説明

静電気放電デバイスおよびその製造方法

本発明は、混合物が層内で導電性粒子を再配列させることを可能にする第1の粘度を有するときに、第1の表面全体にわたりポリマーおよび導電性粒子を含有する混合物の層を付けることによって実現される。多数の導電性粒子が電場を用いて整列されるように、電場が層全体にわたって印加され、その後、層を機械的に安定化させるために、層の粘度が第2のより高い粘度に変化する。これは、ESDデバイスの製造の際に使用することが可能な、向上しかつ異方性の導電性を有する安定な層をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性非導電性マトリクス中の低価格粒子の導電性経路を使用した、導電性および散逸性静電気放電(ESD)デバイス(帯電防止デバイスとしても知られる)、ならびにそれらを製造するための方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
異種の物質の2つの物体をこすり合わせたときに、電子が、摩擦帯電のプロセスを介して一方の物質から他方へと移動する。物体は、正電荷を蓄積する一方の物質、および負電荷を蓄積する他方の物質により静電的に帯電するようになる。例えば、製造もしくは作業場環境において、静電気電荷を安全に放電するプロセスまたは静電気の発生を防止するもしくは最小にするプロセスが、ESDデバイスを介して実現される。これらのデバイスは、人間の体または装置の静電気電荷を減少させる効果を有し、例えば、可燃性液体もしくはガスを用いて作業するときの発火および爆発を防止する、または電子部品もしくは電子デバイスなどの静電気に敏感な物体への損傷を防止する。
【0003】
本明細書中で使用するように静電気放電(ESD)デバイスという用語は、導電性および散逸性のデバイス、膜、および接着剤を含む。ESDに関する多くの基準がある。ESD協会(www.esda.org)は、エレクトロニクス環境においてESDをカバーする35件の基準を発表している。CENELECは、欧州静電気規格EN100015−静電気放電に敏感なデバイスの保護を発行している。
【0004】
ESDデバイスは、例えば以下のような多くの用途を有する:
・搬送または貯蔵中にグラフィックカードまたはハードディスクドライブなどのデバイスを収容するために使用する膜、バッグ、および剛性構造物を含むESDパッケージングデバイス。このような膜を電池またはキャパシタの製造の際にも使用することができ、電池またはキャパシタ内部の導電性バリアを形成する、
・多くの作業場において使用される、衣服および靴などのESD衣料品デバイス、
・静電気の蓄積を減少させるまたは除去するために、材料またはその表面の処理のために使用するESD薬剤またはESD化合物、
・キーボード用およびマウス用の小さなマットから大きなマットまたは全フロアの範囲に及ぶESDマットおよびESDフロア、
・表面に接触する材料上のすべての静電電位を制御して散逸させるための地面への電気的経路を提供するESD作業ステーションおよび作業面、
・ガスケットなどのESD部品。
【0005】
導電性および散逸性という用語を、
・導電性:1KΩと1MΩとの間の抵抗を有する材料、
・散逸性:1MΩと1TΩとの間の抵抗を有する材料、
と広く定義することができる。
【0006】
ESD協会の文書ESD ADV1.0−2009は、現在の状況に適応可能な下記の定義を提供する:
・導電性材料、抵抗率:1×10オーム/スクエアよりも小さな表面抵抗率または1×10オーム・cmよりも小さな体積抵抗率を有する材料、
・導電性材料、抵抗:1×10オームよりも小さな表面抵抗または1×10オームよりも小さな体積抵抗を有する材料、
・導電性フローリング材料:1.0×10オームよりも小さな接地抵抗を有するフロア材料、
・散逸性フロア材料:1.0×10オームから1.0×10オームの間の接地抵抗を有するフロア材料、
・散逸性材料:1×10オーム以上であるが1×1011オームよりも小さな表面抵抗または1×10オーム以上であるが1×1011オームより小さな体積抵抗を有する材料。
【0007】
本発明は、導電性および散逸性ESDデバイスに関係し、これらについてESDデバイスという共通の用語を使用する。用語「帯電防止」は、「静電気放電」に関するやはり共通の同意語であり、例えば、ESDデバイスに対する同意語としての「帯電防止デバイス」において使用される、すなわち、我々は、ESDデバイスという用語を帯電防止デバイスと等価であるとして使用する。
【0008】
帯電防止膜およびバッグ、靴、マットおよびフロアのようなかかる導電性および散逸性デバイスの製造において、ポリマーは、外側表面において使用するために好適である。製造中に粘度を同様に変えることができる他の材料も、やはり適している。積層することができる膜もしくはシートに、またはスプレイ塗布することができる、またはデバイスが浸漬され、その後、材料の自然反応によって、または例えば、熱もしくはUV光を使用することにより加速して硬化させる、液体コーティングに材料を製造することができる。
【0009】
材料を含有する導電性ポリマーは、ポリマーマトリクスおよびこのマトリクス中に埋め込まれた導電性粒子(フィラー)の混合物、または本質的に導電性のポリマーを基にすることが可能である。
【0010】
本発明にとって関心のある導電性または散逸性ポリマー材料は、非導電性ポリマーマトリクスおよびこのマトリクス中に埋め込まれた導電性粒子(フィラー)の混合物に基づくものである。本質的に導電性のポリマーも知られており、非導電性ポリマーと混ぜ合わせたものは、導電性または散逸性材料を形成することが可能である。
