説明

電磁波発生装置およびX線撮像システム

【課題】X線光源サイズが数μmのコンパクトで、X線ターゲットの放熱効果が大きく低コストな高輝度大強度のX線源を得る。
【解決手段】荷電粒子発生手段、荷電粒子加速手段、偏向磁界発生手段および荷電粒子の安定周回軌道上に配置されたX線ターゲットを有する円形加速器において、上記X線ターゲット14を、先端が直径10μm程度の針状に尖った金属棒とし、針状突起部の方向を荷電粒子が周回している方向に対し垂直方向とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷電粒子を高エネルギーに加速する加速器を用い、この加速した荷電粒子をターゲットに衝突させてX線等の電磁波を発生させる電磁波発生装置および電磁波発生装置を用いたX線撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
円形加速器を利用した従来の電磁波発生装置には、電子蓄積リングを利用した装置等が知られている。電子蓄積リングを利用した電磁波発生装置は、入射器と電子蓄積リングから構成されており、所定のエネルギーにまで加速された電子ビームが入射器から電子蓄積リングに入射され、電子蓄積リング内の一定軌道上を周回する。周回軌道上にはターゲットが配置されており、周回する電子ビームとの衝突により、X線等の電磁波が発生するようになっている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特許第2796071号公報(特に段落番号0048)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような電子蓄積リングを利用した電磁波発生装置(特許文献1)では、電子ビームをターゲットに繰り返し衝突させる為に、X線ターゲットとしてタングステンワイヤーやカーボン薄膜を用いていた。しかも周回する電子ビームとの衝突により発生するX線の光源サイズを10μm程度にするには、ワイヤー径は10μm程度、薄膜の厚さは10μm程度にする必要があった。その場合、ワイヤー径や薄膜厚が小さいと、熱伝導による除熱効果が小さく、例えばワイヤー支持部を冷却しても、冷却効果は殆どない。よって、ターゲット部に電子ビームが衝突した時の温度上昇が非常に大きく、ワイヤーや薄膜が溶けてしまうという課題があった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、従来に比べて強度の強い電子ビームが衝突しても溶けることのないX線ターゲットを提供し、結果的に高強度のX線の発生が可能な電磁波発生装置、及び、前記電磁波発生装置を用いたX線撮像システムを実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の電磁波発生装置は、荷電粒子を発生させる荷電粒子発生手段と、この荷電粒子発生手段で発生した荷電粒子を加速する加速手段と、この加速手段で加速された荷電粒子を偏向させて周回軌道上を周回させる偏向磁界発生手段と、先端が針状に尖った金属棒で構成され、前記偏向磁界発生手段により周回している荷電粒子を前記金属棒の先端に衝突させてX線を発生させるターゲットとを備えたものである。
【0006】
この発明のX線撮像システムは、荷電粒子を発生させる荷電粒子発生手段と、この荷電粒子発生手段で発生した荷電粒子を加速する加速手段と、この加速手段で加速された荷電粒子を偏向させて周回軌道上を周回させる偏向磁界発生手段と、先端が針状に尖った金属棒で構成され、前記偏向磁界発生手段により周回している荷電粒子を前記金属棒の先端に衝突させてX線を発生させるターゲットとを有する電磁波発生装置、この電磁波発生装置で発生したX線を被照射体に照射してその撮影画像を検出する撮像検出器、およびこの撮像検出器で検出した画像を処理して前記被照射体の透視画像を得るデータ処理装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ターゲットが針状に尖った金属棒で構成されているため、電子ビームはターゲット先端の針状部に衝突してX線の光源サイズを小さく出来、一方電子ビームの衝突による温度上昇はターゲットの根元部の径の大きい箇所で除熱されるので、大強度の荷電粒子をX線ターゲットに衝突させることが可能となり、大強度の微小光源サイズのX線を発生させることができる電磁波発生装置が得られる。
