説明

非磁性一成分現像装置

【課題】 現像ローラにおけるローラ本体部の両端部にて非磁性一成分現像剤が漏出することを、より効果的に抑制する。
【解決手段】 シール部材は、現像ローラ外周面の、現像ローラの中心軸線方向における端部と対向するように設けられている。外側突起は、現像ローラの中心軸線方向におけるシール部材の外側の端縁と当接するように、シール部材と対向する現像ローラ外周面の移動方向に沿って設けられている。内側突起は、現像ローラの中心軸線方向におけるシール部材の内側の端縁と当接するように、外側突起に沿って設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非磁性一成分現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、特開2009−63635号公報等に開示されたもの(いわゆる現像カートリッジ)が知られている。かかる装置は、レーザープリンタ等の画像形成装置における本体部に対して脱着自在に装着されるようになっている。かかる装置は、画像形成装置内に設けられた感光体の表面に、帯電した非磁性一成分現像剤を供給することで、当該表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。
【0003】
かかる装置は、内部に非磁性一成分現像剤を収容する箱状のケーシングと、このケーシングによって回転可能に支持された現像ローラと、を備えている。ケーシングには、現像ローラに向けて、開口部が形成されている。現像ローラは、円柱状のローラ本体部を備えていて、このローラ本体部の円柱面状の外周面上に非磁性一成分現像剤を担持するようになっている。
【0004】
また、ケーシングには、現像ローラにおけるローラ本体部の両端部にて非磁性一成分現像剤が外部に漏出することを抑制(防止)するための、シール部材(サイドシール)が、当該両端部に対向する位置にて固着されている。ここで、非磁性一成分現像装置においては、使用される非磁性一成分現像剤の、上述のような漏出を、磁石等の磁気的手段によって現像ローラ外周面と非接触で抑制することはできない。そこで、非磁性一成分現像装置においては、上述のシール部材は、ローラ本体部の両端部と弾性的に接触しつつ摺擦するように設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の装置において、現像ローラの中心軸線方向に沿ってシール部材が倒れるように大きく変形する、いわゆる「シール倒れ」が、当該中心軸線方向に沿ったいずれの方向に発生しても、当該シール部材によるシール性が低下する。本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、現像ローラにおけるローラ本体部の両端部にて非磁性一成分現像剤が漏出することを、より効果的に抑制することができる、非磁性一成分現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の非磁性一成分現像装置(以下、単に「現像装置」と称する。)は、現像ローラと、ケーシングと、シール部材と、を備えている。前記現像ローラは、円柱状のローラ本体部を備えている。このローラ本体部は、円柱面状の外周面上に非磁性一成分現像剤を担持可能に構成されている。
【0007】
前記ケーシングは、現像剤収容部と、ローラ支持部と、を備えている。前記現像剤収容部は、内部に前記現像剤を収容するように、箱状に形成されている。前記ローラ支持部は、板状の部材であって、前記現像剤収容部から前記現像ローラの中心軸線方向(前記現像ローラの中心軸線(回転中心軸線)と平行な方向:以下、単に「中心軸線方向」と称する。)と直交する方向に突出することで、前記現像ローラを、当該中心軸線方向における前記ローラ本体部よりも外側の両端部にて回転可能に支持するように設けられている。前記ケーシングには、前記現像剤収容部と前記ローラ支持部とを連通させるように、前記現像ローラの前記中心軸線に沿った長手方向を有する開口部が形成されている。
【0008】
前記シール部材は、前記ローラ本体部の前記外周面の、前記中心軸線方向における端部と対向するように、前記開口部よりも前記中心軸線方向における外側にて、前記ケーシングに装着されている。このシール部材は、前記ローラ本体部によって当該ローラ本体部の径方向に押圧されることで弾性的に変形しつつ、前記外周面の前記中心軸線方向における前記端部と摺擦するように構成されている。
【0009】
前記現像装置は、典型的には、供給ローラと、層厚規制部材と、を備えている。前記供給ローラは、前記現像ローラにおける前記外周面と摺擦することで当該外周面に前記現像剤を担持させる(供給する)ように、前記現像ローラと隣接して設けられている。前記層厚規制部材は、前記供給ローラとの摺擦によって前記現像剤が担持された、前記現像ローラの前記外周面と摺擦することで、当該外周面上の前記現像剤の担持量(層厚)を規制するように設けられている。この層厚規制部材は、典型的には、前記中心軸線方向に沿った長手方向を有する平板状の部材であって、当該長手方向及び厚さ方向と直交する方向における一端部である先端部にて前記現像ローラの前記外周面と摺擦するように設けられている。
【0010】
本発明の特徴は、前記シール部材の前記中心軸線方向における両側にて前記ケーシングに外側突起及び内側突起が設けられていて、前記シール部材が前記外側突起及び前記内側突起と当接しつつ両者の間にて支持されたことにある。すなわち、前記外側突起は、前記シール部材の前記中心軸線方向における外側の端縁と当接するように、前記シール部材と対向する前記外周面の前記現像ローラの回転による移動方向(以下、単に「移動方向」と称する。)に沿って設けられている。この外側突起は、前記ローラ支持部よりも前記中心軸線方向における内側にて突設されている。換言すれば、この外側突起は、前記中心軸線方向について、前記ローラ支持部から離隔した位置に設けられている。前記内側突起は、前記シール部材の前記中心軸線方向における内側の端縁と当接するように、前記外側突起に沿って設けられている。この内側突起は、前記開口部よりも前記中心軸線方向における外側にて(前記外周面に向けて)突設されている。なお、この内側突起の突出高さは、前記外側突起の突出高さ以下に設定され得る。
