電源管理装置、電源管理装置を備えた画像形成装置、ネットワークシステム、及び端末装置
【課題】使用効率を落とさずに、消費電力を削減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態のものを検出する検出部162と、検出部162により検出された端末装置の数iが所定数N以下のとき、検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信する送信処理部166と、メッセージに対する応答の有無、及びメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御する電源制御部168,170及び172とを含む。
【解決手段】画像形成装置は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態のものを検出する検出部162と、検出部162により検出された端末装置の数iが所定数N以下のとき、検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信する送信処理部166と、メッセージに対する応答の有無、及びメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御する電源制御部168,170及び172とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の動作モード以外に省エネモードを有する、複写機/プリンタ/ファクシミリ/及びそれらの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関し、特にネットワークを介して複数の端末装置と通信して画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照して、従来のネットワークシステム20が、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続され、複数の端末装置24,26、及び28とネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置30とを含むものとする。
【0003】
このようなネットワークシステム20において、複数の端末装置24,26、及び28がいずれも電源オフとなっている状態では、画像形成装置30を利用する端末は存在しないことになる。それにも関わらず画像形成装置30の電源をオンのまま維持しておくのは無駄である。
【0004】
特許文献1には、ネットワークシステム20におけるそのような問題を解決するための印刷が開示されている。特許文献1に開示された印刷装置は、以下のような制御構造を持つプログラムを実行する。
【0005】
図2を参照して、特許文献1に開示されたプログラムは、所定時間待機状態を維持するステップ40と、所定時間経過後、ネットワーク回線22に接続された監視対象の端末装置の起動状況を確認するステップ42と、ステップ42の結果、端末装置の電源が全てオフか否かを判定するステップ44とを含む。端末装置の電源が全てオフであれば、ステップ46でこの印刷装置を省電力状態に移行させて処理を終了する。端末装置の電源が全てオフ、という条件が成立していなければ、ステップ40に戻り、再び待機状態となる。
【0006】
特許文献1に開示された発明に係る画像形成装置によれば、監視対象の全ての端末装置の電源がオフしていれば画像形成装置が省電力状態に移行する。この構成により、端末装置が全く稼動していないときには画像形成装置の消費電力を削減できるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-353929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
端末装置の典型的な例はパーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼ぶ。)である。最近では、PC自体に、省電力の機構が組込まれている。例えばPCに対する操作がない状態で所定時間経過すると、モニタ画面を消灯する技術も一般的になっている。
【0009】
PCにこうした技術が採用された結果、PCの電源がオンしているにもかかわらずオフしているものと勘違いしてそのままユーザが帰ってしまうことがある。ネットワーク上のいずれかのPCでそのような状況が発生すると、特許文献1に開示された画像形成装置は上記した機構による省電力状態への移行はできなくなる。その結果、画像形成装置の消費電力の削減を有効に行なえないという問題がある。特にネットワークが大規模になり、多数のPCが同一の画像形成装置を使用する設定となっている場合、こうした問題が起こりがちである。そのような人為的ミスにもかかわらず、消費電力をより確実に削減できる技術が求められている。
【0010】
それゆえに、本発明の目的は、使用効率を落とさずに、消費電力を削減できる画像形成装置、電源管理装置、端末装置、及びネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の局面に係る画像形成装置は、ネットワークを介して端末装置と通信して動作する画像形成装置であって、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御手段とを含む。
【0012】
起動している端末装置にメッセージを送信し、その応答の有無又は応答内容により、画像形成装置の電源状態を制御する。例えば、画像形成装置の使用予定がない場合、又は端末装置の電源の切忘れがある場合、画像形成装置の電源の切忘れを防止できる。その結果、作業効率を落とさずに画像形成装置の消費電力量を削減できる。
【0013】
好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置への電源供給を切断又は維持するための手段を含む。
【0014】
より好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置を省電力状態又は待機状態のいずれかに設定するための手段を含む。
【0015】
さらに好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置への電源供給を切断する処理、画像形成装置の一部の機能のみを作動状態に設定し他への電源供給を切断する処理、画像形成装置を省電力状態に設定する処理、及び画像形成装置を待機状態に設定する処理、のいずれかを実行するための手段を含む。
【0016】
検出手段は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態のものを、所定時間が経過するごとに検出するための手段を含んでもよい。
【0017】
好ましくは、画像形成装置はさらに、検出手段に接続され、検出手段により検出された端末装置の数が、その前に検出手段により検出された端末装置の数より少ないか否かを判定するための判定手段を含む。送信手段は、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、又は検出手段により検出された端末装置の数が、その前に検出手段により検出された端末装置の数より少ないと判定手段により判定されたときに、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための手段を含む。
【0018】
接続されている端末装置数の減少により、画像形成装置の電源状態を変更することが適切となる状況が発生する可能性が高い。したがってこのようなときには各端末装置にメッセージを送信し、その応答に基づいて画像形成装置の電源制御を行なうことで消費電力量をより細かく管理できる。一定時間ごとに同様の作業を行なうので、接続されている端末装置について、全て電源の切り忘れがあった場合でも画像形成装置の電源制御を確実に行なうことができる。その結果、画像形成装置の電源制御をより正確に行なうことができ、消費電力量を削減できる。
【0019】
本発明の第2の局面に係るネットワークシステムは、上記したいずれかの画像形成装置と、複数の端末装置と、これら画像形成装置及び端末装置が接続されるネットワーク回線とを含むネットワークシステムである。複数の端末装置の各々は、画像形成装置の送信手段から送信されるメッセージを受信するためのメッセージ受信手段と、メッセージ受信手段がメッセージを受信したことに応答して、画像形成装置の使用予定の確認を行なうダイアログを表示するためのダイアログ表示手段と、ダイアログ表示手段に対する入力に基づく応答を生成し、画像形成装置の電源制御手段に送信するための応答手段とを含む。
【0020】
端末装置に画像形成装置の使用予定を、メッセージを通して確認することにより、使用状況をより的確に判断することができる。その結果、画像形成装置の電源制御をより確実に行なって消費電力量を削減できる。
【0021】
好ましくは、複数の端末装置のいずれかは、コンピュータハードウェアと、当該コンピュータハードウェアと、メッセージ受信手段と、ダイアログ表示手段と、送信するための手段として機能させるモニタプログラムとにより構成される。
【0022】
専用のモニタプログラムを使用することにより、接続された端末装置の種別の相違にかかわらず、統一したインターフェイスで画像形成装置の電源制御に関する指示を使用者から受けることができる。
【0023】
本発明の第3の局面に係る電源管理装置は、複数の端末装置及び画像形成装置が接続されるネットワークに接続され、画像形成装置の電源を管理する電源管理装置である。画像形成装置は、外部から電源制御命令を受けたことに応答して、電力消費量が相対的に大きな第1の状態と、電力消費量が相対的に小さな第2の状態とに設定可能である。電源管理装置は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置及び電源管理装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御命令を生成して画像形成装置に送信するための電源制御手段とを含む。
【0024】
好ましくは、ネットワークには複数の画像形成装置が接続可能であり、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、複数の画像形成装置の各々について、電源状態を制御するための電源制御命令を個別に生成して対応する画像形成装置に送信するための手段を含む。
【0025】
複数の端末装置をネットワークで画像形成装置及び電源管理装置と接続することにより、画像形成装置の電源管理を電源管理装置で行なうことが可能となる。さらに、この電源管理装置により、複数台の画像形成装置の電源管理を行なうことが可能になる。
【0026】
本発明の第4の局面に係る電源管理装置は、上記したいずれかの電源管理装置であって、ルータであることを特徴とする。
【0027】
電源管理装置を画像形成装置単体ではなく、ルータに装備することにより、複数台の画像形成装置の電源管理をルータに一元化できる。ルータにこうした機能を持たせることにより、他に特別な装置を準備する必要なく、ネットワーク上の画像形成装置の電源管理を有効に行なうことができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように本発明によれば、画像形成装置の使用予定がない場合、又は端末装置の電源の切忘れがある場合など、画像形成装置の電源をオフしたり省電力状態に移行してよい場合に、画像形成装置の消費電力を削減するように画像形成装置を制御できる。その結果、作業効率を落とさずに画像形成装置の消費電力量を有効に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】端末装置及びこれら端末装置が利用する画像形成装置とからなるネットワークシステムのブロック図である。
【図2】従来の画像形成装置において電源のオフを制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示す画像形成装置において電源のオフを制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す画像形成装置を利用する端末装置のモニタに、画像形成装置からの指示にしたがって表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置において電源状態を制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係る画像形成装置において電源状態を制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施の形態に係る画像形成装置及びルータ又はサーバを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】第5の実施の形態に係る画像形成装置及びルータ又はサーバを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】第5の実施の形態にかかる画像形成装置と同じネットワークに接続されている端末装置のモニタに表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図12】第6の実施の形態にかかる画像形成装置と同じネットワークに接続されている端末装置のモニタに表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図13】各実施の形態の端末24などを実現するためのコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
<第1の実施の形態>
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。この画像形成装置100は、いわゆる複合機(MFP:Multifunction Peripheral)であって、コピー機能、ファクシミリ送受信機能、プリンタ機能およびスキャナ機能を有する。以下、図3を参照して、記録用紙に画像を形成する機能(コピー機能、ファクシミリ受信機能およびプリンタ機能において使用)を例として画像形成装置100の構造及び概略の動作について説明する。
【0032】
[画像形成装置の構造]
この画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色の画像又は単色の画像を形成するものである。大略的には、画像形成装置100は、本体部110と、本体部110の上部に配置された自動原稿処理装置120とを含む。本体部110には、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を含む画像形成部が設けられている。
【0033】
本体部110の上面には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられる。原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿トレイをもち、原稿トレイに載置された複数の原稿を原稿載置台92の上に自動で搬送する機能を持つ。自動原稿処理装置120は、本体部110の上面の1辺を回動軸として矢印M方向に回動自在となるように本体部110に取付けられる。自動原稿処理装置120を矢印Mに沿って原稿載置台92の上面を開放するように回動させることにより、原稿載置台92の上面に原稿を手置きで置くことができる。原稿載置台92に載置された原稿は、後述する原稿読取部(スキャナ部)により読取られ、画像データに変換される。
【0034】
画像形成装置100が扱う画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に対応するデータである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4つの画像ステーションを形成している。
