説明

静電シャッタ装置及び撮像モジュール

【課題】カメラ等に搭載可能であって、フィルタとシャッタとをユニット化することでコンパクト化された静電シャッタ装置及び撮像モジュールを提供することである。
【解決手段】固定子29の表面には、複数の駆動電極28を有すると共に開口部26が形成されている。そして、この固定子29上の駆動電極28の電荷により駆動力を受けて、遮光性を有するシャッタ幕25が、上記固定子29に対し相対移動可能とされる。このシャッタ幕25は、上記駆動電極28に電圧が印加されることによって、所定方向に移動される。また、上記固定子29の開口部26には、光学フィルタ27が装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ及び該デジタルカメラ等に利用可能な静電シャッタ装置及び該静電シャッタ装置を用いた撮像モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、一眼レフレックスタイプのカメラ(以下、単に一眼レフカメラと略記する)の場合、フィルムまたは撮像素子の前面にフォーカルプレーンシャッタが配置されて、露光量の調整が行われるように構成されている。そして、カメラのシャッタ機構に用いられる駆動方式としては、電磁式シャッタが一般的であるが、近年、小型化が容易で駆動時の消費電力が小さい静電式シャッタが注目されている。
【0003】
その例として、開口を有してガラスエポキシで構成された基板の表面に電極を形成して、それに対向して第1の遮光膜を配置し、裏面にも電極を形成して、それに対向して第2の遮光膜を配置した、絞り機能付のレンズシャッタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、これらの2つの遮光膜を先幕、後幕として用いることで、フォーカルプレーンシャッタにも適用可能としている。
【特許文献1】特開平8−220592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載の技術に於いても、画質の劣化を抑えるには、上述したシャッタの他に、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタが必要である。そして、これらのフィルタを別途配置する必要があるが、そのために装置としての小型化には向かないものであった。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1には、シャッタと上述した2つのフィルタを実際のカメラに搭載するための技術についての具体的な開示がなされていない。加えて、ユニットのコンパクト化を図るための技術についても記載されていないものであった。
【0007】
したがって本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、カメラ等に搭載可能であって、フィルタとシャッタとがコンパクト化された静電シャッタ装置及び撮像モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明は、表面に複数の駆動用電極を有すると共に開口を有する固定部材と、上記駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する移動部材と、上記移動部材を移動させるために上記駆動用電極に電圧を印加する駆動制御手段と、によって構成される静電シャッタ装置に於いて、上記開口部にフィルタ部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、表面に第1の駆動用電極を有すると共に第1の開口を有する第1の固定部材と、上記第1の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第1の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第1の移動部材と、上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、表面に複数の第2の駆動用電極を有すると共に第2の開口を有する第2の固定部材と、上記第1の固定部材と上記第2の固定部材とで挟まれるように配置され、上記第2の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第2の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第2の移動部材と、上記第1、第2の移動部材を移動させるために上記第1、第2の駆動電極に電圧を印加する駆動制御手段と、によって構成される静電シャッタ装置に於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部のそれぞれにフィルタ部材が配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記第1、第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れかがローパスフィルタであることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れが赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、表面に複数の駆動用電極を有すると共に開口を有する固定部材と、上記駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する移動部材と、上記移動部材を移動させるために上記駆動用電極に電圧を印加する駆動制御手段と、上記固定部材の、上記移動部材と対向する面の裏面側に配置された撮像素子と、によって構成され撮像モジュールに於いて、上記開口部にフィルタ部材が配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明に於いて、上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項10に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の発明は、表面に第1の駆動用電極を有すると共に第1の開口を有する第1の固定部材と、上記第1の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第1の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第1の移動部材と、上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、表面に複数の第2の駆動用電極を有すると共に第2の開口を有する第2の固定部材と、上記第1の固定部材と上記第2の固定部材とで挟まれるように配置され、上記第2の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第2の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第2の移動部材と、上記第1、第2の移動部材を移動させるために上記第1、第2の駆動電極に電圧を印加する駆動制御手段と、上記第2の固定部材の、上記第2の移動部材と対向する面の裏面側に配置された撮像素子と、によって構成される撮像モジュールに於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部のそれぞれにフィルタ部材が配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明に於いて、上記第1、第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項15に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れかがローパスフィルタであることを特徴とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項15に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れが赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0026】