【0011】
前記シール部材の、前記移動方向における下流側の端部であって、前記外側突起側には、当該移動方向に沿って突出する突出部が設けられ得る。この場合、前記内側突起は、突出側当接部と、内側当接部と、終端当接部と、を備えている。前記突出側当接部は、前記突出部の前記中心軸線方向における内側の端縁と当接するように設けられている。前記内側当接部は、前記突出側当接部よりも、前記移動方向における上流側且つ前記中心軸線方向における内側に設けられている。前記終端当接部は、前記突出側当接部と前記内側当接部とを接続するように、前記中心軸線方向に沿って設けられている。この終端当接部は、前記シール部材における前記突出部が設けられていない部分の、前記移動方向における下流側の端縁と当接するようになっている。
【0012】
前記外側突起と、前記内側突起における前記突出側当接部との間であって、前記移動方向における前記突出部よりも下流側には、当該突出部が収容されていない空間である漏出現像剤収容部が形成され得る。
【0013】
前記ケーシングには、上流端当接突起がさらに設けられ得る。この上流端当接突起は、前記シール部材の、前記移動方向における上流側の端縁と当接するように突設されている。
【0014】
前記内側突起は、前記移動方向に沿って、前記外側突起に対応するように設けられ得る。すなわち、前記外側突起と前記内側突起とは、前記中心軸線方向に沿って対向するように設けられるとともに、前記移動方向における長さがほぼ同じとなるように形成され得る。
【0015】
前記シール部材は、その前記中心軸線方向における自由長が、前記外側突起と前記内側突起との間の空間の前記中心軸線方向における幅よりも広く形成され得る。
【0016】
前記シール部材は、前記外側突起と前記内側突起とによって、その間の空間内に係止され得る。
【発明の効果】
【0017】
かかる構成を有する本発明の現像装置においては、前記外側突起が、前記シール部材の前記中心軸線方向における外側の前記端縁と当接する。また、前記内側突起が、前記シール部材の前記中心軸線方向における内側の前記端縁と当接する。これにより、前記シール部材の前記中心軸線方向における両側に設けられた前記外側突起及び前記内側突起の間にて、当該シール部材が支持される。したがって、前記中心軸線方向に沿った「シール倒れ」の発生が、当該中心軸線方向における外側及び内側のいずれについても、効果的に抑制され得る。また、前記外側突起と前記内側突起との間に前記シール部材を挿入することで、当該シール部材の前記ケーシングへの装着が、簡易且つ良好に行われ得る。
【0018】
特に、前記外側突起と前記内側突起とが、前記中心軸線方向に沿って対向するように設けられるとともに、前記移動方向における長さがほぼ同じとなるように形成されることで、前記中心軸線方向に沿った「シール倒れ」の発生が、当該中心軸線方向における外側及び内側のいずれについても、よりいっそう効果的に抑制され得る。
【0019】
また、前記シール部材に前記突出部が設けられるとともに、かかる突出部に対応して、前記内側突起に前記突出側当接部と前記内側当接部と前記終端当接部とが設けられることで、前記シール部材に当接する前記内側突起の端縁がクランク状に形成される。これにより、前記シール部材と前記内側突起との当接部に沿って形成される僅かな隙間を通って前記現像剤が外部に漏出することが、効果的に抑制され得る。特に、前記漏出現像剤収容部が形成されることで、上述のような前記現像剤の漏出が、より効果的に抑制され得る。
【0020】
また、前記ケーシングに前記シール部材を装着する際に、当該シール部材の前記移動方向における上流側の前記端縁と前記上流側当接突起とを当接させることで、当該シール部材の前記ケーシングへの装着が、簡易且つ良好に行われ得る。
【0021】
また、前記内側突起の突出高さを前記外側突起の突出高さよりも低くした場合、前記中心軸線方向に沿った「シール倒れ」の発生を良好に抑制しつつ、前記シール部材を前記内側突起側に押しつける力を発生させることができる。これにより、前記シール部材が前記内側突起に良好に密着する。よって、前記シール部材による前記現像剤のシール性が、よりいっそう向上する。
【0022】
また、前記シール部材の前記中心軸線方向における自由長が、前記外側突起と前記内側突起との間の前記空間の前記中心軸線方向における幅よりも広く形成された場合、当該シール部材を前記外側突起と前記内側突起との間に挿入したときに、当該シール部材が前記外側突起と前記内側突起との間で良好に挟持される。これにより、前記シール部材が前記外側突起及び前記内側突起に良好に密着する。よって、前記シール部材による前記現像剤のシール性が、よりいっそう向上する。さらに、両面テープを用いなくても、前記シール部材を前記外側突起と前記内側突起との間に確実に係止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の一例であるレーザープリンタの全体構成を示す側断面図である。
【図2】図1に示されている、本発明の現像装置の一実施形態である現像カートリッジを、現像ローラ側から見た斜視図である。
【図3】図2に示されている現像カートリッジから現像ローラ及び層厚規制ブレードを取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示されている、本発明のシール部材としてのサイドシールの周辺を拡大した斜視図である。
