説明

電線保持装置

【課題】電線を保持する電線保持部材が、被取付部材への取り付け時に被取付部材の取付孔に対して変位しても、シール性の低下を抑制することが可能な電線保持装置を提供する。
【解決手段】電線保持装置1は、第1〜第3の電線91〜93を挿通させる挿通孔20を有し、ケース7に形成された取付孔70に収容されるリテーナ2と、リテーナ2の外周面2aに保持され、取付孔70の内面とリテーナ2との間をシールする外側防水栓22と、第1〜第3の電線電線91〜93に沿ってリテーナ2と並んで配置され、第1〜第3の電線91〜93を保持する電線ホルダ3及びケース7への固定のための固定部42を有するシールドケース4とを備え、電線ホルダ3及びシールドケース4をケース7に固定する際において、リテーナ2は、電線ホルダ3及びシールドケース4に対して相対移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付部材に形成された取付孔に電線を保持する電線保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、電気自動車の駆動源としてのモータやこのモータに電流を供給するインバータ等の機器のケース(被取付部材)に形成された取付孔に電線を保持するコネクタ(電線保持装置)として、複数の電線を保持すると共にケースの取付孔に一部が挿入されるハウジングと、ケースの取付孔とこの取付孔に挿入されたハウジングの一部との間に配置されたシール部材と、ケースの取付孔に挿入されない部分のハウジングを収容すると共にケースに固定するための貫通孔が形成された固定部を有する収容部材(シールドケース)と、を備え、収容部材の固定部に形成された貫通孔にねじ(ボルト)を挿入しケースにねじ留めすることにより、コネクタをケースに取り付けるものがある(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
このようなコネクタは、機器のケース内に水分等が浸入することを防ぐことができる高い密封性が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−172009号公報
【特許文献2】特開2002−324627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記背景技術には、以下の問題点があった。
それは、上記に記載したように、コネクタをケースに取り付けるためには、収容部材をケースにねじ留めする必要があるが、その際、ねじ締めのトルクによって、収容部材が機器のケースに対して連れ回りしてしまい、収容部材が機器のケースに対して傾いた状態で固定されることがある。この傾いた状態になると、必然的に、収容部材に収容されるハウジングも収容部材の傾きに合わせるように傾いた状態となり、すなわち、ハウジングがケースの取付孔に対して変位し、結果として、ハウジングと取付孔との隙間が局所的に大きくなる場合があり、シール部材によるシール性が低下し、ケース内に水分等が浸入しやすくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、電線を保持する電線保持部材が、電線保持装置を被取付部材に取り付ける際に被取付部材の取付孔に対して変位しても、シール性の低下を抑制することが可能な電線保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、電線を挿通させる挿通孔を有し、被取付部材に形成された取付孔に収容されるシール保持部材と、前記シール保持部材の外周面に保持され、前記取付孔の内面と前記シール保持部材との間をシールする外周シール部材と、前記電線に沿って前記シール保持部材と並んで配置され、前記電線を保持すると共に、前記被取付部材に固定するための固定部を有する電線保持部材とを備え、前記電線保持部材を前記被取付部材に固定する際において、前記シール保持部材は、前記電線保持部材に対して相対移動可能である電線保持装置を提供する。
【0008】
また、前記電線保持部材は、前記シール保持部材に対向する先端部が前記取付孔に内嵌される嵌合部として形成されているとよい。
【0009】
また、前記電線保持部材は、前記電線を保持する保持孔が、前記先端部において前記電線との間に隙間を有するとよい。
【0010】
また、前記シール保持部材の前記挿通孔の内周面に保持され、前記挿通孔と前記電線との間をシールする内周シール部材をさらに備えているとよい。
【0011】
また、前記シール保持部材と前記電線保持部材との間に設けられ、前記シール保持部材の前記挿通孔の軸方向への前記シール保持部材と前記電線保持部材との相対移動を規制することが可能な係止機構をさらに備えているとよい。
【0012】
また、前記電線保持部材は、前記電線を保持する電線ホルダと、前記電線ホルダの少なくとも一部を収容する収容部、及び前記固定部を一体に有する収容部材とを有するとよい。
【0013】
また、前記シール保持部材は、前記電線ホルダに対して揺動可能であるとよい。
【0014】
また、前記シール保持部材は、本体部と、前記本体部から突出した頚部と、頚部の端部に設けられた頭部とを有し、前記電線ホルダは、前記頚部を挿通させて前記頭部を係止する係止部を有するとよい。
【0015】
また、前記電線保持部材は、前記電線を保持する本体部、及び前記固定部を一体に有しているとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る電線保持装置によれば、電線を保持する電線保持部材が、電線保持装置を被取付部材に取り付ける際に被取付部材の取付孔に対して変位しても、シール性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図2】電線保持装置の断面を示し、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図である。
【図3】電線ホルダの第1部材を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図4】リテーナを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)のD−D断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、電線保持装置の組立て手順を示す説明図である。
【図6】電線保持装置を被取付部材としてのケースの取付孔に取り付けた状態を示し、(a)は取付孔の長手方向に沿ってケースを切断した断面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る電線保持装置の第1の変形例に係る電線ホルダの第1部材を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】第1の実施の形態に係る電線保持装置の第2の変形例に係る構成を示す断面図である。
【図9】第1の実施の形態に係る電線保持装置の第3の変形例に係る構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図11】第2の実施の形態に係る電線保持装置がケースの外面に取り付けられた状態における電線保持装置の図10(b)におけるF−F断面図である。
【図12】第2の実施の形態の変形例に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のG−G線断面図、(c)は(b)のH−H線断面図、(d)は(c)のI部の拡大図である。
