説明

静電気拡散性光学構造物

静電気拡散性であり、光学材料中に埋設された静電気拡散層を備える光学構造物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム、より詳しくは、静電気拡散性光学構造物および物品に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、透明板ガラス、および他の積層体および層状製品において用いられるような光学フィルムは、高い光の透過率および超清浄な外観を必要とする。しかしながら、光学フィルムに存在する、粒子、非平面トポグラフィー、および不均衡な接触度(「浸潤性(wet−out)」と称されることもある)などの欠陥は、望ましくない不良外観をもたらす場合があり、製品の光透過、輝度増強機能または透明度の支障となる場合がある。これらの欠陥は、一つには、製造、変換または集成プロセスによって発生される静電荷の結果である場合がある。
【0003】
例えば、静電荷が、加工する間にターゲット基材/フィルムから急速に引っ張られるかまたは剥離されるテープ(例えばマスキング)または他のフィルムから生じることがある。次いで、これらの静電荷は、フィルムの表面付近にある場合がある粒子を引きつけることがある。最終的にフィルム上に落ちるかまたは固定される粒子は、フィルムの元来の目的に応じて、望ましくない光の遮断、屈折、または吸光度につながる場合がある。非平面トポグラフィーは、特に、フィルムの領域が挟まれるかまたは所定の位置に機械的に保持されるとき、フィルムの別の部分に移動またはクリープが起こる間のフィルムの不均一な収縮、そり、または膨張の結果である場合がある。しかしながら、別の原因は、挟まれたまたは固定領域に生じることがある静電荷である場合があり、フィルム層間の結合をもたらし、従って不均一なまたは非同期化されたフィルムの変化につながることがある。「浸潤性」現象として公知の光学欠陥は、2つの領域間の光の透過率の差が存在するときか、または「ニュートンリング(Newton’s rings)」などの干渉縞が観察されるときに生じることがある。(浸潤性がフィルム製品にわたって均一であるとき、欠陥はごくわずかだけ見られる)静電荷は、2つの層状フィルム間の特定領域の不均一な引力の一因となり、浸潤性を起こすことがある。
【0004】
ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)などの導電性ポリマーの導入以来、導電性組成物が開発されている。いくつかの導電性ポリマーは水およびアルコールに分散性であり、それらは導電性コーティング組成物のための一般的な選択肢になる。これらの組成物をフィルム上に(例えば表面の上に)適用することにより、有意な周囲湿度の存在しない場合でも帯電防止性質を与えることが知られている。これらの表面コーティングされた導電性組成物を有する「帯電防止」または静電気拡散性材料は典型的に、約1×1012オーム/sq.より小さい表面抵抗率および約2秒より短い静電気減衰時間を有することを特徴とする。
【0005】
しかしながら、いくつかの導電性組成物は、恐らくそれらの高度の着色性質のため、限定された光の透過率を有する場合があり、従って、光学用グレードのディスプレイフィルムなど、高い透過率および透明度を必要とする特定の光学フィルム製品において用途が限定されている。さらに、いくつかのポリマーのコーティングは、保護されない状態であるとき、機械的磨耗および他の望ましくないかまたは光学的に破壊的な作用を受けやすくなることがある。このような機械的破裂は、光学物品に非常に有害であることがある。例えば、ポリマーコーティング上の汚れまたは引掻きは、物品がコンピュータディスプレイであるとき、望ましくない効果をもたらすことがある。
【0006】
静電気拡散性材料は、カーペット、電子機器、(例えば、ICウエハ、センサー、半導体)およびパッケージングなどの産業用に開発されている。現在、これらの適用のために開発された材料は、材料の表面の上にコーティングされ、環境に暴露された状態の導電性組成物に依存するか、もしくは帯電防止剤をプレブレンドされたバルク組成物の押出によるか、または組成物中への帯電防止剤の浸透、吸収、または移行によってなど、帯電防止剤をその組成物中に有する材料に依存する。有効に静電気拡散性であるために若干量の水(湿度)を必要とする帯電防止剤がある。これらは典型的に、拡散機構のためにイオン移動度に依存する帯電防止剤のイオン性タイプである。しかしながら、それらの有効性は、湿度の関数として低下することがある−すなわち相対湿度が減少する時に、静電気拡散性能力が減少する。典型的に、約20%RHより低い相対湿度において、イオン性帯電防止剤が有効でない場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、導電性または帯電防止コーティングが非導電性材料によって埋設された(例えば保護された)時でも静電気拡散性であり得る、又、より低い湿度環境において静電気拡散性であり得る光学物品を提供することが望ましい。静電気拡散性であり得ると共にさらに、所望のレベルの光制御能力を維持することができる光学物品もまた、必要とされる。静電荷によって起こされる欠陥を最小にした光学用グレードの構造物および物品の製造方法が、有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、静電気拡散性である構造物および物品を提供する。本発明の実施態様は、静電気拡散層を有する光学層と別の光学層のオーバーレイとを備える光学構造物である。
