説明

非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法

【課題】1台の非接触IC機能付き携帯電話機に、異なる外部処理装置メーカーが製造した外部処理装置に対応可能なデータを追加して書き込む場合に処理を効率的に行なえるようにする。
【解決手段】外部処理装置メーカーの発行データを管理するサーバ3に、予め外部処理装置メーカーが指定する発行データや画像データを登録するステップと、前記サーバ3が、非接触IC機能付き携帯電話機4から送信されたIDパスワードを受信した際に、前記IDパスワードに基づいて特定される発行データや画像データを前記サーバ3から非接触IC機能付き携帯電話機4に送信するステップと、非接触IC機能付き携帯電話機4が、非接触IC機能を利用する際に用いるデータの書き込み依頼を、ネットワーク運用を管理するサーバ5に対して行なう際に、前記サーバ3から受信した発行データを送信して行なうステップとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触IC機能付き携帯電話機に対して、前記非接触IC機能により外部処理装置による処理を可能とするデータの書き込みを行なう非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機に搭載された非接触IC機能を用いて、外部処理装置との間で通信を行うことにより、外部処理装置での種々の処理を可能とした非接触IC機能付き携帯電話機が開発されている。
これらの非接触IC機能付き携帯電話機においては、電話機能とは別に、外部処理装置と直接電波を用いた通信により、例えば、入口ゲートの開閉管理、電子マネーの支払い処理、その他の様々なシステムに対応することができる。(例えば、特許文献1、参照)
【特許文献1】特開2003−85466号公報
【0003】
但し、非接触IC機能付き携帯電話機を、非接触IC機能付き携帯電話機を利用した外部処理装置のシステムに対応できるようにするためには、非接触IC機能付き携帯電話機の非接触ICのメモリに、ある特定の外部処理装置に対応可能なデータをダウンロードさせておく必要がある。
【0004】
非接触IC機能付き携帯電話機を使用したシステムが、複数の用途に使われ始めると、1台の非接触IC機能付き携帯電話機にこれら複数のシステムに対応できるデータを追加して記憶させる必要がある。
しかしながら、異なるシステムで対応可能な非接触IC機能付き携帯電話機とするためには、異なる外部処理装置メーカーの外部処理装置毎に対応可能なデータを非接触ICのメモリに記憶させる必要があり、そのために外部処理装置メーカー毎の異なるアプリケーションプログラムをダウンロードするなどの処理を行なわなければならず手間や時間などがかかり効率が悪いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、1台の非接触IC機能付き携帯電話機に、異なる外部処理装置メーカーが製造した外部処理装に対応可能なデータを追加して書き込む場合に、非接触IC機能付き携帯電話機とサーバとの間における処理を効率的に行なえるようにした非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法は、非接触IC機能付き携帯電話機に対して、前記非接触IC機能により外部処理装置による処理を可能とするデータの書き込みを行なう非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法であって、外部処理装置メーカーの発行データを管理するサーバに、予め外部処理装置メーカーが指定する発行データや画像データを登録するステップと、前記サーバが、前記非接触IC機能付き携帯電話機から送信されたIDパスワードを受信した際に、前記IDパスワードに基づいて特定される発行データや画像データを前記サーバから前記非接触IC機能付き携帯電話機に送信するステップと、前記非接触IC機能付き携帯電話機が、非接触IC機能を利用する際に用いるデータの書き込み依頼を行なう際に、ネットワーク運用を管理するサーバに前記サーバから受信した発行データを送信して行なうステップと、からなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法は、前記発行データが、外部処理装置メーカー毎の外部処理装置での処理を特定するIDであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法は、外部処理装置メーカーの発行データを管理するサーバに、予め外部処理装置メーカーが指定する発行データが登録されており、1台の非接触IC機能付き携帯電話機に、異なる外部処理装置メーカーが製造した外部処理装に対応可能なデータを追加して書き込む場合でも、ネットワーク運用を管理するサーバに前記サーバから受信した発行データを送信して行なうことができるので、非接触IC機能付き携帯電話機とサーバとの間における処理を効率的に行なうことができるという効果がある。
【0009】
また、本発明の非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法は、前記発行データが、外部処理装置メーカー毎の外部処理装置での処理を特定するIDであるので、非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理を正確に効率的に行なうことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法に適応するシステム構成及び処理の流れを説明する図、図2は、本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法に適応するシステムの処理手順を説明するフローチャート図である。
【0011】
まず、本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法は、データ発行を行うデータセンター1のWebサーバ2及びパーソナライズサーバ3と、Webサーバ2及びパーソナライズサーバ3と通信可能な非接触IC機能付き携帯電話機4と、非接触IC機能付き携帯電話機の非接触IC機能に基づくネットワークの運用管理を行なうネットワーク管理センター5の管理サーバ6とにより構成される。
【0012】
