説明

電源装置、プログラムおよび制御方法

【課題】電源管理および仮想管理の信頼性の高める。
【解決手段】第3の仮想ホストコンピュータ2cで実行される第4の仮想マシン3dが、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合、第2の電源装置1bが、第4の仮想マシン3dのリソースを、移行後のリソースに変更するステップと、移行後のリソースに変更された後、第1の電源装置1aまたは第2の電源装置1bが、第3の仮想ホストコンピュータ2cに、第4の仮想マシン3dを第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する指示を送信するステップと、第4の仮想マシン3dが、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに電力を供給する電源装置、プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、物理コンピュータのリソースを有効に活用するため、仮想管理が用いられている。仮想管理では、物理コンピュータを仮想ホストとして適用し、仮想ホスト上で、複数の仮想マシンをエミュレートする。仮想管理において、仮想マシンの稼働状況に応じて、他の仮想ホストに移行させる場合もある。仮想マシンを自由自在に任意の仮想ホストに移行する仕組みを用いることにより、物理コンピュータのリソースを有効に活用することができる。
【0003】
また、物理コンピュータの消費電力を削減するために、電力制御装置を用いる方法もある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の方法では、電力制御装置が、システムの負荷状況を収集して、その負荷状況に基づいてシステムを任意の物理コンピュータに移行させるとともに、選択されなかった物理コンピュータの電源をオフする。このように電力制御装置が、仮想管理とともに電源を管理することにより、物理コンピュータの消費電力を削減することが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−269249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、電力制御装置に電力を供給する電源装置に電力障害があった場合、この電力制御装置は、電源管理のみならず、仮想管理もできなくなってしまう問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の方法において、電力制御装置と物理コンピュータとに、個別に電力供給されている場合、偶発的に停電が発生したり、計画停電の際、電力制御装置と物理コンピュータの両方を、安全にシャットダウンさせることが困難な場合がある。具体的には、シャットダウンの際、仮想システムがシャットダウンしたのを確認した後、仮想管理サーバをシャットダウンしなければならないので、この順序でシャットダウンできるように個々の構成要素について設定する必要がある。従って、大規模システムや中規模システムなど、有る程度の規模を有するシステムの全ての構成要素について、この設定を適用するのは困難であると考えられる。また、小規模システムの際には、このように設定することは可能とも考えられるが、その手間は繁雑なものとなってしまう。
【0007】
さらに、物理コンピュータの電源のオンオフと、仮想管理とが同期されていない場合、電源がオフの物理コンピュータに仮想マシンを移行させるケースが考えられる。上述した特許文献1に記載の方法においても、偶発的な停電や、電源装置の手動のオンオフなど、電力制御装置の制御以外によって電源装置がオンオフされる可能性がある。従って、仮想管理が同期されていない場合と同様、電源がオフの物理コンピュータに仮想マシンを移行させる場合がある。
【0008】
このような状況を鑑み、電源管理と仮想管理とを同期させ、システム全体の信頼性を高める技術の開発が期待されている。
【0009】
従って本発明の目的は、電源管理および仮想管理において信頼性の高めることのできる電源装置、プログラムおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、コンピュータに電力を供給する電源装置に関する。本発明の第1の特徴に係る電源装置は、コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは仮想ホストに、指示を送信する仮想マシン管理手段を備える。
【0011】
ここで、仮想マシン管理手段は、仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンに送信する指示と、を対応づけた仮想マシン管理データに基づいて、仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信しても良い。
【0012】
また、仮想マシン管理データの指示は、当該電源装置の停電の際、電源装置が仮想マシンに送信する指示であっても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、当該電源装置の停電の際、仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信する。
【0013】
また、仮想マシン管理データはさらに、当該指示を送信するタイミングを関連づけても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、当該電源装置の停電の際、タイミングに基づいて仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信する。
【0014】
また、仮想マシン管理手段は、時間帯と、当該時間帯においてコンピュータで実行される仮想ホストの識別子と、当該仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンの識別子と、を関連づけた仮想マシン管理データに基づいて、異なる時間帯に変更になるタイミングで移行する仮想マシンを抽出し、当該移行する仮想マシンを移行先の仮想ホストに移行する指示を送信しても良い。
【0015】
また、仮想マシン管理データは、さらに、時間帯、仮想ホストの識別子および仮想マシンの識別子に、当該仮想マシンで割り当てられるリソース情報を関連づけても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、仮想マシン管理データから、移行する仮想マシンについて移行先の仮想ホストで割り当てられるリソースの情報を抽出し、異なる時間帯に変更になるタイミングで、移行する仮想マシンについて移行先の仮想ホストで割り当てられるリソースに変更する指示を送信するとともに、当該移行する仮想マシンのリソースが変更された後、当該移行する仮想マシンを移行先の仮想ホストに移行する指示を送信する。
【0016】
本発明の第2の特徴は、コンピュータに電力を供給する電源装置に用いられるプログラムに関する。本発明の第2の特徴に係るプログラムは、コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは仮想ホストに、指示を送信する仮想マシン管理手段として、電源装置が内蔵するコンピュータを機能させる。
【0017】
ここで、仮想マシン管理手段は、仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンに送信する指示と、を対応づけた仮想マシン管理データに基づいて、仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信しても良い。
【0018】
また、仮想マシン管理データの指示は、当該電源装置の停電の際、電源装置が仮想マシンに送信する指示であっても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、当該電源装置の停電の際、仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信する。
【0019】
また、仮想マシン管理データはさらに、当該指示を送信するタイミングを関連づけても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、当該電源装置の停電の際、タイミングに基づいて仮想マシンまたは仮想ホストに指示を送信する。
【0020】
また、仮想マシン管理手段は、時間帯と、当該時間帯においてコンピュータで実行される仮想ホストの識別子と、当該仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンの識別子と、を関連づけた仮想マシン管理データに基づいて、異なる時間帯に変更になるタイミングで移行する仮想マシンを抽出し、当該移行する仮想マシンを移行先の仮想ホストに移行する指示を送信しても良い。
【0021】
また、仮想マシン管理データは、さらに、時間帯、仮想ホストの識別子および仮想マシンの識別子に、当該仮想マシンで割り当てられるリソース情報を関連づけても良い。この場合、仮想マシン管理手段は、仮想マシン管理データから、移行する仮想マシンについて移行先の仮想ホストで割り当てられるリソースの情報を抽出し、異なる時間帯に変更になるタイミングで、移行する仮想マシンについて移行先の仮想ホストで割り当てられるリソースに変更する指示を送信するとともに、当該移行する仮想マシンのリソースが変更された後、当該移行する仮想マシンを移行先の仮想ホストに移行する指示を送信する。
【0022】
本発明の第3の特徴は、第1のコンピュータに電源を供給する第1の電源装置と、第2のコンピュータに電源を供給する第2の電源装置と、を備える情報システムに用いられる制御方法に関する。ここで、第1の電源装置および第2の電源装置は、コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは仮想ホストに、指示を送信可能である。本発明の第3の特徴に係る制御方法は、第2のコンピュータで実行される第2の仮想ホストにエミュレートされる仮想マシンが、第1のコンピュータで実行される第1の仮想ホストに移行する場合、第1の電源装置または第2の電源装置が、仮想マシンのリソースを、移行後のリソースに変更するステップと、移行後のリソースに変更された後、第1の電源装置または第2の電源装置が、第2の仮想ホストに、仮想マシンを第1の仮想ホストに移行する指示を送信するステップと、仮想マシンが、第1の仮想ホストに移行するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電源管理および仮想管理において信頼性の高めることのできる電源装置、プログラムおよび制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る電源システムを説明するシステム構成図である。