【0009】
1つの態様において、光学構造物が、静電気拡散性成分または層が少なくとも2つの光学材料の間に配置される時にでも実質的に静電気拡散性であり得る。前記構造物は、約1×1012オーム/スクエアより大きい表面抵抗率を示すことができ、しかも静電気拡散性のままである。光学構造物は、約2秒より短い静電気減衰時間を有することができる。例示的な構造物は、物品の表面の上または付近に存在する静電荷の効果を消すことができるように十分に静電気拡散性である。
【0010】
さらに別の態様において、ここに提供される光学構造物は、より低い相対湿度を有する環境において静電荷を拡散させるのに有効である。
【0011】
本発明の別の態様によって、静電気拡散性光学構造物の製造方法が提供される。同時押出および積層などの技術を実施することができる。
【0012】
添付した図面および以下の説明において本発明の1つ以上の実施態様の詳細を示す。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、および特許請求の範囲から明らかである。
【0013】
様々な図面の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施態様による構造物は、より高い抵抗率の値を示すことができ、しかも有効なレベルの静電気拡散性能力を持続することができる。理解しやすいように、用語「導電性」はしばしば、「静電気拡散性」を指すために業界において用いられているが、本明細書においてこれらの用語の使用は、同意語であることを意図するものではない。具体的には、導電性材料が1×105オーム/sq.以下の表面抵抗率を有すると考えられるのに対し、静電気拡散性材料は典型的に、1×1012オーム/sq.以下の表面抵抗率を有する。これらの用語は概して、導電性または静電気拡散性成分または薬剤を材料の露出面を有する材料について説明するために用いられる。しかしながら、実質的に非静電気拡散性成分の層の間に「埋設された」静電気拡散層を有する構造物は、より高いレベルの表面抵抗率を示すが静電気拡散性であり得ることが、驚くべきことに発見された。さらに、これらのより高い表面抵抗率の値に対しても静電気減衰時間を維持することができる。
【0015】
本発明の例示的な実施態様によって、実質的に静電気拡散性である光学構造物および物品が提供される。前記構造物は、それらが使用または作製される相対湿度に関わりなく維持でき、有効に静電気拡散性であり得る。例えば、低い湿度レベル(例えば15%RHより低い)は、光学構造物の静電気拡散性性質に影響を及ぼさない。このように、有利には、前記構造物がそれらの静電気拡散性性質を獲得または維持するために湿分量が存在する必要はない。又、前記光学構造物は、静電気拡散層に接続された回路部品(例えば、線材)のない場合でも静電気拡散性である。本発明の例示的な構造物は、粉塵、夾雑物、および他の粒子が光学構造物の表面に付着しないようにする十分な静電気拡散能力を示す。驚くべきことに、本発明による特定の構造物は、約1×1012オーム/sq.より大きい表面抵抗率を示すことができ、例示的な構造物は、約1×1013オーム/sq.より大きいなど、さらにより大きい表面抵抗率を有することができ、しかもそれらの静電気拡散能力を維持することができる。本発明の実施態様は、約2秒より短い静電気減衰時間を示す。他の本発明の構造物は、約0.5秒より短い静電気減衰時間を示すことができるが、さらに別の実施態様は、約0.1秒より短い静電気減衰時間を有することができる。
【0016】
本発明による静電気拡散性光学構造物は、図1に示されるような非静電気拡散性光学成分の間に隣接して配置された静電気拡散性成分を備える。非静電気拡散性光学成分との関連で静電気拡散性成分の相対位置は、静電気拡散性成分が、例えば、非静電気拡散性光学成分によって埋設され、挟まれ、覆われ、オーバーコートまたはオーバーレイされるようになっていてもよい。図1を参照すると、非静電気拡散性材料50、55の間に配置された静電気拡散性成分10を有する多層光学構造物100が示される。非静電気拡散性材料50、55は、同じ材料である必要はない。場合により、光学構造物は、静電気拡散性コーティングの単なる保護被膜または保護層の上にそれ以外の付加的な層を備えることができる。このような実施態様は図2および3に示され、ここで各構造物の静電気拡散層は、少なくとも一方の面において、1つより多い非静電気拡散性光学層によって埋設される。図2は、静電気拡散層20の境界面の表面29上に配置された光学層60、65を有する光学構造物200の断面を示す。図3において、光学構造物300の断面は、各面に2つの層によって囲まれた静電気拡散層30を有し、ここで、静電気拡散層30の一方の主面32が、非静電気拡散性光学層70、75の上に配置され、他方の主面34は、共に延在する光学層77、79によってオーバーレイされる。さらに別の実施態様において、図4は、光学層の層内に埋設された1つより多い静電気拡散層を有する光学構造物400の断面を示す。静電気拡散層40、50は、図示するように光学層80、85、および89の間に組み合わせられる。光学層87は必要に応じて使用されるが、例示目的のためにここに示される。静電気拡散層を囲む複数の光学層を有するこれらの構造物はさらに、静電気拡散性性質を達成および保持することができる場合がある。
