説明

静電気散逸性能が高められた透明ポリウレタン保護コーティング、フィルム及び積層体組成物並びにその製造方法

【課題】機体に結合される導電物質層の縁へと電荷を放出することを可能にする、航空機透明材上に静電荷が蓄積しない透明ポリウレタン保護コーティングされたフィルム及び積層体組成物を提供する。
【解決手段】第一の透明なポリウレタン層12、第一の透明なポリウレタン層の上に配置される中間の導電性物質層14、及び導電層の上に配置される第二の透明なポリウレタン層16を含む透明なポリウレタン積層体又は多層コーティング、ならびに、透明な基体18の上に該透明なポリウレタン積層体を形成する方法及び自立構造の積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、透明なポリウレタン組成物に関し、そのような組成物を組み込んだコーティングされ、積層された航空機の透明材に関する。より詳しくは、本発明は、静電気防止及び静電気散逸性能を有するそのような組成物、コーティングされた透明材、及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の軍用航空機に使用される透明材は、多くの場合、外表面に位置する保護用の耐腐食性コーティング又はフィルムを必要とする。そのような保護用外層は、壊れやすい基層の金やインジウムスズ酸化物(ITO)等の金属又はセラミックの導電コーティングが損傷を受けるのを防ぎ、また、環境耐久性に限界があるポリカーボネート等のプラスチック表面を保護するのに必要である。透明なポリウレタンコーティング及びフィルムをこのように適用することが好ましいのは、その優れた耐腐食性、優れた透明性、そして良好な環境耐久性のためである。
【0003】
航空機、特に高性能の航空機の透明材の外表面は、静電的帯電にさらされる。この帯電は、飛行中の氷晶及び他の粒子との接触に起因し、結果として、摩擦電気の(triboelectric)又は摩擦の効果によって、電荷が当該表面に移動する。この現象は、産業界で、降水帯電(precipitation charging)又はp−静電気帯電(p-static charging)と呼ばれている。
【0004】
非導電性の(誘電性の)外表面のp−静電気帯電により、航空機の性能、透明材の寿命及び安全性に影響を及ぼすいくつかの深刻な問題が生じる。飛行中の放電の結果、外側のコーティング層が、誘電破壊により損傷し、又は、機器が電子妨害を受けうる。そのような電荷蓄積は、航空機乗務員及び地上要員に対して感電の危険をも生じる。
【0005】
帯電に起因するこれらの問題を回避するために、航空機の透明材の外層は、表面を横切って機体へと、又は、層の厚みを通して基層の導電性の金属若しくは金属酸化物層へと、電荷を放出することができるように十分に導電性でなければならない。ポリウレタン及び他の有機ポリマーは、一般的に、電気の不良導体(poor conductor)である。したがって、これらのポリマーは、静電気散逸性能(static dissipative property)が要求される適用に際して、改良せずには満足に使用することができない。
【0006】
過去、電気伝導性(electrical conductivity)を増大させるようにポリウレタンを変性し、それにより静電荷の蓄積(bulidup)を散逸させるいくつかの方法が用いられてきた。ある方法においては、導電性の繊維又は粒子をポリウレタン基質(matrix)に混合する。しかしながら、この方法は、導電性の充填材が不透明で、変性した材料の光透過率を大きく減少させるため、透明なポリウレタンとともに使用するのには適していない。最も高い耐腐食性に必要な相対的に厚い層、>0.002インチ(>50μ)である層を用いて、そのような添加剤を要求されるレベルにまで混合すると、光透過率は劇的に減少する。
【0007】
電気伝導度を増大させるためにポリウレタンを変性する別の方法においては、ポリアニリンやポリチオフェン塩等の導電性ポリマーをポリウレタン基質に混合する。しかしながら、この方法も、導電性ポリマー添加剤が、透明性を減少させる分散層を形成するため、透明なポリウレタンとともに使用するのには適していない。また、ポリアニリンやポリチオフェン及び他の導電性ポリマーは、良好な環境安定性を有しておらず、一般的に、全体の耐候性及び耐環境劣化性の減少の原因となる。
【0008】
電気伝導度を増大させるためにポリウレタンを変性するまた別の方法においては、アミンや第四級アンモニウム塩等の親水性の添加剤が、ポリウレタンの表面導電度を増大させるのに用いられる。これらの添加剤は、ポリウレタンの表面に移動し、水を引きつけ、導電性のフィルムを生じることにより機能する。しかしながら、この方法は、添加剤が下の基質と接するポリウレタンの表面にも移動し、接着性の損失を生じるため、ポリウレタンコーティングや積層体には適していない。また、そのような添加剤は、通常の使用条件下でポリウレタンから浸出するため、時間とともに有効性を失いうる。
【0009】
一般的に、非イオン性の添加剤及びポリオール変性剤は、高いレベルで用いた場合のみ、電気伝導度を著しく高めるが、透明性や機械的強度等の他の重要な性能に悪影響を与えうることが見いだされてきた。第四級アンモニウム塩やイオン化可能な金属塩を含むイオン性の添加剤は、一般的に、電気伝導度を高めるのにより有効である。この種類のうち最も有効な公知の添加剤は、イオン化可能なパーフルオロアルキルスルホン酸金属塩である。しかしながら、これらのイオン性の添加剤で、コーティング又は積層体に用いられる透明なポリウレタンに用いるのに十分に満足できると考えられているものは全くない。それらは、一時的(fugitive)であり、時間とともに透明性の喪失及び接着性の喪失を生じうるからである。
