説明

鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置

【課題】ブレーキ操作子の操作に応じて、前輪ブレーキに接続されるマスタシリンダを作動せしめるとともに、後輪ブレーキをブレーキ作動せしめる鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置において、安価な構成で、後輪ブレーキ単独と、後輪および前輪ブレーキの連動との切換えを可能とする。
【解決手段】後輪ブレーキ側伝達部材38と、支軸39で一端部が回動可能に支承されてマスタシリンダMに連接されるノッカアーム41とがイコライザ42の両端部に連結され、ブレーキ操作子32に一端部が連結される操作力伝達部材43の他端部が、イコライザ42の中間部に回動可能に連結され、イコライザ42の一端部および固定の第1受け部44間に第1弾発部材46が設けられ、ノッカアーム41の他端部および固定の第2受け部45間に第1弾発部材46よりも初期荷重が大きな第2弾発部材47が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪に装着される前輪ブレーキと、後輪に装着される後輪ブレーキと、前記前輪ブレーキにブレーキ液圧を作用せしめるマスタシリンダと、車体フレームに回動可能に支承されるブレーキペダルとを備え、乗員による前記ブレーキペダルの回動操作に応じて前記マスタシリンダを作動せしめるとともに前記後輪ブレーキをブレーキ作動せしめるようにした鞍乗り型車両の前後連動ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキペダルによる操作力を後輪ブレーキ側にロッドで伝達し、前輪ブレーキには、ブレーキペダルの踏み込み操作に応動するマスタシリンダから出力される液圧を作用せしめるようにした自動二輪車の連動ブレーキ装置が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−062559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鞍乗り型車両の走行中、小さな減速をしようとしたい場合に、後輪だけ制動することがあり、このような場合は後輪ブレーキだけを制動作動させるためにディレイバルブ等のバルブで前輪ブレーキを遅らせて作動させることが可能である。しかしディレイバルブは高価であり、油路が複雑化する傾向にある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、後輪ブレーキ単独と、後輪および前輪ブレーキの連動との切換えを可能とした安価な鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、前輪に装着される前輪ブレーキと、後輪に装着される後輪ブレーキと、前記前輪ブレーキにブレーキ液圧を作用せしめるマスタシリンダと、ブレーキ操作子とを備え、乗員による前記ブレーキ操作子の操作に応じて前記マスタシリンダを作動せしめるとともに前記後輪ブレーキをブレーキ作動せしめるようにした鞍乗り型車両の前後連動ブレーキ装置において、後輪ブレーキに操作力を伝達する後輪ブレーキ側伝達部材と、固定位置に配置される支軸で一端部が回動可能に支承されて前記マスタシリンダの入力ロッドに連接されるノッカアームとが、イコライザの両端部に同一方向から回動可能に連結され、前記ブレーキ操作子に一端部が連結される操作力伝達部材の他端部が、前記後輪ブレーキ側伝達部材および前記ノッカアームとは反対側から前記イコライザの中間部に回動可能に連結され、前記ブレーキ操作子の操作に応じた前記イコライザの作動に応じて前記イコライザの一端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記イコライザの一端部および固定の第1受け部間に第1弾発部材が設けられ、前記ブレーキ操作子の操作に応じた前記イコライザの作動に応じて前記イコライザの他端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記ノッカアームの他端部および固定の第2受け部間に第2弾発部材が設けられ、第1弾発部材から前記イコライザに作用する初期荷重が、第2弾発部材から前記イコライザに作用する初期荷重よりも小さく設定されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記第1弾発部材が、前記イコライザの一端部の第1受け部への近接に応じて2段階にばね特性を変化させる非線形特性ばねであることを特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記後輪が前記車体フレームに揺動可能に支承されるスイングアームの後端部に軸支され、前記マスタシリンダおよび前記後輪ブレーキ側伝達部材が前記スイングアームに沿って配置されることを第3の特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ブレーキ操作子がブレーキペダルであることを特徴とする第4の特徴とする。