請求項19に記載の発明は、被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、上記光束通過領域を有し、上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、上記固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記移動部材を上記固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、上記固定部材の上記光束通過領域に装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる光学素子と、を具備することを特徴とする。
【0027】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の発明に於いて、上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0028】
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の発明に於いて、上記光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする。
【0029】
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0030】
請求項23に記載の発明は、請求項21に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0031】
請求項24に記載の発明は、請求項21に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0032】
請求項25に記載の発明は、被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第1の移動部材と、上記光束通過領域に対応した第1の開口部を有し、上記第1の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第1の固定部材と、上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、上記光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第2の移動部材と、上記光束通過領域に対応した第2の開口部を有し、上記第2の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第2の固定部材と、上記第1及び第2の固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記第1及び第2の移動部材を上記第1及び第2の固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、上記第1及び第2の固定部材の上記第1及び第2の開口部にそれぞれ装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる第1及び第2の光学素子と、を具備することを特徴とする。
【0033】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0034】
請求項27に記載の発明は、請求項25に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする。
【0035】
請求項28に記載の発明は、請求項27に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0036】
請求項29に記載の発明は、請求項27に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0037】
請求項30に記載の発明は、請求項27に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0038】
請求項31に記載の発明は、請求項25に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の光学素子の一方はローパスフィルタであり、他方は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0039】
請求項32に記載の発明は、被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、上記光束通過領域を有し、上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、上記固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記移動部材を上記固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、上記固定部材の上記光束通過領域に装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる光学素子と、上記光学素子を介して入射される上記被写体からの光束を撮像するための撮像素子と、を具備することを特徴とする。
【0040】
請求項33に記載の発明は、請求項32に記載の発明に於いて、上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0041】
請求項34に記載の発明は、請求項32に記載の発明に於いて、上記光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする。
【0042】
請求項35に記載の発明は、請求項34に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0043】
請求項36に記載の発明は、請求項34に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0044】
請求項37に記載の発明は、請求項34に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0045】