【0017】
有利には、本発明による構造物は、光が意図的に増強、操作、制御、維持、透過、反射、屈折、吸収、等々される光学物品またはデバイスのために使用可能である。有用な物品には、イメージレンズ、眼科用レンズ、ミラー、ディスプレイ(例えばコンピュータ、テレビジョン用、等)、フィルム、透明板ガラス(例えば、風防、ウインドウ)、ビデオディスク等が挙げられるがそれらに限定されない。本発明の実施態様による構造物は、静電気拡散層が電子回路部品(例えば、接地線、コンデンサ、抵抗器など)に接続されることを必要としないデバイスまたは物品において有用である。しかしながら、様々な光学物品、特にディスプレイ産業において有用な光学物品(例えばLCDおよび他の電子ディスプレイ)を達成することができる。これらは、約90%を上回る、時には約92%を上回るような、高い光の透過率を有する構造物を必要とすることがある。本発明の構造から製造され得る他の光ディスプレイ装置には、例えば、バックライト付きLCDディスプレイがある。
【0018】
本発明による例示的な光学構造物に含有される光学層は、静電気拡散性成分が上に適用され、および/またはオーバーレイとして配置されて静電気拡散性成分または層を覆い、囲むか、または挟む基材として役立つことがある。オーバーレイとして、光学層を用いて静電気拡散性成分を機械的磨耗、酸化分解、化学汚染、および他の有害な作用から保護することができる。これは、製造または取扱環境からの保護を必要とするデバイスまたは物品において光学構造物が用いられる時に特に有利である。基材として光学層を用いて、例えば、コーティング技術によって適用される静電気拡散層を保持または担持することができる。本発明の特定の構造物において、光学層の少なくとも1つが、図5に示されるように静電気拡散層と若干接触する。又、光学層は、静電気拡散層とかなり接触し得る。図5を参照すると、光学層90、95の間に配置された静電気拡散層60を有する光学構造物500が示される。図に示されるように光学層90は、層60とかなり接触し得るが、光学層95は、その表面97の若干または一部が層60と接触すると考えることができる。表面95は、例えば、非平面トポグラフィーを有することができるが、さらに、層60との境界面を形成することができる。非平面トポグラフィーは、規則的であるか(例えば、実質的に均一)または不規則(例えば、実質的にランダム)であってもよい。
【0019】
光学構造物および物品において許容範囲内および有用などんな材料も、光学層のために用いられてもよい。光学層は好ましくは非静電気拡散性である。有用な光学層は概して、純ポリマーであり、このため、層が形成された時にポリマー材料中に意図的に含有またはブレンドされた薬剤または添加剤などの静電気拡散剤を実質的に含まないことがある。又、本発明の実施態様による光学構造物は、ポリマー材料中に浸出または浸透したどんな静電気拡散剤も実質的に含まない光学非静電気拡散層を利用することができる。
【0020】
本発明の構造物における非静電気拡散性光学層は、コーティングまたはフィルムの形状であってもよい。非静電気拡散性光学層は、コーティングによって形成されるとき、硬化性または硬化可能な(curable)樹脂などの樹脂を含むことができる。有用な樹脂には、アクリルまたはエポキシ系があるが、光デバイスまたは物品に適した他の樹脂を用いることができる。非静電気拡散性コーティングは典型的に、静電気拡散性成分の上へそれを適用した時に硬化または乾燥される。例えば、紫外線硬化を用いて、コーティング組成物を硬化することができる。
【0021】
フィルムの形状において提供される非静電気拡散性光学層については、前記層は、例えば、高分子化合物を含む様々な材料から製造されてもよい。又、フィルムは、例えば、少なくとも40℃のガラス転移温度値(Tg)を有する疎水性有機ポリマーから製造された材料であってもよい。100℃を上回るTg値を有する他のポリマーが有用であることがある。非静電気拡散性光学層は、偏光子、干渉偏光子、反射偏光子、拡散体、着色光学フィルム、ミラー、ルーバー付き光学フィルム、光制御フィルム、透明シート、輝度増強フィルム等、光学機能を有する材料の様々な光学的に有用なクラスのいずれかに分類される材料であってもよい。前記層は、紫外線、可視線、および赤外線スペクトルの多様な部分にわたって光学的に有効であり得る。適した光学層の実施例は、商品名ヴィクイティ(VIKUITI)(登録商標)(ミネソタ州、セントポールの3Mカンパニー(3MCo.、St.Paul,MN)から入手可能)として入手可能な輝度増強フィルムである。他の高度の光透過フィルムを用いることができる。非静電気拡散性光学層の厚さは、約2μmより大きくてもよく、又、5μmより大きくてもよい。前記層はまた、約10mmより小さくてもよい。代表的な光学層は、約75〜約175μmの厚さを有する。本発明の例示的な構造物における非静電気拡散性光学層の任意選択の特徴には、微細構造表面、または多層構造物(例えばMOFとして公知の多層光学フィルム)などがある。
【0022】