【図5】図4に示されているサイドシールを取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】図4に示されているサイドシールの周辺を拡大した断面図である。
【図7】図6に示されている外側リブ及び内側突起(外側リブ及び内側リブ)の一変形例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
<レーザープリンタの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の一例であるレーザープリンタ1の全体構成を示す側断面図である。このレーザープリンタ1は、その内部にて、シート状の記録媒体である用紙Pを用紙搬送経路PP(paper path)に沿って搬送しつつ、当該用紙P上に、微粉末状の乾式現像剤としての非磁性一成分トナーによる像(以下、「トナー像」と称する。)を形成するように構成されている。
【0026】
なお、以下の説明では、図1における用紙搬送経路PPに沿って用紙Pが搬送される方向(すなわち用紙搬送経路PPの任意の位置における接線方向)を、「用紙搬送方向」と称する。また、図中右側を「前側」と称し、図中左側を「後側」と称する。よって、図1における左右方向がレーザープリンタ1の前後方向となる。さらに、図1における左右方向及び上下方向と垂直な方向(レーザープリンタ1の上述の前後方向及び高さ方向と垂直な方向)である、レーザープリンタ1の幅方向を、「用紙幅方向」と称する。この用紙幅方向は、用紙搬送方向及び用紙Pの厚さ方向と垂直な方向である。また、この用紙幅方向は、「主走査方向」とも称される。
【0027】
レーザープリンタ1は、本体部2と、用紙カセット3と、プロセスカートリッジ4と、を備えている。本体部2の内部には、用紙Pを用紙搬送経路PPに沿って搬送しつつ、当該用紙P上にトナーによる画像形成を行うための、各種の機構(その詳細については後述する)が備えられている。用紙カセット3は、本体部2の下方に設けられている。この用紙カセット3は、前後方向にスライドさせることで本体部2に対して脱着自在に装着されている。この用紙カセット3内には、多数枚のシート状の用紙Pが、積載状態で収容されている。
【0028】
本体部2内には、プロセスカートリッジ4が、着脱自在(交換可能)に収容されている。プロセスカートリッジ4内には、トナーが収容されている。ここで、本実施形態におけるレーザープリンタ1は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの4色のトナーを用いて、多色(いわゆるフルカラー)の画像形成が可能に構成されている。具体的には、本体部2の内部における、用紙搬送経路PPが側断面視にて前後方向にほぼ真っ直ぐに形成されている箇所に沿って、複数のプロセスカートリッジ4(4Y,4M,4C,4K)が、用紙搬送方向についてこの順で配列されている。プロセスカートリッジ4Y、4M、4C、及び4Kには、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナーが収容されている。
【0029】
<本体部の内部構成>
以下、本体部2の内部構成の詳細について、図1を参照しつつ説明する。
【0030】
給紙部21は、用紙カセット3に積載されている多数枚の用紙Pのうちの最上位のものをピックアップするとともに、ピックアップされた当該用紙Pを、複数のプロセスカートリッジ4のうちの用紙搬送方向における最上流側に位置するプロセスカートリッジ4Yに向けて搬送するように構成されている。露光部22は、画像情報に対応して変調された(ON/OFFが制御された)所定波長のレーザー光を発生するとともに、当該レーザー光を各プロセスカートリッジ4に供給するように構成されている。
【0031】
転写部23は、本体部2の内部にて上述のように配列された複数のプロセスカートリッジ4(4Y,4M,4C,4K)の各々と対向するように設けられている。この転写部23は、用紙搬送経路PPにおける、上述のように側断面視にて前後方向にほぼ真っ直ぐに形成されている箇所に沿って用紙Pを搬送しつつ、各プロセスカートリッジ4から用紙Pにトナー像を転写するように構成されている。具体的には、この転写部23は、転写ローラ23aと、ベルト駆動ローラ23bと、一対の用紙搬送ベルト23cと、を備えている。
【0032】
転写ローラ23aは、用紙幅方向と平行に配置されていて、当該用紙幅方向と平行な軸を中心として回転自在に構成されている。この転写ローラ23aは、トナーを用紙P側に静電気的に引きつけるための所定のバイアス電圧が印加されるように、所定の電源(図示せず)と接続されている。転写ローラ23aは、プロセスカートリッジ4と対向するように設けられている。すなわち、本実施形態においては、プロセスカートリッジ4の数と同数の複数の転写ローラ23aが、用紙搬送経路PPにおける、上述のように側断面視にて前後方向にほぼ真っ直ぐに形成されている箇所に沿って配列されている。
【0033】
一対のベルト駆動ローラ23bのうちの一方は、最上流側に位置するプロセスカートリッジ4Yと対向する転写ローラ23aよりも、用紙搬送方向におけるさらに上流側に配置されている。一対のベルト駆動ローラ23bのうちの他方は、最下流側に位置するプロセスカートリッジ4Kと対向する転写ローラ23aよりも、用紙搬送方向におけるさらに下流側に配置されている。一対のベルト駆動ローラ23bは、それぞれ、用紙幅方向と平行に配置されていて、当該用紙幅方向と平行な軸を中心として回転可能に構成されている。そして、一対のベルト駆動ローラ23bにおける前記一方又は他方は、モータ(図示せず)等の駆動源によって回転駆動されるようになっている。
【0034】
