説明

露光装置、画像形成装置、及び画像形成ユニット

【課題】本発明に係る構成の露光装置を用いない場合に比べて、解像度が向上した露光装置を提供する。
【解決手段】外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体30を備え、像保持体14の表面に接触して回転する環状の露光装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、画像形成装置、及び画像形成ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、帯電された像保持体を露光することで静電潜像を形成し、静電潜像をトナーを含む現像剤によって現像してトナー像とした後に、トナー像を記録媒体等の被転写体へ転写することによって、画像が形成されている。
【0003】
このような電子写真方式の画像形成装置では、露光装置として、光源から出射された光を像保持体へ向かって走査露光する構成や、光源とセルフォックレンズとを組み合わせた構成等が知られている。また、像保持体と一体的に光源を配置した構成も開示されている(例えば、引用文献1、引用文献2参照)
【0004】
引用文献1には、円筒状のラインヘッドの外周面側に、透光性絶縁層、及び感光層を順に設けた構成の像保持体が開示されている。引用文献2には、感光体ドラムの内側に、感光体ドラムに対して独立して回転する正六角筒状のラインヘッドを配置した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−83637号公報
【特許文献2】特開2007−83638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、本発明に係る構成の露光装置を用いない場合に比べて、解像度が向上した露光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体を備え、像保持体の表面に接触して回転する環状の露光装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記像保持体の回転に従動して回転する請求項1に記載の露光装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、像保持体と、請求項1または請求項2に記載の露光装置と、前記露光装置によって前記像保持体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体上の前記トナー像を被転写体へ転写する転写装置と、を備えた画像形成装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記露光装置が、該露光装置の幅方向の少なくとも片方の端部に設けられ、前記発光体を駆動する駆動部と、該露光装置における前記駆動部の設けられた位置より該露光装置の幅方向の端部に近い側に設けられ、且つ該露光装置の周方向に沿って露出した環状の環状電極と、前記環状電極と前記駆動部とを導通する電極領域と、を更に備え、画像形成装置本体に固定されると共に、少なくとも一部が前記環状電極に接触して配置され、前記環状電極と画像形成装置本体を制御する制御手段とを通電する通電部材と、を備えた請求項3に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、少なくとも、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、前記像保持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像装置と、から選択される1つと、請求項1または請求項2に記載の露光装置と、を有し、画像形成装置に対し着脱可能である画像形成ユニットである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項3、及び請求項5に係る発明によれば、本発明における露光装置を用いない場合に比べて、像保持体上に形成される静電潜像の解像度が向上する、という効果を奏する。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、露光装置が像保持体の回転とは別に回転する場合に比べて、像保持体の摩耗が抑制される、という効果を奏する。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、本発明における駆動部、環状電極、電極領域、及び通電部材を備えた構成ではない場合に比べて、露光装置が回転した場合であっても、複数の発光体の各々への信号や電力の遮断が抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置及び露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置における画像形成装置における露光装置と像保持体との接触部分を拡大して示した模式図である。
【図3】本実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】(A)本実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。(B)図4(A)におけるA−A’断面図である。(C)図4(A)におけるB−B’断面図である。
【図5】(A)本実施形態に係る露光装置の一例を示す模式図である。(B)本実施形態に係る露光装置の一例を示す模式図であり、図5(A)とは異なる形態を示した模式図である。(C)本実施形態に係る露光装置の一例を示す模式図であり、図5(A)及び図5(B)とは異なる形態を示した模式図である。(D)本実施形態に係る露光装置の一例を示す模式図であり図5(A)、図5(B)、及び図5(C)とは異なる形態を示した模式図である。
【図6】第3の実施の形態に係る画像形成装置及び露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して示した模式図である。
【図8】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して模式的に示した断面図であり、図7のC−C’断面図である。