【0035】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるためのものである。露光ユニット1は、レーザー出射部および反射ミラー等を備えたレーザースキャニングユニット(LSU)を含む。LSUは、レーザー光を走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザー光を感光体ドラム3に導くためのレンズおよびミラー等の光学要素を含む。これらは図が過度に複雑となるのを防ぐため、図3には図示していない。
【0036】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、4色(Y、M、C、K)のトナーにより顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像および画像転写後に感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去および回収するためのものである。
【0037】
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット6が配置されている。中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、および中間転写ベルトクリーニングユニット65を含む。中間転写ローラ64は、Y、M、C、Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、および中間転写ローラ64には、中間転写ベルト61が張架され、回転駆動される。中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0038】
中間転写ベルト61は、4つの感光体ドラム3に接触するように設けられている。感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、たとえば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0039】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61をはさんで感光体ドラム3の裏側に中間転写ベルト61に接触している中間転写ローラ64によって行なわれる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(たとえばステンレス)軸からなるベースと、ベースの表面を覆う導電性の弾性材(たとえばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、発泡ウレタン等)とを含む。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。中間転写ローラ64のような機能を持つ部品を転写電極と呼ぶ。本実施の形態では転写電極としてローラ形状の電極を使用しているが、それ以外にブラシ形状の電極等を用いることが可能である。
【0040】
上述のように、各感光体ドラム3上で各色に応じて顕像化された静電潜像は中間転写ベルト61上に積層される。積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって所定の記録用紙との接触位置に搬送される。画像情報は、その接触位置に配置された転写ローラ10によって中間転写ベルト61から記録用紙上に転写される。
【0041】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接される。転写ローラ10にはトナーを記録用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10又は中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、又は発泡性樹脂ローラ等々)とする。
【0042】
通常、転写ローラ10によって中間転写ベルト61から記録用紙上にトナーが転写される。しかし、トナーの一部が転写されず中間転写ベルト61に残存する場合もある。そのようなトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。そのため、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去および回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触することで中間転写ベルト61の表面をクリーニングするクリーニング部材、例えばクリーニングブレードが備えられている。中間転写ベルト61がクリーニングブレードと接触する位置には、クリーニングブレードと反対側から中間転写ベルト61を支持する中間転写ベルト従動ローラ63が設けられている。
【0043】
本体部110の露光ユニットの下側には、給紙カセット81が設けられる。給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイである。本体部110の側面には、手差し給紙カセット82が設けられている。手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを載置することができる。本体部110の上方には排紙トレイ91が設けられている。排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0044】
本体部110には、給紙カセット81又は手差し給紙カセット82から取出されたシートを転写ローラ10および定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送出するための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a、ピックアップローラ11b、複数の搬送ローラ12a〜搬送ローラ12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0045】
搬送ローラ12a〜搬送ローラ12dは、シートの搬送を促進および補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0046】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。レジストローラ13は、このように一旦保持したシートを、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングで転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0047】
これらのローラを駆動するモータ、これらのモータを制御するためにシートを検出するセンサ等は、それぞれ所定の電圧値の直流電力により駆動される。
【0048】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて、画像形成装置100の全体を制御又は画像形成部を制御する制御部によって所定の定着温度となるように設定されている。ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融、混合および圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
【0049】
この定着ユニット7には、ヒートローラ71を加熱するためのヒータ(ハロゲンヒータ等)が備えられている。このヒータは、交流電力により駆動される。
【0050】
シート搬送経路は以下のような構成を持つ。上述のように、画像形成装置100には予めシートを収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これらの給紙カセット81又は手差し給紙カセット82からシートを給紙するために、ピックアップローラ11a又はピックアップローラ11bが配置され、シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに導くようになっている。
【0051】
給紙カセット81又は手差し給紙カセット82から搬送されるシートは、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送される。シートは、その先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端とが整合するタイミングで転写ローラ10に搬送される。その結果、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートが定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融および固着される。シートは、定着ユニット7の後に配置された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0052】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものである。これに対して両面印字要求の時は、片面印字が終了し定着ユニット7をシートが通過し、シートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転する。この搬送ローラ12bの動作によってシートが搬送ローラ12c、12dに導かれる。その後、レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0053】
[画像形成装置の動作モード]
本実施の形態に係る画像形成装置100は、その動作モードとして、コピーモード、ファクシミリ送受信モード、プリンタモードおよびスキャナモードを備える。以下においては、これらの動作モード(後述する電力モードとは異なる)を説明する。
【0054】
−コピーモード−
コピーモードにおいては、主として、本体部110が動作することにより、コピー機能が実現される。なお、原稿を自動送りする場合には、自動原稿処理装置120が動作する。
【0055】
画像形成装置100においては、原稿載置台92に置かれた原稿が画像データとして読取られ、読取られた画像データが制御部へ入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。上述した構成を備える画像形成部は、この画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0056】
−ファクシミリモード−
ファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)およびFAX通信部が動作することにより、受信動作はFAX通信部および画像形成部が動作することにより、ファクシミリ機能が実現される。
【0057】
・送信動作
ファクシミリモードでは、原稿載置台92に置かれた原稿が原稿読取部により読取られて画像データに変換される。読取られた画像データが制御部に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。処理後の画像データがFAX通信部へと出力される。
【0058】
送信側の画像形成装置100のFAX通信部は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリ機能を備えた画像形成装置100)へ送信する。
【0059】
・通信動作
回線が接続されると、受信側の画像形成装置100のFAX通信部は、送信側の画像形成装置100のFAX通信部からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像形成装置100のFAX通信部から受信側の画像形成装置100のFAX通信部へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0060】
・受信動作
受信側の画像形成装置100のFAX通信部は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0061】
−プリンタモード−
以下において、プリンタモードの動作説明を行なう。このプリンタモードにおいては、主として、画像形成部が動作することにより、プリント機能が実現される。
【0062】
ネットワークインターフェイスを介してコンピュータからプリントデータを受信すると、受信したプリントデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、プリントデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、プリントデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0063】
−スキャナモード−
以下において、スキャナモードの動作説明を行なう。このスキャナモードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)が動作することにより、スキャナ機能が実現される。
【0064】
画像形成装置100においては、原稿載置台92に置かれた原稿が原稿読取部により画像データとして読取られ、読取られた画像データが制御部に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが記憶装置に記憶されたり、ネットワークに接続されたコンピュータへネットワークインターフェイスを介して送信されたりする。
【0065】
−定着ユニットの作動−
上述した画像形成装置100の動作モードの中で、記録用紙に画像を形成する、コピーモード、ファクシミリ受信モード、プリンタモードにおいて、定着ユニット7を含む画像形成部が作動する。これ以外のファクシミリ送信モード(送信結果は印刷しないものとする。)、スキャナモードでは、定着ユニット7を含む画像形成部は作動しない。
【0066】
[機能的構成]
図4を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は、原稿読取部126、画像形成部124、給紙部106、排紙処理装置108、および操作ユニット122を含む。操作ユニット122は、ディスプレイ130(以下単に「ディスプレイ130」と呼ぶ。)と表示操作部140とを含む。ディスプレイ130は、液晶パネル等からなる表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。タッチパネル134は、表面に接触したユーザの指の軌跡を検出可能である。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギキー(以下「省エネキー」と呼ぶ。)146と、ディスプレイ130の表示をホーム画面に戻すためのホームキー148とを含む。ホーム画面とは、種々の動作モードをユーザが選択するための画面のことをいう。なお、図4においては、図を簡略にするために、図3に示した自動原稿処理装置120については図示していない。
【0067】
図4を参照して、画像形成装置100はさらに、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード、およびメールモードに関する機能の設定が可能な操作ユニット122と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0068】
画像形成装置100はさらに、原稿読取部126、画像形成部124、FAX通信部150、操作ユニット122、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行して画像形成装置100の各部を制御するためのCPU300とを含む。
【0069】
ハードディスク302には、この画像形成装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが、フォルダ別に、保存日時および保存ユーザ名ととともに記憶される。
【0070】
ROM306には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置100の制御を行なうとともに画像形成装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0071】