【0010】
ポリウレタンの電気伝導度を増大させるためのこれら公知の添加剤のいずれも、透明なポリウレタンに用いる、特に、航空機の窓用のコーティング又は積層体として用いるのに十分に満足であるとは考えられていない。
【0011】
最近、分散した塩と対比して向上した性能を示す、より一時的でない添加剤又は変性剤を含むシステムが開発された。そのようなシステムは、米国特許第6,458,875号明細書(Sandlin et al.)に記載されている。米国特許第6,458,875号明細書に記載されているものを超えてさらに性能が向上したものは、ポリウレタンポリオール主鎖に組み込まれたイオン性の官能基を用いて、真に非一時的なイオン性システムを生み出すことによって証明された。こうした変性は、現在の技術水準である。
【0012】
厚いポリウレタンコーティング及びフィルムの導電度を高めるために用いられるすべての先行技術の変性方法は、導電度は温度に強く依存するという1つの限定に悩まされる。温度が減少すると、導電度及び蓄積した表面電荷の散逸性能は、一桁分落ちる。通常高い高度で運転される航空機は、透明材の表面温度が−40°F以下であるため、静電放電能(electrostatic discharge capability)は、低い温度において維持されなければならない。現在のシステムは、この要求については限界である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
他の性能能力を損なうことなく、全ての運転温度で高いp−静電気帯電を散逸する能力を維持する保護用の厚いポリウレタンコーティングに対する要求があるということは容易に認識できる。本発明は、この要求を満たし、さらに関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第一の透明なポリウレタン層、第一の透明なポリウレタン層の上に配置される中間の導電物質層、及び、導電層の上に配置される第二の透明なポリウレタン層を含む透明なポリウレタン積層体又は多層コーティングに具現化される。ある態様において、表題の発明は、第二の透明なポリウレタン層を通じて導電物質層へと、それから機体に結合される導電物質層の縁(edge)へと電荷を放出する(drain)ことを可能にすることにより、航空機透明材上に静電荷(static charge)が蓄積するという問題に対処する。本明細書における用語「積層体(laminate)」は、多層コーティング及びフィルムを含む、1以上の物質を重ねた層を結合して一体にすることにより作られるあらゆる製品を含む。
【0015】
ある態様において、第一のポリウレタン層は、保護されるべき表面又は物体に付着する内側の層である。第二のポリウレタン層は、環境と相互に作用する外側の層である。導電層は、内側と外側のポリウレタン層の間に位置する。
【0016】
別の態様において、中間の導電物質層は、外側のポリウレタン層が多孔質網状構造(porous network)を介して内側のポリウレタン層と相互に作用し、結合することを可能とする網目(mesh)又は多孔質網状構造として形成される。内側及び外側のポリウレタン層の相互作用により、透明なポリウレタン積層体が、耐摩耗性及び耐腐食性について、実質的に単一の薄いポリウレタン層のように作用することが可能となる。
【0017】
さらなる態様において、透明なポリウレタン層は、少なくとも0.002インチの厚みであり、第二の透明なポリウレタン層は、約0.0002インチ〜約0.0006インチの厚みである。
【0018】
特定の態様において、導電層は、ケイ酸エステルの結合剤(silicate binder)で硬化されたナノ粒子分散体を含む。当該ナノ粒子分散体は、コロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体であってよく、より具体的には、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体であってよい。第一の透明なポリウレタン層及び第二の透明なポリウレタン層は、ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカプロラクトントリオールから形成される脂肪族ポリエステルウレタンを含んでよい。
【0019】
本発明は、透明な基体の上に透明なポリウレタン積層体又は多層コーティングを形成する方法にも具現化される。当該方法は、透明な基体の上に第一の透明なポリウレタン層を形成する工程、第一の透明なポリウレタン層の上に多孔質網状構造としての導電物質層を形成する工程、導電物質層の上に第二の透明なポリウレタン層を形成する工程、及び、多孔質網状構造を介して、第一の透明なポリウレタン層を第二の透明なポリウレタン層に結合する工程を含む。
【0020】
