説明

電解ガス処理装置および硫酸リサイクル型洗浄システム

【課題】電解によって生成される電解液に含まれる電解ガスによる安全性の低下などの不具合を解消する。
【解決手段】電解反応装置における電解により生成した電解液及び電解ガスを移送する移送ライン202と、該移送ライン202に設けられ、前記電解液と電解ガスとを分離する気液分離手段20とを備える電解処理装置とする。過硫酸溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄装置1と、電解反応により、被洗浄材の洗浄廃液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸溶液を再生する電解反応装置4と、上記電解処理装置20を備える硫酸リサイクル型洗浄システムとする。電解により生成された電解液中から電解ガスを分離することで、電解ガスによる危険性を排して安全に電解液を利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に電解質を含んだ溶液を電解した電解液から電解ガスを分離する電解ガス処理装置および該電解ガス処理装置を備える硫酸リサイクル型洗浄システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
超LSI製造工程におけるウエハ洗浄技術は、レジスト残渣、微粒子、金属および自然酸化膜などを剥離洗浄するプロセスでは、濃硫酸と過酸化水素の混合溶液(SPM)あるいは、濃硫酸にオゾンを吹き込んだ溶液(SOM)が多用されている。過酸化水素もしくはオゾンによって硫酸が酸化されてできる過硫酸が洗浄に役立つことが分かっている。SPMには、過硫酸が分解して減少する分を補うための過酸化水素水の補給が必要である。過酸化水素水中の水で希釈されるため、液組成を一定に維持することが難しく、所定時間もしくは規定の処理バッチ数毎に液が廃棄され、更新されている。このため多量の薬品を保管しなければならないという問題がある。
一方のSOMでは液が希釈されることがなく、一般的にSPMより液更新サイクルを長くできるものの、オゾンによる過硫酸の生成効率が低く、洗浄効果においてはSPMよりやや劣る。また、これらの方法では、生成する過硫酸の濃度には限界があり、これが洗浄効果の限界につながっている。また、過硫酸を生成する方法として、上記方法の他に、硫酸イオンを含む水溶液を電解槽で電解して過硫酸溶解水を得て洗浄に供する方法も知られている(特許文献1、2参照)が、経時的に過硫酸濃度が低下するという問題を有している。
【0003】
これらに対し、我々は、洗浄効果の高い過硫酸を連続して、しかも多量に供給し続ける技術を発明している。すなわち硫酸溶液を電解処理することで過硫酸を連続的に生成して硫酸をリサイクルする洗浄システムを開発している。
【特許文献1】特開2001−192874号公報
【特許文献2】特表2003−511555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水溶液の硫酸溶液を電解処理する方法では、電解に際して陰極から水素が多量に発生して、陽極から発生する酸素とともに混合されており、これが電解液とともに送液されると水素は発火性を有することから安全性の点で懸念されるという問題がある。また、密閉性の洗浄槽や循環システムでは、次第に水素、酸素が徐々に濃度を高め危険度を増すと共にガスを含む溶液が循環して電解反応装置で再利用される際に、ガスによって電解効率が低下するという問題もある。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、電解液に含まれるガスを効果的に分離することができる電解ガス処理装置および該電解ガス処理装置を備える硫酸リサイクル型洗浄システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の電解ガス処理装置のうち、請求項1記載の発明は、電解反応装置における電解により生成した電解液及び電解ガスを移送する移送ラインと、該移送ラインに設けられ、前記電解液と電解ガスとを分離する気液分離手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
電解反応装置から排出されるガスは、溶液中に含まれる水の電解によるものであり、陰極から水素が陽極から酸素が発生する。これらが、配管内などで、混合した状態で流動するので、溶液と配管内などで発生する静電気などにより引火しやすくなる。
請求項1記載の電解ガス処理装置の発明によれば、移送ラインを移動する電解液及び上記電解ガスが気液分離手段によって分離され、電解ガスを除去した電解液が得られ、次工程などに利用することができる。
【0008】
本発明の気液分離手段としては、特定の構成に限定されるものではなく、重力や遠心力を利用したものや透過膜を利用したものを用いることができ、要は電解液と電解ガスとを分離して電解液を利用可能とするものであればよい。
【0009】
請求項2記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1記載の発明において、前記気液分離手段は、気液分離器とその後段にあるミストセパレータを含むことを特徴とする。
気液分離器としては容器式で比重差で下層に液、上層に気体が分離し、境界面ができるものが挙げられる。
【0010】