【図2】図2は、仮想マシンを移行させた後の電源システムを説明するシステム構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る電源装置の構成を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る電源装置における管理対象データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る電源装置における電源管理データのうち、電源データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る電源装置における電源管理データのうち、電力履歴データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る電源装置における電源管理データのうち、停電復電指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る電源装置における仮想マシン管理データのうち停電復電指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に係る電源装置における仮想マシン管理データのうち移行指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態に係る電源装置における仮想マシン管理データのうち任意指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る電源装置における制御手段による制御処理を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施の形態に係る電源装置における制御手段による停電復電制御処理を説明するフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の実施の形態に係る電源装置における制御手段による移行制御処理を説明するフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態に係る仮想ホストコンピュータの構成を説明する図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態に係る電源システムにおいて、仮想ホストおよび仮想マシンのシャットダウン場合を説明するシーケンス図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態に係る電源システムにおいて、仮想マシンが移行する場合を説明するシーケンス図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源システムにおいて、仮想マシンが移行する場合を説明するシーケンス図である。
【図18】図18は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源装置であって、スケジュールを管理する電源装置の構成を説明する図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源装置であって、スケジュールを管理する電源装置の処理を説明するフローチャートである。
【図20】図20は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源装置であって、スケジュールを管理する電源装置の変更リクエスト送信処理を説明するフローチャートである。
【図21】図21は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源装置であって、スケジュールを管理しない電源装置の構成を説明する図である。
【図22】図22は、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る電源装置であって、スケジュールを管理しない電源装置の処理を説明するフローチャートである。
【図23】図23は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る電源装置における仮想マシン管理データのうち停電復電指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図24】図24は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る電源装置における仮想マシン管理データのうち移行指示データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図25】図25は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る電源装置における制御手段による停電復電制御処理を説明するフローチャートである。
【図26】図26は、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る電源装置における制御手段による移行制御処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0026】
まず、本発明の実施の形態において、「物理コンピュータ」は、中央処理制御装置(CPU:Central Processing Unit)および記憶装置などを備えた一般的なコンピュータである。「物理コンピュータ」は、具体的には、パーソナルコンピュータ、サーバ、ブレード型サーバなどのコンピュータである。また「仮想ホスト」は、物理コンピュータ上でホストOSを実行することにより物理コンピュータに実装される。1台の仮想ホストは、1台以上の仮想マシンを動かすことができる。「仮想マシン」は、1台の仮想ホスト上で、別のコンピュータをソフトウェア的にエミュレートされた仮想的なコンピュータである。
【0027】
「仮想システム」は、物理コンピュータ、物理ストレージ、物理ネットワークなどで構成され、仮想システム全体で1台以上の仮想マシンの役割を担う。「仮想管理」とは、仮想システムを構成する仮想インフラを管理するとともに、1台以上の仮想マシンの稼働を制御する。仮想管理における制御の結果、仮想マシンは、他の仮想ホストに移行する場合がある。
【0028】
「移行」とは、仮想インフラを、他の物理インフラに移動することである。移行には、一般的に、サーバ移行(ライブマイグレーション)、ストレージ移行、ネットワーク移行などがある。サーバ移行は、ある仮想ホスト上で稼働された仮想マシンを、他の仮想ホストに、メモリコピーによって移動することである。ストレージ移行は、ある物理ストレージ上にあった仮想ストレージを、他の物理ストレージに移動することである。ネットワーク移行は、ある物理ネットワーク上にあった仮想ネットワークを、他の物理ネットワークに、データのコピーによって移動することである。本発明の実施の形態においては特に、移行とは、サーバ移行のことを示す。なお、サーバ移行において、仮想マシンが稼働中に移行することもあれば、停止した状態で移行することもある。
【0029】
「電源装置」とは、仮想インフラに電力を供給したり、測定したり、切断する装置である。具体的には「電源装置」とは、交流(AC:Alternating Current)電源、直流(DC:Direct Current)電源、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)、電力分配器(PDU:Power Distribution Unit)などである。
【0030】
「電源管理」とは、インフラに、安定して電源を供給するための制御のことである。本発明の実施の形態において電源管理とは、主に4つの機能を指す。(1)電源設備の点検時や電源障害時に、電源が、コンピュータ、ストレージ、ネットワークなどのインフラを自動的にシャットダウンして、サービスおよびデータを保護する機能である。(2)所定のスケジュールに従ってインフラをシャットダウンして、電力使用量を削減する機能である。(3)インフラの障害などにより、ハードウェアリセットが必要な際、予め設定した手順に従って、リモート制御で電源を停止、起動、再起動、またはこれらの組み合わせを実行する機能である。(4)スケジュールに従って、またはリモート制御で、予め定められた電源のオンオフを伴わないコマンドを、実行する機能である。電源管理は、電源装置において実装され、環境に合わせて設定される。
【0031】
「停電」とは、電源設備の点検時や電源障害時に、電力の供給を遮断することである。停電には、計画停電と緊急シャットダウンとがある。「計画停電」とは、ビルの電源設備の点検など、予め定められたスケジュールに従って、電源を遮断することである。これに対し「緊急シャットダウン」とは、落雷などにより電源障害が発生した際に、急遽電源を遮断することである。
【0032】
「シャットダウン」とは、OSのシャットダウン、サスペンド、待機状態、および電源断のうち、いずれか一つ以上のことである。
【0033】
(実施の形態)
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る電源システムの概要を説明する。本発明の実施の形態に係る電源システムにおいて、電源装置1が、電源管理するとともに、仮想マシンまたは仮想ホストに指示データを送信し、仮想マシンまたは仮想ホストから応答データを受信して仮想管理する。本発明の実施の形態において、仮想管理とは、具体的には、(1)計画停電および緊急シャットダウン時の、仮想マシンおよび仮想ホストコンピュータのシャットダウンの制御、(2)スケジュールに従った仮想マシンの移行、および(3)所定の日時に仮想マシンまたは仮想ホストへのコマンド送信またはデータの受信を含む。ここでは、電源システムに接続された全ての電源装置1が、停電時に電源装置が、仮想マシンおよび仮想ホストに遮断リクエストの送信と応答の受信を繰り返す場合について説明する。また、仮想マシン3の移行について、電源管理および仮想管理のスケジュールを記憶している場合について説明する。
【0034】
図1において、本発明の実施の形態に係る電源システムは、第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2a、第2の仮想ホストコンピュータ2bおよび第3の仮想ホストコンピュータ2cを備える。これらの装置は、通信ネットワーク4を介して相互に接続されている。通信ネットワーク4は、例えばLANである。
【0035】
第1の電源装置1aは、第1のタップ5aと第2のタップ5bを備えるとともに、第2の電源装置1bは、第3のタップ5cを備える。第1の電源装置1aは、第1のタップ5aを介して第1の仮想ホストコンピュータ2aに電力を供給する。また第1の電源装置1aは、第2のタップ5bを介して第2の仮想ホストコンピュータ2bに電力を供給する。第2の電源装置1bは、第3のタップ5cを介して第3の仮想ホストコンピュータ2cに電力を供給する。図1に示す例において、太線矢印は、電源装置から仮想ホストコンピュータへの電力の供給を示している。
