電源装置及び画像形成装置
【課題】蓄電装置未使用時において電力損失が大きくならないようにする。
【解決手段】商用AC電源から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の主電源30と、商用AC電源から供給される電力を蓄電するキャパシタ37及びこのキャパシタ37の電力を入力源に用いる補助電源32と、を備え、主電源30の出力と補助電源29の出力とを並列に接続し、主電源30からの電力と補助電源29からの電力を同時に24V系負荷35に供給する電源装置であって、24V系負荷35の前段に当該負荷に流れる電流を検出する電流検出抵抗60と、この電流検出抵抗60と並列に設けたSW素子(リレー)71を備え、前記補助電源32の未使用時は、前記SW素子71を介して24V系負荷35に電力を供給する。
【解決手段】商用AC電源から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の主電源30と、商用AC電源から供給される電力を蓄電するキャパシタ37及びこのキャパシタ37の電力を入力源に用いる補助電源32と、を備え、主電源30の出力と補助電源29の出力とを並列に接続し、主電源30からの電力と補助電源29からの電力を同時に24V系負荷35に供給する電源装置であって、24V系負荷35の前段に当該負荷に流れる電流を検出する電流検出抵抗60と、この電流検出抵抗60と並列に設けたSW素子(リレー)71を備え、前記補助電源32の未使用時は、前記SW素子71を介して24V系負荷35に電力を供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び画像形成装置に係り、特に、外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の電源、蓄電装置、及び該蓄電装置の電力を入力源に用いる電源の2つの電源を有する電源装置及び、当該電源装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真プロセスを利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらを組み合わせた複合機は多機能化しており、これに伴って構造も複雑化して最大消費電力が増大する傾向となっている。また、定着装置の立ち上がりまでの待ち時間、プリントあるいはコピー動作中における定着温度低下による動作の一時中断など画像形成装置自体の要因や操作者の待ち時間を少なくするため、定着ヒータへの供給電力を増大する傾向となっている。これに対して通常の電源ラインから供給可能な電力には制限があるので、これが機器を設計する上での大きな制約となっている。
【0003】
そこで、電源ラインの最大供給可能電力を越えないようにするため、蓄電装置を設けた発明が提案されている(例えば特許文献1あるいは2)。このうち、特許文献1(特開2007−236159号公報)には、第1電源と第2電源の出力を同時に負荷に給電する電源装置の負荷印加電圧の安定化と負荷が変動する場合の負荷印加電圧の変動を抑制するため、外部から供給される電力を入力源に用いて負荷に給電する定電圧出力の第1電源と、前記負荷を流れる負荷電流値を電流値信号に変換する変換手段を含み、該電流値信号が表す負荷電流値の、第1電源の出力電流の上限指示値を越える不足分を補うための制御信号を発生する信号発生手段と、蓄電装置と、該蓄電装置の電力を入力源に用い、前記制御信号に応じて前記負荷に給電する定電流出力の第2電源とを備え、前記第1電源が前記変換手段の電流検出位置よりも前記負荷側の給電線の電圧を設定値に一定化するように第1電源の出力電圧を制御する発明が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平3−203516号公報)には、抵抗の発熱を防止して抵抗の発熱を防止するため、負荷に直列に接続され、負荷に流れる電流を検出する抵抗の保護回路であって、該抵抗に並列に接続されたスイッチング手段と、該抵抗に所定値以上に電流が流れたことを検出する過電流検出手段と、該過電流検出手段により前記抵抗に過電流が流れたことを検出すると前記スイッチング手段をオン状態に保持する保持手段と、を備えた発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、特許文献1記載の発明は、DC電源とキャパシタ電源を並列に接続し、この両電源から二次負荷に電力を供給し、負荷へ印加する電圧の安定性を高めるようになっており、特許文献2記載の発明は、抵抗と並列に接続されたスイッチング手段と過電流検出手段とスイッチング手段をONにする手段とを備え、抵抗の発熱を防止するようになっている。
【0006】
しかし、前者では、キャパシタシステムの出力ON/OFF回路の別途切り換えの回路が必要であり、回路構成が複雑となっていた。また、後者では、常時電流検出抵抗を介して、二次負荷に電力を供給することとなり、蓄電装置未使用時においても、電力損失が大きくなっていた。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、蓄電装置未使用時において電力損失が大きくならないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、第1の手段は、外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の第1電源と、外部から供給される電力を蓄電する蓄電装置及び当該蓄電装置の電力を入力源に用いる第2電源と、を有し、前記第1電源の出力と第2電源の出力とを並列に接続し、前記第1電源からの電力と前記第2電源からの電力を同時に負荷に供給する電源装置であって、前記負荷の前段に前記負荷に流れる電流を検出する負荷電流検出手段及び当該負荷電流検出手段に対して並列に設けられたスイッチング手段を備え、前記蓄電装置未使用時は、前記スイッチング手段を介して前記負荷に電力を供給することを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記第2電源の出力は、前記スイッチング手段のON/OFFに連動してON/OFFされることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第2の手段において、前記スイッチング手段のOFFタイミングは、軽負荷時に設定されていることを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記スイッチング手段はリレーを含むことを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第4の手段において、前記リレーはノーマリークローズであることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段に係る電源装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0014】
なお、後述の実施形態では、外部から供給される電力は商用AC電源27に、第1電源は主電源29に、蓄電装置はキャパシタ37に、第2電源は補助電源32に、負荷電流検出手段は負荷電流検出抵抗60及び負荷電流検出器33に、スイッチング手段はSW素子71に、画像形成装置はMF1に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓄電装置未使用時において電力損失が大きくならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル複合機とパーソナルコンピュータを含む画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1のデジタル複合機のプリンタの構成を示す概略構成図である。
【図3】電源装置の構成を示すブロック図である。
【図4】入出力制御部の構成を表すブロック図である。
【図5】図3に示す定電圧電源、定電流電源、負荷電流検出器及び電流指示器の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した図3の要部構成の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、蓄電装置未使用時は、電流検出抵抗と並列に設けたスイッチング手段を介して24V負荷に電力を供給し、スイッチング手段のON/OFFは、キャパシタシステムの出力ON/OFFを兼ねるようにしたことを特徴とする。