【0011】
フィラーの添加は、ポリマーマトリクスのバルク特性のうちのあるものを変化させる。これらの変化は、多くの場合望ましくなく、例えば、材料強度および材料透明度の低下ならびに色の変化である。これらの効果を最小にするために、フィラーの含有量を低くすることが重要である。
【0012】
本発明では、ポリマーマトリクスを接着剤とすることができ、導電性粒子を、金属、金属酸化物、金属コロイド粒子、またはカーボンナノチューブ(CNT)などの炭素粒子とすることができる。材料はまた、一方向に導電性であってもよい。
【0013】
導電性または散逸性ポリマー膜は、フィラー材料をポリマー樹脂と混合することによって通常製造され、導電性混合物を作るために、フィラー材料の量は、パーコレーション限界を越えなければならない。混合した系は、寿命に限界があり、使用前に再混合しなければならない。一般的な問題は、フィラー材料が一様に分布しないために、膜または層が、均一な厚さに製造されたときでさえ不均一な導電性を有することである。問題は、ポリマー物理学においては良く知られており、フィラー材料およびポリマーマトリクスの相互の不親和性に由来し、これは、安定な混合物をもたらすためには、少量のフィラーしかマトリクスと混合することができないことを意味する。より多くの量では、時間とともにマクロ相分離するであろう。それゆえ、この問題は、事実上根本的なものである。その上に、より多くのフィラー量に対して適用する混合プロセスは非常に強くなければならないので、フィラー粒子が破壊されることがある。
【0014】
特許文献1および特許文献2には、導電性ファイバを接着剤の基材中に混合するカーペット製品の製造が開示されている。特許文献3には、導電性積層フローリングについて類似のことが開示されている。
【0015】
特許文献4には、マイクロメートルサイズの導電性粉末、導電性ファイバまたは組み合わせを全導電性樹脂の重量で20%から50%を含む導電材を装填した樹脂系材料で形成された導電性フローリングが開示されている。特許文献5には、基板のない導電性表面についての類似の発明が開示されている。
【0016】
特許文献6には、実質的に非導電性である熱可塑性の合成樹脂のシートを含み、前記シートがシートを貫通する複数の穴を有し、導電性材料が前記穴を埋める導電性フロア被覆物が開示されている。
【0017】
特許文献7には、静電気散逸性の電気的特性を有する表面被覆ビニールフロアタイル製品およびその製造方法が開示されている。
【0018】
特許文献8には、導電性および透明性を与える単層CNTを使用した導電性膜が開示されている。膜にせん断ステップを施すことによって、CNTを一定方向に向けることができる。
【0019】
導電性フィラー材料の量を増加させずに信号伝送能力または散逸性放電を増加させるために、導電性膜を異方性に作ることができる。異方性膜がある特定の方向に絶縁特性を有するように、異方性膜を設計することもできる。
【0020】
特許文献9には、CNTに基づく方向性導電性接着剤を作成する方法が記載されている。絶縁基材および電気的接触点として機能するCNTの平行配置を有するテープが、テープ中に使用する材料上にCNTを成長させることによって、またはテープに接着剤部を付ける前にテープ上にCNTを配置することによって作られる。
【0021】
特許文献10には、二層の軟磁性金属の分離した個々の導電体間の電気的相互接続が、導電性接着剤によって導電体を接合することによって実現される方法が記載されている。接着剤は、軟磁性金属の粒子を有し、磁場を印加することによって、粒子を、導電体間の領域内に集めることが可能である。
【0022】
双極性の剛体非対称粒子または分子を電場によって整列させることが可能であることが知られており、これは小さな分子量の液晶用に特に使用される。
【0023】
これらのケースでは、永久双極子モーメントを有する材料は、通常の条件下では流体であるため、電場整列を可能にする。
【0024】
CNTのような不溶融性導電性炭素粒子の整列した構造は、化学気相堆積またはスピニングによって形成されることが知られている。
【0025】
CNTの方向性成長のための方法が、特許文献11に示されている。CNTが、CNTの成長を管理する電場内で成長され、したがって、成長処理が終わったときには整列したCNTが得られる。
【0026】
CNCを様々な材料と混合することが、特許文献12に記載されている。この記載では、CNCがマトリクスとの等方性混合物を形成する。
【0027】
特許文献13では、電場を使用して、ナノ粒子をコーティングする際にシンタリングを引き起こさせる。
【0028】
カーボンナノコーン(CNC)材料の電場整列が、非特許文献1及び2に明示されている。これらの文献では、シリコン油中に分散されたナノコーン材料は、最低50V/mmの電場が印加されたときに、マイクロメートルサイズのナノコーン「ファイバ」を形成することが可能であることが示されている。妥当な時間内にファイバを形成するために、400V/mmの電場が使用される。
【0029】
非特許文献3では、400V/cmの電場が樹脂中に浸けた銅電極間に印加されたときに、ゼロ電場パーコレーション限界より下でカーボンブラックを埋めた樹脂が、導電性ネットワークが形成される様子が報告されている。
【0030】