気液分離を行ったガスは、ドラフトチャンバー内で大気開放したり、触媒処理装置を通して水素を除去することができる。しかし、電解液が酸化性の高い過硫酸溶液などの場合に、ガスに電解液成分が含まれているとそのまま排ガスとする場合に不具合があったり、触媒燃焼などの後処理において触媒や配管などを損傷するおそれがある。また、電解液が含まれていることによって触媒燃焼などの後処理効率が低下する。
請求項2記載の発明によれば、気液分離器で分離したガスに含まれるミスト成分をさらに分離することでガスに電解液成分が極力含まれないようにすることができ、大気開放や後処理における上記問題点が解消される。
【0011】
請求項3記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項2に記載の発明において、前記気液分離器において分離された分離液を被電解液として電解反応装置に供給可能とすることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、ガスを分離した電解液を再度電解に供することで溶液が配管などを循環する際の安全性を高めることができ、また電解ガスの除去により電解効率が向上する。
【0013】
請求項4記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記気液分離手段の後段に、分離された電解ガスを触媒によって燃焼反応させる触媒反応手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、水素などの電解ガスを触媒によって確実に燃焼反応させて処理することができる。触媒反応手段の構成は本発明としては特に限定されるものではないが、例えば、ハニカム状の担体に触媒を担持したものが挙げられる。担体としては硫酸などの蒸気に耐え得るアルミナなどが望ましく、触媒としてはPt、Rh、Ru、Irあるいはこれらの合金などといった白金族の金属が望ましい。
触媒を通過する際に、電解ガス中の水素などが酸素と反応して効率よく燃焼処理される。また、電解ガスにオゾンが含まれる場合には、これを支燃性ガスとすることもできる。なお、本発明としては、空気などによって酸素を外部から供給するものであってもよい。
【0015】
請求項5記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記電解反応装置における電極の少なくとも一つがダイヤモンド電極であることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、ダイヤモンド電極を備えて過硫酸溶液などの酸化性の強い電解液を生成する電解反応装置を対象にして電解ガス処理を行うことができる。
【0017】
請求項6記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記電解反応装置が複数の電解反応槽を並列に接続したものであることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、複数の電解反応槽によって効果的に電解を行うことができるとともに、直列に接続した場合、上流側の電解反応槽で生成されたガスが下流側の電解反応槽に流入するのを回避することができる。
【0019】
請求項7記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記気液分離手段に希釈用ガス供給装置が接続されていることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、希釈用ガス供給装置から供給される希釈用のガスを分離されたガスに混合することで電解ガスの濃度を低下させることができる。これにより高濃度の電解ガスによる危険性を回避することができる。例えば、水素の爆発限界を下回る様に希釈用ガスを混合する。水素は爆発限界濃度が4%から75%であるので、気液分離手段に希釈用ガスを発生水素の25倍(100%÷4%)以上供給することで爆発はしないことになる。なお、希釈用ガスとしては反応性が低くて安定したものが望ましく、空気や窒素、Arなどの不活性ガスなどを用いることができる。
【0021】
請求項8記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記ミストセパレータに希釈用液供給手段が接続されていることを特徴とする。
【0022】
前記ミストセパレータでは、電解ガス中からミストを除去された電解液が滞留する。
請求項8記載の発明によれば、希釈用液供給手段から希釈用液を供給することで上記電解液の濃度を低下させて取り扱いを容易にすることができる。希釈された液は、定期的にミストセパレータから排液することができる。
【0023】
請求項9記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記電解液が半導体基板の洗浄に用いられるものであることを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、電解ガスを除去して安全性の高まった電解液を半導体基板の洗浄に用いることができる。
【0025】
請求項10記載の電解ガス処理装置の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記洗浄後の洗浄廃液が被電解液として前記電解反応装置の電解に供されるものであることを特徴とする。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、洗浄に用いた電解液を再度電解反応装置に供給して再度電解することで洗浄廃液を効率的に再利用することができる。