【0036】
仮想ホストコンピュータ2は、物理コンピュータであって、1台以上の仮想マシンをエミュレートしている。第1の仮想ホストコンピュータ2aは、第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bをエミュレートしている。第2の仮想ホストコンピュータ2bは、第3の仮想マシン3cをエミュレートしている。第3の仮想ホストコンピュータ2cは、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fをエミュレートしている。
【0037】
本発明の実施の形態において、電源装置1は、予め定められたスケジュールに従って、電源管理するとともに、仮想管理する。電源管理では、電源装置1は、仮想ホストコンピュータ2への電力の供給を制御する。仮想管理では、電源装置1は、電源遮断時の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3を制御し、仮想ホストコンピュータ2上で、仮想マシン3に割り当てるリソースを制御し、仮想マシン3の移行を制御し、仮想ホストコンピュータ2や仮想マシン3へのコマンド送信を制御する。
【0038】
ここで仮想マシン3の移行について、所定のタイミングで、第2の電源装置1bがシャットダウンする場合について説明する。この際、第2の電源装置1bは、自身のシャットダウンに備え、第3の仮想ホストコンピュータ2c上で稼働している第4ないし第6の仮想マシン3dないし3fを、他の仮想ホストコンピュータに移行して、第3の仮想ホストコンピュータ2cをシャットダウンする。このとき、第4ないし第6の仮想マシン3dないし3fの移行先の仮想ホストコンピュータは、シャットダウンする第2の電源装置1b以外の電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータである。図1に示す例では、第4ないし第6の仮想マシン3dないし3fは、第1の電源装置1aが電力を供給する第1の仮想ホストコンピュータ2aおよび第2の仮想ホストコンピュータ2bのいずれかの仮想ホストコンピュータに移行される。このとき、第1の電源装置1a、第2の電源装置1bなどの電源装置1からの指示に従って、仮想マシン3が、所定の仮想ホストコンピュータ2に移行される。
【0039】
図2を参照して、移行後の電源システムの例を説明する。図2に示す例では、図1のシステム構成と比べて、第1の仮想ホストコンピュータ2aは、さらに、第4の仮想マシン3dをエミュレートしている。第2の仮想ホストコンピュータ2bは、さらに、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fをエミュレートしている。図2に示す移行後の電源システムにおいて、第2の電源装置1bが電力を供給する第3の仮想ホストコンピュータ2cがエミュレートしている仮想マシンは、ない。
【0040】
従って第2の電源装置1bは、第3の仮想ホストコンピュータ2cをシャットダウンした後、第2の電源装置1b自身をシャットダウンすることができる。これにより、第3の仮想ホストコンピュータ2cおよび第2の電源装置1bについて、省エネルギー化することができる。
【0041】
このような状況は、例えば、膨大な数を処理するために多くのリソースを要する時間と、処理数が少なく、小さいリソースでも稼働可能な時間と、が混在しているようなシステムにおいて、好適である。例えば、昼に多くのデータを処理する必要がある場合、予め定められたスケジュールに従って、図1に示すようにより多くの仮想ホストコンピュータおよび電源装置を可動させる。一方、データ処理数が減る夜間には、図2に示すように、予め定められたスケジュールに従って、最小限の仮想ホストコンピュータおよび電源装置を稼働させることができる。
【0042】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る電源装置1を説明する。電源装置1は、コントローラ10、メモリ20、電力供給部30および通信制御装置40を備える。
【0043】
電力供給部30は、電源装置1が接続されたコンピュータに、電力を供給する。電力供給部30は、複数のタップを備え、複数のコンピュータに電力を供給することができる。通信制御装置40は、他の電源装置やコンピュータなどと通信するための装置であって、例えばLANアダプタである。
【0044】
メモリ20は、電源装置1で実行するファームウェアプログラムなどのプログラムデータ、およびコントローラ10で処理されるデータなどを蓄積する記憶装置である。メモリ20は、プログラムデータの記憶領域を備えるとともに、管理対象データ記憶部21、電源管理データ記憶部22および仮想マシン管理データ記憶部23を備える。本発明の実施の形態において、電源装置1のメモリ20が、管理対象データ記憶部21、電源管理データ記憶部22および仮想マシン管理データ記憶部23を備える場合について説明するが、これらのデータは、電源装置1に内蔵されたメモリ20に記憶されている必要はない。例えば、電源装置1が読み出し可能なコンピュータのハードディスクや、半導体メモリなど、外部の記憶手段において記憶されていても良い。
【0045】
管理対象データ記憶部21は、メモリ20のうち、管理対象データが記憶された記憶領域である。管理対象データは、電源装置1が現在供給している電力に関連する配線データ21aと、電源装置1の現在の管理対象の仮想マシンに関する仮想マシンデータ21bと、を含む。ここで、管理対象データは、第1の電源装置1aのみでなく、図1に示す電源システムにおける全ての電源装置について、配線データ21aと仮想マシンデータ21bと、を含んでも良い。
【0046】
管理対象データにおいて、電源管理の情報は、電源装置1のタップごとに設けられる。仮想管理の情報は、仮想マシンごとに設けられる。仮想管理の情報は、さらに仮想マシンがエミュレートされた仮想ホストコンピュータの情報も含んでも良い。
【0047】
ここで、本発明の実施の形態において「管理対象の仮想マシン」とは、電源装置1の電力供給先のコンピュータでエミュレートされる仮想マシンのことである。例えば、図1で示す例では、第1の電源装置1aの管理対象の仮想マシンは、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第3の仮想マシン3cである。また、第2の電源装置1bの管理対象の仮想マシンは、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fである。
【0048】
管理対象データは、例えば、図4に示すデータおよびデータ構造を備える。図4(a)に、電源管理の情報としての配線データ21aを示している。配線データ21aは、電源識別子およびタップ識別子をキーに、そのタップの接続先の仮想ホストの識別子を対応付けている。図4(b)に、仮想管理の情報としての仮想マシンデータ21bを示している。仮想マシンデータ21bは、仮想マシンの識別子をキーに、その仮想マシンのOS、アドレス、ネットマスク、ユーザおよびパスワードが関連づけられている。
【0049】
電源管理データ記憶部22は、メモリ20のうち、電源管理データが記憶された記憶領域である。電源管理データは、図5に示す電源データ22a、図6に示す電力履歴データ22bおよび図7に示す停電復電指示データ22cを含む。
【0050】
電源データ22aは、予め定められたスケジュールに従って、電源装置のオンオフを制御するためのデータである。電源データ22aは、例えば図5に示すようなデータ構造を備える。本発明の実施の形態に係る電源データ22aは、スケジュール識別子、適用時間帯、電源識別子、電源オンオフの別、タップ識別子、仮想ホスト、タイプ、入力電圧、入力周波数、出力電圧および出力周波数の項目を備える。
【0051】
スケジュール識別子の項目には、同一条件を適用する適用時間帯の識別子のデータが設定される。適用時間帯の項目には、同一条件を適用する時間帯のデータが設定される。図5に示す例では、スケジュール識別子「SC1」の適用時間帯は、「平日8時〜22時」であり、スケジュール識別子「SC2」の適用時間帯は、「それ以外」である。
【0052】
電源識別子および電源オンオフの各項目には、その時間帯における各電源のオンオフを示すデータが設定される。さらに、タップ識別子および仮想ホストの各項目には、その時間帯およびその電源の各タップの接続先の仮想ホストコンピュータ2のデータが設定される。タイプ、入力電圧、入力周波数、出力電圧および出力周波数の各項目において、その電源装置の稼働条件のデータが設定される。
【0053】
ここで、図5に示す例において、平日8時ないし22時以外の時間帯は、第2の電源装置の電源はオフに設定される。従って、第2の電源装置の第2のタップに接続される仮想ホスト、入力電圧などの稼働条件については、データが設定されていない。
【0054】
電力履歴データ22bは、電力供給の履歴データである。電力履歴データ22bは、図6に示すように、仮想マシンごとの、消費電力と電力のログと、を対応づけたデータである。図6に示す例では、電力のログとして、ログデータの記憶場所を示すリンクのデータが設定されている。仮想マシンごとに消費電力を算出し、ログデータを取得することで、仮想マシン毎に省エネルギーなどを評価することができる。
【0055】
停電復電指示データ22cは、停電時および復電時に、各タップに接続された仮想ホストコンピュータに、どのように電力の遮断および供給するかを示す条件が格納されたデータである。停電復電指示データ22cは、図7に示すように、スケジュール識別子およびタップ識別子をキーに、停電時に電力遮断のための指示送信の実行タイミングとその内容、復電時に電力供給のための指示送信の実行タイミングとその内容が対応づけられている。図7に示す例において、「停電」は、計画停電と緊急シャットダウンの意味を含む。別の実施例として、停電復電指示データ22cにおいて、計画停電と緊急シャットダウンのそれぞれについて、実行タイミングと実行内容と、が対応付けられても良い。
【0056】
本発明の実施の形態において、電源システムに属する電源装置は、自身の電源装置のスケジュールのみならず、全ての電源装置のスケジュールデータを記憶している。例えば、図1および図2に示す第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bは、図5ないし図7に示す電源管理データをそれぞれ記憶している。これにより、本発明の実施の形態に係る電源装置は、他の電源装置との通信に係るコストを削減して、スケジュールを管理することができる。
【0057】
なお、本発明の実施の形態においては、電源装置の記憶装置内にスケジュールデータが記憶された場合について説明するが、電源装置が、予め定められたスケジュールデータに従って電源管理および仮想管理することができれば、この形態に限るものではない。例えば、電源装置は、電源装置の記憶装置においてスケジュールデータを記憶することなく、他のコンピュータやハードディスクなどの記憶手段などから取得して、電源管理および仮想管理をしても良い。