データセンター1のWebサーバ2には、非接触IC機能付き携帯電話機からの送信依頼に基づいて、非接触IC機能付き携帯電話機に送信し、ダウンロードするためのアプリケーションプログラムが記憶されている。
このアプリケーションプログラムは、非接触IC機能付き携帯電話機の非接触IC機能を活用する際に必要なデータの書き込み処理や読み込みの処理を行なうためのプログラムであり、このアプリケーションプログラムの処理手順に基づいて処理することで、非接触IC機能付き携帯電話機の非接触IC機能を用いて外部処理装置との間での処理の実行を行なえるようにできる。
【0013】
データセンター1のパーソナライズサーバ3には、例えばゲートメーカーなどの予め異なる複数の外部処理装置メーカーの各社が指定する発行データが登録されているデータベース7,8が設けられている。
このデータベース7,8に登録されている発行データは、外部処理装置メーカーであるゲートメーカー毎のICチップフォーマット情報と、サービス発行用ID、サービス削除用ID、データ読み込み用ID、データ書き込み用IDなどの処理を定義するIDや、画像データなどである。
更に、各外部処理装置メーカー毎に、その外部処理装置メーカーから各社に発行するための発行先会社別発行データ9,10,11,12として、ゲートメーカー毎のICチップファーマット情報と、サービス発行用ID、サービス削除用ID、データ読み込み用ID、データ書き込み用IDなどのIDなどがそれぞれ登録されている。
【0014】
次に、本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込方法の処理手順について説明する。
まず、データ発行を行うデータセンター1のパーソナライズサーバ3のデータベースに、予め異なる複数の外部処理装置メーカーの各社が指定する発行データ7,8を登録しておく。(ステップS1)
そして、非接触IC機能付き携帯電話機4は、データセンター1のWebサーバ2と通信を行い、アプリケーションプログラムの送信依頼を行なう。(ステップS2)
データセンター1のWebサーバ2から非接触IC機能付き携帯電話機にアプリケーションプログラムが送信され、ダウンロードする。(ステップS3)
【0015】
次に、利用者は、非接触IC機能付き携帯電話機4を操作して、ダウンロードしたアプリケーションプログラムの起動をさせる。(ステップS4)
起動したアプリケーションプログラムの指示画面に基づいて、非接触IC機能付き携帯電話機4を操作して、IDパスワードの入力を行なう。(ステップS5)
入力されたIDパスワードは、非接触IC機能付き携帯電話機4からデータセンター1のパーソナライズサーバ3へ送信される。(ステップS6)
【0016】
次に、データセンター1のパーソナライズサーバ3において、非接触IC機能付き携帯電話機4から受信したIDパスワードの認証処理が行なわれる。(ステップS7)
この認証処理の結果(ステップS8)、認証が成立した場合に、データセンター1のパーソナライズサーバ3から非接触IC機能付き携帯電話機4に対して、そのIDパスワードで特定されるゲートメーカーの発行データであるIDとユーザIDと社員IDと、画像データが送信されダウンロードされる。(ステップS9)
【0017】
次に、非接触IC機能付き携帯電話機4からネットワーク管理センター5の管理サーバ6に対して、発行データであるIDとユーザIDとを送信して処理の開始を要求する。(ステップS10)
ネットワーク管理センター5の管理サーバ6から非接触IC機能付き携帯電話機4に対して、トランザクションIDが送信されて通知される。(ステップS11)
非接触IC機能付き携帯電話機4からネットワーク管理センター5の管理サーバ6に対して、書き込みデータが送信される。(ステップS12)
ネットワーク管理センター5の管理サーバ6から非接触IC機能付き携帯電話機4の非接触ICに対して、パーソナライズデータの書き込み処理が行なわれる(ステップS13)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法に適応するシステム構成及び処理の流れを説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法に適応するシステムの処理手順を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0019】
1 データセンター
2 Webサーバ
3 パーソナライズサーバ
4 非接触IC機能付き携帯電話機
5 ネットワーク管理センター
6 管理サーバ
7,8 データベース
9,10,11,12 発行先会社別発行データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触IC機能付き携帯電話機に対して、前記非接触IC機能により外部処理装置による処理を可能とするデータの書き込みを行なう非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法であって、
外部処理装置メーカーの発行データを管理するサーバに、予め外部処理装置メーカーが指定する発行データや画像データを登録するステップと、
前記サーバが、前記非接触IC機能付き携帯電話機から送信されたIDパスワードを受信した際に、前記IDパスワードに基づいて特定される発行データや画像データを前記サーバから前記非接触IC機能付き携帯電話機に送信するステップと、
前記非接触IC機能付き携帯電話機が、非接触IC機能を利用する際に用いるデータの書き込み依頼を行なう際に、ネットワーク運用を管理するサーバに前記サーバから受信した発行データを送信して行なうステップと、
からなることを特徴とする非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法。
【請求項2】
前記発行データが、外部処理装置メーカー毎の外部処理装置での処理を特定するIDであることを特徴とする請求項1記載の非接触IC機能付き携帯電話機へのデータ書込処理方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−222706(P2006−222706A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33799(P2005−33799)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】