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に解説する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機MF1とパーソナルコンピュータPCを含む画像形成システムの概略構成を示す図である。
【0020】
同図において、本実施形態に係るデジタル複合機MF1は4色のトナーを使用して画像を形成するカラーデジタル複合機で、大略、自動原稿送り装置(ADF)120、操作ボード10、スキャナ100及びプリンタ200の各ユニットを備えている。スキャナ100とプリンタ200は、カラー画像を読み取り、カラー画像を形成することからそれぞれカラースキャナであり、カラープリンタである。なお、操作ボード10と、ADF120付きのスキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットである。カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力及びコントローラを有する制御ボードを備え、制御ボード上のコントローラがエンジンコントローラと直接又は間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
【0021】
なお、デジタル複合機MF1はパーソナルコンピュータPCのプリンタとして機能し、また、プライベートネットワークPN及び構内交換機PBX(Private Branch eXchange)を介してネットワークを介した通信を行う。
【0022】
図2は図1のデジタル複合機MF1のプリンタ200の構成を示す概略構成図である。
同図において、このプリンタ200は、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)及び黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa,b,c,dが、第1転写ベルト(中間転写ベルト)208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。すなわち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体(ドラム)201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202及び現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が前記M,C,Y,Kのように4色設定され、その点が異なるだけである。MCYKの各感光体201の一部が、第1転写ベルト208に接している。なお、感光体としては、ドラムに代えてベルト状の感光体も使用することができる。
【0023】
第1転写ベルト208は1つの駆動ローラと2つの支持ローラ間に張設され、矢印D1方向に回転する。第1転写ベルト208の裏側(ループの内側)には、第1転写ローラ211が感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側であって、第2転写ローラ212の下流側に、第1転写ベルト208用のクリーニング装置213が配備されている。クリーニング装置213は、第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルト215にトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。
【0024】
露光装置203は公知のポリゴンミラー及び結像光学系を使用してレーザ書き込みを行う光書き込み方式の露光装置であり、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された各感光体表面に潜像として照射する。なお、ポリゴン光学系に代えてLEDアレイと結像光学系を使用した露光装置を使用することもできる。
【0025】
また、図2において、第1転写ベルト208の右方には、2次転写装置220が設けられている。2次転写装置220は、第1転写ベルト208に接触する第2転写ベルト215を含み、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215には転写ニップが形成され、当該ニップ形成位置が2次転写位置となる。第2転写ベルト215は矢印D2方向に移動可能に、駆動ローラと支持ローラ間に張設され、裏側(ループの内側)には、第2転写ローラ212が配置されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置216、チャージャ217等が設けられている。クリーニング装置216は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。
【0026】
用紙は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚ずつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方には、定着装置214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーを収納するトナーボトル収納部227が設けてある。トナーは使用されるマゼンタM、シアンC、イエローY、ブラックKの4色が、カートリッジの形態で収納され、粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
【0027】
ここで両面印刷のときの各部の動作は以下のようにして行われる。両面印刷では、まず感光体201で作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。
【0028】
感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印D1の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。
【0029】
このとき同期して第2転写ベルト215は矢印D2方向に移動していて、第2転写ローラ212の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。
【0030】
いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット209又は210内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233のニップまで搬送される。用紙はレジストローラ233のニップで第1転写ベルト208に1次転写された4色の画像が重畳された画像の先頭位置を、同期を取ってレジストローラ233から2次転写位置に送り出される。2次転写位置では、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の一方の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手ローラ212の作用により転写される。さらに用紙は上方に搬送され、前述のようにして第2転写ベルト215表面にすでに転写されているトナー像が、チャージャ217により用紙の他方の面に転写される。転写に際して、用紙は両面の画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
【0031】
このようにして両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により筐体上部の排紙トレイ(排紙スタック)226に排出される。図2のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体201表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体201表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ上でのメモリに対する画像データの読み書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ、回収ローラ、ブレード等を備えたクリーニング装置216が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