またこの発明の電磁波発生装置をX線撮像システムに用いることにより、X線の屈折の差を用いた屈折コントラスト撮像が可能となり、コンパクトで低コストなX線撮像システムを実現でき、数mm程度の微小ながんを、低被曝線量で識別することができる。また、原子番号の近い2つの物質でも屈折効果の差は従来の吸収効果の差より数100倍程度大きく、その透視識別が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1から図4を用いてこの発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1では荷電粒子として電子ビームを加速し、ターゲットに衝突させることでX線を発生させる電磁波発生装置に関し記述する。
図1はこの発明の実施の形態1による電磁波発生装置の断面図で、電子ビームが周回する電子ビーム軌道平面上で断面化したものである。図2は図1のII−II線における断面図で、この発明の実施の形態1によるX線ターゲットの構成図である。図3はこの発明の実施の形態1によるX線ターゲットに荷電粒子ビームが近づいていくことを示す説明図である。図4はこの発明の実施の形態1によるX線ターゲットに荷電粒子ビームが近づいていく時の荷電粒子の垂直方向の振動の様子を示す説明図である。
【0009】
図1において、荷電粒子発生手段11は電子銃を有して荷電粒子(電子ビーム)を発生するものである。荷電粒子加速手段12は磁界を発生して、それに基づく電界により電粒子発生手段11で発生した荷電粒子(電子ビーム)を加速するものである。偏向磁界発生手段13は荷電粒子加速手段12で加速された荷電粒子を磁界により偏向させて、加速周回軌道15上を周回させるもので、複数個(図示では4個)設けられている。X線ターゲット14は図2で詳述するように、先端が針状に尖った金属棒で構成され、偏向磁界発生手段13により周回している荷電粒子を前記金属棒の先端に衝突させてX線を発生させるものである。なおX線ターゲット14は図示では1個であるが、荷電粒子の周回軌道上に複数個設けてもよい。真空ダクト16は加速している荷電粒子を高真空に保持するもので、荷電粒子(電子ビーム)が周回するよう円環状に構成されている。
【0010】
荷電粒子発生手段11は荷電粒子の加速周回軌道15の外側に設置され、荷電粒子は反時計方向に周回されるようになっている。またX線ターゲット14は荷電粒子の周回軌道上の内側に配置され、ターゲットの針状先端部の方向を、荷電粒子が前記ターゲットの外側を周回している時には外側に向けて配置されている。また荷電粒子加速手段12は装置の中央に配置されている。そして上記荷電粒子発生手段11、荷電粒子加速手段12、偏向磁界発生手段13、X線ターゲット14、真空ダクト16で円形加速器が構成される。
【0011】
上記構成において、荷電粒子発生手段11で発生したパルス幅数μ秒の電子ビームは、偏向磁界発生手段13で偏向を受けることにより真空ダクト16内を周回しながら荷電粒子加速手段12の磁界で誘起される電界により図の周方向に加速される。こうして電子ビームは、荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13との相互作用により荷電粒子の加速軌道15上を周回する。
本装置内の電子ビームは偏向磁界発生手段13の部分で略円弧軌道に沿って、偏向磁界発生手段13がない部分は直線に近い軌道に沿って走行し、両軌道を合わせて周回軌道を構成する。偏向磁界発生手段13の磁極端と電子ビームの進行方向のなす角度は90度ではなく、電子ビームは磁極端を通る毎に漏洩磁場による収束を受けて所定のビームサイズで加速される。電子ビームは大気中では減衰してしまうので、高真空に保持された真空ダクト16の内部を周回する。荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13は50Hzから数10kHz程度の交流磁場が電磁石電源(図示省略)によりかけられており、両者の磁場強度の関係を所定の値にすると電子ビームは大きく周回軌道を変えることなく、ある領域の中を安定に周回・加速させることが可能となる。
【0012】
加速された電子ビームは荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13の磁場強度の関係を少し変えると内側に移動し、安定周回領域に設置されたターゲット14に衝突してX線を発生する。発生するX線の光源サイズはターゲット14のサイズとほぼ同じになるので、ターゲット14のサイズが小さいと光源サイズを小さくすることができる。ターゲットサイズは数μm程度にすることが可能であり、光源サイズが数μm程度のX線源を実現することが可能である。周回している電子ビームのサイズは数mmから数100mmであるので、1周回でターゲット14に衝突する電子は少ない。しかし、ターゲット14に衝突しなかった電子は、安定周回領域を周回しているのでそのまま装置中を周回し続ける。そしていつか必ずターゲット14に衝突してX線を発生する。こうして発生したX線は図示していないX線取出しポートから取り出し、X線撮像システムなどの医療診断装置に利用する。
