説明

電源装置及び照明器具

【課題】電解コンデンサを搭載した電源装置において、簡易な構成によって電解コンデンサの異常を検知し、かつ、異常検知後も電源装置の使用継続を可能とする技術を提供する。
【解決手段】電源装置100は、商用交流電源21から供給される交流電圧を整流する整流回路1と、整流回路1によって整流された整流電圧を平滑する電解コンデンサC1とを有する直流電源部(整流回1、昇圧チョッパ回路2)と、直流電源部によって平滑された平滑電圧に基づく電力を、負荷5に供給するインバータ回路3と、電解コンデンサC1の電圧を検出対象として検出し、検出された電圧値の属する範囲に応じて、インバータ回路3が負荷5に供給する電力の大きさを制御する検出回路6とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサを搭載した直流電源負荷装置において、電解コンデンサの異常を検知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電解コンデンサは、陰極と陽極のアルミ電極と電解紙が重ねられてロール状に巻かれ、アルミケースの中に収納される。陰極と陽極のアルミ電極からは外部端子が溶接されケース外部に出される。内部は電解液が充填され、封口ゴムにより密閉されている。アルミケースの頭部には、一般的には安全弁とよばれるスリットがある。これは電解コンデンサ内部の損失角(tanδ)増大などが原因でコンデンサ内部が発熱し、電解液が急激に蒸発し内圧が急激に上昇した時に、このスリット部分が裂け、内圧を外気に逃がす。
【0003】
電解コンデンサ内部には電解液がある。コンデンサ内部が発熱すると、この電解液が蒸発し、コンデンサ内圧が上昇する。初期状態でも内部の発熱はあり、電解液は蒸発するが、封口ゴムから透過し内圧と外気のバランスを保つ。しかし、長時間使用すると電解液は減少し、コンデンサの損失角(tanδ)が増大する。この損失角の増大に伴い、コンデンサ内部が発熱し、電解液の蒸発が助長される。この為、封口ゴムからの透過では足りなくなり、コンデンサの内圧が上昇する。この為、頭部にある安全弁が裂け、内部の電解液が外部に水蒸気状に噴き出す場合がある。
【0004】
この現象は長時間使用された場合に発生するだけでなく、コンデンサに印加される電圧が定格電圧を越えた場合や、逆電圧が印加された場合にも発生する。電解液が十分に残存した状態で発生すると、より多くの電解液が水蒸気状に噴出する。なお、電解液の主成分はエチレングリコールで沸点は約200℃である。
【0005】
例えば、スイッチング電源やインバータ回路などの高周波変換回路においても、電解コンデンサが使用されている。電解コンデンサの静電容量は概ね数μF〜数百μFであり、定格電圧は数V〜数百Vである。電解コンデンサは、回路の異常や、寿命末期にコンデンサ内部が発熱し、電解液が蒸発して安全弁が開き、電解液が水蒸気状に噴出する。
【0006】
この現象は電子機器を使うエンドユーザーからすれば、燃焼による発煙と捉えられることが多く、電子機器の安全性がクローズアップされる昨今では問題視されている。
【0007】
この現象を回避する為に、電解コンデンサに流れる電流や印加される電圧の変化を電気的に検出する技術(例えば、特許文献1)や、電解コンデンサの発熱を電解コンデンサに組み込まれた感温素子等で検出する技術(例えば、特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平4−59592号公報
【特許文献2】特開平4−233214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1や特許文献2においては、電解コンデンサに流れる電流や印加される電圧若しくは発熱を検出し、所定のレベルを超えると機器の動作は停止してしまう。例えば照明器具などは寿命末期検知後に即消灯してしまうと、照明器具交換までの間、明かりが無く、不自由になる場合が多い。
【0010】
また、電解コンデンサの寿命末期直前にLEDを点灯させたり、音声で機器の交換時期を知らせる機能もある。しかし、機器のライフサイクル中のほんのわずかな時間にだけ使用する機能の為に、回路構成を複雑にする事はできるだけ避けることが好ましい。
【0011】