【0032】
図2では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。
【0033】
以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
【0034】
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、その後、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙トレイ226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面が存在する。後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面が存在する。
【0035】
図3は電源装置の構成を示すブロック図である。
図3において、電源装置は、主電源29、主電源SW(スイッチ)28、商用AC電源27、補助電源32、入出力制御(部)20、24V系負荷35、5V系負荷34、電流指示器64及び定着加熱装置36から基本的に構成されている。
【0036】
電源装置では、主電源SW28のオンにより、商用AC電源27が主電源29及び補助電源32に供給される。その商用AC電源27から、主電源29のAC制御回路である定着電源31及び定電圧電源(AC/DCコンバータ)30、ならびに補助電源32のキャパシタ充電器38に商用AC電圧27が印可される。定着電源31は、入出力制御20から与えられる電力指示信号で指定される電力範囲内で、温度検出70から与えられる定着温度信号を使用して定着器温度をフィードバック制御する。
【0037】
主電源29の第1電源である定電圧電源30は、ブリッジ整流器80、絶縁型スイッチング回路81及び整流平滑回路82により商用ACをDCに変換し、絶縁型誤差増幅器83を介してPWMコントローラ84に与えられる電圧検出信号を使用した定電圧フィードバック制御で5Vと24Vの2系統のDC定電圧を発生して、5V系負荷34と24V系負荷35に出力する。なお、図3では。絶縁型スイッチング回路81、整流平滑回路82、絶縁型誤差増幅器83及びPWMコントローラ84については、24V系負荷35には添え字aを、5V系負荷34には添え字bを付して区別している。
【0038】
このとき、24V系の電圧検出信号(フィードバック信号)は、負荷電流検出器33から電流指示器64に出力される。後述するが、負荷電流検出器33は、電源ラインに数mΩの抵抗をシリーズ接続しているため、電圧検出信号(フィードバック信号)取り込み部の後段に負荷電流検出器33を設けた場合には、システムに供給する電源電圧が変動してしまう。例えば、負荷電流検出器33の電流検出抵抗に10mΩの抵抗を接続し、負荷が5Aから15Aに変化した場合には、0.1V(10mΩ×(15A−5A))の変動が発生することとなる。さらに、主電源29の外部に負荷電流検出器33の電流検出抵抗を付加した場合には、配線抵抗の影響により、これ以上の変動が発生することとなる。そこで、以上の電流検出抵抗付加によるDC負荷供給電源電圧の変動を防止するため、抵抗を介した後の電圧をフィードバック制御する構成としている。
【0039】
また、主電源29は、負荷電流検出器33と並列にSW素子71を設けた構成としている。負荷電流検出器33を介して、24V系負荷35に電源を供給した場合には、負荷電流検出器33自体で消費される電力(例えば電流検出抵抗に10mΩの抵抗を接続し、負荷が10Aの場合には1W(10mΩ×10A×10A))が発生し、通常システムと比較し電力損失が大きくなる。これを抑えるため、補助電源32から電力供給を行わない期間においては、前記SW素子71をオンにして、負荷電流検出器33を介さずに24V系負荷35に電源を供給する構成としている。
【0040】
補助電源32は、本実施形態では、キャパシタ充電器38、それによって充電されるキャパシタ37、及びキャパシタ電力を24V系負荷35への給電ラインに定電流出力する第2電源である定電流電源26で構成される。補助電源32を24V系負荷35に給電しているのは、定着加熱装置36への供給電力量の増大分を補助電源が負担する必要があり、この負担させようとしている電力量以上の消費がある電源ラインに補助電源32を供給する必要があるためである。そのため本実施形態では、定着加熱装置36への供給電力量の増大分(例えば300W)を考慮し、5V系負荷34(例えば100W)より消費電力量が大きい24V系負荷35(例えば500W)に補助電源32を給電する構成としている。定着加熱装置36への供給電力量の増大分が小さい場合や、5V系負荷34の消費電力量が大きい場合には、5V系負荷34に補助電源32を給電させる構成とすることも可能である。
【0041】
負荷電流検出器33は、定電圧電源30(第1電源)及び定電流電源26(第2電源)が同時に供給する電流値の和である24V系負荷電流値を検出して電流検出信号を電流指示器64に与える。また、電流指示器64には、入出力制御(部)20が、定電圧電源30の出力電流上限値を指定する上限指示データMCDを与える。電流指示器64は24V系負荷電流値より上限指示値を減算した値(=定電流電源26の出力電流指示値)を示す電流指示信号を定電流電源26に与える。定電流電源26は、電流指示器64が出力する該電流指示信号によって指示された電流値を目標値とする定電流制御によって、キャパシタ37の電力を24V系負荷ラインに定電流給電する。
【0042】
補助電源32のキャパシタ37は電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタで構成される。電気二重層コンデンサ以外にも種々の選択が可能であるが、本実施形態では、短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いた。電気二重層コンデンサの特徴として放電するに従い端子電圧(キャパシタ電圧)が低くなってしまうため、定電流電源26をキャパシタ37の後段に配置することにより、キャパシタ電圧の変動にもかかわらず所望の電流値を出力するようにしている。
【0043】
図4は入出力制御部(図1では、制御部と記し、図4では入出力制御と記している)20の構成を表すブロック図である。
図4において、入出力制御部20は、CPU21、ROM22、RAM23、不揮発RAM24及びI/O制御部25を備えている。CPU21は、プリンタ200を制御する不図示のエンジン制御部からの制御命令、ROM22に格納されたプログラム、不揮発性RAM24に格納されたプログラム及びデータに従って、センサ516、5V系負荷34及び24V系負荷35に対する入出力制御を実行し、また、電源装置の制御を実行する。ROM22は、CPU21を動作させるためのプログラムを格納し、RAM23はCPU21のワークメモリとして使用される。不揮発RAM24は、各負荷の動作状態や各動作モードにおける消費電力データを格納した消費電力テーブル、及び各動作モードにおける印刷処理に要する時間データを格納した印刷処理時間テーブルなどを記憶する。I/O制御部25はフルカラーデジタル複合機MF1の各センサ2516の入力読み込みを制御し、5V系負荷34及び24V系負荷35の個々の駆動を制御する。
【0044】
入出力制御部20は、エンジン制御部の画像読み込み、印刷、複写等のプロセス制御、シーケンス制御に伴う指示に従って、センサ516、及び5V系負荷34及び24V系負荷35への入出力制御及び電源制御を行っており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷を動作させる。また、入出力制御部20は、キャパシタ37の充放電の制御も行っており、装置の立ち上げ時、及び立ち上げ後所定の時間までの期間は、SW素子71をオフにし、負荷電流検出器33を介して、キャパシタ37に蓄積された電力を24V系負荷35に給電する。このとき商用AC電源27からの供給電力に対して生じる余裕分によって、定着加熱装置36への供給電力量を増大させる。
【0045】
図5は図3に示す定電圧電源30、定電流電源26、負荷電流検出器33及び電流指示器64の詳細な構成を示すブロック図である。
【0046】
図5において、定電圧電源30は、負荷電流検出器33に含まれる負荷電流検出抵抗60の24V系負荷35側の電圧を分圧抵抗85,86により分圧した電圧検出信号をシャントレギュレータ87により、該基準電圧と比較/増幅し、フォトカプラ88により絶縁してPWMコントローラ83bに定電圧フィードバック信号として与える構成とし、24V系負荷35に供給する直前の電源電圧を定電圧制御する。