図4に示すように、FAX通信部150には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304にはネットワーク回線(図1に示すネットワーク回線22など)が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するPC等が接続される。
【0072】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0073】
原稿読取部126、画像形成部124、操作ユニット122を構成するディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット122は、図示しない入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0074】
操作ユニット122は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルで構成される。操作ユニット122の表面には、その左側の領域にディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、それぞれ備えられている。ディスプレイ130および表示操作部140は、操作ユニット122が全体として一体となるように構成されている。
【0075】
上述したように、このディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。ディスプレイ130においては、表示パネル132に、この画像形成装置100における動作モードを選択するホーム画面、この画像形成装置100の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132の表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出し、その位置を示す情報を出力する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134の出力とを照合することにより、画像形成装置100の動作モード選択、機能設定および動作指示等が行なわれる。この画像形成装置100は、このようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、上述したジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0076】
表示操作部140の表示灯142は、たとえばLED(Light Emitting
Diode)で構成され、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、この画像形成装置100が待機モード(たとえば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、この画像形成装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、この画像形成装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、この画像形成装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。この状態に連動して表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、この画像形成装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、ディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。
【0077】
なお、表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしても構わない。たとえば、このキーランプは、円型のキーの周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0078】
[コンピュータによる実現]
上記したように、本実施の形態に係る画像形成装置100は、所定のプログラムを図3に示すCPU300が実行することにより実現される。このプログラムは、例えば図3のHDD302に記憶されており、CPU300の実行時に読出されてRAM308にロードされる。以下、CPU300内のプログラムカウンタと呼ばれるレジスタの指すアドレスにしたがって命令がRAM308から読み出され、CPU300により解釈され、実行される。
【0079】
図5を参照して、CPU300が実行するプログラムは、所定時間、待機状態を維持するステップ160と、所定時間経過したときに実行され、ネットワーク回線22に接続された端末装置(複数の端末装置24,26、及び28等)の起動数を検出するステップとを含む。検出された端末数を変数iに格納する。
【0080】
このプログラムはさらに、検出された端末数iが所定数以下か否かを判定し、判定結果により制御の流れを分岐させるステップ164を含む。ここでの所定数をN(本実施の形態ではN=2である。)とすると、このステップ164での判定は「N≧iか」というものである。判定が否定なら制御はステップ160に戻り、再び待機状態となる。判定が肯定なら制御はステップ166に進む。
【0081】
ステップ166では、接続されている端末装置であって、通信可能かつ稼動状態のものに対し、所定のメッセージを送信する。このメッセージは、端末装置側でこのメッセージに応答する機能を持つものであればどのようなものでもよい。本実施の形態では、このメッセージを受けた端末では、画像形成装置100との通信のために専用のモニタプログラムが動作しており、自身が稼動状態であれば図6に示すような応答ダイアログ360をモニタに表示し、ユーザからの応答を待つ。なお、ここで「稼動状態」とは、端末装置の電源がオンであり、何らかのイベントがあればそれに対して適切な応答をとることが可能な状態のことをいう。例えば、端末装置がいわゆるスリープ状態であっても、メッセージを受信して応答を返すことが可能であれば「稼動状態」にあるということができる。
【0082】
図6を参照して、応答ダイアログ360は、画像形成装置の電源を落としてよいか否かを尋ねるテキスト192と、その端末装置で画像形成装置を使用する予定があるか否かを指定するチェックボックスを含むフォーム194と、OKボタン196とを含む。フォーム194のチェックボックスはラジオボタンと同様、一方にチェックを入れると他方のチェックがはずれるようになっている。本実施の形態では、初期値として「使用予定なし」のチェックボックスにチェックが入っている。これらチェックボックスにはそれぞれ互いに異なる数値が割当てられており、OKボタン196を押すとチェックされたチェックボックスに対応する数値が画像形成装置に対して送信される。応答ダイアログ360が表示されたまま所定時間が経過しても何も操作されない場合、応答ダイアログ360は自動的に閉じ、同時にそのときチェックされていたチェックボックスに対応する値が画像形成装置に送信される。画像形成装置では、送信されて来た値が「使用予定なし」を示す値か否かを調べることで、後続するステップ168以下の処理を行なうことができる。端末装置から所定時間が経過しても返答がない場合、画像形成装置は、その端末装置の電源がオフされたものとして取扱う。
【0083】
ステップ166に続くステップ168では、ステップ166で送信したメッセージに対し、端末のいずれかから応答があったか否かを判定する。1台からも応答がなければステップ172で画像形成装置の電源をオフする。1台でも応答があれば制御はステップ170に進む。
【0084】
ステップ170では、応答のすべてが、画像形成装置の電源をオフしてよい、というものか否かについての判定を行なう。判定が肯定であればステップ172で画像形成装置の電源をオフする。判定が否定であれば制御はステップ160に戻り、待機状態に入る。
【0085】
[動作]
図5を参照して、この画像形成装置は、待機状態で所定時間が経過すると、ネットワーク回線22に接続された端末装置の起動数iを検出する(ステップ162)。この数iが所定数N以下でなければ再び待機状態に戻る。数iが所定数N以下になると、通信可能かつ稼動状態の端末装置のすべてに対し、画像形成装置を終了してもよいか否かに関する応答ダイアログ360を表示させるためのメッセージを送信する(ステップ166)。どの端末装置からも応答がなければ画像形成装置の電源をオフする(ステップ168及び172の経路)。いずれかの端末から応答があり、しかもそれらの応答がすべて画像形成装置の電源をオフしてよいことを示すものであれば、画像形成装置の電源をオフする(ステップ168,170,172の経路)。いずれかの応答が、画像形成装置の電源を落としてはならない、というものであれば画像形成装置は再び待機状態に戻る(ステップ168,170,160の経路)。
【0086】
以上のように本実施の形態に係る画像形成装置100は、ネットワーク上で起動している端末装置に画像形成装置の使用の有無を確認し、その応答内容により画像形成装置の電源をオフしても問題がないときには画像形成装置の電源をオフする。端末装置の切忘れがある場合でも、そのために画像形成装置の電源をオフできないという事態が発生することを防止できる。端末装置をユーザが使用している場合であっても、画像形成装置を使用する予定がなければ画像形成装置の電源をオフすることができる。そのため、従来の装置と比較して、画像形成装置が無駄に待機している時間を短くすることができる。
【0087】
なお、図6に示すダイアログは、使用予定があるか否かをユーザに問合せる画面である。しかし本発明は疎の様な実施の形態には限定されない。単に画像形成装置の電源を落としてよいか否かを尋ねるダイアログでもよい。さらに、上記実施の形態では、所定数N=2として説明したが、この値をネットワークの規模及びネットワークの管理方針により自由に設定できることは明らかである。
【0088】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、画像形成装置を使用する予定があるか否かに関する指示を端末の専用モニタプログラムでユーザから受けている。どの端末からも使用予定がある旨の返答がこなかったときに画像形成装置の電源をオフしている。
【0089】
しかし、例えば画像形成装置を使用するかどうかあいまいでユーザが決められないときもるであろう。すると、画像形成装置の電源をオフしてしまうと、仮に端末で画像形成装置を使用するような作業を実行しようとすると、画像形成装置を立ち上げなければならない。そのための時間が無駄になってしまう。一方で、画像形成装置の使用予定がある、とする返答をすると画像形成装置の電源は入ったままとなり、消費電力の削減を行なうことができない。さらに、画像形成装置が複合機であってファクシミリ受信機能を持つ場合、画像形成装置の電源を一律にオフしてしまうと、ファクシミリの受信ができなくなってしまうという問題が生じる。
【0090】
第2の実施の形態では、画像形成装置の電源をオフすることに加え、他の選択肢として、画像形成装置を省電力状態又は夜間FAX状態とする選択肢を加える。すなわち、待機状態と、待機状態での消費電力より電力消費量の少ない省電力状態と、電源がオフとなった状態との3つの選択肢から選択できる。これらについては、システムの設定で予め選択しておくことができる。
【0091】
図7に、この第2の実施の形態の画像形成装置を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造を示す。ハードウェア構成は図3及び図4に示したものと同様である。
【0092】
図7を参照して、このプログラムが図5に示すものと異なる第1点は、ステップ170に代えて、応答のすべてが、予め行なわれている設定にしたがって、画像形成装置の電源をオフする、省電力状態に移行させる、又は、夜間FAX状態に移行させる、という処理を行なってもよい、というものか否かについての判定を行ない、判定結果にしたがい制御の流れを分岐させるステップ210を含む点である。さらに、第2の相違点は、図5のステップ172に代えて、ステップ210の判定が肯定であったとき、及びステップ168の判定が日知恵であったときに実行され、予め設定された条件にしたがい、画像形成装置の電源をオフする処理と、省電力状態に移行させる処理と、夜間FAX状態に移行させる処理とのいずれかを選択して実行するステップ212を含む点である。
【0093】
この第2の実施の形態に係る画像形成装置の動作は、第1の実施の形態の画像形成装置100とほぼ同様に動作する。単に電源をオフすることに代えて、設定にしたがって、電源をオフする処理と、省電力状態に移行させる処理と、夜間FAX状態に移行させる処理とのいずれかを選択して実行する点において第1の実施の形態の画像形成装置100と異なっている。
【0094】
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態では、ネットワーク回線22に接続された端末のうち、通信可能かつ稼動状態のものが所定数N以下となったときに、画像形成装置を使用する予定があるか否かに関する応答を得るためのメッセージを画像形成装置から端末に送信している。そして、画像形成装置を使用する予定があるという返答を得た場合には、再び前の状態と同じ状態に戻り、所定時間だけ待機した後、同じ処理を繰返す。すなわち、図6に示す画面が所定時間をおいて繰返し各端末のモニタに表示されることになる。
【0095】
しかし、そのような処理を繰返し行なわなければならないとしたら、端末のユーザにとっては手続が煩雑なだけである。この第3の実施の形態では、ユーザが同じ手続を繰返し行なうことを避けるようにする。
【0096】
ハードウェア構成は第1の実施の形態の画像形成装置100と同様である。図8に、この実施の形態に係る画像形成装置を実現するためのコンピュータプログラムのフローチャートを示す。図8を参照して、このプログラムは、図5に示すものと同様の処理をするステップ160,162及び164を含む。ステップ164の判定が肯定であれば、ステップ230で前回のこの処理で確認した端末装置の起動数(これをi0とする。)と比較して、ステップ162で確認した今回の端末装置の起動数iの方が小さいか否かについて判定する。判定が肯定であれば制御はステップ162に進む。ステップ166以後、図5に示すものと同様のステップ168,170及び172が実行される。
【0097】
一方、判定が否定であれば制御はステップ232に進む。ステップ232では、前回のこの処理の実行時から一定時間が経過したか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ166に進む。以後は図5と同様の処理が実行される。判定が否定であれば、制御はステップ234に進む。ステップ234では、今回確認された端末装置の起動数(i)を変数i0に保持する。この変数i0は、次にこの処理が実行される際に、ステップ230における判定で使用される。ステップ234の後、制御はステップ160に戻り、画像形成装置は待機状態となる。
【0098】
前述したとおり、図8に示すステップ166,168,170及び172では、図5に示すものと同様の処理が実行される。ただし、ステップ170の判定が否定であれば制御はステップ160ではなくステップ234に進む点で図5に示すものと異なる。
【0099】
この第3の実施の形態に係る画像形成装置では、第1の実施の形態と異なり、一定時間ごとに必ず画像形成装置の電源をオフしてよいか否かに関する確認を行なうわけではない。第1に、ネットワーク回線22に接続された端末数が前回に確認されたときの数より少なくなっているときにこの確認がされる。端末数が前回と同じときには、さらに、前回の確認から一定時間が経過したときのみ、確認が実行される。端末数が減少した場合には、ネットワークの状況が変化したということであり、残る端末について確認を再実行する意味がある。したがってそのような状況の変化と関係なく、一定時間ごとに機械的に確認する場合のようにユーザが繰返し同じ返答をする必要はない。さらに、ネットワーク上の端末数が減少しないときでも、一定時間が経過したときには確認が行なわれる。したがって、残る端末装置の電源の切忘れがあっても、少なくとも一定時間後には確認が行なわれる。しかもこの一定時間をある程度長くしておくと、比較的短い時間で端末に繰返し応答を要求するような動作を防止できる。その結果、端末装置を操作しているユーザが煩雑な操作をしなくてもよいという効果がある。