本発明の例示的な構造物における非静電気拡散性光学層に適した材料の例は、ポリエステル、ポリオレフィン、スチレン、ポリプロピレン、セロハン(登録商標)、ジアセチルセルロース、TACまたはセルローストリアセテート、アセチルセルロースブチラート、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール、シンジオタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトンイミド、ポリイミド、フッ素含有樹脂、ナイロン、アクリル、ポリアクリレート、ガラス質材料、ガラス、またはそれらの組み合わせなどがあるがそれらに限定されない、基材またはフィルムであってもよい。高度に透明および/または高度に光透過性である他の材料を用いることができる。トリアセチルセルロース(セルローストリアセテート)またはポリカーボネートから製造されたポリマーフィルムなど、容易に加工できるフィルムが非常に有用である場合がある。
【0023】
本発明の光学構造物は、埋設されるかまたは覆われるが、静電気拡散性性質を光学構造物に与える静電気拡散性成分を備える。静電気拡散性成分は、望ましい静電気拡散性性質を構造物に、特に物品の最も外側に表面において与える有効量において、コーティング、または層の形状において提供されてもよい。静電気拡散層は、コーティングによって形成されるとき、少なくとも2ナノメートルの乾燥厚さを有することができる。
【0024】
水性または有機溶剤に分散された導電性ポリマーを有する組成物から静電気拡散性成分を得ることができる。適した導電性ポリマーには、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリピロール、ならびにポリチオフェンおよびその誘導体があるが、それらに限定されない。有用なポリマーには、例えば、ベイトロン(Baytron)(登録商標)P(マサチューセッツ州、ニュートンのH.C.シュターク(H.C.Starck、Newton,MA)製)などの市販の導電性ポリマーが挙げられる。典型的に、導電性ポリマーを分散体として提供することができる。非静電気拡散性光学層に適用されたとき、導電性ポリマーは概して、光学層中に移行または浸透しないと思われる。
【0025】
又、静電気拡散性組成物が接着剤性質を有することができる。光学用途に適した導電性材料が、これらの導電性接着剤中に含有されてもよい。例えば、これらの導電性材料には、インジウム−スズ酸化物(ITO)アルミニウム−スズ酸化物、銀、金等のいずれか1つ、またはそれらの組み合わせがある。これらの導電性接着剤は、例えば、LCDディスプレイにおいての用途があり、ここで、バックライト装置は、その下部(非光出力)表面の上に反射体を有するウェッジ形エッジ照明光ガイドを備える。この反射体を光学透明導電性接着剤を用いて光ガイドに付着させることができ、それによって、静電気拡散性バックライト装置を提供する。
【0026】
場合により、バインダーが、静電気拡散性組成物中に含有されてもよい。適したバインダーは、導電性剤または静電拡散剤(例えば導電性ポリマー)と相溶性である材料である。様々な評価基準を用いて、バインダーの適性を特性決定することができる。これらには、塊および大きな粒子を最小にするかまたは除去するために安定な、滑らかな溶液を形成するバインダーの能力、バインダーが沈殿物を形成しない、バインダーが導電性ポリマーまたは薬剤の有効性を低減しない、および乾燥した時にバインダーがコーティングの縞またはちりめんじわを最小にして滑らかな被覆性を与えることができる、などがある。アクリレート、ウレタン、エポキシド、およびそれらの組み合わせが、有用な任意選択のバインダーの例である。アクリルバインダーは、国際公開第00/73393号パンフレットに記載されているものと同様であってもよい。別の有用なバインダーは、国際公開第01/38448A1号パンフレットに記載されているように、混合アクリレートメラミン架橋フィルム形成バインダー組成物である。導電性コーティングを有する本発明の実施態様は、ウレタンバインダーとプレミックスされた導電性ポリマーベイトロンP(登録商標)を含有する組成物である商品名CPUD−2(登録商標)(H.C.シュタークから入手可能)として供給された溶液を利用することもできる。
【0027】
静電気拡散層の静電気拡散性剤と整合性および相溶性であり、光学構造物の光学性質と親和性である他の添加剤が、静電気拡散性組成物中に含有されてもよい。これらには、コーティング剤、充填剤、ドーパント、酸化防止剤、安定剤等があるがそれらに限定されない。
【0028】
本発明の例示的な実施態様は、非静電気拡散性光学層の間に静電気拡散性成分を配置することができるどんな技術を用いて製造されてもよい。いくつかの有用な方法を挙げると、例えば、押出、同時押出、コーティング、および積層などがある。本発明による1つの方法において、静電気拡散性光学構造物が、静電気拡散層を光学層と(同時押出または積層などによって)接触させて静電気拡散層を囲むかまたは挟むことによって製造されてもよい。同時押出方法は、例えば、光学層と同時に静電気拡散層を形成することができる。特定の導電性ポリマーは、層がバルク溶融技術によって形成可能であるように大きな濃度において組成物中に存在する必要がある場合がある。このように、導電性ポリマーを有する組成物の押出または溶融分配は、導電性ポリマー組成物が、望ましくない濃着色層ではなく光学的に許容範囲の層を形成するために、付加的な工程または改良を必要とする場合がある。特定の改良を行なうことにより、前記組成物は、溶融相溶性であるように調合可能であり、従って、効果的に薄い、静電気拡散層を提供する。
【0029】