請求項38に記載の発明は、被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第1の移動部材と、上記光束通過領域に対応した第1の開口部を有し、上記第1の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第1の固定部材と、上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、上記光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第2の移動部材と、上記光束通過領域に対応した第2の開口部を有し、上記第2の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第2の固定部材と、上記第1及び第2の固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記第1及び第2の移動部材を上記第1及び第2の固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、上記第1及び第2の固定部材の上記第1及び第2の開口部にそれぞれ装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる第1及び第2の光学素子と、上記第2の固定部材の、上記第2の移動部材と対向する面の裏面側に配置されて、上記第1及び第2の光学素子を介して入射される上記被写体からの光束を撮像するための撮像素子と、を具備することを特徴とする。
【0046】
請求項39に記載の発明は、請求項38に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする。
【0047】
請求項40に記載の発明は、請求項38に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする。
【0048】
請求項41に記載の発明は、請求項40に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする。
【0049】
請求項42に記載の発明は、請求項40に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【0050】
請求項43に記載の発明は、請求項40に記載の発明に於いて、上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする。
【0051】
請求項44に記載の発明は、請求項38に記載の発明に於いて、上記第1及び第2の光学素子の一方はローパスフィルタであり、他方は赤外カットフィルタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、カメラ等に搭載可能であって、フィルタとシャッタとをユニット化することでコンパクト化された静電シャッタ装置及び撮像モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0054】
はじめに、本発明に係る静電シャッタ装置の駆動原理について、図1及び図2を参照して説明する。
【0055】
本シャッタ装置は、基本的に固定子1と移動子2とを備えており、移動子2は固定子1に対して図1(a)及び(b)に於いて左右方向に移動自在に構成されている。そして、固定子1には、被写体からの光像を撮像素子(図示せず)に導くための開口部3が設けられている。更に、この固定子1には、上記移動子2の移動方向と直交する方向に、帯状の複数の延出された駆動電極4が所定の間隔で並設されている。
【0056】
上記移動子2は、後述する永久分極された、延出された誘導体(以下、エレクトレットと称する)5の部位を複数備えている。
【0057】
このような構成に於いて、駆動電極4に周波電圧を印加すると、駆動電極4と上述したエレクトレットとの間に吸引力若しくは反発力が発生し、結果的に移動子2が固定子1に対して相対移動する。したがって、移動子2が固定子1の開口部3を、開放若しくは遮蔽するように移動可能にしておけば、これによってシャッタ装置を構成することができる。
【0058】
図1(a)はシャッタが開の状態を示し、図1(b)はシャッタが閉の状態を示している。尚、固定子1に開口部3は必ずしも必要なものではなく、固定子1を透過部材として、図1(a)に示されるように、駆動電極4が設けられていない領域、すなわち、透過領域を形成しても良い。以下、被写体光束が通過するこのような領域を便宜的に開口部と称する。また、本構成に係るシャッタ装置を、エレクトレットシャッタと称するものとする。
【0059】
図2は、こうしたエレクトレットシャッタの断面を模式的に示すと共に該エレクトレットシャッタの駆動回路を示した図である。
【0060】
エレクトレットシャッタ7に於いて、固定子1に並設されたそれぞれの駆動電極4には、駆動回路10からの電圧信号線が接続されている。これらの電圧信号線には、4相の電圧信号が印加されるようになっており、従って、駆動電極4には、4本毎に同一の電圧信号が印加される。図2では、駆動電極4にA、B、C、Dの符号を付してこの電圧信号を区別している。
【0061】
移動子2には、固定子1との対向面に永久分極された誘導体(エレクトレット)5を複数備えている。
【0062】
尚、この図は、あくまでも模式図であり、実際のエレクトレットシャッタに於ける電極やエレクトレット化部位の数や配置間隔は、シャッタの大きさ、開口部の面積、エレクトレット化部位の極性、その配置形態、シャッタ装置として要求される駆動分解能、シャッタ最高速度等の様々な要因によって適宜決定されるものである。また、このエレクトレットシャッタの場合、正負の極性を有するエレクトレット化部位が交互に配置されたタイプであるが、何れか一方の極性だけでも実現可能である。
【0063】
図2の左側には、上述したエレクトレットシャッタ7の構成と共に、エレクトレットシャッタ7に印加する電圧信号を発生するための駆動回路(駆動制御手段)10の構成が示されている。
【0064】
パルス発生回路12で生成した矩形波列(駆動パルス信号)は、位相器13及び昇圧回路14に供給される。昇圧回路14では、入力された矩形波列が100V程度まで昇圧されると共に、2つの極性を有する電圧信号に分岐されて、駆動電極4A及び4Cに供給される。一方、位相器13に入力された矩形波列は、90°位相が遅れた波形となり、その後、昇圧回路14に入力されて、上述と同様の2つの矩形波列となり、駆動電極4B及び4Dに供給される。
【0065】
図3は、上記駆動回路10によって作成されて、駆動電極4A〜4Dに印加される電圧信号列の例を示したタイミングチャートである。このうち、図3(a)は駆動電極4A、図3(b)は駆動電極4B、図3(c)は駆動電極4C、図3(d)は駆動電極4Dのタイミングチャートである。
【0066】
尚、駆動電極4A〜4Dの電圧の状態は、時間t1〜t4の4つの状態が、時間経過に対応して繰り返して変化するものである。
【0067】
図4(a)〜(d)は、上述したエレクトレットシャッタ7の動作を説明する図である。尚、図4(a)〜(d)に於いて、同図右側方向をエレクトレットの進行方向として、後方側(左側)に正極(プラス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5a、前方側(右側)に負極(マイナス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5bが配列されているものとする。
【0068】
図4(a)は、図3に示される時間t1に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極4の電圧の状態(極性)を示している。
【0069】