【0058】
仮想マシン管理データ記憶部23は、メモリ20のうち、仮想マシン管理データが記憶された記憶領域である。仮想マシン管理データは、仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンに送信する指示と、を対応づけたデータである。仮想マシン管理データは、図8に示す停電復電指示データ23a、図9に示す移行指示データ23bおよび図10に示す任意指示データ23cを含む。ここで、仮想ホストの識別子および仮想マシンの識別子は、例えばIPアドレスである。
【0059】
停電復電指示データ23aは、停電時および復電時に、各タップに接続された仮想ホストコンピュータで実装される各仮想マシンに、どのように電力の遮断および供給するかの指示データである。停電復電指示データ23aは、図8に示すように、スケジュール識別子および指示対象識別子をキーに、停電時に電力遮断のための指示送信の実行タイミングとその内容、復電時に電力供給のための指示送信の実行タイミングとその内容が対応づけられている。ここで、指示対象識別子は、図1に示すいずれかの仮想マシン識別子が設定される。また実行内容は、シャットダウン、サスペンドなどである。図7に示す例において、「停電」は、計画停電と緊急シャットダウンの意味を含む。別の実施例としては、停電復電指示データ23aにおいて、計画停電と緊急シャットダウンのそれぞれについて、実行タイミングと実行内容と、が対応付けられても良い。
【0060】
移行指示データ23bは、スケジュールで電源装置や仮想ホストのオンオフが発生することに伴う仮想マシンの移行について、仮想マシンの識別子と、その移行後の仮想マシンに割り当てるリソースの情報とを関連づけが情報である。移行指示データ23bは、図9に示すように、スケジュール識別子、仮想ホストおよびその仮想ホストで実装される仮想マシン識別子をキーとして、CPU数、CPUクロック、メモリ容量、ネットワーク域などの、対応する仮想ホストにおいて割り当てられるリソースが対応づけられている。移行指示データ23bには、移行指示を送信する際の通信設定に関するデータが含まれても良い。
【0061】
任意指示データ23cは、電源装置から仮想ホストまたは仮想マシンに、任意のタイミングで任意のコマンドを実行させるための指示データである。任意指示データ23cは、スケジュール識別子、指示対象、指示対象識別子および実行タイミングをキーに、実行するコマンドの内容が対応づけられている。
【0062】
また本発明の実施の形態において、電源システムに属する電源装置は、自身の電源装置が電力を供給している物理コンピュータが管理する仮想マシンのリソース割り当てのスケジュールのみでなく、全ての仮想マシンのスケジュールデータを記憶している。例えば、図1および図2に示す第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bは、図8ないし図10に示す仮想マシン管理データをそれぞれ記憶している。なお、この仮想マシン管理データは、各電源装置の記憶装置に記憶されていなくても良い。例えば、各電源装置が、他のコンピュータやハードディスクなどの記憶手段などから取得しても良い。
【0063】
図3に示すコントローラ10は、ファームウェアプログラムなどのプログラムに従って、所定の処理を実行する処理制御プロセッサである。ファームウェアプログラムが実行されることにより、本発明の実施の形態においてコントローラ10に、制御手段11、電源管理手段12および仮想マシン管理手段13が実装される。
【0064】
制御手段11は、メモリ20から電源管理データおよび仮想マシン管理データを読み出し、電源管理データおよび仮想マシン管理データに従って、電源システムの電源管理および仮想管理を制御する手段である。本発明の実施の形態において制御手段11は、具体的には、停電時および復電時の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3の制御、移行時の仮想マシン3の制御、仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3へ実行コマンドの送信の制御など、様々な場面で制御する。制御手段11は、電源管理手段12および仮想マシン管理手段13のうちいずれか一つ以上に指示を入力し、電源管理手段12および仮想マシン管理手段13のうちいずれか一つ以上がその指示を実行する。
【0065】
また制御手段11は、電源管理および仮想管理において変更が生じると、その変更に応じて管理対象データを生成して、管理対象データ記憶部21に記憶する。管理対象データは、電源装置1が現在供給している電力に関連する電源管理の情報である配線データ21aと、電源装置1の電力供給先の物理コンピュータでエミュレートされる仮想マシンに関する仮想管理の情報である仮想マシンデータ21bとを含む。
【0066】
制御手段11は、電源をシャットダウンするための一連の処理を制御する。一連の処理は、例えば、電源をシャットダウンする前に、電力供給先の物理コンピュータでエミュレートされている仮想マシンを、他の電源装置が電力を供給している物理マシンに仮想マシンを移行させること、仮想マシンが移行される前に、電源装置が物理コンピュータに電力を供給すること、などである。このように、電源管理と仮想管理とを、電源装置1の制御手段11が同期して管理することにより、電源管理と仮想管理の信頼性を高めるとともに、電源装置の省エネルギー化を推進することができる。
【0067】
また、仮想ホストコンピュータ2または仮想マシン3に対して、任意のタイミングで任意のコマンドを実行させたいとき、制御手段11は、その旨を仮想マシン管理手段13に入力しても良い。
【0068】
電源管理手段12は、コンピュータに供給する電力の設定情報を記憶した電源管理データに基づいて、コンピュータへの電力供給を制御する。電源管理手段12は、制御手段11からの指示に従って、電力供給部30を制御する手段である。電源管理手段12は、電源管理データに基づいて、仮想ホストコンピュータへの電力供給を制御する。例えば、制御手段11から電源装置1をシャットダウンする指示が入力されると、電源管理手段12は、電源装置1が電力を供給している仮想ホストコンピュータ2への電力供給を遮断し、シャットダウンに関する電力供給部30の処理を制御する。
【0069】
仮想マシン管理手段13は、仮想ホストコンピュータ2または仮想ホストコンピュータ2でエミュレートされる仮想マシン3に、指示を送信する。仮想マシン管理手段13は、制御手段11からの指示に従って、仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3を制御する手段である。仮想マシン管理手段13は、仮想マシン管理データに基づいて、電力の遮断または供給に伴う指示や、仮想マシン3にリソースを割り当てる指示や、仮想マシン3に割り当てられたリソースを解放する指示を、仮想ホストコンピュータ2に送信する。また、仮想マシン管理手段13は、仮想マシン管理データに基づいて、任意のコマンドを任意のタイミングで仮想マシン3に送信する。
【0070】
仮想マシン管理手段13はさらに、スケジュールを適用する時間帯が変更するタイミングで、変更の前後の仮想マシン管理データの移行指示データ23bを比較して、異なる仮想ホストに移行する仮想マシンを抽出し、当該仮想マシンを移行する指示を送信する。例えば、図1および図2に示す例においては、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fが、移行する仮想マシンである。
【0071】
仮想マシン管理手段13は、抽出した移行対象の仮想マシンについて、仮想マシン管理データの移行指示データ23bにおいて移行対象の仮想マシンに新たに割り当てられるリソースを割り当てる指示を送信するとともに、移行対象の仮想マシンのリソースが変更された後、移行対象の仮想マシンを移行する指示を送信する。例えば、制御手段11から、仮想マシンの移行の指示が入力されると、仮想マシン管理手段13は、移行対象の仮想マシンがエミュレートされている仮想ホストコンピュータに、移行対象の仮想マシンのリソースを変更した後、移行先の仮想ホストコンピュータに移行する指示を入力する。さらに、仮想マシン管理手段13は、移行先の仮想ホストコンピュータから、移行が完了した旨の応答を受信する。
【0072】
電源装置1の管理対象の仮想マシンが移行対象でなく、移行により電源装置1が新たな移行対象の仮想マシンを管理する場合、仮想マシン管理手段13は、移行対象の仮想マシンが新たにエミュレートされる前に、既存の仮想マシンについてリソースを変更して、移行対象の仮想マシンに用いるリソースを解放する。一方、電源装置1の管理対象の仮想マシンのいずれかが移行対象である場合、仮想マシン管理手段13は、まず、移行対象の仮想マシンについて、移行先で割り当てられるリソースに変更し、移行対象の仮想マシンが移行した後に、移行対象の仮想マシン以外の仮想マシンのリソースを変更する。
【0073】
図3に示す例においては、一つの電源装置1内に各データおよび各機能を備えている場合について説明するが、この実装例には限られない。例えば、電源装置1は、複数の筐体により構成されても良い。
【0074】
図11を参照して、本発明の実施の形態に係る電源装置1の処理手段11の処理を説明する。
【0075】
まずステップS1において制御手段11は、緊急シャットダウンを検知したか否かを判断する。例えば、落雷などの緊急シャットダウンが必要な場合、ステップS3おいて、停電復電制御処理を実行する。また、ステップS2において計画停電のタイミングか、または復電のタイミングの場合も、ステップS3おいて制御手段11は、停電復電制御処理を実行する。
【0076】
ステップS4において移行のタイミングの場合、ステップS6において制御手段11は、移行制御処理を実行する。さらに、ステップS6においてコマンド実行のタイミングの場合、ステップS7において制御手段11は、仮想ホストコンピュータ2または仮想マシン3でそのコマンドを実行させるための実行リクエストを送信する。
【0077】
図11に示す制御処理は、定期的に実行され、そのときに、緊急シャットダウン、計画停電、復電、移行、コマンド実行のタイミングを検出するものであるが、様々な実装方法が考えられる。例えば、緊急シャットダウン、計画停電、復電、移行、コマンド実行のタイミングが緊急割り込みなどで制御処理11に知らされた場合、制御手段11は、その緊急割り込みの通知内容に従って、停電復電制御処理、移行制御処理、実行リクエストの送信処理などに振り分けて処理しても良い。
【0078】
図12を参照して、停電復電制御処理を説明する。図12に示す例は、停電復電制御のうち、停電時の処理を説明している。
【0079】