【図9】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して模式的に示した断面図であり、図7のC−C’断面図に相当する領域を示す断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係る通電部材の一例を示す模式図である。
【図11】第3の実施の形態に係る通電部材の一例の断面図を示す模式図である。
【図12】第3の実施の形態に係る画像形成装置における、像保持体と、露光装置と、通電部材と、の位置関係の一例を示す模式図である。
【図13】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して示した模式図である。
【図14】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して模式的に示した断面図であり、図13のC−C’断面図である。
【図15】第3の実施の形態に係る画像形成装置の露光装置と通電部材の一部分の一例を拡大して模式的に示した断面図であり、図13のC−C’断面図に相当する領域を示す断面図である。
【図16】第3の実施の形態に係る画像形成装置における、像保持体と、露光装置と、通電部材と、の位置関係の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一の実施の形態について説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1には、本実施の形態の露光装置、及び本実施の形態の露光装置の搭載された画像形成装置の一例を示した。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置12は、像保持体14、帯電装置16、露光装置10、現像装置18、転写装置20、除去装置22、定着装置24、及び画像形成装置12の装置各部を制御する制御装置41を含んだ構成とされている。
【0018】
像保持体14は、図示を省略する駆動機構によって周方向(図1中、矢印A方向)に回転する。帯電装置16は、像保持体14を帯電する。露光装置10は、帯電装置16によって帯電された像保持体14に形成対象の画像に応じた光を露光することによって、該画像に応じた静電潜像を像保持体14上に形成する。現像装置18は、露光装置10による露光によって像保持体14上に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤によって現像し、静電潜像に応じたトナー像とする。像保持体14上に形成されたトナー像は、転写装置20によって記録媒体Pへ転写され、定着装置24によって記録媒体Pへ定着される。像保持体14上に残留したトナーや紙粉等の付着物は、除去装置22によって除去される。制御装置41は、画像形成装置12に設けられた装置各部に電気的に接続されており、制御装置41による制御によって、画像形成装置12の装置各部が駆動して画像が形成される。
【0019】
これらの像保持体14、露光装置10、現像装置18、転写装置20、除去装置22、及び定着装置24としては、電子写真方式の画像形成装置において用いられる公知の装置が適用される。
【0020】
なお、像保持体14、帯電装置16、露光装置10、現像装置18、及び除去装置22は、画像形成ユニット11としてユニット化されていてもよい。画像形成ユニット11は、画像形成装置12本体に対して着脱可能に設けられたプロセスカートリッジとされており、交換可能とされている。なお、画像形成ユニット11は、少なくとも露光装置10と、像保持体14、帯電装置16、現像装置18、及び除去装置22のうちの少なくとも1つと、を含んだ構成であればよく、像保持体14、帯電装置16、露光装置10、現像装置18、及び除去装置22の全てを含む構成に限られない。画像形成ユニット11は、例えば、像保持体14、帯電装置16、及び現像装置18の少なくとも1つと、露光装置10とを含んだ構成とされていてもよい。
【0021】
露光装置10は、環状に構成され、その外周面が像保持体14の表面に接触して回転するように配置されている(図1及び図2参照)。そして、露光装置10は、外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体30を備えた構成とされている(図1〜図3参照)。露光装置10が、像保持体14の表面に接触して回転することで、露光装置10に設けられた複数の発光体30の各々から出射された露光光が像保持体14に露光され、像保持体14上に静電潜像が形成される。
【0022】
この露光装置10に設けられた複数の発光体30の各々は、帯電装置16によって帯電された像保持体14上に静電潜像を形成する露光光を露光する。この発光体30は、像保持体14の外周面に沿って二次元に配置されていればよいが、形成対象の静電潜像の各画素に応じた位置に配置されていることが望ましい。具体的には、これらの複数の発光体30の各々は、1つの画素に対して1つの発光体30が配置された構成であってもよいし、1つの画素に対して複数の発光体30が配置された構成であってもよいし、複数の画素に対して1つの発光体30が配置された構成であってもよい。なかでも、静電潜像のさらなる解像度向上の観点から、1つの画素に対して1または複数の発光体30が対応するように配置されていることが望ましい。
【0023】
この発光体30は、像保持体14上に静電潜像を形成する露光光を露光するものであればよいが、例えば、有機電界発光素子(以下、有機EL素子と称する)や、LED(Light Emitting Diode)等が挙げられる。
【0024】
発光体30として、有機EL素子を用いる場合には、この露光装置10の構成としては、図4に示す構成が一例として挙げられる。
【0025】
図4に示すように、露光装置10は、環状の支持体42を備えている。支持体42は、本実施形態では、非変形の硬い部材で構成されているものとして説明するが(図5(A)参照)、このような部材に限られない。なお、他の構成についての詳細は、第2の実施形態で説明する。
【0026】