【0047】
キャパシタ37は、本実施形態では、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタは耐圧が低く、使用上の充電上限電圧は2.5Vである。そのため高い電圧を得るためには、何個も直列に接続する必要がある。しかし、小容量のキャパシタを沢山直列にするよりも大容量のキャパシタを少なく使った方が、同じ容量を低コストで得ることができる。24V系負荷35に給電するため電気二重層キャパシタを直列数9個以下で用いる場合は、充電上限電圧22.5V以下になるので、昇圧レギュレータを用いて定電流電源26を構成する必要がある。そこで本実施形態では、昇圧レギュレータ40でキャパシタ37の電力を昇圧して定電流出力する。
【0048】
昇圧レギュレータ40の半導体スイッチ41は、PWMコントローラ42の出力PWMパルスのH期間に導通(オン)し、L期間は非導通(オフ)となる。スイッチ41が導通するとキャパシタ37からリアクトル43及びスイッチ41に電流が流れ、リアクトル43が蓄電し、スイッチ41が非導通に転換したときにリアクトル43の蓄電電力が高圧となってダイオード44を通してキャパシタ45を高圧充電する。スイッチ41のPWMパルス周期のON/OFFの繰り返しにより、キャパシタ45の電圧が上昇し、電流検出抵抗47を通して、また負荷電流検出器33の電流検出抵抗60を通して24V系負荷35に給電する。
【0049】
負荷電流検出器33は、電流検出抵抗60の両端電位差を差動増幅器61で増幅して、負荷電流値に比例する負荷電流信号を発生し、電流指示器64に出力(印加)する。
【0050】
電流指示器64は、入出力制御部20が与える電流上限値指示データMCDをD/Aコンバータ65で上限指示信号(電圧)にアナログ変換し、差動増幅器66で、「負荷電流検出値−上限指示値」を演算し、演算結果を表す差分電圧を、定電流電源26に、電流指示信号として出力する。すなわち、電流指示器64は、24V系負荷電流検出器から、入出力制御部20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値を差し引いた差分値を、定電流電源26が負担すべき目標値として、その分の電流出力を定電流電源26に指示する。
【0051】
定電流電源26は、電流検出抵抗47の両端の電位差を差動増幅器48で増幅して、出力電流値に比例する出力電流信号を発生し、差動増幅器50に与える。そして差動増幅器50は、出力電流信号から、電流指示器64が与える目標電流値の差分を増幅し、さらに、バイアス回路が与える電圧分を加算して、PWMコントローラ42に、PWMパルスのデューティ指示信号として与える。
【0052】
PWMコントローラ42は、デューティ指示信号として指定されるデューティに、半導体スイッチ41をオン/オフ駆動するPWMパルスのデューティを定める。すなわち、電流指示器64の出力信号が高くなって差動増幅器50の出力電圧が上昇すると、PWMパルスのデューティを高くする。これにより昇圧レギュレータ40の出力電流値が増大する。これに応じて電流検出抵抗47の電圧降下が増大し、出力電流検出信号のレベルが上昇して差動増幅器50の出力電圧が低下すると、PWMパルスのデューティが低くなる。その結果、昇圧レギュレータ40の出力電流値が低下する。このようなフィードバックPWM制御により、昇圧レギュレータ40の出力電流値が、電流指示器64が与える24V系負荷電流検出値から入出力制御部20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値MCDを減算した差分に相当する値となる。
【0053】
以上は補助電源32の使用時の動作であるが、以降は、補助電源32の未使用時の動作について説明する。
補助電源32の未使用時において負荷電流検出抵抗60と並列に設けられたSW素子71は、導通(オン)される。電流は抵抗値の小さい経路を通るため、負荷電流検出抵抗60より小さい抵抗値としたSW素子71を通して負荷に電力を供給することとなり、電源供給ラインで消費される電力損失を、補助電源使用時に比べ抑えることが可能となる。ここでは、電源供給ラインで消費される電力損失を通常システムと同等にすることができる。そのためSW素子71のOFFからONにするタイミングとしては、24V系負荷35が軽負荷時(システムの待機モード時等)に行うようにするとよく、このようにすると、SW素子(リレー)71ON時の突入電流を抑えることができ、リレー溶着等の問題発生を防ぐことが可能となる。
【0054】
また、電力損失を低減するため、SW素子71はできるだけ抵抗値の小さいものを使用するとよい。そこで、本実施形態では、リレーを使用している。
【0055】
さらに、蓄電装置未使用時において、SW素子(リレー)71自体のON駆動のための消費電力を抑えるため、ノーマリークローズ型のリレーとしている。
【0056】
図6は図5に示した図3の要部構成の変形例を示すブロック図である。
図6に係る定電圧電源30、定電流電源26、負荷電流検出器33及び電流指示器64の詳細な構成を示すブロック図から分かるように、図6の変形例は図5の構成に対して補助電源のPWMコントローラ42に与えていた出力ON/OFF信号を削除したもので、これ以外の構成については、図5に示した構成と同一である。このように構成すると、SW素子(リレー)71の接点抵抗は電流検出抵抗33の抵抗値以下であり、リレー導通(オン)時には、高負荷時であっても負荷電流検出器33は低負荷と判断し動作する。すなわちリレー導通(オン)時には、補助電源32からの電力供給は停止される。この構成は、このような特性動作を利用したもので、SW素子(リレー)71のON/OFFにより、補助電源装置の出力ON/OFFも同時に制御する構成となる。
【0057】
図5に示した構成では、定電流電源30のPWMコントローラ42に設けられたON/OFF端子(スイッチ41)を使用することにより、蓄電装置の出力ON/OFFを制御している。その結果、本変形例によれば、消費電力の低減機能(SW素子71、及びSW素子71のON/OFF制御回路)追加によるシステムの複雑化を招くことなく、電力損失を抑えることができる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、
1)キャパシタ37の未使用時は、電流検出抵抗60と並列に設けたSW素子(リレー)71を介して、24V系負荷35に電力を供給するので、電力損失を抑えることができる。
【0059】
2)また、前記SW素子71のON/OFFにより、キャパシタ37を電源とする補助電源32の出力もON/OFFするので、キャパシタ出力の補助電源におけるON/OFF回路構成の複雑化を招くことがない。
などの効果を奏する。
【0060】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
27 商用AC電源
29 主電源
32 補助電源
33 負荷電流検出器
37 キャパシタ
60 負荷電流検出抵抗
71 SW素子
MF1 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2007−236159号公報
【特許文献2】特開2007−236159号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び画像形成装置に係り、特に、外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の電源、蓄電装置、及び該蓄電装置の電力を入力源に用いる電源の2つの電源を有する電源装置及び、当該電源装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真プロセスを利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらを組み合わせた複合機は多機能化しており、これに伴って構造も複雑化して最大消費電力が増大する傾向となっている。また、定着装置の立ち上がりまでの待ち時間、プリントあるいはコピー動作中における定着温度低下による動作の一時中断など画像形成装置自体の要因や操作者の待ち時間を少なくするため、定着ヒータへの供給電力を増大する傾向となっている。これに対して通常の電源ラインから供給可能な電力には制限があるので、これが機器を設計する上での大きな制約となっている。