この発明は、電解コンデンサを搭載した電源装置において、簡易な構成によって電解コンデンサの異常を検知し、かつ、異常検知後も電源装置の使用継続を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の電源装置は、商用交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電圧を平滑する電解コンデンサとを有する直流電源部と、前記直流電源部によって平滑された平滑電圧に基づく電力を、所定の負荷に供給する供給部と、前記電解コンデンサの電圧と、前記電解コンデンサを流れる電流と、前記電解コンデンサの温度とのうちのいずれか一つを、検出対象として検出し、検出された前記検出対象の検出値の属する範囲に応じて、前記供給部が前記負荷に供給する前記電力の大きさを制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電源装置に搭載された電解コンデンサの容量が経年的に減少した場合、段階的に負荷の出力を低減させることで、電解コンデンサの安全弁が動作することを防止し、機器のライフサイクルを延長することができる。また、供給電力を大きさを制御することにより、例えば負荷が光源である場合には徐々に暗くなっていくので、ユーザは負荷能力の低下を知ることができる。このため、ユーザは、機器の交換をスムーズに行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1における電源装置100を示す回路図。
【図2】実施の形態1における電解コンデンサC1の電圧特性を示す図。
【図3】実施の形態1における各部の波形を示す図。
【図4】実施の形態2における電源装置100を示す回路図。
【図5】実施の形態3における電源装置100を示す回路図。
【図6】実施の形態3における温度検出ブロック16の配置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の蛍光灯用の電源装置100の回路図である。
【0016】
次に、図1の電源装置100の回路構成について説明する。電源装置100は、商用AC電源21から入力される交流電圧を整流する整流回路1と、整流回路1が出力する電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路2と、昇圧チョッパ回路2が出力する電圧を高周波電流に変換して負荷回路4を介して接続される負荷5に電力を供給するインバータ回路3(供給部)と、電解コンデンサC1の両端に発生する直流電圧を検出する検出回路6(制御部)とを備えている。なお、整流回路1と昇圧チョッパ回路2とは、「直流電源部」を構成する。
【0017】
(昇圧チョッパ回路2)
昇圧チョッパ回路2は、整流回路1によって整流されて、さらにスイッチング素子Q1のスイッチングによって昇圧された電圧を平滑化する電解コンデンサC1を有する。電源装置100は、電解コンデンサC1の電圧を検出し、この電圧の検出結果に基いてインバータ回路3の駆動周波を制御することで、負荷の出力を低減させる制御を実行することが特徴である。
昇圧チョッパ回路2は、整流回路1の出力端に並列に接続され、脈流電圧を検出する脈流電圧検出抵抗R4、R5の直列接続と、トランスT1を介して接続されるスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1に流れる電流を検出する電流検出抵抗R6と、トランスT1とアノード側が接続されるダイオードD1と、ダイオードD1のカソード側と整流回路1の低電位側とに接続される電解コンデンサC1と、電解コンデンサC1に並列に接続され、電解コンデンサC1に充電される電圧を検出する出力電圧検出抵抗R1、R2の直列接続と、脈流電圧検出抵抗R4、R5及び出力電圧検出抵抗R1、R2及びスイッチング素子Q1の電流検出抵抗R6が検出する検出信号とトランスT1の2次側に発生する検出信号を入力して、これらの検出信号に基づいて、スイッチング素子Q1を制御する昇圧チョッパ制御回路7とを備えている。
【0018】
(インバータ回路3)
インバータ回路3は、昇圧チョッパ回路2によって昇圧、平滑化された電圧(平滑化電圧)に基づく電力を負荷5に供給する。すなわち、インバータ回路3は、直列に接続されたスイッチング素子Q2、Q3と、スイッチング素子Q2、Q3を高周波で交互にオン−オフさせる信号を発生するスイッチング制御回路8とを備えている。スイッチング制御回路8は、スイッチング制御回路8の端子Aから流れ出る電流値によって端子Bから出力される高周波スイッチング信号の周波数を変えている。
【0019】
(負荷回路4)
負荷回路4は、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q3との接続点からバラストチョークL20を介して負荷5に接続し、負荷5とグランド間に直流成分除去のコンデンサC20を備えた直列共振回路を構成する。負荷5とは、以下では蛍光灯を例にして説明する。
【0020】
(検出回路6)
検出回路6は、電圧検出ブロック10、第一閾値回路ブロック11、第二閾値回路ブロック12、第一信号処理ブロック13、第二信号処理ブロック14とを備えている。
