説明

非ヌクレオチドオーバーハングを含むオリゴヌクレオチド化合物

本発明は、ヒト遺伝子の発現を下方制御するための少なくとも1つのセンスまたはアンチセンス鎖に共有結合した1つの非ヌクレオチド部分を含むsiRNA化合物に関する。本発明は、また、このような化合物および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物、および標的遺伝子に関連する種々の疾患または状態および/またはこのような疾患または状態に関連する症状の発生または重症度を治療および/または防止する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
センス鎖およびアンチセンス鎖を含む二重鎖核酸分子であって、少なくとも1つの鎖が、存在する鎖の3’末端ヌクレオチドの糖残基の3’または2’位置に共有結合した非ヌクレオチド部分を含み、非ヌクレオチド部分が、プロパノール、リン酸ジエステルに結合したC3アルキル部分またはホスホロチオエートに結合したC3アルキル部分、デオキシリボ脱塩基部分、リボ脱塩基部分およびこれらの組み合わせからなる群より選択される分子。
【請求項2】
非ヌクレオチド部分が、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合を介して糖残基に結合している請求項1に記載の分子。
【請求項3】
非ヌクレオチド部分が、アンチセンス鎖の3’末端の糖残基の3’または2’位置に共有結合したC3アルキル部分を含む請求項1に記載の分子。
【請求項4】
C3アルキル部分が、C3PiおよびC3OHから選択される請求項3に記載の分子。
【請求項5】
分子が、リン酸ジエステルもしくはホスホロチオエート結合により共有結合した2つもしくは3つのC3アルキル部分、またはリン酸ジエステルもしくはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合した1つのC3アルキル部分を含む請求項1に記載の分子。
【請求項6】
分子が、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により共有結合した2つまたは3つのC3アルキル部分を含む請求項5に記載の分子。
【請求項7】
2つまたは3つのC3アルキル部分が、C3Pi−C3OH、C3Pi−C3Pi、C3Pi−C3Ps、C3Pi−C3Pi−C3OH、C3Ps−C3Ps−C3OH、C3Pi−C3Ps−C3OH、C3Ps−C3Pi−C3OH、C3Pi−C3Pi−C3Pi、C3Ps−C3Ps−C3Ps、C3Pi−C3Ps−C3Ps、C3Ps−C3Pi−C3Ps、C3Ps−C3Ps−C3Pi、C3Pi−C3Pi−C3Ps、C3Ps−C3Pi−C3PiまたはC3Pi−C3Ps−C3Pi部分からなる請求項6に記載の分子。
【請求項8】
分子が、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合で脱塩基部分に共有結合した1つのC3アルキル部分を含む請求項5に記載の分子。
【請求項9】
脱塩基部分が、デオキシリボ脱塩基部分またはリボ脱塩基部分よりなる請求項8に記載の分子。
【請求項10】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分が、C3Pi−rAb、C3Pi−dAb、rAb−C3OH、rAb−C3Pi、dAb−C3OH、およびdAb−C3Piからなる請求項9に記載の分子。
【請求項11】
次の構造(A1)を有する請求項1に記載の二重鎖核酸分子:
(A1) 5’ (N)x−Z 3’ (アンチセンス鎖)
3’ Z’−(N’)y−z" 5’ (センス鎖)
式中、各NおよびN’は、非修飾もしくは修飾であってもよく、または非通常部分であるヌクレオチドであり;
各(N)xおよび(N’)yは、各連続したNまたはN’が次のNまたはN’に共有結合により結合しているオリゴヌクレオチドであり;
少なくとも1つのZまたはZ’が存在し、それが存在する鎖の3’末端に共有結合した非ヌクレオチド部分を含み;
z"は、存在しても、または存在しなくてもよいが、存在する場合は、(N’)yの5’末端に共有結合したキャッピング部分であり;
各xおよびyは、独立に、18と40の間の整数であり;
(N’)yの配列は、(N)xの配列に対し相補性を有し;さらに、(N)xの配列は、標的RNA中の連続した配列に対し相補性を有する。
【請求項12】
(N)xおよび(N’)yが、完全に相補的である請求項11に記載の分子。
【請求項13】