【0013】
なお、周回する電子ビームは、ターゲット14に衝突しない領域で所定のエネルギーまで加速された後、ターゲット14に衝突する領域に達し、X線を発生する。よって、加速中の電子ビームは、ターゲット14に衝突しない領域を周回するので、電子ビームは、加速途中にターゲット14に衝突することにより無駄に失われることはない。また、ターゲット14は、発生したX線がターゲット14内で自己吸収されることにより減少することのないよう、電子ビーム周回方向、即ちX線発生方向に対して薄いものとなっている。さらに、ターゲット14に衝突した電子ビームが薄いターゲットで失うエネルギーは非常に小さく、例えば1MeVの電子ビームが7μm厚のタングステンターゲットに衝突した時、1.6%程度のエネルギーしか失われない。エネルギーが20%から40%程度異なる電子ビームを安定に周回させる様に偏向磁界発生手段13を設計することが可能であり、一度ターゲット14に衝突した電子ビームも安定に周回を続けることができる。一度ターゲットに衝突した電子が次にターゲットに衝突するまでには数万周程度周回を続けるので、1周で数eVのエネルギー増加があるとすると、次に衝突するまでに数10keVから数100keVのエネルギー増加がある。よって、何度もターゲット14に電子ビームを衝突させることが可能となり、大強度のX線を発生させることができる。
【0014】
ところで、上記の様に大電流の荷電粒子をX線ターゲット14に衝突させるには衝突により発生する熱の除去が大きな技術課題である。微小な点光源X線とする為には、微小なX線ターゲットとし、そのターゲットを細いワイヤー等で支える必要があるが、細いワイヤーでは熱伝導が小さく温度上昇により微小ターゲットや細いワイヤーが溶解してしまうからである。そこでこの発明では図2に示すように、ターゲット14を先端が針状に尖った金属棒とした。即ち、X線ターゲット14は、径の太い(直径0.5mm程度)根元部14aとテーパ形状の針状突起部14bと金属棒支持構造体14cとで構成した。針状突起部14bの先端の直径Φは20μm〜5μm程度で、好ましくは5μm程度であるが、図中では視覚上太く記載している。また針状突起部14bの長さsは数100μmから数mmである。なおこのX線ターゲット14の材料としては、目的に応じて様々の材質のものを使うことができるが、融点が高く、膨張率が低く、熱伝導率の大きな材質、例えばタングステン、タンタル、モリブデン、カーボンなどの金属が使用される。なお図2において、加速器中を周回する荷電粒子である電子ビーム断面21を模式的に表している。
【0015】
荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13の磁場強度の関係を所定の値にすると荷電粒子である電子ビーム断面21は除々にターゲット14の針状突起部14bに接近する。その接近する様子を図3に示す。図3は、ある時間の電子ビーム断面21aが、時間Δt経過した後の電子ビーム断面21bを示す。時間Δtで電子ビーム断面はΔDだけ針状突起部14bへ接近する様に、荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13の磁場強度の関係を制御する。この時、荷電粒子が針状突起部14bの先端の直径分Φだけ近づく時間を、荷電粒子(電子ビーム)が円形加速器中を周回する時間(周回時間)の10倍以上に設定する。
【0016】
図4は荷電粒子である電子ビーム断面21の中の1つの荷電粒子を模式的に表した。荷電粒子は加速器中を1つの軌道で周回しているのではなく、1つの軌道の近傍を振動(ベータトロン振動)しながら周回している。即ち、電子ビーム断面21中に荷電粒子の周回毎の断面をプロットすると荷電粒子41の様になる。即ち、荷電粒子41は図示矢印のように垂直方向に振動し、電子ビーム断面21をほぼ覆い尽くす様にして周回させることができる。よって、図3の様に荷電粒子を除々に針状突起部14bへ接近させていけば、垂直方向の全ての電子ビームは針状突起部14bに衝突させることが可能となり、直径7μm程度の点光源のX線を発生させることが可能となる。針状突起部14bへ衝突した荷電粒子は若干エネルギーを失うがその後も周回を続ける。
【0017】