この状態に於いて、正極のエレクトレット5aは、駆動電極A(正極)から反発力を受け、駆動電極B(負極)から吸引力を受ける。また、負極のエレクトレット5bは、駆動電極C(負極)から反発力を受け、駆動電極D(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(a)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分右方向に移動する。
【0070】
図4(b)は、時間t2に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
【0071】
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極B(正極)から反発力を受け、駆動電極C(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極D(負極)から反発力を受け、駆動電極A(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(b)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
【0072】
同様に、図4(c)は、時間t3に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
【0073】
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極C(正極)から反発力を受け、駆動電極D(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、更に別の駆動電極A(負極)から反発力を受け、駆動電極B(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(c)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
【0074】
更に、図4(d)は、時間t4に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
【0075】
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極D(正極)から反発力を受け、駆動電極A(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極B(負極)から反発力を受け、駆動電極C(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(d)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
【0076】
上述したように、移動子2は1つの駆動電極ピッチd移動し、この動作が繰り返されることで、移動子2は図4(a)→(b)→(c)→(d)のように右方向(図示矢印F方向)に移動する。尚、移動子2を図の左方向に移動するためには、駆動電極4に印加する電圧の極性を逆に切り替えれば良い。
【0077】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0078】
(第1の実施形態)
図5及び図6は、本発明に係る第1の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示したもので、図5は斜視図、図6は断面図である。
【0079】
本エレクトレットシャッタユニット(静電シャッタ装置)18は、固定部材としての固定子29と、移動部材としてのシャッタ幕25と、光学フィルタ27とを有して構成される。上記固定子29には、その所定箇所、例えば略中央部に、図示されない被写体からの光束通過領域である開口部26が形成されている。そして、その開口部26内には、光学素子としての光学フィルタ27が埋め込まれるようにして装着されている。
【0080】
上記固定子29は、セラミック基板(アルミナ等)、ガラス基板(石英)、或いは通常のガラスエポキシの基板等の硬質基板により構成される。これは、固定子29が例えばフレキシブル基板のような柔らかい基板であると、光学フィルタ27を開口部26に埋め込む際に、基板そのものがゆがんでしまい、シャッタ幕25の走行に影響を及ぼすからである。また、上記光学フィルタ27としては、例えば、ローパスフィルタ(LPF)や赤外(IR)カットフィルタ等により構成される。
【0081】
上記固定子29の、シャッタ幕25と対向する面側には、複数の帯状に延出された電極部材である駆動電極28が、開口部26を除く部分に配設されている。そして、上記シャッタ幕25の、固定子29と対向する面側には、上述したエレクトレット5(エレクトレット化部位;図示せず)を備えている。
【0082】
このような構成のシャッタユニット18の動作は、図1乃至図4を参照して説明した駆動原理と同様である。すなわち、上記エレクトレット5に印加される電圧信号は、例えば、図2に示されるような駆動回路10により出力される。そして、駆動電極28に、図3(a)〜(d)に示されるような電圧信号が印加されることによって、図4(a)〜(d)に示される移動子2と同様にして、シャッタ幕25が固定子29上を移動する。被写体からの撮影光束は、光学フィルタ27を通過するが、上記シャッタ幕25の開閉時間に応じて、取り込まれる光量が制限される。
【0083】
このように構成することによって、光学フィルタ機能付きシャッタとして、更なる小型化を図ることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0085】
上述した第1の実施形態では、光学フィルタとして、ローパスフィルタ或いは赤外カットフィルタを開口部に装着していたが、この第2の実施形態ではローパスフィルタと赤外カットフィルタ等の複数の光学フィルタが貼り合わされたものを開口部26に装着している点が異なっている。
【0086】
図7は、本発明に係る第2の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した断面図である。尚、この第2の実施形態に於いて、光学フィルタ以外のシャッタユニットの主要構成部材については、図5及び図6に示される第1の実施形態のシャッタユニットの構成と同じであり、基本的な動作についても図1乃至図4を参照して説明した駆動原理同様である。したがって、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0087】
すなわち、図7に於いて、固定子29の開口部26には、赤外(IR)カットフィルタ27aとローパスフィルタ27bとが重ね合わされて装着されている。上記赤外カットフィルタ27aとローパスフィルタ27bとで、光学フィルタ27を構成している。
【0088】
このように構成することによって、複数のフィルタ機能を有するシャッタユニットとして使用することができる。また、本実施形態では、複数の光学フィルタを重ね合わせているが、これに限らず、複数の光学フィルタを別々に開口部に配設しても同様の効果を得ることができる。
【0089】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
【0090】