まず、制御手段11は、管理対象の仮想ホストについて、ステップS101ないしステップS104を実行する。このとき制御手段11は、管理対象データおよび停電復電指示データ23aを読み出して、当該電源装置1が電力を供給している仮想ホストコンピュータ2の識別子およびこの仮想ホストコンピュータ2で実装される仮想マシン3の識別子を取得する。
【0080】
ステップS101において制御手段11は、仮想ホストコンピュータ2に実装される各仮想マシン3に遮断リクエストを送信する指示を、仮想マシン管理手段13に入力する。次に、ステップS102において制御手段11は、全ての仮想マシン3から遮断完了通知を受信するのを待機する。全ての仮想マシン3から遮断完了通知を受信すると、ステップS103に進む。
【0081】
ステップS103において制御手段11は、仮想ホストコンピュータ2に、遮断リクエストを送信する指示を、仮想マシン管理手段13に入力する。このとき、制御手段11は、停電復電指示データ23aで指定された実行内容を送信する。次に、ステップS104において制御手段11は、仮想ホストコンピュータ2から遮断完了通知を受信するのを待機する。仮想ホストコンピュータ2から遮断完了通知を受信すると、ステップS105において制御手段11は、電源管理手段12に仮想ホストコンピュータ2に接続したタップの電力供給を遮断させる。制御手段11は、他の仮想ホストコンピュータについて、ステップS101ないしステップS105の処理を繰り返す。
【0082】
全ての仮想ホストコンピュータ2についてステップS101ないしステップS104の処理が終了すると、ステップS106おいて制御手段11は、現在管理対象の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3に基づいて、管理対象データを生成し、管理対象データ記憶部21に記憶する。この管理対象データは、配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを含む。
【0083】
このように本発明の実施の形態に係る電源装置1によれば、仮想ホストコンピュータへの電力供給を遮断する際、電源装置1が仮想マシンをシャットダウンする指示を送信するとともに、仮想ホストコンピュータを遮断する指示を送信する。これにより、仮想マシンと仮想ホストコンピュータを、一連の作業でシャットダウンすることができるので、安全に遮断することができる。
【0084】
図13を参照して、本発明の実施の形態に係る電源装置1の処理を説明する。ここでは、図1に示す例において、第4の仮想マシン3dが、第3の仮想ホストコンピュータ2cから第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合の、第1の電源装置1aまたは第2の電源装置1bの処理を説明する。
【0085】
図13において、ステップS203ないしステップS205の処理は、電源装置の管理対象の仮想マシンが移行対象でなく、電源装置がさらに移行対象の仮想マシンを管理する場合の処理である。この場合、電源装置が電力を供給した仮想ホストコンピュータに、移行対象の新たな仮想マシンがエミュレートされる。具体的には、ステップS203ないしステップS205の処理は、新たに第4の仮想マシン3dを管理する第1の電源装置1aの処理である。一方、ステップS207ないしステップS210の処理は、電源装置の管理対象の仮想マシンに移行対象の仮想マシンが含まれている場合の処理である。具体的には、ステップS207ないしステップS210の処理は、第4の仮想マシン3dを移行させた後、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fを管理する第2の電源装置1bの処理である。
【0086】
まず、ステップS201において制御手段11は、電源管理データおよび仮想マシン管理データを参照して、仮想マシンが移行するタイミングであるか否かを判断する。仮想マシンが移行するタイミングの場合、ステップS202において制御手段11は、電源装置1の管理対象の仮想マシンのうち、移行対象の仮想マシンが含まれているかを、仮想ホストコンピュータごとに判断する。移行対象の仮想マシンが含まれていない場合、ステップS203に進む。一方、移行対象の仮想マシンが含まれている場合、ステップS207に進む。
【0087】
ステップS203において、制御手段11は、管理対象の仮想マシンの全てについて、移行後のリソース状態に変更する指示を仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、電源装置1が電力を供給している仮想ホストコンピュータ2に、その指示を入力する。例えば、図1に示す例において、第1の仮想ホストコンピュータ2aでエミュレートされた第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bは、移行しない。従ってステップS203において第1の電源装置1aの制御手段11は、仮想マシン管理データから第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bについて、移行対象の第4の仮想マシン3dの移行後に第1の仮想ホストコンピュータ2aで割り当てられるリソース情報を取得して、仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、制御手段11から入力されたリソース情報を、第1の仮想ホストコンピュータ2aに入力する。第1の仮想ホストコンピュータ2aは、入力されたリソース情報に従って、第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bのリソースを変更する。
【0088】
これにより、電源装置1が、移行により新たな仮想マシンを管理する場合、元々管理している仮想マシンのリソースを予め移行後のリソース状態に変更して、新たに移行される仮想マシンに割り当てるべきリソースを解放することができる。
【0089】
全ての仮想マシンについて、移行後のリソース状態に変更されると、ステップS204において制御手段11は、移行対象の仮想マシンがエミュレートされている仮想ホストコンピュータに、移行対象の仮想マシンを移行する移行リクエストを送信する。図1に示す例の場合、この移行リクエストには、移行対象である第4の仮想マシン3dの識別子と、移行先である第1の仮想ホストコンピュータ2aの識別子が含まれる。またこの移行リクエストは、移行対象の第4の仮想マシン3dがエミュレートされた第3の仮想ホストコンピュータ2cに送信される。
【0090】
ステップS205において制御手段11は、移行完了通知が送信されるのを待機する。この移行完了通知は、移行元の仮想ホストコンピュータおよび移行先の仮想ホストコンピュータのいずれかから送信される。図1に示す例では、第4の仮想マシン3dの移行が完了すると、移行元の第3の仮想ホストコンピュータ2c、または移行先の第1の仮想ホストコンピュータ2aが、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bに移行完了通知を送信する。この移行完了通知を受信すると、ステップS206において制御手段11は、電源装置1の現在の電源管理および仮想管理に関する情報である配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを生成して、メモリ20に記録する。
【0091】
次に、ステップS202において、管理対象の仮想マシンのうち、移行対象の仮想マシンが含まれている場合について説明する。ステップS207において制御手段11は、移行対象の仮想マシンの全てについて、移行後のリソース状態に変更する指示を仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、移行対象の仮想マシンがエミュレートされた仮想ホストコンピュータに、その指示を入力する。例えば、図1に示す例において、第4の仮想マシン3dは、第3の仮想ホストコンピュータ2cから第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する。従ってステップS207において第2の電源装置1bの制御手段11は、仮想マシン管理データから第4の仮想マシン3dについて移行後に第1の仮想ホストコンピュータ2aで割り当てられるリソース情報を取得して、仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、制御手段11から入力されたリソース情報を第3の仮想ホストコンピュータ2cに入力する。第3の仮想ホストコンピュータ2cは、入力されたリソース情報に従って、第4の仮想マシン3dのリソースを、移行後の第3の仮想ホストコンピュータ2cでのリソースに変更する。
【0092】
全ての移行対象の仮想マシンについて、移行後のリソース状態に変更すると、ステップS208において、移行リクエストを送信する。この処理は、ステップS204と同様の処理である。
【0093】
ステップS209において、移行完了通知が送信されるのを待機する。この移行完了通知は、移行元の仮想ホストコンピュータおよび移行先の仮想ホストコンピュータのいずれかから送信される。図1に示す例では、第4の仮想マシン3dの移行が完了すると、移行元の第3の仮想ホストコンピュータ2c、または移行先の第1の仮想ホストコンピュータ2aが、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bに移行完了通知を送信する。
【0094】
この移行完了通知を受信すると、ステップS210において制御手段11は、移行対象でない仮想マシンについて、移行後のリソース状態に変更する指示を、仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、移行対象でない仮想マシンがエミュレートされた仮想ホストコンピュータに、その指示を入力する。例えば、図1に示す例において、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fは、移行しない。従ってステップS210において第2の電源装置1bの制御手段11は、仮想マシン管理データから第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fについて、移行対象の第4の仮想マシン3dの移行後に第3の仮想ホストコンピュータ2cで割り当てられるリソース情報を取得して、仮想マシン管理手段13に入力する。仮想マシン管理手段13は、制御手段11から入力されたリソース情報を第3の仮想ホストコンピュータ2cに入力する。第3の仮想ホストコンピュータ2cは、入力されたリソース情報に従って、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fのリソースを変更する。
【0095】
