電磁波装置
【課題】小型化が可能で、組立作業性も向上した、アンテナを得る。
【解決手段】この発明に係るアンテナは、導波路7を有するベース1と、このベース1に面接触したスロット板2と、ベース1に設けられスロット板2の縁部に係止部11が係止したスナップフィット8とを備え、スロット板2は、撓み変形により生じた弾性力で、ベース1の取付け面6に密接しており、スナップフィット8は、係止部11がスロット板2の復元力に対抗してスロット板2縁部に係止している。
【解決手段】この発明に係るアンテナは、導波路7を有するベース1と、このベース1に面接触したスロット板2と、ベース1に設けられスロット板2の縁部に係止部11が係止したスナップフィット8とを備え、スロット板2は、撓み変形により生じた弾性力で、ベース1の取付け面6に密接しており、スナップフィット8は、係止部11がスロット板2の復元力に対抗してスロット板2縁部に係止している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯で用いられる電磁波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の溝状の放射用導波路を有するベースと、放射用導波路に対応した位置にスロットを有するスロット板とを有し、固定ねじを用いてスロット板をベースに固定したアンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-15579号公報(段落0003、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように構成されたアンテナにおいては、スロット板をベースに固定ねじを用いて固定するために、スロット板及びベースのそれぞれの周縁部に固定ねじ用のスペースが必要となり、装置全体が大型化してしまうという問題点があった。
また、複数本の固定ねじの固定作業をそれぞれ行わなければならず、組立作業性が悪いという問題点もあった。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、小型化が可能で、組立作業性も向上した、電磁波装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電磁波装置は、導波路を有するベースと、このベースに面接触したカバーと、前記ベースに設けられ前記カバーの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、前記カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、前記スナップフィットは、前記係止部が前記カバーの復元力に対抗して前記カバーの前記縁部に係止している。
【発明の効果】
【0007】
この発明による電磁波装置によれば、カバーをベースの取付け面に強制的に面接触させることで、カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、ベースの取付け面に密接し、スナップフィットは、係止部がカバーの復元力に対抗してカバーの縁部に係止するので、取付け工具を用いることなく、カバーをベースに簡単に取付けることができ、組立作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1のアンテナを示す全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った矢視断面図である。
【図3】図1のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態2のアンテナを示す全体斜視図である。
【図5】図4のV−V線に沿った矢視断面図である。
【図6】図4のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3のアンテナを示す全体斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った矢視断面図である。
【図9】図7のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態4のアンテナを示す全体斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿った矢視断面図である。
【図12】図10のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態5のアンテナを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態について、図に基づいて説明するが、各図において同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のアンテナを示す全体斜視図である。
この電磁装置であるアンテナは、車両用レーダに用いられるものであって、プラスチック材料で構成されたベース1と、カバーであるスロット板2と、ベース1の両端部に設けられたスナップフィット8とを備えている。
矩形状でスロット板2の取付け面6が平面のベース1は、中間部に溝状の導波路7が形成され、また導波路7に連通したポート5が形成されている。ベース1及びスナップフィット8は誘電体であるプラスチック材料で構成されており、スナップフィット8の係止部11の表面以外の部位には、金属メッキが施されている。ポート5の下方には、導波管(図示せず)が接続されている。この導波管には送受信装置(図示せず)が接続されている。
一対のスナップフィット8は、ベース1の短辺縁部の全域にわたって互いに対向しているとともにベース1と一体に設けられ、ベース1の長手方向に沿って撓み変形可能になっている。
矩形状のスロット板2は、図3に示すように、ベース1に取付けられる前の状態では長手方向に沿って取付け面6側に突出して湾曲変形している。スロット板2は、導波路7に対向した部位に複数のスロット10が形成されている。
【0010】