【0100】
<第1の変形例>
第1‐第3の実施の形態の画像形成装置は、ネットワーク回線22に直接接続されている。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではない。例えば図9に示すネットワークシステム270は、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続されたルータ280と、ルータ280を介してネットワークシステム20に接続され、複数の端末装置24,26、及び28とルータ280及びネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置30とを含む。
【0101】
この変形例では、画像形成装置30は第1の実施の形態の画像形成装置100のように複数の端末装置24,26、及び28に対して電源オフしてよいか否かを確認する機能は持たない。代わりに、ルータ280がそれと同様の機能を持つ。ただし、画像形成装置30は、外部からの制御により電源をオフしたり、省電力モードに移行したり、夜間FAXモードに移行したりする機能を持つものとする。
【0102】
ルータ280は、図5、図7及び図8に示す制御構造と同様の制御構造を持つプログラムを実行することにより、上記した機能を実現する。ただしルータ280においては、図5及び図8のステップ172並びに図7のステップ212では、ルータ280の電源を制御するのではなく、画像形成装置30の電源を制御するためのメッセージを画像形成装置30に送信する。そうすることで、第1‐第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なおこの変形例では、ルータ280は画像形成装置30の電源が投入されているか否かに関する情報を持っておく。画像形成装置30の電源が投入されていないときには、上記した処理を実行する必要はない。
【0103】
さらに、ルータ280に代えて、こうした処理をサービスとして実行するサーバをネットワークシステム270内に設けても良いことは明らかである。この場合、画像形成装置30はこのサーバに直接接続されていてもよいし、ネットワーク回線22に接続されていてもよい。
【0104】
<第2の変形例>
図9と同様の構成で、複数の画像形成装置の電源をルータで集中的に制御することができる。図10にそうしたネットワークシステム290の例を示す。図10を参照して、このネットワークシステム290は、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続されたルータ330と、各々が複数の端末装置24,26、及び28とルータ330及びネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置340,342及び344とを含む。
【0105】
ルータ330は、画像形成装置340,342及び344の各々に対して、図9のルータ280が実行する処理と同様の処理を実行する。この場合、これらはルータ330上で別プロセスで実行される。別プロセスで実行することにより、個々のプロセスで実行されるプログラムは図9に示すものと同一でよい。もちろん、一つのプロセスでこれら3つの画像形成装置の電源を制御する処理を行なっても良いことはいうまでもない。
【0106】
この変形例においても、ルータ330に代えてこのサービスを単独又は複数のサーバで提供するようにしてもよい。画像形成装置340,342及び344については、サーバに接続されていても、ネットワーク回線22に接続されていてもよい。
【0107】
図11に、1台のルータ330が複数の画像形成装置の電源制御を単一のプロセスで行なう際に、ネットワーク回線22上の端末装置に表示される応答ダイアログ370を示す。図11を参照して、この応答ダイアログ370は、図6に示すものと同じテキスト192と、ルータ330が管理する画像形成装置の各々について使用予定があるか否かをユーザが指定するためのチェックボックスを含むフォーム380と、OKボタン196とを含む。
【0108】
ユーザは、各画像形成装置について使用予定があるか否かについて、適切なチェックボックスをチェックすることにより、複数の画像形成装置について電源をおとしてよいか否かを簡単に指定することができる。ルータ330は、各端末装置からの返答に基づき、電源をオフしてよい画像形成装置については電源をオフし、使用予定がある画像形成装置についてはとりあえず電源を維持し、所定時間経過後に再度同じようにして電源オフの可否を各端末装置に対して問合せることになる。
【0109】
第2の実施の形態で述べたように、画像形成装置を使用する予定があるが、節電モードに移行してもよい場合がある。図12は、1台のルータで、複数の画像形成装置につき、電源をオフしてよいか否か、及び節電モードに移行してもよいか否かを管理する際に、各端末装置に表示される応答ダイアログ390を示す。図9を参照して、応答ダイアログ390は、画像形成装置の使用予定があるか否か、及び使用予定があるとしても画像形成装置を節電モードに移行してもよいか否かを問合せるテキスト400と、このルータが管理する複数の画像形成装置の各々について、使用予定があるか否かを問合せるフォーム402と、OKボタン196とを含む。
【0110】
図12に示されるフォーム402が図11に示すフォーム380と異なるのは、各画像形成装置の「使用予定あり」のチェックボックスの近傍に、「節電モードへ行こう可能」というラジオボックスが設けられている点である。このラジオボックスは、「使用予定あり」にチェックを入れるとアクティブになり、オンすると、対応する画像形成装置を節電モードに移行してもよいことを示す。オフの場合には節電モードに移行してはいけないことを示す。
【0111】
図12に示す応答ダイアログ390を、図10に示すようなシステムで各端末に表示する。この場合、例えばルータ330で実行するプログラムとしては、図7に示すものと同様の制御構造を持つものを用いればよい。ただしこの場合、制御対象の画像形成装置が複数個あるため、ステップ168,210及び212については各画像形成装置について別々に実行する必要がある。
【0112】
[コンピュータハードウェア]
この実施の形態に係る端末装置24、26、及び28等のような、上記実施の形態のネットワークシステムの構成要素である端末装置は、一般的なコンピュータハードウェアと、そのコンピュータハードウェア上で実行され、画像形成装置100、ルータ280及び330などから受けるメッセージに応答して、図6、図11、図12のようなフォームを表示するプログラムとにより構成される。このプログラムは、各フォームのOKボタン196が押されるまで、GUI(Graphic User Interface)によりユーザとの対話を行ない、ユーザの操作に応じて画面を更新する。このプログラムはさらに、OKボタン196が押されると、そのときの画面の状態に応じた応答を生成し、ユーザによる応答を生成して、画像形成装置100、ルータ280、又はルータ330に応答メッセージを送信して処理を終了する。
【0113】
図13は、例えば端末装置24を実現するコンピュータシステム430の内部構成を示す。端末装置26及び28についても同様である。図13を参照して、このコンピュータシステム430は、リムーバブルメモリの着脱部であるメモリポート470及びDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ464を有するコンピュータ440と、キーボード346と、マウス448と、モニタ442とを含む。
【0114】
コンピュータ440は、メモリポート470及びDVDドライブ464に加えて、CPU(中央処理装置)456と、CPU456、メモリポート470及びDVDドライブ464が接続されたバス466と、バス466に接続され、ブートアッププログラム等を記憶する読出専用メモリ(ROM)458と、バス466に接続され、プログラム命令、システムプログラム、及び作業データ等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)460と、バス466に接続され、大量のデータを記憶する不揮発性記憶装置であるハードディスク462と、バス466に接続され、ネットワーク22への接続を提供するネットワークインターフェイスカード(NIC)468とを含む。
【0115】
コンピュータシステム430を上記したネットワークシステムの電源管理のための一構成要素として機能させるためのコンピュータプログラムは、DVDドライブ464又はメモリポート470に挿入されるDVD490又はリムーバブルメモリ492に記憶され、さらにハードディスク462に転送される。又は、プログラムはネットワーク22及びNIC468を通じてコンピュータ440に送信されハードディスク462に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM460にロードされる。DVD490から、リムーバブルメモリ492から、又はネットワークを介して、直接にRAM460にプログラムをロードしてもよい。
【0116】
このプログラムは、コンピュータ440に上記したような実施の形態の端末装置としての動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはコンピュータ440上でオペレーティングシステム(OS)が動作しているときにはOSにより提供されることもある。それら機能はサードパーティのプログラム、又はコンピュータ440にインストールされる、各種ツールプログラムキットのモジュールにより提供されることもある。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステム及び方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な関数を呼出すことにより、上記した端末装置24としての機能を実現する命令のみを含んでいればよい。コンピュータシステム430の動作は周知であるので、ここでは繰返さない。
【0117】
以上、本発明を複数の実施の形態にしたがって説明してきた。しかし、本発明が上記した実施の形態には限定されないことは明らかである。上記実施の形態では、複数の画像形成装置の電源を制御する機能を、ルータ又はサーバに配置している。しかし、画像形成装置のうちの一つに持たせるようにしてもよいことは明らかである。ただしこの場合、この画像形成装置については、他の画像形成装置の電源がすべてオフされた後でなければオフできないようにするか、電源を落とさないようにしておかないと、消費電力を削減しながら適切に画像形成装置のすべてを制御することはできない点に注意が必要である。
【0118】
上記実施の形態では単に「省電力状態」と述べたが、省電力状態とは、待機時の消費電力が通常の待機時よりも小さくなっている状態すべてをいう。
【0119】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0120】
20 ネットワークシステム
22 ネットワーク回線
24,26,28 端末装置
100 画像形成装置
194,380,402 フォーム
360,370,390 応答ダイアログ
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の動作モード以外に省エネモードを有する、複写機/プリンタ/ファクシミリ/及びそれらの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関し、特にネットワークを介して複数の端末装置と通信して画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照して、従来のネットワークシステム20が、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続され、複数の端末装置24,26、及び28とネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置30とを含むものとする。
【0003】
このようなネットワークシステム20において、複数の端末装置24,26、及び28がいずれも電源オフとなっている状態では、画像形成装置30を利用する端末は存在しないことになる。それにも関わらず画像形成装置30の電源をオンのまま維持しておくのは無駄である。
【0004】
特許文献1には、ネットワークシステム20におけるそのような問題を解決するための印刷が開示されている。特許文献1に開示された印刷装置は、以下のような制御構造を持つプログラムを実行する。
【0005】
図2を参照して、特許文献1に開示されたプログラムは、所定時間待機状態を維持するステップ40と、所定時間経過後、ネットワーク回線22に接続された監視対象の端末装置の起動状況を確認するステップ42と、ステップ42の結果、端末装置の電源が全てオフか否かを判定するステップ44とを含む。端末装置の電源が全てオフであれば、ステップ46でこの印刷装置を省電力状態に移行させて処理を終了する。端末装置の電源が全てオフ、という条件が成立していなければ、ステップ40に戻り、再び待機状態となる。
【0006】
特許文献1に開示された発明に係る画像形成装置によれば、監視対象の全ての端末装置の電源がオフしていれば画像形成装置が省電力状態に移行する。この構成により、端末装置が全く稼動していないときには画像形成装置の消費電力を削減できるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-353929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
端末装置の典型的な例はパーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼ぶ。)である。最近では、PC自体に、省電力の機構が組込まれている。例えばPCに対する操作がない状態で所定時間経過すると、モニタ画面を消灯する技術も一般的になっている。
【0009】
PCにこうした技術が採用された結果、PCの電源がオンしているにもかかわらずオフしているものと勘違いしてそのままユーザが帰ってしまうことがある。ネットワーク上のいずれかのPCでそのような状況が発生すると、特許文献1に開示された画像形成装置は上記した機構による省電力状態への移行はできなくなる。その結果、画像形成装置の消費電力の削減を有効に行なえないという問題がある。特にネットワークが大規模になり、多数のPCが同一の画像形成装置を使用する設定となっている場合、こうした問題が起こりがちである。そのような人為的ミスにもかかわらず、消費電力をより確実に削減できる技術が求められている。
【0010】
それゆえに、本発明の目的は、使用効率を落とさずに、消費電力を削減できる画像形成装置、電源管理装置、端末装置、及びネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の局面に係る画像形成装置は、ネットワークを介して端末装置と通信して動作する画像形成装置であって、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御手段とを含む。
【0012】
起動している端末装置にメッセージを送信し、その応答の有無又は応答内容により、画像形成装置の電源状態を制御する。例えば、画像形成装置の使用予定がない場合、又は端末装置の電源の切忘れがある場合、画像形成装置の電源の切忘れを防止できる。その結果、作業効率を落とさずに画像形成装置の消費電力量を削減できる。
【0013】
好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置への電源供給を切断又は維持するための手段を含む。
【0014】
より好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置を省電力状態又は待機状態のいずれかに設定するための手段を含む。
【0015】