そして、図4に示すように、この支持体42上には、支持体42の幅方向(回転軸方向、図4(A)中の矢印C方向参照)に長い線状の第1の下部電極44Aが、支持体42の周方向(図4(A)及び図1中、矢印B方向)に間隔を空けて複数配列されている(図4(A)参照)。この複数の第1の下部電極44Aの設けられた支持体42上には、これらの第1の下部電極44Aを覆うように、絶縁層48が設けられている(図4(C)参照)。そして、この絶縁層48上には、支持体42の周方向に沿って環状とされた第2の下部電極44Cが、支持体42の幅方向に間隔を空けて複数配列されている。
【0027】
なお、これらの複数の第1の下部電極44Aの各々は、支持体42の幅方向の一端側から他端側に向かって、複数の第2の下部電極44Cの各々に1対1で対応する位置にまで延びた構成とされており、これらの複数の第1の下部電極44Aの、対応する第2の下部電極44Cの位置にまで延びた一端部は、絶縁層48に設けられたビア44B(導通部)を介して、対応する第2の下部電極44Cに電気的に接続されている(図4(A)及び図4(C)参照)。このため、第1の下部電極44A、ビア44B、及び第2の下部電極44Cは、導通した状態とされている。なお、これらの第1の下部電極44A、ビア44B、及び第2の下部電極44Cは、後述する有機EL層50に支持体42側から電圧を印加する複数の下部電極44として機能する。
【0028】
なお、上述のように、複数の第1の下部電極44Aは支持体42の周方向に間隔を空けて複数配列され、複数の第2の下部電極44Cは支持体42の幅方向に間隔を空けて複数配列されているので、これらの複数の第1の下部電極44Aと、複数の第2の下部電極44Cと、は、互いに交差する方向に配列された構成とされているが、互いに直交する方向に配列されていることが望ましい。
【0029】
複数の第1の下部電極44Aの各々における、支持体42の幅方向の、ビア44Bに導通した端部とは反対側の端部は、支持体42上に設けられた駆動部40Bに電気的に接続されている。駆動部40Bは、制御装置41に電気的に接続されている。このため、駆動部40Bから複数の第1の下部電極44Aの各々に電圧が印加されることで、ビア44Bを介して対応する第2の下部電極44Cへ電圧が印加され、複数の下部電極44の各々に電圧が印加される。
【0030】
この第2の下部電極44C上には、有機EL層50が設けられている。詳細には、有機EL層50は、絶縁層48上に設けられた複数の第2の下部電極44Cを覆うように、絶縁層48上に設けられている。有機EL層50は、公知の有機ELの構成材料によって構成すればよい。
【0031】
なお、露光装置10を構成する各層や部材のうち、この有機EL層50(発光体30)より像保持体14側(すなわち外周側)に設けられた層や部材は、有機EL層50から照射される露光光を透過(透過率30%以上、望ましくは80%以上)する性質を示す構成とされる。
【0032】
この有機EL層50上には、複数の上部電極46が設けられている。この上部電極46は、支持体42の幅方向(回転軸方向)に長い線状とされ、支持体42の周方向に間隔を空けて複数配列されている。また、上述のように、この上部電極46は、有機EL層50が射出した光を透過する構成とされている。この上部電極46としては、例えば、カルシウム等を含む構成とされた電荷注入層上に、半透明なアルミニウムやITOに代表される透明導電層を設けた構成が挙げられる。なお、本実施の形態において、「導電」とは、体積抵抗率が10-4Ωcm以下であることを意味している。
【0033】
この複数の上部電極46の、支持体42の幅方向の一端部は、支持体42上に設けられた駆動部40Aに電気的に接続されている(図4(A)及び図4(B)参照)。このため、駆動部40Aから複数の上部電極46の各々に電圧が印加される。
なお、上記駆動部40A及び駆動部40Bを、薄膜トランジスタにて作製することにより、駆動部40A及び40Bが薄く、かつフレキシブルとされる。
【0034】
また、これらの複数の上部電極46の、支持体42の幅方向の他端部は、支持体42の幅方向に間隔をあけて配列された複数の第2の下部電極44Cの全てに重なる(交差する)位置にまで延びた構成とされている(図4(A)参照)。このため、有機EL層50における上部電極46と第2の下部電極44Cとによって挟まれた領域、すなわち、有機EL層50における、上部電極46と第2の下部電極44Cとの交点に相当する領域50Aの各々が、発光体30として機能することとなる。
【0035】
なお、これらの複数の上部電極46と、複数の第2の下部電極44Cとは、互いに交差する方向に配列されていればよいが、更なる解像度向上の観点から、直交する方向に配列されていることが望ましい。
【0036】
上記複数の下部電極44(第1の下部電極44A)に電気的に接続された駆動部40Bは、これらの複数の下部電極44(第1の下部電極44A)のうちの何れか1つまたは複数に選択的に電圧を印加する構成とされている。
また、上記複数の上部電極46に電気的に接続された駆動部40Aは、これらの複数の上部電極46のちの何れか1つまたは複数に選択的に電圧を印加する構成とされている。
このため、形成対象の静電潜像に応じて、駆動部40Aから複数の上部電極46のうちの何れかに選択的に電圧を印加し、駆動部40Bから複数の下部電極44(第1の下部電極44A)のうちの何れに選択的に電圧を印加することによって、有機EL層50の全領域のうちの、形成対象の静電潜像の各画素に対応する領域50A(発光体30)が発光し、像保持体14が露光される。これらの駆動部40A及び駆動部40Bの制御は、駆動部40A及び駆動部40Bに電気的に接続された制御装置41によって行えばよい。なお、これらの駆動部40A及び駆動部40Bの制御は、画像形成装置12を制御する制御装置41で行う形態に限られず、露光装置10に別途制御装置(図示省略)を設けて駆動部40A及び駆動部40Bに電気的に接続し、この制御装置で制御してもよい。
【0037】
露光装置10を上述のような多層配線の構成とすることによって、各電極間の距離が容易に調整され、特に、周方向の電極間(本実施の形態では上部電極46間、第1の下部電極44A間)の距離が容易に狭められるので、静電潜像の更なる解像度の向上が図れると考えられる。また、露光装置10を、有機EL層50を用いた多層配線の構成とすることによって、発光体30(すなわち、有機EL層50及び領域50A)と像保持体14との距離が容易に狭められるので、さらなる解像度の向上が図れると考えられる。
