応じた電力が未調整で出力される。他の例として、オルタネータ1は、部分共振を利用して駆動回転数に応じた最大電力を出力するタイプが用いられる。そして、オルタネータ1の正極端子(B(バッテリ)端子)には、電力供給ラインが接続される。
【0033】
制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2、昇降圧DC−DCコンバータ3a、リレー7、およびリレー8の動作を制御して、電力供給システム内の出力電圧を制御する。例えば、制御部15aは、電力供給システム全体を監視するECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)で構成される。
【0034】
低電圧負荷4は、リレー7の出力端子a0に接続され、ダイオードD1およびリレー7を介して、オルタネータ1の電力供給ラインと接続される。ダイオードD1は、上記電力供給ラインにアノード側が接続され、リレー7の入力端子a1にカソード側が接続される。そして、リレー7は、制御部15aによる制御に応じて、入力端子a1と出力端子a0との間、および入力端子a2と出力端子a0との間の何れか一方を導通させる。したがって、リレー7が入力端子a1と出力端子a0との間を導通させる場合、上記電力供給ラインおよびダイオードD1を介して、低電圧負荷4にオルタネータ1の発電電力がそのまま給電(以下、成り行き電力と記載することがある)される。
【0035】
低電圧系バッテリ6は、オルタネータ1が発電した電力を蓄電し、蓄電した電力を低電圧負荷4に供給する蓄電装置である。低電圧系バッテリ6は、例えば約12Vを定格電圧とし約14.5Vを充電電圧とする鉛蓄電池が用いられるが、他の二次電池(例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)が用いられてもかまわない。低電圧系バッテリ6の正極端子は、電流センサ9を介して、リレー7の出力端子a0に接続される。したがって、リレー7が入力端子a1と出力端子a0との間を導通させる場合、上記電力供給ラインおよびダイオードD1を介して、低電圧系バッテリ6にもオルタネータ1の成り行き電力が充電される。なお、リレー7が本発明の第1切替手段の一例に相当する。
【0036】
リレー7の入力端子a2は、降圧DC−DCコンバータ2およびダイオードD2を介して、オルタネータ1の電力供給ラインと接続される。降圧DC−DCコンバータ2は、上記電力供給ラインを介して供給されるオルタネータ1の発電電圧を、制御部15aから指示される電圧まで降圧させて、ダイオードD2のアノード側へ出力する。そして、ダイオードD2は、リレー7の入力端子a2にカソード側が接続される。したがって、リレー7が入力端子a2と出力端子a0との間を導通させる場合、ダイオードD2を介して、降圧DC−DCコンバータ2が降圧した電力が低電圧負荷4および低電圧系バッテリ6に供給されることになる。なお、降圧DC−DCコンバータ2は、本発明の降圧手段の一例に相当するが、詳細な構成については後述する。
【0037】
高電圧負荷5は、リレー8の出力端子b0に接続され、ダイオードD3およびリレー8を介して、オルタネータ1の電力供給ラインと接続される。ダイオードD3は、上記電力供給ラインにアノード側が接続され、リレー8の入力端子b1にカソード側が接続される。そして、リレー8は、制御部15aによる制御に応じて、入力端子b1と出力端子b0との間、および入力端子b2と出力端子b0との間の何れか一方を導通させる。したがって、リレー8が入力端子b1と出力端子b0との間を導通させる場合、上記電力供給ラインおよびダイオードD3を介して、高電圧負荷5にオルタネータ1の成り行き電力が給電される。なお、リレー8が本発明の第2切替手段の一例に相当する。
【0038】
リレー8の入力端子b2は、昇降圧DC−DCコンバータ3aおよびダイオードD4を介して、オルタネータ1の電力供給ラインと接続される。昇降圧DC−DCコンバータ3aは、上記電力供給ラインを介して供給されるオルタネータ1の発電電圧を、制御部15aから指示される電圧まで昇圧または降圧させて、ダイオードD4のアノード側へ出力する。そして、ダイオードD4は、リレー8の入力端子b2にカソード側が接続される。したがって、リレー8の入力端子b2と出力端子b0との間を導通させる場合、ダイオードD4を介して、昇降圧DC−DCコンバータ3aが降圧または昇圧した電力が高電圧負荷5に供給されることになる。なお、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、本発明の昇降圧手段の一例に相当するが、詳細な構成については後述する。
【0039】
電流センサ9は、低電圧系バッテリ6の充放電電流を検出し、検出結果を制御部15aへ出力する。
【0040】
降圧DC−DCコンバータ2は、オルタネータ1から供給された直流電力の電圧を降圧して低電圧負荷4および低電圧系バッテリ6へ出力する変圧回路を構成しており、低電圧系バッテリ6および低電圧負荷4とオルタネータ1との間の給電を制御する。例えば、降圧DC−DCコンバータ2は、シリーズ方式やスイッチング方式のコンバータが用いられる。以下、図2を用いて、スイッチング方式で構成された同期整流型の降圧DC−DCコンバータ2について説明する。
【0041】
図2において、降圧DC−DCコンバータ2は、オルタネータ1が発電した発電電圧を低電圧系バッテリ6が充電可能な充電電圧範囲まで降圧、または低電圧負荷4が作動可能な電圧範囲まで降圧する制御を行う。具体的には、降圧DC−DCコンバータ2は、オルタネータ1の電力供給ラインからの入力電圧Vinを出力電圧Voutまで降圧してダイオードD2のアノード側へ出力する。
【0042】
降圧DC−DCコンバータ2は、オルタネータ1の電力供給ラインとダイオードD2のアノード側との間を接続する入出力ライン上に、スイッチング素子22およびコイル24を備えている。例えば、スイッチング素子22は、バイポーラトランジスタやMOSFET(MOS Field Effect Transistor;MOS電界効果トランジスタ)で構成される。スイッチング素子22がPNP型トランジスタで構成される場合、上記入出力ライン上において、エミッタをオルタネータ1の電力供給ライン側にし、コイル24を介してコレクタをダイオードD2側にして挿入される。そして、スイッチング素子22とコイル24との間の入出力ラインは、ダイオード23を介して接地される。ダイオード23は、カソードを入出力ライン側にし、アノードを接地して挿入される。また、コイル24とダイオードD2のアノード側との間の入出力ラインは、コンデンサ25を介して接地される。さらに、コイル24とダイオードD2のアノード側との間の入出力ラインは、直列に接続された抵抗26および27を介して接地される。