移行対象でない仮想マシンのリソース変更が完了すると、ステップS206において制御手段11は、電源装置1の現在の電源管理および仮想管理に関する情報である配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを生成して、メモリ20に記録する。
【0096】
なお、図13のステップS204またはステップS208の処理は、割愛されても良い。図1に示す電源システムのいずれかの電源装置が、移行リクエストを少なくとも1度送信すれば良い。また、リソースの変更が生じない場合など、必要に応じて、ステップS203またはステップS207の処理は割愛されても良い。
【0097】
次に、図14を参照して、本発明の実施の形態に係る仮想ホストコンピュータ2を説明する。仮想ホストコンピュータ2は、中央処理制御装置110、記憶装置120および通信制御装置130を備える一般的なコンピュータである。仮想マシンを制御するためのホストOSが、仮想ホストコンピュータ2にインストールされている。中央処理制御装置110は、複数の中央処理制御装置によって構成されても良く、同様に記憶装置120も、複数の記憶装置によって構成されても良い。また、記憶装置120は、複数の仮想ホストコンピュータが接続可能な、共有ディスクであっても良い。
【0098】
ホストOSのインストールなどにより、中央処理制御装置110には、仮想マシン制御手段111、遮断手段112、移行手段113およびコマンド実行手段114が実装される。
【0099】
仮想マシン制御手段111は、仮想ホストコンピュータ2でエミュレートされる仮想マシンを制御する手段である。仮想マシン制御手段111は、例えば、各仮想マシンに割り当てたリソースを制御する。
【0100】
遮断手段112は、仮想ホストコンピュータ2への電力供給の遮断に備え、仮想マシンをシャットダウンするとともに、仮想ホストコンピュータ2をシャットダウンする手段である。本発明の実施の形態においては、電源装置1から入力された遮断リクエストに基づいて、遮断リクエストで指定された遮断形態で、仮想マシン3または仮想ホストコンピュータ2をシャットダウンする。
【0101】
移行手段113は、仮想マシンを他の仮想ホストコンピュータ2に移行する手段である。本発明の実施の形態においては、電源装置1から入力された移行リクエストに基づいて仮想ホストを移行する。本発明の実施の形態において、仮想マシンの制御や移行の具体的手段については、特に問わない。
【0102】
コマンド実行手段114は、電源装置1から入力されたコマンドを実行し、その結果を電源装置1に返す手段である。電源装置1から、例えばログ取得などのコマンドが入力されると、コマンド実行手段114は、仮想ホストコンピュータ2のログデータを取得して、電源装置1に返す。
【0103】
記憶装置120は、中央処理制御装置110における処理に関するデータを記憶する記憶媒体であって、例えばハードディスクである。通信制御装置130は、他のコンピュータ、電源装置、共有ディスクなどと通信するための装置であって、例えばLANアダプタ、FC−SAN(fibre-channel SAN)である。
【0104】
図15を参照して、本発明の実施の形態に係る電源システムにおける電力供給の遮断の制御方法の概要を説明する。ここでは、第1の電源装置1aが、第1の仮想ホストコンピュータ2aへの電力供給を遮断する場合について説明する。
【0105】
例えばステップS301において、第1の電源装置1aが遮断のトリガーを検知する。ここで遮断する要因とは、落雷などの事故であっても良いし、運用スケジュールに従う電源オフであっても良い。第1の電源装置1aが遮断する要因を検知すると、第1の電源装置1aは、図8に示す停電復電指示データ23aを参照して、遮断対象の仮想マシンの識別子と、サスペンド、シャットダウンなどの遮断形態と、を取得する。
【0106】
ステップS302において第1の電源装置1aは、第1の仮想ホストコンピュータ2aに、仮想マシンの遮断リクエストを送信する。この遮断リクエストには、第1の仮想ホストコンピュータ2aにおいて遮断される仮想マシンの識別子と、サスペンド、シャットダウンなどの遮断形態が含まれる。
【0107】
仮想マシンの遮断リクエストを受信すると、ステップS303において第1の仮想ホストコンピュータ2aは、第1の仮想ホストコンピュータ2aに実装されている各仮想マシンを遮断する。このとき、第1の仮想ホストコンピュータ2aは、遮断リクエスト基づいて、各マシン識別子に対応する遮断形態で各仮想マシンを遮断する。各仮想マシンの遮断が完了すると、ステップS304において第1の仮想ホストコンピュータ2aは、遮断が完了した旨の遮断応答を送信する。この遮断応答には、第1の仮想ホストコンピュータ2aが遮断した仮想マシンの識別子が含まれていても良い。
【0108】
仮想応答を受信すると、ステップS305において第1の電源装置1aは、第1の仮想ホストコンピュータ2aに、仮想ホストコンピュータ2aの遮断リクエストを送信する。
【0109】
仮想ホストコンピュータ2aの遮断リクエストを受信すると、ステップS306において第1の仮想ホストコンピュータ2aは、仮想ホストコンピュータ2aを遮断する処理を開始する。さらにステップS307において第1の仮想ホストコンピュータ2aは、遮断リクエストに対する遮断応答を送信する。
【0110】
遮断応答を受信すると、第1の電源装置1aは、第1の仮想ホストコンピュータ2aに接続しているタップについて、電力供給を遮断する。さらに、ステップS309において第1の電源装置1aは、管理対象データを生成して、管理対象データ記憶部21に記憶する。この管理対象データは、配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを含む。
【0111】
図16を参照して、本発明の実施の形態に係る電源システムにおける移行の制御方法の概要を説明する。ここでは、図13の場合と同様に、図1に示す例において、第4の仮想マシン3dが、第3の仮想ホストコンピュータ2cから第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合の、第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2aおよび第3の仮想ホストコンピュータ2cの処理を説明する。
【0112】
図1において、第1の電源装置1aは第1の仮想ホストコンピュータ2aに電力を供給しており、第1の仮想ホストコンピュータ2aには、移行対象となる仮想マシンはない。第2の電源装置1bは第3の仮想ホストコンピュータ2cに電力を供給しており、第3の仮想ホストコンピュータ2cには、第1の仮想ホストコンピュータ2aへの移行対象となる第4の仮想マシン3dと、移行対象とならない第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fがエミュレートされている。第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bは、電源管理および仮想管理のスケジュールを予め記録している。
【0113】
まずステップS401において第1の電源装置1aは、第1の電源装置1aの記憶装置に記憶されたスケジュールデータを確認し、移行タイミングが到来したことを確認すると、ステップS402において、管理対象の全ての仮想マシンを、移行後のリソース状態に変更する。ここで、第1の電源装置1aの管理対象の全ての仮想マシンとは、第1の仮想ホストコンピュータ2aで稼働する仮想マシン3aおよび3bである。第1の電源装置1aは、第4の仮想マシン3dが移行される前に、既に管理している第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bについて、移行後のリソース状態に変更することにより、第4の仮想マシン3dに割り当てるべきリソースを解放することができる。
【0114】
一方ステップS403において第2の電源装置1bは、第2の電源装置1bの記憶装置に記憶されたスケジュールデータを確認し、移行タイミングが到来したことを確認すると、ステップS404において、移行対象である第4の仮想マシン3dに割り当てられたリソースを、移行後のリソース状態に変更する。これにより、移行対象の第4の仮想マシン3dは、円滑に移行することができる。
【0115】
ここで、本発明の実施の形態においては、個々の電源装置1がスケジュールデータを備えているので、ステップS401およびステップS402と、ステップS403およびステップS404の処理は、非同期に実行される。なお、スケジュールデータとは、電源管理データおよび仮想マシン管理データである。
【0116】
ステップS402およびステップS404においてリソース状態が変更されると、ステップS405において、移行対象の仮想マシンがエミュレートしている仮想ホストコンピュータに、移行リクエストが送信される。この移行リクエストは、電源システムのいずれかの電源装置1が送信すれば良い。第1の電源装置1aが送信しても良いし、第2の電源装置1bが送信しても良い。この移行リクエストには、移行対象となる仮想マシンの識別子と、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子の情報が含まれる。具体的には、移行リクエストには、移行対象となる移行マシンの識別子として、第4の仮想マシン3dの識別子が含まれるとともに、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子として、第1の仮想ホストコンピュータ2aの識別子が含まれる。
【0117】
第3の仮想ホストコンピュータ2cは移行リクエストを受信すると、ステップS406において、受信した移行リクエストに従って、移行対象の仮想マシンを、移行先の仮想ホストコンピュータに移行する。具体的には、第3の仮想ホストコンピュータ2cは、第4の仮想マシン3dを、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する。この移行の処理については、一般的な移行ロジックが用いられる。
【0118】
移行が完了すると、移行先の第1の仮想ホストコンピュータ2aは、ステップS407において、第1の電源装置1aに移行完了通知を送信するとともに、ステップS408において、第2の電源装置1bに移行完了通知を送信する。
【0119】
第1の電源装置1aは移行完了通知を受信すると、ステップS409において、現在の管理対象の仮想マシンの情報を含む管理対象データを、第1の電源装置1aのメモリ20に記録する。
【0120】
第2の電源装置1bは移行完了通知を受信すると、ステップS410において、第2の電源装置1bの管理対象の仮想マシンのうち、移行対象でない仮想マシンについて、移行後のリソース状態に変更する。図1に示す例では、第2の電源装置1bは、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fについて、移行後のリソース状態に変更する。ステップS411において第2の電源装置1bは、さらに、現在の管理対象の仮想マシンの情報を含む管理対象データを、第2の電源装置1bのメモリ20に記録する。