さらに好ましくは、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置への電源供給を切断する処理、画像形成装置の一部の機能のみを作動状態に設定し他への電源供給を切断する処理、画像形成装置を省電力状態に設定する処理、及び画像形成装置を待機状態に設定する処理、のいずれかを実行するための手段を含む。
【0016】
検出手段は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態のものを、所定時間が経過するごとに検出するための手段を含んでもよい。
【0017】
好ましくは、画像形成装置はさらに、検出手段に接続され、検出手段により検出された端末装置の数が、その前に検出手段により検出された端末装置の数より少ないか否かを判定するための判定手段を含む。送信手段は、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、又は検出手段により検出された端末装置の数が、その前に検出手段により検出された端末装置の数より少ないと判定手段により判定されたときに、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための手段を含む。
【0018】
接続されている端末装置数の減少により、画像形成装置の電源状態を変更することが適切となる状況が発生する可能性が高い。したがってこのようなときには各端末装置にメッセージを送信し、その応答に基づいて画像形成装置の電源制御を行なうことで消費電力量をより細かく管理できる。一定時間ごとに同様の作業を行なうので、接続されている端末装置について、全て電源の切り忘れがあった場合でも画像形成装置の電源制御を確実に行なうことができる。その結果、画像形成装置の電源制御をより正確に行なうことができ、消費電力量を削減できる。
【0019】
本発明の第2の局面に係るネットワークシステムは、上記したいずれかの画像形成装置と、複数の端末装置と、これら画像形成装置及び端末装置が接続されるネットワーク回線とを含むネットワークシステムである。複数の端末装置の各々は、画像形成装置の送信手段から送信されるメッセージを受信するためのメッセージ受信手段と、メッセージ受信手段がメッセージを受信したことに応答して、画像形成装置の使用予定の確認を行なうダイアログを表示するためのダイアログ表示手段と、ダイアログ表示手段に対する入力に基づく応答を生成し、画像形成装置の電源制御手段に送信するための応答手段とを含む。
【0020】
端末装置に画像形成装置の使用予定を、メッセージを通して確認することにより、使用状況をより的確に判断することができる。その結果、画像形成装置の電源制御をより確実に行なって消費電力量を削減できる。
【0021】
好ましくは、複数の端末装置のいずれかは、コンピュータハードウェアと、当該コンピュータハードウェアと、メッセージ受信手段と、ダイアログ表示手段と、送信するための手段として機能させるモニタプログラムとにより構成される。
【0022】
専用のモニタプログラムを使用することにより、接続された端末装置の種別の相違にかかわらず、統一したインターフェイスで画像形成装置の電源制御に関する指示を使用者から受けることができる。
【0023】
本発明の第3の局面に係る電源管理装置は、複数の端末装置及び画像形成装置が接続されるネットワークに接続され、画像形成装置の電源を管理する電源管理装置である。画像形成装置は、外部から電源制御命令を受けたことに応答して、電力消費量が相対的に大きな第1の状態と、電力消費量が相対的に小さな第2の状態とに設定可能である。電源管理装置は、ネットワークに接続された端末装置であって、画像形成装置及び電源管理装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、検出手段により検出された端末装置の各々に対してネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御命令を生成して画像形成装置に送信するための電源制御手段とを含む。
【0024】
好ましくは、ネットワークには複数の画像形成装置が接続可能であり、電源制御手段は、メッセージに対する応答の有無、又はメッセージに対する応答の内容に基づいて、複数の画像形成装置の各々について、電源状態を制御するための電源制御命令を個別に生成して対応する画像形成装置に送信するための手段を含む。
【0025】
複数の端末装置をネットワークで画像形成装置及び電源管理装置と接続することにより、画像形成装置の電源管理を電源管理装置で行なうことが可能となる。さらに、この電源管理装置により、複数台の画像形成装置の電源管理を行なうことが可能になる。
【0026】
本発明の第4の局面に係る電源管理装置は、上記したいずれかの電源管理装置であって、ルータであることを特徴とする。
【0027】
電源管理装置を画像形成装置単体ではなく、ルータに装備することにより、複数台の画像形成装置の電源管理をルータに一元化できる。ルータにこうした機能を持たせることにより、他に特別な装置を準備する必要なく、ネットワーク上の画像形成装置の電源管理を有効に行なうことができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように本発明によれば、画像形成装置の使用予定がない場合、又は端末装置の電源の切忘れがある場合など、画像形成装置の電源をオフしたり省電力状態に移行してよい場合に、画像形成装置の消費電力を削減するように画像形成装置を制御できる。その結果、作業効率を落とさずに画像形成装置の消費電力量を有効に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】端末装置及びこれら端末装置が利用する画像形成装置とからなるネットワークシステムのブロック図である。
【図2】従来の画像形成装置において電源のオフを制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示す画像形成装置において電源のオフを制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す画像形成装置を利用する端末装置のモニタに、画像形成装置からの指示にしたがって表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置において電源状態を制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係る画像形成装置において電源状態を制御するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施の形態に係る画像形成装置及びルータ又はサーバを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】第5の実施の形態に係る画像形成装置及びルータ又はサーバを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】第5の実施の形態にかかる画像形成装置と同じネットワークに接続されている端末装置のモニタに表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図12】第6の実施の形態にかかる画像形成装置と同じネットワークに接続されている端末装置のモニタに表示される応答ダイアログを示す模式図である。
【図13】各実施の形態の端末24などを実現するためのコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
<第1の実施の形態>
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。この画像形成装置100は、いわゆる複合機(MFP:Multifunction Peripheral)であって、コピー機能、ファクシミリ送受信機能、プリンタ機能およびスキャナ機能を有する。以下、図3を参照して、記録用紙に画像を形成する機能(コピー機能、ファクシミリ受信機能およびプリンタ機能において使用)を例として画像形成装置100の構造及び概略の動作について説明する。
【0032】
[画像形成装置の構造]
この画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色の画像又は単色の画像を形成するものである。大略的には、画像形成装置100は、本体部110と、本体部110の上部に配置された自動原稿処理装置120とを含む。本体部110には、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を含む画像形成部が設けられている。
【0033】
本体部110の上面には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられる。原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿トレイをもち、原稿トレイに載置された複数の原稿を原稿載置台92の上に自動で搬送する機能を持つ。自動原稿処理装置120は、本体部110の上面の1辺を回動軸として矢印M方向に回動自在となるように本体部110に取付けられる。自動原稿処理装置120を矢印Mに沿って原稿載置台92の上面を開放するように回動させることにより、原稿載置台92の上面に原稿を手置きで置くことができる。原稿載置台92に載置された原稿は、後述する原稿読取部(スキャナ部)により読取られ、画像データに変換される。
【0034】
画像形成装置100が扱う画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に対応するデータである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4つの画像ステーションを形成している。
【0035】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるためのものである。露光ユニット1は、レーザー出射部および反射ミラー等を備えたレーザースキャニングユニット(LSU)を含む。LSUは、レーザー光を走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザー光を感光体ドラム3に導くためのレンズおよびミラー等の光学要素を含む。これらは図が過度に複雑となるのを防ぐため、図3には図示していない。
【0036】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、4色(Y、M、C、K)のトナーにより顕像化するものである。クリーナユニット4は、現像および画像転写後に感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去および回収するためのものである。
【0037】
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット6が配置されている。中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、および中間転写ベルトクリーニングユニット65を含む。中間転写ローラ64は、Y、M、C、Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、および中間転写ローラ64には、中間転写ベルト61が張架され、回転駆動される。中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0038】
中間転写ベルト61は、4つの感光体ドラム3に接触するように設けられている。感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、たとえば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0039】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61をはさんで感光体ドラム3の裏側に中間転写ベルト61に接触している中間転写ローラ64によって行なわれる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(たとえばステンレス)軸からなるベースと、ベースの表面を覆う導電性の弾性材(たとえばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、発泡ウレタン等)とを含む。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。中間転写ローラ64のような機能を持つ部品を転写電極と呼ぶ。本実施の形態では転写電極としてローラ形状の電極を使用しているが、それ以外にブラシ形状の電極等を用いることが可能である。
【0040】
上述のように、各感光体ドラム3上で各色に応じて顕像化された静電潜像は中間転写ベルト61上に積層される。積層された画像情報は、中間転写ベルト61の回転によって所定の記録用紙との接触位置に搬送される。画像情報は、その接触位置に配置された転写ローラ10によって中間転写ベルト61から記録用紙上に転写される。
【0041】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接される。転写ローラ10にはトナーを記録用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10又は中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、又は発泡性樹脂ローラ等々)とする。
【0042】
通常、転写ローラ10によって中間転写ベルト61から記録用紙上にトナーが転写される。しかし、トナーの一部が転写されず中間転写ベルト61に残存する場合もある。そのようなトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。そのため、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去および回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触することで中間転写ベルト61の表面をクリーニングするクリーニング部材、例えばクリーニングブレードが備えられている。中間転写ベルト61がクリーニングブレードと接触する位置には、クリーニングブレードと反対側から中間転写ベルト61を支持する中間転写ベルト従動ローラ63が設けられている。
【0043】
本体部110の露光ユニットの下側には、給紙カセット81が設けられる。給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイである。本体部110の側面には、手差し給紙カセット82が設けられている。手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを載置することができる。本体部110の上方には排紙トレイ91が設けられている。排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0044】
本体部110には、給紙カセット81又は手差し給紙カセット82から取出されたシートを転写ローラ10および定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送出するための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a、ピックアップローラ11b、複数の搬送ローラ12a〜搬送ローラ12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0045】
搬送ローラ12a〜搬送ローラ12dは、シートの搬送を促進および補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0046】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。レジストローラ13は、このように一旦保持したシートを、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングで転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0047】