ある態様において、第一の透明なポリウレタン層を形成する工程は、約70パーセント固体含量の脂肪族ポリエステルウレタン前駆体溶液を透明な基体に塗布し、続いて、溶媒を蒸発させて、前駆体を熱硬化させることを含む。「70パーセント固体含量(70-percent-solids-content)」は、溶液が70パーセントの溶解した成分(この場合、ポリエステルウレタン前駆体)及び30パーセントの溶媒を有することを意味する。第二の透明なポリウレタン層を形成する工程は、約45パーセント固体含量の脂肪族ポリエステルウレタン前駆体溶液を導電層に塗布し、続いて、溶媒を蒸発させて、前駆体を熱硬化させることを含む。「45パーセント固体含量(45-percent-solids-content)」は、溶液が45パーセントの溶解した成分(この場合、ポリエステルウレタン前駆体)及び55パーセントの溶媒を有することを意味する。第二の透明なポリウレタン層は、約0.0002インチ〜約0.0006インチの厚みになるように形成してよい。固体含量は、所望の層厚みとなるように調整してよく、使用される特定のポリウレタンの性質に依る。
【0021】
別の態様において、導電層を形成する工程は、第一の透明なポリウレタン層をナノ粒子分散体でコーティングすることを含む。当該ナノ粒子分散体は、ケイ酸エステルの結合剤で硬化させてよい。当該ナノ粒子分散体は、コロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体であってよく、より具体的には、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体であってよい。ナノ粒子−プラス−ケイ酸エステルコーティングは、好ましくは、表面抵抗が108オーム/スクエア以下である。
【0022】
さらなる実施形態において、導電層を形成する工程は、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体を含有する約5パーセント固体のコーティング溶液を第一の透明なポリウレタン層に塗布し、コロイド状のナノ粒子コーティングを生成することを含む。約0.1パーセント固体含量のケイ酸エステルコーティング溶液は、コロイド状のナノ粒子コーティングの上に塗布してよい。
【0023】
本発明は、さらに自立構造(free-standing)の積層体を形成する方法に具現化される。当該方法は、透明なポリウレタンシートの上に多孔質網状構造としての導電層を形成する工程、導電層の上に透明なポリウレタンの薄層を形成する工程、及び、多孔質網状構造を介して、透明なポリウレタンシートにポリウレタンの薄層を結合する工程を含む。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、実施例として本発明の本質を説明する添付図面と併せて、以下の好ましい実施形態の記載から明らかとなるべきである。
【0025】
本発明の実施形態を、以下の図面を参照して、実施例のみとして、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による透明なポリウレタン積層体の断面図である。図1は縮小していない。
【図2】本発明の実施形態による3つの異なる厚みのポリウレタンに対して、温度とポリウレタンの体積抵抗率(volume resistivity)の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態による実施例7及び8のコーティングに対して、温度とポリウレタンの体積抵抗率の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の実施形態による透明なポリウレタン積層体又は多層コーティング10の断面図を示す。透明なポリウレタン積層体又は多層コーティングは、内側のポリウレタン層12、中間の導電物質層14、及び、外側のポリウレタン層16を含む。当該積層体は、航空機の透明材18の上に配置することができる。
【0028】
ある実施形態において、積層体又は多層コーティング10は、航空機の透明材用の外側の保護用の耐腐食性外装として用いられる。積層体又は多層コーティングは、飛行中に通常遭遇する全ての運転温度でその外側表面20から静電荷を効率的に放出する。ポリウレタン積層体の全体の厚みTは、少なくとも0.002インチ(50μ)、好ましくは少なくとも0.003インチ(75μ)である。導電層14がp−静電気放出能を提供し、積層体の外側表面の0.0002インチ〜0.0006インチ(5μ〜15μ)下に位置する。
【0029】
内側の層12及び外側の層16に適したポリウレタンは、脂肪族ポリエーテル又はポリエステル型である。ある実施形態において、当該ポリウレタンは、脂肪族ジイソシアネート若しくはポリイソシアネート並びにポリカプロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオールから作られる熱硬化性のポリウレタンである。
【0030】
表面電荷は、放電事象を害するのを回避するのに十分な速度で、組み込まれた導電層14へとしたたり流れるため、ポリウレタンの導電性の改良は必要ではない。また、そのようなシステムの静電放電性能は、温度とは実質的に依存していないことが見いだされた。
【0031】
ある実施形態において、組み込まれた導電層14は、ケイ酸エステルの結合剤で硬化されたコロイド状のインジウムスズ酸化物(ITO)ナノ粒子分散体から作られた非常に薄いコーティングである。表面導電度は、108オーム/スクエア未満であり、キャノピー(canopy)表面を横切って電荷を放出するのに十分である。そのようなコーティングは、上記したポリウレタンに極めて適合し、内側の層12及び外側の層16が導電性のITO層14を介して結合することを可能とし、硬化した状態で多孔質網状構造を形成するものと思われる。このことにより、積層されたポリウレタン積層体は、耐摩耗性及び耐腐食性について、単一層のポリウレタンと同様の性質を有することが可能となる。