【0043】
スイッチング素子22のベースに印加される出力電圧は、マイコン21によって制御される。マイコン21は、制御部15aによって制御され、当該制御部15aから出力される信号Iaによって指示される降圧電圧に応じて、スイッチング素子22を断続する。また、マイコン21は、抵抗26と抵抗27との間の電圧を検出することによって、降圧DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutを監視している。そして、マイコン21は、指示された降圧電圧に応じた周波数でスイッチング素子22を断続することによって、降圧DC−DCコンバータ2を降圧動作させる。なお、具体的な断続動作については既知であるため、詳細な説明を省略する。
【0044】
昇降圧DC−DCコンバータ3aは、オルタネータ1から供給された直流電力の電圧を昇圧または降圧して高電圧負荷5へ出力する変圧回路を構成しており、高電圧負荷5とオルタネータ1との間の給電を制御する。例えば、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、シリーズ方式やスイッチング方式のコンバータが用いられる。以下、図3を用いて、スイッチング方式で構成された同期整流型の昇降圧DC−DCコンバータ3aについて説明する。
【0045】
図3において、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、オルタネータ1が発電した発電電圧を高電圧負荷5が作動可能な電圧範囲まで昇圧または降圧する制御を行う。具体的には、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、オルタネータ1の電力供給ラインからの入力電圧Vinを出力電圧Voutまで昇圧または降圧してダイオードD4のアノード側へ出力する。
【0046】
図3に示すように、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、オルタネータ1の電力供給ラインとダイオードD4のアノード側との間を接続する入出力ライン上に、第1スイッチング素子32、コイル34、およびダイオード37を備えている。ダイオード37は、アノードをオルタネータ1の電力供給ライン側(コイル34側)にし、カソードをダイオードD4側にして、コイル34と出力端子との間に挿入される。例えば、第1スイッチング素子32は、MOSFETで構成される。第1スイッチング素子32がMOSFETで構成される場合、上記入出力ライン上において、ソースをオルタネータ1の電力供給ライン側にし、コイル34およびダイオード37を介してドレインをダイオードD4側にして挿入される。
【0047】
そして、第1スイッチング素子32とコイル34との間の入出力ラインは、ダイオード36を介して接地される。ダイオード36は、カソードを入出力ライン側にし、アノードを接地して挿入される。また、コイル34とダイオード37のアノード側との間の入出力ラインは、第2スイッチング素子33を介して接地される。第2スイッチング素子33も同様に、例えばMOSFETで構成される。第2スイッチング素子33がMOSFETで構成される場合、ソースを接地し、ドレインを入出力ライン側にして挿入される。また、ダイオード37のカソード側とダイオードD4のアノード側との間の入出力ラインは、コンデンサ35を介して接地される。さらに、ダイオード37のカソード側とダイオードD4のアノード側との間の入出力ラインは、直列に接続された抵抗38および39を介して接地される。このように、昇降圧DC−DCコンバータ3aは、一般的な昇圧コンバータ回路と降圧コンバータ回路とを、同じ回路内で組み合わせることによって構成されている。
【0048】
第1スイッチング素子32および第2スイッチング素子33のゲートに印加される出力電圧は、それぞれマイコン31によって制御される。マイコン31は、制御部15aによって制御され、当該制御部15aから出力される信号Ibによって指示される昇圧電圧または降圧電圧に応じて、第1スイッチング素子32および第2スイッチング素子33を断続する。また、マイコン31は、抵抗38と抵抗39との間の電圧を検出することによって、昇降圧DC−DCコンバータ3aの出力電圧Voutを監視している。そして、マイコン31は、指示された昇圧電圧または降圧電圧に応じた周波数で第1スイッチング素子32および第2スイッチング素子33をそれぞれ断続することによって、昇降圧DC−DCコンバータ3aを昇圧または降圧動作させる。なお、具体的な断続動作については既知であるため、詳細な説明を省略する。
【0049】
例えば、制御部15aは、オルタネータ1から低電圧系バッテリ6へ電力供給して低電圧系バッテリ6を充電しながら低電圧負荷4に電力供給する場合、低電圧系バッテリ6の充電電圧(約14.5V)を出力電圧Voutにして降圧DC−DCコンバータ2を降圧動作させる。また、制御部15aは、低電圧系バッテリ6を充電せずにオルタネータ1から低電圧負荷4に電力供給する場合、低電圧系バッテリ6の充電電圧より低い低電圧負荷4の作動可能電圧(約12V)を出力電圧Voutにして降圧DC−DCコンバータ2を降圧動作させる。また、制御部15aは、オルタネータ1から高電圧負荷5に電力供給する場合、高電圧負荷5の作動可能電圧(約42V)を出力電圧Voutにして昇降圧DC−DCコンバータ3aを昇圧または降圧動作させる。なお、マイコン21、マイコン31、および制御部15aは、本発明の制御手段の一例に相当する。
【0050】
次に、図4〜図7を参照して、制御部15aによって制御される電源制御装置の動作について説明する。なお、図4は、電源制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。図5は、図4のステップS52における高電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図6は、図4のステップS54におけるバッテリおよび低電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。図7は、図4のステップS55における低電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
【0051】
図4において、制御部15aは、車両の高電圧負荷5が作動しているか否かを判断する(ステップS51)。そして、制御部15aは、高電圧負荷5が作動している場合、次のステップS52に処理を進める。一方、制御部15aは、高電圧負荷5が作動していない場合、次のステップS53に処理を進める。
