説明

静電荷像現像用フルカラートナーキット、現像剤、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】フルカラーの電子写真画像の形成において、色の濁りがないことは勿論、環境(温湿度)が変化しても帯電量の変化が少なく、しかも画像濃度の安定性が高く、地汚れの発生しない、安定した画像を形成できるフルカラートナーからなるトナーキットを提供すること。
【解決手段】少なくとも着色剤としてカーボンブラックを含有する黒色トナーと併用されるカラートナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーキットであって、前記黒色トナーは体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.0×1011Ωcmであり、前記各カラートナーは、粉体電気抵抗(体積固有抵抗)が50Ωcm以下の導電性無機化合物を含有し、体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.2×1011Ωcmであること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真や静電記録などにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕像化する静電荷像現像用トナーからなるフルカラートナーキット並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターや複写機等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、画質、耐久性および高速対応性の観点から、トナーおよびキャリアを含有する二成分現像剤が好適に用いられている。このような二成分現像方式としては、十分な画像濃度を確保し、細線再現性を高めるために感光体に現像剤の磁気ブラシを接触させ、現像する方法が用いられている。
【0003】
一方、近年の電子写真業界においては、フルカラー化、システム化、デジタル化が進むとともに、出力画像の高画質化、高速化、高安定化の要求が高まっており、複写機、各種プリンターの軽印刷市場への進出が期待されている。複写機や各種プリンターで一般的に用いられている電子写真方式で、印刷市場に割って入っていくためには、長期間、高速プロセス出力時においても、高画質化、高安定化が求められている。
【0004】
さて、カーボンブラックや磁性粉末等を含有しないカラートナーは、トナーの抵抗が、黒色トナーに比べ高いため、トナー間の電荷交換性が劣り、トナーアドミックス性が悪く、地汚れが発生したり、低温低湿環境下で帯電量が増加し、画像濃度の低下が生じ、高画質化、高安定化という目的を達成することができない。
【0005】
これらの課題に対して特許文献1および2においては、導電性無機粉末を外添することにより、帯電量の変化を抑制する方法が提案されている。また、特許文献3では、導電性無機微粉末及びシリカを外添または内添することにより、帯電量の変化を抑制する方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、上述のカラートナーに導電性無機粉末を外添することによりトナーの抵抗を下げる方法では、流動性の悪化が、また、粉体電気抵抗値が、102〜1012 Ωcmの導電性無機微粉末を内添する場合は、添加量に対する抵抗低下量が小さく、カラートナーの色を濁らせることが問題となっていた。
【0007】
【特許文献1】特許第2754600号公報
【特許文献2】特開平11−288128号公報
【特許文献3】特許第3761772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、フルカラーの電子写真画像の作成において、色の濁りがないことは勿論、環境(温湿度)が変化しても帯電量の変化が少なく、しかも画像濃度の安定性が高く、地汚れの発生しない、安定した画像を形成できるフルカラートナーからなるトナーキット並びにそのトナーを用いた現像剤、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも着色剤としてカーボンブラックを含有する黒色トナーと併用されるカラートナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーキットであって、前記黒色トナーは体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.0×1011 Ωcmであり、前記各カラートナーは、粉体電気抵抗(体積固有抵抗)が50 Ωcm以下の導電性無機化合物を含有し、体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.2×1011 Ωcmであることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキットにおいて、前記カラートナーに含有される導電性無機化合物がアルミナ系化合物であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキットにおいて、前記カラートナーに含有される導電性無機化合物が酸化スズ系化合物であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキットにおいて、前記カラートナーに含有される導電性無機化合物がシリカ系化合物であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用フルカラートナーキットにおいて、トナーの体積平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の静電荷像現像用フルカラートナーキットにおいて、トナーの平均円形度が0.900〜0.980であることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアを含む二成分系現像剤であることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、少なくとも静電荷像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、接触転写手段と、加熱定着手段と、クリーニング手段と、除電手段とを有し、前記現像手段が請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーを使用する画像形成装置であることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記帯電手段が前記静電荷像担持体に帯電部材を接触させ、該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なう帯電装置であることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成装置において、前記静電荷像担持体がアモルファスシリコン感光体からなることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置であることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記静電荷像担持体上の静電荷像を現像する時に、交互電界を印加することを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、静電荷像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段はトナーを保持し、該トナーは少なくとも請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーであるプロセスカートリッジであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、環境(温湿度)が変化してもトナーの帯電量の変化が少なく、しかも画像濃度の安定性が高く、地肌汚れの発生しない、安定した画像を形成できるフルカラートナーからなるトナーキットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも着色剤としてカーボンブラックを含有する黒色トナーと併用されるカラートナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーキットであって、前記黒色トナーは体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.0×1011Ωcmであり、前記各カラートナーは、粉体電気抵抗(体積固有抵抗)が50 