【0032】
より厚い内側のポリウレタン層12はコーティングとして適用してよく、又は、鋳造された若しくは押し出し成型されたポリウレタンフィルムであってよい。当該フィルムは、自立構造であってよく、又は、積層されてよく、又は、透明材18等のガラス若しくはプラスチックの基質に積層若しくは鋳造されてよい。当該基質は、適用に応じて、低抵抗導電コーティング層(示していない)としてもよい。
【0033】
ある実施形態において、静電気放電層14は、2つの部分のコーティングとして適用される。まず、コロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体(ITOが好ましい)を希釈溶液から塗布する。乾燥後、ケイ酸エステルコーティングを希釈溶液から金属酸化物の上に塗布する。当該システムは、ケイ酸エステルが硬化して導電性となる。ITOは、この工程の間に、開放型の導電性網状構造(open conductive network)を形成すると思われる。
【0034】
より薄い外側のポリウレタン層16をコーティングプロセスにより塗布する。ある実施形態において、当該外側の層は、化学組成において内側のポリウレタン層12と同一であるか、非常に類似している。表面のポリウレタン層は、中間の導電層14の金属酸化物網状構造を貫通し、より下のポリウレタン層で共に硬化し、結果として、単一層の機械的性能となると思われる。p−静電放電層14は、この硬化プロセスの間、導電性を維持する。
【0035】
導電性コーティング
以下、本発明の実施形態による導電中間層14のための導電コーティングを製造するための特定の組成物及び方法を記載する。この実施形態において、当該導電コーティングは、コロイド状のITOナノ粒子分散体及び0.1パーセントの固体ケイ酸エステルコーティング溶液を含有する5パーセント固体含量のコーティング溶液を含む。
【0036】
コロイド状のITOナノ粒子分散体を含有する5パーセント固体コーティング溶液は、表1に記載の成分を混合することにより調製してよい。
【表1】




【0037】
ケイ酸エステルの結合剤の原液(stock solution)は、表2に記載の成分を混合することにより調製してよい。
【表2】




【0038】
まず、無水エタノール45.7グラム、脱イオン水4.0グラム、及び濃硝酸0.8グラムを2分間混合する。2分間の混合後、オルトケイ酸テトラエチル5.6グラムを加える。その溶液を室温で一晩中攪拌する。それから、最後に、無水エタノール43.9グラムを加え、10分以上攪拌する。
【0039】
0.1パーセント固体ケイ酸エステルコーティング溶液は、表3に記載の成分を混合することにより調製してよい。
【表3】




【0040】
ポリカーボネート基質上の導電コーティングを調製するために、表1に記載した5パーセントITOコーティング溶液を、ほぼ垂直位置に向けた平坦なポリカーボネートシートの上に流し塗りしてよい。それから、コーティングされたシートを30分間空気乾燥する。それから、表3に記載した0.1パーセントケイ酸エステルコーティング溶液をITOコーティングの上に流し塗りし、30分間空気乾燥する。
【実施例】
【0041】
ポリウレタンコーティングの実施例
以下、上記した導電コーティングと組み合わせて用いてよいポリウレタンコーティングの11の実施例を記載する。
【0042】
実施例1〜3
実施例1〜3において、米国特許第6,458,875号明細書(Sandlin et al.)の実施例15(Example 15)に記載されたように、3つのポリウレタン保護コーティングを調製した。コーティング、積層、鋳造に適した透明な脂肪族ポリエステルウレタン混合物を、下記表4に記載の組成から調製した。
【表4】




【0043】
特定のポリエステルウレタン混合物の均一溶液を調製した後、100°Fの溶液温度で、30 ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒及び静電気防止添加剤を加えた。当該静電気防止添加剤は、3Mから入手可能な、1.0重量パーセントのリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドFluorad HQ115であった。
【0044】
3つの実施例のコーティングを調製し、ジイソブチルケトンを用いて表5に示す固体含量に希釈した。
【表5】




【0045】
実施例1〜3のポリウレタンコーティングのそれぞれを、表1〜3で調製した導電性コーティングの上の別々のポリカーボネートパネルに塗布した。コーティングしたパネルを、120°Fの温度で12時間、続いて、180°Fの温度で24時間曝すことにより硬化させた。表1〜3で調製し、ポリウレタンコーティングを有さない「対照(control)」の例も同じ条件下で硬化させた。
【0046】
ポリウレタンの表面コーティングを有さないパネルは、硬化後、シート抵抗(sheet resistance)が105オーム/スクエアであった。表面をコーティングした3つのパネル上のポリウレタンのコーティング厚みは、測定したところ以下のようであった。