【図13】(a)は、シールドケースをケースの角部に取り付けた状態を示す断面図である。(b)は、固定部が傾斜したシールドケースをボルトによってケースに固定する前の状態を示す断面図である。(c)は、(b)に示す状態から、固定部をボルトによってケースに固定した状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態の概要]
本実施の形態は、被取付部材に形成された取付孔に電線を保持する電線保持装置において、前記電線を挿通させる挿通孔を有し、前記被取付部材に形成された取付孔に収容されるシール保持部材と、前記シール保持部材の外周面に保持され、前記取付孔の内面と前記シール保持部材との間をシールする外周シール部材と、前記電線に沿って前記シール保持部材と並んで配置され、前記電線を保持すると共に、前記被取付部材に固定するための固定部を有する電線保持部材とを備え、前記電線保持部材を前記被取付部材に固定する際において、前記シール保持部材は、前記電線保持部材に対して相対移動可能である電線保持装置についてのものである。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【0020】
(電線保持装置の構成)
この電線保持装置1は、第1〜第3の電線91〜93を挿通させる3つの挿通孔20を有するシール保持部材としてのリテーナ2と、リテーナ2とは別体で、第1〜第3の電線91〜93を保持する電線ホルダ3と、電線ホルダ3の一部を収容する収容部材としてのシールドケース4とを備えている。電線ホルダ3及びシールドケース4は、本発明の電線保持部材の一例である。
【0021】
また、電線保持装置1のシールドケース4には、第1〜第3の電線91〜93とシールドケース4との間をシールドする編組シールド5が固定されている。なお、図1では、説明のために編組シールド5をハッチングで示し、その内部におけるシールドケース4及び第1〜第3の電線91〜93を実線で示している。
【0022】
リテーナ2と電線ホルダ3とは、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に対向している。また、リテーナ2の外周面2aには環状溝21が形成され、この環状溝21に外周シール部材としての外側防水栓22が保持されている。外側防水栓22には、その延伸方向に対して直交する方向に突出する突起22aが複数箇所に形成されている。
【0023】
リテーナ2及び電線ホルダ3は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPA(ポリアミド)、あるいはPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の電気絶縁性を有する樹脂からなり、例えば射出成形により成形される。
【0024】
シールドケース4は、例えば鉄や黄銅、あるいはアルミニウム等の導電性の金属からなり、電線ホルダ3の少なくとも一部を収容する収容部41と、シールドケース4を後述する被取付部材に固定するための板状の固定部42とを一体に有している。本実施の形態では、固定部42が、電線ホルダ3に保持された第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に対して直交する方向に沿って形成されている。また、固定部42には、後述するボルトを挿通させる貫通孔42aが対角線上の2箇所に形成されている。
【0025】
編組シールド5は、金属バンド51によって締め付けられ、シールドケース4の外周に固定されている。また、第1〜第3の電線91〜93の先端部には圧着端子90が圧着されている。
【0026】
図2は、電線保持装置1の断面を示し、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図である。
【0027】
第1〜第3の電線91〜93は、その先端部がシールドケース4の収容部41におけるリテーナ2とは反対側の面に形成された開口41aからシールドケース4内に挿入され、電線ホルダ3に形成された保持孔30及びリテーナ2の挿通孔20を通過して、リテーナ2の外部に露出している。
【0028】
電線ホルダ3は、第1〜第3の電線91〜93を挟んで対向する第1部材31及び第2部材32からなり、これら第1部材31及び第2部材32が互いに係止されて組み合わされている。図2(a)では、図1(b)における下側の第1部材31のみを示している。
【0029】
第1部材31は、シールドケース4に収容される本体部311と、本体部311からリテーナ2が配置される側に向かって突出する先端部312とを一体に有している。同様に、第2部材32は、シールドケース4に収容される本体部321と、本体部321からリテーナ2が配置される側に向かって突出する先端部322とを一体に有している。
【0030】
第1部材31には、第1〜第3の電線91〜93を保持するための半円状の3つの保持溝310が形成されている。保持溝310は、第1〜第3の電線91〜93の先端部側に設けられた大径部310aと、大径部310aに連通して第1〜第3の電線91〜93の延伸方向における中央部側に設けられた小径部310bとからなる。
【0031】
また、第2部材32にも、第1部材31の大径部310aと同様の大径部320a、及び第1部材31の小径部310bと同様の小径部320bを連通させてなる保持溝320が形成されている。第1部材31の保持溝310と第2部材32の保持溝320との組み合わせにより、第1〜第3の電線91〜93を保持する3つの保持孔30が構成される。
【0032】
大径部310a,320aは、その直径が第1〜第3の電線91〜93の直径(例えば8.6mm)よりも大きく形成され、大径部310a,320aの直径は例えば8.8mmである。大径部310a,320aは、先端部312,322の全体、及び本体部311,321の一部に亘って形成されている。すなわち、電線ホルダ3は、保持孔30が、先端部312,322において第1〜第3の電線91〜93との間に隙間を有している。なお、図2(a)及び(b)では、説明のために、この隙間を誇張して示している。
【0033】
また、小径部310b,320bは、その直径が第1〜第3の電線91〜93の直径よりも僅かに小さく形成されており、小径部310b,320bの直径は例えば8.4mmである。このように、大径部310a,320aの直径は第1〜第3の電線91〜93の直径よりも0.2mm以上大きく、小径部310b,320bの直径は第1〜第3の電線91〜93の直径よりも0.2mm以上小さく設定するとよい。
【0034】
また、第1部材31には、リテーナ2側に突出し、リテーナ2の2箇所に形成された係止部24にそれぞれ係止される2つのフック313が形成されている。
【0035】
リテーナ2と電線ホルダ3とは、第1〜第3の電線91〜93に沿って並んで配置されている。この挿通孔20は、第1〜第3の電線91〜93の先端部側に設けられた小径部20aと、小径部20aに連通して電線ホルダ3側に設けられた大径部20bとからなる。
【0036】
3つの挿通孔20における大径部20bの内周面と第1〜第3の電線91〜93との間には、円筒状の内周シール部材としての内側防水栓23がそれぞれ保持されている。内側防水栓23は、大径部20bと小径部20aとの間の段部20cにより第1〜第3の電線91〜93の先端部側への移動が規制されている。また、内側防水栓23は、電線ホルダ3の先端部312,322により電線ホルダ3側への移動が規制されている。内側防水栓23は、リテーナ2の挿通孔20と第1〜第3の電線91〜93との間を液密にシールする。