用紙搬送ベルト23cは、その内側表面が転写ローラ23aの周面と接触するように、一対のベルト駆動ローラ23bに架け渡されている。用紙搬送ベルト23cの、一対のベルト駆動ローラ23bの間で複数の転写ローラ23aに沿って配置された部分の外側表面は、プロセスカートリッジ4Y、4M、4C、及び4Kと対向するように設けられている。かかる部分は、用紙搬送経路PPにおける、上述のように側断面視にて前後方向にほぼ真っ直ぐに形成されている箇所を構成するように、略平面状になっている。そして、この用紙搬送ベルト23cは、一対のベルト駆動ローラ23bの回転駆動によって、その外側表面が側断面視にて略長円状の軌道上を移動するようになっている。
【0035】
転写部23よりも用紙搬送方向における下流側には、定着部24が設けられている。定着部24は、転写部23によってトナーが転写された用紙Pを加圧及び加熱することで、当該用紙P上にトナーを定着させるように構成されている。定着部24よりも用紙搬送方向における下流側には、排紙部25が設けられている。排紙部25は、定着部24を経てトナーが定着された用紙Pを、本体部2の外部に排出するように構成されている。
【0036】
<プロセスカートリッジ>
プロセスカートリッジ4のケーシングをなすプロセスフレーム40は、本体部2に対して脱着自在(交換可能)に装着されている。このプロセスフレーム40には、感光体ドラム41と帯電器42とが装着されている。感光体ドラム41は、その外周部に感光体層が形成された、円筒形状の部材であって、プロセスフレーム40によって、回転可能に支持されている。すなわち、感光体ドラム41は、用紙幅方向と平行な軸を中心として回転駆動されることで、その周面である静電潜像担持面が用紙幅方向と直交する方向に移動するようなっている。帯電器42は、当該静電潜像担持面を一様に帯電させるために、当該静電潜像担持面と対向するように設けられている。
【0037】
プロセスフレーム40には、現像カートリッジ43が、脱着自在(交換可能)に装着されている。本発明の現像装置としての現像カートリッジ43は、帯電器42によって一様に帯電された後に露光部22によってレーザー光が照射されることによって静電潜像が形成された静電潜像担持面に、帯電したトナーを供給することで、静電潜像をトナーによって現像するように構成されている。
【0038】
現像カートリッジ43は、アジテータ43aと、供給ローラ43bと、現像ローラ43c(現像ローラ本体部43c1及び現像ローラシャフト43c2を含む)と、層厚規制ブレード43dと、を備えている。この現像カートリッジ43は、その内部の空間であるトナー収容室TC内にトナーを収容するとともに、供給ローラ43bと現像ローラ本体部43c1との摺擦及び現像ローラ本体部43c1と層厚規制ブレード43dとの摺擦によって、非磁性一成分トナーを帯電させつつ現像ローラ43c上に所定量(厚さ)で担持させるように構成されている。
【0039】
アジテータ43aは、トナー収容室TC内に収容されている。このアジテータ43aは、用紙幅方向と平行な軸を中心として回転駆動されることで、トナー収容室TC内に貯留されたトナーを攪拌するようになっている。
【0040】
供給ローラ43bは、用紙幅方向と平行な金属製の円棒状部材である供給ローラシャフト43b1と、その周囲に形成されたスポンジ層である供給ローラ本体部43b2と、から構成されている。この供給ローラ43bは、上述の供給ローラシャフト43b1を中心とした回転駆動によって現像ローラ本体部43c1の円柱面状の外周面と上述の供給ローラ本体部43b2とが摺擦することで、当該外周面にトナーを担持させるように、現像ローラ43cと隣接して設けられている。
【0041】
現像ローラ43cは、円柱状の現像ローラ本体部43c1と、用紙幅方向と平行な金属製の円棒状部材である現像ローラシャフト43c2と、から構成されている。現像ローラ43cは、供給ローラ43bと平行に設けられている。この現像ローラ43cは、供給ローラ43bと同一方向に回転駆動されることで、供給ローラ43bとのニップ部(圧接部)にて、現像ローラ本体部43c1の円柱面状の外周面が上述の供給ローラ43bにおける供給ローラ本体部43b2と逆方向に移動しつつ摺擦するようになっている。
【0042】
層厚規制ブレード43dは、供給ローラ43bと現像ローラ43cとの上述のニップ部に向かって突出するように設けられている。この層厚規制ブレード43dは、上述の突出方向における先端部が現像ローラ本体部43c1の円柱面状の外周面と当接しつつ摺擦することで、当該外周面上に担持されたトナーの量(厚さ)を規制するようになっている。具体的には、層厚規制ブレード43dは、用紙幅方向に沿った長手方向を有する金属板からなるブレード本体と、上述の先端部に設けられたゴムチップと、から構成されている。本実施形態においては、層厚規制ブレード43dは、現像ローラ43cの回転により移動する、現像ローラ本体部43c1の円柱面状の外周面に対して、いわゆる「カウンター当接」するように設けられている。
【0043】
<<現像ケーシングの構成の詳細>>
現像カートリッジ43のケーシングをなす、本発明の「ケーシング」に相当する現像ケーシング430は、トナーを収容するとともに、アジテータ43a、供給ローラ43b及び現像ローラ43cを回転可能に支持するように構成されている。図2は、図1に示されている現像カートリッジ43を、現像ローラ43c側から見た斜視図である。図3は、図2に示されている現像カートリッジ43から現像ローラ43c及び層厚規制ブレード43dを取り外した状態を示す斜視図である。以下、図1〜図3、及び必要に応じて他の図面を参照しつつ、現像ケーシング430の構成の詳細について説明する。
【0044】
