説明

非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料及びこの樹脂を用いた製品の製造方法

本発明は非金属材料により処理された変性熱可塑性樹脂複合材料に関する。この複合材料は、以下のパーセンテージで各原材料を含んでいる:充填材料50%〜70%、ポリプロピレン25%〜40%、マレイン酸変性ポリプロピレン3%〜6%、酸化チタン1%〜3%及び酸化防止剤1%〜2%。当該充填材料はステアリン酸により処理された変性材料である。本発明は当該非金属材料により処理された変性熱可塑性樹脂複合材料を利用し、衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用品を製造する方法を提供する。当該原材料は入手しやすく、製造には長時間の焼結が必要なく、エネルギーの消耗量も少ない。機械のオートメーション化は高く、労働強度も軽減される。歩留まりは高く、製品は工業化、規模化生産に適する。本発明の非金属材料により処理された変性熱可塑性樹脂複合材料は衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用品の製造に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の熱可塑性樹脂複合材料に関し、具体的には、珪灰石及び炭酸カルシウムで変性された熱可塑性樹脂複合材料、並びにこの材料を利用して製品を製造する方法に関する。当該複合材料で衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用品を造ることができる。
【背景技術】
【0002】
一般に、衛生器具には浴槽、手洗器、便座、便器などがある。ほとんどは陶土で焼結した陶磁器製品である。まずは陶土を衛生器具の形に作らせ、焼結する。焼結してから表面に釉をかけ、もう一度焼結する。この焼結には大量の石炭または天然ガスを必要とするため、大量のCOを排出し、エネルギーも大量に消耗される。CO排出が多いと、空気が汚染される。そして、焼結工程では、温度の不均一により、製品には裂け目や変形などの不良が出る可能性があり、そうなると大量のものが不良品になり、廃棄されるため、二次汚染になり、コストも高くなる。同時に、生産に必要な陶土資源も日々減少し、一旦この資源がなくなると、陶土を利用し衛生器具を造ることもできなくなる。
【0003】
近年来、人工瑪瑙またはアクリルで衛生器具を造る技術も現れた。特許番号はZL200410040962.6である中国の特許「鋳造法により成形したアクリル便座」(特許文献1)を参照のこと。当該特許では、便座のパーツは、すべて樹脂と瑪瑙粉の混合物を使い、鋳造型に注入することによって、製造される。製造した製品には陶磁器と同等の一般的な特徴があるが、プロセスは比較的複雑で、製品の外観も理想的ではなく、実用性も良くない。そして、大量的に石油副産品を消耗し、自浄能力が悪い。この上で、別のアクリルと繊維強化プラスチック複合構造の便座が公開された。登録番号はZL200620034821.8である中国の実用新案登録「アクリルと繊維強化プラスチック複合構造の便座」(特許文献2)。しかし、外見ではプラスチック製品のようであり、触感、耐用性及び使用性はいずれも理想的ではない。
【0004】
中国発明特許申請番号が96106392.0である特許出願は「人造大理石製品及びその製造方法」の公開を申請した(特許文献3)。当該出願は大理石の粉、不飽和ポリエステル樹脂、水酸化アルミニウム及び珪灰石を主な原材料とし、鋳造プロセスにより製造される。製品性能と製造レベルは改善されたが、製品は扱いにくく、プロセスの実用性も悪い。表面の平滑度及び光沢度は悪く、製造効率は低い。工業化大規模生産には適しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許第126923(C)号明細書
【特許文献2】中国実用新案第2926350号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第1167741号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料を提供する。当該材料を利用し衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用品が製造される。省エネルギーで、CO排出が少なく、汚染が無い。そして製品には、強靱性が高い、強度が良い、平滑度及び光沢度が良いなどの特徴がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料であって、原材料を下記のパーセンテージ:
【表1】

で含み、上記充填材料はステアリン酸により変性処理された充填材料である、熱可塑性樹脂複合材料を提供する。
【0008】
上記充填材料は、珪灰石もしくは炭酸カルシウム、または珪灰石と炭酸カルシウムとの混合物である。
【0009】
上記変性処理とは、1〜5重量%のステアリン酸(C1636、融点は69.6℃)と95〜99重量%の充填材料を高速攪拌機により90℃〜100℃の温度で、15〜30分間撹拌し、ステアリン酸と充填材料を充分混合して、互いに充分衝突させ、表面に粒子を付着させる効果を生じさせる処理をいう。変性処理済みの炭酸カルシウム及び珪灰石はポリプロピレンとよく結合し、材料間の相溶性を大幅に高めるとともに、炭酸カルシウム、珪灰石の表面の油の吸着性を低め、炭酸カルシウム及び珪灰石の添加比率を大幅に高め、変性された非金属熱可塑性複合材料に高充填性の特徴を持たせる。変性された非金属材料にはより良い相溶性及び高充填性があり、当該変性された非金属材料複合材料を使用し成形した衛生器具には、硬くて強度が高い、耐腐食の特徴があり、そして天然石材料の質感がある。
【0010】
上記珪灰石は細柱状の無機鉱物であり、無毒、耐蝕、熱安定性及び寸法安定性が良いという特徴がある。表面にはパール感があり、水及び油の吸収率が低く、力学的性能及び電気性能が良く、そして、ある程度の補強作用がある。上記炭酸カルシウムは変性処理されないままにポリプロピレンと十分に溶融することができ、そして価格も安いため、珪灰石の他の、もう一種の理想的な充填材料である。本発明は規格の違う珪灰石もしくは炭酸カルシウム、またはこの二種類の材料の混合物を充填材料として使用し、これにより複合材料の密度を保証するとともに、粘着剤も節約することができる。
【0011】
このポリプロピレン材料を熱可塑性複合材料の接着剤とする。ポリプロピレンの特徴としては、結晶度が高く、密度が比較的小さく(約0.90〜0.91g/cm)、融点は170〜175℃の範囲内であり、分子量は15〜70万であるということが挙げられる。高分子材料の中ではポリプロピレンの耐熱性は比較的良く、熱変形温度は90〜105℃である。ポリプロピレンは非極性高分子であり、優れた電気絶縁性、優れた耐熱性がある。その他、良好な化学的安定性も有する。ポリプロピレンにはほとんど吸水性が無く、強い酸化性酸(発煙硫酸、発煙硝酸)を除いてほとんどの酸に対し良い安定性を有していて、耐アルカリ性も良い。そして、ポリプロピレンの強度、剛性ともにポリエチレンより良く、特に優れた耐屈曲疲労性を有する。短所としては、クリープ変形がポリアミドやピリ塩化ビニルより大きいということが挙げられる。
【0012】
さらに、このポリプロピレン材料としては、M700ポリプロピレンもしくはM2600ポリプロピレン、またはM700ポリプロピレンとM2600ポリプロピレンの混合物が挙げられる。実際の生産中に、具体的な製品の要求の基づき適合した規格のポリプロピレンまたは異なる規格のポリプロピレンの混合物を選んで接着剤として使い、製品の必要な硬度と吸着性を満足することができる。
【0013】
一般に、熱可塑性樹脂の長所としては、加工成型が簡便で、比較的高い機械的性能を有するということが挙げられる。短所としては、耐熱性と剛性が比較的悪いということが挙げられる。本発明は、珪灰石、炭酸カルシウム、またはこの二種類の材料の混合物を利用し、熱可塑性樹脂の性能を増強した熱可塑性樹脂複合材料を開発した。この熱可塑性樹脂複合材料は、力学的性能、熱変形温度、寸法安定性、耐低温衝撃性能及び耐劣化性能が改善されているだけではなく、一部の性能は熱硬化性ガラス繊維強化複合材料と同等であるかまたはそれを超えている。そして、当該熱可塑性樹脂複合材料は、一般の射出成型方法でも加工製造することができる。
【0014】
本発明では、充填材料の含有量は50%〜70%である。一般的に言えば、珪灰石、炭酸カルシウム、またはこの二種類の材料の混合物によって変性された熱可塑性樹脂複合材料により、下記の効果が実現される:(1)引張、屈曲、圧縮などの力学的強度及び弾性係数を向上させ、耐クリープ変形性を改善させる、(2)熱変形温度を向上させる、(3)線膨張係数を小さくする、(4)吸水率を小さくさせ、寸法安定性を向上させる、(5)熱伝導率を高める、(6)硬度を高める、(7)応力き裂を抑制する、(8)燃焼性を阻止・遅延させる、(9)電気性能を改善させる。