【0010】
なお実施の形態のロッド38が本発明の後輪ブレーキ側伝達部材に対応し、実施の形態の第1コイルばね46が本発明の第1弾発部材に対応し、実施の形態の第2コイルばね47が本発明の第2弾発部材に対応する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1〜第4の特徴によれば、ブレーキ操作子の操作に応じて操作力伝達部材からイコライザの中間部に操作力が伝達されることによって、イコライザは、後輪側操作力伝達部材を牽引し、固定位置にある支軸の軸線まわりにノッカアームを回動させてマスタシリンダに操作力を入力させる側に作動しようとするが、ブレーキペダルの操作力が低い状態では、イコライザの一端部および固定の第1受け部間に設けられた第1弾発部材からイコライザに作用する初期荷重が、ノッカアームの他端部および固定の第2受け部間に設けられる第2弾発部材からイコライザに作用する初期荷重よりも小さいので、イコライザは、先ずノッカアームが連結されているイコライザの他端部を支点として回動し、マスタシリンダを非作動状態としたままで後輪ブレーキを制動作動させることになる。次いでブレーキペダルの操作力が大きくなって、第1および第2弾発部材からイコライザに作用する荷重が等しくなると、イコライザは、後輪側伝達部材を牽引しつつノッカアームを支軸の軸線まわりに回動させるように作動し、マスタシリンダの作動によって前輪ブレーキが制動作動することになり、後輪ブレーキおよび前輪ブレーキが連動して制動作動することになり、安価な構成で、後輪ブレーキ単独と、後輪および前輪ブレーキの連動との切換えが可能となる。また第1および第2弾発部材のセット荷重を変えることによって車両に応じた切換タイミングに簡単にセットすることができる。
【0012】
また特に本発明の第2の特徴によれば、第1弾発部材を、2段階でばね特性を変化させる非線形特性ばねとすることで、後輪および前輪ブレーキの連動が開始するポイントのばらつきを小さくすることができる。
【0013】
さらに特に本発明の第3の特徴によれば、前輪ブレーキに液圧を作用せしめるマスタシリンダ、ならびに後輪ブレーキに操作力を伝達する後輪ブレーキ側伝達部材の作動方向線を略同じとすることによって伝達効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】自動二輪車の側面図である。
【図2】後輪ブレーキが単独でブレーキ作動している状態での図1の要部を拡大して示す側面図である。
【図3】第1弾発部材の側面図である。
【図4】第1弾発部材の特性図である。
【図5】後輪および前輪ブレーキが連動している状態での図2に対応した側面図である。
【図6】前輪ブレーキのブレーキ力が最大の状態での図2に対応した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例1について図1〜図6を参照しながら説明すると、先ず図1において、この鞍乗り型車両は自動二輪車であり、車体フレームFは、フロントフォーク11を操向可能に支承するヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム13と、該メインフレーム13の後部から下方に垂下されるピボットプレート14と、前記メインフレーム13の後部に連設されて後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム15…とを備え、前記フロントフォーク11の下端に前輪WFが軸支され、フロントフォーク11の上部にはバー状の操向ハンドル16が連結される。
【0017】
前記メインフレーム13の下方には、たとえばシリンダ軸線をわずかに前上がりとして車体フレームFに搭載されるエンジンEが配置される。また前記ピボットプレート14には、スイングアーム17の前端部が支軸20を介して上下に揺動可能に支承されており、スイングアーム17の後端に後輪WRが軸支され、車体フレームFにおけるリヤフレーム15…およびスイングアーム17間にはリヤクッション18が設けられる。