【0027】
請求項11記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、過硫酸溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄装置と、電解反応により、前記被洗浄材の洗浄廃液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸溶液を再生する電解反応装置と、請求項1〜10のいずれかに記載の電解ガス処理装置とを備えることを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の硫酸リサイクル型洗浄システムによれば、洗浄液中の過硫酸イオンが自己分解して酸化力を発し、この酸化力によって被洗浄材の汚染物などが効果的に剥離洗浄される。そして洗浄液では、溶液中の過硫酸イオンが自己分解することにより過硫酸濃度が次第に低下する。この過硫酸溶液である洗浄廃液は、電解反応装置で再度電解を行うことができる。電解反応装置では、硫酸イオンを含む溶液に陽極及び陰極を浸漬し、電極間に電流を流し電解することによって硫酸イオンが酸化されて過硫酸イオンが生成され、過硫酸濃度が十分に高い過硫酸溶液に再生される。再生された過硫酸溶液は、循環ラインを通して洗浄装置に送液され、上記と同様に被洗浄材を高濃度の過硫酸イオンによって効果的に剥離洗浄する。過硫酸は、洗浄装置と電解反応装置との間で繰り返し循環することで、過硫酸組成を維持した状態で効果的な洗浄を継続することができる。なお、立ち上げ時には、硫酸を用意し、これを電解反応装置で過硫酸溶液として洗浄装置に送液するようにして過硫酸溶液の循環を開始することもできる。
【0029】
請求項11記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、請求項10記載の発明において、前記電解ガス処理装置で分離された電解液を前記洗浄装置に供給する送りラインを備えることを特徴とする。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、電解ガスを分離除去した電解液を洗浄に供することができ、電解ガスによる危険性を排して効率的な洗浄処理を行うことが可能になる。
【0031】
本発明の硫酸リサイクル型洗浄システムは、上記のように半導体産業におけるシリコンウエハなどの基板上に付着した汚染物を高濃度硫酸溶液で洗浄剥離するプロセスに使用することができる。アッシングプロセスなどの前処理工程を省略してレジスト剥離・酸化効果を高めるために過硫酸溶液を10℃から90℃の温度範囲で電解反応装置によってオンサイト製造することができ、硫酸溶液を繰り返し利用して外部からの過酸化水素やオゾンなどの薬液添加を必要としない洗浄システムに適用される。
この洗浄システムの概略を以下に述べる。1)高濃度硫酸溶液から過硫酸溶液を製造する電解反応装置、2)シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板など電子材料基板を洗浄する洗浄装置、3)高濃度硫酸溶液を循環させるポンプや配管で構成される循環路を備え、さらに所望により、4)電解反応装置からの送り液と洗浄槽からの戻り液の熱を回収する熱交換器、5)電解反応装置出口において気液分離して、水素を燃焼させる触媒処理装置などを有する。
【0032】
洗浄液となる硫酸の濃度は、電解による過硫酸生成効率とレジスト除去効果に大きな影響を与える。硫酸濃度を4〜7M程度にすると電解による過硫酸生成効率は向上するが、レジストの剥離溶解効果は低下する。そこで、発明者らは種々実験を繰り返し、硫酸濃度が8〜18Mの範囲が適切であることを見出した。
電解反応装置では、高濃度硫酸溶液を電解し、洗浄効果を高める過硫酸を生成する。溶液温度が低いほど過硫酸生成効率が高いことから、過硫酸を生成するときの電解温度は10〜90℃で、好ましくは40〜80℃の範囲で行う。このような電解反応装置内の電極材料として、陽極として白金電極を用いた場合では、過硫酸を効率的に製造することができず、白金が溶出するという問題がある。そこで、導電性ダイヤモンド電極によって、硫酸から過硫酸を製造することが、電流密度を0.2A/cm程度にした場合については報告されている(Ch.Comninellis et al.,Electrochemical and Solid−State Letters, Vol.3(2)77−79(2000)、特表2003−511555)。なお、金属等の基板にダイヤモンド薄膜を担持した電極ではダイヤモンド膜の剥離が生じて、作用効果が短期間で消失する場合があるという問題がるので、基板上に析出させた後に基板を取り去った自立型導電性ダイヤモンド電極が望ましい。なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、合成の際にボロンまたは窒素の所定量をドープして導電性を付与したものであり、通常はボロンドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppmの範囲のものが適している。