【0015】
上記マレイン酸変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンがマレイン酸とグラフト反応して生成したものである。非極性の分子鎖に極性の強い側鎖を導入したマレイン酸グラフトポリプロピレンは極性材料と非極性材料の密着性及び相溶性を増強する媒介物である。充填ポリプロピレンを生産する際に、マレイン酸変性ポリプロピレンを添加すれば、充填材料とポリプロピレンとの親和性及び充填材料の分散性を大幅に向上させることができるため、ポリプロピレンの中での充填材料の分散度を高めることができ、充填ポリプロピレンの引張性と耐衝撃強度も向上させることができる。
【0016】
上記の酸化チタンは白色剤として利用されている。
【0017】
ポリプロピレンの高分子鎖にある第三級炭素は酸素による攻撃に非常に敏感で、このためポリプロピレンは光、熱及び空気の酸化により劣化しやすいため、ポリプロピレンの劣化を抑制する目的で、本発明の複合材料は酸化防止剤も含む。
【0018】
本発明は、非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料を利用して衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用製品を製造する方法を提供する。当該方法は下記のステップを含んでいる。
ステップ1:所定量のポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、酸化チタン、充填材料及び酸化防止剤を攪拌機により均一的に撹拌するステップ、
ステップ2:上記混合した原材料を二軸押出機のホッパーに入れ、加熱・成形するステップ、
ステップ3:加熱・成形した複合材料を押出機により押し出して、この複合材料を冷却させるステップ、
ステップ4:冷却処理した複合材料を造粒機に入れ、粒状の複合材料粒子を造るステップ、
ステップ5:上記の複合材料粒子を乾燥機に入れ、加熱して乾燥させるステップ、
ステップ6:乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱し、複合材料粒子を溶融させ、成形機を利用し、シリンダーにある複合材料を製品の金型に射出するステップ、
ステップ7:冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却するステップ、及び
ステップ8:金型を開いて、成形した製品を取り出すステップ。
【0019】
さらに、上記ステップ6では、成形機はピストン式シリンダーを有し、熔融した複合材料を大きな圧力により製品の金型に射出する。
【0020】
上記ステップ7では、冷却水の温度は5℃〜10℃である。
【0021】
本発明は、白色度95%以上の品質の良い珪灰石、炭酸カルシウム、またはこの二種類の材料の混合物及ポリプロピレンを主な原材料として、押出機と造粒機により複合材料粒子を製造する。そのあと成形機で、複合材料粒子を加熱・熔融して、熔融した複合材料粒子を大きな圧力により金型に射出し、冷却してから製品を得る。本発明により提供された製造方法に必要な原材料は容易に入手できるものであり、製造工程にも長時間の焼結は必要としない。エネルギーの消耗量は低くなる。機械のオートメーション化は高く、労働強度は軽減される。従来のプロセスよりも、当該生産プロセスは先進的である。射出成形法を利用できるため歩留まりは高く、製品は工業化・大規模生産に適合し、不良品は無い。そして、本発明の複合材料及び製造方法により製造した製品は鏡のような外観があり、自浄能力は良く、汚れが付着し難い。製品は薄くて、軽く、高級感がある。また、高い強靱性と強度も特徴である。
【0022】
本発明により提供された熱可塑性樹脂複合材料、及び当該材料を利用し製品を製造する方法は、衛生器具シリーズ,衛生器具用金物シリーズ、アウトドア製品シリーズ、外装用管材シリーズ、ランドスケープ用品シリーズなどの製品の製造に広く利用される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、実施例をあげて、本発明の技術方法をさらに説明する。
【0024】
本発明の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料を利用して製品を製造する方法は、主に下記のステップを含んでいる。