図8は、本発明に係る第3の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した斜視図である。尚、この第3の実施形態に於いて、光学フィルタ以外のエレクトレットシャッタユニットの主要構成部材については、図5乃至図7に示される第1及び第2の実施形態のシャッタユニットの構成と同じであり、基本的な動作についても図1乃至図4を参照して説明した駆動原理同様である。したがって、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0091】
本シャッタユニット21は、それぞれ独立して走行する先幕(シャッタ先幕)25aと、後幕(シャッタ後幕)25bとを有するフォーカルプレーンシャッタである。この先幕25a、後幕25bは、上述したエレクトレット5(図示せず)を備えている。そして、それぞれのエレクトレット5の対向面側には、複数の帯状の延出された駆動電極(電極部位)28a、28bと、開口部26a、26bが設けられた固定子29a、29bが配設されている。
【0092】
上記先幕25a、後幕25bは、それぞれ固定子29a、29bの長手方向に対して、移動自在に構成されている。そして、上記複数の電極28a、28bは、上記固定子29a、29b上で、上記先幕25a、後幕25bの移動方向と直交する方向に所定の間隔で並設されている。ここで、駆動電極28a、28b上には、図示されない絶縁膜が設けられている。この絶縁膜が施されることにより、隣接する駆動電極間の短絡を防止している。
【0093】
また、先幕25a、後幕25bは、ポリイミドやテフロン(登録商標)が基材として用いられており、アルミニウム等の金属が蒸着されている。これにより、完全ではないものの、ある程度の遮光性を確保することができる。本実施形態に於いては、このような特性を半透光性と称するものとする。そして、これら先幕25a、後幕25bとして使用される基材(フィルム膜)の一方の面、この場合駆動電極28a、28bと対向する面側には、コロナ放電法により複数のエレクトレットが形成されている(これをエレクトレット化するという)。本実施形態に於いては、正負の極性を有するエレクトレット部位が交互に配置されている(例えば、図4のエレクトレット5a、5b参照)。
【0094】
一方、固定子29a及び29bに形成されている開口部26a及び26bには、それぞれ赤外カットフィルタ27a及びローパスフィルタ27bが装着される。この場合、開口部26aに赤外カットフィルタ27a、開口部26bにローパスフィルタ27bが、それぞれ装着されているが、これに限られるものではない。
【0095】
このように構成することによって、複数のフィルタ機能を有するフォーカルプレーンシャッタとして使用することができる。
【0096】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0097】
図9は、本発明に係る第4の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図であり、図10は図9の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。尚、この第4の実施形態に於いて、エレクトレットシャッタユニットの主要構成部材については、図5乃至図8に示される第1乃至第3の実施形態のシャッタユニットの構成と同じであり、基本的な動作についても図1乃至図4を参照して説明した駆動原理同様である。したがって、これらの構成及び動作については、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0098】
本撮像モジュール20は、シャッタユニット21と、撮像ユニット22とで構成されている。上記シャッタユニット21は、それぞれ独立して走行する先幕25aと、後幕25bとを有するフォーカルプレーンシャッタである。この先幕25a、後幕25bは、上述したエレクトレット5(図示せず)を備えている。そして、それぞれのエレクトレット5の対向面側には、複数の帯状の延出された駆動電極28a、28bと、それぞれの開口部に赤外カットフィルタ27a、ローパスフィルタ27bが設けられた固定子29a、29bが配設されている。
【0099】
また、上記シャッタユニット21の被写体側(図9、図10に於いて左側)には、上記赤外カットフィルタ27a、ローパスフィルタ27bと対応する位置に透光部32aが形成された保護部材32が、スペーサ33〜36を介して、シャッタユニット21の前面を覆うように固設されている。
【0100】
一方、撮像ユニット22は樹脂等により構成されるもので、収納容器39内に撮像素子40と信号線41を収容して固定している。また、収納容器39の被写体側には、上述したローパスフィルタ27bが装着された固定子29bが装着される。
【0101】
このように、エレクトレットシャッタを2組重ねてフォーカルプレーンシャッタとして構成することができる。そして、第1、第2の固定子29a、29bに形成された開口部のそれぞれに光学フィルタが装着されている。この撮像モジュールには、固定子29a、29bの2つの開口部を有しているので、光学フィルタとして、赤外カットフィルタ、ローパスフィルタがそれぞれの開口部に装着されている。しかしながら、これに限られることなく、例えば、2つのフィルタ入れ替えて装着しても良いし、また、2種類のフィルタを重ね合わせたものを、それぞれの開口部に装着するようにしても構わない。
【0102】
このように、赤外カットフィルタ、ローパスフィルタを固定子に装着するので、撮像モジュールをユニット化して小型化することができる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係る静電シャッタ装置の駆動原理について説明する図である。
【図2】エレクトレットシャッタの断面を模式的に示すと共に該エレクトレットシャッタの駆動回路を示した図である。
【図3】図2の駆動回路10によって作成されて、駆動電極4A〜4Dに印加される電圧信号列の例を示したもので、(a)は駆動電極4A、(b)は駆動電極4B、(c)は駆動電極4C、(d)は駆動電極4Dのタイミングチャートである。
【図4】図2に示されるエレクトレットシャッタ7の動作を説明する図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した斜視図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した断面図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの基本構成を示した斜視図である。
【図9】本発明に係る第4の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図である。
【図10】図9の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0105】
1、29、29a、29b…固定子、2…移動子、3、26…開口部、4、4A〜4D、28、28a、28b…駆動電極、5、5a、5b…永久分極された誘導体(エレクトレット)、7…エレクトレットシャッタ、10…駆動回路、12…パルス発生回路、13…位相器、14…昇圧回路、18、21…シャッタユニット、20…撮像モジュール、22…撮像ユニット、25…シャッタ幕、25a…先幕、25b…後幕、27…光学フィルタ、27a…赤外(IR)カットフィルタ、27b…ローパスフィルタ、32…保護部材、33〜36…スペーサ、39…収納容器、40…撮像素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の駆動用電極を有すると共に開口を有する固定部材と、