(1)電圧検出ブロック10は、電解コンデンサC1の両端電圧(検出対象の一例)を検出する。
(2)第一閾値回路ブロック11は、電圧検出ブロック10で検出された電圧を自身の有する第一閾値と比較する。
(3)第二閾値回路ブロック12も、電圧検出ブロック10で検出された電圧を自身の有する第二閾値と比較する。
(4)第一信号処理ブロック13は、検出電圧が第一閾値回路ブロック11の第一閾値を越えた場合にスイッチング制御回路8に周波数を高める信号を出力する。
(5)第二信号処理ブロック14は、検出電圧が第二閾値回路ブロック12の第二閾値を越えた場合にスイッチング制御回路8に周波数を高める信号を出力する。なお、(4)、(5)では検出電圧が第一閾値、第二閾値を越えた場合に周波数を高める信号を出力するが、これは、周波数を高めると負荷5である蛍光灯(光源)の光出力が低減することを前提としているからである。つまり第一信号処理ブロック13、第二信号処理ブロック14は、検出電圧が第一閾値、第二閾値を越えた場合には、負荷の消費電力が低減する信号を出力する。
【0021】
次に電源装置100の動作について説明する。電源装置100に商用AC電源21からの電力が供給されると、昇圧チョッパ回路2が動作してインバータ回路3に昇圧した直流電圧が印加される。
【0022】
インバータ回路3のスイッチング素子Q2、Q3が交互にオン−オフするようにスイッチング制御回路8から信号が発生し、スイッチング素子Q2、Q3の接続点と電解コンデンサC1の低電位側間に高周波の矩形波電圧が発生する。
【0023】
この矩形波高周波電圧が負荷回路4を経て負荷5に印加される。バラストチョークL20、負荷5、コンデンサC20は直列共振回路であり、負荷回路4及び負荷5には高周波の電流が流れる。
【0024】
検出回路6の電圧検出ブロック10は電解コンデンサC1の両端に接続されている。電圧検出ブロック10は、電解コンデンサC1両端のピーク電圧を例えば抵抗等で分圧する。この分圧された電圧は第一閾値回路ブロック11と第二閾値回路ブロック12とに入力され、それぞれの内部閾値の電圧と比較される。第一閾値回路ブロック11の内部閾値(第一閾値)は第二閾値回路ブロック12の内部閾値(第二閾値)よりも低い電圧である。
【0025】
電圧検出ブロック10で検出された電圧が第一閾値回路ブロック11の内部閾値を超えると第一閾値回路ブロック11から第一信号処理ブロック13へ信号が出力され、第一信号処理ブロック13はインバータ回路3へスイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を高める信号を出力する。
【0026】
電圧検出ブロック10で検出された電圧が第二閾値回路ブロック12の内部閾値を超えると第二閾値回路ブロック12から第二信号処理ブロック14へ信号が出力され、第二信号処理ブロック14はインバータ回路3へスイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を高める信号を出力する。第二信号処理ブロック14の出力する信号は、第一信号処理ブロック13の出力した信号よりも、さらに発振周波数を高める(負荷5である蛍光灯をさらに暗くする)ことを指示する信号である。
【0027】
以上の検出回路6の処理内容を、図2、図3を参照して説明する。
図2は、電解コンデンサC1の両端電圧を示す図である。
(a)は点灯初期状態での電解コンデンサC1の両端電圧であり、リプル電圧Vp−pを有している。これは負荷回路4が電流を消費している為である。
(b)は負荷5である蛍光灯が点灯を継続した時の電解コンデンサC1の両端電圧であり、電解コンデンサC1の容量が次第に低下し、負荷回路で消費する電流は一定であるから前記リプル電圧Vp−pは大きくなる。
(c)は(b)から更に点灯時間が増えた場合である。電解コンデンサC1の容量は更に低下し、リプル電圧Vp−pも更に大きくなる。
【0028】
図3は、電解コンデンサC1が点灯開始から寿命末期になるまでの各部波形を示す。波形横軸は時間経過である。縦軸は各電圧、各信号の値である。
(a)は、点灯継続時の電解コンデンサC1両端電圧波形である。
(b)は、第二閾値回路ブロック12の内部閾値電圧である。
(c)は、第一閾値回路ブロック11の内部閾値電圧である。
(d)は、電圧検出ブロック10の出力電圧である。
(e)は、第二閾値回路ブロック12の出力信号である。
(f)は、第一閾値回路ブロック11の出力信号である。
(g)は、インバータ回路3の発振周波数である。
(h)は、ランプ5の照度である。
【0029】
次に、電解コンデンサC1が点灯開始から寿命末期になる過程での動作を図3を用いて説明する。