電解反応装置における電解処理は、電極表面の電流密度を10〜100,000A/mとし、硫酸溶液を電極面と平行方向に、通液線速度を1〜10,000m/hで接触処理させることが望ましい。
【0033】
洗浄装置は枚葉式、バッチ式のいずれでも良いが、該洗浄装置では電子基板の洗浄時にレジスト等汚染物の剥離溶解に伴い洗浄液中に溶解性のTOCが発生する。このとき、洗浄液のTOCを効率良く除去し、電子基板材料への有機物の再付着を防ぐ必要があるため、TOC生成速度(g/L/hr)に対して電解反応装置での過硫酸生成速度(g/L/hr)が10倍から500倍となるように電解条件を設定することが好ましい。
洗浄温度は、その温度が高いほどレジスト等有機物の除去効果が高く、一般的に100〜150℃で洗浄することが多い。したがって、本発明では、電解反応装置から洗浄装置への送り液と洗浄装置から電解反応装置への戻り液を熱交換することが望ましい。電解反応装置から排出されるガスは、溶液中に含まれる水の電解によるものであり、陰極から水素が陽極から酸素が発生する。これらが、配管内で、混合した状態で流動する。本発明では、電解セル直後の配管途中に、電解液とガスを分離する気液分離器を設け、好適には水素の爆発限界を下回る様に空気又は窒素を供給してガスを希釈する。気液分離器で電解液を分離して、好適にはこの電解液を配管で次工程に通液する。ガスは好適にはミストセパレーターを通して、大気開放するか触媒による燃焼装置で処理される。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明の電解ガス処理装置は、電解反応装置における電解により生成した電解液及び電解ガスを移送する移送ラインと、該移送ラインに設けられ、前記電解液と電解ガスとを分離する気液分離手段とを備えるので、電解により生成された電解液中から電解ガスを分離することで、電解ガスによる危険性を排して安全に電解液を利用することができる。
【0035】
また、本発明の硫酸リサイクル型洗浄システムは、過硫酸溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄装置と、電解反応により、前記被洗浄材の洗浄廃液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸溶液を再生する電解反応装置と、前記各発明のいずれかの電解ガス処理装置とを備えるので、剥離効果を高めるための過硫酸溶液を電解反応装置によってオンサイトで再生して洗浄に使用することができる。また、外部からの過酸化水素やオゾンなどの薬液添加を必要とすることなく効率的な洗浄を継続することができる。さらに電解反応装置において発生する電解ガスを分離除去することで安全性を高めるとともに、分離した電解液を繰り返し再利用する際には、電解反応装置における電解効率を向上させる効果もある。
【0036】
なお、本発明の洗浄システムでは、種々の被洗浄材を対象にして洗浄処理を行うことができるが、シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、フォトマスク基板などの電子材料基板を対象にして洗浄処理をする用途に好適である。さらに具体的には、半導体基板上に付着したレジスト残渣などの有機化合物の剥離プロセスに利用することができる。また、半導体基板上に付着した微粒子、金属などの異物除去プロセスに利用することができる。
なお、従来、半導体基板の処理プロセスなどでは、洗浄処理に先立って、通常、前処理工程としてドライエッチングやアッシングプロセスを利用して有機物であるレジストを予め酸化して灰化する工程が組み込まれている。この工程は、装置コストや処理コストを高価にするという問題を有している。ところで、本発明のシステムでは、優れた洗浄効果が得られることから、上記したドライエッチングやアッシングプロセスなどの前処理工程を組み込むことなく洗浄処理を行った場合にも、十分にレジストなどの除去効果が得られる。すなわち、本発明は、これらの前処理工程を省略したプロセスを確立することも可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、本発明の一実施形態の電解ガス処理装置を説明する。
本発明の洗浄装置に相当する洗浄槽1には、電解反応装置4が、戻り管2と本発明の送りラインに相当する送り管5とによって接続されている。電解反応装置4は、電解反応槽としての2つの電解セル40、41を並列に接続し、それぞれの電極に電解セル40、41が直列になるようにして直流電源42が接続されて構成されている。
電解セル40、41は、同様の構造を有するので、電解セル40によってその構造を説明すると、陽極40aおよび陰極40bが配置され、さらに陽極40aと、陰極40bとの間に所定の間隔をおいてバイポーラ電極40c…40cが配置されている。なお、本発明としてはバイポーラ式ではなく、陽極と陰極のみを電極として備えるものであってもよい。上記陽極40aおよび陰極40bには、直流電源42が接続されており、これにより電解反応装置4での直流電解が可能になっている。各電極40a、40b、40cは、ダイヤモンド電極によって構成されている。該ダイヤモンド電極は、基板状にダイヤモンド薄膜を形成するとともに、該ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、好適には50〜20,000ppmの範囲でボロンをドープすることにより製造したものである。好適には、薄膜形成後に基板を取り去って自立型とする。