【0037】
また、リテーナ2の第1の電線91を挿通させる挿通孔20と第2の電線92を挿通させる挿通孔20との間、及び第2の電線92を挿通させる挿通孔20と第3の電線93を挿通させる挿通孔20との間には、電線ホルダ3の2つのフック313をそれぞれ係止する2つの係止部24が形成されている。フック313及び係止部24は、リテーナ2と電線ホルダ3との間に設けられた係止機構25を構成する。この係止機構25は、挿通孔20及び保持孔30の中心軸方向へのリテーナ2と電線ホルダ3との相対移動を規制することが可能である。
【0038】
図3は、電線ホルダ3の第1部材31を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図である。なお、第2部材32(図2(b)に示す)は、第1部材31と対称に形成されている。
【0039】
第1部材31のフック313は、3つの保持溝310の中心軸C31,C32,C33に平行な方向(図3(a)における左右方向)に沿って、リテーナ2に対向する本体部311の端面311aから突出して形成されている。また、第1部材31には、第1部材31と第2部材32とを結合するための2つの結合用フック314及び2つの係止部315が形成されている。またさらに、本体部311には、第1部材31と第2部材32とを相対的に位置決めするための嵌合突起316及び嵌合凹部317が形成されている。
【0040】
結合用フック314は、第2部材32に形成された係止部(図示せず)に係合する。また、係止部315には、第2部材32に形成された結合用フック(図示せず)が係合する。また、第1部材31の嵌合突起316は第2部材32に形成された嵌合凹部(図示せず)に嵌合され、第1部材31の嵌合凹部317には、第2部材32の嵌合突起(図示せず)が嵌合される。
【0041】
第1部材31と第2部材32との結合により、第1〜第3の電線91〜93が第1部材31の小径部310bと第2部材32の小径部320bとの間に挟まれて、電線ホルダ3に保持された状態となる。
【0042】
第1部材31は、中心軸C31,C32,C33と直交するように形成された側面3aを先端部312に有している。側面3aには、保持溝310の大径部310aが開口している。
【0043】
図4は、リテーナ2を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)のD−D断面図である。
【0044】
図4(b)に示すように、リテーナ2の3つの挿通孔20における小径部20aと大径部20bとは、挿通孔20の中心軸C21,C22,C23に沿って並ぶように形成されている。また、リテーナ2は、中心軸C21,C22,C23と直交するように形成された平面状の側面2bを有している。側面2bには、挿通孔20の大径部20bが開口している。
【0045】
また、リテーナ2の外周面2aには、環状溝21に連通し、環状溝21の延伸方向に対して直交する両方向に突出して形成された凹部21aが形成されている。凹部21aには、外側防水栓22の突起22a(図1(b)に示す)が嵌合され、外側防水栓22の環状溝21に沿った回転が規制されている。
【0046】
また、図4(c)及び(d)に示すように、リテーナ2には、電線ホルダ3の第1部材31の2つのフック313、及び第2部材32の2つのフック323(後述)がそれぞれ係止される4つの係止部24が形成されている。これら4つの係止部24は、挿通孔20に直交する方向に突出した突起として形成されている。
【0047】
(電線保持装置の組立て方法)
図5(a)〜(c)は、電線保持装置1の組立て手順を示す説明図である。この図では、リテーナ2,電線ホルダ3,及び内側防水栓23の内部における第1〜第3の電線91〜93や、リテーナ2の挿通孔20を破線で示している。
【0048】
電線保持装置1の組立ては、「内側防水栓23の装着」、「リテーナ2の装着」、「電線ホルダ3の装着」、「シールドケース4の装着」、「リテーナ2と電線ホルダ3の連結」、及び「編組シールド5の装着」の各工程をこの順序で行う。以下、これら各工程について図面を参照して説明する。
【0049】
「内側防水栓23の装着」
図5(a)に示すように、第1〜第3の電線91〜93のそれぞれの先端部から、第1〜第3の電線91〜93の外周に内側防水栓23を装着する。
【0050】
「リテーナ2の装着」
次に、第1〜第3の電線91〜93のそれぞれがリテーナ2の挿通孔20を挿通するように、第1〜第3の電線91〜93の先端部から、予め外側防水栓22が環状溝21に保持されたリテーナ2を装着する。リテーナ2の装着後には、第1〜第3の電線91〜93のそれぞれの先端部に圧着端子90が圧着される。
【0051】
「電線ホルダ3の装着」
次に、図5(b)に示すように、内側防水栓23をリテーナ2との間に挟むように、電線ホルダ3を装着する。電線ホルダ3の装着は、第1〜第3の電線91〜93を間に挟んで第1部材31と第2部材32とを結合することにより行われる。
【0052】
第1部材31と第2部材32とが結合された状態で、第1部材31の本体部311、及びこの本体部311と対称に形成された第2部材の本体部321が電線ホルダ3の本体部301を構成する。また、第1部材31の先端部312、及びこの先端部312と対称に形成された第2部材の先端部322が電線ホルダ3の先端部302を構成する。電線ホルダ3の先端部302における側面3aは、リテーナ2の側面2bと対向する。
【0053】
また、第1部材31のフック313及び第2部材32のフック323は、隣り合う2つの内側防水栓23の間の位置で、リテーナ2に向かって突出する。
【0054】
「シールドケース4の装着」
次に、図5(c)に示すように、第1部材31と第2部材32とが結合された電線ホルダ3を、予め内側防水栓23の装着前に第1〜第3の電線91〜93を開口41aに通しておいたシールドケース4の収容部41内に圧入する。これにより、電線ホルダ3にシールドケース4が装着される。
【0055】
「リテーナ2と電線ホルダ3の連結」
次に、内側防水栓23をリテーナ2の挿通孔20に収容しながらリテーナ2と電線ホルダ3とを互いに接近させ、第1部材31のフック313及び第2部材32のフック323をリテーナ2の係止部24に係止させる。これにより、リテーナ2と電線ホルダ3とが連結される。フック313及びフック323は弾性を有しており、リテーナ2と電線ホルダ3は、フック313,フック323及び係止部24によって互いに連結された状態でも、側面2b及び側面3aに沿って相対移動可能である。
【0056】
また、フック313,323及び係止部24は、リテーナ2の側面2bと電線ホルダ3の側面3aとが接触した状態でフック313,323と係止部24との間に第1〜第3の電線91〜93の延伸方向の隙間が形成されるように、形状及び寸法が設定されている。これにより、リテーナ2と電線ホルダ3は、この隙間の範囲において側面2b及び側面3aに直交する方向にも相対移動可能である。ただし、この隙間は必ずしも形成されていなくともよい。
【0057】
「編組シールド5の装着」
次に、シールドケース4の外周に編組シールド5を装着し、編組シールド5の開口端部を金属バンド51で締め付けて固定する。以上により、電線保持装置1の組立てが完了する。
【0058】
(電線保持装置のケースへの取り付け)
図6は、電線保持装置1を被取付部材としてのケース7の取付孔70に取り付けた状態を示し、(a)は取付孔70の長手方向に沿ってケース7を切断した断面図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。