これらのローラを駆動するモータ、これらのモータを制御するためにシートを検出するセンサ等は、それぞれ所定の電圧値の直流電力により駆動される。
【0048】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて、画像形成装置100の全体を制御又は画像形成部を制御する制御部によって所定の定着温度となるように設定されている。ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融、混合および圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。
【0049】
この定着ユニット7には、ヒートローラ71を加熱するためのヒータ(ハロゲンヒータ等)が備えられている。このヒータは、交流電力により駆動される。
【0050】
シート搬送経路は以下のような構成を持つ。上述のように、画像形成装置100には予めシートを収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これらの給紙カセット81又は手差し給紙カセット82からシートを給紙するために、ピックアップローラ11a又はピックアップローラ11bが配置され、シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに導くようになっている。
【0051】
給紙カセット81又は手差し給紙カセット82から搬送されるシートは、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送される。シートは、その先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端とが整合するタイミングで転写ローラ10に搬送される。その結果、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートが定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融および固着される。シートは、定着ユニット7の後に配置された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0052】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものである。これに対して両面印字要求の時は、片面印字が終了し定着ユニット7をシートが通過し、シートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転する。この搬送ローラ12bの動作によってシートが搬送ローラ12c、12dに導かれる。その後、レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0053】
[画像形成装置の動作モード]
本実施の形態に係る画像形成装置100は、その動作モードとして、コピーモード、ファクシミリ送受信モード、プリンタモードおよびスキャナモードを備える。以下においては、これらの動作モード(後述する電力モードとは異なる)を説明する。
【0054】
−コピーモード−
コピーモードにおいては、主として、本体部110が動作することにより、コピー機能が実現される。なお、原稿を自動送りする場合には、自動原稿処理装置120が動作する。
【0055】
画像形成装置100においては、原稿載置台92に置かれた原稿が画像データとして読取られ、読取られた画像データが制御部へ入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。上述した構成を備える画像形成部は、この画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0056】
−ファクシミリモード−
ファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)およびFAX通信部が動作することにより、受信動作はFAX通信部および画像形成部が動作することにより、ファクシミリ機能が実現される。
【0057】
・送信動作
ファクシミリモードでは、原稿載置台92に置かれた原稿が原稿読取部により読取られて画像データに変換される。読取られた画像データが制御部に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施される。処理後の画像データがFAX通信部へと出力される。
【0058】
送信側の画像形成装置100のFAX通信部は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリ機能を備えた画像形成装置100)へ送信する。
【0059】
・通信動作
回線が接続されると、受信側の画像形成装置100のFAX通信部は、送信側の画像形成装置100のFAX通信部からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像形成装置100のFAX通信部から受信側の画像形成装置100のFAX通信部へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0060】
・受信動作
受信側の画像形成装置100のFAX通信部は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0061】
−プリンタモード−
以下において、プリンタモードの動作説明を行なう。このプリンタモードにおいては、主として、画像形成部が動作することにより、プリント機能が実現される。
【0062】
ネットワークインターフェイスを介してコンピュータからプリントデータを受信すると、受信したプリントデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、プリントデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、プリントデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0063】
−スキャナモード−
以下において、スキャナモードの動作説明を行なう。このスキャナモードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)が動作することにより、スキャナ機能が実現される。
【0064】
画像形成装置100においては、原稿載置台92に置かれた原稿が原稿読取部により画像データとして読取られ、読取られた画像データが制御部に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが記憶装置に記憶されたり、ネットワークに接続されたコンピュータへネットワークインターフェイスを介して送信されたりする。
【0065】
−定着ユニットの作動−
上述した画像形成装置100の動作モードの中で、記録用紙に画像を形成する、コピーモード、ファクシミリ受信モード、プリンタモードにおいて、定着ユニット7を含む画像形成部が作動する。これ以外のファクシミリ送信モード(送信結果は印刷しないものとする。)、スキャナモードでは、定着ユニット7を含む画像形成部は作動しない。
【0066】
[機能的構成]
図4を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は、原稿読取部126、画像形成部124、給紙部106、排紙処理装置108、および操作ユニット122を含む。操作ユニット122は、ディスプレイ130(以下単に「ディスプレイ130」と呼ぶ。)と表示操作部140とを含む。ディスプレイ130は、液晶パネル等からなる表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。タッチパネル134は、表面に接触したユーザの指の軌跡を検出可能である。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギキー(以下「省エネキー」と呼ぶ。)146と、ディスプレイ130の表示をホーム画面に戻すためのホームキー148とを含む。ホーム画面とは、種々の動作モードをユーザが選択するための画面のことをいう。なお、図4においては、図を簡略にするために、図3に示した自動原稿処理装置120については図示していない。
【0067】
図4を参照して、画像形成装置100はさらに、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード、およびメールモードに関する機能の設定が可能な操作ユニット122と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0068】
画像形成装置100はさらに、原稿読取部126、画像形成部124、FAX通信部150、操作ユニット122、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行して画像形成装置100の各部を制御するためのCPU300とを含む。
【0069】
ハードディスク302には、この画像形成装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが、フォルダ別に、保存日時および保存ユーザ名ととともに記憶される。
【0070】
ROM306には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置100の制御を行なうとともに画像形成装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0071】
図4に示すように、FAX通信部150には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304にはネットワーク回線(図1に示すネットワーク回線22など)が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するPC等が接続される。
【0072】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0073】
原稿読取部126、画像形成部124、操作ユニット122を構成するディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット122は、図示しない入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0074】
操作ユニット122は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルで構成される。操作ユニット122の表面には、その左側の領域にディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、それぞれ備えられている。ディスプレイ130および表示操作部140は、操作ユニット122が全体として一体となるように構成されている。
【0075】
上述したように、このディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とを含む。ディスプレイ130においては、表示パネル132に、この画像形成装置100における動作モードを選択するホーム画面、この画像形成装置100の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132の表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出し、その位置を示す情報を出力する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134の出力とを照合することにより、画像形成装置100の動作モード選択、機能設定および動作指示等が行なわれる。この画像形成装置100は、このようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、上述したジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0076】
表示操作部140の表示灯142は、たとえばLED(Light Emitting
Diode)で構成され、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、この画像形成装置100が待機モード(たとえば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、この画像形成装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、この画像形成装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、この画像形成装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。この状態に連動して表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、この画像形成装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、ディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。
【0077】
なお、表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしても構わない。たとえば、このキーランプは、円型のキーの周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0078】
[コンピュータによる実現]
上記したように、本実施の形態に係る画像形成装置100は、所定のプログラムを図3に示すCPU300が実行することにより実現される。このプログラムは、例えば図3のHDD302に記憶されており、CPU300の実行時に読出されてRAM308にロードされる。以下、CPU300内のプログラムカウンタと呼ばれるレジスタの指すアドレスにしたがって命令がRAM308から読み出され、CPU300により解釈され、実行される。
【0079】
図5を参照して、CPU300が実行するプログラムは、所定時間、待機状態を維持するステップ160と、所定時間経過したときに実行され、ネットワーク回線22に接続された端末装置(複数の端末装置24,26、及び28等)の起動数を検出するステップとを含む。検出された端末数を変数iに格納する。
【0080】
このプログラムはさらに、検出された端末数iが所定数以下か否かを判定し、判定結果により制御の流れを分岐させるステップ164を含む。ここでの所定数をN(本実施の形態ではN=2である。)とすると、このステップ164での判定は「N≧iか」というものである。判定が否定なら制御はステップ160に戻り、再び待機状態となる。判定が肯定なら制御はステップ166に進む。
【0081】
ステップ166では、接続されている端末装置であって、通信可能かつ稼動状態のものに対し、所定のメッセージを送信する。このメッセージは、端末装置側でこのメッセージに応答する機能を持つものであればどのようなものでもよい。本実施の形態では、このメッセージを受けた端末では、画像形成装置100との通信のために専用のモニタプログラムが動作しており、自身が稼動状態であれば図6に示すような応答ダイアログ360をモニタに表示し、ユーザからの応答を待つ。なお、ここで「稼動状態」とは、端末装置の電源がオンであり、何らかのイベントがあればそれに対して適切な応答をとることが可能な状態のことをいう。例えば、端末装置がいわゆるスリープ状態であっても、メッセージを受信して応答を返すことが可能であれば「稼動状態」にあるということができる。
【0082】