別の実施態様において、静電気拡散性光学構造物の製造方法は、非静電気拡散性光学層の表面の上に静電気拡散性組成物の有効量を適用し、次いで静電気拡散性組成物の上に別の非静電気拡散層を配置することによって達成されてもよい。静電気拡散性組成物の適用は、コーティング技術を用いて行なわれてもよい。場合により、非静電気拡散性光学層の全てまたは或る一部の上にプライマーが適用されてもよく、静電気拡散性組成物を適用する前に適用されてもよい。この方法において別の任意選択の工程は、光学層のどれかの上に微細構造表面を形成することである。
【0030】
多数の本発明の実施態様について記載した。にもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱せずに様々な改良を実施できることは理解されよう。本発明は、以下の非限定的な実施例によって記載される。これらは、このような異なった実施態様および詳細について説明するために提供される。使用された成分および量、ならびに他の条件および詳細は、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例】
【0031】
本明細書中で用いられるとき、用語「溶液」、「分散体」、および「混合物」は概して同意語である。これらの用語は、マクロスケールでの(例えば目視的に)成分のほぼ均一な混合物を指し、成分の溶解度、粒度または分布の特定の状態を意味することを意図しない。特に記載しない限り、全てのパーセントは重量パーセントである。
【0032】
試験方法
表面抵抗率
試料の表面抵抗率は、製造元の指示に従って共にペンシルベニア州、グレンサイドのETS(ETS,Glenside,PA)によって販売されているモデル872広範囲抵抗計およびモデル803B同心リング抵抗/抵抗率プローブを用いて測定された。
【0033】
静電気減衰
表面静電荷の減衰時間は、製造元の指示に従ってETSモデル406Cを用いて測定された。ここに記載する結果は、5000ボルト〜500ボルトの初期表面電荷を拡散させる(すなわち、元の値の10%まで減少する)ために必要とされる時間を示し、「静電気減衰時間」として記録した。
【0034】
粒子吸着(Particle Pick−up)試験
同様な表面抵抗率または静電気減衰時間を有する試料が粒状物質の存在下で異なって反応するかどうかを確認するために、使用志向の粒子吸着試験を考案した。
【0035】
約1mmの平均粒径を有する微細グレードのバーミキュライトを直径約3インチ(750mm)の円筒状プラスチック容器の下部に配置し、高さ約0.25インチ(6mm)のほぼ均一な層を形成した。
【0036】
試験される試料を、例えば、清浄なヒトの乾燥毛髪、ネコの毛皮またはウールの布など、表面に静電荷を発生させることが周知の材料で摩擦した。コーティングされたフィルム試料を約3〜5秒間、電荷発生材料に対してゆるやかに、不規則に摩擦し、静電荷をフィルム上に発生させた。次に、帯電されたフィルムを、バーミキュライト容器の上に配置した。
【0037】
バーミキュライト粒子の表面と帯電されたフィルムの表面との間の間隙は、0.75インチ(19mm)または0.5インチ(12.5mm)のどちらかであるように選択された。0.75インチ(19mm)の間隙は、1インチ(25mm)壁高を有する容器を選択することによって達成された。0.5インチ(12.5mm)の間隙は、0.75インチ(19mm)壁高を有する容器を選択することによって達成された。
【0038】
便宜的に、以下の用語および略語を実施例において用いる。
【0039】
【表1】

【0040】
MABの調製
40/60のコアー/シェル比を有するコアー−シェルラテックス組成物を、米国特許第5,500,457号明細書、実施例1Aに記載された方法によって調製した。コアーモノマープレミックス重量比は、IBOA/MMA/EA/HEMA=10/10/75/5であった。シェルモノマープレミックス重量比は、IBOA/MMA/EA/HEMA=35/40/20/5であった。調製において用いられた全ての他の成分および条件は記載した通りである。得られたコアー−シェルラテックスは、34重量%の不揮発分含有量を生じた。
【0041】
GMAコポリマー組成物を米国特許第4,098,952号明細書、実施例3に記載されたように調製した。得られたコポリマー組成物は、29重量%の不揮発分含有量を生じた。
【0042】
MABは、67.6gのコアー−シェルラテックス組成物、144gのGMAコポリマー組成物、トリトンX−100の10%溶液15g、および773.4gの脱イオン水を混合することによって調製され、6.6重量%の不揮発分含有量を含有する組成物を生じた。
【0043】
実施例1
静電気拡散性フィルムを調製するために、導電性ポリマー層を非導電性基材上にコーティングし、導電性ポリマー層を非導電性保護被膜でオーバーコートした。導電性ポリマー混合物を調製するために、16グラムのベイトロンP分散体(「BP」)を84グラムの水に撹拌しながら添加し、次いで0.5グラムのNMPを添加した。導電性ポリマー混合物を、0.005インチ(0.125mm)のコロナプライマー処理された透明PET基材上にワイヤー捲回ロッドによって0.00027インチ(0.0068mm)の湿潤厚にコーティングした。引き続いて、コーティングされた基材を1分間、100Cにおいて強制空気炉内で乾燥させた。米国特許第5,908,847号明細書(実施例1)において記載された紫外線硬化可能なアクリル樹脂を55Cに昇温し、フィルムのBPコーティングされた表面の上に流し込んだ。