特許文献14には、硬化性ポリマーマトリクス中に分散させたカーボンナノチューブから所望の抵抗を有する電気的経路を形成するための方法が記載されている。電極が分散体と接触させて設置され、電気エネルギーが、所望の電気抵抗に達するまでカーボンナノチューブに与えられる。堆積後に電流を流すことによって、カーボンナノチューブ混合物の一部であり得る金属ナノチューブを焼き払うことによって、真の半導電性接続を実現することができる。デバイスを固定するために、ポリマーマトリクスが硬化される。
【0031】
先行技術についての欠点は、カーボンナノチューブが非常に高価であり工業的な規模で製造することが困難なことである。ナノチューブの分散体は、貯蔵することが困難であり、分散体を基板に付ける前に均質化または音波処理のような特殊な製造ステップを必要とする。特許文献15に記載されたような導電性材料によって埋められるポリマーマトリクス中に穴を作るプロセスは、やはり複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】米国特許第4269881号明細書
【特許文献2】米国特許第5348784号明細書
【特許文献3】米国特許第4724187号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0206028号明細書
【特許文献5】国際公開第2010/018094号
【特許文献6】米国特許第4101689号明細書
【特許文献7】米国特許第4944998号明細書
【特許文献8】米国特許第7060241号明細書
【特許文献9】欧州特許第1809716号明細書
【特許文献10】米国特許第5429701号明細書
【特許文献11】米国特許第6837928号明細書
【特許文献12】国際公開第2006/052142号
【特許文献13】国際公開2008/009779号
【特許文献14】米国特許出願公開第2009/0038832号明細書
【特許文献15】米国特許第4101689号明細書
【非特許文献】
【0033】
【非特許文献1】Svasand、Colloids & Surf. A Physicochem. Eng. Aspects、2007、308、67
【非特許文献2】Svasand、Colloids & Surf. A Physicochem. Eng. Aspects、2009、339、211
【非特許文献3】Schwarz、「Alternating electric field induced agglomeration of carbon black filled resins」、Polymer、2002、43、3079
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
それゆえ、均一な導電性ならびに改善した機械的特性および光学的特性を有するデバイス、膜および接着剤を与えるコスト効率の高い製造方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明は、導電性粒子と混合した非導電性マトリクスを含む異方性導電性または散逸性の膜を形成するための方法を提供する。
【0036】
本発明は、静電荷の蓄積を回避するためのデバイス、膜または接着剤中で、および人間または物体が静電的に帯電している場合に安全に放電するデバイス用の両方に使用されることが可能である。
【0037】
導電性粒子は、炭素粒子または金属粒子などの不溶融性粒子である。導電性粒子は、球状カーボンブラックまたはディスク状炭素粒子を用いるケースでは小さな分子異方性または粒子異方性を示す。導電性粒子の大部分は、したがって小さなアスペクト比を有し、1〜4、または1〜5、1〜10、1〜20もしくは1〜100の範囲になるアスペクト比が典型的である。導電性粒子を、異なる炭素粒子の混合物とすることができる。他の導電性粒子を使用することも可能である。銀のような金属、または金属酸化物粒子を使用することが可能である。
【0038】
マトリクスを任意の種類のポリマー系とすることができ、マトリクスは、1つまたはいくつかの成分を含有することができる。特に、マトリクスを熱硬化性ポリマー系とすることができ、これは、マトリクスが元々は流体であるが、架橋によって固化させることが可能であることを意味する。このポリマーを接着剤とすることができる。マトリクスを熱可塑性ポリマー系とすることもでき、これは、ポリマーが低温では固体または粘性体であるが、温度を高くすることによって可逆的に溶融するまたは可塑化することが可能であることを意味する。マトリクスをさらにその上、離液性ポリマー系とすることができ、これは、マトリクスを溶剤によって可塑化することが可能であり、この溶剤を蒸発させて除去することによって固化させることが可能であることを意味する。そしてマトリクスは、低価格で、フロアタイルなどの大量のESDデバイスの製造用に使用可能な大きな割合のフィラー材料を有することが可能である。マトリクスを、また、これらの系の任意の組み合わせとすることができる。例えば、熱硬化性ポリマー系は、マトリクスを可塑化させるために溶剤を含有することができるが、安定化は本質的に架橋に基づき、副次的にだけ溶剤の蒸発に基づくことがある。
【0039】
本発明の要素は、導電性経路が、低い電場強度で、カーボンブラックおよびディスク状炭素粒子のような低分子異方性粒子から形成されることが可能であることである。これは、製造装置を簡素化し、大きな表面および厚い膜の両方を製造することを可能にする。カーボンブラックおよびディスク状炭素粒子は、カーボンナノチューブ(CNT)よりもかなり安価であり、工業的な方法によって大量に製造することが可能である。
【0040】