図6を参照して、応答ダイアログ360は、画像形成装置の電源を落としてよいか否かを尋ねるテキスト192と、その端末装置で画像形成装置を使用する予定があるか否かを指定するチェックボックスを含むフォーム194と、OKボタン196とを含む。フォーム194のチェックボックスはラジオボタンと同様、一方にチェックを入れると他方のチェックがはずれるようになっている。本実施の形態では、初期値として「使用予定なし」のチェックボックスにチェックが入っている。これらチェックボックスにはそれぞれ互いに異なる数値が割当てられており、OKボタン196を押すとチェックされたチェックボックスに対応する数値が画像形成装置に対して送信される。応答ダイアログ360が表示されたまま所定時間が経過しても何も操作されない場合、応答ダイアログ360は自動的に閉じ、同時にそのときチェックされていたチェックボックスに対応する値が画像形成装置に送信される。画像形成装置では、送信されて来た値が「使用予定なし」を示す値か否かを調べることで、後続するステップ168以下の処理を行なうことができる。端末装置から所定時間が経過しても返答がない場合、画像形成装置は、その端末装置の電源がオフされたものとして取扱う。
【0083】
ステップ166に続くステップ168では、ステップ166で送信したメッセージに対し、端末のいずれかから応答があったか否かを判定する。1台からも応答がなければステップ172で画像形成装置の電源をオフする。1台でも応答があれば制御はステップ170に進む。
【0084】
ステップ170では、応答のすべてが、画像形成装置の電源をオフしてよい、というものか否かについての判定を行なう。判定が肯定であればステップ172で画像形成装置の電源をオフする。判定が否定であれば制御はステップ160に戻り、待機状態に入る。
【0085】
[動作]
図5を参照して、この画像形成装置は、待機状態で所定時間が経過すると、ネットワーク回線22に接続された端末装置の起動数iを検出する(ステップ162)。この数iが所定数N以下でなければ再び待機状態に戻る。数iが所定数N以下になると、通信可能かつ稼動状態の端末装置のすべてに対し、画像形成装置を終了してもよいか否かに関する応答ダイアログ360を表示させるためのメッセージを送信する(ステップ166)。どの端末装置からも応答がなければ画像形成装置の電源をオフする(ステップ168及び172の経路)。いずれかの端末から応答があり、しかもそれらの応答がすべて画像形成装置の電源をオフしてよいことを示すものであれば、画像形成装置の電源をオフする(ステップ168,170,172の経路)。いずれかの応答が、画像形成装置の電源を落としてはならない、というものであれば画像形成装置は再び待機状態に戻る(ステップ168,170,160の経路)。
【0086】
以上のように本実施の形態に係る画像形成装置100は、ネットワーク上で起動している端末装置に画像形成装置の使用の有無を確認し、その応答内容により画像形成装置の電源をオフしても問題がないときには画像形成装置の電源をオフする。端末装置の切忘れがある場合でも、そのために画像形成装置の電源をオフできないという事態が発生することを防止できる。端末装置をユーザが使用している場合であっても、画像形成装置を使用する予定がなければ画像形成装置の電源をオフすることができる。そのため、従来の装置と比較して、画像形成装置が無駄に待機している時間を短くすることができる。
【0087】
なお、図6に示すダイアログは、使用予定があるか否かをユーザに問合せる画面である。しかし本発明は疎の様な実施の形態には限定されない。単に画像形成装置の電源を落としてよいか否かを尋ねるダイアログでもよい。さらに、上記実施の形態では、所定数N=2として説明したが、この値をネットワークの規模及びネットワークの管理方針により自由に設定できることは明らかである。
【0088】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、画像形成装置を使用する予定があるか否かに関する指示を端末の専用モニタプログラムでユーザから受けている。どの端末からも使用予定がある旨の返答がこなかったときに画像形成装置の電源をオフしている。
【0089】
しかし、例えば画像形成装置を使用するかどうかあいまいでユーザが決められないときもるであろう。すると、画像形成装置の電源をオフしてしまうと、仮に端末で画像形成装置を使用するような作業を実行しようとすると、画像形成装置を立ち上げなければならない。そのための時間が無駄になってしまう。一方で、画像形成装置の使用予定がある、とする返答をすると画像形成装置の電源は入ったままとなり、消費電力の削減を行なうことができない。さらに、画像形成装置が複合機であってファクシミリ受信機能を持つ場合、画像形成装置の電源を一律にオフしてしまうと、ファクシミリの受信ができなくなってしまうという問題が生じる。
【0090】
第2の実施の形態では、画像形成装置の電源をオフすることに加え、他の選択肢として、画像形成装置を省電力状態又は夜間FAX状態とする選択肢を加える。すなわち、待機状態と、待機状態での消費電力より電力消費量の少ない省電力状態と、電源がオフとなった状態との3つの選択肢から選択できる。これらについては、システムの設定で予め選択しておくことができる。
【0091】
図7に、この第2の実施の形態の画像形成装置を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造を示す。ハードウェア構成は図3及び図4に示したものと同様である。
【0092】
図7を参照して、このプログラムが図5に示すものと異なる第1点は、ステップ170に代えて、応答のすべてが、予め行なわれている設定にしたがって、画像形成装置の電源をオフする、省電力状態に移行させる、又は、夜間FAX状態に移行させる、という処理を行なってもよい、というものか否かについての判定を行ない、判定結果にしたがい制御の流れを分岐させるステップ210を含む点である。さらに、第2の相違点は、図5のステップ172に代えて、ステップ210の判定が肯定であったとき、及びステップ168の判定が日知恵であったときに実行され、予め設定された条件にしたがい、画像形成装置の電源をオフする処理と、省電力状態に移行させる処理と、夜間FAX状態に移行させる処理とのいずれかを選択して実行するステップ212を含む点である。
【0093】
この第2の実施の形態に係る画像形成装置の動作は、第1の実施の形態の画像形成装置100とほぼ同様に動作する。単に電源をオフすることに代えて、設定にしたがって、電源をオフする処理と、省電力状態に移行させる処理と、夜間FAX状態に移行させる処理とのいずれかを選択して実行する点において第1の実施の形態の画像形成装置100と異なっている。
【0094】
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態では、ネットワーク回線22に接続された端末のうち、通信可能かつ稼動状態のものが所定数N以下となったときに、画像形成装置を使用する予定があるか否かに関する応答を得るためのメッセージを画像形成装置から端末に送信している。そして、画像形成装置を使用する予定があるという返答を得た場合には、再び前の状態と同じ状態に戻り、所定時間だけ待機した後、同じ処理を繰返す。すなわち、図6に示す画面が所定時間をおいて繰返し各端末のモニタに表示されることになる。
【0095】
しかし、そのような処理を繰返し行なわなければならないとしたら、端末のユーザにとっては手続が煩雑なだけである。この第3の実施の形態では、ユーザが同じ手続を繰返し行なうことを避けるようにする。
【0096】
ハードウェア構成は第1の実施の形態の画像形成装置100と同様である。図8に、この実施の形態に係る画像形成装置を実現するためのコンピュータプログラムのフローチャートを示す。図8を参照して、このプログラムは、図5に示すものと同様の処理をするステップ160,162及び164を含む。ステップ164の判定が肯定であれば、ステップ230で前回のこの処理で確認した端末装置の起動数(これをi0とする。)と比較して、ステップ162で確認した今回の端末装置の起動数iの方が小さいか否かについて判定する。判定が肯定であれば制御はステップ162に進む。ステップ166以後、図5に示すものと同様のステップ168,170及び172が実行される。
【0097】
一方、判定が否定であれば制御はステップ232に進む。ステップ232では、前回のこの処理の実行時から一定時間が経過したか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ166に進む。以後は図5と同様の処理が実行される。判定が否定であれば、制御はステップ234に進む。ステップ234では、今回確認された端末装置の起動数(i)を変数i0に保持する。この変数i0は、次にこの処理が実行される際に、ステップ230における判定で使用される。ステップ234の後、制御はステップ160に戻り、画像形成装置は待機状態となる。
【0098】
前述したとおり、図8に示すステップ166,168,170及び172では、図5に示すものと同様の処理が実行される。ただし、ステップ170の判定が否定であれば制御はステップ160ではなくステップ234に進む点で図5に示すものと異なる。
【0099】
この第3の実施の形態に係る画像形成装置では、第1の実施の形態と異なり、一定時間ごとに必ず画像形成装置の電源をオフしてよいか否かに関する確認を行なうわけではない。第1に、ネットワーク回線22に接続された端末数が前回に確認されたときの数より少なくなっているときにこの確認がされる。端末数が前回と同じときには、さらに、前回の確認から一定時間が経過したときのみ、確認が実行される。端末数が減少した場合には、ネットワークの状況が変化したということであり、残る端末について確認を再実行する意味がある。したがってそのような状況の変化と関係なく、一定時間ごとに機械的に確認する場合のようにユーザが繰返し同じ返答をする必要はない。さらに、ネットワーク上の端末数が減少しないときでも、一定時間が経過したときには確認が行なわれる。したがって、残る端末装置の電源の切忘れがあっても、少なくとも一定時間後には確認が行なわれる。しかもこの一定時間をある程度長くしておくと、比較的短い時間で端末に繰返し応答を要求するような動作を防止できる。その結果、端末装置を操作しているユーザが煩雑な操作をしなくてもよいという効果がある。
【0100】
<第1の変形例>
第1‐第3の実施の形態の画像形成装置は、ネットワーク回線22に直接接続されている。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではない。例えば図9に示すネットワークシステム270は、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続されたルータ280と、ルータ280を介してネットワークシステム20に接続され、複数の端末装置24,26、及び28とルータ280及びネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置30とを含む。
【0101】
この変形例では、画像形成装置30は第1の実施の形態の画像形成装置100のように複数の端末装置24,26、及び28に対して電源オフしてよいか否かを確認する機能は持たない。代わりに、ルータ280がそれと同様の機能を持つ。ただし、画像形成装置30は、外部からの制御により電源をオフしたり、省電力モードに移行したり、夜間FAXモードに移行したりする機能を持つものとする。
【0102】
ルータ280は、図5、図7及び図8に示す制御構造と同様の制御構造を持つプログラムを実行することにより、上記した機能を実現する。ただしルータ280においては、図5及び図8のステップ172並びに図7のステップ212では、ルータ280の電源を制御するのではなく、画像形成装置30の電源を制御するためのメッセージを画像形成装置30に送信する。そうすることで、第1‐第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なおこの変形例では、ルータ280は画像形成装置30の電源が投入されているか否かに関する情報を持っておく。画像形成装置30の電源が投入されていないときには、上記した処理を実行する必要はない。
【0103】
さらに、ルータ280に代えて、こうした処理をサービスとして実行するサーバをネットワークシステム270内に設けても良いことは明らかである。この場合、画像形成装置30はこのサーバに直接接続されていてもよいし、ネットワーク回線22に接続されていてもよい。
【0104】
<第2の変形例>
図9と同様の構成で、複数の画像形成装置の電源をルータで集中的に制御することができる。図10にそうしたネットワークシステム290の例を示す。図10を参照して、このネットワークシステム290は、ネットワーク回線22と、いずれもこのネットワーク回線22に接続される複数の端末装置24,26、及び28と、ネットワークシステム20に接続されたルータ330と、各々が複数の端末装置24,26、及び28とルータ330及びネットワーク回線22を介して通信することにより、これら複数の端末装置24,26、及び28に対するネットワークプリンタとして動作する画像形成装置340,342及び344とを含む。
【0105】
ルータ330は、画像形成装置340,342及び344の各々に対して、図9のルータ280が実行する処理と同様の処理を実行する。この場合、これらはルータ330上で別プロセスで実行される。別プロセスで実行することにより、個々のプロセスで実行されるプログラムは図9に示すものと同一でよい。もちろん、一つのプロセスでこれら3つの画像形成装置の電源を制御する処理を行なっても良いことはいうまでもない。
【0106】
この変形例においても、ルータ330に代えてこのサービスを単独又は複数のサーバで提供するようにしてもよい。画像形成装置340,342及び344については、サーバに接続されていても、ネットワーク回線22に接続されていてもよい。
【0107】
図11に、1台のルータ330が複数の画像形成装置の電源制御を単一のプロセスで行なう際に、ネットワーク回線22上の端末装置に表示される応答ダイアログ370を示す。図11を参照して、この応答ダイアログ370は、図6に示すものと同じテキスト192と、ルータ330が管理する画像形成装置の各々について使用予定があるか否かをユーザが指定するためのチェックボックスを含むフォーム380と、OKボタン196とを含む。
【0108】
ユーザは、各画像形成装置について使用予定があるか否かについて、適切なチェックボックスをチェックすることにより、複数の画像形成装置について電源をおとしてよいか否かを簡単に指定することができる。ルータ330は、各端末装置からの返答に基づき、電源をオフしてよい画像形成装置については電源をオフし、使用予定がある画像形成装置についてはとりあえず電源を維持し、所定時間経過後に再度同じようにして電源オフの可否を各端末装置に対して問合せることになる。
【0109】
第2の実施の形態で述べたように、画像形成装置を使用する予定があるが、節電モードに移行してもよい場合がある。図12は、1台のルータで、複数の画像形成装置につき、電源をオフしてよいか否か、及び節電モードに移行してもよいか否かを管理する際に、各端末装置に表示される応答ダイアログ390を示す。図9を参照して、応答ダイアログ390は、画像形成装置の使用予定があるか否か、及び使用予定があるとしても画像形成装置を節電モードに移行してもよいか否かを問合せるテキスト400と、このルータが管理する複数の画像形成装置の各々について、使用予定があるか否かを問合せるフォーム402と、OKボタン196とを含む。
【0110】
図12に示されるフォーム402が図11に示すフォーム380と異なるのは、各画像形成装置の「使用予定あり」のチェックボックスの近傍に、「節電モードへ行こう可能」というラジオボックスが設けられている点である。このラジオボックスは、「使用予定あり」にチェックを入れるとアクティブになり、オンすると、対応する画像形成装置を節電モードに移行してもよいことを示す。オフの場合には節電モードに移行してはいけないことを示す。
【0111】
図12に示す応答ダイアログ390を、図10に示すようなシステムで各端末に表示する。この場合、例えばルータ330で実行するプログラムとしては、図7に示すものと同様の制御構造を持つものを用いればよい。ただしこの場合、制御対象の画像形成装置が複数個あるため、ステップ168,210及び212については各画像形成装置について別々に実行する必要がある。