【表6】




【0047】
表面電荷を放出する能力は、ASTM(米国材料試験協会)D−257に記載された装置及び一般的手順を用いて、米国特許第6,458,875号明細書に記載された方法により、温度の関数としてポリウレタンでコーティングした3つのパネルについて測定した。それぞれの温度で測定された電圧及び電流から計算した体積抵抗率を図2に示す。
【0048】
実施例1は、+70°Fと−40°Fの間で3桁分抵抗率が変化し、先行技術のシステムと同様の温度依存性を示す。この抵抗率の大きい変化は、温度が低くなると分子運動性(molecular mobility)が減少することに起因すると思われる。実施例2及び3は、そのような温度依存性は全く示さない。図2は、より薄いコーティングほど、分子運動性を必要としない異なるメカニズムにより表面電荷が散逸することができることを示す。
【0049】
実施例4
実施例4においては、下記表7に記載した成分からポリウレタンコーティングを調製した。
【表7】




【0050】
実施例4のコーティング溶液は、表7の組成にジプロピレングリコールジメチルエーテルを加えることにより調製し、90パーセント固体の溶液を得た。表1〜3で調製した導電コーティングしたポリカーボネートパネルの上にコーティングを塗布した。ポリウレタンコーティングを、120°Fの温度で12時間、続いて250°Fの温度で18時間、硬化させた。ポリウレタンコーティングの厚みは、0.003インチ(75μ)であった。
【0051】
実施例5
実施例5は、2つのコーティング溶液、内側のコーティング溶液と外側のコーティング溶液を含む。それぞれのコーティング溶液は、実施例4と同じポリウレタン組成を有する。溶媒及び最終的な固体含量を表8に示した。
【表8】




【0052】
内側のコーティングを、導電コーティングを有しないポリカーボネートシート上に直接流し塗りした。当該コーティングを、120°Fの温度で12時間、続いて250°Fの温度で18時間、硬化させた。当該コーティングの厚みは、0.0025インチ(63μ)であった。
【0053】
それから、表8の外側コーティングをITO/ケイ酸エステルコーティングの上に塗布し、250°Fの温度で18時間、硬化させた。外側コーティングの厚みは、0.0005インチ(13μ)であった。
【0054】
それから、実施例4及び実施例5のコーティングシステムに対して、上記したように、表面電荷を放出する能力を測定した。実施例4及び5で用いられたポリウレタンは、電荷放出能力を高める導電性又はイオン性の添加剤を全く含んでいないことに留意されたい。結果を表9に示す。
【0055】
【表9】




【0056】
温度55°F、電圧10,000ボルトで、実施例4のシステムは、測定可能な電流を全く生じず、1014 オーム-cmよりも大きい体積抵抗率を得た。実施例5についての測定は、華氏10度刻みで、55°F〜−55°Fまで行った。電圧4,500ボルトで、実施例5のシステムは、全ての温度範囲で、3.0μAの電流、108.0μA/平方フィートの電荷密度(charge density)、及び2×1012オーム-cmの体積抵抗率を生じた。実施例5について、コーティングシステムの貫層方向の接着力は、1350 psiと測定されたことから、導電性ITO層を介した2つのポリウレタンコーティング層の間で優れた結合が達成されることを示す。
【0057】
これらの結果により、実施例4、高い耐腐食性に対して必要とされる厚みを有する変性していないポリウレタンコーティングは、コーティングを介したその下に位置する導電層への電荷の放出が全く測定できない良好な誘電性を有することが示される。2つの変性していないポリウレタンコーティングを有し、実施例4と同じ全体厚みである実施例5は、温度に全く依存しない優れた電荷散逸能力を示す。電荷電流密度(charge current density)108μA/平方フィートは、最も悪い場合の条件下で航空機の透明材に観察されるレベルの約3倍である。外側のポリウレタン層は、組み込まれた導電層を適切に保護するのに十分に厚く、ベースのポリウレタン層と強力な結合を形成し、単一層厚みのコーティングに匹敵する良好な耐腐食性能及び耐摩耗性能が得られる。
【0058】
実施例6
無溶媒であることを除き、実施例4の組成を用いて、厚み0.040インチのシートを鋳造した。そのシートを、周囲にスペーサーシール(spacer seal)を用いて、離型剤(release agent)で処理したガラス板の間で鋳造した。そのシートを200°Fで16時間硬化させた。
【0059】
表1〜3で調製したITO/ケイ酸エステルコーティングをそのポリウレタンシートの片面に塗布し、200°Fで1時間硬化させた。それから、実施例5(表8)の外側のコーティングをITO/ケイ酸エステル層の上に塗布し、200°Fで16時間硬化させた。それから、コーティングしたシートの静電気放出(electrostatic drain)性能を測定し、周囲温度(ambient temperature)及び−40°Fにおいて、実施例5のシステムに匹敵することがわかった。計算した体積抵抗率は、1.4×1012オーム-cmであった。
【0060】
実施例7