Ωcm以下の導電性無機化合物を含有し、体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.2×1011 Ωcmであることにより、環境(温湿度)が変化しても、トナーの帯電量の変化が少なく、画像濃度の低下および地肌汚れの少ない、安定した画像が得られる静電荷像現像用フルカラートナーからなるトナーキットを得たものである。
【0024】
上述のように、本発明における黒色トナーは、少なくとも着色剤としてカーボンブラックを含有し、体積固有抵抗が5.0×1010〜3.0×1011Ωcmの範囲を有するものである。黒色トナーの体積固有抵抗が5.0×1010Ωcm未満では、記録部材への転写性が低下し、また、3.0×1011Ωcmを超えては、転写チリが発生しやすくなり、好ましくない。
【0025】
これに対して、かかる黒色トナーと併用されるカラートナーは、トナー中に粉体電気抵抗(体積固有抵抗)が50Ωcm以下の導電性無機化合物を含有し、体積固有抵抗が5.0×1010 〜3.2×1011Ωcmの範囲内にコントロールされていることが好ましい。カラートナーの体積固有抵抗が5.0×1010Ωcm未満では、記録部材への転写性が低下し、一方、体積固有抵抗が3.2×1011Ωcmを超えた場合は、二次色の転写チリが発生しやすくなり好ましくない。また、カラートナーの電気抵抗を低下させるために用いられる導電性無機化合物の粉体電気抵抗は、体積固有抵抗が50Ωcm以下であることが好ましく、体積固有抵抗が50Ωcmより大きくては、添加量に対する抵抗低下が少ないため、カラートナーの色を濁らせることになり、好ましくない。
【0026】
ここで、トナーおよび導電性無機化合物の体積固有抵抗は、次のようにして測定した。
荷重30kgを印加し、試料厚1.0mmになるよう加圧整形したトナーをガード電極を有する直径φ18mmの円筒状の容器に入れる。該電極に安藤電気製TR−10C型交流ブリッジ型の抵抗測定装置をつなぎ周波数1KHzにおける抵抗値(Ω)を測定し、下記式(1)により体積固有抵抗を求めた。
【0027】
体積固有抵抗(Ωcm)=(抵抗値(Ω)×主電極面積(cm2))/ペレット厚み(cm)・・・(1)
【0028】
<導電性無機化合物>
本発明におけるカラートナーに含有される導電性無機化合物の例としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄といった金属やアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムといった酸化物、ポリアセチレン、有機電荷移動錯体、アニオン性またはカチオン性のイオン性高分子等の有機半導体または半導体があげられる。さらに、シリカや合成樹脂等の絶縁性物質粒子を、導電性物質によって蒸着、メッキ、被覆等の表面処理をしたものを使用することができる。
本発明においては、カラー画像形成適応性(色を濁らせない性質等)の観点から、アルミナ、酸化スズ、シリカ、酸化チタン系化合物が好ましい。
【0029】
<体積平均粒径>
本発明におけるトナー粒子の体積平均粒径(Dv)は、3〜9μmであることが好ましく、5〜8μmであることが更に好ましい。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生しやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。
【0030】
体積平均粒子径(Dv)の測定は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用いてアパーチャー径100μmで測定した体積平均粒子径(Dv)の値により自動的に測定される。具体的な測定法については後記する。
【0031】
<平均円形度>
本発明におけるトナー粒子の平均円形度は、0.900〜0.980であることが好ましく、平均円形度が0.900未満のように、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。0.980を超えるとブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、カラー写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
【0032】
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。具体的な測定法については後記する。
【0033】
以下に本発明におけるカラートナーを構成する材料およびカラートナーの作製方法について述べる。本発明におけるカラートナーは、少なくとも着色剤、結着樹脂、及び前述した導電性無機化合物を用いて形成され、これに必要に応じてさらに帯電制御剤、離型剤などが用いられてよい。また、これら材料によりトナー母体が形成されたのち、トナーの持つ帯電量、帯電性、環境における帯電量を制御するために、外添剤がトナー母体と混合されてよい。
【0034】
(結着樹脂)
本発明におけるカラートナーの結着樹脂としては、従来からトナーに使用されているもの全てが使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用される。
【0035】
(着色剤)
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、イエローの例としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミユウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラゲンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、マゼンタトナー用の例としては、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(E2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマリーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマリーンライト、ボンマリーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、シアントナー用の例としては、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサジンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアンエメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン及びそれらの混合物等が挙げられる。使用量は各色とも一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0036】