このアンテナでは、送受信装置からの送信電磁波は、導波管、ポート5、導波路7及びスロット板2のスロット10を通じて空間に放射される。
また、空間からの受信電磁波は、スロット板2のスロット10、導波路7、ポート5及び導波管を通じて送受信装置に送られる。
【0011】
このアンテナは、ベース1の平面状の取付け面6に、湾曲変形したスロット板2の凸面側を押し当て、スロット板2を平面化させることで簡単に組み立てられる。
即ち、スロット板2を平面化させる途中、スロット板2の短辺側の両端部は、スナップフィット8の係止部11にそれぞれ当接し、それぞれのスナップフィット8を外側に撓み変形させながら、引き続き係止部11のベース1側まで入り込む。この際に、スナップフィット8は、図2に示すように、弾性復元力で起立し、係止部11が、スロット板2の両縁部を係止することで、スロット板2は、ベース1の取付け面6の全面と強制的に密接して面接触させられる。
また、スロット板2をベース1から取り外すときには、スナップフィット8の係止部11を外側に弾性変形させ、スロット板2をベース1から持ち上げることで、簡単に取り外すことができる。
【0012】
この実施の形態1のアンテナによれば、長手方向に沿って湾曲した形状で、ベース1側に突出変形したスロット板2をベース1の平面状の取付け面6に強制的に面接触させると同時に、弾性復元したスナップフィット8の係止部11がスロット板2の縁部を係止し、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1にスロット板2が取付けられ、組立作業性が大幅に向上する。
また、例えば固定ねじを用いた場合には、スロット板2及びベース1のそれぞれの周縁部に固定ねじ用のスペースが必要となるが、この実施の形態では、このようなスペースは不要となり、アンテナが小型化される。
さらに、ベース1は、スナップフィット8と一体であり、個別に新たな取付け用部品を揃える必要性はない。
また、スナップフィット8の係止部11は、表面に金属メッキ処理が施されてなく誘電体であるプラスチック材が露出しており、従って係止部11がスロット板2の表面から突出しているものの電波特性に与える影響は小さく、良好な電磁波特性が確保される。
【0013】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2のアンテナを示す全体斜視図、図5は図4のV−V線に沿った矢視断面図、図6は図4のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、ベース1Aに取付けられる前のスロット板2Aは矩形状の平面板である。
また、矩形状のベース1Aの取付け面6Aは、長手方向に沿って湾曲した形状でスロット板2A側に突出している。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0014】
この実施の形態のアンテナも、平面板であるスロット板2Aをベース1Aの湾曲形状の取付け面6Aに強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1Aにスロット板2Aを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
【0015】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3のアンテナを示す全体斜視図、図8は図7のVIII−VIII線に沿った矢視断面図、図9は図7のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、矩形状のスロット板2Bは、ベース1に取付ける前では、ベース1と反対側に突出した湾曲形状である。
また、矩形状のベース1の長辺側側面に、ベース1と一体のスナップフィット8Aが対向して設けられている。
なお、スナップフィット8Aの数は、2箇所に限定されるものではなく、例えば4箇所であってもよい。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0016】
この実施の形態のアンテナも、湾曲形状のスロット板2Bをベース1の取付け面6に強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1にスロット板2Bを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
また、スナップフィット8Aの係止部11は、スロット板2Bの撓み変形量が最大の中央部を係止しており、スロット板2Bは取付け面6に効率よく密接される。
【0017】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4のアンテナを示す全体斜視図、図11は図10のXI−XI線に沿った矢視断面図、図12は図10のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、スロット板2Aが矩形状の平面板である。
また、矩形状のベース1Bの取付け面6Bは、長手方向に沿ってスロット板2Aと反対側に落ち込んだ湾曲形状である。
また、矩形状のベース1Bの長辺側側面に、ベース1Bと一体のスナップフィット8Aが対向して設けられている。
なお、スナップフィット8Aの数は、2箇所に限定されるものではなく、例えば4箇所であってもよい。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0018】
この実施の形態のアンテナも、平面板であるスロット板2Aをベース1Bの湾曲形状の取付け面6Bに強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1Bにスロット板2Aを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
また、スナップフィット8Aの係止部11は、スロット板2Aの撓み変形量が最大の中央部を係止しており、スロット板2Aは取付け面6Bに効率よく密接される。
【0019】
実施の形態5.