【0112】
[コンピュータハードウェア]
この実施の形態に係る端末装置24、26、及び28等のような、上記実施の形態のネットワークシステムの構成要素である端末装置は、一般的なコンピュータハードウェアと、そのコンピュータハードウェア上で実行され、画像形成装置100、ルータ280及び330などから受けるメッセージに応答して、図6、図11、図12のようなフォームを表示するプログラムとにより構成される。このプログラムは、各フォームのOKボタン196が押されるまで、GUI(Graphic User Interface)によりユーザとの対話を行ない、ユーザの操作に応じて画面を更新する。このプログラムはさらに、OKボタン196が押されると、そのときの画面の状態に応じた応答を生成し、ユーザによる応答を生成して、画像形成装置100、ルータ280、又はルータ330に応答メッセージを送信して処理を終了する。
【0113】
図13は、例えば端末装置24を実現するコンピュータシステム430の内部構成を示す。端末装置26及び28についても同様である。図13を参照して、このコンピュータシステム430は、リムーバブルメモリの着脱部であるメモリポート470及びDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ464を有するコンピュータ440と、キーボード346と、マウス448と、モニタ442とを含む。
【0114】
コンピュータ440は、メモリポート470及びDVDドライブ464に加えて、CPU(中央処理装置)456と、CPU456、メモリポート470及びDVDドライブ464が接続されたバス466と、バス466に接続され、ブートアッププログラム等を記憶する読出専用メモリ(ROM)458と、バス466に接続され、プログラム命令、システムプログラム、及び作業データ等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)460と、バス466に接続され、大量のデータを記憶する不揮発性記憶装置であるハードディスク462と、バス466に接続され、ネットワーク22への接続を提供するネットワークインターフェイスカード(NIC)468とを含む。
【0115】
コンピュータシステム430を上記したネットワークシステムの電源管理のための一構成要素として機能させるためのコンピュータプログラムは、DVDドライブ464又はメモリポート470に挿入されるDVD490又はリムーバブルメモリ492に記憶され、さらにハードディスク462に転送される。又は、プログラムはネットワーク22及びNIC468を通じてコンピュータ440に送信されハードディスク462に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM460にロードされる。DVD490から、リムーバブルメモリ492から、又はネットワークを介して、直接にRAM460にプログラムをロードしてもよい。
【0116】
このプログラムは、コンピュータ440に上記したような実施の形態の端末装置としての動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはコンピュータ440上でオペレーティングシステム(OS)が動作しているときにはOSにより提供されることもある。それら機能はサードパーティのプログラム、又はコンピュータ440にインストールされる、各種ツールプログラムキットのモジュールにより提供されることもある。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステム及び方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な関数を呼出すことにより、上記した端末装置24としての機能を実現する命令のみを含んでいればよい。コンピュータシステム430の動作は周知であるので、ここでは繰返さない。
【0117】
以上、本発明を複数の実施の形態にしたがって説明してきた。しかし、本発明が上記した実施の形態には限定されないことは明らかである。上記実施の形態では、複数の画像形成装置の電源を制御する機能を、ルータ又はサーバに配置している。しかし、画像形成装置のうちの一つに持たせるようにしてもよいことは明らかである。ただしこの場合、この画像形成装置については、他の画像形成装置の電源がすべてオフされた後でなければオフできないようにするか、電源を落とさないようにしておかないと、消費電力を削減しながら適切に画像形成装置のすべてを制御することはできない点に注意が必要である。
【0118】
上記実施の形態では単に「省電力状態」と述べたが、省電力状態とは、待機時の消費電力が通常の待機時よりも小さくなっている状態すべてをいう。
【0119】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0120】
20 ネットワークシステム
22 ネットワーク回線
24,26,28 端末装置
100 画像形成装置
194,380,402 フォーム
360,370,390 応答ダイアログ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置と通信して動作する画像形成装置であって、
前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、
前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、
前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置への電源供給を切断又は維持するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置を省電力状態又は待機状態のいずれかに設定するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置への電源供給を切断する処理、前記画像形成装置の一部の機能のみを作動状態に設定し他への電源供給を切断する処理、前記画像形成装置を省電力状態に設定する処理、及び前記画像形成装置を待機状態に設定する処理、のいずれかを実行するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項5】
請求項1‐請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記検出手段は、前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を、所定時間が経過するごとに検出するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1‐請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、さらに、前記検出手段に接続され、前記検出手段により検出された端末装置の数が、その前に前記検出手段により検出された端末装置の数より少ないか否かを判定するための判定手段を含み、
前記送信手段は、前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、又は前記検出手段により検出された端末装置の数が、その前に前記検出手段により検出された端末装置の数より少ないと前記判定手段により判定されたときに、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1‐請求項6のいずれかに記載の画像形成装置と、複数の端末装置と、これら画像形成装置及び端末装置が接続されるネットワーク回線とを含むネットワークシステムであって、
前記複数の端末装置の各々は、
前記画像形成装置の前記送信手段から送信されるメッセージを受信するためのメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段がメッセージを受信したことに応答して、前記画像形成装置の使用予定の確認を行なうダイアログを表示するためのダイアログ表示手段と、
前記ダイアログ表示手段に対する入力に基づく応答を生成し、前記画像形成装置の前記電源制御手段に送信するための応答手段とを含む、ネットワークシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワークシステムであって、前記複数の端末装置のいずれかは、
コンピュータハードウェアと、
当該コンピュータハードウェアと、前記メッセージ受信手段と、前記ダイアログ表示手段と、前記送信するための手段として機能させるモニタプログラムとにより構成される、ネットワークシステム。
【請求項9】
複数の端末装置及び画像形成装置が接続されるネットワークに接続され、前記画像形成装置の電源を管理する電源管理装置であって、
前記画像形成装置は、外部から電源制御命令を受けたことに応答して、電力消費量が相対的に大きな第1の状態と、電力消費量が相対的に小さな第2の状態とに設定可能であり、
前記電源管理装置は、
前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置及び前記電源管理装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、
前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、
前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御命令を生成して前記画像形成装置に送信するための電源制御手段とを含む、電源管理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電源管理装置であって、
前記ネットワークには複数個の画像形成装置が接続可能であり、
前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記複数個の画像形成装置の各々について、電源状態を制御するための電源制御命令を個別に生成して対応する画像形成装置に送信するための命令送信手段を含む、電源管理装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の電源管理装置を持つルータ。
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置と通信して動作する画像形成装置であって、
前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、
前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、
前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置への電源供給を切断又は維持するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置を省電力状態又は待機状態のいずれかに設定するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置への電源供給を切断する処理、前記画像形成装置の一部の機能のみを作動状態に設定し他への電源供給を切断する処理、前記画像形成装置を省電力状態に設定する処理、及び前記画像形成装置を待機状態に設定する処理、のいずれかを実行するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項5】
請求項1‐請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記検出手段は、前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を、所定時間が経過するごとに検出するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1‐請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、さらに、前記検出手段に接続され、前記検出手段により検出された端末装置の数が、その前に前記検出手段により検出された端末装置の数より少ないか否かを判定するための判定手段を含み、
前記送信手段は、前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、又は前記検出手段により検出された端末装置の数が、その前に前記検出手段により検出された端末装置の数より少ないと前記判定手段により判定されたときに、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1‐請求項6のいずれかに記載の画像形成装置と、複数の端末装置と、これら画像形成装置及び端末装置が接続されるネットワーク回線とを含むネットワークシステムであって、
前記複数の端末装置の各々は、
前記画像形成装置の前記送信手段から送信されるメッセージを受信するためのメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段がメッセージを受信したことに応答して、前記画像形成装置の使用予定の確認を行なうダイアログを表示するためのダイアログ表示手段と、
前記ダイアログ表示手段に対する入力に基づく応答を生成し、前記画像形成装置の前記電源制御手段に送信するための応答手段とを含む、ネットワークシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワークシステムであって、前記複数の端末装置のいずれかは、
コンピュータハードウェアと、
当該コンピュータハードウェアと、前記メッセージ受信手段と、前記ダイアログ表示手段と、前記送信するための手段として機能させるモニタプログラムとにより構成される、ネットワークシステム。
【請求項9】
複数の端末装置及び画像形成装置が接続されるネットワークに接続され、前記画像形成装置の電源を管理する電源管理装置であって、
前記画像形成装置は、外部から電源制御命令を受けたことに応答して、電力消費量が相対的に大きな第1の状態と、電力消費量が相対的に小さな第2の状態とに設定可能であり、
前記電源管理装置は、
前記ネットワークに接続された端末装置であって、前記画像形成装置及び前記電源管理装置と通信可能でかつ稼動状態の端末装置を検出するための検出手段と、
前記検出手段により検出された端末装置の数が所定数以下のとき、前記検出手段により検出された端末装置の各々に対して前記ネットワークを介してメッセージを送信するための送信手段と、
前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記画像形成装置の電源状態を制御するための電源制御命令を生成して前記画像形成装置に送信するための電源制御手段とを含む、電源管理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電源管理装置であって、
前記ネットワークには複数個の画像形成装置が接続可能であり、
前記電源制御手段は、前記メッセージに対する応答の有無、又は前記メッセージに対する応答の内容に基づいて、前記複数個の画像形成装置の各々について、電源状態を制御するための電源制御命令を個別に生成して対応する画像形成装置に送信するための命令送信手段を含む、電源管理装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の電源管理装置を持つルータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−4694(P2012−4694A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135721(P2010−135721)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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