本発明のもう1つの要素は、導電性粒子の量をパーコレーション限界よりも小さくすることができることである。これは、少量の導電性粒子だけを有する混合物が、マクロ相分離をしにくく、それによって貯蔵が容易であるという点でいくつかの利点を有する。また、粒子の量を減少させることができるのであれば、異方性導電性膜の機械的強度を大きくすることができる。UV硬化した膜に関して、硬化プロセスは、遮蔽粒子の量が少なくなるときにはより効果的である。同様に、粒子の量を減少させることができるのであれば、膜の透明性を増加させることができる。少量の導電性粒子は、やはり省コスト要素である。
【0041】
層の一方側もしくは両側に直接接触して、または追加の絶縁層の外側のいずれかに設置することができる電極間に電場を形成することができ、ここでは、絶縁層が第1の層と接触して設置されるまたは絶縁層が層と直接接触しないことがある。
【0042】
電場の方向を、電極配置によって事前に決することが可能であり、これによって整列させた導電性粒子によって形成される電気的接続の方向を制御することができる。
【0043】
粒子混合および電場などの要素を変えることによって、ESDの程度を製造の際に制御することができる。電場を、0.01から35kV/cmの程度、0.05から20kV/cm、または0.05から5kV/cmもしくは0.1から1kVの程度であり、特に0.1〜1kV/cmの程度とすることができる。
【0044】
これは、10μmから1mmの範囲内の典型的な整列距離に関して、印加する電圧を、0.1から100Vの範囲内とすることができることを意味する。電場は交流(AC)電場であるが、直流(DC)電場とすることもできる。典型的な電場は、10Hzから100kHz、典型的には10Hzから10kHzの周波数を有するAC電場である。非常に小さな周波数<10HzまたはDC場は、非対称なチェーン形成および蓄積をもたらす。本方法を適用するために必要な低電圧は、製造ラインにおいて取り扱いが単純であり、高電圧を取り扱うときに必要な特殊な配置を必要としない。
【0045】
したがって、本発明は、流体状のポリマーマトリクス中に導電性伝達経路を形成するために、電場を使用して流体状のポリマーマトリクス中の導電性粒子を整列させることが可能であるという発見に基づいている。導電性経路は、材料の巨視的な導電性を高めることができる。特に、導電性伝達経路の形成は、ランダムに分布した粒子を有する材料について電気的な接触を作り出すためにその他の点では必要であるものよりも少ない量の導電性粒子を材料が含有するときにもまた、材料が導電性になることを可能にする。ポリマーマトリクス中の導電性粒子の量を、これによって減少させることができ、パーコレーション限界の10分の1よりも少なく、またはさらに少なくすることもできる。
【0046】
さらにその上、この処理は、異方性材料を、整列方向に垂直な方向よりも整列方向に沿ってより大きな方向性導電性に変える。
【0047】
導電性伝達経路が、欠陥となるかまたは第1のステップにおいて適正に整列されない場合には、整列させた導電性粒子伝達経路を修復することがやはり可能であり、マトリクスの安定化ステップがまだ実行されていないケースついて、または安定化ステップが可逆的である場合には、整列ステップを再実行することができる。これは、接続の準備中の既存の膜について、プロセスを新たに開始する必要がないという利点を有する。
【0048】
導電性粒子の特徴的であり整列させた分子ワイヤを産み出す整列の後で、マトリクスの大部分またはすべてを除去することが可能である。除去を、例えば、過剰な加熱(例えば、熱分解)によってまたは化学処理(例えば、選択性溶媒)によって除去を行うことができる。
【0049】
異方性導電性膜を製造することは、膜を形成する樹脂が電極と接触していることを必要としない。製造プロセスを、連続的な方法でまたは段階的に行うことができる。異方性膜を、基板に貼りつけることができる、または自立した膜とすることができる。
【0050】
本発明の導電性膜は、導電性伝達経路を有し、したがって、電流コレクタとして使用することができ、導電性である場合も非導電性である場合もある他の膜を接続することができる。電子の流れを一方向または双方向とすることができるので、本発明は、電池またはキャパシタ中のアノードまたはカソードとして使用されることが可能である。膜は、熱積層プロセスによって他の材料に積層される、別の非導電性ポリマーに熱シールされる、または導電性結合剤を使用して積層されることが可能である。もう1つの利用は、電解液移動をブロックするバリアとして、または任意の種類の電解液中の任意の電池の金属被覆電極導電体の代替としてである。
【0051】
本発明の一実施形態では、異方性導電性膜が製造され、自立した導電性経路を有する基板が実現された後で、樹脂が膜から完全にまたは部分的に除去される。
【0052】
別の一実施形態では、ポリマーは、接着剤としてまたは積層プロセスにおいて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】整列の前後の導電性粒子集成体の光学顕微鏡写真である。
【図2】整列時間に対する接着剤中へと分散させた0.2体積%CNC粒子のDC導電性の依存性を示す図である。実線は、見るための目安である。
【図3】電極(a)と材料(b)との間の電気的接触あり(A〜B)およびなし(C〜D)の整列させた膜の図である。
【図4】UV硬化技術の模式図である。
【図5】a〜cは、面内幾何学的配置での、整列させ硬化させた導電性ナノコーン接着剤の図である。
【図6】任意の整列幾何学的配置および任意の電極形状を用いて整列させた材料の図である。