以上の構成にすることで、電子ビームはターゲット先端の針状突起部14bに衝突してX線の光源サイズを小さく出来、一方電子ビームの衝突による温度上昇はターゲットの根元部14aの径の大きい箇所で除熱されるので、大強度の荷電粒子をX線ターゲットに衝突させることが可能となる。こうして大強度の微小光源サイズのX線を発生させることができる。
【0018】
実施の形態2
図5はこの発明の実施の形態2による電磁波発生装置の断面図で、電子ビームが周回する電子ビーム軌道平面上で断面化したものである。図6は図5に示すX線ターゲット付近の拡大図である。
図5において、図1と同じ符号は図1の構成と同じにつき、説明を省略する。遮蔽体51はターゲット14に不要な荷電粒子が衝突することを防ぐためのもので、金属の板で構成され、ターゲット14の材料と同じ、タングステンやタンタルで構成されている。
【0019】
周回を続ける荷電粒子の内、ある電子ビームは何周回かの後にターゲット14の太い直径の根元部14aに衝突してしまい、X線の点光源に対しノイズとなってしまう。そこで、図6に示す様に、円形加速器中の前記X線ターゲット14と異なる周回軌道上の上流側に、電子ビームをダンプする、即ち電子ビームがターゲットの根元部14aに衝突することを防ぐ遮蔽体51を配置した。そうすることで、遮蔽体51がなければ太い直径の根元部14aに衝突する荷電粒子ビームを予め除去することが可能となり、SN比の良いX線点光源が実現できる。なお図5では、遮蔽体51はX線ターゲット14の上流側に設けたが、下流側に設けても同様な効果が得られる。しかし遮蔽体51は円形加速器の任意の位置におけば良いのではなく、周回する電子ビームの水平方向の振動により荷電粒子が内側にくる位置に配置する必要がある。
【0020】
実施の形態3
図7はこの発明の実施の形態3による電磁波発生装置の断面図で、電子ビームが周回する電子ビーム軌道平面上で断面化したものである。図7において、図1と同じ符号は図1の構成と同じにつき、説明を省略する。
実施の形態1ではターゲット14が荷電粒子の加速周回軌道15上の内側に配置されていたが、実施の形態3はターゲット14を荷電粒子の加速周回軌道15上の外側に配置したものである。なお、ターゲット14を荷電粒子の加速周回軌道15上の外側に配置した場合、荷電粒子発生手段11は荷電粒子の加速周回軌道15の内側に設置するのが良い。この実施の形態3でも実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0021】
荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13は50Hzから数10kHz程度の交流磁場が電磁石電源によりかけられており、両者の磁場強度の関係を所定の値にすると電子ビームは大きく軌道を変化しないである領域の中を安定に加速する。加速された電子ビームは荷電粒子加速手段12と偏向磁界発生手段13の磁場強度の関係を少し変えると外側に移動し、安定周回領域に設置されたターゲット14に衝突してX線を発生する。またX線ターゲット14はターゲットの針状先端部の方向を、荷電粒子が前記ターゲット14の内側を周回している時には内側に向け、荷電粒子の周回軌道上に配置されている。
【0022】
またこの実施の形態3においても、実施の形態2と同様にターゲット14に不要な荷電粒子が衝突することを防ぐための遮蔽体51を設けることにより、X線の点光源に対するノイズを少なくすることが出来る。この場合、遮蔽体51は円形加速器の任意の位置におけば良いのではなく、周回する電子ビームの水平方向の振動により荷電粒子が外側にくる位置に配置する必要がある。
【0023】
実施の形態4
図8はこの発明の実施の形態1乃至3に示す電磁波発生装置を利用したこの発明の実施の形態4を示すX線撮像システムの概略構成図で、電磁波発生装置71と撮像検出器73とデータ処理装置74で構成されている。電磁波発生装置71は実施の形態1乃至3で説明した電磁波発生装置のいずれかが使用される。
電磁波発生装置71で発生した高輝度X線75は、被照射体である人体72に照射され、撮像検出器73で検出される。撮像検出器73で検出した画像はデータ処理装置74で処理され、透視画像となる。
【0024】