現像ケーシング430の本体部をなす、トナー収容部430aは、その内部のトナー収容室TCにてトナーを収容しつつ、現像ローラ43cに面する位置に設けられた開口部430a1以外の箇所からトナーが外部に漏出しないように形成された、箱状部材である。開口部430a1は、トナー収容室TC内に収容されたトナーを、供給ローラ43bを介して現像ローラ43cに供給するために、トナー収容部430aと現像ローラ収容部430bとを連通させるように設けられた、貫通孔であって、現像ローラ43cの中心軸線に沿った長手方向を有する略矩形状に形成されている。
【0045】
現像ローラ収容部430bは、トナー収容部430aの開口部430a1が設けられた部分から、現像ケーシング430の外側に向けて開口するように、現像ローラ43cの中心軸線方向と直交する方向に突設されている。すなわち、現像ローラ収容部430bは、層厚規制ブレード43dとの摺擦によりトナーの担持状態が薄層化された、現像ローラ本体部43c1の周面を、供給ローラ43bとのニップ部とは反対側の位置にて、現像ケーシング430の外側の感光体ドラム41に向けて露出するように設けられている。
【0046】
アジテータ43aは、トナー収容部430aにおける、開口部430a1よりも奥側の位置(開口部430a1から最も離隔した壁面と開口部430a1との間の位置)にて、回転自在に支持されている。供給ローラ43bは、トナー収容部430aにおける、開口部430a1の近傍にて、回転自在に支持されている。現像ローラ43cは、トナー収容部430aの外側の現像ローラ収容部430bの、用紙幅方向における両端部である、後述する現像ローラ支持部430b1にて、回転自在に支持されている。
【0047】
図2及び図3に示されているように、現像ローラ収容部430bは、一対の現像ローラ支持部430b1を備えている。本発明のローラ支持部としての、現像ローラ支持部430b1は、現像ローラ収容部430bの側板をなす板状の部材であって、軸受を介して現像ローラシャフト43c2の端部(現像ローラ本体部43c1よりも中心軸線方向における外側に露出した部分)を回転自在に支持するように形成されている。
【0048】
トナー収容部430aの開口部430a1が設けられた部分における上端部には、層厚規制ブレード43dの基端部(上述の突出方向における先端部とは反対側の端部)を支持するための金属製の板状部材である、ブレード支持板431(図2参照)が固定されている。すなわち、層厚規制ブレード43dは、その基端部がブレード支持板431を介してトナー収容部430aの開口部430a1が設けられた部分における上端部(開口部430a1を挟んで現像ローラ収容部430bの底面と対向する部分)に固定されることで、上述の先端部が現像ローラ本体部43c1の円柱面状の外周面と当接(摺擦)するようになっている。また、ブレード支持板431は、現像ローラ本体部43c1及び層厚規制ブレード43dと協働して、開口部430a1を、用紙幅方向と垂直な方向(現像ローラ43cの回転による現像ローラ本体部43c1の外周面の移動方向)について実質的に塞ぐようになっている。
【0049】
<<<サイドシール周辺部分の構成>>>
図3を参照すると、現像ケーシング430の、開口部430a1の近傍且つ用紙幅方向における外側であって、現像ローラ本体部43c1の用紙幅方向における端部と対向する位置には、本発明のシール部材としての、一対のサイドシール432が装着されている。すなわち、サイドシール432は、トナー収容部430aにおける開口部430a1が設けられている部分の開口部430a1よりも用紙幅方向における外側にて現像ローラ43cと対向する面から、現像ローラ収容部430bの底面の用紙幅方向における外側の端部まで、上述の現像ローラ本体部43c1の外周面の移動方向(図中二点鎖線の矢印MD参照:以下単に「移動方向MD」と称する。)に沿って設けられている。このサイドシール432は、現像ローラ本体部43c1の用紙幅方向における端部によって当該現像ローラ本体部43c1の径方向に押圧されることで弾性的に変形しつつ、当該端部における外周面と摺擦するように構成されている。
【0050】
図4は、図3に示されている、本発明のシール部材としてのサイドシール432の周辺を拡大した斜視図である。図5は、図4に示されているサイドシール432を取り外した状態を示す斜視図である。図6は、図4に示されているサイドシール432の周辺を拡大した断面図である。
【0051】
図4に示されているように、サイドシール432は、発泡スポンジからなる板状の弾性体であるシール本体432aを備えている。移動方向MDにおける、シール本体432aの下流側の端部には、突出部432a1が、当該移動方向MDに沿って突設されている。本実施形態においては、突出部432a1は、シール本体432aの、用紙幅方向における外側に寄せた位置に設けられている。すなわち、シール本体432aの、移動方向MDにおける下流側の端部であって、用紙幅方向における内側には、切り欠き部が形成されている。また、シール本体432aの、現像ローラ本体部43c1と対向する面には、薄板状の摺動パイル432bが貼り付けられている。
【0052】
シール本体432aの、移動方向MDにおける下流側の部分(図4における上側の部分)は、外側リブ433及び内側突起434の間に係止されている。外側リブ433及び内側突起434は、トナー収容部430aの、開口部430a1の近傍且つ用紙幅方向における外側から、現像ローラ本体部43c1に向かって突出するように設けられている。外側リブ433及び内側突起434は、用紙幅方向に沿って互いに対向するように配置されている。本実施形態においては、外側リブ433及び内側突起434は、移動方向MDにおける長さがほぼ同じとなるように形成されている。
【0053】