【0038】
なお、上記戻り管2、送り管5は、それぞれ少なくとも内面がテトラフルオロエチレンで構成されており、戻り管2には過硫酸溶液を送液するための送液ポンプ6が介設されている。上記戻り管2、送り管5、送液ポンプ6によって、循環ラインが構成されている。また、戻り管2と送り管5との間には、熱交換手段として熱交換器8が介設されており、該熱交換器8によって戻り管2を流れる溶液と送り管5を流れる溶液とが互いに熱交換可能になっている。なお、熱交換器8内の流路(図示しない)も少なくとも内面がテトラフルオロエチレンで構成されている。上記のように戻り管2、送り管5、熱交換器8の流路を過硫酸に対し耐性のあるテトラフルオロエチレンなどで構成することで、過硫酸による損耗を回避することができる。
【0039】
また、前記洗浄槽1には、超純水を補給する超純水補給ライン11が取り付けられており、さらに収容した溶液を加熱するヒータ12を備えている。また電解セル40、41の出口にある送り管5に、気液分離手段20が介設されており、該気液分離手段20で分離したガスが流れる後段に、触媒反応手段30が接続されている。水素を系外に排出しないように構成されている。
【0040】
次に気液分離手段20および触媒反応手段30の詳細について図2に基づいて説明する。
気液分離手段20は、重力を利用した容器式の気液分離器200を有しており、電解セル4の送り管5の上流側が電解液及び電解ガスを移送する移送ライン202に接続されている。また、気液分離器200には、空気、窒素などの比較的純度の希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給装置が希釈用ガス供給ライン201aによって接続されて、希釈用ガスの供給が可能になっている。気液分離器200で分離された電解液は、分離液移送ライン203によって電解貯槽230に移送可能になっている。電解貯槽230は前記した送り管5の上流側に接続されており、該送り管5は、前記したように洗浄槽1に接続されている。
なお、分離液移送ライン203では、電解貯槽230が気液分離器200よりも下方に位置していると、分離した電解液が継続して流出してしまうので、必要に応じて、分離液移送ライン203の中途で気液分離器200の液面と同一高さの液面が確保される立ち上がり部を設けて開放するなどの手段を講じる。
【0041】
また、上記気液分離器200では、比重差によって分離されたガスを気液分離器200外に移送する分離ガス移送路204がミストセパレータ210に接続されており、該分離ガス移送路204には、電解貯槽230に接続されたガス抜きライン215が合流して電解貯槽230で滞留するガスが分離ガス移送路204に合流するように構成されている。また、分離ガス移送路204には、空気、窒素などの比較的純度の低い希釈用ガスを供給する希釈用ガス供給装置が希釈用ガス供給ライン201bによって接続されている。
上記のように希釈用ガス供給ライン201a、201bによって純度の異なる希釈用ガスを供給するのは、気液分離器200で水素の爆発限度以下にするための必要量で高純度の希釈ガスを供給することで安全性を確保するとともに、気液分離器200で分離された電解液に不純なガス成分を混入させることなく電解貯槽230に送液して電解に供することが可能になる。また、分離ガス移送路204に希釈用ガスを供給することで、希釈による安全性をさらに高めることができる。この希釈用ガスに比較的純度の低いものを使用することでコストを低減できる。しかも、このラインで低純度の希釈用ガスを用いても分離された電解液への悪影響は回避できる。なお、本発明としては、気液分離器200にのみ希釈用ガスを供給するものであってもよい。
【0042】
ミストセパレータ210では、小ビーズ211…211が積層されてミスト分離が可能になっており、分離された電解液213が貯液されるように構成されている。また、ミストセパレータ210には、希釈用液供給装置の希釈用液供給ライン212が接続されており、この実施形態では希釈用液として純水が供給されるように構成されている。希釈用液は、ミストセパレータ210内に供給されて小ビーズ211の洗浄を行うとともに、電解液213に混合されて濃縮された電解液213を希釈する。希釈液は、希釈廃液移送ライン214によってミストセパレータ210から適宜(例えば定期的)に排出する。希釈廃液は、希釈用ガスに高純度のガスを用いる場合などには、再利用することができる。
【0043】
ミストセパレータ210には、分離されたガスを排出して移送するミスト分離ガス移送ライン301が接続されており、該ミスト分離ガス移送ライン301には、ブロワ302が介設されて触媒反応手段30に接続されている。なお、ミスト分離ガス移送ライン301には、不足する酸素を補うために空気吸引を可能にする。なお、希釈用ガスに酸素を含むガスを用いる場合には、空気の吸引は省略してもよい。
【0044】
触媒反応手段30は、ガスを加熱するヒータ311を備えており、さらに加熱されたガスを通気させる触媒層310を有している。触媒層310は、ハニカム構造などの担体に白金などの触媒が担持されて構成されている。触媒層310には、燃焼ガスを排出する排ガスライン312が接続されている。
【0045】
次に、上記硫酸リサイクル型洗浄システムの動作について説明する。