表面のポリウレタン層を下記の表10に列挙した組成から作ったことを除き、ポリシロキサン基礎コーティング、スパッタした金属積層(sputtered metallic stack)、及び、米国特許第6,458,875号明細書(Sandlin et al.)の実施例1及び30に記載された2層のポリウレタン保護コーティングシステムで、延伸したアクリル試料をコーティングした。表10のスルホン化ポリウレタンは、イソオシアネート及び他の成分を混合する前に190°F〜210°Fで48時間混合することにより、ポリオールと混合した。酢酸2−ブトキシエチル溶媒中90パーセントの固体溶液で表面層を流し塗りした。硬化した表面コーティング厚みは、約0.004〜0.005インチ(約100〜125μ)であった。
【0061】
【表10】




【0062】
実施例8
実施例7のシステムの外側表面を、50/50水/イソプロパノール混合物中のセリウム(cerium)酸化物スラリー及び羊毛フェルト(wool felt)を用いて、清浄し、磨いた。乾燥後、表1の5%ITOコーティング溶液を当該表面上に流し塗りし、30分間空気乾燥した。表3の0.1%ケイ酸エステルコーティング溶液をITOコーティングの上に流し塗りし、30分間空気乾燥した。それから、試料を空気オーブン(air oven)中で180°Fで1時間加熱した。表面導電率を測定すると、2×107オーム/スクエアであった。
【0063】
それから、酢酸2−ブトキシエチル溶媒中の固体含量を45%とした以外は実施例7の表面コーティングと同じ組成を用いて、表面にポリウレタン層を塗布した。表面層は、130°Fで12時間、続いて180°Fで16時間硬化させた。
【0064】
それから、ASTM D−257に記載された装置及び一般的手順を用いて、米国特許第6,458,875号明細書(Sandlin et al.)に記載された方法により、実施例7及び8のp−静電気帯電を散逸する性能を測定した。結果を表11及び図3に示す。
【0065】
【表11】




【0066】
実施例9
14インチ×14インチのガラス板をパーフルオロアルキルシラン離型コーティング(release coating)(SurfexTM100、ジーケーエヌ・エアロスペース(GKN Aerospace))で処理した。当該ガラス板を200°Fで2時間、オーブン中に置き、離型コーティングを硬化させた。それから、過剰の離型コーティングをチーズクロス(cheesecloth)で処理表面をバフ研磨することにより除去した。それから、実施例5(表8)の外側のコーティングを、流し塗りプロセスにより、ほぼ垂直位置に向けた処理ガラス板に塗布した。空気乾燥後、ポリウレタンを250°Fで18時間、硬化させた。
【0067】
表1〜3で調製した導電性ITO/ケイ酸エステルコーティングを、ポリウレタンコーティングの上に塗布した。当該コーティングを、250°Fで1時間、硬化させた。
【0068】
それから、硬化したコーティングを有する14インチ×14インチのガラス板を同じサイズの0.250インチ厚みのポリカーボネートシートと結合することにより、鋳造セル(casting cell)へと仕上げた。幅1.0インチ、厚み0.050インチのシリコンゴムシートのスペーサー/シールをガラス板とポリカーボネート板の間の周囲の縁周りに配置し、厚み約0.050インチの空隙を作った。当該板同士を、ばねクランプを用いて結びつけた。
【0069】
溶媒を全く加えないことを除き、実施例4に記載したようにポリウレタン混合物を調製した。真空下、100°Fで全ての成分を混合した後、水平面から20度傾斜して設置した鋳造セルの上方角から当該空隙に液体混合物を流し込んだ。反対側の上方角の第二の空隙を通して空気を逃すことができるようにした。130グラムの液体ポリウレタン前駆体をセルに流し込んだ後、ほぼ水平に下げ、残っている空気を逃すことができるようにした。それから、両方の空隙をスペーサー物質(spacer material)で密封し、固定して閉じたセルを作った。それから、鋳造ポリウレタンを120°Fで12時間、続いて、250°Fで18時間、硬化させた。
【0070】
冷却後、セルを分離した。ガラス板をポリウレタン表面から離型し、結合された熱硬化性の2層ポリウレタンライナー(liner)を有し、外側表面の下に約0.005インチ(13μ)で組み込まれた導電層を有するポリウレタンシートを得た。静電気放出性能を測定したところ、実施例5のシステムに匹敵するものであった。
【0071】
実施例10
ポリカーボネートシートの代わりに第二の離型処理ガラス板を用いた以外は、実施例9を繰り返した。鋳造ポリウレタンの硬化後、両方のガラス板をポリウレタンから離型し、片側の表面の下に約0.005インチ(13μ)で組み込まれた導電層を有する自立構造の0.050インチの2層熱硬化性ポリウレタンシートを得た。
【0072】
実施例11
実施例9で記載した熱硬化性ポリウレタン及び導電性ITO/ケイ酸エステル層で、処理したガラス板をコーティングした。厚み0.050インチの透明な熱可塑性ポリウレタンシート(PE-192、ハンツマン(Huntsman))をポリウレタン表面上に置いた。第二の離型処理したガラス板を当該熱可塑性ポリウレタンシートの上に置いた。このシートの積層体を常法により真空バッグ(vacuum bag)へと組み込み、真空下で4時間空気を抜き、圧力100 psiでオートクレーブ内で積層した。
【0073】