本発明の外側突起としての外側リブ433は、移動方向MDに沿った長手方向を有するリブ状の突起であって、シール本体432aの用紙幅方向における外側の端縁と当接するように設けられている。この外側リブ433は、現像ローラ支持部430b1よりも用紙幅方向における内側にて、当該現像ローラ支持部430b1の内壁面から離隔するように配置されている。
【0054】
内側突起434は、シール本体432aの用紙幅方向における内側の端縁と当接するように、移動方向MDに沿って設けられている。本実施形態における内側突起434は、突出側当接部434aと、内側当接部434bと、終端当接部434cと、を備えている。
【0055】
突出側当接部434aは、内側当接部434bよりも移動方向MDにおける下流側且つ用紙幅方向における外側に配置されている。この突出側当接部434aは、突出部432a1の用紙幅方向における内側の端縁と当接するように設けられている。内側当接部434bは、シール本体432aの用紙幅方向における内側の端縁であって、突出部432a1よりも移動方向MDにおける上流側と当接するように設けられている。終端当接部434cは、突出側当接部434aと内側当接部434bとを用紙幅方向に沿って接続するように形成されている。この終端当接部434cは、シール本体432aの突出部432a1が設けられていない部分(突出部432a1よりも用紙幅方向における内側の部分)の、移動方向MDにおける下流側の端縁と当接するように設けられている。すなわち、シール本体432aの移動方向MDにおける下流側の部分と当接する、内側突起434の端縁は、クランク状に形成されている。
【0056】
突出側当接部434aは、突出部432a1よりも、移動方向MDにおける長さが長くなるように形成されている。すなわち、外側リブ433と突出側当接部434aとの間であって、移動方向MDにおける突出部432a1よりも下流側には、当該突出部432a1が収容されていない空間(窪み)である漏出トナー収容部435が形成されている。この漏出トナー収容部435は、シール本体432aの突出部432a1が設けられていない部分の移動方向MDにおける下流側の端部と内側突起434(内側当接部434b及び終端当接部434c)との当接部に沿って形成される僅かな隙間を通って外部に漏出しようとするトナー(これはたとえ存在したとしても非常に微量である)を収容することで、当該トナーの漏出を抑制するようになっている。
【0057】
シール本体432aの、移動方向MDにおける上流側の部分(図4における下側の部分)は、外側リブ436及び内側リブ437の間に係止されている。外側リブ436及び内側リブ437は、トナー収容部430a及び現像ローラ収容部430bの、底面の用紙幅方向における外側の端部にて、現像ローラ本体部43c1に向かって突出するように設けられている。外側リブ436及び内側リブ437は、用紙幅方向に沿って互いに対向するように配置されている。本実施形態においては、外側リブ436及び内側リブ437は、移動方向MDにおける長さがほぼ同じとなるように形成されている。
【0058】
本発明の外側突起としての外側リブ436は、移動方向MDに沿った長手方向を有するリブ状の突起であって、シール本体432aの用紙幅方向における外側の端縁と当接するように設けられている。この外側リブ436は、現像ローラ支持部430b1よりも用紙幅方向における内側にて、当該現像ローラ支持部430b1の内壁面から離隔するように配置されている。本発明の内側突起としての内側リブ437は、移動方向MDに沿った長手方向を有するリブ状の突起であって、シール本体432aの用紙幅方向における内側の端縁と当接するように、外側リブ436と平行に設けられている。
【0059】
図6における(i)に示されているように、本実施形態においては、シール本体432aは、その用紙幅方向(図中左右方向)における自由長Wsが外側リブ433と内側突起434との間(外側リブ436と内側リブ437との間)の空間の幅Wrよりも広くなるように形成されている。すなわち、シール本体432aは、図6における(ii)に示されているように、外側リブ433と内側突起434との間(外側リブ436と内側リブ437との間)に挿入されることで、用紙幅方向に沿って圧縮されつつ係止される(両面テープを用いることなく嵌め込まれる)ようになっている。
【0060】
また、本実施形態においては、内側突起434は、その突出高さが外側リブ433と同一となるように形成されている。同様に、内側リブ437は、その突出高さが外側リブ436と同一となるように形成されている。具体的には、本実施形態においては、外側リブ433、内側突起434、外側リブ436、及び内側リブ437は、突出高さが同一となるように形成されている。
【0061】
シール本体432aの、移動方向MDにおける上流側の端縁(図4における下側且つ手前側の端縁)と対向(当接)する位置には、上流端当接リブ438が設けられている。上流端当接リブ438は、現像ローラ支持部430b1の底面から、現像ローラ本体部43c1に向かって突出するように形成されている。
【0062】
トナー収容部430aにおける供給ローラ本体部43b2(図1参照)が収容される部分の、用紙幅方向における両端部に設けられた側壁(隔壁)には、切り欠き部である供給ローラシャフト挿通部439が形成されている。この供給ローラシャフト挿通部439に対応する位置には、供給ローラシャフトシール439aが、上述の側壁に対して用紙幅方向における外側にて隣接(密着)するように設けられている。この供給ローラシャフトシール439aは、弾性体であるスポンジからなり、供給ローラ43bの両端部にて供給ローラ本体部43b2から露出する供給ローラシャフト43b1(図1参照)が挿通されることで、供給ローラシャフト挿通部439(供給ローラシャフト挿通部439と供給ローラシャフト43b1との隙間)から外部へのトナーの漏出を抑制するように設けられている。
【0063】