例えば、97%濃硫酸40Lに超純水供給ライン11から超純水を供給して、前記濃硫酸に超純水10Lの割合で調整した高濃度硫酸溶液を洗浄槽1に入れて、ヒーター12により130℃に加熱保持する。これを送液ポンプ6によって戻り管2を通して、電解セル40、41に送液する。この際に電解セル40、41の通液線速度が1〜10,000m/hrとなるように前記送液ポンプ6の出力を設定するのが望ましい。なお、電解セル40、41における通電では、ダイヤモンド電極表面での電流密度が10〜100,000A/mとなるように通電制御するのが望ましい。電解セル40、41は、直流電源42に対し、直列接続となっているので、通電電流を同じにすることができる。
【0046】
電解セル40、41に通電されると、被電解液である硫酸溶液中(洗浄廃液)の硫酸イオンが酸化反応して過硫酸イオンが生成され過硫酸溶液13が電解液として再生され、また、電解に伴って溶液中の水から水素と酸素とが電解ガスとして生成される。この電解ガスを含んだ過硫酸溶液13は、電解液として送り管5内に送出される。なお、電解セル40、41は並列に接続されているので、一方の電解セルで生成された電解ガスが他方の電解セルに流入することなく、速やかに送り管5に送出される。
そして、電解ガスを含んだ過硫酸溶液13は、気液分離手段20に送られて電解ガスの分離および除去が行われる。その詳細を以下に説明する。
【0047】
移送ライン202を通して電解ガスを含んだ過硫酸溶液13が気液分離器200に送られ、比重差によって過硫酸溶液が下方に滞留し、電解ガスが液面上方に分離する。気液分離器200では、希釈用ガス供給ライン201aによって希釈用高純度ガスが供給され、分離された電解ガスの濃度を爆発限度以下に低下させている。電解ガスが分離された過硫酸溶液13は、分離液移送ライン203によって電解貯槽230に移送され、送液ポンプ7によって洗浄槽1へと移送される。
【0048】
気液分離器200で分離された電解ガスは、希釈用ガス供給ライン201bによって希釈用低純度ガスが供給され電解ガスの濃度が十分に低下されるとともに、ブロワ302の吸引によって、分離ガス移送路204を通してミストセパレータ210へと送られる。ミストセパレータ210では、電解ガスは小ビーズ211…211を上昇しつつ通過することでミスト分が除去され、ミスト分離ガス移送ライン301へと移動する。また、電解貯槽230に滞留する電解ガスも、同じくガス抜きライン215を介して分離ガス移送路204に合流してミストセパレータ210へと送られてミストが分離される。また、ミストセパレータ210では、希釈用液供給ライン212を通して希釈用液が供給されており、分離されたミスト分からなる過硫酸溶液を希釈するとともに、小ビーズ211を洗浄する。希釈された過硫酸溶液は、希釈廃液移送ライン214によってミストセパレータ210外に排出される。希釈廃液はそのまま廃液処理をしてもよいが、希釈用ガスの純度が高い場合は、さらに、電解反応装置4に供給して被電解液として電解に供することも可能である。
【0049】
ミストセパレータ210でミスト分が分離された電解ガスは、上記したようにミスト分離ガス移送ライン301を通して吸引される空気とともに触媒反応手段30に導入される。触媒反応手段30に導入された電解ガスは、ヒータ311によって適温(例えば150℃)にまで加熱され、触媒層310に送り込まれる。触媒層310に送り込まれた電解ガス中の水素は、触媒の作用によって燃焼反応し昇温する(例えば230℃)。この際に、電解ガスに含まれる酸素やオゾンは支燃ガスとして上記燃焼作用に寄与する。酸素不足分は酸素を含む希釈ガス(酸素、空気など)や上記のように系外から吸引した空気などによって適宜補うことができる。燃焼ガスは排ガスとして排ガスライン312によって大気開放される。
【0050】
一方、電解貯槽230から過硫酸溶液13が送液された洗浄槽1では、自己分解によって過硫酸イオン濃度が漸減するものの電解反応装置4との間で溶液が循環し、電解セル40、41において電解されて過硫酸イオンが生成されることから、高い過硫酸イオン濃度が維持される。また、循環する溶液は、前記した電解ガス処理装置で電解ガスの分離除去がなされており、電解セル40、41で電解する際に循環する電解ガスによって電解効率が低下することがなく、電解効率が向上する。なお、この実施形態では、立ち上げ時に硫酸から過硫酸を製造する過程について説明したが、本発明としては、当初から過硫酸が用意されているものであってもよい。ただし、オンサイトで過硫酸を製造するという点では、電解セルを用いて過硫酸を製造することが有利である。
【0051】
洗浄槽1内に被洗浄材である半導体ウエハ15を収容して洗浄を開始する。すると、洗浄槽1内では、半導体ウエハ15上の汚染物などが効果的に剥離除去され、過硫酸溶液13中に移行する。溶液中に移行した汚染物のうち有機物は過硫酸イオンによる高い酸化作用によって分解される。
【0052】