【0003】
そこで、電源ラインの最大供給可能電力を越えないようにするため、蓄電装置を設けた発明が提案されている(例えば特許文献1あるいは2)。このうち、特許文献1(特開2007−236159号公報)には、第1電源と第2電源の出力を同時に負荷に給電する電源装置の負荷印加電圧の安定化と負荷が変動する場合の負荷印加電圧の変動を抑制するため、外部から供給される電力を入力源に用いて負荷に給電する定電圧出力の第1電源と、前記負荷を流れる負荷電流値を電流値信号に変換する変換手段を含み、該電流値信号が表す負荷電流値の、第1電源の出力電流の上限指示値を越える不足分を補うための制御信号を発生する信号発生手段と、蓄電装置と、該蓄電装置の電力を入力源に用い、前記制御信号に応じて前記負荷に給電する定電流出力の第2電源とを備え、前記第1電源が前記変換手段の電流検出位置よりも前記負荷側の給電線の電圧を設定値に一定化するように第1電源の出力電圧を制御する発明が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開平3−203516号公報)には、抵抗の発熱を防止して抵抗の発熱を防止するため、負荷に直列に接続され、負荷に流れる電流を検出する抵抗の保護回路であって、該抵抗に並列に接続されたスイッチング手段と、該抵抗に所定値以上に電流が流れたことを検出する過電流検出手段と、該過電流検出手段により前記抵抗に過電流が流れたことを検出すると前記スイッチング手段をオン状態に保持する保持手段と、を備えた発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、特許文献1記載の発明は、DC電源とキャパシタ電源を並列に接続し、この両電源から二次負荷に電力を供給し、負荷へ印加する電圧の安定性を高めるようになっており、特許文献2記載の発明は、抵抗と並列に接続されたスイッチング手段と過電流検出手段とスイッチング手段をONにする手段とを備え、抵抗の発熱を防止するようになっている。
【0006】
しかし、前者では、キャパシタシステムの出力ON/OFF回路の別途切り換えの回路が必要であり、回路構成が複雑となっていた。また、後者では、常時電流検出抵抗を介して、二次負荷に電力を供給することとなり、蓄電装置未使用時においても、電力損失が大きくなっていた。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、蓄電装置未使用時において電力損失が大きくならないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、第1の手段は、外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の第1電源と、外部から供給される電力を蓄電する蓄電装置及び当該蓄電装置の電力を入力源に用いる第2電源と、を有し、前記第1電源の出力と第2電源の出力とを並列に接続し、前記第1電源からの電力と前記第2電源からの電力を同時に負荷に供給する電源装置であって、前記負荷の前段に前記負荷に流れる電流を検出する負荷電流検出手段及び当該負荷電流検出手段に対して並列に設けられたスイッチング手段を備え、前記蓄電装置未使用時は、前記スイッチング手段を介して前記負荷に電力を供給することを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記第2電源の出力は、前記スイッチング手段のON/OFFに連動してON/OFFされることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第2の手段において、前記スイッチング手段のOFFタイミングは、軽負荷時に設定されていることを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記スイッチング手段はリレーを含むことを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第4の手段において、前記リレーはノーマリークローズであることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段に係る電源装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
【0014】
なお、後述の実施形態では、外部から供給される電力は商用AC電源27に、第1電源は主電源29に、蓄電装置はキャパシタ37に、第2電源は補助電源32に、負荷電流検出手段は負荷電流検出抵抗60及び負荷電流検出器33に、スイッチング手段はSW素子71に、画像形成装置はMF1に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓄電装置未使用時において電力損失が大きくならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル複合機とパーソナルコンピュータを含む画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1のデジタル複合機のプリンタの構成を示す概略構成図である。
【図3】電源装置の構成を示すブロック図である。
【図4】入出力制御部の構成を表すブロック図である。
【図5】図3に示す定電圧電源、定電流電源、負荷電流検出器及び電流指示器の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した図3の要部構成の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、蓄電装置未使用時は、電流検出抵抗と並列に設けたスイッチング手段を介して24V負荷に電力を供給し、スイッチング手段のON/OFFは、キャパシタシステムの出力ON/OFFを兼ねるようにしたことを特徴とする。
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に解説する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機MF1とパーソナルコンピュータPCを含む画像形成システムの概略構成を示す図である。
【0020】
同図において、本実施形態に係るデジタル複合機MF1は4色のトナーを使用して画像を形成するカラーデジタル複合機で、大略、自動原稿送り装置(ADF)120、操作ボード10、スキャナ100及びプリンタ200の各ユニットを備えている。スキャナ100とプリンタ200は、カラー画像を読み取り、カラー画像を形成することからそれぞれカラースキャナであり、カラープリンタである。なお、操作ボード10と、ADF120付きのスキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットである。カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力及びコントローラを有する制御ボードを備え、制御ボード上のコントローラがエンジンコントローラと直接又は間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
【0021】
なお、デジタル複合機MF1はパーソナルコンピュータPCのプリンタとして機能し、また、プライベートネットワークPN及び構内交換機PBX(Private Branch eXchange)を介してネットワークを介した通信を行う。
【0022】
図2は図1のデジタル複合機MF1のプリンタ200の構成を示す概略構成図である。
同図において、このプリンタ200は、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)及び黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa,b,c,dが、第1転写ベルト(中間転写ベルト)208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。すなわち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体(ドラム)201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202及び現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が前記M,C,Y,Kのように4色設定され、その点が異なるだけである。MCYKの各感光体201の一部が、第1転写ベルト208に接している。なお、感光体としては、ドラムに代えてベルト状の感光体も使用することができる。