【0018】
前記エンジンEのクランクケース19には変速機(図示せず)が内蔵されており、その変速機の出力は後輪WRに伝達され、後輪WRの上方には、タンデム型である乗車用シート21が配置される。
【0019】
車体フレームFには、該車体フレームF、前記エンジンEの一部を覆う合成樹脂製の車体カバー22が取付けられており、この車体カバー22は、メインフレーム13の左右両側に配置されるフロントサイドカバー23…と、ライダーの脚部を前方から覆うようにして両フロントサイドカバー23…の前部に連なるレッグシールド24…と、ヘッドパイプ12を前方から覆うようにして両レッグシールド24…に連なるフロントトップカバー25と、ヘッドパイプ12を後方側から覆うとともにメインフレーム13を上方から覆うようにしてフロントトップカバー25に連なるメインフレームトップカバー26と、前記両フロントサイドカバー23…の下部に連なるアンダーカバー27…と、上部に前記乗車用シート21が配設されるリヤサイドカバー28とで構成される。
【0020】
前記ピボットプレート14には、前記乗車用シート21の後部に座った同乗者の足を載せるピリオンステップ29が設けられるステップホルダ30が、車体フレームFの一部を構成するようにして固着される。
【0021】
ところで前記前輪WFには、液圧の作用に応じて作動するディスクブレーキである前輪ブレーキBFが装着され、前記後輪WRには、レバー31を回動作動せしめることで作動するドラムブレーキである後輪ブレーキBRが装着され、前記ピボットプレート14の下部には、後輪ブレーキBRを作動せしめるとともに前輪ブレーキBFを連動して作動せしめるブレーキペダル32が回動可能に取付けられ、エンジンEのクランクケース29およびブレーキペダル32間には戻しばね33が設けられる。
【0022】
図2において、前記ピボットプレート14の下部には、前記ブレーキペダル32の後端部が支軸34を介して回動可能に支持されており、このブレーキペダル32の後端部に固着される連結腕35が前記支軸34から上方に延びる。また前記支軸34の上方で前記ピボットプレート14には、入力ロッド40を後方側に突出させるとともに前記スイングアーム17に沿って水平に配置されるマスタシリンダMのシリンダ体36が固定されており、このマスタシリンダMから出力される液圧は管路37を介して前輪ブレーキBFに作用する。
【0023】
而して前記ブレーキペダル32の回動操作に応じて前記マスタシリンダMが、前輪ブレーキBFに液圧を作用させるようにして作動するとともに後輪ブレーキBRがブレーキ作動するものであり、後輪ブレーキBRのレバー31に操作力を伝達する後輪ブレーキ側伝達部材であるロッド38と、固定位置に配置される支軸39で一端部が回動可能に支承されて前記マスタシリンダMの入力ロッド40に連接されるノッカアーム41とが、イコライザ42の両端部に同一方向から回動可能に連結される。而して前記ロッド38は前記スイングアーム17に沿って延びるように配置される。
【0024】
前記マスタシリンダMのシリンダ体36には、後方に延びる支持板部36aが設けられており、この支持板部36aの下部に、前記ノッカアーム41の下部が支軸39を介して回動可能に支持される。而して前記支持板部36a、前記ノッカアーム41および前記イコライザ42は、前記ノッカアーム41が支持板部36aおよびイコライザ42間に挟まれるようにして重なって配置される。また前記ノッカアーム41には、前記マスタシリンダMの入力ロッド40に後方から連接する押圧部41aが、前記支軸39の軸線からオフセットした位置で後方に向けて突出するように一体に設けられる。
【0025】
前記イコライザ42は、上下に一直線上に延びて平板状に形成されるものであり、このイコライザ42の一端部(下端部)にその後方側から前記スイングアーム17に沿って配置される前記ロッド38の一端部が回動可能に連結される。また前記ノッカアーム41には、前記押圧部41aを前記支軸39との間に挟む位置で前記イコライザ42側に後方側から延びる連結腕部41bが一体に設けられており、前記イコライザ42の他端部(上端部)にその後方側から前記連結腕部41bが回動可能に連結される。
【0026】
前記ブレーキペダル32の連結腕部35の上端部は、前記イコライザ42の前方に配置されており、前記連結腕部35の上端部に一端部が連結される操作力伝達部材43の他端部が、前記ロッド38および前記ノッカアーム41とは反対側すなわち前方側から前記イコライザ42の中間部に回動可能に連結される。