また、過硫酸溶液13が洗浄槽1と電解反応装置4との間で戻り管2、送り管5を移動する際に、洗浄槽1から電解反応装置4に送られる溶液と、電解反応装置4から洗浄槽1に送られる溶液との間で、熱交換器8において熱交換がなされる。洗浄槽1から送液される溶液は、洗浄に好適なように130℃程度に加熱されている。一方、電解反応装置4から送液される溶液は、電解に好適な40℃程度の温度を有している。これら溶液が熱交換されることによって戻り管2を移動する溶液は40℃に近い温度に低下し、一方、送り管5を移動する溶液は、130℃に近い温度にまで加熱される。熱交換器8で熱交換され、戻り管2を移動する溶液は、その後、自然冷却によって次第に降温し、電解反応に好適な40℃程度の温度となる。なお、確実に温度を低下させたい場合には、電解セル40、41を水冷、空冷するなどして強制的に冷却する冷却手段を付設することもできる。熱交換器8で熱交換され、送り管5を移動する過硫酸溶液13は、洗浄槽1に送られ、洗浄槽1内に残存する過硫酸溶液13に混合される。洗浄槽1内の過硫酸溶液13の温度が低下した場合には、前記ヒータ12による加熱によって洗浄に最適な温度に昇温させることができる。上記のように、溶液は洗浄槽1から電解反応装置4へ送られる際に冷却され、電解された後、電解反応装置4から洗浄槽1へ戻される際に加温される。この1サイクルの中で冷却される熱量と加温される熱量はほぼ等しいため、高効率の熱交換器8を組み込み、放熱分程度について外部から熱エネルギーを加えることで、効率的に溶液の温度調整を行うことができる。
上記硫酸リサイクル型洗浄システムによって半導体ウエハ15の洗浄を行うことで、過酸化水素水やオゾンの添加を必要とすることなく、硫酸溶液を繰り返し使用して過硫酸溶液を生成しつつ効果的な洗浄を継続することができる。
【0053】
次に、上記電解ガス処理装置において、ガス処理量を制御する実施形態について図3に基づいて説明する。なお、上記実施形態と同様の構造については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
すなわち、気液分離器200には、希釈ガス供給ライン201が接続されているとともに、分離器内の液面を検知する液面センサ401と402が異なる液面を対象に検知可能になっており、液面センサ402では、設定された下限液面に液面が有るか否かの検知を行い、液面センサでは設定された上限液面に液面が有るか否かの検知を行う。これら液面センサ401、402の構成は特に限定されるものではなく、既知のセンサを用いることができる。これら液面センサ401、402の測定結果は制御装置40に出力されている。制御装置40は、例えば、CPUとこれを動作させるプログラムとによって構成することができる。制御装置40は、ミスト分離ガス移送ライン301に設けられた電磁開閉弁403の開閉制御が可能になっており、前記した気液分離器200における過硫酸溶液の液面が上記した液面センサ401、402で検知される上下限液面の範囲に実際の液面があるように上記電磁開閉弁403を制御してミスト分離ガス移送ライン301を流れるガス量を制御する。
【0054】
以下に、上記気液分離手段における処理ガス量の制御方法について図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
送液ポンプ2で送られる溶液は、電解反応装置4で電解された後、気液分離器200内に導入され、電解ガスが比重差によって分離する。なお、装置稼働時には、電磁開閉弁403は閉じておく(ステップs1)。気液分離器200内での分離ガス量が少ない状態では、ガス圧も低いため、液面は上昇して比較的高い位置にある。ここで、液面センサ401の検知結果から、液面が設定上限よりも上にあるか否かが判定される(ステップs2)。ここで、液面が設定上限の上にある場合、ガス圧は低いので、電磁開閉弁403は閉じておく。電磁開閉弁403が閉のとき、電解液に同伴された水素と酸素及び希釈用ガスが投入され、次第にガス滞留量が増し、ガス圧が高くなり、液面が下がってくる。一方、前記判定において液面が設定上限以下であると判定される場合、液面センサ402の検知結果から、液面が設定下限よりも低くなっているか否かが判定される(ステップs3)。液面が設定下限に達していないと判定される場合、電磁開閉弁403は閉じたままにしておく。一方、液面が設定下限を下回ると判定される場合、ガス圧が高くなって十分な量のガスが気液分離器200内に滞留していると考えられるので、電磁開閉弁403を開く。すると、気液分離器200内の電解ガスは、前記したブロワ302で吸引され、ミストセパレータ210に移送されてさらにミストの分離、触媒燃焼等に供される。上記ガスの吸引によって気液分離器内のガス圧が低下し、内部圧力が下がって液面が上昇するため、上記ステップs1〜s4を繰り返すことで気液分離器200内の液面を一定範囲内に調整しつつ、電解ガスを安定したガス量で処理することができる。
なお、上記実施形態では、気液分離器の液面を観察してその液面を制御することでガス量の制御を行ったが、気液分離器内のガス圧を測定してその圧力が一定範囲内になるようにガス量の制御を行うことも可能である。
【実施例1】
【0055】
次に、本発明の一実施例を以下に説明する。
上記した実施形態の硫酸リサイクル型洗浄システムを用いて、洗浄槽に、97%濃硫酸40L、超純水10Lの割合で調整した高濃度硫酸溶液を調製して130℃に加熱保持した。電解反応装置内には、直径15cm、厚さ1mmのSi基板にボロンドープした導電性ダイヤモンド電極を10枚組み込んだ槽を2槽並列に配列させた。電解のための有効陽極面積は30dmであり、電流密度を30A/dmに設定して、40℃で電解した。電解反応装置出口水をサンプリングしたところ、過硫酸生成速度が3g/l/hrであることを確認した。洗浄槽には、レジスト付きの5インチのシリコンウエハを10分を浸漬サイクルとして50枚/サイクル浸漬させて、レジスト溶解を行った(TOC生成速度は0.03g/l/hr)。この溶解液を洗浄槽と電解反応装置との間で送液ポンプで10l/minの流量で循環させた。