オートクレーブ温度は、4時間かけて周囲温度から250°Fへと徐々に上げ、250°Fで2時間保持し、2時間かけて120°Fに徐々に下げた。これらは全て圧力100 psiで行った。圧力を開放し、オートクレーブから取り除いた後、ガラス板を両方のポリウレタン表面から分離し、外側の熱硬化性表面の下0.005インチ(13μ)に組み込んだ導電層を有する2層の熱可塑性/熱硬化性のポリウレタンシートを得た。この2層のシートは、常法により、アクリル、ガラス、ポリカーボネート又は他の材料と積層することができる。
【0074】
本発明を好ましい実施形態についてのみ開示したが、当然のことながら、本発明から逸脱することなく様々な変更できることを当業者は認識するであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲にのみによって定義される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の透明なポリウレタン層;
前記第一の透明なポリウレタン層の上に配置される導電層;及び
前記導電層の上に配置される第二の透明なポリウレタン層を含む積層体であって、
前記導電層は、多孔質網状構造として形成されており、
前記第一の透明なポリウレタン層は、前記多孔質網状構造を介して前記第二の透明なポリウレタン層と結合していることを特徴とする、積層体。
【請求項2】
導電層が、ナノ粒子分散体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
ナノ粒子分散体が、ケイ酸エステルの結合剤で硬化されていることを特徴とする、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
ナノ粒子分散体が、コロイド状の金属ナノ粒子分散体であることを特徴とする、請求項2に記載の積層体。
【請求項5】
ナノ粒子分散体が、コロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体であることを特徴とする、請求項2に記載の積層体。
【請求項6】
コロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体が、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体であることを特徴とする、請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
第二の透明なポリウレタン層が、脂肪族ポリエステルウレタンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
【請求項8】
脂肪族ポリエステルウレタンが、ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカプロラクトントリオールから形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
第二の透明なポリウレタン層が、約0.0002インチ〜約0.0006インチの厚みであることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
【請求項10】
透明な基体の上に第一の透明なポリウレタン層を形成する;
前記第一の透明なポリウレタン層の上に多孔質網状構造としての導電層を形成する;
前記導電層の上に第二の透明なポリウレタン層を形成する;及び
前記多孔質網状構造を介して、前記第一の透明なポリウレタン層を前記第二の透明なポリウレタン層に結合する
工程を含むことを特徴とする、透明な基体の上に積層体を形成する方法。
【請求項11】
第一の透明なポリウレタン層を形成する工程が、
約70パーセント固体含量の脂肪族ポリエステルウレタン前駆体溶液を透明な基体に塗布すること、
溶媒を蒸発させること、及び
前記前駆体を硬化させること
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
導電層を形成する工程が、第一の透明なポリウレタン層をナノ粒子分散体でコーティングすることを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
導電層を形成する工程が、ナノ粒子分散体をケイ酸エステルの結合剤で硬化させることをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第一の透明なポリウレタン層をナノ粒子分散体でコーティングする工程が、第一の透明なポリウレタン層をコロイド状の金属ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第一の透明なポリウレタン層をナノ粒子分散体でコーティングする工程が、第一の透明なポリウレタン層をコロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
第一の透明なポリウレタン層をコロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程が、第一の透明なポリウレタン層をコロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
導電層を形成する工程が、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体を含有する約5パーセント固体のコーティング溶液を第一の透明なポリウレタン層に塗布し、コロイド状のナノ粒子コーティングを生成することを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