図13はこの発明の実施の形態5のアンテナを示す断面図である。
この実施の形態のアンテナは、スナップフィット8を覆って設けられ係止部11をスロット板2側に付勢した断面コの字形状のレドーム9を備えている。
他の構成は実施の形態1と同じである。
【0020】
この実施の形態のアンテナは、実施の形態1と同じ効果を得ることができるとともに、レドーム9を備えたことで、スナップフィット8の係止部11がスロット板2の縁部から外れてベース1からスロット板2が外れるのを防止することができるという効果がある。
なお、実施の形態2〜4の何れのアンテナにおいても、このレドーム9を備えることができるのは勿論である。
【0021】
なお、上記各実施の形態では、電磁波装置としてアンテナの場合について説明したが、この発明は、電磁波装置である導波管にも適用できる。
実施の形態1〜5のアンテナの場合、電磁波装置のカバーはスロット板2,2A,2Bであったが、この導波管の場合には、ベースの導波路を密閉するシール板が電磁波装置のカバーに相当する。
即ち、導波管は、導波路を有するベースと、このベースに面接触し前記導波路を密閉するシール板と、前記ベースに設けられ前記シールの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、前記シール板は、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、前記スナップフィットは、前記係止部が前記シール板の復元力に対抗して前記シール板の前記縁部に係止している。
この導波管に適用される、ベース及びシール板も、実施の形態1〜5に示された、ベース1,1A,1B及びスロット板2,2A,2Bと同様の各形態が用いられ、実施の形態1〜5のアンテナと同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
1,1A,1B ベース、2,2A,2B スロット板、5 ポート、6,6A,6B 取り付け面、7 導波路、8,8A スナップフィット、9 レドーム、10 スロット、11 係止部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯で用いられる電磁波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の溝状の放射用導波路を有するベースと、放射用導波路に対応した位置にスロットを有するスロット板とを有し、固定ねじを用いてスロット板をベースに固定したアンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-15579号公報(段落0003、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように構成されたアンテナにおいては、スロット板をベースに固定ねじを用いて固定するために、スロット板及びベースのそれぞれの周縁部に固定ねじ用のスペースが必要となり、装置全体が大型化してしまうという問題点があった。
また、複数本の固定ねじの固定作業をそれぞれ行わなければならず、組立作業性が悪いという問題点もあった。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、小型化が可能で、組立作業性も向上した、電磁波装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電磁波装置は、導波路を有するベースと、このベースに面接触したカバーと、前記ベースに設けられ前記カバーの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、前記カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、前記スナップフィットは、前記係止部が前記カバーの復元力に対抗して前記カバーの前記縁部に係止している。
【発明の効果】
【0007】
この発明による電磁波装置によれば、カバーをベースの取付け面に強制的に面接触させることで、カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、ベースの取付け面に密接し、スナップフィットは、係止部がカバーの復元力に対抗してカバーの縁部に係止するので、取付け工具を用いることなく、カバーをベースに簡単に取付けることができ、組立作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1のアンテナを示す全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った矢視断面図である。
【図3】図1のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態2のアンテナを示す全体斜視図である。
【図5】図4のV−V線に沿った矢視断面図である。
【図6】図4のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3のアンテナを示す全体斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った矢視断面図である。
【図9】図7のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態4のアンテナを示す全体斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿った矢視断面図である。
【図12】図10のアンテナの組立前の構成部材を示す斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態5のアンテナを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態について、図に基づいて説明するが、各図において同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のアンテナを示す全体斜視図である。
この電磁装置であるアンテナは、車両用レーダに用いられるものであって、プラスチック材料で構成されたベース1と、カバーであるスロット板2と、ベース1の両端部に設けられたスナップフィット8とを備えている。
矩形状でスロット板2の取付け面6が平面のベース1は、中間部に溝状の導波路7が形成され、また導波路7に連通したポート5が形成されている。ベース1及びスナップフィット8は誘電体であるプラスチック材料で構成されており、スナップフィット8の係止部11の表面以外の部位には、金属メッキが施されている。ポート5の下方には、導波管(図示せず)が接続されている。この導波管には送受信装置(図示せず)が接続されている。