【図7】導電性部材とマトリクスとの間の接触面積を最大にする「デンドライト状」構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明を、例および図を参照して以下に説明する。本発明がこれらの例および図に決して限定されないことを理解すべきである。
【0055】
本発明の方法は、マトリクスおよび導電性粒子の混合物を含む少なくとも1つの異方性導電性層を有するESDデバイスを製造するためのものである。本方法のステップは、
a.ESDデバイスの第1の表面上に混合物の層を付けるステップであって、混合物が層内で導電性粒子を再配列させることを可能にする第1の粘度を有する、ステップ、
b.多数の前記導電性粒子が電場によって整列されるように、前記層上の2つの整列電極間に電場を印加することによって、導電性経路を形成するステップ、
c.第2の粘度に層の粘度を変化させるステップであって、層を機械的に安定化させ導電性経路を維持するために、前記第2の粘度が第1の粘度より高い、ステップ、
である。
【0056】
第1の表面を整列電極として使用することができ、そのため別々の電極を使用する必要がないことに留意する。電極を、離れたものとすることもでき、したがって混合物から絶縁することができる。
【0057】
本方法をESDデバイス用の製造ラインにおいて実行することが可能であり、製造ラインは、
i.ポリマー樹脂が、マトリクスを形成するために、本発明にしたがってポリマー樹脂をCBと混合する、
ii.マトリクスを膜に形成する、もしくは物体をマトリクス中に浸漬する、または、
a.膜用には、層が0.1から5mmまで、好ましくは3mmよりも薄い厚さを有する、
b.薄いマット用には、層が厚さ最大3cmまで、好ましくは厚さ2cmよりも薄い厚さを有する、
c.厚いマット用には、層が厚さ最大50cmまで、好ましくは厚さ5cmよりも薄い厚さを有する、
の上にマトリクスをスプレイ塗布するかまたは注ぐ、
iii.本発明によって電場を印加する、
iv.例えば、UV光または熱を使用して、マトリクスを硬化する、
v.任意選択で、導電性経路を露出させるためにマトリクスを薄くする、
vi.任意選択で、ステップiiからvを繰り返す、
ステップを含むことができる。
【0058】
導電性層またはワイヤが接続されるまたは積層される製造ラインにおいて、本方法を実行することがやはり可能である。製造ラインは、
i.マトリクスを形成するために、本発明にしたがってエポキシをCBと混合する、
ii.マトリクスを膜またはペースト状に形成し、層間または構成部品間または配線間の導電性が望まれる場合に接着剤として使用する、
iii.本発明にしたがって電場を印加する、
iv.例えば、UV光または熱を使用して、マトリクスを硬化する、
ステップを含むことができる。
【実施例1】
【0059】
この実施例は、導電性粒子および熱的に硬化されるポリマー接着剤であるポリマーマトリクスの混合物の調製に関係する。本実施例はまた、装填した粒子に応じた導電性を示し、また、接触が粒子割合の増加とともに形成されるときに粒子間の導電性経路の形成によって、粒子装填量の増加とともに導電性のステップ状の増加の様子を説明することができるかを示す。
【0060】
この実施例は、さらにその上、粒子装填量が少ないとき、例えば、等方性の整列していない混合物が導電性でない限度である観測されるパーコレーション限界の10分の1である場合の同じ混合物の調製に、ならびに整列した粒子が導電性経路を形成し、導電性が一方向であり、例えば、整列していない材料のパーコレーション限界よりも低い導電性材料を結果としてもたらすように、電場を使用したこの混合物の整列に関係する。本実施例は、さらにその上、整列ステップにおいて得られた整列および方向性導電性が維持されるように、例えば、硬化させることによって得られた結果としての材料の粘度の変化を示す。
【0061】
使用した導電性粒子は、Alfa Aesar社のCB、n−Tec AS社(ノルウェイ)のCNC材料およびSigma−Aldrich社の酸化鉄(FeO−Fe)であった。
【0062】
使用したポリマーマトリクスは、Araldite(登録商標)AY105−1(Huntsman Advanced Materials GmbH社)とRen(登録商標)HY5160(Vantico AG社)を用いた低粘性エポキシ樹脂とを組み合わせることによって形成した二成分低粘性接着剤であった。
【0063】
導電性粒子は、30分間撹拌することによって、接着剤中で混合された。混合物の高い粘度のために、効果的な混合は、20体積%までしか可能でない。
【0064】
これらの材料の推定されるパーコレーション限界は、約2体積%である。混合物は、この限界を超えると導電性であり、下では絶縁体である。導電性は、導電性粒子に起因するものであり、ポリマーは絶縁体である。
【0065】
整列の利点を説明するために、材料は同じであり、上記と同様に調製したが、10分の1の粒子装填量を使用した。
【0066】
図1は、光学顕微鏡を使用して、電場整列および硬化の前(図1A)および後(図1B)の例の接着剤中に分散させた0.2体積%CNC粒子の集成体の混合物を図示する。
【0067】
図は、適用した整列(面外)幾何学的配置(図1C)を示す。この整列幾何学的配置を、10μmから数センチメートルまで、好ましくは数ミリメートルまでの導電性経路距離をカバーするために使用した。面外整列のために、材料の2mm×3cm幅の層を、2つの導電性層(a)間に挿入する。
【0068】