【0027】
またマスタシリンダMのシリンダ体36には、前記イコライザ42の一端部(下端部)の前方に位置する第1受け部44と、前記ノッカアーム41の他端部の前方に位置する第2受け部45とが設けられており、ブレーキペダル32の回動操作に応じた前記イコライザ42の作動に応じて前記イコライザ42の一端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記イコライザ42の一端部および固定の第1受け部44間に第1弾発部材である第1コイルばね46が設けられ、前記ブレーキペダル32の回動操作に応じた前記イコライザ42の作動に応じて前記イコライザ42の他端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記ノッカアーム41の他端部および固定の第2受け部45間に第2弾発部材である第2コイルばね47が設けられる。
【0028】
第1コイルばね46は、前記イコライザ42の一端部の第1受け部44への近接に応じて2段階にばね特性を変化させる非線形特性ばねであり、たとえば図3で示すような不等ピッチコイルばねであり、図4で示すように、前記イコライザ42の一端部および第1受け部44間での圧縮量に応じて2段階にばね特性を変化させるものであり、第1コイルばね46からイコライザ42に作用する初期荷重は、第2コイルばね47からイコライザ42に作用する初期荷重よりも小さく設定される。
【0029】
また第1受け部44および前記イコライザ42の一端部には第1コイルばね46の両端部に突入して第1コイルばね46の位置を定める突起44a,42aが一体に突設され、第2受け部45および前記ノッカアーム41の他端部には第2コイルばね47の両端部に突入して第2コイルばね47の位置を定める突起45a,41cが一体に突設される。しかも第2受け部45および前記ノッカアーム41の他端部に突設された突起45a,41cは、ブレーキペダル32によるブレーキ操作力が大きくなたときには相互に当接して前記ノッカアーム41の回動を阻止し、マスタシリンダMから出力される液圧の最大値を定めるストッパとしての機能も有する。
【0030】
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキペダル32の回動操作に応じて操作力伝達部材43からイコライザ42の中間部に操作力が伝達されることによって、イコライザ42は、ロッド38を牽引し、固定位置にある支軸39の軸線まわりにノッカアーム41を回動させてマスタシリンダMに操作力を入力させる側に作動しようとするが、ブレーキペダル32の操作力が低い状態では、イコライザ42の一端部および固定の第1受け部44間に設けられた第1コイルばね46からイコライザ42に作用する初期荷重が、ノッカアーム41の他端部および固定の第2受け部45間に設けられる第2コイルばね47からイコライザ42に作用する初期荷重よりも小さいので、イコライザ42は、先ずノッカーアーム41が連結されているイコライザ42の他端部を支点として、図2の鎖線で示す位置から実線で示す位置へと回動し、マスタシリンダMを非作動状態としたままで後輪ブレーキBRを制動作動させることになる。
【0031】
次いでブレーキペダル32の操作力が大きくなって、第1および第2コイルばね46,47からイコライザ42に作用する荷重が等しくなると、イコライザ42は、図5で示すように、ロッド38を牽引しつつノッカアーム41を支軸39の軸線まわりに回動させるように作動し、マスタシリンダMの作動によって前輪ブレーキBFが制動作動することになり、後輪ブレーキBRおよび前輪ブレーキBFが連動して制動作動する。
【0032】
さらにブレーキペダル32の操作力が大きくなると、図6で示すように、第2受け部45および前記ノッカアーム41の他端部に突設された突起45a,41cが当接することでノッカアーム41のそれ以上の回動が阻止され、マスタシリンダMから出力される液圧がそれ以上増大することなく、この状態で、イコライザ42は、ノッカーアーム41が連結されているイコライザ42の他端部を支点として回動し、後輪ブレーキBRの制動力をさらに増大させることになる。
【0033】
このようにしてマスタシリンダM、ロッド38、ノッカアーム41、イコライザ42、操作力伝達部材43、第1コイルばね46および第2コイルばね47を用いた安価な構成で後輪ブレーキBR単独と、後輪および前輪ブレーキBR,BFの連動との切換えができ、また第1および第2コイルばね46,47のセット荷重を変えることによって車両に応じた切換タイミングに簡単にセットすることができる。