一対のスナップフィット8は、ベース1の短辺縁部の全域にわたって互いに対向しているとともにベース1と一体に設けられ、ベース1の長手方向に沿って撓み変形可能になっている。
矩形状のスロット板2は、図3に示すように、ベース1に取付けられる前の状態では長手方向に沿って取付け面6側に突出して湾曲変形している。スロット板2は、導波路7に対向した部位に複数のスロット10が形成されている。
【0010】
このアンテナでは、送受信装置からの送信電磁波は、導波管、ポート5、導波路7及びスロット板2のスロット10を通じて空間に放射される。
また、空間からの受信電磁波は、スロット板2のスロット10、導波路7、ポート5及び導波管を通じて送受信装置に送られる。
【0011】
このアンテナは、ベース1の平面状の取付け面6に、湾曲変形したスロット板2の凸面側を押し当て、スロット板2を平面化させることで簡単に組み立てられる。
即ち、スロット板2を平面化させる途中、スロット板2の短辺側の両端部は、スナップフィット8の係止部11にそれぞれ当接し、それぞれのスナップフィット8を外側に撓み変形させながら、引き続き係止部11のベース1側まで入り込む。この際に、スナップフィット8は、図2に示すように、弾性復元力で起立し、係止部11が、スロット板2の両縁部を係止することで、スロット板2は、ベース1の取付け面6の全面と強制的に密接して面接触させられる。
また、スロット板2をベース1から取り外すときには、スナップフィット8の係止部11を外側に弾性変形させ、スロット板2をベース1から持ち上げることで、簡単に取り外すことができる。
【0012】
この実施の形態1のアンテナによれば、長手方向に沿って湾曲した形状で、ベース1側に突出変形したスロット板2をベース1の平面状の取付け面6に強制的に面接触させると同時に、弾性復元したスナップフィット8の係止部11がスロット板2の縁部を係止し、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1にスロット板2が取付けられ、組立作業性が大幅に向上する。
また、例えば固定ねじを用いた場合には、スロット板2及びベース1のそれぞれの周縁部に固定ねじ用のスペースが必要となるが、この実施の形態では、このようなスペースは不要となり、アンテナが小型化される。
さらに、ベース1は、スナップフィット8と一体であり、個別に新たな取付け用部品を揃える必要性はない。
また、スナップフィット8の係止部11は、表面に金属メッキ処理が施されてなく誘電体であるプラスチック材が露出しており、従って係止部11がスロット板2の表面から突出しているものの電波特性に与える影響は小さく、良好な電磁波特性が確保される。
【0013】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2のアンテナを示す全体斜視図、図5は図4のV−V線に沿った矢視断面図、図6は図4のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、ベース1Aに取付けられる前のスロット板2Aは矩形状の平面板である。
また、矩形状のベース1Aの取付け面6Aは、長手方向に沿って湾曲した形状でスロット板2A側に突出している。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0014】
この実施の形態のアンテナも、平面板であるスロット板2Aをベース1Aの湾曲形状の取付け面6Aに強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1Aにスロット板2Aを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
【0015】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3のアンテナを示す全体斜視図、図8は図7のVIII−VIII線に沿った矢視断面図、図9は図7のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、矩形状のスロット板2Bは、ベース1に取付ける前では、ベース1と反対側に突出した湾曲形状である。
また、矩形状のベース1の長辺側側面に、ベース1と一体のスナップフィット8Aが対向して設けられている。
なお、スナップフィット8Aの数は、2箇所に限定されるものではなく、例えば4箇所であってもよい。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0016】
この実施の形態のアンテナも、湾曲形状のスロット板2Bをベース1の取付け面6に強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1にスロット板2Bを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
また、スナップフィット8Aの係止部11は、スロット板2Bの撓み変形量が最大の中央部を係止しており、スロット板2Bは取付け面6に効率よく密接される。
【0017】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4のアンテナを示す全体斜視図、図11は図10のXI−XI線に沿った矢視断面図、図12は図10のアンテナの構成部材を示す斜視図である。
この実施の形態では、スロット板2Aが矩形状の平面板である。
また、矩形状のベース1Bの取付け面6Bは、長手方向に沿ってスロット板2Aと反対側に落ち込んだ湾曲形状である。
また、矩形状のベース1Bの長辺側側面に、ベース1Bと一体のスナップフィット8Aが対向して設けられている。
なお、スナップフィット8Aの数は、2箇所に限定されるものではなく、例えば4箇所であってもよい。
他の構成は、実施の形態1のアンテナと同じである。
【0018】
この実施の形態のアンテナも、平面板であるスロット板2Aをベース1Bの湾曲形状の取付け面6Bに強制的に面接触させることで、取付け工具を用いることなく、簡単にベース1Bにスロット板2Aを取付けることができ、実施の形態1のアンテナと同様の効果を得ることができる。
また、スナップフィット8Aの係止部11は、スロット板2Aの撓み変形量が最大の中央部を係止しており、スロット板2Aは取付け面6Bに効率よく密接される。
【0019】
実施の形態5.