(1)(a)のように電解コンデンサC1の両端電圧は点灯時間経過と共にリプル電圧Vp−pが上昇してゆく。それに伴い、電圧検出ブロック10で電解コンデンサC1両端ピーク電圧を分圧した電圧(d)も上昇する。
(2)点灯開始から電解コンデンサC1の容量低下が規定された容量以下になる時間をT1とし、このT1を電解コンデンサC1の寿命時間とする。
(3)(d)に示すように、第一閾値回路ブロック11の内部閾値を、T1経過後の電解コンデンサが寿命と定義される容量になった時間の電圧としている。
(4)電圧検出ブロック10の出力電圧(d)が第一閾値回路ブロック11の内部閾値(c)を超えると第一閾値回路ブロック11から第一信号処理ブロック13に向けて出力信号(f)が出力される。この出力信号(f)を受けて第一信号処理ブロック13はスイッチング制御回路8から出力されるインバータ回路3の発振周波数を高めるような信号をスイッチング制御回路8に出力する。
(5)結果、負荷5に流れる電流は減少し、負荷5で消費する電力は減少する。ここで負荷5は蛍光ランプであるから調光状態になり、ランプの照度は低下する。
(6)負荷5の消費電力が減少すると、電解コンデンサC1から放電される電流は減少するから、T1経過後の電解コンデンサC1のピーク電圧の上昇はストップ若しくは減少する。
(7)T1で負荷5の消費電力が減少した状態でさらに時間が経過すると、電解コンデンサC1の容量はさらに減少し、再び電解コンデンサC1のピーク電圧は上昇し始める。
(8)すると、電圧検出ブロック10の出力電圧(d)はさらに上昇し、第二閾値回路ブロック12の内部閾値電圧に到達する(時間T2)。この時点で電解コンデンサC1の容量は設計時に設定した寿命時の容量を下回っているが、負荷5の消費電力は減少しているから電解コンデンサC1の負荷も減少している為、電解コンデンサの安全弁が動作することは無い。
(9)電圧検出ブロック10の出力電圧(d)が上昇し、第二閾値回路ブロック12の内部閾値電圧に到達すると上記(4)から上記(7)で述べたのと同様に第二信号処理ブロック14はスイッチング制御回路8から出力されるインバータ回路3の発振周波数を更に高めるような信号をスイッチング制御回路8に出力する。
(10)結果、負荷5に流れる電流は上記(5)から更に減少し、負荷5で消費する電力も更に減少し、ランプの照度は更に低下する。
【0030】
以上の(1)〜(10)のように、検出回路6(検出部、制御部)は、電解コンデンサC1の電圧を検出対象として検出し、検出された電圧値の属する範囲に応じて、インバータ回路3が負荷5に供給する電力の大きさを制御する。
【0031】
本実施の形態1では閾値回路ブロックは2つであるが、2つ以上設けても構わない。
【0032】
検出回路6は、図3に示すように、検出された電解コンデンサC1の電圧が、予め他の範囲と重複なく設定された複数の範囲のうちのどの範囲に属するかを判定し(例えば、第一閾値未満の範囲か、第一閾値以上で第二閾値未満の範囲か、第二閾値以上の範囲かなど)、判定された範囲の値が大きいほど、小さい電力をインバータ回路3に負荷5に対して供給させる。このように、電解コンデンサの容量が設計時の寿命容量を下回った場合、段階的に負荷供給電力を減少させ、負荷が停止することなく、負荷の能力が低下したことをユーザに報知するとともに、電解コンデンサへのストレスも低減させ、安全弁動作を防ぐことができる。
【0033】
なお実施の形態1では、電解コンデンサC1によって平滑された平滑電圧に基づく電力として、高周波電力をインバータ回路3が負荷5に供給する場合を説明したが、一例である。平滑電圧に基づく電力として直流電力を所定の負荷に供給する場合に、直流電力の大きさを制御する構成でも構わない。
【0034】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2の電源装置100の回路図である。図4は、実施の形態1における検出回路6の電圧検出ブロック10が、電流検出ブロック15に置き換わった構成である。
【0035】
図4の検出回路6は、電解コンデンサC1と直列に電解コンデンサC1に流れる電流(検出対象の一例)を検出する電流検出ブロック15を有している。
【0036】
電解コンデンサC1は経年変化により、容量が減少し、リプル電圧・リプル電流が上昇することが知られている。図4の電流検出ブロック15は電解コンデンサC1と直列に接続されている。
【0037】
電流検出ブロック15の電流検出手段としては、例えば電流トランスや電流検出用の低い抵抗値の抵抗を使用する。
【0038】
電流検出ブロック15で検出された信号は、実施の形態1で述べたのと同様に、後段の複数の閾値回路ブロックと信号処理ブロックを経て、スイッチング制御回路8に接続される。
【0039】