【0023】
第1転写ベルト208は1つの駆動ローラと2つの支持ローラ間に張設され、矢印D1方向に回転する。第1転写ベルト208の裏側(ループの内側)には、第1転写ローラ211が感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側であって、第2転写ローラ212の下流側に、第1転写ベルト208用のクリーニング装置213が配備されている。クリーニング装置213は、第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルト215にトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。
【0024】
露光装置203は公知のポリゴンミラー及び結像光学系を使用してレーザ書き込みを行う光書き込み方式の露光装置であり、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された各感光体表面に潜像として照射する。なお、ポリゴン光学系に代えてLEDアレイと結像光学系を使用した露光装置を使用することもできる。
【0025】
また、図2において、第1転写ベルト208の右方には、2次転写装置220が設けられている。2次転写装置220は、第1転写ベルト208に接触する第2転写ベルト215を含み、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215には転写ニップが形成され、当該ニップ形成位置が2次転写位置となる。第2転写ベルト215は矢印D2方向に移動可能に、駆動ローラと支持ローラ間に張設され、裏側(ループの内側)には、第2転写ローラ212が配置されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置216、チャージャ217等が設けられている。クリーニング装置216は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。
【0026】
用紙は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚ずつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方には、定着装置214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーを収納するトナーボトル収納部227が設けてある。トナーは使用されるマゼンタM、シアンC、イエローY、ブラックKの4色が、カートリッジの形態で収納され、粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
【0027】
ここで両面印刷のときの各部の動作は以下のようにして行われる。両面印刷では、まず感光体201で作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。
【0028】
感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印D1の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。
【0029】
このとき同期して第2転写ベルト215は矢印D2方向に移動していて、第2転写ローラ212の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。
【0030】
いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット209又は210内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233のニップまで搬送される。用紙はレジストローラ233のニップで第1転写ベルト208に1次転写された4色の画像が重畳された画像の先頭位置を、同期を取ってレジストローラ233から2次転写位置に送り出される。2次転写位置では、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の一方の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手ローラ212の作用により転写される。さらに用紙は上方に搬送され、前述のようにして第2転写ベルト215表面にすでに転写されているトナー像が、チャージャ217により用紙の他方の面に転写される。転写に際して、用紙は両面の画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
【0031】
このようにして両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により筐体上部の排紙トレイ(排紙スタック)226に排出される。図2のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体201表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体201表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ上でのメモリに対する画像データの読み書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ、回収ローラ、ブレード等を備えたクリーニング装置216が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
【0032】
図2では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。
【0033】
以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
【0034】
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、その後、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙トレイ226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面が存在する。後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面が存在する。
【0035】
図3は電源装置の構成を示すブロック図である。
図3において、電源装置は、主電源29、主電源SW(スイッチ)28、商用AC電源27、補助電源32、入出力制御(部)20、24V系負荷35、5V系負荷34、電流指示器64及び定着加熱装置36から基本的に構成されている。
【0036】
電源装置では、主電源SW28のオンにより、商用AC電源27が主電源29及び補助電源32に供給される。その商用AC電源27から、主電源29のAC制御回路である定着電源31及び定電圧電源(AC/DCコンバータ)30、ならびに補助電源32のキャパシタ充電器38に商用AC電圧27が印可される。定着電源31は、入出力制御20から与えられる電力指示信号で指定される電力範囲内で、温度検出70から与えられる定着温度信号を使用して定着器温度をフィードバック制御する。
【0037】
主電源29の第1電源である定電圧電源30は、ブリッジ整流器80、絶縁型スイッチング回路81及び整流平滑回路82により商用ACをDCに変換し、絶縁型誤差増幅器83を介してPWMコントローラ84に与えられる電圧検出信号を使用した定電圧フィードバック制御で5Vと24Vの2系統のDC定電圧を発生して、5V系負荷34と24V系負荷35に出力する。なお、図3では。絶縁型スイッチング回路81、整流平滑回路82、絶縁型誤差増幅器83及びPWMコントローラ84については、24V系負荷35には添え字aを、5V系負荷34には添え字bを付して区別している。
【0038】