図13はこの発明の実施の形態5のアンテナを示す断面図である。
この実施の形態のアンテナは、スナップフィット8を覆って設けられ係止部11をスロット板2側に付勢した断面コの字形状のレドーム9を備えている。
他の構成は実施の形態1と同じである。
【0020】
この実施の形態のアンテナは、実施の形態1と同じ効果を得ることができるとともに、レドーム9を備えたことで、スナップフィット8の係止部11がスロット板2の縁部から外れてベース1からスロット板2が外れるのを防止することができるという効果がある。
なお、実施の形態2〜4の何れのアンテナにおいても、このレドーム9を備えることができるのは勿論である。
【0021】
なお、上記各実施の形態では、電磁波装置としてアンテナの場合について説明したが、この発明は、電磁波装置である導波管にも適用できる。
実施の形態1〜5のアンテナの場合、電磁波装置のカバーはスロット板2,2A,2Bであったが、この導波管の場合には、ベースの導波路を密閉するシール板が電磁波装置のカバーに相当する。
即ち、導波管は、導波路を有するベースと、このベースに面接触し前記導波路を密閉するシール板と、前記ベースに設けられ前記シールの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、前記シール板は、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、前記スナップフィットは、前記係止部が前記シール板の復元力に対抗して前記シール板の前記縁部に係止している。
この導波管に適用される、ベース及びシール板も、実施の形態1〜5に示された、ベース1,1A,1B及びスロット板2,2A,2Bと同様の各形態が用いられ、実施の形態1〜5のアンテナと同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
1,1A,1B ベース、2,2A,2B スロット板、5 ポート、6,6A,6B 取り付け面、7 導波路、8,8A スナップフィット、9 レドーム、10 スロット、11 係止部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路を有するベースと、
このベースに面接触したカバーと、
前記ベースに設けられ前記カバーの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、
前記カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、
前記スナップフィットは、前記係止部が前記カバーの復元力に対抗して前記カバーの前記縁部に係止していることを特徴とする電磁波装置。
【請求項2】
前記スナップフィットは、前記ベースと一体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波装置。
【請求項3】
前記ベース及び前記スナップフィットは、誘電体であるプラスチック材料で構成されているとともに、前記スナップフィットの前記係止部を除いた表面に金属メッキが施されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁波装置。
【請求項4】
矩形状をした前記カバーは、前記ベースに取付けられる前では、長手方向に沿って湾曲した形状であり、このカバーが平面状の前記取付け面に密接していることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項5】
矩形状をした前記ベースの前記取付け面は、長手方向に沿って湾曲した形状であり、前記カバーは、この取付け面に密接していることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項6】
前記スナップフィットは、前記ベースの対向した縁部に、それぞれ縁部に沿って延びて設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項7】
前記スナップフィットは、前記ベースの対向した縁部のそれぞれの中央部に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項8】
前記スナップフィットを覆って設けられ前記係止部を前記カバー側に付勢したレドームを備えたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項9】
前記カバーは、電磁波が通過するスロットを有するスロット板であり、前記電磁波装置は、アンテナであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項10】
前記カバーは、前記導波路を密閉するシール板であり、前記電磁波装置は、導波管であることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項11】
車両用レーダに適用されることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項1】
導波路を有するベースと、
このベースに面接触したカバーと、
前記ベースに設けられ前記カバーの縁部に係止部が係止したスナップフィットとを備え、
前記カバーは、撓み変形により生じた弾性力で、前記ベースの取付け面に密接しており、
前記スナップフィットは、前記係止部が前記カバーの復元力に対抗して前記カバーの前記縁部に係止していることを特徴とする電磁波装置。
【請求項2】
前記スナップフィットは、前記ベースと一体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波装置。
【請求項3】
前記ベース及び前記スナップフィットは、誘電体であるプラスチック材料で構成されているとともに、前記スナップフィットの前記係止部を除いた表面に金属メッキが施されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁波装置。
【請求項4】
矩形状をした前記カバーは、前記ベースに取付けられる前では、長手方向に沿って湾曲した形状であり、このカバーが平面状の前記取付け面に密接していることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項5】
矩形状をした前記ベースの前記取付け面は、長手方向に沿って湾曲した形状であり、前記カバーは、この取付け面に密接していることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項6】
前記スナップフィットは、前記ベースの対向した縁部に、それぞれ縁部に沿って延びて設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項7】
前記スナップフィットは、前記ベースの対向した縁部のそれぞれの中央部に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項8】
前記スナップフィットを覆って設けられ前記係止部を前記カバー側に付勢したレドームを備えたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項9】
前記カバーは、電磁波が通過するスロットを有するスロット板であり、前記電磁波装置は、アンテナであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項10】
前記カバーは、前記導波路を密閉するシール板であり、前記電磁波装置は、導波管であることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の電磁波装置。
【請求項11】
車両用レーダに適用されることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の電磁波装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−44881(P2011−44881A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191307(P2009−191307)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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