x=y=19である請求項11に記載の分子。
【請求項14】
Zが存在する請求項11に記載の分子。
【請求項15】
Z’が存在する請求項11に記載の分子。
【請求項16】
ZおよびZ’の両方が存在する請求項11に記載の分子。
【請求項17】
ZおよびZ’が同じでない請求項16に記載の分子。
【請求項18】
ZおよびZ’が同じである請求項16に記載の分子。
【請求項19】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合で相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分を含む請求項16に記載の分子。
【請求項20】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分を含む請求項14に記載の分子。
【請求項21】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分が、C3Pi−C3OH、C3Pi−C3Pi、C3Pi−C3Ps、C3Ps−C3Pi、C3Ps−C3OHまたはC3Ps−C3Psを含む請求項19または20に記載の分子。
【請求項22】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分を含む請求項16に記載の分子。
【請求項23】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分を含む請求項14に記載の分子。
【請求項24】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分が、C3Pi−rAb、C3Ps−rAb、C3Pi−dAb、C3Ps−dAb、rAb−C3OH、rAb−C3Pi、rAb−C3Ps、dAb−C3OH、dAb−C3Pi、またはdAb−C3Psを含む請求項22または23に記載の分子。
【請求項25】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した2つの脱塩基部分を含む請求項16に記載の分子。
【請求項26】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した2つの脱塩基部分を含む請求項14に記載の分子。
【請求項27】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した2つの脱塩基部分が、rAb−rAb、dAb−rAb、rAb−dAb、またはdAb−dAbを含む請求項25または26に記載の分子。
【請求項28】
Zが、C3Pi−C3PiまたはC3Pi−C3OHからなる請求項21に記載の分子。
【請求項29】
Zが、C3Pi−C3OHからなる請求項28に記載の分子。
【請求項30】
Zが、C3Pi−C3Piからなる請求項28に記載の分子。
【請求項31】
Zおよび/またはZ’が、脱塩基部分および非修飾ヌクレオチド、またはC3アルキル部分および非修飾ヌクレオチドを含む請求項11に記載の分子。
【請求項32】
x=y=19であり、(N)xが、2、4、6、8、11、13、15、17および19のそれぞれの位置に2’OMe糖修飾リボヌクレオチドを含む請求項11〜31のいずれか1項に記載の分子。
【請求項33】
x=y=19であり、(N)xが、1、3、5、7、9、11、13、15、17および19のそれぞれの位置に2’OMe糖修飾リボヌクレオチドを含む請求項11〜31のいずれか1項に記載の分子。
【請求項34】
x=y=19であり、(N’)yが、位置18にL−DNAを含む請求項11〜33のいずれか1項に記載の分子。
【請求項35】
x=y=19であり、(N’)yが、2’−5’ヌクレオチド間結合により隣接ヌクレオチドに結合したヌクレオチドを含む請求項11〜33のいずれか1項に記載の分子。
【請求項36】
(N)xが、標的RNAに完全に相補的ではない請求項11に記載の分子。
【請求項37】
下記の構造(A2)を有する請求項36に記載の分子:
(A2) 5’ N1−(N)x−Z 3’ (アンチセンス鎖)
3’ Z’−N2−(N’)y−z" 5’ (センス鎖)
式中、各N2、NおよびN’は、非修飾もしくは修飾リボヌクレオチド、または非通常部分であり;
各(N)xおよび(N’)yは、各連続NまたはN’が、隣接NまたはN’に共有結合で結合したオリゴヌクレオチドであり;
各xおよびyが、独立に、17および39の間の整数であり;
(N’)yの配列は、(N)xの配列に対し相補性を有し、(N)xは、標的RNA中の連続した配列に相補性を有し;