【0059】
ケース7は、例えば電気自動車の駆動源としての電気モータ、あるいはこの電気モータに電流を供給するインバータ等の車載の電装品を収容する導電性の金属からなる筐体である。このケース7は、リテーナ2の軸方向長さ(挿通孔20の中心軸方向のリテーナ2の厚み)よりも厚い厚みを有している。また、ケース7には、ケース7を厚さ方向に貫通する取付孔70が形成されている。
【0060】
電線保持装置1のケース7への取り付けは、まず、取付孔70からケース7の内側に圧着端子90が圧着された第1〜第3の電線91〜93の先端部を挿入し、次いで取付孔70内にリテーナ2を挿入し、さらに取付孔70内に電線ホルダ3の先端部302を嵌め込む。つまり、電線ホルダ3は、リテーナ2に対向する先端部302が、取付孔70に内嵌される嵌合部として形成されている。
【0061】
次に、シールドケース4の固定部42に形成された2つの貫通孔42aとケース7の外面に形成された2つのねじ穴71(図6には一方のみ示す)との位置を合わせ、貫通孔42aを介してねじ穴71にボルト(ねじ)6を締め込み、シールドケース4をケース7の外面に固定する。
【0062】
この際、ボルト6はシールドケース4の固定部42に直交する方向に回転する。つまり、本実施の形態では、ボルト6の回転方向がリテーナ2の側面2b及び電線ホルダ3の側面3aに平行な方向となる。前述のように、リテーナ2及び電線ホルダ3は側面2b及び側面3aに沿って相対移動可能であるので、シールドケース4及び電線ホルダ3をケース7に固定する際において、リテーナ2は、シールドケース4及び電線ホルダ3に対して相対移動可能である。つまり、リテーナ2とシールドケース4及び電線ホルダ3とは、ケース7へのボルト6の締め付けによってシールドケース4及び電線ホルダ3がケース7に対して固定される際に、ボルト6の回転方向に沿って相対移動可能である。
【0063】
リテーナ2の取付孔70内への挿入は、リテーナ2の側面2bを電線ホルダ3の側面3aによって押し付けることにより行う。つまり、電線保持装置1をケース7に取り付けた状態では、リテーナ2の側面2bと電線ホルダ3の側面3aとが接触している。これにより、リテーナ2が電線ホルダ3の先端部302により押し込まれて取付孔70に収容される。また、リテーナ2の外周面に保持された外側防水栓22により、取付孔70の内面とリテーナ2との間が液密にシールされる。
【0064】
取付孔70は、リテーナ2の外周面2aに適合する形状、即ち長手方向の両端部が半円状で、この半円状の部分を直線状に繋いだトラック状である。リテーナ2の長手方向の寸法は、取付孔70の長手方向の寸法よりも僅かに短くなるように設定されている。また、リテーナ2の長手方向に直交する短手方向の寸法は、取付孔70の短手方向の寸法よりも僅かに短くなるように設定されている。つまり、取付孔70の内面とリテーナ2の外周面2aとの間には僅かな隙間が形成されている。そして、この隙間の寸法は、リテーナ2の外周面2aからの外側防水栓22の突出量よりも小さくなるように設定されている。
【0065】
電線ホルダ3の先端部302は、取付孔70の内面とリテーナ2の外周面2aとの間の隙間と同等若しくはこの隙間よりも小さな隙間を介して取付孔70の内面に対向する。
【0066】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0067】
(1)リテーナ2は電線ホルダ3と別体であり、リテーナ2とシールドケース4及び電線ホルダ3とは、シールドケース4をケース7に固定する際において相対移動可能である。これにより、固定部42のケース7への取り付け時におけるボルト6の締め付けトルクによって、貫通孔42aを中心としてシールドケース4及び電線ホルダ3が取付孔70に対して回転して傾斜しても、この回転に連れてリテーナ2が取付孔70に対して変位することが抑制される。従って、リテーナ2と取付孔70の内面との隙間が適切な寸法に保たれ、外側防水栓22のシール性が維持される。
【0068】
(2)電線ホルダ3の先端部302が取付孔70に内嵌されるので、貫通孔42aを中心とするシールドケース4及び電線ホルダ3の取付孔70に対する回転が抑制される。つまり、電線ホルダ3は、取付孔70に対して、先端部302と取付孔70の内面との間の隙間の範囲でしか回転することができず、これにより電線ホルダ3の取付孔70に対する変位が制限される。従って、電線ホルダ3が先端部302を有しない場合に比較して、外側防水栓22のシール性がより良好となる。
【0069】
(3)電線ホルダ3は、リテーナ2が配置される側に形成された大径部310a,320aを有し、大径部310a,320aは、第1〜第3の電線91〜93との間に隙間を有するので、例えば第1〜第3の電線91〜93に作用する外力によって電線ホルダ3がリテーナ2の挿通孔20の中心軸に対して傾いても、リテーナ2の取付孔70に対する姿勢の変化を抑制することができる。つまり、電線ホルダ3の保持孔30が一定の径(小径部310b,320bの径)で形成された場合には、保持孔30の中心軸がリテーナ2の挿通孔20の中心軸に対して交差するように電線ホルダ3が傾くと、挿通孔20内の第1〜第3の電線91〜93が挿通孔20の径方向に引っ張られ、リテーナ2の取付孔70内における姿勢が変化するが、大径部310a,320aを有することによってこの姿勢の変化が抑制され、外側防水栓22のシール性が良好に保たれる。
【0070】
(4)リテーナ2の挿通孔20の内周面における大径部20bには、第1〜第3の電線91〜93のそれぞれに対応して内側防水栓23が保持されているので、リテーナ2の内周側においてもケース7の密封が適切に行われる。
【0071】
(5)電線ホルダ3のフック313,323がリテーナ2の係止部24に係止されるので、リテーナ2の側面2bが電線ホルダ3の側面3aに向かい合う状態を保つことができ、リテーナ2を取付孔70内に挿入する作業を容易に行うことができる。また、電線ホルダ3をケース7の取付孔70から引き抜けば、それに連れてリテーナ2も取付孔70から引き抜かれる。つまり、ケース7に対する電線保持装置1の着脱が容易となる。
【0072】
なお、第1の実施の形態に係る電線保持装置1は、例えば以下のように変形して実施することも可能である。
【0073】
(変形例1)
図7は、第1の変形例に係る第1部材31Aを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。この第1部材31Aは、保持溝310の小径部310bの内面に、第1の突起310c及び第2の突起310dを設けた構成が、第1の実施の形態に係る第1部材31と異なる。その他の構成は第1の実施の形態に係る第1部材31と共通なので、図3(a)及び(b)の符号を援用し、重複した説明を省略する。
【0074】
第1の突起310c及び第2の突起310dは、小径部310bの内面に、3つの保持溝310の中心軸C31,C32,C33に向かって突出するように設けられている。第1の突起310cは、中心軸C31,C32,C33に平行に延びるように、本体部311Aと一体に形成されている。第2の突起310dは、中心軸C31,C32,C33の周方向に沿って延びるように、本体部311Aと一体に形成されている。図7に示す例では、第1の突起310cが小径部310bの軸方向の全体に直線状に形成され、第2の突起310dが小径部310bの周方向の全体に半円状に形成されている。第1の突起310c及び第2の突起310dの突出量は、例えば小径部310bの内径の2〜15%である。
【0075】