本実施形態においては、供給ローラシャフトシール439aは、シール本体432aの摺動パイル432bが貼り付けられている面とは反対側の面と弾性的に密着するように設けられている。すなわち、供給ローラシャフトシール439aとシール本体432aとは、これら自身の弾性によって互いに密着するようになっている。
【0064】
<実施形態の構成による作用・効果>
本実施形態においては、サイドシール432(シール本体432a)の両側に、外側リブ433及び内側突起434(外側リブ436及び内側リブ437)が、移動方向MDについてほぼ同じ長さで設けられる。これにより、サイドシール432(シール本体432a)の用紙幅方向における両端縁が、外側リブ433及び内側突起434によって良好に支持される。よって、サイドシール432における「シール倒れ」の発生が、用紙幅方向における内側及び外側の双方について、良好に抑制される。
【0065】
また、サイドシール432(シール本体432a)の移動方向MDにおける下流側の端部であって、用紙幅方向における内側には、切り欠き部が設けられる。そして、かかる切り欠き部に対応して、サイドシール432(シール本体432a)の移動方向MDにおける下流側の部分と当接する、内側突起434の端縁は、クランク状に形成される。さらに、外側リブ433と内側突起434における突出側当接部434aとの間であって、移動方向MDにおける突出部432a1よりも下流側には、漏出トナー収容部435が形成される。
【0066】
したがって、本実施形態の構成によれば、サイドシール432から用紙幅方向における外側への、トナーの漏出が、効果的に抑制される。すなわち、かかる構成によれば、現像ローラ本体部43c1の両端部における、非磁性一成分トナーの漏出が、より効果的に抑制される。
【0067】
また、本実施形態の構成によれば、サイドシール432の移動方向MDにおける上流側の端縁を上流端当接リブ438に当接させることで、サイドシール432の装着が簡易且つ良好に行われる。さらに、サイドシール432を、外側リブ433と内側突起434との間(外側リブ436と内側リブ437との間)に、両面テープを用いることなく確実に係止することができる。この場合、供給ローラシャフトシール439aとシール本体432aとの当接(密着)部にて両者が弾性的に接触することで、両者を両面テープ等によって互いに固着させなくても、両者の間を通ってのトナー漏出が良好に抑制され得る。
【0068】
<変形例の例示>
なお、上述の実施形態は、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、実施形態や変形例の、全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、互いに複合的に適用され得る。本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
【0069】
・本発明の適用対象は、多色画像形成可能なレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、単色のレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。また、本発明は、感光体を用いない方式(マルチスタイラス電極方式、イオンフロー方式、トナージェット方式、等)の画像形成装置における、現像剤供給装置に対しても、好適に適用され得る。
【0070】
・上述の実施形態における用紙搬送ベルト23cに代えて、トナー像をその表面に担持可能な、中間転写ベルトあるいは感光体ベルトが用いられていてもよい。この場合、プロセスカートリッジ4や給紙部21の構成、定着部24や排紙部25の配置、及びこれらに基づく用紙搬送経路PPの態様は、上述の実施形態におけるものから適宜変更される。
【0071】
・本発明は、上述の実施形態のような、プロセスカートリッジ4の具体的な構成に何ら限定されない。すなわち、例えば、プロセスフレーム40は、本体部2に固定されていてもよい。あるいは、プロセスフレーム40と現像ケーシング430とが、一体(着脱不能)に構成されていてもよい。あるいは、上述のように、用紙搬送ベルト23cに代えて感光体ベルトが用いられる場合、プロセスフレーム40が省略されるとともに、複数の現像カートリッジ43が、用紙搬送経路PPにおける、上述のように側断面視にて前後方向にほぼ真っ直ぐに形成されている箇所に沿って配列される。
【0072】
・シール本体の自由長Wsは、幅Wrと同じであってもよい。また、摺動パイル432bは、省略され得る。
【0073】
・図7は、図6に示されている外側リブ433及び内側突起434(外側リブ436及び内側リブ437)の一変形例の構成を示す断面図である。図7に示されているように、本変形例においては、内側突起434は、その突出高さが外側リブ433よりも低くなるように形成されている。同様に、内側リブ437は、その突出高さが外側リブ436よりも低くなるように形成されている。
【0074】
かかる構成においては、シール本体432aの上端部であって用紙幅方向における内側の部分が、内側突起434及び内側リブ437からはみ出ることで、シール本体432aを内側突起434及び内側リブ437側に押しつける力が発生する。これにより、用紙幅方向における「シール倒れ」が抑制された状態が保持されつつ、シール本体432aが、内側突起434及び内側リブ437に良好に密着する。したがって、サイドシール432によるシール性が、よりいっそう向上する。
【0075】
なお、内側突起434の突出高さが外側リブ433よりも低いか、内側リブ437の突出高さが外側リブ436よりも低いか、のいずれか一方のみが実現されていてもよい。
【0076】
・外側リブ433及び外側リブ436の突出高さは、サイドシール432の形状によって適宜設定され得る。すなわち、サイドシール432の形状によっては、外側リブ433の突出高さと外側リブ436の突出高さとが異なっていてもよい。