【0038】
なお、露光装置10の最外周(本実施の形態では上部電極46上)には、像保持体14に接触する最外層として、表面層52を設けることが望ましい。
【0039】
この表面層52は、透光性、弾性、及び絶縁性を有する層である。なお、「透光性」とは、発光体30から照射された露光光を透過(透過率30%以上、望ましくは80%以上)する性質を示す。また、「弾性」とは、露光装置10が像保持体14の表面に接触して配置されることで変形し、且つその変形が発光体30の発光特性に影響を与えない程度の弾性を有することを示す。また、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることを示す。
この表面層52の材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。表面層52は上記材料の溶液や分散液を表面に塗布して形成したり、上記材料のチューブを被覆して形成すればよい。
【0040】
この表面層52の厚みは、発光体30による発光効率の低下抑制の観点から、像保持体14の厚み未満であることが望ましい。なお、この「表面層52の厚みが像保持体14の厚み未満」であるとは、表面層52の全領域のうちの、少なくとも像保持体14に接触している領域の厚みが、像保持体14の厚み未満であることを示している。
【0041】
次に、本実施の形態の露光装置10における作用を説明する。
【0042】
なお、本実施の形態では、上述のように、露光装置10の支持体42は、非変形の硬い部材で構成されている(図5(A)参照)。このため、本実施の形態では、この支持体42を備えた露光装置10は、図示を省略する押圧部材によって、露光装置10の図示を省略する回転軸が像保持体14の表面に近づく方向に押圧されて配置されることで、像保持体14の表面に接触するように配置されているものとする。
【0043】
図4に示すように露光装置10を構成した場合には、制御装置41の制御によって像保持体14が回転されると、像保持体14の外周面に接触して配置された露光装置10が、像保持体14の回転に従動して回転する。
【0044】
なお、露光装置10に設けられた各発光体30による露光時期の制御は、上記時期に限られない。例えば、露光装置10に設けられた複数の発光体30のうちの、形成対象の静電潜像の各画素に対応する位置に設けられた発光体30が、像保持体14との接触領域に到ったときにのみ、発光するように制御してもよい。この場合には、制御装置41の制御によって、像保持体14の回転速度、露光装置10の回転速度、及び形成対象の画像(静電潜像)に応じて、駆動部40A及び駆動部40Bを制御すればよい。また、像保持体14及び露光装置10の回転速度は、画像形成装置12に速度センサを設けて測定してもよいし、像保持体14を回転駆動する図示を省略する駆動部から入力された信号に基づいて算出してもよい。
【0045】
そして、帯電装置16によって帯電された像保持体14には、露光装置10との接触領域において、各発光体30からの像保持体14への露光光が照射されることによって、静電潜像が形成される。なお、この露光装置10に設けられた複数の各発光体30の露光時期(タイミング)の制御としては、例えば、形成対象の静電潜像の各画素に応じた位置の発光体30を、像保持体14との接触領域に到る前から発光させておいて、該接触領域を通過した後に、次の発光対象の発光体30の発光(露光)に切り替える処理を繰り返す制御を行えばよい。そして、この制御は、制御装置41による駆動部40A及び駆動部40Bの制御によって行えばよい。
【0046】
上記制御によって、像保持体14には、露光装置10との接触領域において、露光装置10の各発光体30から像保持体14へ露光光が露光され、静電潜像が形成される。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態の露光装置10は、外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体を有し、像保持体14の表面に接触して回転する環状の装置として構成されている。そして、露光装置10によって、像保持体14上に静電潜像が形成される。このため、像保持体14上に形成される静電潜像の解像度の向上が図れ、結果的に、解像度の高い画像が形成されると考えられる。
これは、各発光体30と像保持体14の表面との距離が、像保持体14の内側から露光を行う従来技術に比べて短くなるためと考えられる。また、本実施の形態の露光装置10は、像保持体14の内側から露光を行う従来技術に比べて、容易に露光装置10が製造されると考えられる。
【0048】
また、本実施の形態の露光装置10は、セルフォックレンズを介して露光を行う従来技術に比べて、セルフォックレンズを介さずに像保持体14の露光を行うので、発光体30から照射された光の利用効率の向上が図れると考えられる。
また、光源から出射された光を、ポリゴンミラー等を介して像保持体14上に走査露光する従来技術と比べて、本実施の形態の露光装置10では、露光装置10の小型化が図れるといえる。
【0049】
また、本実施の形態では、露光装置10における支持体42が、非変形の硬い部材で構成されているので、露光装置10の歪みが抑制され、像保持体14上に形成される静電潜像の位置精度の向上が図れると考えられる。
【0050】
なお、上記実施の形態では、露光装置10は、像保持体14の回転に従って従動回転する場合を説明したが、像保持体14とは別体として駆動装置を設けて、像保持体14とは別に回転駆動するようにしてもよい。しかし、露光装置10を、像保持体14の回転に従って従動回転する構成とした方が、像保持体14の摩耗が抑制されると考えられる。また、別途、露光装置10用の回転機構を設ける必要がないことから、装置の小型化も図れると考えられる。
【0051】