ステップ1:混合のパーセンテージに基づき、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、酸化チタン、充填材料及び酸化防止剤を攪拌機により均一的に撹拌するステップ、
ステップ2:上記混合した原材料を二軸押出機のホッパーに入れ、加熱・成形するステップ、
ステップ3:加熱・成形した複合材料を二軸押出機により押し出して、この複合材料を冷却させるステップ、
ステップ4:冷却処理した複合材料を造粒機に入れ、粒状の複合材料粒子を造るステップ、
ステップ5:上記の複合材料粒子を乾燥機に入れ、加熱して乾燥させるステップ、
ステップ6:乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱して熔融し、生産する製品の単位材料必要量を成形機のプログラムにインプットしてから、成形機の射出制御プログラムを動作させ、シリンダー内のスクリューにより複合材料を金型に射出するステップであって、上記成形機はピストン式シリンダーを有し、高い圧力により材料を製品の金型に射出するステップ、
ステップ7:5℃〜10℃の冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却するステップ、及び
ステップ8:金型を開いて、成形した製品を取り出すステップ。
【0025】
下記実施例にある炭酸カルシウム、珪灰石はともに変性処理された材料である。つまり、高速攪拌機に1.5%のステアリン酸(C1632、融点は69.6℃)と98.5%の炭酸カルシウムまたは珪灰石を入れて、高速混合前処理をする。高速攪拌機の温度を90℃〜100℃に調整し、ステアリン酸と充填材料を充分混合して、互いに衝突させる。15〜30分後、撹拌を止め、変性作業を終了させる。変性処理済みの炭酸カルシウム及び珪灰石はポリプロピレンとよく結合し、材料間の相溶性を大幅に高めるとともに、炭酸カルシウム、珪灰石の表面の油の吸着性を低め、炭酸カルシウム及び珪灰石の添加比率を大幅に高め、変性された非金属熱可塑性複合材料に高充填性の特徴を持たせる。変性された非金属材料にはより良い相溶性及び高充填性があり、上記変性された非金属材料複合材料を使用し成形した衛生器具には、硬くて強度が高い、耐腐食の特徴があり、そして天然石材料の質感がある。
【実施例】
【0026】
下記はパーセンテージの異なる混合方法の実施例である。
【0027】
実施例1
重量のパーセンテージにより計算:
【表2】

【0028】
上記のパーセンテージで上記各原材料を攪拌機の中で十分に撹拌してから、その混合した原材料を材料入れ用の注入口またはバイパス注入口経由で定量的に二軸押出機のホッパーに注入し、加熱・成形する。それから、加熱・成形した複合材料を押出機の出口から押し出して、そして、この押し出した複合材料を水槽に入れて室温まで冷却する。冷却後の複合材料を造粒機に入れて、粒状の複合材料粒子に加工する。上記複合材料粒子を100℃〜120℃の乾燥機に入れて、加熱・乾燥し、水分を取り除く。この乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱して、複合材料粒子を熔融させる。生産する製品の単位材料必要量を成形機のプログラムにインプットし、成形機の射出制御プログラムを動作させ、射出スクリューによりシリンダーにある複合材料を金型に射出する。上記成形機はピストン式シリンダーを有し、溶融した材料を大きな圧力により製品の金型に射出する。5℃〜10℃の冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却させる。金型を開いて、製品取り専用のロボットにより成形品を取り出す。
【0029】
本実施例により作り出した製品は薄くて軽い。耐衝撃性と耐圧強度は高い。製品表面は滑らかで、自浄能力は良い。耐熱性、耐食性も良い。
【0030】
実施例2
重量のパーセンテージにより計算:
【表3】

【0031】
上記のパーセンテージで上記各原材料を攪拌機の中で十分に撹拌してから、その混合した原材料を材料入れ用の注入口またはバイパス注入口経由で定量的に二軸押出機のホッパーに注入し、加熱・成形する。それから、加熱・成形した複合材料を押出機の出口から押し出して、そして、この押し出した複合材料を水槽に入れて室温まで冷却する。冷却後の複合材料を造粒機に入れて、粒状の複合材料粒子に加工する。上記複合材料粒子を100℃〜120℃の乾燥機に入れて、加熱・乾燥し、水分を取り除く。この乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱して、複合材料粒子を熔融させる。生産する製品の単位材料必要量を成形機のプログラムにインプットし、成形機の射出制御プログラムを動作させ、射出スクリューによりシリンダーにある複合材料を金型に射出する。上記成形機はピストン式シリンダーを有し、溶融した材料を大きな圧力により製品の金型に射出する。5℃〜10℃の冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却させる。金型を開いて、製品取り専用のロボットにより成形品を取り出す。