上記駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する移動部材と、
上記移動部材を移動させるために上記駆動用電極に電圧を印加する駆動制御手段と、
によって構成される静電シャッタ装置に於いて、
上記開口部にフィルタ部材が配置されていることを特徴とする静電シャッタ装置。
【請求項2】
上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
【請求項3】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
【請求項4】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
【請求項5】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
【請求項6】
表面に第1の駆動用電極を有すると共に第1の開口を有する第1の固定部材と、
上記第1の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第1の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第1の移動部材と、
上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、表面に複数の第2の駆動用電極を有すると共に第2の開口を有する第2の固定部材と、
上記第1の固定部材と上記第2の固定部材とで挟まれるように配置され、上記第2の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第2の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第2の移動部材と、
上記第1、第2の移動部材を移動させるために上記第1、第2の駆動電極に電圧を印加する駆動制御手段と、
によって構成される静電シャッタ装置に於いて、
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部のそれぞれにフィルタ部材が配置されていることを特徴とする静電シャッタ装置。
【請求項7】
上記第1、第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項6に記載の静電シャッタ装置。
【請求項8】
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れかがローパスフィルタであることを特徴とする請求項6に記載の静電シャッタ装置。
【請求項9】
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れが赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項6に記載の静電シャッタ装置。
【請求項10】
表面に複数の駆動用電極を有すると共に開口を有する固定部材と、
上記駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する移動部材と、
上記移動部材を移動させるために上記駆動用電極に電圧を印加する駆動制御手段と、
上記固定部材の、上記移動部材と対向する面の裏面側に配置された撮像素子と、
によって構成され撮像モジュールに於いて、
上記開口部にフィルタ部材が配置されていることを特徴とする撮像モジュール。
【請求項11】
上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項10に記載の撮像モジュール。
【請求項12】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項10に記載の撮像モジュール。
【請求項13】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項10に記載の撮像モジュール。
【請求項14】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項10に記載の撮像モジュール。
【請求項15】
表面に第1の駆動用電極を有すると共に第1の開口を有する第1の固定部材と、
上記第1の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第1の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第1の移動部材と、
上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、表面に複数の第2の駆動用電極を有すると共に第2の開口を有する第2の固定部材と、
上記第1の固定部材と上記第2の固定部材とで挟まれるように配置され、上記第2の駆動用電極の電荷により駆動力を受けて、上記第2の固定部材に対し相対移動可能な遮光性を有する第2の移動部材と、
上記第1、第2の移動部材を移動させるために上記第1、第2の駆動電極に電圧を印加する駆動制御手段と、
上記第2の固定部材の、上記第2の移動部材と対向する面の裏面側に配置された撮像素子と、
によって構成される撮像モジュールに於いて、
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部のそれぞれにフィルタ部材が配置されていることを特徴とする撮像モジュール。
【請求項16】
上記第1、第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項15に記載の撮像モジュール。
【請求項17】
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れかがローパスフィルタであることを特徴とする請求項15に記載の撮像モジュール。
【請求項18】
上記第1及び第2の固定部材に設けられた開口部に配置されたフィルタ部材のうち、何れが赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項15に記載の撮像モジュール。
【請求項19】
被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、
上記光束通過領域を有し、上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、
上記固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記移動部材を上記固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、
上記固定部材の上記光束通過領域に装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる光学素子と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。
【請求項20】
上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項19に記載の静電シャッタ装置。
【請求項21】
上記光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする請求項19に記載の静電シャッタ装置。
【請求項22】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項21に記載の静電シャッタ装置。