なお、本実施の形態では、露光装置10を、画像形成装置12に固定化されているものとして説明を行ったが、露光装置10は、画像形成装置12の本体に対して取り外し可能に構成してもよい。この場合には、露光装置10を画像形成装置12に設置することで、画像形成装置12の装置各部に接続され、且つ画像形成装置12の制御装置41に駆動部40A及び駆動部40Bが電気的に接続されるように構成すればよい。
【0052】
なお、本実施の形態では、露光装置10に設けられる発光体30として、有機EL素子を用いる場合について具体的に説明したが、LEDを用いる場合についても同様に、支持体42上の、形成対象の画像の各画素に応じた位置に発光体30としてのLEDを設置し、各LEDに電力を供給する駆動装置を露光装置10に設けた構成とすればよい(図示省略)。そして、この駆動装置を画像形成装置12の制御装置41に電気的に接続し、制御装置41の制御によって、発光させる対象のLEDに電力を供給するように制御すればよい。
また、発光体30としてLEDを用いる場合についても同様に、露光装置10の最外周側には表面層52を設けることが望ましい。
【0053】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置12は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
【0054】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、露光装置10に用いられる支持体42が、非変形の硬い部材である場合を説明したが(図5(A)参照)、支持体42は、可とう性を有するフィルム状の支持体であってもよい。
【0055】
具体的には、図5(B)に示すように、可とう性を有するフィルム状の支持体42Aを用いた露光装置10Bであってもよい。なお、その他の層構成については露光装置10と同じであるため説明を省略する。
【0056】
この場合には、露光装置10Bの内側に、例えば、円柱状または円筒状の支持部材31を設けた構成とし、支持部材31を介して露光装置10Bを像保持体14の表面に接触させるように配置した構成とすればよい。支持部材31の表面は、非変形の硬い部材で構成されていてもよいし、弾性を有する材料で構成されていてもよい。また、支持部材31は像保持体14の外周面に沿った形状を有するパッドでもよい。パッドの場合にも、その表面は非変形の硬い部材で構成されていてもよいし、弾性を有する材料で構成されていてもよい。
【0057】
このように、構成することで、支持体42を非変形の硬い部材で構成した場合(露光装置10、図5(A)参照)に比べて、像保持体14上に形成される静電潜像の位置精度には劣るものの、従来技術に比べれば静電潜像の解像度の向上が図れ、且つ装置の小型化が図れると考えられる。
【0058】
また、支持体42を可とう性を有するフィルム状とした場合には、図5(C)に示すように、2つの支持部材32B及び支持部材32Aを内側に配置した構成の露光装置10Cとしてもよい。この場合には、一方の支持部材32Aを介して露光装置10Cを像保持体14の表面に接触させるように配置すればよい。この場合についても、支持体42を非変形の硬い部材で構成した場合(露光装置10、図5(A)参照)に比べて、像保持体14上に形成される静電潜像の位置精度は劣るものの、従来技術に比べれば静電潜像の解像度の向上が図れ、且つ装置の小型化が図れると考えられる。
【0059】
また、支持体42を可とう性を有するフィルム状とした場合には、複数の支持部材を内側に配置した構成の露光装置10Dとしてもよい。例えば、図5(D)に示すように、3つの支持部材34A、支持部材34B、及び支持部材34Cを内側に配置した構成の露光装置10Dとしてもよい。この場合には、例えば、これらの3つの支持部材のうちの2つ(例えば、支持部材34B及び支持部材34A)によって、露光装置10Dの外周面の一部を像保持体14の外周面に沿わせるように配置する構成とすればよい。この構成とすることで、像保持体14上に形成される静電潜像の位置精度の向上が図れ、また従来技術に比べて静電潜像の解像度の向上が図れると考えられる。
【0060】
なお、本実施の形態においては、露光装置10における素子構成は、トップエミッション型であるものとして記載したが、本実施の形態における露光装置10は、このような素子構成に限られず、ボトムエミッション型としても構わない。
【0061】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、露光装置の駆動部40A及び駆動部40Bと、画像形成装置における制御装置41との接続関係について、詳細に説明する。
【0062】
図6には、本実施の形態の露光装置15、及び本実施の形態の露光装置15の搭載された画像形成装置13の一例を示した。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置13の構成は、第1の実施の形態で説明した画像形成装置12に搭載されていた露光装置10に代えて、後述する露光装置15を設け、且つ、制御装置41と露光装置15とを通電する通電部材64を画像形成装置に設けた点以外は、第1の実施の形態で説明した画像形成装置12と同じである。このため、同じ機能を有する部分には同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。
【0063】
具体的には、図6に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置13は、像保持体14、帯電装置16、露光装置15、現像装置18、転写装置20、除去装置22、定着装置24、通電部材64、及び画像形成装置13の装置各部を制御する制御装置41を含んで構成されている。なお、像保持体14、帯電装置16、露光装置15、現像装置18、除去装置22、及び通電部材64は、画像形成ユニット11Aとしてユニット化されていてもよい。画像形成ユニット11Aは、画像形成装置13本体に対して着脱可能に設けられたプロセスカートリッジとされており、交換可能とされている。なお、画像形成ユニット11Aは、少なくとも露光装置15と、像保持体14、帯電装置16、現像装置18、除去装置22、及び通電部材64のうちの少なくとも1つと、を含んだ構成であればよく、像保持体14、帯電装置16、露光装置15、現像装置18、除去装置22及び通電部材64の全てを含む構成に限られない。画像形成ユニット11Aは、例えば、像保持体14、帯電装置16、現像装置18、及び通電部材64の少なくとも1つと、露光装置10とを含んだ構成とされていてもよい。