(帯電制御剤)
本発明におけるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂、添加剤の種類や量などトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.5〜3重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアや現像スリーブ等との静電的吸引力の増大によるスペントやフィルミングなどによって画像濃度の低下を招く。又、必要に応じて、複数の帯電制御剤を併用してもよい。また各色トナーの現像順によって添加量を変えても良い。
【0037】
(離型剤)
本発明におけるトナーは、必要に応じてワックスを含有してもよい。ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熱したときの融解ピーク値を融点とする。ワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0038】
(外添剤)
本発明に用いられる外添剤(流動化剤)としては、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸化物等の無機微粒子が用いられる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0039】
このような外添剤(流動化剤)は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する。例えば、アルキル基、フッ化アルキル基等を含むことのあるシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイル、高級脂肪酸、フッ素化合物などが好ましい表面処理剤として挙げられる。特に、カップリング剤の一例であるシランカップリング剤は、疎水化度、流動性の向上のために使用される。
【0040】
シランカップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等を使用することができ、さらに、アルコキシシランが好ましい。アルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0041】
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することができ、さらに、フッ素を含有するシロキサン等を用いてもよい。
【0042】
また、フッ素化合物としては、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物が好ましく、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0043】
さらに、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸をあげることができ、これら高級脂肪酸の金属塩を用いてもよい。具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等が挙げることができる。
【0044】
前記の外添剤(流動化剤)は、平均一次粒子径が0.005μm〜0.03μmであることが好ましい。またより好ましくは0.01μm〜0.02μmである。平均一次粒子径が0.005μmより小さいと外添剤とトナー母体粒子をミキサー等で混合処理を行う時、外添剤が舞ってミキサー壁面に付着してしまうなどしてトナー母体表面に十分付着させることができなく十分な流動性が得られない。一方、0.03μmより大きいと粒径の小さいものと同じだけの流動性やリークポイントを確保するためには処方量を多くする必要があるが、これはキャリアスペント等の不具合を生じる。
【0045】
一方、本発明における外添剤として、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤が用いられる。このような外添剤(クリーニング性向上剤)には、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0046】
<トナーの製造方法>
本発明におけるカラートナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および導電性無機化合物を含むトナー組成物を機械的混合工程と、溶融混練工程と、粉砕工程と、分級工程とを順次経て製造される。また本発明におけるカラートナーは上記機械的混合工程において、粉砕工程および/または分級工程で得られる所定外粒径成分をトナー組成物として再度機械的に混合しても良い。もちろん所定外粒径成分を加えないで製造しても良い。所定外粒径成分をトナー組成物として再度機械的に混合して製造する場合、所定外粒径成分の使用量は、所定外粒径成分を除くトナー組成物100重量部に対し、5〜40重量部の比率であることが好ましく、より好ましくは10〜35重量部である。所定外粒径成分は混練を2度繰り返すと比較的脆弱になるため、これを利用して粉砕性を向上させることができる。そのため5重量部より少ないとこの効果が弱くなってしまう。逆に40重量部より多いと保存性や耐久性に問題が出てくる。
【0047】
本発明におけるトナーの製造方法においては、結着樹脂、着色剤、導電性無機化合物および所定外粒径成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽根による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
【0048】
上記混合工程が終了した後、次いで混合物を混練機に仕込み溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続式混練機やロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖を切断しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、40℃〜65℃の範囲で溶融混練することが好ましい。溶融混練温度が40℃より低いと切断が激しく、65℃より高いと分散が進まない。
【0049】
上記溶融混練工程が終了した後、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転する回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。以上の粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、所定の粒径、例えば体積平均粒径が5〜12μmのトナー母体粒子を製造する。この際、体積平均粒径が5〜9μmで、更に4μm以下の粒径を有するトナー粒子が10個数%以下存在するような小粒径で、粒径分布がシャープなものが特に好ましい。なお、粉砕工程および/または分級工程で得られる所定外粒径成分は再利用分として混合工程に戻して使用する。
【0050】