電解コンデンサが経年変化により容量が減少すると、リプル電流が増加し、検出電流も増加する。この変化を実施の形態1と同様に複数の閾値回路ブロックで判定し、電解コンデンサC1の容量低下に伴い、段階的に負荷電力を減少させる。
【0040】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3の電源装置100の回路図である。図5は、実施の形態1における検出回路6の電圧検出ブロック10が、温度検出ブロック16に置き換わった構成である。温度検出ブロック16は電解コンデンサC1の温度(検出対象の一例)を検出する。
【0041】
図6は、温度検出ブロック16が、基板17に配置されたアルミ電解コンデンサC1のアルミケースに取り付けられた状態を示す斜視図である。図6のように、電解コンデンサC1の側面に温度検出ブロック16が付着している。電解コンデンサC1は経年変化により、容量が減少すると内部抵抗値が上昇し、リプル電流により電解コンデンサC1の温度が上昇することが知られている。
【0042】
電解コンデンサC1が経年変化により容量が減少すると、リプル電流が増加し、内部抵抗値が上昇し、電解コンデンサC1は発熱する。この変化を実施の形態1と同様に複数の閾値回路ブロックで判定し、電解コンデンサC1の容量低下に伴い、段階的に負荷電力を減少させる。
【0043】
なお、実施の形態1〜3では電源装置を説明したが、実施の形態1〜3のいずれかの電源装置を備えた照明器具の実施形態とすることも、もちろん可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 整流回路、2 昇圧チョッパ回路、3 インバータ回路、4 負荷回路、5 負荷、6 検出回路、7 昇圧チョッパ制御回路、8 スイッチング制御回路、10 電圧検出ブロック、11 第一閾値回路ブロック、12 第二閾値回路ブロック、13 第一信号処理ブロック、14 第二信号処理ブロック、15 電流検出ブロック、16 温度検出ブロック、21 商用AC電源、100 電源装置、R4〜R5 脈流電圧検出抵、T1 トランス、Q1 スイッチング素子、R6 電流検出抵抗、R1〜R2 出力電圧検出抵抗、D1 ダイオード、C1 電解コンデンサ、Q2〜Q3 スイッチング素子、L20 バラストチョーク、C20 直流電圧成分除去用のコンデンサ、F 電流ヒューズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用交流電源から供給される交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電圧を平滑する電解コンデンサとを有する直流電源部と、
前記直流電源部によって平滑された平滑電圧に基づく電力を、所定の負荷に供給する供給部と、
前記電解コンデンサの電圧と、前記電解コンデンサを流れる電流と、前記電解コンデンサの温度とのうちのいずれか一つを、検出対象として検出し、検出された前記検出対象の検出値の属する範囲に応じて、前記供給部が前記負荷に供給する前記電力の大きさを制御する制御部と
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、
検出された前記検出値が、予め他の範囲と重複なく設定された複数の範囲のうちのどの範囲に属するかを判定し、判定された前記範囲の値が大きいほど、小さい電力を前記供給部に前記負荷へ供給させることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記負荷は、
電力を供給されて発光する光源であり、
前記制御部は、
前記判定された範囲の値が大きい範囲ほど、前記光源の照度が低下するように前記供給部を制御することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記供給部は、
前記平滑電圧に基づく前記電力として、高周波電力と直流電力とのいずれかを前記負荷に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
前記電解コンデンサは、
アルミ電解コンデンサであることを特徴とする請求項4記載の電源装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電源装置を備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−23891(P2012−23891A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160658(P2010−160658)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】