【0064】
本実施の形態における露光装置15は、上述した露光装置10と同様に、環状に構成され、その外周面が像保持体14の表面に接触して回転するように配置されている(図6参照)。そして、露光装置15は、外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体30を備えた構成とされている(図7参照)。露光装置15が、像保持体14の表面に接触して回転することで、露光装置15に設けられた複数の発光体30の各々から出射された露光光が像保持体14に露光され、像保持体14上に静電潜像が形成される。
【0065】
なお、本実施の形態の露光装置15は、第1の実施の形態で説明した露光装置10に、後述する環状電極60(図7参照)、及び後述する電極61(図7参照)(本発明の画像形成装置における電極領域に相当する)、を更に備えた構成とされている以外は、露光装置10と同じ構成である。このため、同じ機能の部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
【0066】
すなわち、図7及び図10に示すように、露光装置15は、第1の実施の形態で説明した露光装置10と同様に、環状の支持体42を備えている。なお、図7及び図10には、露光装置15の幅方向の片方側のみの概略構成を拡大して示した。
【0067】
この支持体42上には、第1の下部電極44Aが複数配列されている。この複数の第1の下部電極44Aの設けられた支持体42上には、これらの第1の下部電極44Aを覆うように、絶縁層48が設けられている(図8参照)。そして、この絶縁層48上には、支持体42の周方向に沿って環状とされた第2の下部電極44Cが、支持体42の幅方向に間隔を空けて複数配列されている。これらの複数の第1の下部電極44Aの各々は、ビア44Bを介して下部電極44Cに電気的に接続(導通または通電と称する場合がある)されている。
【0068】
複数の第1の下部電極44Aの各々における、支持体42の幅方向の、ビア44Bに導通した端部とは反対側の端部は、支持体42上に設けられた駆動部40Bに電気的に接続されている(本実施の形態では図示省略、図4参照)。駆動部40Bは、制御装置41に電気的に接続されている。また、図8に示すように、第2の下部電極44C上には、有機EL層50が設けられている。この有機EL層50上には、複数の上部電極46が設けられている。複数の上部電極46の、支持体42の幅方向の一端部は、支持体42上に設けられた駆動部40Aに電気的に接続されている。露光装置15の最外周(本実施の形態では上部電極46上)には、像保持体14に接触する最外層として、表面層52が設けられている。
【0069】
本実施の形態の露光装置15には、上記構成に加えて更に、環状電極60及び電極61が設けられている(図7及び図8参照)。
【0070】
図7及び図8に示すように、環状電極60は、露光装置15における駆動部40Aの設けられた位置より、露光装置15の幅方向(図7中、矢印C方向)のより端部に近い側に設けられ、露光装置15(支持体42)の周方向に沿って環状に設けられた電極であって、且つ露光装置15(支持体42)の周方向に沿って表面に露出するように設けられている。
【0071】
なお、環状電極60は、露光装置15(支持体42)の周方向に沿って環状に設けられた電極であって、且つ露光装置15(支持体42)の周方向に沿って表面に露出するように設けられていればよいが、この露出方向は、露光装置15の外周側であっても内周側であってもよい。
【0072】
なお、本実施の形態では、環状電極60は、該露光装置15の外周面側に向かって、該露光装置15の周方向に沿って露出するように設けられているものとして説明する。
【0073】
具体的には、本実施の形態では、露光装置15は、支持体42上に設けられた複数の第1の下部電極44Aを覆うように設けられた絶縁層48を、図8に示すように、支持体42の幅方向(図8中、矢印C方向参照)の端部にまで覆うように配置し、この絶縁層48上に、環状の電極である環状電極60を設けた構成とされている。このように構成することで、環状電極60は、露光装置15(支持体42)の周方向に沿って表面に露出するように配置される。
【0074】
本実施の形態では、環状電極60は、支持体42(露光装置15)の周方向に沿って環状とされた複数の環状電極60が、支持体42(露光装置15)の幅方向に間隔を空けて複数配列されている。本実施の形態では、図7に示すように、4本の環状電極60(環状電極60A、環状電極60B、環状電極60C、及び環状電極60D)が、支持体42の幅方向に間隔を空けて配列されているものとして説明する。なお、この環状電極60の数は、駆動部40A及び駆動部40Bの仕様に応じて、その本数を増減させてもよい。
これらの複数の環状電極60(環状電極60A、環状電極60B、環状電極60C、及び環状電極60D)の各々は、各環状電極60に設けられたビア62(ビア62A,ビア62B、ビア62C、及びビア62D)の各々を介して、各ビア62に対応して設けられた電極61(電極61A、電極61B、電極61C、及び電極61D)の各々によって、駆動部40Aに電気的に接続されている。
【0075】
なお、本実施の形態では、環状電極60Aが駆動部40AのVDS端子に導通された電極であり、環状電極60Bが駆動部40AのGND端子に導通された電極であるものとして説明する。また、本実施の形態では、環状電極60Cが駆動部40Aのデータ入力端子(DATA端子)に導通された電極であり、環状電極60Dが駆動部40Aのクロック端子(CLK端子)に導通された電極であるものとして説明する。
【0076】
次に、通電部材64について説明する。
通電部材64は、図示を省略する支持部材によって画像形成装置13本体に固定されている。この通電部材64は、露光装置15の駆動部40Aと画像形成装置13の制御装置41とを導通させるための部材であって、画像形成装置13本体に固定されることで、通電部材64に設けられた後述する突起状電極70(図8参照)の各々が、露光装置15の幅方向の端部に設けられ且つ表面に露出した上記環状電極60の各々に接触するように配置される(図12参照)。