【0052】
ステップS52において、制御部15aは、高電圧負荷5に電力を供給する処理を行い、次のステップS53に処理を進める。以下、図5を参照して、ステップS52で行う高電圧負荷電力供給処理について説明する。
【0053】
図5において、制御部15aは、オルタネータ1の発電電圧Vaが高電圧負荷5の最大入力電圧VHmaxより高いか否かを判断する(ステップS61)。そして、制御部15aは、発電電圧Va>最大入力電圧VHmaxの場合、次のステップS63に処理を進める。一方、制御部15aは、発電電圧Va≦最大入力電圧VHmaxの場合、次のステップS62に処理を進める。
【0054】
ステップS62において、制御部15aは、オルタネータ1の発電電圧Vaが高電圧負荷5の最低作動電圧VHminより高いか否かを判断する。そして、制御部15aは、発電電圧Va>最低作動電圧VHminの場合、次のステップS67に処理を進める。一方、制御部15aは、発電電圧Va≦最低作動電圧VHminの場合、次のステップS65に処理を進める。
【0055】
発電電圧Va>最大入力電圧VHmaxの場合(上記ステップS61でYes)、制御部15aは、リレー8が入力端子b2と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS63)。そして、制御部15aは、昇降圧DC−DCコンバータ3aを降圧動作させて(ステップS64)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15aは、昇降圧DC−DCコンバータ3aの出力電圧Voutが、高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VHmax以下(例えば、42V)まで降圧するように昇降圧DC−DCコンバータ3aの動作を制御して、高電圧負荷5に降圧電力を供給する。
【0056】
発電電圧Va<最低作動電圧VHminの場合(上記ステップS62でNo)、制御部15aは、リレー8が入力端子b2と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS65)。そして、制御部15aは、昇降圧DC−DCコンバータ3aを昇圧動作させて(ステップS66)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15aは、昇降圧DC−DCコンバータ3aの出力電圧Voutが、高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VHmax以下(例えば、42Vや最低作動電圧VHmin)まで昇圧するように昇降圧DC−DCコンバータ3aの動作を制御して、高電圧負荷5に昇圧電力を供給する。
【0057】
最低作動電圧VHmin≦発電電圧Va≦最大入力電圧VHmaxの場合(上記ステップS61でNo、ステップS62でYes、すなわち、高電圧負荷5の作動可能な電圧範囲内の場合)、制御部15aは、リレー8が入力端子b1と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS67)。そして、制御部15aは、オルタネータ1が発電している成り行き電力をそのまま高電圧負荷5に供給して(ステップS68)、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、上記ステップS68においては、制御部15aは、昇降圧DC−DCコンバータ3aを動作させなくてよい。
【0058】
図4に戻り、上記ステップS52の高電圧負荷電力供給処理の後、制御部15aは、低電圧系バッテリ6が満充電状態か否かを判断する(ステップS53)。そして、制御部15aは、低電圧系バッテリ6が満充電状態でない場合、次のステップS54に処理を進める。一方、制御部15aは、低電圧系バッテリ6が満充電状態の場合、次のステップS55に処理を進める。具体的には、制御部15aは、電流センサ9から出力される低電圧系バッテリ6の充放電電流の検出結果に基づいて、低電圧系バッテリ6が満充電状態か否かを判断する。一例として、制御部15aは、低電圧系バッテリ6の充電電圧(例えば14.5V)にて低電圧系バッテリ6を所定時間以上の間充電した状態を満充電状態と定義する。そして、制御部15aは、低電圧系バッテリ6の充放電電流の検出結果が当該満充電状態から一定範囲内の放電であれば、低電圧系バッテリ6が満充電状態であると判断する。他の例として、制御部15aは、低電圧系バッテリ6の充電電圧にて低電圧系バッテリ6を充電しているときに低電圧系バッテリ6の充電電流が閾値以下となった状態を満充電状態と定義する。そして、制御部15aは、低電圧系バッテリ6の充放電電流の検出結果が当該満充電状態から一定範囲内の放電であれば、低電圧系バッテリ6が満充電状態であると判断する。
【0059】
ステップS54において、制御部15aは、低電圧系バッテリ6および低電圧負荷4に電力を供給する処理を行い、次のステップS56に処理を進める。以下、図6を参照して、ステップS54で行うバッテリおよび低電圧負荷電力供給処理について説明する。
【0060】
図6において、制御部15aは、オルタネータ1の発電電圧Vaが低電圧負荷4の最大入力電圧VLmaxより高いか否かを判断する(ステップS71)。そして、制御部15aは、発電電圧Va>最大入力電圧VLmaxの場合、次のステップS72に処理を進める。一方、制御部15aは、発電電圧Va≦最大入力電圧VHmaxの場合、次のステップS74に処理を進める。
【0061】
発電電圧Va>最大入力電圧VLmaxの場合(上記ステップS71でYes)、制御部15aは、リレー7が入力端子a2と出力端子a0との間を導通するように、リレー7を制御する(ステップS72)。そして、制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2を降圧動作させて(ステップS73)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutが低電圧系バッテリ6の充電電圧以上、最大入力電圧VHmax以下(例えば、14.5V)まで降圧するように、降圧DC−DCコンバータ2の動作を制御し、低電圧負荷4および低電圧系バッテリ6に第1降圧電力を供給する。
【0062】