電磁波発生装置71では光源サイズ数μmから数10μm程度の高輝度のX線を発生させることができるので、X線の微小な屈折を利用した撮像方法である屈折コントラスト撮像が可能となる。従来はSpring8等の直径が数100m程度の放射光装置でしか実現できなかったので医学利用が進まなかったが、この発明では、従来のX線管球と同じ程度か、よりコンパクトな電磁波発生装置71を用いて屈折コントラスト撮像が実現できるので、医学利用が大きく促進されると考えられる。屈折コントラスト撮像法を用いると密度の異なる微小物質の境界を強調した撮像が可能となり、しかも拡大画像をとることができるので、数mm程度の微小ながんを識別することができる。しかも、屈折コントラストによる撮像画像では従来の吸収コントラスト撮像画像の10倍以上の高コントラストが実現できるので、従来の撮像方法と比較して1/10程度の低被曝線量で撮像が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁波発生装置の断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるX線ターゲットの構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるX線ターゲットに荷電粒子ビームが近づいていくことを示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるX線ターゲットに荷電粒子ビームが近づいていく時の荷電粒子の垂直方向の振動の様子を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁波発生装置の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるX線ターゲット付近の拡大図である。
【図7】この発明の実施の形態3による電磁波発生装置の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態4によるX線撮像システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0026】
11:荷電粒子発生手段、 12:荷電粒子加速手段、
13:偏向磁界発生手段、 14、ターゲット、
14a:金属棒、 14b:針状突起部、 14c:金属棒支持構造体、
15:荷電粒子の加速周回軌道、 16:真空ダクト、
21:荷電粒子ビームの断面図、 41:荷電粒子、
51:遮蔽体、 71:電磁波発生装置、
72:被照射体、 73:撮像検出器、
74:データ処理装置、 75:X線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子を発生させる荷電粒子発生手段と、この荷電粒子発生手段で発生した荷電粒子を加速する加速手段と、この加速手段で加速された荷電粒子を偏向させて周回軌道上を周回させる偏向磁界発生手段と、先端が針状に尖った金属棒で構成され、前記偏向磁界発生手段により周回している荷電粒子を前記金属棒の先端に衝突させてX線を発生させるターゲットとを備えた電磁波発生装置。
【請求項2】
ターゲットの針状先端部の方向を、荷電粒子が前記ターゲットの外側を周回している時には外側に、荷電粒子が前記ターゲットの内側を周回している時には内側に向け、荷電粒子の周回軌道上に配置することを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
【請求項3】
ターゲットの針状先端部の直径は20μm〜5μmとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波発生装置。
【請求項4】
ターゲットの針状先端部以外に荷電粒子が衝突するのを避けるため、荷電粒子を遮蔽する遮蔽体を荷電粒子の周回軌道上の内側または外側に配置したことを特徴とする請求項2に記載の電磁波発生装置。
【請求項5】
荷電粒子を発生させる荷電粒子発生手段と、この荷電粒子発生手段で発生した荷電粒子を加速する加速手段と、この加速手段で加速された荷電粒子を偏向させて周回軌道上を周回させる偏向磁界発生手段と、先端が針状に尖った金属棒で構成され、前記偏向磁界発生手段により周回している荷電粒子を前記金属棒の先端に衝突させてX線を発生させるターゲットとを有する電磁波発生装置、この電磁波発生装置で発生したX線を被照射体に照射してその撮影画像を検出する撮像検出器、およびこの撮像検出器で検出した画像を処理して前記被照射体の透視画像を得るデータ処理装置を備えたX線撮像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−317383(P2007−317383A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142737(P2006−142737)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】