なお、図示は省略しているが、第1部材31Aと組み合わされる第2部材は、第1部材31Aと対称に形成されている。すなわち、この第2部材には、第1の突起310cと中心軸C31,C32,C33を挟んで向かい合う第1の突起と、中心軸C31,C32,C33の周方向に沿って延びる第2の突起が設けられている。
【0076】
第1の突起310cは、保持溝310に保持された第1〜第3の電線91〜93の中心軸C31,C32,C33周りの回転を抑制する。つまり、第1部材31A及びこれに組み合わされた第2部材をシールドケース4の収容部41内に圧入する際、又はこの圧入前における第1〜第3の電線91〜93の回転が抑制される。これにより、例えば第1〜第3の電線91〜93の先端部に圧着された圧着端子90の向きが変わることが抑制され、ケース7(図6に示す)の内部の端子台(図示せず)に圧着端子90を接続する作業を、より容易に行うことが可能となる。
【0077】
第2の突起310dは、保持溝310に保持された第1〜第3の電線91〜93の中心軸C31,C32,C33に沿った軸方向の移動を抑制する。つまり、第1部材31A及びこれに組み合わされた第2部材をシールドケース4の収容部41内に圧入する際、又はこの圧入前における第1〜第3の電線91〜93の軸方向移動が抑制される。これにより、例えばリテーナ2の挿通孔20から突出した第1〜第3の電線91〜93の長さが変わることが抑制され、ケース7(図6に示す)の内部の端子台(図示せず)に圧着端子90を接続する作業を、より容易に行うことが可能となる。
【0078】
(変形例2)
図8は、電線保持装置1の第2の変形例に係る電線保持装置の構成を示す断面図である。この図において、第1の実施の形態について説明したものと同一の機能を有する部材については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0079】
この変形例に係る電線保持装置1Aは、収容部41及び固定部42を有するシールドケース4と、シールドケース4の収容部41に収容された電線ホルダ3Aと、電線ホルダ3Aとは別体のリテーナ2Aと、リテーナ2Aに保持された外側防水栓22及び内側防水栓23とを備えている。シールドケース4及び電線ホルダ3Aは、本発明の電線保持部材の一例である。
【0080】
電線ホルダ3Aは、第1部材33及び第2部材34を結合してなり、その全体がシールドケース4の収容部41に圧入されている。第1部材33は、第1〜第3の電線91〜93(図7には第2の電線92のみを示す)を保持する本体部331と、本体部331のリテーナ2A側の端部から、リテーナ2Aの外周を覆うように突出して形成された鍔部332とを一体に有している。第2部材34は、第1部材33と対称な形状に形成され、第1部材33の本体部331に対応する本体部341と、第1部材33の鍔部332に対応する鍔部342とを一体に有している。
【0081】
第1部材33と第2部材34とを結合することにより、第1部材33の本体部331と第2部材34の本体部341との間に保持孔30Aが形成される。保持孔30Aは、第1〜第3の電線91〜93を保持している。
【0082】
第1部材33の鍔部332の内側における本体部331の端面は、リテーナ2Aに対向する平面331aとして形成されている。また、第2部材34の鍔部342の内側における本体部341の端面は、同じくリテーナ2Aに対向する平面341aとして形成されている。平面331a及び平面341aは、保持孔30Aの中心軸に対して直交する1つの平面上に位置している。
【0083】
リテーナ2Aは、本体部26と、本体部26の電線ホルダ3A側の端部から外周側に突出して形成された突出部27とを一体に有している。本体部26の外周面には環状溝261が形成され、この環状溝261内に外側防水栓22が保持されている。外側防水栓22は、電線保持装置1Aがケース7に取り付けられた状態で、リテーナ2Aとケース7の取付孔70との間をシールする。
【0084】
また、本体部26には第1〜第3の電線91〜93のそれぞれに対応して3つの挿通孔260(図7には1つのみ示す)が形成されている。挿通孔260は、第1〜第3の電線91〜93の先端部側に位置する小径部26aと、小径部26aに連通し、小径部26aの電線ホルダ3A側に形成された大径部26bとからなる。それぞれの挿通孔260の大径部26bには、内側防水栓23が収容されている。内側防水栓23は、リテーナ2Aと第1〜第3の電線91〜93との間をシールする。
【0085】
リテーナ2Aの電線ホルダ3A側の端面は、挿通孔260の中心軸に対して直交し、かつ電線ホルダ3Aの平面331a及び平面341aに対向する平面状の側面2bとして形成されている。リテーナ2Aと電線ホルダ3Aとは、側面2bと平面331a及び平面341aとを摺接させて、これらの平面に沿った方向に相対移動可能である。
【0086】
電線保持装置1Aのケース7の取付孔70への取り付けは、リテーナ2Aの側面2bを電線ホルダ3Aの平面331a及び平面341aに当接させてリテーナ2Aを取付孔70内に押し込み、その後シールドケース4の固定部42に形成された貫通孔を介してケース7にボルト6を締め込み、シールドケース4をケース7の外面に固定して行われる。ボルト6の締め付け時におけるボルト6の回転方向は、側面2b及び平面331a,341aに平行である。
【0087】
なお、電線保持装置1Aは繰り返し着脱されるものではないが、電線保持装置1Aを取り外す際には、ボルト6を緩めて外し、シールドケース4を把持してケース7の取付孔70からリテーナ2A及び第1〜第3の電線91〜93を引き抜く。この際、リテーナ2Aが取付孔70内に留まる場合には、リテーナ2Aの突出部27を把持してリテーナ2Aを取付孔70から引き出すことが可能である。
【0088】
この変形例によっても、第1の実施の形態について述べた(1)の作用及び効果と同様の作用及び効果がある。すなわち、リテーナ2Aと電線ホルダ3Aとが別体であり、リテーナ2Aと電線ホルダ3Aとが側面2b及び平面331aならびに平面341aに沿ってシールドケース4の固定部42に平行な方向に相対移動可能、すなわちボルト6の回転方向に沿って相対移動可能であるので、固定部42のケース7への取り付け時におけるボルト6の締め付けトルクによって、固定部42の貫通孔を中心としてシールドケース4及び電線ホルダ3Aが取付孔70に対して回転しても、この回転に連れてリテーナ2Aが取付孔70に対して傾斜することが抑制される。従って、リテーナ2Aと取付孔70の内面との隙間が適切な寸法に保たれ、シール性が維持される。
【0089】
(変形例3)
図9は、電線保持装置1の第3の変形例に係る電線保持装置の構成を示す断面図である。この図において、第1の実施の形態について説明したものと同一の機能を有する部材については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0090】
この変形例に係る電線保持装置1Bは、収容部41及び固定部42を有するシールドケース4と、シールドケース4の収容部41に収容された電線ホルダ3Bと、電線ホルダ3Bとは別体のリテーナ2Bと、リテーナ2Bに保持された外側防水栓22及び内側防水栓23とを備えている。シールドケース4及び電線ホルダ3Bは、本発明の電線保持部材の一例である。
【0091】
電線ホルダ3Bは、第1部材35及び第2部材36を結合してなり、シールドケース4の収容部41に圧入されている。第1部材35は、第1〜第3の電線91〜93(図8には第2の電線92のみを示す)を保持する本体部351と、本体部351のリテーナ2B側の端部から、リテーナ2B側に向かって突出する軸状の突起部352とを一体に有している。第2部材36は、第1部材35と対称な形状に形成され、第1部材35の本体部351に対応する本体部361と、第1部材35の突起部352に対応する突起部362とを一体に有している。