このとき、24V系の電圧検出信号(フィードバック信号)は、負荷電流検出器33から電流指示器64に出力される。後述するが、負荷電流検出器33は、電源ラインに数mΩの抵抗をシリーズ接続しているため、電圧検出信号(フィードバック信号)取り込み部の後段に負荷電流検出器33を設けた場合には、システムに供給する電源電圧が変動してしまう。例えば、負荷電流検出器33の電流検出抵抗に10mΩの抵抗を接続し、負荷が5Aから15Aに変化した場合には、0.1V(10mΩ×(15A−5A))の変動が発生することとなる。さらに、主電源29の外部に負荷電流検出器33の電流検出抵抗を付加した場合には、配線抵抗の影響により、これ以上の変動が発生することとなる。そこで、以上の電流検出抵抗付加によるDC負荷供給電源電圧の変動を防止するため、抵抗を介した後の電圧をフィードバック制御する構成としている。
【0039】
また、主電源29は、負荷電流検出器33と並列にSW素子71を設けた構成としている。負荷電流検出器33を介して、24V系負荷35に電源を供給した場合には、負荷電流検出器33自体で消費される電力(例えば電流検出抵抗に10mΩの抵抗を接続し、負荷が10Aの場合には1W(10mΩ×10A×10A))が発生し、通常システムと比較し電力損失が大きくなる。これを抑えるため、補助電源32から電力供給を行わない期間においては、前記SW素子71をオンにして、負荷電流検出器33を介さずに24V系負荷35に電源を供給する構成としている。
【0040】
補助電源32は、本実施形態では、キャパシタ充電器38、それによって充電されるキャパシタ37、及びキャパシタ電力を24V系負荷35への給電ラインに定電流出力する第2電源である定電流電源26で構成される。補助電源32を24V系負荷35に給電しているのは、定着加熱装置36への供給電力量の増大分を補助電源が負担する必要があり、この負担させようとしている電力量以上の消費がある電源ラインに補助電源32を供給する必要があるためである。そのため本実施形態では、定着加熱装置36への供給電力量の増大分(例えば300W)を考慮し、5V系負荷34(例えば100W)より消費電力量が大きい24V系負荷35(例えば500W)に補助電源32を給電する構成としている。定着加熱装置36への供給電力量の増大分が小さい場合や、5V系負荷34の消費電力量が大きい場合には、5V系負荷34に補助電源32を給電させる構成とすることも可能である。
【0041】
負荷電流検出器33は、定電圧電源30(第1電源)及び定電流電源26(第2電源)が同時に供給する電流値の和である24V系負荷電流値を検出して電流検出信号を電流指示器64に与える。また、電流指示器64には、入出力制御(部)20が、定電圧電源30の出力電流上限値を指定する上限指示データMCDを与える。電流指示器64は24V系負荷電流値より上限指示値を減算した値(=定電流電源26の出力電流指示値)を示す電流指示信号を定電流電源26に与える。定電流電源26は、電流指示器64が出力する該電流指示信号によって指示された電流値を目標値とする定電流制御によって、キャパシタ37の電力を24V系負荷ラインに定電流給電する。
【0042】
補助電源32のキャパシタ37は電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタで構成される。電気二重層コンデンサ以外にも種々の選択が可能であるが、本実施形態では、短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いた。電気二重層コンデンサの特徴として放電するに従い端子電圧(キャパシタ電圧)が低くなってしまうため、定電流電源26をキャパシタ37の後段に配置することにより、キャパシタ電圧の変動にもかかわらず所望の電流値を出力するようにしている。
【0043】
図4は入出力制御部(図1では、制御部と記し、図4では入出力制御と記している)20の構成を表すブロック図である。
図4において、入出力制御部20は、CPU21、ROM22、RAM23、不揮発RAM24及びI/O制御部25を備えている。CPU21は、プリンタ200を制御する不図示のエンジン制御部からの制御命令、ROM22に格納されたプログラム、不揮発性RAM24に格納されたプログラム及びデータに従って、センサ516、5V系負荷34及び24V系負荷35に対する入出力制御を実行し、また、電源装置の制御を実行する。ROM22は、CPU21を動作させるためのプログラムを格納し、RAM23はCPU21のワークメモリとして使用される。不揮発RAM24は、各負荷の動作状態や各動作モードにおける消費電力データを格納した消費電力テーブル、及び各動作モードにおける印刷処理に要する時間データを格納した印刷処理時間テーブルなどを記憶する。I/O制御部25はフルカラーデジタル複合機MF1の各センサ2516の入力読み込みを制御し、5V系負荷34及び24V系負荷35の個々の駆動を制御する。
【0044】
入出力制御部20は、エンジン制御部の画像読み込み、印刷、複写等のプロセス制御、シーケンス制御に伴う指示に従って、センサ516、及び5V系負荷34及び24V系負荷35への入出力制御及び電源制御を行っており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷を動作させる。また、入出力制御部20は、キャパシタ37の充放電の制御も行っており、装置の立ち上げ時、及び立ち上げ後所定の時間までの期間は、SW素子71をオフにし、負荷電流検出器33を介して、キャパシタ37に蓄積された電力を24V系負荷35に給電する。このとき商用AC電源27からの供給電力に対して生じる余裕分によって、定着加熱装置36への供給電力量を増大させる。
【0045】
図5は図3に示す定電圧電源30、定電流電源26、負荷電流検出器33及び電流指示器64の詳細な構成を示すブロック図である。
【0046】
図5において、定電圧電源30は、負荷電流検出器33に含まれる負荷電流検出抵抗60の24V系負荷35側の電圧を分圧抵抗85,86により分圧した電圧検出信号をシャントレギュレータ87により、該基準電圧と比較/増幅し、フォトカプラ88により絶縁してPWMコントローラ83bに定電圧フィードバック信号として与える構成とし、24V系負荷35に供給する直前の電源電圧を定電圧制御する。
【0047】
キャパシタ37は、本実施形態では、電気二重層キャパシタである。電気二重層キャパシタは耐圧が低く、使用上の充電上限電圧は2.5Vである。そのため高い電圧を得るためには、何個も直列に接続する必要がある。しかし、小容量のキャパシタを沢山直列にするよりも大容量のキャパシタを少なく使った方が、同じ容量を低コストで得ることができる。24V系負荷35に給電するため電気二重層キャパシタを直列数9個以下で用いる場合は、充電上限電圧22.5V以下になるので、昇圧レギュレータを用いて定電流電源26を構成する必要がある。そこで本実施形態では、昇圧レギュレータ40でキャパシタ37の電力を昇圧して定電流出力する。
【0048】
昇圧レギュレータ40の半導体スイッチ41は、PWMコントローラ42の出力PWMパルスのH期間に導通(オン)し、L期間は非導通(オフ)となる。スイッチ41が導通するとキャパシタ37からリアクトル43及びスイッチ41に電流が流れ、リアクトル43が蓄電し、スイッチ41が非導通に転換したときにリアクトル43の蓄電電力が高圧となってダイオード44を通してキャパシタ45を高圧充電する。スイッチ41のPWMパルス周期のON/OFFの繰り返しにより、キャパシタ45の電圧が上昇し、電流検出抵抗47を通して、また負荷電流検出器33の電流検出抵抗60を通して24V系負荷35に給電する。
【0049】
負荷電流検出器33は、電流検出抵抗60の両端電位差を差動増幅器61で増幅して、負荷電流値に比例する負荷電流信号を発生し、電流指示器64に出力(印加)する。
【0050】
電流指示器64は、入出力制御部20が与える電流上限値指示データMCDをD/Aコンバータ65で上限指示信号(電圧)にアナログ変換し、差動増幅器66で、「負荷電流検出値−上限指示値」を演算し、演算結果を表す差分電圧を、定電流電源26に、電流指示信号として出力する。すなわち、電流指示器64は、24V系負荷電流検出器から、入出力制御部20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値を差し引いた差分値を、定電流電源26が負担すべき目標値として、その分の電流出力を定電流電源26に指示する。
【0051】
定電流電源26は、電流検出抵抗47の両端の電位差を差動増幅器48で増幅して、出力電流値に比例する出力電流信号を発生し、差動増幅器50に与える。そして差動増幅器50は、出力電流信号から、電流指示器64が与える目標電流値の差分を増幅し、さらに、バイアス回路が与える電圧分を加算して、PWMコントローラ42に、PWMパルスのデューティ指示信号として与える。