【0077】
詳細には、図8、図10、及び図11に示すように、通電部材64は、板状の支持部材66を備えている。なお、以下では、各方向を示す表現は、通電部材64が画像形成装置13に固定されて、通電部材64に設けられた突起状電極70が環状電極60に接触するように配置された状態において示される方向を示している。
【0078】
この支持部材66上には、支持体42の幅方向(図8中、矢印C方向)に長い線状の電極68が複数設けられている(図10参照)。これらの複数の電極68は、支持体42の周方向(図7及び図10中、矢印B方向)に間隔を空けて複数配列されている。この複数の電極68の数は、露光装置15に設けられた環状電極60に対応する数とされている。具体的には、本実施の形態では、環状電極60A、環状電極60B、環状電極60C、及び環状電極60Dの各々に対応する電極として、電極68A、電極68B、電極68C、及び電極68Dが設けられている。
【0079】
これらの複数の電極68(電極68A〜電極68B)は、支持部材66における、支持体42(露光装置15)の幅方向の駆動部40Aに対して遠い側の一端側から、露光装置15に設けられた上記複数の環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々に1対1で対応する位置にまで、延びた構成とされている。そして、これらの複数の電極68(電極68A〜電極68D)の各々の、対応する環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の位置にまで延びた端部は、各々、導通部である突起状電極(以下、ビアと称する)70(ビア70A〜ビア70D)を介して、対応する環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々に電気的に接続されている(図7、図8、及び図10参照)。また、これらの複数の電極68(電極68A〜電極68B)の、ビア70の設けられていない側の端部は、画像形成装置13を制御する制御装置41に電気的に接続されている。このビア70(ビア70A〜ビア70D)は、露光装置15の環状電極60側に突出するように設けられている。このため、通電部材64が画像形成装置13に固定された状態では、この通電部材64において突出した部分である各ビア70(ビア70A〜ビア70D)の各々が、露光装置15の環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々に1対1で接触して配置されることとなり、これらが電気的に接続された状態となる。
【0080】
このため、制御装置41と駆動部40Aとは、通電部材64に設けられた電極68及びビア70と、露光装置15に設けられた環状電極60、ビア62及び電極61を介して、電気的に接続される。ここで、本実施の形態では、通電部材64に設けられた電極68及びビア70は、露光装置15に設けられた複数の環状電極60の各々に、1対1で対応するように設けられていることから、制御装置41から送信されたクロック信号は、通電部材64の電極68D及びビア70D、露光装置15の環状電極60D、ビア62D、及び電極61Dを介して、駆動部40Aのクロック端子へ送られる。また、このクロック信号に同期して、画像形成装置13において記録する画像の画像データに応じたデータが、通電部材64の電極68C及びビア70C、露光装置15の環状電極60C、ビア62C、及び電極61Cを介して、駆動部40Aのデータ端子(DATA)に送られる。同様に、グランドを示す信号が、通電部材64の電極68B及びビア70B、露光装置15の環状電極60B、ビア62B、及び電極61Bを介して、制御装置41から駆動部40AのGND端子に送られる。同様に、VDSを示す信号が、通電部材64の電極68A及びビア70A、露光装置15の環状電極60A、ビア62A、及び電極61Aを介して、制御装置41から駆動部40AのVDS端子に送られる。
【0081】
なお、上述のように、複数の環状電極60が露光装置15(支持体42)の幅方向に間隔を空けて複数配列され、通電部材64の複数の電極68A〜電極68Dが露光装置15(支持体42)の周方向に間隔を空けて複数配列されているので、これらの複数の環状電極60と、複数の電極68A〜電極68Dと、は、互いに交差する方向に配列された構成とされているが、互いに直交する方向に配列されていることが望ましい。
【0082】
次に、本実施の形態の画像形成装置13の作用を説明する。
【0083】
露光装置15及び通電部材64の各々を、図8に示す構成とした場合には、制御装置41の制御によって像保持体14が回転されると、図12に示すように、像保持体14の外周面に接触して配置された露光装置15が、像保持体14の回転に従動して回転する。
【0084】
ここで、露光装置15は、像保持体14の回転駆動に従動して回転するが、通電部材64は、画像形成装置13本体に固定されているため、回転せずに固定されたままである。
しかし、露光装置15に設けられた各環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)は、露光装置15の周方向に沿って露出した環状の電極であるため、露光装置15が回転しても、通電部材64の各電極68(電極68A〜電極68D)は、ビア70(ビア70A〜ビア70D)の各々を介して、環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々に電気的に接続した状態が維持されることとなる。すなわち、露光装置15が回転しても、露光装置15に設けられた各環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々は、ビア70(ビア70A〜ビア70D)の各々と常に接触していることから、制御装置41と駆動部40Aとが電気的に接続した状態が維持される。
【0085】
このため、露光装置15が回転しても、制御装置41による駆動部40Aの制御のための信号は、切断されることなく連続して送られ、複数の発光体30の各々への信号や電力の遮断が抑制されると考えられる。また、画像形成装置13において形成される画像の画質向上が図れると考えられる。