【0092】
第1部材35と第2部材36とを結合することにより、第1部材35の本体部351と第2部材36の本体部361との間に保持孔30Bが形成され、この保持孔30Bに第1〜第3の電線91〜93が保持されている。
【0093】
リテーナ2Bは、本体部28と、本体部28の電線ホルダ3A側に一体に形成され、第1部材35の突起部352及び第2部材36の突起部362の先端部を収容する収容部29とを有している。収容部29には、第1部材35の突起部352及び第2部材36の突起部362を収容するための収容穴29aが複数箇所に形成されている。この収容穴29aは、例えば丸穴であり、突起部352及び突起部362の直径よりも大きな直径を有して形成されている。つまり、収容穴29aは、リテーナ2Bに対する電線ホルダ3Bの保持孔30Bに直交する方向への相対移動を許容する形状及び寸法に形成されている。
【0094】
リテーナ2Bの本体部28の外周面には環状溝281が形成され、この環状溝281内に外側防水栓22が保持されている。外側防水栓22は、リテーナ2Bとケース7の取付孔70との間をシールする。
【0095】
また、本体部28の内周面には環状溝282が形成され、この環状溝281内に内側防水栓23が保持されている。内側防水栓23は、リテーナ2Bと第1〜第3の電線91〜93との間をシールする。
【0096】
電線保持装置1Bのケース7の取付孔70への取り付けは、電線ホルダ3Bの突起部352及び突起部362の先端部をリテーナ2Bの収容穴29aの底部に当接させてリテーナ2Bを取付孔70内に押し込み、その後シールドケース4の固定部42に形成された貫通孔を介してケース7にボルト6を締め込み、シールドケース4をケース7の外面に固定して行われる。ボルト6の締め付け時におけるボルト6の回転方向は、収容穴29a及び突起部352,362の軸方向に直交する面に平行である。
【0097】
この変形例によっても、リテーナ2Bと電線ホルダ3Bとが別体であり、リテーナ2Bと電線ホルダ3Bとが、シールドケース4の固定部42に平行な方向に相対移動可能、すなわちボルト6の回転方向に沿って相対移動可能であるので、固定部42のケース7への取り付け時におけるボルト6の締め付けトルクによって、固定部42の貫通孔を中心としてシールドケース4及び電線ホルダ3Bが取付孔70に対して回転しても、この回転に連れてリテーナ2Bが取付孔70に対して傾斜することが抑制される。従って、リテーナ2Bと取付孔70の内面との隙間が適切な寸法に保たれ、シール性が維持される。
【0098】
また、電線ホルダ3Bの突起部352及び突起部362がリテーナ2Bの収容穴29aに収容されているため、リテーナ2Bの電線ホルダ3Bに対する姿勢が安定化し、ケース7への取り付けが容易となる。また、ボルト6の締め付け時には、そのトルクによって電線ホルダ3B及びシールドケース4がリテーナ2Bに対して大きく回転してしまうことを規制できる。
【0099】
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。図11は、本実施の形態に係る電線保持装置がケースの外面に取り付けられた状態における電線保持装置の図10(b)におけるF−F断面図である。
【0100】
本実施の形態に係る電線保持装置1Cは、シールドケース4Bの形状が第1の実施の形態に係るシールドケース4とは異なり、それ以外の構成は第1の実施の形態に係る電線保持装置1と共通であるので、同一の機能を有する部材については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0101】
シールドケース4Bは、導電性の金属からなり、電線ホルダ3を収容する収容部43と、シールドケース4Bをケース7(図10に示す)に固定するための板状の固定部45と、収容部43及び固定部45を連結する連結部44とを一体に有している。連結部44は、収容部43と固定部45と間の他、収容部43の全周を囲むように形成されている。収容部43には、電線ホルダ3が圧入されて固定されている。シールドケース4B及び電線ホルダ3は、本発明の電線保持部材の一例である。
【0102】
第1の実施の形態では、シールドケース4の固定部42が第1〜第3の電線91〜93の延伸方向(電線ホルダ3の保持孔30の中心軸方向)に直交する平面に沿って形成されていたが、本実施の形態に係るシールドケース4Bは、固定部45が第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に平行となるように形成されている構成が第1の実施の形態とは異なる。
【0103】
連結部44は、収容部43のリテーナ2側の端部から、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に対して直交する方向に延びるように形成され、収容部43の端部と固定部45の端部とを連結している。
【0104】
固定部45は、リテーナ2の外周側の一部を覆うように、連結部44から収容部43とは反対側に延びるように形成されている。また、固定部45には、シールドケース4Bをケース7に固定するための貫通孔45aが2箇所に形成されている。
【0105】
電線保持装置1Cは、図11に示すように、ケース7の角部に取り付けられる。より具体的には、電線保持装置1Cは、ケース7の取付孔70が形成された面に連結部44が対向し、この面に直交するケース7の他の面に固定部45が対向する位置に取り付けられる。
【0106】
固定部45は、2箇所の貫通孔45aを介してボルト6をケース7に締め付けることにより固定される。この際、ボルト締めのトルクによって、シールドケース4B及び電線ホルダ3を貫通孔45aを中心として回転させる回転力が作用するが、リテーナ2と電線ホルダ3とは別体であり、かつフック313,323と係止部24(共に図2〜図4に示す)の隙間を適切に設定することにより、側面2b及び側面3aに直交する方向にも相対移動可能であるので、この回転力が直接リテーナ2に作用せず、リテーナ2の取付孔70内における姿勢の変化が抑制される。これにより、リテーナ2と取付孔70の内面との隙間が適切な寸法に保たれ、リテーナ2の外周面に保持された外側防水栓22のシール性が維持される。
【0107】
なお、本実施の形態に係るシールドケース4Bを、第1の実施の形態の第1の変形例、もしくは第2又は第3の変形例に係る電線保持装置1A,1Bに適用することも可能である。
【0108】
また、第2の実施の形態に係る電線保持装置1Cは、例えば以下のように変形して実施することも可能である。
【0109】
(変形例)
図12は、第2の実施の形態の変形例に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のG−G線断面図、(c)は(b)のH−H線断面図、(d)は(c)のI部の拡大図である。なお、図12(b)及び(c)では、(a)における編組シールド5の図示を省略している。
【0110】
この電線保持装置1Dは、図10を参照して説明したシールドケース4Bを用いることに加え、リテーナ2C及び電線ホルダ3Cの構成が、第1の実施の形態に係る電線保持装置1のリテーナ2及び電線ホルダ3と異なっている。それ以外の構成は第1の実施の形態に係る電線保持装置1と共通であるので、同一の機能を有する部材については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0111】