N1は、(N)xに共有結合し、標的RNAにミスマッチであるか、または標的RNAに対し相補的なDNA部分であり;
N1は、天然または修飾ウリジン、デオキシリボウリジン、リボチミジン、デオキシリボチミジン、アデノシンまたはデオキシアデノシンからなる群より選択される部分であり;
z"は、存在しても、または存在しなくてもよいが、存在する場合には、N2−(N’)yの5’末端に共有結合したキャッピング部分であり;さらに
少なくとも1つのZまたはZ’が存在し、それが存在する鎖の3’末端に共有結合した非ヌクレオチド部分を含む。
【請求項38】
(N)xが、哺乳動物または非哺乳動物RNA中の連続した配列に対し相補的である請求項37に記載の分子。
【請求項39】
x=y=18である請求項37に記載の分子。
【請求項40】
N1およびN2が、ワトソン・クリック塩基対を形成する請求項37に記載の分子。
【請求項41】
N1およびN2が、非ワトソン・クリック塩基対を形成する請求項37に記載の分子。
【請求項42】
N1が、リボアデノシン、修飾リボアデノシン、デオキシリボアデノシン、修飾デオキシリボアデノシンからなる群より選択される請求項37に記載の分子。
【請求項43】
N1が、リボウリジン、デオキシリボウリジン、修飾リボウリジン、および修飾デオキシリボウリジンからなる群より選択される請求項37に記載の分子。
【請求項44】
N1が、修飾リボアデノシンまたは修飾リボウリジンである請求項37に記載の分子。
【請求項45】
N1が、2’OMe糖修飾リボウリジンまたは2’OMe糖修飾リボアデノシンである請求項44に記載の分子。
【請求項46】
N2が、2’OMe糖修飾リボヌクレオチドまたは2’OMe糖修飾デオキシリボヌクレオチドである請求項37に記載の分子。
【請求項47】
Zが存在する請求項37に記載の分子。
【請求項48】
Z’が存在する請求項37に記載の分子。
【請求項49】
ZおよびZ’の両方が存在する請求項37に記載の分子。
【請求項50】
ZおよびZ’が同じでない請求項49に記載の分子。
【請求項51】
ZおよびZ’が同じである請求項49に記載の分子。
【請求項52】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分を含む請求項49に記載の分子。
【請求項53】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分を含む請求項47に記載の分子。
【請求項54】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した少なくとも2つのC3アルキル部分が、C3Pi−C3OH、C3Pi−C3Pi、C3Pi−C3Ps、C3Ps−C3Pi、C3Ps−C3OHまたはC3Ps−C3Psを含む請求項52または53に記載の分子。
【請求項55】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分を含む請求項49に記載の分子。
【請求項56】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分を含む請求項47に記載の分子。
【請求項57】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により脱塩基部分に共有結合したC3アルキル部分が、C3Pi−rAb、C3Ps−rAb、C3Pi−dAb、C3Ps−dAb、rAb−C3OH、rAb−C3Pi、rAb−C3Ps、dAb−C3OH、dAb−C3Pi、またはdAb−C3Psを含む請求項55または56に記載の分子。
【請求項58】
各ZおよびZ’が、独立に、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合で相互に共有結合した2つの脱塩基部分を含む請求項49に記載の分子。
【請求項59】
Zが、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合で相互に共有結合した2つの脱塩基部分を含む請求項47に記載の分子。
【請求項60】
リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合により相互に共有結合した2つの脱塩基部分が、rAb−rAb、dAb−rAb、rAb−dAb、またはdAb−dAbを含む請求項58または59に記載の分子。
【請求項61】
Zが、C3Pi−C3PiまたはC3Pi−C3OHからなる請求項54に記載の分子。