【0052】
PWMコントローラ42は、デューティ指示信号として指定されるデューティに、半導体スイッチ41をオン/オフ駆動するPWMパルスのデューティを定める。すなわち、電流指示器64の出力信号が高くなって差動増幅器50の出力電圧が上昇すると、PWMパルスのデューティを高くする。これにより昇圧レギュレータ40の出力電流値が増大する。これに応じて電流検出抵抗47の電圧降下が増大し、出力電流検出信号のレベルが上昇して差動増幅器50の出力電圧が低下すると、PWMパルスのデューティが低くなる。その結果、昇圧レギュレータ40の出力電流値が低下する。このようなフィードバックPWM制御により、昇圧レギュレータ40の出力電流値が、電流指示器64が与える24V系負荷電流検出値から入出力制御部20が指示する定電圧電源30の出力電流上限値MCDを減算した差分に相当する値となる。
【0053】
以上は補助電源32の使用時の動作であるが、以降は、補助電源32の未使用時の動作について説明する。
補助電源32の未使用時において負荷電流検出抵抗60と並列に設けられたSW素子71は、導通(オン)される。電流は抵抗値の小さい経路を通るため、負荷電流検出抵抗60より小さい抵抗値としたSW素子71を通して負荷に電力を供給することとなり、電源供給ラインで消費される電力損失を、補助電源使用時に比べ抑えることが可能となる。ここでは、電源供給ラインで消費される電力損失を通常システムと同等にすることができる。そのためSW素子71のOFFからONにするタイミングとしては、24V系負荷35が軽負荷時(システムの待機モード時等)に行うようにするとよく、このようにすると、SW素子(リレー)71ON時の突入電流を抑えることができ、リレー溶着等の問題発生を防ぐことが可能となる。
【0054】
また、電力損失を低減するため、SW素子71はできるだけ抵抗値の小さいものを使用するとよい。そこで、本実施形態では、リレーを使用している。
【0055】
さらに、蓄電装置未使用時において、SW素子(リレー)71自体のON駆動のための消費電力を抑えるため、ノーマリークローズ型のリレーとしている。
【0056】
図6は図5に示した図3の要部構成の変形例を示すブロック図である。
図6に係る定電圧電源30、定電流電源26、負荷電流検出器33及び電流指示器64の詳細な構成を示すブロック図から分かるように、図6の変形例は図5の構成に対して補助電源のPWMコントローラ42に与えていた出力ON/OFF信号を削除したもので、これ以外の構成については、図5に示した構成と同一である。このように構成すると、SW素子(リレー)71の接点抵抗は電流検出抵抗33の抵抗値以下であり、リレー導通(オン)時には、高負荷時であっても負荷電流検出器33は低負荷と判断し動作する。すなわちリレー導通(オン)時には、補助電源32からの電力供給は停止される。この構成は、このような特性動作を利用したもので、SW素子(リレー)71のON/OFFにより、補助電源装置の出力ON/OFFも同時に制御する構成となる。
【0057】
図5に示した構成では、定電流電源30のPWMコントローラ42に設けられたON/OFF端子(スイッチ41)を使用することにより、蓄電装置の出力ON/OFFを制御している。その結果、本変形例によれば、消費電力の低減機能(SW素子71、及びSW素子71のON/OFF制御回路)追加によるシステムの複雑化を招くことなく、電力損失を抑えることができる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、
1)キャパシタ37の未使用時は、電流検出抵抗60と並列に設けたSW素子(リレー)71を介して、24V系負荷35に電力を供給するので、電力損失を抑えることができる。
【0059】
2)また、前記SW素子71のON/OFFにより、キャパシタ37を電源とする補助電源32の出力もON/OFFするので、キャパシタ出力の補助電源におけるON/OFF回路構成の複雑化を招くことがない。
などの効果を奏する。
【0060】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
27 商用AC電源
29 主電源
32 補助電源
33 負荷電流検出器
37 キャパシタ
60 負荷電流検出抵抗
71 SW素子
MF1 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2007−236159号公報
【特許文献2】特開2007−236159号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の第1電源と、
外部から供給される電力を蓄電する蓄電装置及び当該蓄電装置の電力を入力源に用いる第2電源と、
を有し、
前記第1電源の出力と第2電源の出力とを並列に接続し、前記第1電源からの電力と前記第2電源からの電力を同時に負荷に供給する電源装置であって、
前記負荷の前段に前記負荷に流れる電流を検出する負荷電流検出手段及び当該負荷電流検出手段に対して並列に設けられたスイッチング手段を備え、
前記蓄電装置未使用時は、前記スイッチング手段を介して前記負荷に電力を供給すること
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置であって、
前記第2電源の出力は、前記スイッチング手段のON/OFFに連動してON/OFFされること
を特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2記載の電源装置であって、
前記スイッチング手段のOFFタイミングは、軽負荷時に設定されていること
を特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電源装置であって、
前記スイッチング手段はリレーを含むこと
を特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4記載の電源装置であって、
前記リレーはノーマリークローズであること
を特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載の電源装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
外部から供給される電力を入力源に用いる定電圧出力の第1電源と、
外部から供給される電力を蓄電する蓄電装置及び当該蓄電装置の電力を入力源に用いる第2電源と、
を有し、
前記第1電源の出力と第2電源の出力とを並列に接続し、前記第1電源からの電力と前記第2電源からの電力を同時に負荷に供給する電源装置であって、
前記負荷の前段に前記負荷に流れる電流を検出する負荷電流検出手段及び当該負荷電流検出手段に対して並列に設けられたスイッチング手段を備え、
前記蓄電装置未使用時は、前記スイッチング手段を介して前記負荷に電力を供給すること
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置であって、
前記第2電源の出力は、前記スイッチング手段のON/OFFに連動してON/OFFされること
を特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2記載の電源装置であって、
前記スイッチング手段のOFFタイミングは、軽負荷時に設定されていること
を特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電源装置であって、
前記スイッチング手段はリレーを含むこと
を特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項4記載の電源装置であって、
前記リレーはノーマリークローズであること
を特徴とする電源装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載の電源装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【公開番号】特開2012−175865(P2012−175865A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37388(P2011−37388)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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