リテーナ2Cは、図12(b)に示すように、本体部200と、頚部201と、頭部202とを一体に有している。本体部200には、第1〜第3の電線91〜93を挿通させる3つの挿通孔200aが形成されている。また、本体部200は、その外周面に外側防水栓22を保持し、挿通孔200aの内周面に内側防水栓23を保持している。
【0112】
頚部201は、本体部200から第1〜第3の電線91〜93と平行に、後述する電線ホルダ3Cの第1部材37及び第2部材38の本体部371,381に向かって突出している。頚部201は、第1の電線91と第2の電線92との間、及び第2の電線92と第3の電線93との間に形成されている。また、本実施の形態では、頚部201が円柱状である。
【0113】
頭部202は、頚部201の先端(本体部200とは反対側の端部)に設けられている。本実施の形態では、頭部202が頚部201と軸心を共有する円板状であり、その直径が頚部201の直径よりも大径に形成されている。つまり、頭部202は、頚部201よりも、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に直交する方向の幅が大きく形成されている。
【0114】
図12(b)に示すように、電線ホルダ3Cは、第1〜第3の電線91〜93を挟んで対向する第1部材37及び第2部材38からなり、これら第1部材37及び第2部材38が互いに係止されて組み合わされている。第1部材37は、本体部371と係止部372とを一体に有している。また、第2部材38は、本体部381と係止部382とを一体に有している。
【0115】
図12(c)に示すように、第2部材38の本体部381には、半円状の3つの保持溝380が形成されている。保持溝380は、大径部380a及び小径部380bからなり、大径部380aは、小径部380bのリテーナ2C側に設けられている。また、第1部材37の保持溝370(図12(b)に示す)も、第2部材38の保持溝380と同様に形成されている。
【0116】
第1部材37及び第2部材38の係止部372,382は、本体部371,381のリテーナ2C側に設けられている。つまり、係止部372,382は、第1部材37及び第2部材38の本体部371,381と、リテーナ2Cの本体部200との間に位置している。
【0117】
図12(d)に示すように、係止部382は、リテーナ2Cの本体部200に向かって本体部381から突出した突起部382aと、突起部382aの先端からリテーナ2Cの頚部201に向かって突出し、頭部202を係止する係止突起部382bとを有している。係止突起部382bには、半円状の内面382cを有し、頚部201を挿通させる開口が形成されている。内面382cは、頚部201の外周面に対向している。
【0118】
内面382cの内径は、頚部201の外径よりも大きく、かつ頭部202の外径よりも小さく形成されている。また、突起部382aの長さは、頭部202の厚さよりも長く形成されている。このため、リテーナ2Cの頭部202は、係止突起部382bと本体部381との間で、第1〜第3の電線91〜93に沿った方向(挿通孔200aの中心軸方向)の移動が規制されている。なお、第1部材37の係止部372も、第2部材38の係止部382と同様に形成されている。
【0119】
この構成により、リテーナ2Cは、電線ホルダ3Cに対して揺動可能である。すなわち、リテーナ2Cの挿通孔200aの中心軸が電線ホルダ3Cの保持溝380,370の中心軸に対して傾くように、リテーナ2Cを電線ホルダ3Cに対して第1〜第3の電線91〜93の配列方向に交差する方向に傾斜させることが可能である。
【0120】
図13(a)は、シールドケース4Bの固定部45が電線ホルダ3Cの保持溝370,380と平行に形成された場合において、このシールドケース4Bをケース7の角部に取り付けた状態を示す断面図である。
【0121】
この場合には、シールドケース4Bの連結部44の全体がケース7に接するように、シールドケース4Bがボルト6によって固定される。
【0122】
図13(b)は、シールドケース4Bの固定部45が電線ホルダ3Cの保持溝370,380に対して傾斜して形成された場合において、固定部45をボルト6によってケース7の第1の側面7aに固定する前の状態を示す断面図である。図13(c)は、図13(b)に示す状態から、固定部45をボルト6によってケース7の第1の側面7aに固定した状態を示す断面図である。
【0123】
図13(b)に示すように、例えばシールドケース4Bの加工誤差により、固定部45の先端部が第1〜第2の電線91〜92から離間するように傾斜すると、リテーナ2Cをケース7の取付孔70に挿入した際、固定部45とケース7の第1の側面7aとの間に隙間が形成される。この後、固定部45がボルト6によってケース7の第1の側面7aに固定されると、図13(c)に示すように、固定部45が第1の側面7aに面接触すると共に、電線ホルダ3C及びシールドケース4Bの収容部43が取付孔70に対して傾く。これにより、ケース7の第1の側面7aに直交する第2の側面7bとシールドケース4Bの連結部44との間に隙間が形成される。
【0124】
この場合、仮にリテーナ2Cが電線ホルダ3Cに対して揺動不能に連結されていると、電線ホルダ3Cの傾動に伴って外側防水栓22が取付孔70の内面から受ける面圧が不均一となり、外側防水栓22のシール性が低下するが、本実施の形態では、前述のようにリテーナ2Cが電線ホルダ3Cに対して揺動可能であるので、ボルト6による固定部45の固定によって電線ホルダ3Cが傾いても、取付孔70におけるリテーナ2Cの姿勢の変化が抑制される。これにより、外側防水栓22のシール性の低下が抑制される。
【0125】
また、リテーナ2Cの頭部202は、係止突起部382bの係止によって第1〜第3の電線91〜93に沿った方向の移動が規制されているので、電線ホルダ3Cをケース7の取付孔70から引き抜けば、それに連れてリテーナ2Cも取付孔70から引き抜かれる。つまり、ケース7に対する電線保持装置1Dの着脱が容易となる。
【0126】
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る電線保持装置、及び電線保持装置に保持された電線を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【0127】
本実施の形態に係る電線保持装置1Eは、シールドケースを備えておらず、電線ホルダ3Dが電線を保持する本体部390、及び本体部390をケースに固定するためのボルトを挿通させる貫通孔391aが形成された固定部391を一体に有している。この電線ホルダ3Dは、本発明の電線保持部材の一例である。これ以外の構成は第1の実施の形態に係る電線保持装置1と共通であるので、同一の機能を有する部材については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0128】
電線ホルダ3Dは、リテーナ2とは別体であり、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向(図11の左右方向)に沿ってリテーナ2と並列配置されている。すなわち、リテーナ2と電線ホルダ3Dとは、第1〜第3の電線91〜93に沿って並んで配置されている。
【0129】
電線ホルダ3Dの本体部390は、第1〜第3の電線91〜93を保持しており、これにより第1〜第3の電線91〜93は電線ホルダ3Dに対して移動不能である。また、本体部390における第1〜第3の電線91〜93の先端側の側面390aは、リテーナ2の側面2bに対向している。