整列した経路(b)を得るために、AC電源を使用して混合物を整列させた。この実施例では、1kHzAC電場(0.6〜4kV/cm(rms値))の整列処理を、1mmより大きな電極間隔に対して10分間、1mm未満の電極間隔に対して10分間未満使用した。
【0069】
整列時間に対する接着剤中に分散させた0.2体積%CNC粒子のDC導電性の依存性が、図2に示される。実線は、見るための目安である。硬化を直後に100℃で6分間実行した。
【0070】
材料は、硬化後に整列したままであり、整列によって得られた導電性レベルが維持される。
【実施例2】
【0071】
この実施例は、整列条件の汎用的選択に関係し、配向材料に接続された電極だけでなく材料から電気的に絶縁された電極にも本発明を利用することができる様子を説明する。
【0072】
本処理は、整列電極に直接接続された材料を有する代わりに、電極が、絶縁層によって、例えば、0.127mm Kapton(登録商標)箔によって材料から電気的に切り離されていることを除いて、他の点では実施例1の処理と同様であった。整列は、まさしく実施例1のように生じた。
【0073】
この処理は、整列の後で電極を取り除くことを可能にし、したがってマトリクスが接着剤であるケースにおいてさえ整列した膜が自立することを可能にする。電極が材料と接触せず、そのため整列を離れたところから実行することが可能である場合にも、整列が生じる。整列中に互いに材料と電極が継続的にまたは段階的に移動するときに、継続的な整列加工処理を可能にする。整列配置の3つの可能性のある選択肢を図3に図示し、電極(a)と材料(b)との電気的接触あり(A〜B)およびなし(C〜D)で整列した膜を示す。(A)のケースでは、整列した膜は、電極間に恒久的な接続を形成する。(B)のケースでは、電極および材料は、ゆるく結びついているだけであり、整列の後で動いて離れることが可能である。(C)のケースでは、材料と電極との間に絶縁層(c)があり、材料が接着剤であるケースであっても、材料と電極とは整列の後で容易に動いて離れる。このケースでは、得られる材料は、整列した層(b)および2つの絶縁層(c)から構成される多層である。(D)のケースでは、整列を離れたところから行い、電極および膜の相互の位置を、整列中にさらに動かすことが可能である。
【実施例3】
【0074】
この実施例は、整列方法の利用可能性に関係し、UV硬化の特定の応用のための整列の使用に関係する。これは、硬化用のUV光に対して材料をより透過性にさせる低い粒子割合の利点を強調する。
【0075】
本処理は、熱的に硬化させたポリマーマトリクスを、UV硬化性のDymax Ultra Light−Weld(登録商標)3094接着剤によって置き換え、硬化ステップを波長300〜500nmのUV光によって行ったことを除いて、他の点では実施例1または実施例2の処理と同様であった。
【0076】
図4は、面外幾何学的配置での0.2体積%CNC分散の整列を図示する。混合物を実施例1の指針にしたがって形成した(図4a)が、接着剤層が所定の厚さに平らになるまで移動バードアプリケータを使用したRK Print Paint Applicatorを使用して整列電極上に広げた(アイデアを図4bに模式的に図示する)。この混合材を実施例2に概略を示した方法にしたがって整列させたが、上側電極をKaptonなどの絶縁層を使用することによって材料と接触させなかった(図4c)。これは、整列の後で電極を取り除くことを可能にし、したがってマトリクスが接着剤であるケースにおいてさえ整列した膜が自立することを可能にする。整列の後で、上側整列電極が取り除かれ、整列させた混合材をUV光または青色光によって硬化させた(図4d)。完全に自立した膜を形成するために、下側電極を任意選択で取り除くことができる(図4e)。
【0077】
図4はまた、UV硬化の概略図を与える。導電性粒子を、UV−硬化性ポリマーマトリクスを用いて分散させる(a)。アプリケータを使用して基板(やはり整列電極として働く)上に所定の層を形成するために、この混合物を広げる(b)。下側電極および材料と接触しないもう1つの上部電極を使用して電場によって材料を整列させる(c)。上側電極を取り除き、光(UV/可視光)源を使用して整列させた混合物を硬化させ、これは半自立の整列した膜をもたらす(d)。必要な場合には、下側電極をさらに取り除き、完全に自立した整列した膜をもたらす(e)。
【実施例4】
【0078】
この実施例は、整列幾何学的配置の汎用的選択に関係し、本発明を実施例1に示した幾何学的配置だけでなく(i)薄膜および(ii)面内幾何学的配置にもどのようにして利用することが可能であるかを説明する。この実施例は、本方法の普遍性を強調する。
【0079】
材料は同じであり、本処理は、面外整列幾何学的配置の代わりに面内整列幾何学的配置を使用したことを除いて、実施例1と同じである。
【0080】
面内整列に関して、フィンガの厚さおよび幅が、それぞれ50〜200nmおよび2〜10μmである金属フィンガグリッドの1cm×1cmの領域にわたり、スピンコーティングまたはプラスチックへらのいずれかによって、約10μm厚の層を広げた。フィンガ間の間隔は、10〜100μmであった。
【0081】
図5は、面内幾何学的配置での、整列させ硬化させた導電性CNC接着剤を図示する。図5aは、0.2体積%の整列させた材料の光学顕微鏡写真を示す。模式図(図5b)は、整列配置を示す。この幾何学的配置では、整列が、典型的には数秒でまたは数10秒で生じる。
【0082】
別のバージョンでは、整列電極が、電気的に絶縁されていた。整列がまさしく絶縁層なしにおけるように実現された。
【実施例5】