【0121】
このように本発明の実施の形態に係る電源システムは、仮想管理サーバの備える機能を電源装置が備えることにより、電源装置において、仮想管理をすることができる。従って本発明の実施の形態に係る電源装置は、電源管理と仮想管理とを同期させることができる。これにより、停電発生時や計画停電時において、仮想マシンの移行、仮想ホストコンピュータのシャットダウン、電源装置の移行などを、一連の流れとして制御することができるので、電力供給と仮想管理とを同期させ、システム全体の信頼性を高めることができる。このように、仮想管理サーバの備える機能を電源装置が備えることにより、電源システム全体において、信頼性を向上させることができる。
【0122】
このような本発明の実施の形態に係る電源システムによれば、コンピュータや電源装置の起動をダイナミックに変更することができる。これにより、時間帯によって処理データの数にばらつきのあるシステムにおいて、処理データの多い時間には、最大の数のコンピュータや電源装置を起動させ、処理データの少ない時間には、最小限の数のコンピュータや電源装置のみ起動させることができる。従って、省エネルギー化を図ることができる。
【0123】
また、予め定められたスケジュールに従って仮想マシンを移行する場合について説明したが、移行するタイミングを、動的に電源装置に入力しても良い。例えば、仮想マシンを移行するタイミングで、移行対象の仮想マシンの識別子、仮想マシンに割り当てるリソースが、電源装置に入力されても良い。
【0124】
(第1の変形例)
本発明の実施の形態において、電源システムに接続された全ての電源装置が、電源管理および仮想管理のスケジュールを記憶している場合について説明したが、第1の変形例として、一部の電源装置のみ電気管理および仮想管理のスケジュールを記憶している場合を説明する。
【0125】
図17を参照して、本発明の第1の変形例に係る電源システムにおける制御方法の概要を説明する。ここでは、図16の場合と同様に、図1に示す例において、第4の仮想マシン3dが、第3の仮想ホストコンピュータ2cから第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する場合の、第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2aおよび第3の仮想ホストコンピュータ2cの処理を説明する。ここで、第1の電源装置1aがスケジュールデータを記録し、スケジュールを管理している。一方、第2の電源装置1bがスケジュールデータを記録しておらず、スケジュールデータを管理することはない。第2の電源装置1bは、第1の電源装置1aからの指示に基づいて、電源管理および仮想管理を制御する。
【0126】
まずステップS501において第1の電源装置1aは、第1の電源装置1aの記憶装置に記憶されたスケジュールデータを確認し、移行タイミングが到来したことを確認すると、ステップS502において、管理対象の全ての仮想マシンを、移行後のリソース状態に変更する。
【0127】
次にステップS503において第1の電源装置1aは、第2の電源装置1bに、変更リクエストを送信する。この変更リクエストには、第2の電源装置1bが管理する仮想マシンについての、移行後の情報が含まれている。具体的には、変更リクエストは、移行対象の仮想マシンについて、仮想マシンの識別子、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子および移行先で割り当てられるリソース情報と、を含む。一方移行対象でない仮想マシンについて、変更リクエストは、仮想マシンの識別子および移行後に割り当てられるリソース情報と、を含む。
【0128】
変更リクエストを受信すると、ステップS504において第2の電源装置1bは、移行対象である第4の仮想マシン3dに割り当てられたリソースを、移行後のリソース状態に変更する。さらにステップS505において第2の電源装置1bは、ステップS503の変更リクエストに対する変更応答を、第1の電源装置1aに送信する。
【0129】
変更応答を受信すると、ステップS506において、第1の電源装置1aは、移行対象の仮想マシンがエミュレートしている仮想ホストコンピュータに、移行リクエストを送信する。この移行リクエストには、移行対象となる仮想マシンの識別子と、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子の情報が含まれる。具体的には、移行リクエストには、移行対象となる移行マシンの識別子として、第4の仮想マシン3dの識別子が含まれるとともに、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子として、第1の仮想ホストコンピュータ2aの識別子が含まれる。
【0130】
第3の仮想ホストコンピュータ2cは移行リクエストを受信すると、ステップS507において、受信した移行リクエストに従って、移行対象の仮想マシンを、移行先の仮想ホストコンピュータに移行する。具体的には、第3の仮想ホストコンピュータ2cは、第4の仮想マシン3dを、第1の仮想ホストコンピュータ2aに移行する。この移行の処理については、一般的な移行ロジックが用いられる。
【0131】
移行が完了すると、移行先の第1の仮想ホストコンピュータ2aは、ステップS508において、第1の電源装置1aに移行完了通知を送信するとともに、ステップS509において、第2の電源装置1bに移行完了通知を送信する。
【0132】
第1の電源装置1aは移行完了通知を受信すると、ステップS510において、現在の管理対象の仮想マシンの情報を含む管理対象データを、第1の電源装置1aのメモリ20に記録する。
【0133】
第2の電源装置1bは移行完了通知を受信すると、ステップS511において、第2の電源装置1bの管理対象の仮想マシンのうち、移行対象でない仮想マシンについて、移行後のリソース状態に変更する。図1に示す例では、第2の電源装置1bは、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fについて、移行後のリソース状態に変更する。このとき第2の電源装置1bは、ステップS503において受信した変更リクエストに含まれるデータに基づいて、リソース状態を変更する。第2の電源装置1bは、変更リクエストに含まれる移行対象でない仮想マシンについての、移行後のリソースを取得してリソース状態を変更する。ステップS512において第2の電源装置1bは、さらに、現在の管理対象の仮想マシンの情報を含む管理対象データ21aを、第2の電源装置1bのメモリ20に記録する。
【0134】
なお、図17に示す例では、ステップS503において、第2の電源装置1bが必要なリソース情報を一括して送信したが、複数のリクエストデータに分けて送信しても良い。例えば第1の電源装置1aは、ステップS503において、移行前にリソースを変更する仮想マシンの情報のみを第2の電源装置1bに送信し、ステップS508の後、移行後にリソースを変更する仮想マシンの情報を第2の電源装置1bに送信しても良い。第1の電源装置1aは、ステップS503において、移行対象となる第4の仮想マシン3dに関する情報のみを、第2の電源装置1bに送信する。さらに第1の電源装置1aは、ステップS108の後に、移行対象でない第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fに関する情報を、第2の電源装置1bに送信する。
【0135】
さらに、ステップS509で第1の仮想ホストコンピュータ2aから第2の電源装置1bに移行完了通知を送信していたが、第1の電源装置1aから、移行後にリソースを変更する仮想マシンの情報を受信した後に、ステップS511およびステップS512の処理を実行しても良い。
【0136】
次に図18を参照して、本発明の第1の変形例に係る第1の電源装置1aを説明する。図18に示す電源装置1aは、図16を参照して説明した様に、スケジュールデータを備える電源装置である。図18に示す電源装置1aは、図1を参照して説明した本発明の実施の形態に係る電源装置1と比べて、変更リクエスト送信手段14を備えており、制御手段11aの機能が異なる。
【0137】
制御手段11aは、電源管理データおよび仮想マシン管理データから電源装置1aが管理する仮想マシンに関するデータのみならず、スケジュールデータを有していない電源装置が管理する仮想マシンに関するデータを取得する。制御手段11aは、スケジュールデータを有していない電源装置が管理する仮想マシンに関するデータを、後述する変更リクエスト送信手段14に入力する。例えば、制御手段11aは、第2の電源装置1bが管理する第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fに関するリソースのデータ等を抽出して、変更リクエスト送信手段14に入力する。
【0138】
変更リクエスト送信手段14は、制御手段11aから入力されたデータに基づいて、スケジュールデータを有していない電源装置に、変更リクエストを送信する手段である。変更リクエストは、上述した様に、移行対象の仮想マシンについては、仮想マシンの識別子、移行先の仮想ホストコンピュータの識別子および移行先で割り当てられるリソース情報と、を含む。移行対象でない仮想マシンについては、変更リクエストは、仮想マシンの識別子および移行後に割り当てられるリソース情報と、を含む。
【0139】
図19を参照して、本発明の第1の変形例に係る第1の電源装置1aの処理を説明する。第1の変形例に係る第1の電源装置1aの処理は、図13に示した本発明の実施の形態に係る電源装置1の処理と比べて、ステップS604およびステップS609において、変更リクエスト送信処理をさらに実行する点が異なる。図17に示すように、ステップS604およびステップS609における変更リクエスト送信処理は、仮想ホストの移行リクエストを送信する前に実行される。
【0140】
図20を参照して、変更リクエスト送信処理を説明する。変更リクエスト送信処理は、変更リクエスト送信手段14によって実行され、図17のステップS503の処理に対応する。
【0141】
ステップS651において変更リクエスト送信手段14は、第1の電源装置1a以外のスケジュールデータを有していない電源装置が管理する仮想マシンについて、変更後の仮想マシンのリソース情報を取得する。ステップS652において変更リクエスト送信手段14は、取得したリソース情報から変更リクエストデータを生成し、ステップS652において変更リクエスト送信手段14は、その電源装置に送信する。ステップS651およびステップS652の処理は、第1の電源装置1a以外の全ての電源装置について、繰り返される。
【0142】