【0130】
電線ホルダ3Cの固定部391は、本体部390のリテーナ2側の端部付近から、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に対して直交する方向に突出して形成されている。固定部391は、本体部390を挟む2か所に形成され、本実施の形態では、2つの固定部391が第1〜第3の電線91〜93の配列方向に沿って互いに反対方向に向かって突出するように形成されている。
【0131】
また、2つの固定部391には、第1〜第3の電線91〜93の延伸方向に対して平行となるように形成された貫通孔391aがそれぞれ形成されている。電線ホルダ3Dとリテーナ2とは、側面390a及び側面2bの摺接によって、これら両側面に沿って貫通孔391aに直交する方向に相対移動可能である。
【0132】
この電線保持装置1Eをケースに取り付ける際には、図6を参照して第1の実施の形態について説明した手順と同様に、リテーナ2の側面2bを本体部390の側面390aに当接させてリテーナ2をケースの取付孔に挿入し、その後固定部391の貫通孔391aに挿入されたボルトをケースにねじ締めする。
【0133】
このねじ締めの際、電線ホルダ3Dには貫通孔391aを中心として回転する方向の回転力が作用するが、電線ホルダ3Dとリテーナ2とは、ボルトの回転方向に沿って相対移動可能であるので、この回転力がリテーナ2には直接作用せず、リテーナ2の取付孔内における姿勢が安定する。これにより、外側防水栓22によるリテーナ2と取付孔の内面との間のシール性が良好に保たれる。
【0134】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0135】
例えば、第1の実施の形態において、リテーナ2と電線ホルダ3とは互いに係止されていなくともよい。また、リテーナ2の内周側に内側防水栓が保持されていなくともよい。またさらに、電線ホルダ3は第1〜第3の電線91〜93にモールド成形されていてもよい。電線保持装置に保持される電線の数にも制限はなく、1本あるいは2本でもよいし、4本以上でもよい。
【0136】
また、第1〜第3の電線91〜93の先端部が、リテーナ2に固定された端子に接続されていてもよい。この場合、電線保持装置1及び上記端子によって、ケース7に着脱可能なコネクタが構成される。
【0137】
電線保持装置1が取り付けられる被取付部材に特に制限はなく、車両用に限らず、例えば通信装置や情報処理装置のケースにも適用可能である。
【符号の説明】
【0138】
1,1A,1B,1C,1D,1E…電線保持装置、2,2A,2B,2C…リテーナ(シール保持部材)、2a…外周面、2b…側面、3,3A,3B,3C,3D…電線ホルダ(電線保持部材)、3a…側面、4,4B…シールドケース(収容部材)、5…編組シールド、6…ボルト、7…ケース(被取付部材)、20…挿通孔、20a…小径部、20b…大径部、20c…段部、21…環状溝、21a…凹部、22…外側防水栓(外周シール部材)、22a…突起、23…内側防水栓(内周シール部材)、24…係止部、25…係止機構、26…本体部、26a…小径部、26b…大径部、27…突出部、28…本体部、29…収容部、29a…収容穴、30,30A,30B…保持孔、31,31A,33,35…第1部材、32,34,36…第2部材、37…第1部材、38…第2部材、41…収容部、41a…開口、42…固定部、42a…貫通孔、43…収容部、44…連結部、45…固定部、45a…貫通孔、51…金属バンド、70…取付孔、71…ねじ穴、90…圧着端子、91〜93…第1〜第3の電線、200…本体部、201…頚部、202…頭部、200a…挿通孔、260…挿通孔、261…環状溝、281,282…環状溝、301…本体部、302…先端部、310,320…保持溝、310a…大径部、310b…小径部、311,311A…本体部、311a…端面、312…先端部、313,323…フック、314…結合用フック、315…係止部、316…嵌合突起、317…嵌合凹部、320a…大径部、320b…小径部、323…フック、331a,341a…平面、332,342…鍔部、331,341,351,361…本体部、352,362…突起部、371,381…本体部、372,382…係止部、380a…大径部、380b…小径部、382a…突起部、382b…係止突起部、382c…内面、390…本体部、391…固定部、391a…貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を挿通させる挿通孔を有し、被取付部材に形成された取付孔に収容されるシール保持部材と、
前記シール保持部材の外周面に保持され、前記取付孔の内面と前記シール保持部材との間をシールする外周シール部材と、
前記電線に沿って前記シール保持部材と並んで配置され、前記電線を保持すると共に、前記被取付部材に固定するための固定部を有する電線保持部材とを備え、
前記電線保持部材を前記被取付部材に固定する際において、前記シール保持部材は、前記電線保持部材に対して相対移動可能である
電線保持装置。
【請求項2】
前記電線保持部材は、前記シール保持部材に対向する先端部が前記取付孔に内嵌される嵌合部として形成されている、
請求項1に記載の電線保持装置。
【請求項3】
前記電線保持部材は、前記電線を保持する保持孔が、前記先端部において前記電線との間に隙間を有する、
請求項2に記載の電線保持装置。
【請求項4】
前記シール保持部材の前記挿通孔の内周面に保持され、前記挿通孔と前記電線との間をシールする内周シール部材を備えた、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の電線保持装置。
【請求項5】
前記シール保持部材と前記電線保持部材との間に設けられ、前記シール保持部材の前記挿通孔の中心軸方向への前記シール保持部材と前記電線保持部材との相対移動を規制することが可能な係止機構を備えた、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の電線保持装置。
【請求項6】
前記電線保持部材は、
前記電線を保持する電線ホルダと、
前記電線ホルダの少なくとも一部を収容する収容部、及び前記固定部を一体に有する収容部材とを有する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の電線保持装置。
【請求項7】
前記シール保持部材は、前記電線ホルダに対して揺動可能である、
請求項6に記載の電線保持装置。
【請求項8】
前記シール保持部材は、本体部と、前記本体部から突出した頚部と、頚部の端部に設けられた頭部とを有し、
前記電線ホルダは、前記頚部を挿通させて前記頭部を係止する係止部を有する、
請求項7に記載の電線保持装置。
【請求項9】
前記電線保持部材は、前記電線を保持する本体部、及び前記固定部を一体に有する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の電線保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−253008(P2012−253008A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23029(P2012−23029)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】