以上の工程を経て得られるトナー母体粒子にさらに先に挙げた疎水性シリカや疎水性酸化チタン等の無機微粒子を添加混合する。外添剤のトナーにおける含有量は、0.1〜8.0重量%が好ましく、0.2〜3.0重量%がより好ましい。添加量が0.1重量%未満では流動性が不十分となることがあり、一方、8.0重量%を超えると定着性が悪くなることがある。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるが、ジャケット等装備して、内部の温度を調節することが好ましい。外添剤のトナー母体粒子表面における付着率(付着強度)を変えるには、途中または漸次添加剤を加えていけば良い。もちろん混合機の回転数、時間、温度などを変化させても良い。例えば初めに強い負荷を、次いで比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合機の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲイミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
【0051】
<二成分系用現像剤>
本発明におけるトナーは二成分系現像剤として用いられることが好ましい。
本発明におけるトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましく、更に3〜9重量部の範囲とするのが好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。なおこれらキャリアは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等である。いずれにしてもトナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー1.5〜10.0重量部程度が適当である。
【0052】
<フルカラートナーキット>
以上の説明から明らかであるように、本発明におけるカラートナーと前記黒色トナーとを組み、フルカラートナーキットとしてプリンタやファクシミリに使用すれば、環境(温湿度)が変化してもトナーの帯電量の変化が少なく、しかも画像濃度の安定性が高く、かつ、地肌汚れの発生しない、安定したフルカラーからなる画像を得ることができる。
【0053】
<画像形成装置>
以下、本発明におけるトナー、または該トナーとキャリアよりなる二成分系現像剤を使用する画像形成装置について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る複写機の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)10の回りには、帯電装置としての帯電ローラ20、露光装置30、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60、除電装置としての除電ランプ70、現像装置40、中間転写体としての中間転写体50とが配設されている。該中間転写体50は、複数の懸架ローラ51によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この該懸架ローラ51の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、該中間転写体50のクリーニングブレードを有するクリーニング装置90も配設されている。また、該中間転写体50に対向し、最終転写材としての転写紙100に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ80が配設され、該転写ローラ80は図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、上記中間転写体50の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器52が設けられている。
【0054】
上記現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、該現像ベルト41の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット45K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット45Y、マゼンタ(以下、Mという)現像ユニット45M、シアン(以下、Cという)現像ユニット45Cとから構成されている。また、該現像ベルト41は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体10との接触部では該感光体10とほぼ同速で移動する。
【0055】
なお、本実施形態に係る複写機の装置構成としては、図1に示すような装置構成以外にも、図2に示すような、各色の現像ユニット45を感光体10の回りに併設した装置構成であっても良い。
【0056】
次に、本実施形態に係る複写機の動作について説明する。図1において、感光体10を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ20により一様帯電した後、露光装置30により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して該感光体10上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置40により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト41上の現像剤薄層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で該ベルト41から剥離し、感光体10上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置40により現像されたトナー像は、感光体10と等速移動している中間転写体50との当接部(一次転写領域)にて中間転写体50の表面に転写される(一次転写)。3色あるいは4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この行程を各色ごとに繰り返し、中間転写体50にカラー画像を形成する。
【0057】
上記中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するための上記コロナ帯電器52を、該中間転写体50の回転方向において、上記感光体10と該中間転写体50との接触対向部の下流側で、かつ該中間転写体50と転写紙100との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、このコロナ帯電器52が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙100へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、上記コロナ帯電器52によりに帯電された後、上記転写ローラ80からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙100上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙100は、図示しない分離装置により感光体10から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体10は、クリーニング装置60よって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ70により残留電荷が除電される。
【0058】