発電電圧Va≦最大入力電圧VLmaxの場合(上記ステップS71でNo、すなわち、低電圧負荷4の作動可能な電圧範囲内の場合)、制御部15aは、リレー7が入力端子a1と出力端子a0との間を導通するように、リレー7を制御する(ステップS74)。そして、制御部15aは、オルタネータ1が発電している成り行き電力をそのまま低電圧負荷4および低電圧系バッテリ6に供給して(ステップS75)、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、上記ステップS75においては、制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2を動作させなくてよい。
【0063】
図4に戻り、上記ステップS53において低電圧系バッテリ6が満充電状態であると判断された場合、制御部15aは、低電圧系バッテリ6に電力を供給する処理を行い、次のステップS56に処理を進める。以下、図7を参照して、ステップS55で行う低電圧負荷電力供給処理について説明する。
【0064】
図7において、制御部15aは、リレー7が入力端子a2と出力端子a0との間を導通するように、リレー7を制御する(ステップS82)。そして、制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2を降圧動作させて(ステップS83)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15aは、降圧DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutが低電圧負荷4の最低作動電圧以上、最大入力電圧VHmax以下で、かつ、低電圧系バッテリ6の充電電圧より低い電圧(例えば、12V)まで降圧するように、降圧DC−DCコンバータ2の動作を制御し、低電圧負荷4に第2降圧電力を供給する。
【0065】
図4に戻り、ステップS54のバッテリおよび低電圧負荷電力供給処理またはステップS55の低電圧負荷電力供給処理の後、制御部15aは、電力供給を終了するか否かを判断する(ステップS56)。電力供給を終了する条件としては、例えば、車両のユーザがイグニッションキーをOFFしたり、車両の内燃機関が停止してオルタネータ1が未発電状態となったりすること等がある。制御部15aは、電力供給を終了しない場合に上記ステップS51に戻って処理を繰り返し、電力供給を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0066】
このように、第1の実施形態に係る電源制御装置によれば、高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、オルタネータ1の発電電圧に応じて効率よく電力を供給することができる。例えば、オルタネータ1の発電電圧が低電圧負荷4の最大入力電圧VLmax以下の場合(すなわち、低電圧負荷4の作動可能な電圧範囲内の場合)、低電圧系バッテリ6が満充電状態でなければオルタネータ1の成り行き電力が低電圧負荷4に供給されるため、電力供給ロスを低減することができる。また、オルタネータ1の発電電圧が高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VLmax以下の場合(すなわち、高電圧負荷5の作動可能な電圧範囲内の場合)、オルタネータ1の成り行き電力が高電圧負荷5に供給されるため、電力供給ロスを低減することができる。さらに、低電圧系バッテリ6が満充電状態であれば、低電圧系バッテリ6の充電電圧より低い電圧の電力が低電圧負荷4に供給されるため、効率のよい電力供給が行える。また、オルタネータ1の低回転域において、オルタネータ1の発電電圧が高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin未満であっても、当該発電電圧を最低作動電圧VHmin以上に昇圧して高電圧負荷5に給電するため、常に高電圧負荷5の必要電圧を確保して電力供給することができる。また、当該電力制御装置が搭載された電力供給システムでは、低電圧系バッテリ6への充電性を確保しながら電気負荷へ最適な電圧を印加することが可能となり、当該電気負荷の消費電力を抑制して車両の燃費を向上させることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
以下、図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムについて説明する。典型的には、当該電源制御装置は、第1の実施形態に係る電源制御装置と同様に、定格電圧が異なる電気負荷(低電圧負荷、高電圧負荷)を搭載した車両に設置される。なお、図8は、当該電源制御装置を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図である。
【0068】
図8において、当該電力供給システムは、オルタネータ1、降圧DC−DCコンバータ2、昇降圧DC−DCコンバータ3b、低電圧負荷4、高電圧負荷5、低電圧系バッテリ6、リレー7、リレー8、電流センサ9、高電圧系バッテリ10、電流センサ11、4つのダイオードD1〜D4、および制御部15bを含んでいる。当該電力供給システムでは、オルタネータ1が発電した電力を低電圧負荷4および高電圧負荷5に供給する。また、当該電力供給システムでは、オルタネータ1が発電した電力が低電圧系バッテリ6および高電圧系バッテリ10に蓄電される。そして、低電圧系バッテリ6に蓄電された電力が低電圧負荷4に供給され、高電圧系バッテリ10に蓄電された電力が高電圧負荷5に供給される。
【0069】
第1の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムと比較すると、第2の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムは、高電圧系バッテリ10および電流センサ11が追加されており、他の構成要素は同様である。そして、第2の実施形態に係る電源制御装置では、高電圧系バッテリ10を充電する際の電力制御が追加され、昇降圧DC−DCコンバータ3bおよび制御部15bの制御動作が異なっており、他の構成要素は同様である。したがって、上述した第1の実施形態に係る電源制御装置と同様の構成要素に対しては、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
制御部15bは、降圧DC−DCコンバータ2、昇降圧DC−DCコンバータ3b、リレー7、およびリレー8の動作を制御して、電力供給システム内の出力電圧を制御する。例えば、制御部15bは、電力供給システム全体を監視するECUで構成される。
【0071】