【0086】
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、露光装置15に設けられた駆動部40Aと制御装置41との電気的な接続関係について説明したが、駆動部40Bについても、上記と同様の構成とすることにより、複数の発光体30の各々への信号や電力の遮断が抑制されると考えられる。
【0087】
図示は省略するが、具体的には、複数の環状電極60を、露光装置15の幅方向の駆動部40B側にも設けた構成とする。そして、上記と同様にして、複数の環状電極60の各々を、ビア(図示省略)及び電極(図示省略)を介して駆動部40Bに接続する。そして、上記と同じ構成の通電部材64を、この露光装置15の幅方向の駆動部40B側に設けた環状電極60の各々に接触するように配置して固定し、この通電部材64を制御装置41に電気的に接続した構成とすればよい。
【0088】
なお、本実施の形態では、図8に示すように、通電部材64のビア70(ビア70A〜ビア70D)の各々を、露光装置15に設けられた環状電極60の各々に直接接触するように、通電部材64を配置する場合を説明したが、これらが導通するように配置されていればよく、このような形態に限られない。
例えば、図9に示すように、通電部材64のビア70(ビア70A〜ビア70D)上の、環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)に接触する領域に、回転電極72を設けた構成としてもよい。この回転電極72としては、例えば、球状の電極や、円柱状で且つ回転方向が露光装置15の回転方向と一致するように配置された電極等が挙げられる。
【0089】
なお、本実施の形態の画像形成装置13では、露光装置15の環状電極60を、露光装置15の周方向に沿って該露光装置15の外周面側に露出するように設け、通電部材64を露光装置15の外周面側に配置する場合を説明した。しかし、このような位置関係に限られず、露光装置15の環状電極60を、露光装置15の内周面側に露出するように設け、通電部材64を露光装置15の内周面側に配置した構成の画像形成装置17(図13参照)としてもよい。
【0090】
この場合には、具体的には、図13、図14、及び図16に示すように、各環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)を、支持体42(露光装置19)の内周面側に向かって露出するように配置した構成の露光装置19とすればよい。なお、露光装置19の構成は、環状電極60を、露光装置19の周方向に沿って、該露光装置19の内周面側に露出して配置した構成とする以外は、上記に説明した露光装置15と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。そして、この場合には、通電部材64を、図14に示すように、支持体42(露光装置19)の内周面側に配置して、該露光装置19の内周面側に露出した各環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)の各々に、通電部材64の各ビア70(ビア70A〜ビア70D)の各々が接触するように配置すればよい。
【0091】
また、このように、通電部材64を露光装置19の内周側に配置する場合についても、図15に示すように、通電部材64のビア70(ビア70A〜ビア70D)上の、環状電極60(環状電極60A〜環状電極60D)に接触する領域に、回転電極72を設けた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0092】
10,10B,10C,10D,15,19 露光装置、12,13,17 画像形成装置、14 像保持体、16 帯電装置、18 現像装置、20 転写装置、30 発光体、50A 領域、52 表面層、64 通電部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に沿って二次元に配置された複数の発光体を備え、像保持体の表面に接触して回転する環状の露光装置。
【請求項2】
前記像保持体の回転に従動して回転する請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
像保持体と、
請求項1または請求項2に記載の露光装置と、
前記露光装置によって前記像保持体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体上の前記トナー像を被転写体へ転写する転写装置と、
を備えた画像形成装置。
【請求項4】
前記露光装置が、
該露光装置の幅方向の少なくとも片方の端部に設けられ、前記発光体を駆動する駆動部と、
該露光装置における前記駆動部の設けられた位置より該露光装置の幅方向の端部に近い側に設けられ、且つ該露光装置の周方向に沿って露出した環状の環状電極と、
前記環状電極と前記駆動部とを導通する電極領域と、
を更に備え、
画像形成装置本体に固定されると共に、少なくとも一部が前記環状電極に接触して配置され、前記環状電極と画像形成装置本体を制御する制御手段とを通電する通電部材と、
を備えた請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
少なくとも、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、前記像保持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像装置と、から選択される1つと、
請求項1または請求項2に記載の露光装置と、
を有し、画像形成装置に対し着脱可能である画像形成ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−218774(P2011−218774A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144105(P2010−144105)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】