弾性ベルト41の表層材料、表層は弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、2次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。またフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0059】
(タンデム型カラー画像形成装置)
本発明のカラートナーは、タンデム型カラー画像形成装置にも好ましく使用できる。
タンデム型カラー画像形成装置の実施形態の一例について、図3にて説明する。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図3に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
【0060】
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0061】
そのタンデム画像形成装置20の上には、図3に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
【0062】
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。該2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0063】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0064】
本カラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0065】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0066】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0067】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0068】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0069】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0070】
上述したタンデム画像形成装置20においては、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図4の画像形成部拡大図に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えている。
【0071】
以下に、本発明のトナーを使用する画像形成装置において、好ましく使用される帯電装置、感光体、定着装置、現像装置、プロセスカートリッジについて述べる。
【0072】
<静電荷像担持体に帯電部材を接触させて帯電を行なう帯電装置>
前記帯電装置として、静電荷像担持体に帯電部材を接触させ、当該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なう帯電装置を好ましく使用することができる。
(ローラ帯電の場合)
図5に像担持体に帯電部材を接触させて帯電を行なう帯電装置を用いた画像形成装置の一例の概略構成を示した。被帯電体、像担持体としての感光体は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光ドラムに接触させた帯電部材である帯電ローラは芯金とこの芯金の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させると供に、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラは感光ドラムの回転駆動に従動して回転する。帯電ローラは、直径9mmの芯金上に100000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して直径16mmに形成されている。
【0073】
帯電ローラの芯金と図示の電源とは電気的に接続されており、電源により帯電ローラに対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
【0074】
本発明で使われる帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。
【0075】
上述の像担持体に帯電部材を接触させて帯電を行なう帯電装置によればオゾンの発生が低減された画像形成装置を得ることができる。
【0076】
<アモルファスシリコン感光体>
前記感光体として、例えばアモルファスシリコン感光体が好ましく使用される。すなわち、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることができる。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられる。
【0077】
(層構成について)
アモルファスシリコン感光体の層構成は例えば以下のようなものである。
図6は、層構成を説明するための模式的構成図である。図6(a)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上にa−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。図6(b)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とから構成されている。図6(c)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:Hからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とから構成されている。図6(d)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、光導電層502が設けられている。該光導電層502はa−Si:Hからなる電荷発生層505ならびに電荷輸送層506とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
【0078】
(支持体について)
感光体の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形成し得るように適宜決定するが、画像形成装置用感光体としての可撓性が要求される場合には、支持体としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0079】
(電荷注入阻止層について)
本発明に用いることができるアモルファスシリコン感光体には必要に応じて導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である(図6(c))。すなわち、電荷注入阻止層は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0080】
(光導電層について)
光導電層は必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層502の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
【0081】
(電荷輸送層について)
電荷輸送層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性、電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。