高電圧系バッテリ10は、オルタネータ1が発電した電力を蓄電し、蓄電した電力を高電圧負荷5に供給する蓄電装置である。高電圧系バッテリ10は、例えば約42Vを定格電圧とし約45Vを充電電圧とする鉛蓄電池が用いられるが、他の二次電池(例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)が用いられてもかまわない。高電圧系バッテリ10の正極端子は、電流センサ11を介して、リレー8の出力端子b0に接続される。したがって、リレー8が入力端子b1と出力端子b0との間を導通させる場合、オルタネータ1の電力供給ラインおよびダイオードD3を介して、高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10にオルタネータ1の成り行き電力が供給される。
【0072】
リレー8の入力端子b2は、昇降圧DC−DCコンバータ3bおよびダイオードD4を介して、オルタネータ1の電力供給ラインと接続される。昇降圧DC−DCコンバータ3bは、上記電力供給ラインを介して供給されるオルタネータ1の発電電圧を、制御部15bから指示される電圧まで昇圧または降圧させて、ダイオードD4のアノード側へ出力する。そして、ダイオードD4は、リレー8の入力端子b2にカソード側が接続される。したがって、リレー8が入力端子b2と出力端子b0との間を導通させる場合、ダイオードD4を介して、昇降圧DC−DCコンバータ3bが降圧または昇圧した電力が高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に供給される。
【0073】
なお、昇降圧DC−DCコンバータ3bは、本発明の昇降圧手段の他の例に相当するが、その構成については図3を用いて説明した昇降圧DC−DCコンバータ3aと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
例えば、制御部15bは、オルタネータ1から高電圧系バッテリ10へ電力供給して高電圧系バッテリ10を充電しながら高電圧負荷5に電力供給する場合、高電圧系バッテリ10の充電電圧(約45V)を出力電圧Voutにして昇降圧DC−DCコンバータ3bを昇圧または降圧動作させる。また、制御部15bは、高電圧系バッテリ10を充電せずにオルタネータ1から高電圧負荷5に電力供給する場合、高電圧系バッテリ10の充電電圧より低い高電圧負荷5の作動可能電圧(約42V)を出力電圧Voutにして昇降圧DC−DCコンバータ3bを昇圧または降圧動作させる。なお、マイコン21、マイコン31、および制御部15bは、本発明の制御手段の他の例に相当する。
【0075】
電流センサ11は、高電圧系バッテリ10の充放電電流を検出し、検出結果を制御部15bへ出力する。
【0076】
次に、図9および図10を参照して、制御部15bによって制御される電源制御装置の動作について説明する。なお、図9は、電源制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、図9のステップS92におけるバッテリおよび高電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチンである。
【0077】
図9において、制御部15bは、高電圧系バッテリ10が満充電状態か否かを判断する(ステップS91)。そして、制御部15bは、高電圧系バッテリ10が満充電状態でない場合、次のステップS92に処理を進める。一方、制御部15bは、高電圧系バッテリ10が満充電状態の場合、次のステップS93に処理を進める。具体的には、制御部15bは、電流センサ11から出力される高電圧系バッテリ10の充放電電流の検出結果に基づいて、高電圧系バッテリ10が満充電状態か否かを判断する。なお、ステップS91における高電圧系バッテリ10が満充電状態か否かの判断方法については、上述したステップS53における低電圧系バッテリ6の満充電状態を判断する方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0078】
ステップS92において、制御部15bは、高電圧系バッテリ10および高電圧負荷5に電力を供給する処理を行い、次のステップS95に処理を進める。以下、図10を参照して、ステップS92で行うバッテリおよび高電圧負荷電力供給処理について説明する。
【0079】
図10において、制御部15bは、オルタネータ1の発電電圧Vaが高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲の上限VHcmaxより高いか否かを判断する(ステップS101)。そして、制御部15bは、発電電圧Va>充電電圧範囲の上限VHcmaxの場合、次のステップS103に処理を進める。一方、制御部15bは、発電電圧Va≦充電電圧範囲の上限VHcmaxの場合、次のステップS102に処理を進める。
【0080】
ステップS102において、制御部15bは、オルタネータ1の発電電圧Vaが高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲の下限VHcmin(VHcmin<VHcmax)より低いか否かを判断する。そして、制御部15bは、発電電圧Va<充電電圧範囲の下限VHcminの場合、次のステップS105に処理を進める。一方、制御部15bは、発電電圧Va≧充電電圧範囲の下限VHcminの場合、次のステップS107に処理を進める。
【0081】
発電電圧Va>充電電圧範囲の上限VHcmaxの場合(上記ステップS101でYes)、制御部15bは、リレー8が入力端子b2と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS103)。そして、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bを降圧動作させて(ステップS104)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bの出力電圧Voutが高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲(例えば、45V)まで降圧するように、昇降圧DC−DCコンバータ3bの動作を制御し、高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲の降圧電力を供給する。
【0082】