レジスト付きシリコンウエハを浸漬させた時点では洗浄槽内の溶液は茶褐色に着色し、TOC濃度は30mg/lであったが、10分弱の循環処理によって、洗浄槽内の溶液は無色透明となりTOC濃度も検出限界以下となった。このようなウエハ洗浄を8時間(洗浄ウエハ枚数は2,400枚)継続したが、高濃度硫酸溶液のレジスト剥離効果は良好であり、TOC濃度についても検出限界以下であった。そこで、さらに32時間(洗浄ウエハ枚数は9,600枚、総処理枚数は12,000枚)継続したが、高濃度硫酸溶液のレジスト剥離効果は良好であり、TOC濃度についても検出限界以下であった。また、電解反応装置出口に取り付けた気液分離装置により、水素、酸素およびオゾンの混合した気体は触媒燃焼装置へと送られた。触媒燃焼装置には、アルミナを担体として、該担体に触媒としての白金を0.5%担持させた。水素は酸素あるいはオゾンを支燃ガスとして、酸化分解されて安全に系外へと排出された。水素含有による問題もなく連続運転が可能であった。
【0056】
以上、上記実施形態および実施例に基づいて本発明の説明を行ったが、本発明は上記説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態の硫酸リサイクル型洗浄システムを示す概略図である。
【図2】同じく、電解ガス処理装置の一実施形態を示す概略図である。
【図3】同じく、電解ガス処理装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図4】同じく、電解ガス処理装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 洗浄槽
2 戻り管
4 電解反応装置
40 電解セル
41 電解セル
5 送り管
8 熱交換器
13 過硫酸溶液
15 半導体ウエハ
20 気液分離手段
200 気液分離器
201 希釈用ガス供給ライン
201a 希釈用ガス供給ライン
201b 希釈用ガス供給ライン
202 移送ライン
203 分離液移送ライン
204 分離ガス移送路
210 ミストセパレータ
212 希釈用液供給ライン
230 電解貯槽
30 触媒反応手段
301 ミスト分離ガス移送ライン
302 ブロワ
310 触媒層
311 ヒータ
40 制御装置
401 液面センサ
402 液面センサ
403 電磁開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解反応装置における電解により生成した電解液及び電解ガスを移送する移送ラインと、該移送ラインに設けられ、前記電解液と電解ガスとを分離する気液分離手段とを備えることを特徴とする電解ガス処理装置。
【請求項2】
前記気液分離手段は、気液分離器とその後段にあるミストセパレータを含むことを特徴とする請求項1記載の電解ガス処理装置。
【請求項3】
前記気液分離器において分離された分離液を被電解液として電解反応装置に供給可能とすることを特徴とする請求項2記載の電解ガス処理装置。
【請求項4】
前記気液分離手段の後段に、分離された電解ガスを触媒によって燃焼反応させる触媒反応手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項5】
前記電解反応装置における電極の少なくとも一つがダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項6】
前記電解反応装置が複数の電解反応槽を並列に接続したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項7】
前記気液分離手段に希釈ガス供給装置が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項8】
前記ミストセパレータに希釈液供給手段が接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項9】
前記電解液が半導体基板の洗浄に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項10】
前記洗浄後の洗浄廃液が被電解液として前記電解反応装置の電解に供されるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電解ガス処理装置。
【請求項11】
過硫酸溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄装置と、電解反応により、前記被洗浄材の洗浄廃液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸溶液を再生する電解反応装置と、請求項1〜10のいずれかに記載の電解ガス処理装置とを備えることを特徴とする硫酸リサイクル型洗浄システム。
【請求項12】
前記電解ガス処理装置で分離された電解液を前記洗浄装置に供給する送りラインを備えることを特徴とする請求項11記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−262532(P2007−262532A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91511(P2006−91511)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】