【0032】
本実施例により作り出した製品は汚れが付着しにくく、自浄能力は良い。常温状態を維持することができ、冷たい触感が無い。強靭性は良く、耐衝撃性及び耐圧強度も高い。
【0033】
実施例3
重量のパーセンテージにより計算:
【表4】

【0034】
上記のパーセンテージで上記各原材料を攪拌機の中で十分に撹拌してから、その混合した原材料を材料入れ用の注入口またはバイパス注入口経由で定量的に二軸押出機のホッパーに注入し、加熱・成形する。それから、加熱・成形した複合材料を押出機の出口から押し出して、そして、この押し出した複合材料を水槽に入れて室温まで冷却する。冷却後の複合材料を造粒機に入れて、粒状の複合材料粒子に加工する。上記複合材料粒子を100℃〜120℃の乾燥機に入れて、加熱・乾燥し、水分を取り除く。この乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱して、複合材料粒子を熔融させる。生産する製品の単位材料必要量を成形機のプログラムにインプットし、成形機の射出制御プログラムを動作させ、射出スクリューによりシリンダーにある複合材料を金型に射出する。上記成形機はピストン式シリンダーを有し、溶融した材料を大きな圧力により製品の金型に射出する。5℃〜10℃の冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却させる。金型を開いて、製品取り専用のロボットにより成形品を取り出す。
【0035】
本実施例により作り出した製品は防水性能が良く、表面には汚れが付着し難い。硬度が良く、耐衝撃性及び耐摩耗性も良い。特に、保温性能は大幅に向上した。
【0036】
本発明により提供された熱可塑性樹脂複合材料及び当該材料を利用し製品を製造する方法は衛生器具シリーズ,衛生器具用金物シリーズ、アウトドア製品シリーズ、外装用管材シリーズ、ランドスケープ用品シリーズなどの製品の製造に広く利用される。
【0037】
実施例4
重量のパーセンテージにより計算:
【表5】

【0038】
上記のパーセンテージで上記各原材料を攪拌機の中で十分に撹拌してから、その混合した原材料を材料入れ用の注入口またはバイパス注入口経由で定量的に二軸押出機のホッパーに注入し、加熱・成形する。それから、加熱・成形した複合材料を押出機の出口から押し出して、そして、この押し出した複合材料を水槽に入れて室温まで冷却する。冷却後の複合材料を造粒機に入れて、粒状の複合材料粒子に加工する。上記複合材料粒子を100℃〜120℃の乾燥機に入れて、加熱・乾燥し、水分を取り除く。この乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱して、複合材料粒子を熔融させる。生産する製品の単位材料必要量を成形機のプログラムにインプットし、成形機の射出制御プログラムを動作させ、射出スクリューによりシリンダーにある複合材料を金型に射出する。上記成形機はピストン式シリンダーを有し、溶融した材料を大きな圧力により製品の金型に射出する。5℃〜10℃の冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却させる。金型を開いて、製品取り専用のロボットにより成形品を取り出す。
【0039】
この実施例4の方法により作った製品には大理石の質感があり、製品表面には天然大理石の顆粒状結晶体模様があり、石目の階層感と立体感が溢れる。製品を叩くと、天然石材料の硬さと重厚感が感じられる。
【0040】
上記衛生器具には洗面台、浴槽、便座、局部洗浄器、便器、シャワートレー等が含まれる。衛生器具用金物には洗面台及び浴槽の蛇口、シャワー用蛇口及びシャワーヘッド、洗面台、浴槽水槽の下水、キッチンシンクの蛇口、排水口、量水器のカバーなどが含まれる。アウトドア製品にはテーブル、椅子、植木鉢、ランドスケープ用品などが含まれる。外装用管材には正方形、丸形、菱形、長方形などがある。
【0041】