発電電圧Va<充電電圧範囲の下限VHcminの場合(上記ステップS102でYes)、制御部15bは、リレー8が入力端子b2と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS105)。そして、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bを昇圧動作させて(ステップS106)、当該サブルーチンによる処理を終了する。具体的には、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bの出力電圧Voutが高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲(例えば、45V)まで昇圧するように、昇降圧DC−DCコンバータ3bの動作を制御し、高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲の昇圧電力を供給する。
【0083】
充電電圧範囲の下限VHcmin≦発電電圧Va≦最大入力電圧VLmbxの場合(上記ステップS101およびステップS102で何れもNo、すなわち、高電圧系バッテリ10が充電可能な充電電圧範囲内の場合)、制御部15bは、リレー8が入力端子b1と出力端子b0との間を導通するように、リレー8を制御する(ステップS107)。そして、制御部15bは、オルタネータ1が発電している成り行き電力をそのまま高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に供給して(ステップS108)、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、上記ステップS108においては、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bを動作させなくてよい。
【0084】
図9に戻り、第2の実施形態に係る電源制御装置のステップS93〜ステップS97の動作は、図4を用いて説明したステップS51〜ステップS55の処理とそれぞれ同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、第2の実施形態におけるステップS64の処理においては、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bの出力電圧Voutが、高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VHmax以下で、かつ、高電圧系バッテリ10の充電電圧より低い電圧(例えば、42V)まで降圧するように昇降圧DC−DCコンバータ3bの動作を制御して、高電圧負荷5に降圧電力を供給してもよい。また、第2の実施形態におけるステップS66の処理においては、制御部15bは、昇降圧DC−DCコンバータ3bの出力電圧Voutが、高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VHmax以下で、かつ、高電圧系バッテリ10の充電電圧より低い電圧(例えば、42Vや最低作動電圧VHmin)まで昇圧するよう昇降圧DC−DCコンバータ3bの動作を制御して、高電圧負荷5に昇圧電力を供給してもよい。
【0085】
ステップS96のバッテリおよび低電圧負荷電力供給処理またはステップS97の低電圧負荷電力供給処理の後、制御部15bは、電力供給を終了するか否かを判断する(ステップS98)。そして、制御部15bは、電力供給を終了しない場合に上記ステップS91に戻って処理を繰り返し、電力供給を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0086】
このように、第2の実施形態に係る電源制御装置によれば、高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、高電圧系バッテリ10が設けられた車両においてもオルタネータ1の発電電圧に応じて効率よく電力を供給することができる。例えば、オルタネータ1の発電電圧が高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin以上、最大入力電圧VLmax以下(すなわち、高電圧負荷5が作動可能な電圧範囲内)で高電圧系バッテリ10が満充電状態の場合、オルタネータ1の成り行き電力が高電圧負荷5に供給されるため、電力供給ロスを低減することができる。また、オルタネータ1の発電電圧が高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲内で高電圧系バッテリ10が満充電状態でない場合も、オルタネータ1の成り行き電力が高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に供給されるため、電力供給ロスを低減することができる。また、オルタネータ1の低回転域において、オルタネータ1の発電電圧が高電圧負荷5の最低作動電圧VHmin未満や高電圧系バッテリ10の充電電圧範囲未満であっても、当該発電電圧を最低作動電圧VHmin以上や充電電圧範囲の下限VHcmin以上に昇圧して高電圧負荷5および高電圧系バッテリ10に給電するため、常に高電圧負荷5や高電圧系バッテリ10の必要電圧を確保して電力供給することができる。また、当該電力制御装置が搭載された電力供給システムでは、低電圧系バッテリ6および高電圧系バッテリ10への充電性を確保しながら電気負荷へ最適な電圧を印加することが可能となり、当該電気負荷の消費電力を抑制して車両の燃費を向上させることができる。
【0087】
なお、上述した説明では、低電圧系バッテリ6が満充電状態の場合、低電圧系バッテリ6の充電電圧より低い電圧の電力が低電圧負荷4に供給される(ステップS55、ステップS97)が、他の態様で低電圧負荷4に電力供給してもかまわない。例えば、低電圧系バッテリ6が満充電状態で、かつ、オルタネータ1の発電電圧が低電圧負荷4の最大入力電圧VLmax以下(すなわち、低電圧負荷4が作動可能な電圧範囲内)であれば、オルタネータ1の成り行き電力を低電圧負荷4に供給してもかまわない。
【0088】
また、上述した説明では、電源制御装置に4つの単方向素子(ダイオード)D1〜D4が挿入された例を説明したが、これらのダイオードD1〜D4を他の位置に挿入してもかまわない。例えば、ダイオードD1およびD2の代わりに、低電圧負荷4および電流センサ9とリレー7の出力端子a0との間(図1および図8参照)に同方向の1つのダイオードを挿入してもかまわない。また、ダイオードD3およびD4の代わりに、高電圧負荷5とリレー8の出力端子b0との間(図1参照)や高電圧負荷5および電流センサ11とリレー8の出力端子b0との間(図8参照)に同方向の1つのダイオードを挿入してもかまわない。