【0083】
この実施例は、整列幾何学的配置の汎用的選択に関係し、本発明が、平坦な明確に画定された電極を有する面外幾何学的配置および面内幾何学的配置だけでなく、幾何学的配置および電極形状が任意であるときにもどのようにして利用できるかを説明する。この実施例は、本方法の普遍性を強調する。これはまた、整列が、現れる整列された経路に平行な表面または界面を必要としないことを説明する。
【0084】
材料は他の点では同じであり、本処理は、面外整列幾何学的配置または面内整列幾何学的配置および平面電極の代わりに、任意の幾何学的配置および任意の電極形状を使用したことを除いて、実施例1、2、3または4と同様である。図6は、任意の幾何学的配置および任意の電極形状を使用したときの整列させた材料の光学顕微鏡写真を示す。
【実施例6】
【0085】
この実施例は、本発明のさらなる汎用性に関係し、非常に大きな接触面積デンドリマ表面を有する電極を調製するときの電場整列の使用に関係する。
【0086】
チェーンが電極から電極まで到達する前に整列を終わらせることを除いて、本処理は、他の点では実施例1、2、3、4または5の処理と同様であった。図7は、デンドライト状表面を有するこのようにして得た電極を示す。
【0087】
これを、電池またはキャパシタ中で使用する膜を作成するために使用することができる。
【実施例7】
【0088】
この実施例は、実施例1、2、3、4、5または6に説明した処理のための材料選択に関係する。
【0089】
フローリング用の説明した整列プロセスのために適した、塩化ポリビニル樹脂を含む高分子材料を、塩化ビニルと、酢酸ビニルなどの他の構造ユニットとからなるコポリマー、またはホモポリマーとすることができる。加工処理中におよびフローリング材料として使用中に劣化から高分子材料を保護するために、例えば、バリウム、カルシウムおよび亜鉛の脂肪酸塩、有機スズ化合物、エポキシ化大豆油およびタリウム酸エステルまたは有機亜リン酸を使用して熱および紫外線照射の効果に対して、ビニル化合物を安定化させることができる。
【0090】
高分子材料は、柔軟性を与え、加工処理を容易にするために可塑剤を含有することができる。1つの適した可塑剤は、フタル酸ジオクチル(DOP)である。他の適したものは、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、アルキルアリルリン酸塩、脂肪酸化合物および芳香族アルコールの両方の他のフタル酸エステル、塩素化炭化水素、および様々な高沸点エステルを含むことができる。
【0091】
妥当な価格で量、色および厚さを提供するために、安定化させ可塑化したビニル調合物は、可変量の無機フィラーと混合される。フィラーを、炭酸カルシウム、滑石、粘土および長石とすることができる。白色顔料を二酸化チタンとすることができ、有色顔料は、好ましくは無機物である。
【0092】
燃焼中に炎の広がりおよび発煙を防止するために、他の添加剤を使用することができる。これらの化合物は、三水和アルミナ、三酸化アンチモン、リン酸塩または塩素化炭化水素可塑剤、酸化亜鉛、およびホウ素化合物を含む。化学的発泡フォームを含有するクッションフローリングを、アゾビスホルムアミド発泡剤を用いて合成することができる。様々な他の加工処理補助材および潤滑剤をやはり利用することができる。
【0093】
フィラーの量を、重量の1%よりも少なくまたは80%までとすることができるのに対して、ビニル樹脂として、他の樹脂、可塑剤および安定剤を、1%よりも少なくまたは20%までの量とすることができる。
【実施例8】
【0094】
本処理は、整列させた材料がフローリング材料と積層される上部層を製造するために使用されたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。
【実施例9】
【0095】
本処理は、整列させた材料が家具または作業ステーションの一部として使用されたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。
【実施例10】
【0096】
本処理は、整列させた材料が靴またはガスケットの一部として使用されたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。
【実施例11】
【0097】
本処理は、整列させた材料がパッケージング材料の一部として使用されたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。
【実施例12】
【0098】
本処理は、整列させた材料が電池またはキャパシタの一部として使用されたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。
【実施例13】
【0099】
本処理は、整列させた材料が厚さで5cmまで、好ましくは厚さで1cmより薄く、10m幅より狭いシートへと作られたことを除いて、その他の点では実施例1、2、3、4、5または6における処理と同様であった。前記シートを、その後貯蔵することができ、例えば、切断または熱成形によって車両、コンピュータおよびプリンタに使用するための大きな部品の製造の際に使用することができる。
【符号の説明】
【0100】
a 導電性層または電極
b 整列した伝達経路または材料
c 絶縁層
【図3(A)】

【図3(B)】

【図3(C)】

【図3(D)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性マトリクスおよび導電性粒子の混合物を含む少なくとも1つの異方性導電層または散逸層を形成するESDデバイスを製造するための方法において、