全ての電源装置について変更リクエストが送信されると、ステップS653において変更リクエスト送信手段14は、その全ての電源装置から、変更応答が送信されるのを待機する。具体的には、変更リクエスト送信手段14は、スケジュールを有していない電源装置において、移行前の準備が整うのを待機する。
【0143】
全ての電源装置から変更応答を受信すると、変更リクエストは処理を終了する。その後、図19に示すステップS605またはステップS610の処理に遷移する。
【0144】
次に図21を参照して、本発明の第1の変形例に係る第1の電源装置1aを説明する。図21に示す電源装置1bは、図17を参照して説明した様に、スケジュールデータを備えない電源装置である。図21に示す電源装置1bは、図1を参照して説明した本発明の実施の形態に係る電源装置1と比べて、変更リクエスト受信手段15を備えているとともに、制御手段11、電源管理データ記憶部22および仮想マシン管理データ記憶部23を備えていない点が異なる。電源装置1bが備えていない制御手段11、電源管理データ記憶部22および仮想マシン管理データ記憶部23のそれぞれは、スケジュール機能を備える電源装置1aからの指示に基づいて、同様に処理される。
【0145】
変更リクエスト受信手段15は、第1の電源装置1aから変更リクエストを受信する。第2の電源装置1bの管理対象の仮想マシンに、移行対象の仮想マシンが含まれていない場合、具体的には、第2の電源装置1bが移行先の電源装置となる場合、変更リクエスト受信手段15は、受信した変更リクエストに基づいて、移行後にリソースを変更する。第2の電源装置1bの管理対象の仮想マシンに、移行対象の仮想マシンが含まれている場合、変更リクエスト受信手段15は、受信した変更リクエストに基づいて、移行前に、移行対象の仮想マシンについて移行先のリソースに変更するとともに、移行が完了した後に、移行対象でない仮想マシンについて、リソースを変更する。
【0146】
図22を参照して、第2の電源装置1bの処理を説明する。図22に示す第2の電源装置1bの処理は、図13を参照して説明した本発明の実施の形態に係る電源装置の処理と比べて、ステップS701の処理が異なる。具体的には、第1の変形例に係る第2の電源装置1bは、スケジュールデータを記録していないので、第1の電源装置1aから変更リクエストの受信をトリガーとして、管理対象の仮想マシンのリソースを変更する。
【0147】
上述した様に、本発明の第1の変形例に示す通り、全ての電源装置がスケジュールデータを備えていなくても、スケジュールデータを備える電源装置が、備えていない電源装置に変更リクエストを送信することにより、本発明の実施の形態と同様に処理することができる。
【0148】
なお、第1の変形例においては、1つの電源装置がスケジュールデータを備える場合について説明したが、複数の電源装置がスケジュールデータを備えても良い。例えば、2台の電源装置がスケジュールデータを備え、他の電源装置がスケジュールデータを備えていない場合でも、同様に処理することができる。
【0149】
(第2の変形例)
本発明の実施の形態においては、各仮想ホストコンピュータまたは各仮想マシンから、移行や遮断などの完了応答を受けてから、次のコマンドを実行していたが、第2の変形例においては、予め定められた実行タイミングに基づいて、電源装置1が、逐次コマンドを送信する場合について説明する。
【0150】
第2の変形例に係る仮想マシン管理データは、さらに、指示を送信するタイミングが関連づけられている。図23に示すように、仮想マシン管理データの停電復電指示データ23dは、各仮想マシンについて、停電時および復電時のコマンドの実行内容と、その実行タイミングが関連づけられている。この実行タイミングは、例えば、停電をしなければならないと検知されたときからカウントして、300秒後、120秒後・・・などである。
【0151】
第2の変形例に係る仮想マシン管理手段13は、仮想マシン管理データの実行タイミングに基づいて、仮想マシンに指示を送信する。
【0152】
図25を参照して、第2の変形例に係る停電復電制御処理であって、停電時の処理を説明する。まずステップS801において、電源装置1の制御手段11は、停電復電指示データ23dを読み出す。制御手段11は、停電復電指示データ23dの各レコードについて、ステップS802において、指定されたタイミングで、各仮想マシンに、遮断リクエストを送信する。
【0153】
全ての仮想マシンに指定されたタイミングで遮断リクエストが送信されると、ステップS803において制御手段11は、電源管理手段12に仮想ホストコンピュータ2に接続したタップの電力供給を遮断させる。
【0154】
全ての仮想ホストコンピュータ2についてステップS802の処理が終了すると、ステップS804おいて制御手段11は、現在管理対象の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3に基づいて、配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを含む管理対象データを生成し、管理対象データ記憶部21に記憶する。
【0155】
このように変形例に係る電源装置1によれば、仮想ホストコンピュータへの電力供給を遮断する際、所定のタイミングで、電源装置1が仮想マシンをシャットダウンする指示を送信するとともに、仮想ホストコンピュータを遮断する指示を送信する。これにより、仮想マシンと仮想ホストコンピュータを、一連の作業でシャットダウンすることができるので、安全に遮断することができる。また、遮断完了通知を待たずにシャットダウンできるので、緊急時の処理負担を軽減させることができる。
【0156】
図26を参照して、第2の変形例に係る移行制御処理を説明する。まずステップS851において、電源装置1の制御手段11は、図24に示す移行指示データ23eを読み出す。制御手段11は、移行指示データ23eの各レコードについて、ステップS852において、指定されたタイミングで、各仮想マシンに、移行リクエストを送信する。
【0157】
全ての仮想マシンに指定されたタイミングで移行リクエストが送信されると、ステップS853おいて制御手段11は、現在管理対象の仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3に基づいて、配線データ21aおよび仮想マシンデータ21bを含む管理対象データを生成し、管理対象データ記憶部21に記憶する。
【0158】
このように第2の変形例に係る電源装置1によれば、仮想マシンの移行の際、所定のタイミングで、電源装置1が仮想マシンを移行する指示を送信する。これにより、電源装置1において予め指定されたタイミングおよび順序で、各仮想マシンを移行させることができるので、移行時の処理負担を軽減させることができる。
【0159】
このように、第2の変形例に係る電源装置1は、仮想マシンや仮想ホストコンピュータからの応答を待つことなく、予め指定されたタイミングおよび順序で、指示を送信することができる。
【0160】
また、所定の電源装置1が、本発明の実施の形態に係る方法と、第2の変形例に係る方法の両方で、指示を送信しても良い。電源装置1は、仮想ホストコンピュータ2が受け入れ可能な方法で、指示を送信することができる。
【0161】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態、第1の変形例および第2の変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0162】
例えば、電源遮断時の処理について、電源装置が個別に仮想ホストコンピュータおよび仮想マシンに個別に遮断リクエストを送信する場合について説明したが、仮想ホストコンピュータに遮断リクエストを送信し、仮想ホストコンピュータが実装中の仮想マシンを遮断するとともに、仮想ホストコンピュータも遮断する方法も考えられる。
【0163】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0164】
1 電源装置
2 仮想ホストコンピュータ
3 仮想マシン
10 コントローラ
11 制御手段
12 電源管理手段
13 仮想マシン管理手段
14 変更リクエスト送信手段
15 変更リクエスト受信手段
20 メモリ
21 管理対象データ記憶部
22 電源管理データ記憶部
23 仮想マシン管理データ記憶部
30 電力制御部
40 通信制御装置
110 中央処理制御装置
111 仮想マシン制御手段
112 遮断手段
113 移行手段
114 コマンド実行手段
120 記憶装置
130 通信制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに電力を供給する電源装置であって、
前記コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは前記仮想ホストに、指示を送信する仮想マシン管理手段
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
コンピュータに電力を供給する電源装置に用いられるプログラムであって、
前記コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは前記仮想ホストに、指示を送信する仮想マシン管理手段
として、前記電源装置が内蔵するコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
第1のコンピュータに電源を供給する第1の電源装置と、第2のコンピュータに電源を供給する第2の電源装置と、を備える情報システムに用いられる制御方法であって、
前記第1の電源装置および前記第2の電源装置は、コンピュータで実行される仮想ホストでエミュレートされる仮想マシンまたは前記仮想ホストに、指示を送信可能で、
前記第2のコンピュータで実行される第2の仮想ホストにエミュレートされる仮想マシンが、前記第1のコンピュータで実行される第1の仮想ホストに移行する場合、
前記第1の電源装置または前記第2の電源装置が、前記仮想マシンのリソースを、移行後のリソースに変更するステップと、
前記移行後のリソースに変更された後、前記第1の電源装置または前記第2の電源装置が、前記第2の仮想ホストに、前記仮想マシンを前記第1の仮想ホストに移行する指示を送信するステップと、
前記仮想マシンが、前記第1の仮想ホストに移行するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−93053(P2013−93053A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−19381(P2013−19381)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2010−178856(P2010−178856)の分割
【原出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】