微細構造表面を有する用具を、液体アクリル樹脂コート上に配置した。このように形成された「サンドイッチ」を、約5〜25ミクロンの最終微細構造アクリル層の厚さを提供するように調節されたナイフコータを通して引っ張った。次に、このサンドイッチを、サンドイッチから約6インチ(150mm)の距離において100パーセントの出力で2つの300ワットフュージョン(Fusion)「D」電球を用いてレスコ(Lesco)C2020紫外線処理装置(カリフォルニア州、トランス(Torrance,CA))でPET基材側を通して硬化させた。サンドイッチを15フィート/分のライン速度において処理装置に2回通過させ、アクリル樹脂の完全な硬化を確実にした。微細構造用具をサンドイッチから剥離し、微細構造表面を有する静電気拡散性フィルムを提供した。このフィルムのアクリル表面とPET表面との両方が、少なくとも1×1013オーム/スクエアの表面抵抗率を有し、0.01秒の静電気減衰時間を有した。
【0044】
実施例2
静電気拡散性フィルムを実施例1によって作製したが、ただし、以下のように調製された導電性ポリマー混合物を使用した。2.5グラムのBP分散体を、混合しながら90.3グラムの脱イオン水に添加した。この混合物に、連続的に撹拌しながら6.2グラムのMAB、0.5グラムのNMP、およびトリトンX−100の10%水溶液0.5グラムを添加した。このフィルムのアクリル表面とPET表面との両方が、少なくとも1×1013オーム/sq.の表面抵抗率を有し、0.01秒の静電気減衰時間を有した。
【0045】
実施例3
静電気拡散性フィルムを実施例2のように作製したが、ただし、NMPはMAB混合物に添加されなかった。このフィルムのアクリル表面とPET表面との両方が、少なくとも1×1013オーム/sq.の表面抵抗率を有し、0.01秒の静電気減衰時間を有した。
【0046】
実施例4
静電気拡散性フィルムを実施例3のように作製したが、ただし、2.5グラムのCPUD−2分散体をベイトロンP分散体の代わりに添加した。このフィルムのアクリル表面とPET表面との両方が、少なくとも1×1013オーム/sq.の表面抵抗率を有し、0.01秒の静電気減衰時間を有した。
【0047】
実施例5
導電性ポリマー混合物を調製するために、265グラムのMAB溶液、212.5グラムのベイトロンP、85グラムのNMP、85グラムの10%トリトンX−100水溶液、および16352グラムの水を混ぜ合わせた。ワイヤー捲回ロッドを用いて、この混合物を、空気中で前もってコロナ処理された0.005インチ(0.125mm)のDBEF−M反射偏光子フィルム上にコーティングし、0.001インチ(0.025mm)の湿潤厚さを生じた。次に、試料を約1分間、170F(75C)の強制空気炉内で乾燥させた。このコーティングされたフィルム中間物については、MAB/BPコーティングされた面の表面抵抗率は1×107オーム/sq.であったが、コーティングされないポリエステル面の表面抵抗率は1×1013オーム/sq.より大きかった。このフィルムのどちらの面の静電気減衰時間も0.01秒であった。本発明の実施態様としての静電気拡散性フィルムを作製するために、コーティングされたフィルム中間物の各面を、光学接着剤の0.001インチ(0.025mm)層を用いて0.005インチ(0.125mm)の透明ポリカーボネートフィルム(ペンシルベニア州、ピッツバーグのベイヤーUS(Bayer US;Pittsburgh,PA)から入手可能)に積層した。各PC面の表面抵抗率は少なくとも1×1013オーム/sq.であったが、フィルムの両面が0.01秒の静電気減衰時間を有した。粒子吸着試験の間、この構造物は、バーミキュライト床の上に配置された時に粒状物質を引きつけなかった。
【0048】
実施例6
実施例5の場合と同様なコーティングされたフィルム中間物を作製した。MAB/BP表面の上に0.00125インチ(0.03mm)綜研1885転写接着剤(日本、東京の綜研化学株式会社(Soken Chemical and Engineering Co,Tokyo,Japan))を積層した。次に、1/8インチ(3.2mm)ポリ(メチルメタクリレート)(商品名「プレキシグラス(Plexiglass)」として一般に入手可能)のシートを接着剤表面に積層した。結果は、実施例5の場合と実質的に同様であることが観察された。
【0049】
実施例7
静電気拡散性フィルムを実施例5のように作製したが、ただし、コーティングされたフィルム中間物のMAB/BP面に積層されたPCフィルムは0.010インチ(0.25mm)透明ベイヤー(Bayer)PCであったが、コーティングされたフィルム中間物のポリエステル面に積層されたPCフィルムは、マサチューセッツ州、ピッツフィールドのGEプラスチックス(GE Plastics,Pittsfield,MA)から入手可能な0.008インチ(0.2mm)の透明PCフィルムであった。各PC面の表面抵抗率は少なくとも1×1013オーム/sq.であったが、フィルムの両面が0.01秒の静電気減衰時間を有した。粒子吸着試験の間、この構造物は、バーミキュライト床の上に配置された時に粒状物質を引きつけなかった。
【0050】
実施例8