a.前記ESDデバイスの第1の表面上に前記混合物の層を付けるステップであって、前記混合物が前記層内で前記導電性粒子を再配列させることを可能にする第1の粘度を有する、ステップと、
b.多数の前記導電性粒子が電場によって整列されるように、前記層上の2つの整列電極間に電場を印加することによって、導電性経路を形成するステップと、
c.前記層の前記粘度を第2の粘度に変化させるステップであって、前記層を機械的に安定化させ前記導電性経路を維持するために、前記第2の粘度が前記第1の粘度よりも高い、ステップと、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記マトリクスが1つまたは複数のポリマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マトリクスが接着剤であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記整列電極のうちの少なくとも1つが、前記層と直接接触することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記整列電極が前記層から絶縁されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電場が、0.05から20kV/cm、または0.05から5kV/cmもしくは0.1から1kV程度であり、特に0.1から1kV/cm程度であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記電場がAC電場であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記電場を前記第1の表面と第2の表面との間に印加することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性経路が前記層を通って前記整列電極に到達して接続される前に、整列ステップを中断することを特徴とする、請求項4、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記マトリクスを、ステップcの後で前記層から完全にまたは部分的に除去することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記層中の前記導電性粒子の濃度が、パーコレーション限界より低いことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の導電層を含むESDデバイス。
【請求項13】
導電性または散逸性のシートまたはフロアタイルを含むことを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。
【請求項14】
前記導電性粒子が、カーボンブラックと、カーボンナノディスクと、カーボンナノコーンと、金属と、金属酸化物と、粒子を含有するコロイド状金属とのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする、請求項12または13に記載のESDデバイス。
【請求項15】
前記マトリクスが、ポリウレタン、塩化ポリビニル、ポリオレフィン、ならびに塩化ビニルのコポリマーおよびオレフィンのコポリマーのうちの1つまたは複数を含む熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項12または13に記載のESDデバイス。
【請求項16】
前記導電層または散逸層が、0.1から5mm、好ましくは3mmよりも薄い厚さを有することを特徴とする、請求項12または13に記載のESDデバイス。
【請求項17】
ESDに敏感な電子機器のパッケージング用の導電性膜であることを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。
【請求項18】
ESDガスケットであることを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。
【請求項19】
厚さ最大50cmまで、好ましくは5cm厚よりも薄く、10m幅よりも狭いシートであることを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。
【請求項20】
厚さ最大3cmまで、好ましくは2cm厚よりも薄く、10m幅よりも狭いシートであることを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。
【請求項21】
電池またはキャパシタに使用するための膜であることを特徴とする、請求項12に記載のESDデバイス。

【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−531026(P2012−531026A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517432(P2012−517432)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/NO2010/000241
【国際公開番号】WO2010/151141
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511310627)
【Fターム(参考)】