【請求項62】
Zが、C3Pi−C3OHからなる請求項61に記載の分子。
【請求項63】
Zが、C3Pi−C3Piからなる請求項61に記載の分子。
【請求項64】
Zおよび/またはZ’が、脱塩基部分および非修飾ヌクレオチド、またはC3アルキル部分および非修飾ヌクレオチドを含む請求項37に記載の分子。
【請求項65】
x=y=18であり、(N’)yが、位置17にミラーヌクレオチドを含む請求項37〜64のいずれか1項に記載の分子。
【請求項66】
ミラーヌクレオチドがL−DNAである請求項65に記載の分子。
【請求項67】
x=y=18であり、(N’)yが、2’−5’ヌクレオチド間結合により隣接ヌクレオチドに結合したヌクレオチドを含む請求項37〜64のいずれか1項に記載の分子。
【請求項68】
(N)xが、少なくとも1つの2−OMe糖修飾リボヌクレオチドを含む請求項37〜67のいずれか1項に記載の分子。
【請求項69】
請求項1〜68のいずれか1項に記載の分子、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【請求項70】
標的遺伝子の発現に関連する疾患または障害に罹患している患者を治療する方法であって、標的遺伝子の発現を減らすのに有効な量の請求項1〜68のいずれか1項に記載の分子を患者に投与し、それにより、患者を治療することを含む方法。
【請求項71】
標的RNAの開裂を媒介する二重鎖RNA分子を調製する方法であって、
(a)18〜27長のヌクレオチドを有し、標的RNA中の配列に対し同一性を有するRNA鎖を合成するステップ、
(b)(a)のRNA鎖に相同性を有する第2のRNA鎖を合成するステップ、さらに
(c)二重鎖RNA分子を形成するのに適切な条件下で、合成したRNA鎖をアニールするステップを含み、
前記二重鎖RNA分子が、14〜25ヌクレオチド長の二重鎖領域、およびそれが存在する鎖の3’末端の糖残基の3’または2’位置に共有結合した非ヌクレオチド部分を有し、非ヌクレオチド部分が、プロパノール、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエートに結合したC3アルキル部分、リン酸ジエステルまたはホスホロチオエート結合に結合したC3アルキル部分、デオキシリボ脱塩基部分またはリボ脱塩基部分およびこれらの組み合わせから選択され;さらにRNA鎖が、修飾リボヌクレオチドを含む、方法。
【請求項72】
前記RNA鎖が、19〜21ヌクレオチド長を有する請求項71に記載の方法。
【請求項73】
標的遺伝子の発現を下方制御できる二重鎖RNA分子を調製する方法であって、各RNA鎖が、19〜25ヌクレオチドの長さを有し、少なくとも1つの鎖が、3’末端の糖残基の3’または2’位置に共有結合した非ヌクレオチド部分を有し、
(a)それぞれ19〜25ヌクレオチド長を有する2つのRNA鎖を合成するステップであって、前記RNA鎖が、二重鎖RNA分子を形成可能であるステップ、
(b)合成したRNA鎖を標的核酸の下方制御を媒介する二重鎖RNA分子が形成される条件下で結合するステップを含み、
前記二重鎖RNA分子が、単一二重鎖領域からなり、少なくとも1つの単鎖領域が、それが存在する鎖の3’末端の糖残基の3’または2’位置に共有結合した非ヌクレオチド部分を含み;非ヌクレオチド部分が、プロパノール、リン酸ジエステルに結合したC3アルキル部分、ホスホロチオエートに結合したC3アルキル部分、デオキシリボ脱塩基部分、リボ脱塩基部分またはこれらの組み合わせから選択される方法。

【図4】
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【公表番号】特表2013−516190(P2013−516190A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548108(P2012−548108)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2011/020298
【国際公開番号】WO2011/085056
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(509294070)クォーク ファーマシューティカルズ インコーポレーティッド (8)
【氏名又は名称原語表記】QUARK PHARMACEUTICALS,INC.
【住所又は居所原語表記】6501 Dumbarton Circle,Fremont,California U.S.A.
【Fターム(参考)】