静電気拡散性フィルムを実施例5のように作製したが、ただし、基材は、一体艶消し表面を有するDBEF(ミネソタ州、セントポールの3Mによって商品名ヴィクイティ(登録商標)として販売)であり、外側層は、ポリカーボネートの代わりにポリオレフィンであった。このように、MAB/BP混合物を基材の艶消し表面の上にコーティングし、実施例5に記載されたように乾燥させた。約0.00125インチ(0.03mm)の綜研1885転写接着剤(日本、東京の綜研化学株式会社)をMAB/BP表面の上に積層した。次に、0.0019インチ(0.027mm)の厚さを有するポリオレフィンフィルムを接着剤に積層した。静電気拡散性フィルムの表面抵抗率は、ポリオレフィンまたはDBEF面の各々で少なくとも1×1013オーム/sq.であったが、フィルムの両面が0.01秒の静電気減衰時間を有した。
【0051】
実施例9
導電性ポリマー混合物を調製するために、0.8グラムのD1012W分散体を0.5グラムの10%トリトンX−100を含有する水17グラムと混合した。この混合物を0.005インチ(0.125mm)のコロナ処理されたPETフィルム上にワイヤー捲回ロッドを用いてコーティングし、0.001インチ(0.025mm)の湿潤フィルムを製造した。コーティングされたフィルムを100Cにおいて約2分間、乾燥させた。乾燥された導電性ポリマーコーティングの表面抵抗率は5.2×109オーム/sq.であった。次に、静電気拡散性フィルムを製造するために、片面に感圧接着剤の0.003インチ(0.075mm)のコーティングを各々有するポリエステルフィルムの2つの0.005インチ(0.125mm)層の間に導電性ポリマーフィルムを積層した。静電気減衰時間は0.02秒であった。この静電気拡散性フィルムのどちらの面の表面抵抗率も1×1012オーム/sq.より大きかった。
【0052】
実施例10
5%水溶液として供給されたカタログ番号48,255−2としてアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から得られた占有されている有機酸をドープされた導電性ポリマーとして記載されたポリピロール溶液を用いて、導電性ポリマーフィルムを作製した。ポリピロール溶液を、さらに改良せずに、0.005インチ(0.125mm)のコロナ処理されたDBEF−Mフィルム上にワイヤー捲回ロッドを用いてコーティングし、0.001インチ(0.025mm)の湿潤フィルムを製造した。コーティングされたフィルムを100Cにおいて約2分間、乾燥させた。乾燥された導電性ポリマーコーティングの表面抵抗率は2.8×107オーム/sq.であった。次に、静電気拡散性フィルムを製造するために、片面に感圧接着剤の0.003インチ(0.075mm)コーティングを各々有するポリエステルフィルムの2つの0.005インチ(0.125mm)層の間に導電性ポリマーフィルムを積層した。静電気減衰時間は0.01秒であった。この静電気拡散性フィルムのどちらの面の表面抵抗率も1×1012オーム/sq.より大きかった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による実施態様の略断面図である。
【図2】光学層が多数の層を含む、本発明のさらに別の実施態様の略断面図である。
【図3】多数の光学層を有する光学構造物のさらに別の実施態様の略断面図である。
【図4】1つより多い埋設された静電気拡散層を有する光学構造物の別の実施態様の略断面図である。
【図5】本発明による光学構造物のさらに別の実施態様の略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光学層と、
前記第1の光学層の主面の少なくとも一部の上にある静電気拡散層と、
前記静電気拡散層の上に配置された第2の光学層と、を含み、
前記第1および第2の光学層が非静電気拡散性である、実質的に静電気拡散性である光学構造物。
【請求項2】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つの厚さが2μmより大きい、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項3】
前記静電気拡散層が前記第1および第2の光学層の少なくとも1つと実質的に接触している、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項4】
前記光学構造物が1×1012オーム/sq.より大きい表面抵抗率を示す、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項5】
前記光学構造物が1×1013オーム/sq.より大きい表面抵抗率を示す、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項6】
前記光学物品が2秒より短い静電気減衰時間を示す、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項7】
前記光学物品が約0.5秒より短い静電気減衰時間を示す、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項8】
前記物品が約0.1秒より短い静電気減衰時間を示す、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項9】
前記静電気拡散層が、導電性ポリマーを含む組成物から製造される、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項10】
前記組成物がバインダーをさらに含む、請求項9に記載の光学構造物。
【請求項11】