【請求項23】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項21に記載の静電シャッタ装置。
【請求項24】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項21に記載の静電シャッタ装置。
【請求項25】
被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第1の移動部材と、
上記光束通過領域に対応した第1の開口部を有し、上記第1の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第1の固定部材と、
上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、上記光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第2の移動部材と、
上記光束通過領域に対応した第2の開口部を有し、上記第2の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第2の固定部材と、
上記第1及び第2の固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記第1及び第2の移動部材を上記第1及び第2の固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、
上記第1及び第2の固定部材の上記第1及び第2の開口部にそれぞれ装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる第1及び第2の光学素子と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。
【請求項26】
上記第1及び第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項25に記載の静電シャッタ装置。
【請求項27】
上記第1及び第2の光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする請求項25に記載の静電シャッタ装置。
【請求項28】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項27に記載の静電シャッタ装置。
【請求項29】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項27に記載の静電シャッタ装置。
【請求項30】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項27に記載の静電シャッタ装置。
【請求項31】
上記第1及び第2の光学素子の一方はローパスフィルタであり、他方は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項25に記載の静電シャッタ装置。
【請求項32】
被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、
上記光束通過領域を有し、上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、
上記固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記移動部材を上記固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、
上記固定部材の上記光束通過領域に装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる光学素子と、
上記光学素子を介して入射される上記被写体からの光束を撮像するための撮像素子と、
を具備することを特徴とする撮像モジュール。
【請求項33】
上記固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項32に記載の撮像モジュール。
【請求項34】
上記光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする請求項32に記載の撮像モジュール。
【請求項35】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項34に記載の撮像モジュール。
【請求項36】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項34に記載の撮像モジュール。
【請求項37】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項34に記載の撮像モジュール。
【請求項38】
被写体からの光束が通過する光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第1の移動部材と、
上記光束通過領域に対応した第1の開口部を有し、上記第1の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第1の固定部材と、
上記第1の固定部材の、上記第1の移動部材と対向する面の裏面に配置され、上記光束通過領域を遮蔽する位置に移動可能な第2の移動部材と、
上記光束通過領域に対応した第2の開口部を有し、上記第2の移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた第2の固定部材と、
上記第1及び第2の固定部材の上記駆動電極に電圧を印加して、上記第1及び第2の移動部材を上記第1及び第2の固定部材に対して相対移動させる駆動制御手段と、
上記第1及び第2の固定部材の上記第1及び第2の開口部にそれぞれ装着され、上記被写体からの光束の光学特性を変化させる第1及び第2の光学素子と、
上記第2の固定部材の、上記第2の移動部材と対向する面の裏面側に配置されて、上記第1及び第2の光学素子を介して入射される上記被写体からの光束を撮像するための撮像素子と、
を具備することを特徴とする撮像モジュール。
【請求項39】
上記第1及び第2の固定部材は硬質基板であることを特徴とする請求項38に記載の撮像モジュール。
【請求項40】
上記第1及び第2の光学素子はフィルタ部材であることを特徴とする請求項38に記載の撮像モジュール。
【請求項41】
上記フィルタ部材はローパスフィルタであることを特徴とする請求項40に記載の静電シャッタ装置。
【請求項42】
上記フィルタ部材は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項40に記載の撮像モジュール。
【請求項43】
上記フィルタ部材はローパスフィルタと赤外カットフィルタを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項40に記載の撮像モジュール。
【請求項44】
上記第1及び第2の光学素子の一方はローパスフィルタであり、他方は赤外カットフィルタであることを特徴とする請求項38に記載の撮像モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−17890(P2006−17890A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193931(P2004−193931)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】