電荷輸送層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
【0082】
(電荷発生層について)
電荷発生層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hから成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性,電荷輸送特性を有する。
電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
【0083】
(表面層について)
本発明に用いることができるアモルファスシリコン感光体には必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を設けることが出来、アモルファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
本発明における表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
【0084】
アモルファスシリコン感光体は、表面硬度が高く、半導体レーザ(770〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められないことから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として用いられている。
【0085】
<定着フィルムを回転させて定着する定着装置>
前記定着装置としては、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置を好ましく使用することができる。
【0086】
図7は、定着フィルムを回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。
定着フィルムはエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該フィルムの支持回転体である駆動ローラと、従動ローラと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体とに懸回張設してある。
【0087】
従動ローラは定着フィルムのテンションローラを兼ね、定着フィルムは駆動ローラの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラと定着フィルムが接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルムの速度が等しくなる速度に調節される。
【0088】
ここで、加圧ローラはシリコーンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルムは、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm 以下、好ましくは40μm 以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm 厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm 厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
【0089】
図7において本実施形態の加熱体は平面基板および定着ヒータから構成されており、平面基板は、アルミナ等の高熱伝導度、且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルムと接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータは、例えばAg/Pd、Ta2 N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、前記基板の定着ヒータが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサが設けられている。
定着温度センサによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
【0090】
上記定着装置によれば、効率が良く立ち上がり時間を短縮可能な画像形成装置が得られる。
【0091】
<交互電界を印加する現像装置>
前記像担持体上の潜像を現像する時は交互電界を印加することが好ましい。
図8に示した本実施例の現像器において、現像時、現像スリーブには、電源により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像スリーブおよびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体ドラムに飛翔し、感光体ドラムの潜像に対応して付着する。
【0092】
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5KVが好ましく、周波数は1〜10KHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
【0093】
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
【0094】
上記のように、前記現像装置によって像担持体上の潜像を現像する時に、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加するので、ざらつきのない高精細な画像が得られる。
【0095】
<プロセスカートリッジ>
本発明においては、上述の感光体と、帯電装置手段、現像手段及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図9に現像手段で本発明のカラートナーを保持するプロセスカートリッジの概略構成を示す。
本発明のカラートナーを用いるプロセスカートリッジを備えた画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明のカラートナーをプロセスカートリッジに装着して使用することにより同様に高画質の画像を得ることができる。
【実施例】
【0096】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下において「部」は重量部を意味する。
【0097】
<実施例1>
まず、本発明のトナーの製造に用いた結着樹脂の合成例を示す。
(ポリエステル樹脂Aの合成例)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価:320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂A]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
【0098】
(ポリエステル樹脂Bの合成例)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価:320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂B]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量16000であった。
【0099】
(マスターバッチ1の合成例)
以下に、本発明のトナーの製造に用いたマスターバッチ1の合成例を示す。
水 25部
着色剤:イエロー顔料(Pigment Yellow 155 ) 50部