前記バインダーがアクリレート、メラミン、ウレタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項10に記載の光学構造物。
【請求項12】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリウレタン、ポリエチレンアクリル酸、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、およびそれらのブレンドからなる群から選択された材料を含むフィルムである、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項13】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つが硬化性樹脂である、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項14】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つが微細構造表面を含む、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項15】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つが多層フィルムを含む、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項16】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つが、偏光子、拡散体、反射体、着色フィルム、ミラー、ルーバー付き光学フィルム、および輝度増強フィルムからなる群から選択された材料である、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項17】
前記静電気拡散層が導電性コーティングである、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項18】
前記コーティングが少なくとも2ナノメートルの乾燥厚さを有する、請求項17に記載の光学構造物。
【請求項19】
前記導電性コーティングが接着剤である、請求項17に記載の光学構造物。
【請求項20】
前記第1および第2の光学層の少なくとも1つの主面と接触する少なくとも1つの付加的な光学層をさらに含む、請求項1に記載の光学構造物。
【請求項21】
請求項1に記載の光学構造物を含む光デバイス。
【請求項22】
請求項1に記載の光学構造物を含むディスプレイ物品。
【請求項23】
前記ディスプレイがコンピュータに適合させたものである、請求項22に記載のディスプレイ物品。
【請求項24】
光学フィルムと、
前記光学フィルムの主面に適用された、バインダーと混合された導電性ポリマーを含む静電気拡散性コーティングと、
前記静電気拡散性コーティングの上に配置されて前記静電気拡散性コーティングと実質的に接触している光学層と、を含み、
前記光学フィルムおよび光学層が各々非静電気拡散性であり、前記光学構造物が実質的に静電気拡散性であって1×1012オーム/sq.より大きい表面抵抗率を示す光学構造物。
【請求項25】
前記光学フィルムおよび前記光学層の少なくとも1つが反射偏光子フィルムである、請求項23に記載の光学構造物。
【請求項26】
少なくとも2つの非静電気拡散性光学層と、
それらの間にある静電気拡散層と、を含み、
低い相対湿度を有する環境において実質的に静電気拡散性である光学構造物。
【請求項27】
2つの主面を有する静電気拡散層を用意する工程と、
前記2つの主面の各々を非静電気拡散性光学層と接触させて前記静電気拡散層を囲む工程と、を含む、静電気拡散性光学構造物の製造方法。
【請求項28】
前記静電気拡散層および前記非静電気拡散性光学層の少なくとも一方が押出される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記静電気拡散層が積層によって前記非静電気拡散性光学層と接触している、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
非静電気拡散性光学基材を提供する用意と、
前記非静電気拡散性光学基材の主面に、導電性ポリマーを含む有効量の静電気拡散性組成物を適用する工程と、
非静電気拡散層を前記静電気拡散性組成物の上に配置する工程と、を含む、静電気拡散性光学構造物の製造方法。
【請求項31】
プライマーを前記非静電気拡散性光学基材の主面の少なくとも一部の上に適用する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
微細構造表面を形成する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−500630(P2007−500630A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532441(P2006−532441)
【出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/012218
【国際公開番号】WO2004/101277
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】