【0089】
また、上述した説明では、降圧DC−DCコンバータ2や昇降圧DC−DCコンバータ3を制御する動作を制御部15が行ったが、車両に搭載された他の制御部が降圧DC−DCコンバータ2や昇降圧DC−DCコンバータ3を制御してもかまわない。また、上述した説明では、マイコン21、マイコン31、および制御部15で構成される複数の制御部がそれぞれ本発明の制御手段として動作制御する一例を示したが、他の態様によって動作してもかまわない。例えば、マイコン21、マイコン31、および制御部15の何れか1つが、上述した動作制御を全て行ってもかまわない。また、制御部15は、降圧DC−DCコンバータ2や昇降圧DC−DCコンバータ3の内部に設けてもいいし、降圧DC−DCコンバータ2や昇降圧DC−DCコンバータ3の外部に設けてもいい。
【0090】
また、上述した各電圧等は、単なる一例に過ぎず他の電圧であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上述した説明では、定格電圧12Vおよび42Vの電力供給を想定して、低電圧系バッテリ6の出力電圧を約12V、低電圧系バッテリ6の充電電圧を約14V、高電圧系バッテリ10の出力電圧を約42V、高電圧系バッテリ10の充電電圧を約45Vとした。例えば、大型車等で用いられている定格電圧24Vの電力供給を想定する場合は、何れかのバッテリの出力電圧を約24V、充電電圧を約28Vとしてもかまわない。また、高電圧のニッケル水素電池等が蓄電装置に用いられるハイブリッドシステムを搭載した車両にも、本発明の電源制御装置が適用可能であることは言うまでもない。このように、電気負荷の定格電圧と蓄電装置の充電電圧とに対して、降圧DC−DCコンバータ2や昇降圧DC−DCコンバータ3で当該定格電圧や充電電圧に応じた変圧制御をすれば、どのような電圧の組み合わせであっても適用可能であることは言うまでもない。
【0091】
また、上述した説明では、電源制御装置が車両に設置される一例を用いたが、発電機と蓄電装置とが搭載された他の移動体に用いられてもかまわない。例えば、本発明の電源制御装置は、乗用車、大型車、二輪車等の車両の他に、飛行機や船舶等の様々な移動体に設置することが可能である。
【0092】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明に係る電源制御装置は、高電圧負荷および低電圧負荷へ電力を供給するシステムにおいて、効率よく電力を供給することができ、定格電圧の異なる電気負荷が搭載される電力供給システム等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図
【図2】図1の降圧DC−DCコンバータ2の構成の一例を示す概略構成図
【図3】図1の昇降圧DC−DCコンバータ3aの構成の一例を示す概略構成図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る電源制御装置の動作の一例を示すフローチャート
【図5】図4のステップS52における高電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図6】図4のステップS54におけるバッテリおよび低電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図7】図4のステップS55における低電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電源制御装置を含む電力供給システムの構成の一例を示す概略構成図
【図9】本発明の第2の実施形態に係る電源制御装置の動作の一例を示すフローチャート
【図10】図9のステップS92におけるバッテリおよび高電圧負荷電力供給処理の詳細な動作を示すサブルーチン
【符号の説明】
【0095】
1…オルタネータ
2…降圧DC−DCコンバータ
21、31…マイコン
22…スイッチング素子
23、36、37、D1〜D4…ダイオード
24、34…コイル
25、35…コンデンサ
26、27、38、39…抵抗
3…昇降圧DC−DCコンバータ
32…第1スイッチング素子
33…第2スイッチング素子
4…低電圧負荷
5…高電圧負荷
6…低電圧系バッテリ
7、8…リレー
9、11…電流センサ
10…高電圧系バッテリ
15…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回転数に応じた電圧の電力を発電する発電機から、定格電圧が異なる低電圧負荷と高電圧負荷とに対してそれぞれ電力を供給する電源制御装置であって、
前記発電機から供給される電力を第1の電圧まで降圧し、前記低電圧負荷に供給する降圧手段と、
前記発電機から供給される電力を第2の電圧まで昇圧または降圧し、前記高電圧負荷に供給する昇降圧手段と、
前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび前記降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる第1切替手段と、
前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷に直接供給する電力供給ラインおよび前記昇降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷に供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させる第2切替手段と、
前記降圧手段、前記昇降圧手段、前記第1切替手段、および前記第2切替手段の動作をそれぞれ制御する制御手段とを備える、電源制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧に基づいて、前記第1切替手段が導通させる電力供給ラインおよび前記第2切替手段が導通させる電力供給ラインを選択する、請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧が前記低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷に直接供給する電力供給ラインを前記第1切替手段が導通させる制御を行う、請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧が前記高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷に直接供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧が前記高電圧負荷の作動可能な電圧範囲より低い場合、前記高電圧負荷が作動可能な電圧範囲内に前記第2の電圧を設定して、前記昇降圧手段の動作を制御し、