上記の実施例により本発明の内容を詳しく紹介したが、本発明は上記内容に限定されるわけではない。当業者が上記内容を参照し、本発明を改変、代替することも想定されるので、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲により画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料であって、前記複合材料は下記のパーセンテージで各原材料を含み、
【表1】

前記充填材料はステアリン酸により処理された変性材料であることを特徴とする、非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料。
【請求項2】
前記充填材料は珪灰石、炭酸カルシウム、または珪灰石と炭酸カルシウムとの混合物である、請求項1の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料。
【請求項3】
前記変性処理は、1〜5重量%のステアリン酸と95〜99重量%の充填材料を高速攪拌機により90℃〜100℃の温度で、15〜30分間撹拌し、ステアリン酸と充填材料を充分混合して、互いに衝突させる処理である、請求項2の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料。
【請求項4】
前記ポリプロピレン材料は、ポリプロピレンM700のポリプロピレンもしくはM2600のポリプロピレン、またはM700のポリプロピレンとM2600のポリプロピレンの混合物である、請求項1の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料。
【請求項5】
請求項1または3の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料を利用して製品を製造する方法であって、
ステップ1:請求項1に記載のパーセンテージに基づき、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、酸化チタン、充填材料及び酸化防止剤を攪拌機により均一的に撹拌するステップ、
ステップ2:前記混合した原材料を二軸押出機のホッパーに入れ、加熱・成形するステップ、
ステップ3:加熱・成形した複合材料を二軸押出機により押し出して、前記複合材料を冷却させるステップ、
ステップ4:冷却処理した複合材料を造粒機に入れ、粒状の複合材料粒子を造るステップ、
ステップ5:前記複合材料粒子を乾燥機に入れ、加熱して乾燥させるステップ、
ステップ6:前記乾燥した複合材料粒子を成形機のシリンダーに入れ、加熱し、複合材料粒子を溶融させ、成形機を利用し、シリンダーにある複合材料を製品の金型に射出するステップ、
ステップ7:冷却水を金型の冷却水路に流し、製品を冷却するステップ、及び
ステップ8:金型を開いて、成形した製品を取り出すステップ、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項6】
前記ステップ6において、前記成形機はピストン式シリンダーを有し、溶融した複合材料粒子を大きな圧力により製品の金型に射出する、請求項5の方法。
【請求項7】
前記ステップ7において、前記冷却水の温度は5℃〜10℃である、請求項6の方法。
【請求項8】
前記複合材料は衛生器具、衛生器具用金物、アウトドア製品、外装用管材、ランドスケープ用品の製造に適用することができる、請求項1または3の非金属材料により変性された熱可塑性樹脂複合材料。

【公表番号】特表2012−520389(P2012−520389A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521933(P2012−521933)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001211
【国際公開番号】WO2012/000141
【国際公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【出願人】(510112752)シャンハイ ヒューダ インベストメント アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド (3)
【出願人】(511025938)チンハイシーワン ハイ−テクアンドマテリアル カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】