ポリエステル樹脂A 50部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し[マスターバッチ1]を得た。
【0100】
(マスターバッチ2の合成例)
以下に、本発明のトナーの製造に用いたマスターバッチ2の合成例を示す。
水 25部
着色剤:マゼンタ顔料(Pigment Red 269) 50部
ポリエステル樹脂A 50部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し[マスターバッチ2]を得た。
【0101】
(マスターバッチ3の合成例)
以下に、本発明のトナーの製造に用いたマスターバッチ3の合成例を示す。
水 25部
着色剤:シアン顔料(Pigment Blue 15:3) 50部
ポリエステル樹脂A 50部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し[マスターバッチ3]を得た。
【0102】
(トナー母体の作製)
ポリエステル樹脂A 40部
ポリエステル樹脂B 60部
アルミナ
(チタン工業社製:EC−700、粉体電気抵抗値:3Ωcm) 10部
カルナバワックス 1部
マスターバッチ1 15部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)で混練を行い、[母体トナーA1]を得た。
【0103】
得られた[母体トナーA1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、次に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子1]を得た。
【0104】
(外添剤処理)
「母体トナー粒子1」100部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H:クラリアントジャパン社製)を1.2部、酸化チタン(JMT−150IB:テイカ社製)を0.9部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子を得た(以下「トナー1」という)。
【0105】
<実施例2>
実施例1のトナー母体の作製において、アルミナを酸化スズ(石原産業社製:SN−100P、粉体電気抵抗値:4Ωcm)に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
【0106】
<実施例3>
実施例1のトナー母体の作製において、アルミナをシリカ(チタン工業社製:EC−650、粉体電気抵抗値:45Ωcm)に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
【0107】
<実施例4>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ2] 12部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
【0108】
<実施例5>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ2] 12部に変えたこと以外は実施例2と同様にして[トナー5]を得た。
【0109】
<実施例6>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ2] 12部に変えたこと以外は実施例3と同様にして[トナー6]を得た。
【0110】
<実施例7>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ3] 8部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
【0111】
<実施例8>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ3] 8部に変えたこと以外は実施例2と同様にして[トナー8]を得た。
【0112】
<実施例9>
実施例1のトナー母体の作製において、[マスターバッチ1] 15部の代わりに、[マスターバッチ3] 8部に変えたこと以外は実施例3と同様にして[トナー9]を得た。
【0113】
<比較例1>
実施例1のトナー母体の作成において、アルミナを0部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー10]を得た。
【0114】
<比較例2>
実施例1のトナー母体の作成において、アルミナを酸化スズ(石原産業社製:FS−10P、粉体電気抵抗値:80Ωcm)に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー11]を得た。
【0115】
<比較例3>
実施例1のトナー母体の作成において、アルミナを酸化スズ(三菱マテリアル社製:S−1、粉体電気抵抗値:1.0×10Ωcm)に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー12]を得た。
【0116】
<実施例10(黒色トナー)>
実施例1のトナー母体の作成において、マスターバッチ1をカーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)5部に変え、アルミナを0部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー13]を得た。
【0117】
<キャリアの作製>
トルエン100部に、シリコーン樹脂(「オルガノストレートシリコーン」)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状フェライト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0118】
<二成分現像剤の作製>
実施例1〜3、比較例1〜3、及び黒色トナー例の各トナー5部と前記キャリア95部をターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、実施例1〜3、比較例1〜3及び黒色トナー例の各二成分現像剤を製造した。
【0119】
<評価項目>
(1)体積平均粒径(Dv)の測定
体積平均粒径(Dv)は、コールターカウンター法により測定することができる。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。また、(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
【0120】
(2)平均円形度の測定
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー母体粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
【0121】
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3 の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz,50W/10cm3 の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
【0122】
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
【0123】
(3)立ち上がり帯電性(TA60)の測定
温度20℃、湿度50%の環境下、上記キャリア100部と本発明のトナー5部を、ステンレス性のポットに仕込み、ボールミル架台上で300rpmにて回転混合させた。回転開始から15秒後に停止させ、得られた現像剤の帯電量を、ブローオフ装置によって測定した。