【0077】
突出側当接部434a及び終端当接部434cは、図4に示されているように単一の突起部を形成するものではなく、それぞれ別々のリブ状突起として形成されていてもよい。
【0078】
・その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した他の出願や公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして、必要に応じて且つ技術的に矛盾しない範囲内において援用され得る。
【符号の説明】
【0079】
43…現像カートリッジ 43c…現像ローラ 43c1…現像ローラ本体部
430…現像ケーシング 430a…トナー収容部 430a1…開口部
430b…現像ローラ収容部 430b1…現像ローラ支持部
432…サイドシール 432a…シール本体 432a1…突出部
433…外側リブ 434…内側突起 434a…突出側当接部
434b…内側当接部 434c…終端当接部 435…漏出トナー収容部
436…外側リブ 437…内側リブ 438…上流端当接リブ
MD…移動方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2009−63635号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱面状の外周面上に非磁性一成分現像剤を担持する円柱状のローラ本体部を備えた、現像ローラと、
内部に前記現像剤を収容するように箱状に形成された現像剤収容部と、前記現像剤収容部から前記現像ローラの中心軸線方向と直交する方向に突出することで前記現像ローラを前記中心軸線方向における前記ローラ本体部よりも外側の両端部にて回転可能に支持するように設けられた板状のローラ支持部と、を備えるとともに、前記現像剤収容部と前記ローラ支持部とを連通させるように前記中心軸線に沿った長手方向を有する開口部が形成された、ケーシングと、
前記ローラ本体部の前記外周面の前記中心軸線方向における端部と対向するように、前記開口部よりも前記中心軸線方向における外側にて前記ケーシングに装着されていて、前記ローラ本体部によって当該ローラ本体部の径方向に押圧されることで弾性的に変形しつつ前記外周面の前記中心軸線方向における前記端部と摺擦するように構成された、シール部材と、
を備えた、非磁性一成分現像装置において、
前記ケーシングは、
前記シール部材の前記中心軸線方向における外側の端縁と当接するように、前記シール部材と対向する前記外周面の前記現像ローラの回転による移動方向に沿って設けられ、前記ローラ支持部よりも前記中心軸線方向における内側にて突設された、外側突起と、
前記シール部材の前記中心軸線方向における内側の端縁と当接するように、前記外側突起に沿って設けられ、前記開口部よりも前記中心軸線方向における外側にて突設された、内側突起と、
を備えたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記シール部材の、前記移動方向における下流側の端部であって、前記外側突起側には、当該移動方向に沿って突出する突出部が設けられ、
前記内側突起は、
前記突出部の前記中心軸線方向における内側の端縁と当接するように設けられた、突出側当接部と、
前記突出側当接部よりも、前記移動方向における上流側且つ前記中心軸線方向における内側に設けられた、内側当接部と、
前記突出側当接部と前記内側当接部とを接続するように前記中心軸線方向に沿って設けられ、前記シール部材の前記突出部が設けられていない部分の、前記移動方向における下流側の端縁と当接する、終端当接部と、
を備えたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記外側突起と、前記内側突起における前記突出側当接部との間であって、前記移動方向における前記突出部よりも下流側には、当該突出部が収容されていない空間である漏出現像剤収容部が形成されたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記ケーシングは、
前記シール部材の、前記移動方向における上流側の端縁と当接するように突設された、上流端当接突起をさらに備えたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記内側突起は、前記移動方向に沿って、前記外側突起に対応するように設けられたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記内側突起の突出高さは、前記外側突起の突出高さ以下であることを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記シール部材は、その前記中心軸線方向における自由長が、前記外側突起と前記内側突起との間の空間の前記中心軸線方向における幅よりも広く形成されたことを特徴とする、非磁性一成分現像装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の、非磁性一成分現像装置であって、
前記シール部材は、前記外側突起と前記内側突起とによって、その間の空間内に係止されていることを特徴とする、非磁性一成分現像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−227107(P2011−227107A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93602(P2010−93602)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】