導電層を形成する工程が、約0.1パーセント固体のケイ酸エステルコーティング溶液をコロイド状のナノ粒子コーティングの上に塗布することをさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第二の透明なポリウレタン層が、脂肪族ポリエステルウレタンを含むことを特徴とする、
請求項10に記載の方法。
【請求項20】
脂肪族ポリエステルウレタンが、ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカプロラクトントリオールから形成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第二の透明なポリウレタン層を形成する工程が、
約45パーセント固体含量の脂肪族ポリエステルウレタン前駆体溶液を導電層に塗布すること、
溶媒を蒸発させること、及び
前記前駆体を硬化させること
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
第二の透明なポリウレタン層を形成する工程が、第二の透明なポリウレタン層が約0.0002インチ〜約0.0006インチの厚みになるように形成することを含むことを特徴とする、
請求項10に記載の方法。
【請求項23】
透明なポリウレタンシートの上に多孔質網状構造としての導電層を形成する;
前記導電層の上に透明なポリウレタンの薄層を形成する;及び
前記多孔質網状構造を介して、前記透明なポリウレタンシートに前記ポリウレタンの薄層を結合する
工程を含むことを特徴とする、自立構造の積層体を形成する方法。
【請求項24】
導電層を形成する工程が、透明なポリウレタンシートをナノ粒子分散体でコーティングすることを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
導電層を形成する工程が、ナノ粒子分散体をケイ酸エステルの結合剤で硬化させることをさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
透明なポリウレタン層シートをナノ粒子分散体でコーティングする工程が、第一の透明なポリウレタンシートをコロイド状の金属ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
透明なポリウレタンシートをナノ粒子分散体でコーティングする工程が、透明なポリウレタンシートをコロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
透明なポリウレタンシートをコロイド状の金属酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程が、透明なポリウレタンシートをコロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体でコーティングする工程を含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
導電層を形成する工程が、コロイド状のインジウムスズ酸化物ナノ粒子分散体を含有する約5パーセント固体のコーティング溶液を透明なポリウレタンシートに塗布し、コロイド状のナノ粒子コーティングを生成することを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
導電層を形成する工程が、約0.1パーセント固体のケイ酸エステルコーティング溶液をコロイド状のナノ粒子コーティングの上に塗布することをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
透明なポリウレタンの薄層が、脂肪族ポリエステルウレタンを含むことを特徴とする、
請求項23に記載の方法。
【請求項32】
脂肪族ポリエステルウレタンが、ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカプロラクトントリオールから形成されることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
透明なポリウレタンの薄層を形成する工程が、
溶媒を含有する約45パーセント固体含量の脂肪族ポリエステルウレタン前駆体溶液を導電層に塗布すること、
前記溶媒を蒸発させること、及び
前記前駆体を硬化させること
を含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
透明なポリウレタンの薄層を形成する工程が、透明なポリウレタンの薄層が約0.0002インチ〜約0.0006インチの厚みになるように形成することを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−40870(P2012−40870A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−159848(P2011−159848)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511177570)ジーケイエヌ エアロスペース トランスパランシー システムズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】