【0124】
(4)飽和帯電性(TA600)の測定
帯電立ち上がり性と同様の操作で、10分間経過後の現像剤材料の帯電性を、ブローオフ装置で測定した。
【0125】
(5)低温低湿環境下での飽和帯電性(LLTA600)の測定
温度10℃、湿度15%の環境下で、飽和帯電性と同様の操作で、低温低湿環境下での飽和帯電性を測定した。
【0126】
(6)高温高湿環境下での飽和帯電性(HHTA600)
温度30℃、湿度90%の環境下で、飽和帯電性と同様の操作で、高温高湿環境下での飽和帯電性を測定した。
【0127】
(7)トナー体積固有抵抗
前述の方法により測定した。
【0128】
<画質評価>
上記現像剤を(株)リコー製デジタルフルカラー複合機『Imagio Neo C600』改造機を用いてコピーテストを実施し、以下の項目について評価を行った。コピーテストは、10万枚フルカラーモードで色別に実施した。
【0129】
(1)文字部の白抜け
上記10万枚コピーテスト後の(株)リコー製デジタルフルカラー複合機『Imagio Neo C600』改造機を、温度20℃、湿度50%の環境下で、文字部画像を3M社製CG3700のOHPシートに出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較し、ランク1〜5の5段階で評価した。ランク5が最も白抜けが少なく、ランク1が最も多い。表2中ではランク5・・・◎、ランク4・・・○、ランク3・・・△、ランク2・・・×、ランク1・・・××とした。
【0130】
(2)地肌汚れ(HH)
上記10万枚コピーテスト後の(株)リコー製デジタルフルカラー複合機『Imagio Neo C600』改造機を、温度27℃、湿度80%の環境下で、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差をスペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定して定量評価し、その差が0.30未満のものを○とし、0.30以上のものを×とした。
【0131】
(3)画像濃度(LL)
上記10万枚コピーテスト後の(株)リコー製デジタルフルカラー複合機『Imagio Neo C600』改造機を、温度10℃、湿度15%の環境下で、20%画像面積の画像チャートの左右、中央のパッチ部の画像IDを938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定し、平均値を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
【0132】
表1に、使用したトナーの特性を示し、表2にこれらトナーの評価結果を示す。
【0133】
【表1】

【0134】
【表2】

【0135】
表1および表2から、実施例によれば、温湿度が変化しても、トナーの帯電量の変化が少なく、しかも画像濃度の安定性が高く、地肌汚れの少ないフルカラートナーが得られることがわかる。これに対して比較例のカラートナーは画像濃度の安定性が特に低いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明のトナーが使用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明のトナーが使用される画像形成装置の他の例を示す概略構成図である
【図3】本発明のトナーが使用されるタンデム型画像形成装置の例を示す概略構成図である。
【図4】図3に示す画像形成装置の一部拡大概略構成図である。
【図5】本発明において使用される帯電装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明において使用される感光体の層構成を説明するための模式的構成図である
【図7】本発明において使用される定着装置の一例を示す概略構成図である。
【図8】本発明における静電荷像を現像する時の実施形態を説明するための説明図である。
【図9】本発明において使用されるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0137】
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも着色剤としてカーボンブラックを含有する黒色トナーと併用されるカラートナーからなる静電荷像現像用フルカラートナーキットであって、前記黒色トナーは体積固有抵抗が5.0×1010〜3.0×1011 Ωcmであり、前記各カラートナーは、粉体電気抵抗(体積固有抵抗)が50Ωcm以下の導電性無機化合物を含有し、体積固有抵抗が5.0×1010〜3.2×1011 Ωcmであることを特徴とする静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項2】
前記カラートナーに含有される導電性無機化合物がアルミナ系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項3】
前記カラートナーに含有される導電性無機化合物が酸化スズ系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項4】
前記カラートナーに含有される導電性無機化合物がシリカ系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項5】
トナーの体積平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項6】
トナーの平均円形度が0.900〜0.980であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の静電荷像現像用フルカラートナーキット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする二成分系現像剤。
【請求項8】
少なくとも静電荷像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、接触転写手段と、加熱定着手段と、クリーニング手段と、除電手段とを有し、前記現像手段が請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記帯電手段が前記静電荷像担持体に帯電部材を接触させ、該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なう帯電装置であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記静電荷像担持体がアモルファスシリコン感光体からなることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記静電荷像担持体上の静電荷像を現像する時に、交互電界を印加することを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
静電荷像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段はトナーを保持し、該トナーは少なくとも請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−229788(P2009−229788A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74924(P2008−74924)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】