【0034】
また第1コイルばね46が、イコライザ42の一端部の第1受け部44への近接に応じて2段階にばね特性を変化させる非線形特性ばねであるので、後輪および前輪ブレーキBR,BFの連動が開始するポイントのばらつきを小さくすることができる。
【0035】
また後輪WRを軸支して車体フレームFに揺動可能に支承されるスイングアーム17に沿ってマスタシリンダMおよび前記ロッド38が配置されるので、マスタシリンダMおよびロッド38の作動方向線を略同じとして伝達効率を高めることができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0037】
17・・・スイングアーム
32・・・ブレーキ操作子であるブレーキペダル
38・・・後輪ブレーキ側伝達部材であるロッド
39・・・支軸
40・・・入力ロッド
41・・・ノッカアーム
42・・・イコライザ
43・・・操作力伝達部材
44・・・第1受け部
45・・・第2受け部
46・・・第1弾発部材である第1コイルばね
47・・・第2弾発部材である第2コイルばね
BF・・・前輪ブレーキ
BR・・・後輪ブレーキ
F・・・車体フレーム
M・・・マスタシリンダ
WF・・・前輪
WR・・・後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(WF)に装着される前輪ブレーキ(BF)と、後輪(WR)に装着される後輪ブレーキ(BR)と、前記前輪ブレーキ(BF)にブレーキ液圧を作用せしめるマスタシリンダ(M)と、ブレーキ操作子(32)とを備え、乗員による前記ブレーキ操作子(32)の操作に応じて前記マスタシリンダ(M)を作動せしめるとともに前記後輪ブレーキ(BR)をブレーキ作動せしめるようにした鞍乗り型車両の前後連動ブレーキ装置において、後輪ブレーキ(BR)に操作力を伝達する後輪ブレーキ側伝達部材(38)と、固定位置に配置される支軸(39)で一端部が回動可能に支承されて前記マスタシリンダ(M)の入力ロッド(40)に連接されるノッカアーム(41)とが、イコライザ(42)の両端部に同一方向から回動可能に連結され、前記ブレーキ操作子(32)に一端部が連結される操作力伝達部材(43)の他端部が、前記後輪ブレーキ側伝達部材(38)および前記ノッカアーム(41)とは反対側から前記イコライザ(42)の中間部に回動可能に連結され、前記ブレーキ操作子(32)の操作に応じた前記イコライザ(42)の作動に応じて前記イコライザ(42)の一端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記イコライザ(42)の一端部および固定の第1受け部(44)間に第1弾発部材(46)が設けられ、前記ブレーキ操作子(32)の操作に応じた前記イコライザ(42)の作動に応じて前記イコライザ(42)の他端部に作用する弾発荷重を増大させるようにして前記ノッカアーム(41)の他端部および固定の第2受け部(45)間に第2弾発部材(47)が設けられ、第1弾発部材(46)から前記イコライザ(42)に作用する初期荷重が、第2弾発部材(47)から前記イコライザ(42)に作用する初期荷重よりも小さく設定されることを特徴とする鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置。
【請求項2】
前記第1弾発部材(46)が、前記イコライザ(42)の一端部の第1受け部(44)への近接に応じて2段階にばね特性を変化させる非線形特性ばねであることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置。
【請求項3】
前記後輪(WR)が前記車体フレーム(F)に揺動可能に支承されるスイングアーム(17)の後端部に軸支され、前記マスタシリンダ(M)および前記後輪ブレーキ側伝達部材(38)が前記スイングアーム(17)に沿って配置されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置。
【請求項4】
前記ブレーキ操作子が、ブレーキペダル(32)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−235033(P2010−235033A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87128(P2009−87128)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】