前記制御手段は、前記昇降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷に供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記低電圧負荷に電力を供給する低電圧系バッテリが、当該低電圧負荷と並列にさらに接続されており、
前記降圧手段は、前記第1の電圧まで降圧した電力を、さらに前記低電圧系バッテリに供給し、
前記第1切替手段は、前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷および前記低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインと、前記降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷および前記低電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させ、
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧が前記低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷および前記低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを前記第1切替手段が導通させる制御を行う、請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記低電圧系バッテリの充電状態を判定する充電判定手段を含み、
前記制御手段は、前記低電圧系バッテリが満充電状態にないと前記充電判定手段が判定し、かつ、前記発電機の発電電圧が前記低電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷および前記低電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを前記第1切替手段が導通させる制御を行う、請求項6に記載の電源制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記低電圧系バッテリが満充電状態にあると前記充電判定手段が判定した場合、前記低電圧負荷が作動可能で、かつ、前記低電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲より低い電圧に前記第1の電圧を設定して、前記降圧手段の動作を制御し、
前記制御手段は、前記降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷および前記低電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインを前記第1切替手段が導通させる制御を行う、請求項7に記載の電源制御装置。
【請求項9】
前記高電圧負荷に電力を供給する高電圧系バッテリが、当該高電圧負荷と並列にさらに接続されており、
前記昇降圧手段は、前記第2の電圧まで降圧した電力を、さらに前記高電圧系バッテリに供給し、
前記第2切替手段は、前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインと、前記昇降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインの一方を選択的に導通させ、
前記制御手段は、前記発電機の発電電圧が前記高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリの充電状態を判定する充電判定手段を含み、
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリが満充電状態にあると前記充電判定手段が判定し、かつ、前記発電機の発電電圧が前記高電圧負荷の作動可能な電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項9に記載の電源制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリの充電状態を判定する充電判定手段を含み、
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリが満充電状態にないと前記充電判定手段が判定し、かつ、前記発電機の発電電圧が前記高電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲内である場合、前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ直接供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項9に記載の電源制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリの充電状態を判定する充電判定手段を含み、
前記制御手段は、前記高電圧系バッテリが満充電状態にあると前記充電判定手段が判定した場合、前記高電圧負荷が作動可能で、かつ、前記高電圧系バッテリを充電可能な充電電圧範囲より低い電圧に前記第2の電圧を設定して、前記昇降圧手段の動作を制御し、
前記制御手段は、前記昇降圧手段を介して前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷および前記高電圧系バッテリにそれぞれ供給する電力供給ラインを前記第2切替手段が導通させる制御を行う、請求項9に記載の電源制御装置。
【請求項13】
前記発電機から供給される電力を前記低電圧負荷に直接供給する電力供給ライン上に設けられた第1逆流防止手段と、
前記発電機から供給される電力を前記高電圧負荷に直接供給する電力供給ライン上に設けられた第2逆流防止手段とを、さらに備える、請求項1または2に記載の電源制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−165290(P2009−165290A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1589(P2008−1589)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】